JPH0518275A - ガソリンエンジンのアイドルアツプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジン停止時には、スロットルバルブの開
度を小さくしてエンジンのランオンを防止するようにし
たアイドルアップ装置を提供する。 【構成】 負圧蓄積用のバキュームタンク１４を、チェ
ックバルブ１６を含む蓄積負圧導入管１５によりインテ
ークマニホールド１のスロットルバルブ２の下流側と連
通し、エンジン駆動中にインテークマニホールド１に発
生する負圧をバキュームタンク１４に蓄積する。また、
スロットル開度制御用のアクチュエータ４に対してイン
テークマニホールド１の負圧導入管１０とバキュームタ
ンク１４の蓄積負圧放出管１７とのいずれか一方を連通
させるために、キースイッチのオン・オフにより操作さ
れる電磁式バキュームコントロールバルブ１８を設け
る。そして、キースイッチのオン操作時には、インテー
クマニホールド１の負圧をアクチュエータ４に作用さ
せ、キースイッチのオフ操作時には、バキュームタンク
１４に蓄えられた高負圧をアクチュエータ４に作用させ
る構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フォークリフト等の産
業車両に搭載されるガソリンエンジンのアイドルアップ
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】アイドリング時において、エンジン負荷
が増大した場合、それに応じてスロットルバルブを開い
てアイドリング状態を安定に制御する手段としてのアイ
ドルアップ装置が知られている。このようなアイドルア
ップ装置としては、図２〜図５に示すものがある。

【０００３】すなわち、アイドルアップ装置は、図２に
示すように、エンジン（図示省略）の燃焼室に連結する
インテークマニホールド１と、該インテークマニホール
ド１内に設けたスロットルバルブ２と、該スロットルバ
ルブ２の開度をレバー３を介して制御するアクチュエー
タ４と、該アクチュエータ４とインテークマニホールド
１のスロットルバルブ２下流側との間に介在した負圧導
入用の負圧導入管１０とからなる。

【０００４】前記アクチュエータ４は、車体側に固定さ
れるケース５と、ケース５内にダイヤフラム６によって
気密的に設けられたダイヤフラム室７と、一端がダイヤ
フラム６に固着され、他端が前記レバー３に連結される
作動ロッド８と、ダイヤフラム室７に配設され、作動ロ
ッド８を突出方向に付勢する圧縮バネ９とからなり、ダ
イヤフラム室７が前記負圧パイプ１０と連通されてい
る。

【０００５】しかして、上記アイドルアップ装置におい
ては、アイドリング時にエンジンに負荷が加わり、イン
テークマニホールド１の負圧が低下すると、負圧導入管
１０を経てダイヤフラム室７の負圧も低下し、圧縮バネ
９により作動ロッド８が押し出され、レバー３を介して
スロットルバルブ２の開度を増大する。このため、燃料
吐出量が増加し、エンジン回転数が上昇する。

【０００６】図３は軽負荷時を示しており、スロットル
バルブ２が軽負荷に対応した開度に制御され、アイドル
ポート１１と、該アイドルポート１１よりもやや上流に
位置するスローポート１２とから燃料が吐出されてい
る。また、図４は重負荷時を示しており、スロットルバ
ルブ２が重負荷に対応して大きく開かれ、燃料がメイン
ノズル１３から吐出されている。なお、アイドリング時
における前記負荷としては、たとえばフォークリフトの
場合には、荷役レバー操作によるフォークの上昇、マス
トの前後傾操作、パワーステアリング作動、油圧ブレー
キ作動等がある。図５はスロットルバルブ開度とインテ
ークマニホールド負圧との関係を示すアイドルアップ装
置の特性線図であり、負圧が低くなるに従ってスロット
ルバルブ開度を大きくし、アイドリング時のエンジン回
転数を制御している。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来のアイドルアップ装置においては、キースイッチをオ
フにして点火を止めた場合、エンジンの停止寸前におい
てインテークマニホールド１内の負圧が低下すると、図
４に示す如く、アイドルアップ装置が作動してスロット
ルバルブ２を大きく開き、メインノズル１３から燃料が
吐出するとともにこの燃料が燃焼室内の熱により爆発し
てエンジンが回転を続ける、いわゆるランオンが発生す
ることがある。このため、アイドルアップ装置による重
負荷作用時のスロットル最大開度に制約を受けることに
なり、十分な機能を発揮できないという問題がある。

【０００８】そこで本発明は、上述の問題に鑑み、キー
スイッチオフ時には、インテークマニホールドの負圧の
如何に関係なく、アクチュエータに対して高負圧を作用
させることによりスロットルバルブ開度を小さくしてエ
ンジンのランオンを防止することのできるガソリンエン
ジンのアイドルアップ装置を提供することを、解決すべ
き技術的課題とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のように構成したものである。すなわ
ち、エンジンの燃焼室へ空気を導くためのインテークマ
ニホールドと、該インテークマニホールド内に配設され
たスロットルバルブと、該スロットルバルブ下流側のイ
ンテークマニホールド内の負圧に対応してスロットルバ
ルブの開度を制御するスロットル開度制御用アクチュエ
ータと、該アクチュエータと前記インテークマニホール
ドのスロットルバルブ下流側とを連通する負圧導入用の
負圧導入管とを備えたガソリンエンジンのアイドルアッ
プ装置であって、負圧蓄積用のバキュームタンクと、該
バキュームタンクと前記インテークマニホールドのスロ
ットルバルブ下流側を連通させる蓄積負圧導入管と、該
蓄積負圧導入管に設けられた最大負圧保持用のチェック
バルブと、前記バキュームタンクとアクチュエータとを
連通する蓄積負圧放出管と、キースイッチのオン操作時
には、前記インテークマニホールドの負圧を前記アクチ
ュエータに作用させ、キースイッチのオフ操作時には、
前記バキュームタンクの負圧を前記アクチュエータに作
用させるように前記負圧導入管と蓄積負圧放出管を交互
に開閉制御するために設けられたバキュームコントロー
ルバルブとを備えたことを特徴としている。

【００１０】

【作用】上記のように構成された本発明のアイドルアッ
プ装置においては、キースイッチのオン操作でバキュー
ムコントロールバルブが負圧導入管を開き、蓄積負圧放
出管を閉じる。そのため、インテークマニホールドの負
圧が負圧導入管を経てアクチュエータに作用する。従っ
て、アイドリング時において、エンジンに負荷が加わっ
た場合は、インテークマニホールドに発生する負圧の程
度に応じてスロットルバルブの開度が制御され、通常の
アイドルアップ制御が行われる。一方、エンジンの運転
中においては、インテークマニホールドに発生する負圧
は、蓄積負圧導入管からチェックバルブを経てバキュー
ムタンクに流入され、バキュームタンクにはインテーク
マニホールドに発生する最大負圧が蓄積されることにな
る。しかして、キースイッチのオフ操作時には、バキュ
ームコントロールバルブが蓄積負圧放出管を開く一方、
負圧導入管を閉じる。そのため、バキュームタンク内に
蓄えられた高負圧が蓄積負圧放出管を経てアクチュエー
タに作用する。その結果、スロットルバルブが開度を減
少する側に制御されることになり、メインノズルからの
燃料の吐出が抑えられてエンジンが停止される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１に基づいて具体
的に説明する。本実施例のアイドルアップ装置は、フォ
ークリフトのガソリンエンジンに適用したものであり、
従来と同一構成部品については、従来と同一符号を付し
てその説明を省略又は簡単に説明する。

【００１２】図１に示すように、本実施例のアイドルア
ップ装置は、従来と同一の構成部品の他に、吸気負圧を
蓄えるための密閉構造のバキュームタンク１４と、該バ
キュームタンク１４の負圧を最大負圧に保持するための
チェックバルブ１６と、スロットルバルブ２の開度制御
用アクチュエータ４に対してインテークマニホールド１
又はバキュームタンク１４のいずれか一方の負圧を作用
させるために切り換え操作される電磁式バキュームコン
トロールバルブ１８とを備えている。

【００１３】前記バキュームタンク１４は、蓄積負圧導
入管１５を介してインテークマニホールド１のスロット
ルバルブ２下流側と連通されている。具体的には、イン
テークマニホールド１のスロットルバルブ２下流側の負
圧を前記アクチュエータ４に導くために設けられた負圧
導入管１０の上流側と接続されている。従って、エンジ
ン駆動時において、バキュームタンク１４はインテーク
マニホールド１に吸引されてその内部圧力は、インテー
クマニホールド１に発生する負圧と同程度となる。そし
て、前記チェックバルブ１６が蓄積負圧導入管１５に設
けられており、これによりバキュームタンク１４内の負
圧がインテークマニホールド１に発生した最大負圧に保
持される。

【００１４】一方、バキュームコントロールバルブ１８
は、図示の如く、たとえば３ポート２位置形のスプール
バルブからなり、インテークマニホールド１の負圧導入
管１０と、バキュームタンク１４の蓄積負圧放出管１７
とのいずれか一方を、アクチュエータ４のダイヤフラム
室７に通ずる配管に連通すべく設けられる。すなわち、
バキュームコントロールバルブ１８は、図示省略のキー
スイッチによって制御される構成となっており、キース
イッチのオン操作により負圧導入管１５をアクチュエー
タ４に導通する位置に、またキースイッチのオフ操作に
より蓄積負圧放出管１７をアクチュエータ４に導通する
位置に切り換えられる。

【００１５】本実施例のアイドルアップ装置は、上述の
ように構成したものであり、以下のように作用する。す
なわち、エンジンの駆動中には、キースイッチがオン操
作されており、このときは、電磁式バキュームコントロ
ールバルブ１８のソレノイドが励磁され、該バキューム
コントロールバルブ１８が負圧導入管１０をアクチュエ
ータ４に導通させる位置に切り換えられる。従って、エ
ンジン駆動中においては、アクチュエータ４のダイヤフ
ラム室７には、インテークマニホールド１のスロットル
バルブ２下流側の負圧が負圧導入管１０を経て作用して
おり、そのため、アイドルアップ装置は、従来と同様
に、アイドリング時において、エンジンに負荷が作用し
た場合の該負荷の大きさに応じてのスロットルバルブ２
の開度制御を行うことになる。

【００１６】しかして、上記のエンジン駆動中におい
て、バキュームタンク１４には、インテークマニホール
ド１に発生する負圧による吸引力が蓄積負圧導入管１５
を通して作用し、そしてその負圧はチェックバルブ１６
により保持される。つまり、バキュームタンク１４内の
負圧は、インテークマニホールド１に発生する最大負圧
に保持されることになる。

【００１７】そして、エンジンを停止すべく、キースイ
ッチがオフ操作されたときは、バキュームコントロール
バルブ１８のソレノイドの励磁が解かれ、スプリングに
より該バキュームコントロールバルブ１８が初期位置に
復帰（切り換え）される。すなわち、アクチュエータ４
は、それまでのインテークマニホールド１の負圧導入管
１０との連通が断たれ、バキュームタンク１４の蓄積負
圧放出管１７と連通される。そのため、アクチュエータ
４のダイヤフラム室７には、バキュームタンク１４に蓄
積された高負圧が作用し、該アクチュエータ４はダイヤ
フラム６及び作動ロッド８を介してスロットルバルブ２
を閉じる方向に作動される。その結果、メインノズル１
３から燃料が吐出されることがなくなり、エンジンが停
止される。すなわち、エンジンのランオンが防止され
る。

【００１８】なお、本実施例にあっては、蓄積負圧導入
管１５をインテークマニホールド１の負圧導入管１０に
接続した構成としているが、蓄積負圧導入管１５と負圧
導入管１０とを完全に独立した形態で設定しても差し支
えない。また、同様に、アクチュエータ４に対し負圧導
入管１０と蓄積負圧放出管１７とを独立した形態で連通
する構成に変更しても差し支えなく、その場合は、各管
毎に開閉弁を配設してそれらをキースイッチのオン・オ
フ操作に連動して交互に開閉制御する構成とすることで
も本発明は実施可能である。

【００１９】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明のアイドル
アップ装置によれば、エンジン停止のためのキースイッ
チのオフ操作時に、スロットル開度制御用のアクチュエ
ータに高負圧を作用させることによりスロットルバルブ
を積極的に閉じる側に制御してエンジンのランオンを防
止することができる。このため、アイドリング時の重負
荷時におけるスロットル最大開度に制限を受けることが
なくなり、アイドルアップ装置の機能を十分に発揮させ
ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るガソリンエンジンのアイ
ドルアップ装置を示す説明図である。

【図２】従来のガソリンエンジンのアイドルアップ装置
を示す説明図である。

【図３】同じく軽負荷時の状態を示す説明図である。

【図４】同じく重負荷時の状態を示す説明図である。

【図５】アイドルアップ特性図である。

【符号の説明】

１…インテークマニホールド ２…スロットルバ
ルブ ４…アクチュエータ １０…負圧導入管 １４…バキュームタンク １５…蓄積負圧導
入管 １６…チェックバルブ １７…蓄積負圧放
出管 １８…バキュームコントロールバルブ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 エンジンの燃焼室へ空気を導くためのイ
   ンテークマニホールドと、該インテークマニホールド内
   に配設されたスロットルバルブと、該スロットルバルブ
   下流側のインテークマニホールド内の負圧に対応してス
   ロットルバルブの開度を制御するスロットル開度制御用
   アクチュエータと、該アクチュエータと前記インテーク
   マニホールドのスロットルバルブ下流側とを連通する負
   圧導入管とを備えたガソリンエンジンのアイドルアップ
   装置であって、 負圧蓄積用のバキュームタンクと、該バキュームタンク
   と前記インテークマニホールドのスロットルバルブ下流
   側とを連通する負圧導入用の蓄積負圧導入管と、該蓄積
   負圧導入管に設けられた最大負圧保持用のチェックバル
   ブと、前記バキュームタンクと前記アクチュエータとを
   連通する蓄積負圧放出管と、キースイッチのオン操作時
   には、前記インテークマニホールドの負圧を前記アクチ
   ュエータに作用させ、キースイッチのオフ操作時には、
   前記バキュームタンクの負圧を前記アクチュエータに作
   用させるように前記負圧導入管と蓄積負圧放出管を交互
   に開閉制御するために設けられたバキュームコントロー
   ルバルブとを備えたガソリンエンジンのアイドルアップ
   装置。