JPH05182911A - スパッタ装置 - Google Patents

スパッタ装置

Info

Publication number
JPH05182911A
JPH05182911A JP34583491A JP34583491A JPH05182911A JP H05182911 A JPH05182911 A JP H05182911A JP 34583491 A JP34583491 A JP 34583491A JP 34583491 A JP34583491 A JP 34583491A JP H05182911 A JPH05182911 A JP H05182911A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shutter
film
target
targets
compositions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34583491A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Nagano
久志 永野
Hiroshi Kajiyama
博司 梶山
Seiichi Kondo
誠一 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP34583491A priority Critical patent/JPH05182911A/ja
Publication of JPH05182911A publication Critical patent/JPH05182911A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】スパッタ成膜法を用いて、異なる任意な組成の
二つの物質の合金膜、あるいは成分又は組成の異なる二
つの物質を、交互且つ任意の厚さで積み重ねた積層膜に
おいて、組成のずれがない膜厚が均一なものを作製する
装置を実現することにある。 【構成】それぞれのスパッタ電極に、成分又は組成が異
なるターゲット4及びターゲット5が貼り付けられてい
る。基板7は、向かい合った2つのターゲットで囲まれ
ている空間の外に置かれている。アルゴンガス、または
アルゴンガスと酸素ガスを主成分とする減圧雰囲気中で
スパッタ成膜を行う。各ターゲットに投入する入力電力
を独立に制御することにより異なる2つの物質の合金膜
を作製する。あるいは各ターゲットの前に配置したシャ
ッタの開閉を独立に制御することにより、成分あるいは
組成の異なる2つの物質を、交互且つ任意の厚さで積層
させた積層膜を作製することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトンネル接合素子、反射
鏡、超伝導体、超格子半導体、強磁性体などの作製に使
用される物理的薄膜作製法の一つであるスパッタ成膜法
に関し、異なる二つの物質の合金膜、あるいは交互且つ
任意の厚さで積み重ねた積層膜を作製するスパッタ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスパッタ装置の解説の一例が、産
業技術サービスセンター発刊、実用真空技術総覧(19
91)608頁から675頁にある。最も主要なマグネ
トロンスパッタ法で合金膜を作製する場合、合金を構成
する物質のスパッタ電極を用い同時にスパッタするか、
合金ターゲットを使用していた。また、積層膜を作製す
る場合、基板又はスパッタ電極を移動させ、シャッタを
開閉することで作製していた。しかしながら、合金ター
ゲットを用いた場合、基板へ直接、高エネルギー電子や
イオンが衝突する逆スパッタ現象が発生し、組成のずれ
が生じ、膜厚を均一にして成膜することができないとい
う欠点があった。
【0003】特に、酸化物超伝導体は、超伝導体になる
ためには組成の一致が極めて重要であり、このストイキ
オメトリー組成がずれた場合、超伝導体ではなく常伝導
体や絶縁体等になる。例えば、ランタン系のLa2-x
xCuO4の場合、xが0.05から0.25の範囲で
超伝導転移温度(以下、Tcと略す。)が最高で約40
ケルビンで超伝導体特性を示すが、それ以外では反強磁
性体または常伝導体である。さらに、イットリウム系で
はY1Ba2Cu3x(x=6.5から7.0)がTc約
90ケルビン、Y1Ba2Cu48がTc約80ケルビン
の超伝導体に対して、Y2Ba1Cu15は常伝導体であ
る。したがって、いかにターゲットのストイキオメトリ
ー組成をずらさず、膜厚が均一なスパッタ膜を作製する
かが重要である。
【0004】そこで考えられたのが対向ターゲット式ス
パッタ装置である。この装置は電子通信学会論文誌
(C)、J65−C、No.6、pp.490−497
(1982)に記載されている。この方法は、ターゲッ
トと基板が向かい合っていないため、高エネルギー電子
や負イオンによる基板の逆スパッタ現象がなく、組成の
ずれがない、膜厚が均一なスパッタ膜を作製することが
できる利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この対
向ターゲット式スパッタ装置で異なる物質の合金膜や、
異なる物質を交互且つ任意の厚さで積み重ねた積層膜を
作製することができなかった。本発明の目的は、対向タ
ーゲット式スパッタ装置の利点を活かし、任意の組成の
合金膜を作製することにある。さらに、異なる物質を交
互且つ任意の厚さで積み重ねた積層膜において、組成の
ずれがない膜厚分布の均一なものを作製することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、二つのスパ
ッタ電極に異なる成分又は組成のターゲットを向い合わ
せに配置し、しかも両電極のターゲットを透過するよう
に磁力線を結合させることにより達成される。さらに詳
しくは、任意な組成の合金膜の作製には、それぞれのス
パッタ電極への入力電力を、独立に制御することによっ
て達成される。また、成分又は組成が異なる物質を、交
互且つ任意の厚さで積み重ねた積層膜を作製するには、
二つのスパッタ電極の前にそれぞれシャッタを取り付
け、この二つのシャッタの開閉を独立に制御することに
よって達成される。
【0007】さらに、シャッタを磁力線が透過できる材
料で作製することによって、プラズマの保持を容易し、
シャッタをスパッタ電極と同電位にすることでプラズマ
電流を高密度化させ、膜厚の均一性や成膜速度を向上さ
せることが可能になる。
【0008】特に、対向ターゲット方式の利点を活かす
ことによって、酸化物超伝導体などの成分又は組成が異
なる物質を、交互且つ任意の厚さで積み重ねた積層膜を
作製することも可能である。
【0009】
【作用】ターゲットから弾きだされた原子は、ターゲッ
トで囲まれている空間の収束磁界によって、プラズマと
して保持される。基板はこの空間の外に配置されてお
り、負イオンによる逆スパッタの影響がないため、膜の
組成のずれは生じず、膜厚が均一な膜を作製することが
できる。ターゲットから弾き出される原子数は、ターゲ
ット(スパッタ電極)に印加される電力に比例して変化
する。従って、対向する二つの異なるターゲットのそれ
ぞれの印加電力を変化させることにより、二つの物質が
任意の割合で混ざりあった合金膜を作製することが可能
となる。
【0010】また、シャッタはターゲットから弾き飛ば
される原子を物理的に遮断する。このシャッタの開閉を
独立に制御し、交互に開閉させることによって異なる成
分又は組成の物質を、交互且つ任意の厚さで積み重ねた
積層膜を作製することができる。
【0011】また、シャッタを磁力線が透過する材料で
作製することによって、ターゲットから弾き飛ばされる
原子は物理的に遮断されるが、磁力線は透過される。こ
の磁力線で、プラズマは収束保持され膜厚の均一性が向
上する。
【0012】さらに、それぞれのシャッタにスパッタ電
極と同電位の負の電圧を印加することで、ターゲット及
びシャッタを透過する収束磁界中のプラズマを高密度に
保持することができる。つまり、シャッタが開いている
スパッタ電極と、もう一方の閉じているシャッタとの間
を同電位にすることで、この空間に高速γ電子の往復運
動が行われ、収束されたプラズマ電流密度が増加する。
この高密度プラズマが雰囲気ガスのイオン化を促進さ
せ、スパッタする原子が増加し成膜速度が速くなる。
【0013】このようにして、任意な組成の合金膜、あ
るいは異なる物質を交互且つ任意の厚さで積み重ねた積
層膜において、組成のずれがなく膜厚分布の均一なもの
を作製することが可能である。特に、ストイキオメトリ
ー組成の一致が重要である酸化物超伝導体等には有効で
ある。
【0014】
【実施例】(実施例1)スパッタ電極に印加する入力電
力を独立に制御することによって、任意な組成の合金膜
を作製した例について説明する。
【0015】本発明の実施例のスパッタ装置の構造を図
1に示す。一つのスパッタ電極は、アノード電極1とカ
ソード電極2で構成されている。アノード電極は電気的
にアースされている。カソード電極内には中空円盤状の
磁石3が貼付けてあり、内部は水冷されている。このス
パッタ電極を向かい合わせて配置し、それぞれのカソー
ド電極には異なる成分又は組成のターゲット(A)4と
ターゲット(B)5が設置されている。ターゲットは、
直径50ミリメートル、厚さ5ミリメートルの大きさで
ある。ターゲットの組成は、一方がシリコン、他方がモ
リブデンである。向かい合うターゲット間の距離は、表
面から表面まで50ミリメートルである。磁石3により
発生する磁力線は、一方のターゲットを貫き他方のター
ゲットに入るようになっている。磁力線はターゲットの
間の空間をほぼ直線に走っており、磁束密度もほぼ一定
である。基板保持台(基板ヒータ)6に置かれている基
板7は、2つのターゲットの中心を結ぶ線から、5セン
チメートル離れた場所に置かれている。ターゲット間隔
及び基板保持台位置はターゲットの大きさや成膜条件
(スパッタガス圧力、基板温度、入力電力)によって変
化し、必ずしも今回の値には限定されない。
【0016】シリコンとモリブデンの合金を作製する。
基板には(100)面のシリコンウェハを使用し、基板
温度は室温とした。真空ポンプ12で容器内を10のマ
イナス5乗パスカルまで減圧し、ガス導入バルブ13か
らアルゴンガスを導入し10のマイナス1乗パスカルま
で加圧した。まず最初に、スパッタエッチング電極によ
って基板表面の不純物をエッチング除去する。双方のカ
ソード電極に電源10、電源11によって負の電位の入
力電力を4時間印加する。この電源は電圧一定または電
流一定でも印加入力することが可能なものである。作製
した合金膜の組成は高周波誘導結合プラズマ分光法で測
定した。それぞれのターゲット電極に印加した入力電力
及び作製した膜の組成分析結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】また、予めシリコンウェハで膜が付かない
ようにマスクしていたところの段差を、接触針式膜厚計
によって5点測定した。その結果、ターゲット間方向の
膜厚にバラツキがほとんど無く、極めて均一な合金膜が
作製されていた。
【0019】成膜速度は電極への入力電力、成膜時間に
よって変化し、今回用いた値には限定されない。
【0020】また、それぞれのターゲットの表面から5
ミリメートルの位置にターゲットの大きさより小さな孔
が開いたシャッタを置くことによってプラズマの収束を
向上させることが可能である。シャッタは直径70ミリ
メートル、厚さ1ミリメートルのステンレス製であり、
孔の径は50ミリメートルある。しかしながら、孔の径
はターゲットの大きさやシャッタの位置によって変化
し、必ずしも今回の値には限定されない。このシャッタ
を置いた結果、膜へのプラズマによるダメージが減少し
組成のずれがなく、膜厚分布の平坦性が向上することが
明らかとなった。 (実施例2)シャッタの開閉を独立に制御することによ
って、異なる成分又は組成の物質が、交互且つ任意の厚
さで積み重ねられた積層膜を作製した例について説明す
る。シャッタを配置した本発明の他の実施例の構造を図
2に示す。それぞれのスパッタ電極にはターゲットより
一回り大きなシャッタ8、シャッタ9が配置されてい
る。それぞれのシャッタはターゲット表面から10ミリ
メートル離れた位置にあり、自動または手動によって開
閉を独立に制御することができる。シャッタの大きさは
直径60ミリメートル、厚さ1ミリメートルであり、材
質はステンレス製である。しかしながらシャッタの大き
さや位置はターゲットの大きさや電極の間隔、基板保持
台の位置、成膜条件(スパッタガス圧力、基板温度、入
力電力)によって変化し、必ずしも今回の値には限定さ
れない。
【0021】ターゲットは酸化物超伝導体であるY1
2Cu3x(x=6.5から7.0)と同じく酸化物
超伝導体であるLa2-xSrxCuO4(x=0.05か
ら0.25)に交換し、積層膜の作製を試みた。基板に
は(100)面のチタン酸ストロンチウムと、同じく
(100)面の酸化マグネシウムを使用し、基板温度は
720℃とした。真空ポンプで容器内を10のマイナス
5乗パスカルまで減圧し、アルゴンガスと酸素ガスを導
入し1.2×10の1乗パスカルまで加圧した。アルゴ
ンガスと酸素ガスの分圧比は2対1とし、それぞれの圧
力がアルゴンガスが8パスカル、酸素ガスが4パスカル
である。
【0022】双方のカソード電極に負の電位の入力電力
を印加する。双方のスパッタ電極への入力電力は25ワ
ット一定とした。まず、双方のスパッタ電極前のシャッ
タを閉じ、両方のターゲット電極に電力を1分間印加す
ることによりターゲット表面に付着した不純物等を除去
する。Y1Ba2Cu3xターゲット4前のシャッタ8
のみを開き、5分間スパッタ成膜を行う。Y1Ba2
3xターゲット4前のシャッタ8を閉じ、1分間保持
する。La2-xSrxCuO4ターゲット5前のシャッ
タ9を開き、5分間スパッタ成膜を行う。La2-x
xCuO4ターゲット5前のシャッタ9を閉じ、1分間
保持する。これらからまでのプロセスを10回繰り
返すことにより、Y1Ba2Cu3xとLa2-xSrxCu
4の積層膜を作製した。
【0023】このようにして作製した積層膜を、アルゴ
ンエッチングを施しながらオージェ信号強度を測定し、
深さ方向の組成分析を行った。その結果、Y1Ba2Cu
3x75オングストロームとLa2-xSrxCuO475
オングストロームが交互に積み重ねられた積層膜が作製
されていた。
【0024】(実施例3)シャッタを磁力線が透過でき
る材料で作製することによって、プラズマの収束性を向
上させた例について説明する。
【0025】実施例2におけるそれぞれのシャッタの材
料を、磁力線が透過できる銅に変更した。例として銅を
用いたのは、両方のターゲット成分に含まれおり、スパ
ッタされても不純物とならないためである。しかしなが
ら磁力線が透過する材料であれば、今回用いた銅には限
定されない。ターゲットは酸化物超伝導体であるLa
2-xSrxCuO4(x=0.05から0.25)と酸化
物非超伝導体で常伝導体であるY2Ba1Cu15に交換
し、積層膜の作製を試みた。。このようにして作製した
積層膜を、アルゴンエッチングを施しながらオージェ信
号強度を測定し、深さ方向の組成分析を行った。その結
果、Y1Ba2Cu3x75オングストロームとY2Ba1
Cu1575オングストロームが交互に積み重ねられた
積層膜が作製されていた。実施例2と比較した場合、ス
パッタ電力が25ワットから15ワットに減少したにも
かかわらず、成膜速度は変化しなかった。これはシャッ
タに磁力線を透過する材料を用いたことでプラズマが収
束し成膜速度が増加したことを示している。
【0026】(実施例4)それぞれのシャッタはシャッ
タが配置されている位置のスパッタ電極に対向する位置
にあるスパッタ電極と実質的に同電位の負の電圧を印加
することによって、プラズマを高密度化させた例につい
て説明する。
【0027】シャッタとスパッタ電極を同電位にした本
発明の他の実施例の構造を図3に示す。ターゲット4と
シャッタ9を同電位に、ターゲット5とシャッタ8を同
電位にした。ターゲットは酸化物超伝導体であるY1
2Cu3x(x=6.5から7.0)と同じく酸化物
超伝導体であるBi2Sr2Cax-2Cux2x+4(x=
2.0から4.0)に交換し、積層膜の作製を試みた。
【0028】双方のスパッタ電極への投入電力は10ワ
ット一定とし、このようにして作製した積層膜を、アル
ゴンエッチングを施しながらオージェ信号強度を測定
し、深さ方向の組成分析を行った。その結果、Y1Ba2
Cu3x75オングストロームとBi2Sr2Cax-2
x2x+475オングストロームが交互に積み重ねられ
た積層膜が作製されていた。スパッタ電力が10ワット
と小さいにもかかわらず、実施例2、3の膜厚と変化が
ないことから、シャッタに電位を印加したことによっ
て、プラズマが高密度化し成膜速度が増加したことを示
している。
【0029】また、プラズマを保持する磁力線の強さを
自由に変化させることによって、電極への入力電力が増
加しても十分にプラズマを保持することが可能である。
【0030】(実施例5)電源に高周波電源を用いるこ
とによって酸化物超伝導体と酸化物絶縁体の積層膜を作
製した例について説明する。
【0031】実施例4においてターゲットを酸化物超伝
導体であるY1Ba2Cu3x(x=6.5から7.0)
と酸化物絶縁体である酸化マグネシウム(以下、Mg
O)に交換し、積層膜の作製を試みた。MgOは絶縁体
であるため電源には高周波電源を用いた。双方のスパッ
タ電極への投入電力は、Y1Ba2Cu3x10ワット、
MgO20ワットとした。その他の条件及び作製方法は
実施例2と同様である。このようにして作製した積層膜
を、アルゴンエッチングを施しながらオージェ信号強度
を測定し、深さ方向の組成分析を行った。その結果、Y
1Ba2Cu3x75オングストロームとMgO75オン
グストロームが交互に積み重ねられた積層膜が作製され
ていた。
【0032】MgOを同じ酸化物絶縁体であるY23
定化ZrO2(YSZ)に変更し積層膜の作製を行っ
た。その結果、同じようにY1Ba2Cu3x75オング
ストロームとYSZ75オングストロームが交互に積み
重ねられた積層膜が作製されていた。
【0033】また、酸素ガスの代わりに窒素ガスを、タ
ーゲットに窒化チタン(TiN)を用いた場合、窒化物
であるTiNの薄膜も作製が可能である。
【0034】(実施例6)異なる成分の酸化物超伝導体
と酸化物非超伝導体の積層膜を作製した例について説明
する。
【0035】実施例4と同じ条件でターゲットを酸化物
超伝導体であるBi2Sr2Cax-2Cux2x+4(x=
2.0から4.0)と酸化物非超伝導体であるY2Ba1
Cu15に変更して積層膜を作成したところ、同様に、
アルゴンエッチングを施しながらオージェ信号強度を測
定し、深さ方向の組成分析を行った。その結果、Bi2
Sr2Cax-2Cux2x+475オングストロームとY2
1Cu1575オングストロームが交互に積み重ねら
れた積層膜が作製されていた。
【0036】(実施例7)成分は同じであるが、組成の
み異なる酸化物超伝導体と酸化物非超伝導体の積層膜を
作製した例について説明する。
【0037】実施例4と同じ条件でターゲットを酸化物
超伝導体であるY1Ba2Cu3x(x=6.5から7.
0)と成分は同じであるが組成が異なり酸化物非超伝導
体で常伝導体であるY2Ba1Cu15に交換し、積層膜
を作製したところ、同様に、アルゴンエッチングを施し
ながらオージェ信号強度を測定し、深さ方向の組成分析
を行った。その結果、Y1Ba2Cu3x75オングスト
ロームとY2Ba1Cu1575オングストロームが交互
に積み重ねられた積層膜が作製されていた。
【0038】以上、本発明を特定の実施例について説明
したが、本発明の思想を逸脱しない範囲であれば、この
実施例に限られることなく、他の金属や半導体、絶縁
体、超伝導体、酸化物超伝導体、非酸化物超伝導体、酸
化物絶縁体など合金膜や積層膜の材料として採用されて
いるものに適用される。
【0039】
【発明の効果】本発明によって、対向ターゲット式スパ
ッタ装置により、二つの物質の任意な組成の合金膜、あ
るいは成分又は組成の異なる物質を交互且つ任意の厚さ
で積み重ねた積層膜を作製することができる。また、そ
の際、酸化物超伝導体等に見られるような負イオンによ
る逆スパッタを防ぐことができ、組成のずれがなく膜厚
の均一なものを作製することができる。しかも、シャッ
タ又はスパッタ電力を制御するという簡単な構造で、二
つの物質の合金膜、あるいは交互且つ任意の厚さに積み
重ねた積層膜を作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のスパッタ装置の構造を示す
概略図
【図2】本発明の実施例実施例2のシャッタを配置した
スパッタ装置の構造を示す概略図
【図3】本発明の実施例4のシャッタとスパッタ電極を
同電位にしたスパッタ装置の構造を示す概略図
【符号の説明】
1−アノード電極、2−カソード電極、3−磁石、4−
ターゲット(A) 5−ターゲット(B)、6−基板保持台(基板ヒー
タ)、7−基板 8−シャッタ(A)、9−シャッタ(B)、10−電源
(A) 11−電源(B)、12−真空ポンプ、13−ガス導入
バルブ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二つのスパッタ電極が向い合わせに配置さ
    れ,しかも両電極が磁気的に結合しているスパッタ装置
    において,それぞれのスパッタ電極に成分又は組成が異
    なる物質のターゲットを配置し,それぞれのスパッタ電
    極の前にシャッタを備え、それぞれの電極に印加される
    入力電力を独立に制御するとともに、前記シャッタの開
    閉が独立に制御されることを特徴とするスパッタ装置。
  2. 【請求項2】前記シャッタは磁力線の透過が可能な材料
    で構成されていることを特徴とする請求項1記載のスパ
    ッタ装置。
  3. 【請求項3】前記シャッタはシャッタが配置されている
    位置のスパッタ電極に対向する位置にあるスパッタ電極
    と実質的に同電位とされていることを特徴とする請求項
    1又は2記載のスパッタ装置。
  4. 【請求項4】前記シャッタは前記ターゲットよりも小さ
    い面積の透過口を設けられていることを特徴とする請求
    項1、2または3記載のスパッタ装置。
  5. 【請求項5】二つの異なる成分の酸化物超伝導体,ある
    いは酸化物超伝導体と酸化物非超伝導体をターゲットと
    して使ったことを特徴とする請求項2に記載のスパッタ
    装置。
  6. 【請求項6】成分は同じであるが,組成のみ異なる酸化
    物超伝導体と酸化物非超伝導体をターゲットとして使っ
    たことを特徴とする請求項2に記載のスパッタ装置。
  7. 【請求項7】酸化物超伝導体と酸化物絶縁体をターゲッ
    トとして使ったことを特徴とする請求項2に記載のスパ
    ッタ装置。
JP34583491A 1991-12-27 1991-12-27 スパッタ装置 Pending JPH05182911A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34583491A JPH05182911A (ja) 1991-12-27 1991-12-27 スパッタ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34583491A JPH05182911A (ja) 1991-12-27 1991-12-27 スパッタ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05182911A true JPH05182911A (ja) 1993-07-23

Family

ID=18379298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34583491A Pending JPH05182911A (ja) 1991-12-27 1991-12-27 スパッタ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05182911A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6458253B2 (en) 2000-03-13 2002-10-01 Canon Kabushiki Kaisha Thin film production process and optical device
WO2003005456A1 (en) * 2001-07-06 2003-01-16 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Method for forming light-absorbing layer
JP2007518252A (ja) * 2003-12-02 2007-07-05 バッテル メモリアル インスティチュート 熱電装置およびその用途
JP2008156743A (ja) * 2006-11-30 2008-07-10 Kobe Steel Ltd 対向ターゲットスパッタ装置及び対向ターゲットスパッタ方法
US8455751B2 (en) 2003-12-02 2013-06-04 Battelle Memorial Institute Thermoelectric devices and applications for the same
WO2015015775A1 (ja) * 2013-08-02 2015-02-05 キヤノンアネルバ株式会社 スパッタリング装置およびスパッタリング用ターゲット

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6458253B2 (en) 2000-03-13 2002-10-01 Canon Kabushiki Kaisha Thin film production process and optical device
WO2003005456A1 (en) * 2001-07-06 2003-01-16 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Method for forming light-absorbing layer
JP2007518252A (ja) * 2003-12-02 2007-07-05 バッテル メモリアル インスティチュート 熱電装置およびその用途
US8455751B2 (en) 2003-12-02 2013-06-04 Battelle Memorial Institute Thermoelectric devices and applications for the same
JP2008156743A (ja) * 2006-11-30 2008-07-10 Kobe Steel Ltd 対向ターゲットスパッタ装置及び対向ターゲットスパッタ方法
WO2015015775A1 (ja) * 2013-08-02 2015-02-05 キヤノンアネルバ株式会社 スパッタリング装置およびスパッタリング用ターゲット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4912087A (en) Rapid thermal annealing of superconducting oxide precursor films on Si and SiO2 substrates
US5667650A (en) High flow gas manifold for high rate, off-axis sputter deposition
CA1332327C (en) Preparation of superconducting oxide films using a pre-oxygen nitrogen anneal
US20040168636A1 (en) Process and apparatus for producing cystalline thin film buffer layers and structures having biaxial texture
Witanachchi et al. Effect of buffer layers on low‐temperature growth of mirror‐like superconducting thin films on sapphire
KR0132061B1 (ko) 초전도 박막의 제작 방법
JPH05182911A (ja) スパッタ装置
Truman et al. Continued improvement of large area, in situ sputter deposition of superconducting YBCO thin films
JPH0715051A (ja) Ybco超電導薄膜の製造方法
JP2698254B2 (ja) 酸化物薄膜の成膜方法
JP2549894B2 (ja) 高温超伝導セラミック薄膜の形成方法
JP2529347B2 (ja) 超電導薄膜の作製方法
JP2716138B2 (ja) 対向ターゲット式スパッタ法による複合酸化物超電導薄膜の形成方法及び装置
JP2523785B2 (ja) 超電導体薄膜の製造方法
JPH02141568A (ja) 複合酸化物超電導薄膜の製造方法
JP2501616B2 (ja) 超電導薄膜の作製方法
JPH0764678B2 (ja) 超電導薄膜の作製方法
JP2567446B2 (ja) 超電導薄膜の作製方法
JP3018605B2 (ja) 超電導薄膜の成膜方法と装置
JP2501615B2 (ja) 超電導薄膜の作製方法
JP2525852B2 (ja) 超電導薄膜の作製方法
JPH0714816B2 (ja) 希土類元素を含む超電導酸化物薄膜の形成方法
JP2501614B2 (ja) 超電導薄膜の作製方法
JPH03232723A (ja) 超伝導体
JP2639510B2 (ja) 超電導薄膜の作製方法