JPH0518170B2 - - Google Patents

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JPH0518170B2
JPH0518170B2 JP4476584A JP4476584A JPH0518170B2 JP H0518170 B2 JPH0518170 B2 JP H0518170B2 JP 4476584 A JP4476584 A JP 4476584A JP 4476584 A JP4476584 A JP 4476584A JP H0518170 B2 JPH0518170 B2 JP H0518170B2
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resin
radiation
acrylic
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acid
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Shigeru Shimada
Hiroyuki Arioka
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TDK Corp
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は磁気記録媒体に関し、一層詳細には
放射線感応性樹脂をバインダーとし、このバイン
ダーに多価イソシアネート基含有化合物に代表さ
れる架橋剤を添加し、そのまま三次元網目構造化
した磁気記録媒体に関する。
<従来技術> 従来、磁気記録媒体の磁性塗膜の脱落を防止
し、磁気記録媒体の耐久性、走行特性、環境信頼
性の向上を図るため、バインダーとして熱硬化性
樹脂に多価イソシアネート基含有化合物を加えた
ものを加熱して強固な架橋結合を得ることが行わ
れている。
またバインダーとして放射線感応性樹脂を用
い、これに放射線照射を行い架橋及び重合させる
ことが行われている。
<発明の目的> この発明の目的は放射線感応性樹脂をバインダ
ーとして用いることにより、熱硬化性樹脂を用い
た場合に生ずるポリエステルフイルム等の磁気記
録媒体の基材の熱変形による寸法安定性の低下、
付均一部分の磁性層間転移、磁性塗膜中の成分の
浸み出しによるブロツキング等が起きにくく、ま
た放射線を照射せずに多価インシアネート基含有
化合物との反応で架橋及び重合させることができ
るため高価な電子線照射システムを必要とせず、
熱硬化性樹脂に加える場合より多価イソシアネー
トの投入量に少なくてすみ、経済性が良いうえに
ポツトライフの影響を少なく、摩擦の少ない良好
な磁気記録媒体を提供するものである。
<発明の構成> かかる目的は、下記に示す本発明によつて達成
することができる。
すなわち、本発明は、強磁性微粒子を主成分と
する磁気記録媒体であつて、該強該性微粒子のバ
インダーとして、アクリル系二重結合を有する放
射線感応性軟質樹脂と、上記二重結合を有する放
射線感応変性樹脂とを混合した系を使用し、前記
バインダーをイソシアネートの添加により架橋及
び重合したことを特徴とする磁気記録媒体にあ
る。
本発明において、強磁性微粒子のバインダーと
して、アクリル系二重結合を有する放射線感応性
軟質樹脂と、上記二重係合を有する放射線感応変
性樹脂とを混合したものを使用する。
ここで言う「放射線感応変性樹脂」または「放
射線感応性軟質樹脂」とは、アクリル二重結合を
有する樹脂であつて、放射線を照射することによ
つて、アクリル二重結合部分が励起されて架橋構
造を形成し得る樹脂のことを言う。
本発明で使用する放射線感応変性樹脂に用いら
れる原料樹脂としては、100Hzでの動的弾性率が
20℃から60℃の温度範囲で1.0×109dyn/cm2以上
を示す熱可塑性樹脂が好適に使用される。
また、放射線感応変性樹脂と併用される放射線
感応性軟質樹脂に用いられる原料樹脂としては、
合成ゴムとしてのゴム弾性、柔軟性、及びポリエ
ステル基体と優れた接着性を呈すると共に、100
Hzでの動的弾性率が20℃から60℃の温度範囲で
1.0×109dyn/cm2未満のエラストマーを好適に使
用できる。
かかる熱可塑性樹脂、エラストマーには、後述
する様に、活性水素基とイソシアネートまたは酸
とエポキシによつてアクリル二重結合を導入し、
ラジカルを生じ架橋構造を生ぜしめるべく、放射
線感応変性がほどこされる。
この様に放射線感応変性がほどこされた放射線
感応変性樹脂と放射線感応性軟質樹脂とは、磁性
微粒子粉末分散の見地から相溶性が良いことが望
ましい。
これらの放射線感応変性樹脂と放射線感応性軟
質樹脂との混合率は、8/2〜2/8とすること
が好ましい。
この様に放射線感応変性をほどこされた樹脂成
分とエラストマー成分を組み合わせ、放射線照射
により三次元網状構造を形成させるバインダーを
活用する事は、オーデイオ用、ビデオ用、メモリ
ー、計測用等各種用途に活用される磁気記録媒体
の電磁変換特性はもとより、磁性塗膜に要求され
る各種物性たとえば硬さ、柔軟性、耐磨耗性、適
度の摩擦係数とステイツクスリツプ現象がない
事、表面成型性、ベースとの接着性、弾性率、以
上の各種物性の低温度から高温度、低温度から高
湿度に亙る種々の環境条件での安定性を保持する
上で極めて効果的であつた。
3−1 本発明にて使用する放射線感応変性用の
熱可塑性樹脂としては、下記に示すものを挙げ
ることができる。
() 塩化ビニール系共重合体 塩化ビニール−酢酸ビニール−ビニールア
ルコール共重合体マレイン酸導入タイプも含
む)、塩化ビニール−ビニールアルコール共
重合体(マレイン酸導入タイプを含む)、塩
化ビニール−酢酸ビニール共重合体(マレイ
ン酸導入タイプも含む)、塩化ビニール−ビ
ニールアルコール−プロピオン酸ビニール共
重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−マレ
イン酸共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニー
ル−未端OH側鎖アルキル基共重合体、たと
えばUCC社VROH、VYNC、VYEC−X、
VYSM−X、VERR等 () 飽和ポリエステル樹脂 フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
マレイン酸、マレイン酸誘導体、コハク酸、
アジピン酸、セバシン酸の様な飽和多塩基酸
とエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、
1.2プロピレングリコール、1.3−ブタンジオ
ール、ジプロピレングリコール、1.4ブタン
ジオール、1.6ヘキサンジオール、ペンタエ
リスリツト、ソルビトール、グリセリン、ネ
オペンチルグリコール、1.4シクロヘキサン
ジメタノールの様な多価アルコールとのエス
テル結合により得られる飽和ポリエステル樹
脂等。
更に、スルホン酸金属塩を導入した飽和ポ
リエステル樹脂も使用することができる。
() 不飽和ポリエステル樹脂 第()項に記載の多塩基酸と多価アルコ
ールとのエステル結合から成る飽和ポリエス
テル樹脂において、多塩基酸の一部をマレイ
ン酸やフマル酸とした不飽和ポリエステル樹
脂を挙げることができる。
() ポリビニルアルコール系樹脂 ポリビニルアルコール、ブチラール樹脂、
アセタール樹脂、ホルマール樹脂及びこれら
の成分の共重合体等も磁性粉との親和性も良
好である。
() エポキシ系樹脂、フエノキシ樹脂 ビスフエノールAとエピクロルヒドリン又
はメチルエピクロルヒドリンの反応によるエ
ポキシ樹脂シエル化学製(エピコート152、
154、828、1001、1004、1007)、ダウケミカ
ル製(DEN431、DER、732、DER511、
DER331)、大日本インキ製(エピクロン−
400、エピクロン−800)、更に上記エポキシ
の高重合度樹脂であるUCC社製フエノキシ
樹脂(PKHA、PKHC、PKHH)臭素化ビ
スフエノールAとエピクロルヒドリンとの共
重合体、大日本インき製(エピクロン145、
152、153、1120)等も有効である。
() 繊維素誘導体 各種分子量の繊維素系誘導体も、また熱可塑
性プラスチツク成分として効果的である。その
中でも、特に効果的なものは硝化綿、セルロー
ズアセトブチレート、エチルセルローズ、ブチ
ルセルローズ、アセチルセルローズ等が好適で
ある。
その他、熱可塑性プラスチツクスとしては、
熱可塑性硬質ポリウレタン樹脂、ポリエーテル
エステル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂及び
誘導体(PVPオレフイン共重合体)、ポリアミ
ド樹脂、ポリイミド樹脂、フエノール樹脂、ス
ピロアセタール樹脂、水酸基を含有するアクリ
ルエステル及びメタクリルエステルを少なくと
も1種以上重合成分として含むアクリル系樹脂
等も本発明の目的に対して有効である。
() ポリエーテル樹脂 その例としては水酸基は1個以上含有する
化合物としてアデカポリエーテルP−700、
アデカポリエーテルP−1000、アデカポリエ
ーテルG−1500、(以上旭電化社製)、ポリメ
グ1000、ポリメグ650(以上クオーカーコーツ
社製)等の多官能性ポリエーテル類。
() ポリカプロラクトン その例としてはポリカプロラクトンPCP
−2000、ポリカプロラクトンPCP−0240、
ポリカプロラクトンPCP−0300、(以下チツ
ソ社製)等の多官能性ポリエステル類。
その他、熱可塑性プラスチツクとしては、
ポリエーテルエステル樹脂、ポリビニルピロ
リドン樹脂及び誘導体(PVPオレフイン共
重合体)ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、
フエノール樹脂、スピロアセタール樹脂、ス
ピロアスタール樹脂、水酸基を含有するアク
リルエステル及びメタクリルエステルを少な
くとも1種以上重合成分として含むアクリル
系樹脂等も本発明の目的に対して有効であ
る。
3−2 他方、放射線感応変性樹脂と併用される
放射線感応性軟質樹脂の原料に使用されるエラ
ストマーとしては、下記にものを挙げることが
できる。
() ポリウレタンストマー このようなウレタン化合物を例としては、
イソシアネートとして、2.4−トルエンジイ
ソシアネート、2.6−トルエンジイソシアネ
ート、1.3−キシレンジイソシアネート、1.4
−キシレンジイソシアネート、1.5−ナフタ
レンジイソシアネート、m−フエニレンジイ
ソシアネート、p−フエニレンジイソシアネ
ート、3.3′−ジメチル−4.4′−ジフエニルメ
タンジイソシアネート、4.4′−ジフエニルメ
タンジイソシアネート、3.3−ジメチルビフ
エニレンジイソシアネート、4.4′−ビフエニ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソフオロンジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、デスモジユールL、デスモジユールN等
の各種多価イソシアネート、線状飽和ポリエ
ステル(エチレングリコール、ジエチレング
リコール、グリセリン、トリメチロールプロ
パン、1.4−ブダンジオール、1.6−ヘキサン
ジオール、ペンタエリスリツト、ソルビトー
ル、ネオペンチルグリコール1.4−シクロヘ
キサンジメタノールの様な多価アルコール
と、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セ
バジン酸、の様な飽和多塩基酸との縮重合に
よるもの)、線状飽和ポリエーテル(ポリエ
チレングリコール)、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラエチレングリコール)やカ
プロラクタム、ヒドロキシル基含有アクリル
酸エステル、ヒドロキシル基含有メタアクリ
ル酸エステル等の各種ポリエステル類の縮重
合物より成るポリウレタンエラストマーが有
効である。
() アクリルニトリル−ブダジエン共重合エラ
ストマー シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリク
イツドレンジとして市販されている未端水酸基
のあるアクリルニトリルブタジエン共重合体プ
レポリマーが適する。
() ポリブタジエンエラストマー シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリ
クイツドレンジR−15等の低分子量未端水酸
基を有するプレポリマーが特に熱可塑性プラ
スチツクとの相溶性、磁性粉との親和性の点
で好適である。R−15プレポリマーにおいて
は、分子未端が水酸基となつているため、分
子未端をアクリル系不飽和二重結合を付加す
ることが、バインダーとして更に有利とな
る。
その他の熱可塑性エラストーの系で好適な
ものとしては、塩化ゴム、アクリルゴム、イ
ソプレンゴム及びその環化物(日本合成ゴム
製CIR701)、エポキシ変性ゴム、内部可塑化
飽和線状ポリエステル(東洋紡バイロン
#300)等のエラストマーも使用できる。
3−3 前述の熱可塑性樹脂とエラストマーとを
放射線感応変性するためには、ラジカル重合性
を有するアクリル系二重結合を分子中に導入す
ることである。
なお、ラジカル重合性を有するアクリル系二
重結合を、以下、放射線硬化性不飽和二重結合
と称することがある。
かかるアクリル系二重結合を有する化合物と
しては、アクリル酸、メタクリル酸あるいはそ
れらのエステル化合物を挙げることができる。
() 更に具体的な放射線感応変性の手法として
は、分子中に水酸基を1個以上有する上記の熱
可塑性樹脂又はエラストマーに1分子以上のポ
リイソシアネート化合物のイソシアネート基を
反応させる。
次に、イソシアネート基と反応する基及びア
クリル系二重結合を有する単量体1分子以上と
を反応させることによつて、放射線感応変性を
行うことができる。
例えば、線状ポリカプロラクトンPCP−
2000(チツソ社製)の水酸基1個当たりにトル
エンジイソシアネート1分子を反応させ、その
後、1分子の2−ヒドロキシエチルメタアクリ
レート(以下、2HEMAと称することがある)
を反応させて得られる樹脂を挙げることができ
る。得られた樹脂は、分子鎖未端にアクリル系
二重係合を2個以上有するものである。
また、ここで使用されるポリイソシアネート
化合物としては2.4−トルエンジイソシアネー
ト、2,6−トルエンジイソシアネート、1.3
−キシレンジイソシアネート、1.4−キシレン
ジイソシアネート、m−フエニレンジイソシア
ネート、p−フエニレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネートやデスモジユールL、デスモジ
ユールIL(西ドイツバイエル社製)等がある。
イソシアネート基と反応する基および放射線
硬化性不飽和二重結合を有する単量体として
は、アクリル酸あるいはメタクリル酸の2−ヒ
ドロキシエチルエステル、2−ヒドロキシプロ
ピルエステル、2−ヒドロキシオクチルエステ
ル等水酸基を有するエステル類;アクリルアマ
イド、メタクリルアマイド、N:メチロールア
クリルアマイド等のイソシアネート基と反応す
る活性水素持ちかつアクリル二重結合を含有す
る単量体がある。
() 分子中にエポキシ基を1個以上含む化合物
1分子と、エポキシ基と反応する基およびア
クリル系二重結合を有する単量体1分子とを
反応させることによつても、放射線感応変性
することができる。
例えば、グリシジルメタクリレートをラジ
カル重合させて得られたエポキシ基を含有す
る熱可塑性樹脂に、アクリル酸を反応させた
後、カルボキシル基とエポキシ基との閉環反
応を行わせ、分子中にアクリル系二重結合を
ペンダントさせた樹脂を挙げることができ
る。
ここで分子中にエポキシ基を1個以上含む
化合物としては、グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレートの如きエポキシ基
を含むアクリルエステルあるいはメタクリル
エステルのホモポリマーあるいは他の重合性
モノマーとの共重合性として先の熱可塑性樹
脂()項で述べた、エピコート828、エピ
コート1001、エピコート1007、エピコート
1009(以上シエル化学社製)等その他種々の
タイプのエポキシ樹脂がある。
エポキシ基と反応する基および放射線硬化
性不飽和二重結合を有する単量体としては、
アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル
基を含有するアクリル系単量体、メチルアミ
ノエチルアクリレート、メチルアミノメタク
リレート等の第1級もしくは第2級アミノ基
を有するアクリル単量体を使用できる。
() 分子中にカルボキシル基を1個以上含む化
合物分子と、カルボキシル基と反応する基
および放射線硬化不飽和二重結合を有する単
量体1分子以上との反応物、例えばメタクリ
ル酸を溶液重合させて得たカルボキシル基を
含有する熱可塑性樹脂にグリシジルメタクリ
ルレートを反応させ、第2項と同様にカルボ
キシル基とエポキシ基と開環反応により、分
子中にアクリル系二重結合を導入させた樹
脂、プレポリマー、オリゴマーを挙げること
ができる。
ここで分子中にカルボキシ基を1個以上含
む化合物として、分子鎖中または分子未端に
カルボキシル基を含む先に述べた樹脂中にポ
リエステル酸;アクリル酸、メタクリル酸、
無水マレイン酸、フマル酸等のラジカル重合
性を持ちかつカルボキシル基を有する単量体
のホモポリマーあるいは他の重合体モノマー
との共重合体等である。
カルボキシル基と反応する基および放射線
硬化性不飽和二重結合を有する単量体として
は、グリシジルアクリルレート、グリシジル
メタクリルレート等がある。
3−4 本発明は溶剤を使用する場合には、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロ、キサノン等のケトン類、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、ブタ
ノール等のイソシアネート、熱硬化では使用で
きなかつたアルコール類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル結合を有するも
の、ジメチルフオルアミド、ビニルピロリド
ン、ヒトロプロパン等の溶剤、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素の希釈剤ないしは溶剤
を用いる。
コーテイングに使用する基体としては、現在磁
気記録媒体用基材として広く活性されているポリ
エチレンテレフタレータ系フイルム及び更に耐熱
性を要求される用途としては、ポリイミドフイル
ム、ポリアミドイミドフイルム等が活用され得、
特にポリエステル系フイルムにおいては薄物ベー
スでは軸延伸、2軸延伸処理をほとごして利用す
るケース多い。
本発明に活用される磁性体微粉末は、γFe2O3
Fe3O4、COドープγ−Fe2O3、COドープγ−
Fe2O3−Fe3O4固溶体、CrO2、Co系化合物被着型
γ−Fe2O3、Co系化合物被着型Fe3O4(γFe2O3
の中間酸化状態も含む。又ここで言うCo系化合
物とは、酸化コバルト、水酸化コバルト、コバル
トフエライト、コバルトイオン吸着物等コバルト
の磁気異方性を保磁力向上に活用する場合を示
す。)、又Co、Fe−Co、Fe−Co−Ni、Co−Ni等
の強磁性金属元素を主成分とする。その製法は
NaBH4等の還元材による湿式還元法や、酸化鉄
表面をSi化合物で処理後H2ガス等により乾式還
元法によつて、あるいは低圧アルゴンガス気流中
で真空蒸発させることによつて得られる手法等が
あげられる。又単結晶バリウムフエライト微粉も
使用できる。
以上の磁性体微粒子は針状形態あるいは粉状形
態のものを使用し、磁気記録媒体として用いる用
途によつて選択される。
近年特に技術進歩が著しくしかも市場性の拡大
している高バイアスのHiFi用オーデイオカセツ
トテープ、ビデオカセツトテープ、ビデオテープ
接着転写プリント用マスターテープ等には本発明
の放射線架橋タイプ又は放射線重合乾燥型バイン
ダーと上記磁性微粉末中特に高密度記録用途に有
利なコバルト変性針状酸化鉄(コバルドープタイ
プ及びコバルト系化合物被着タイプ)あるいは更
に高保持力の針状合金微粒子を組み合わせること
により、極めて良好な電磁交換特性と物性信頼性
を有する高性能テープを得る事ができた。
本発明に係わる放射線硬化型あるいは磁気記録
媒体用バインダーに関しても当該用途にて通常使
用される各種帯電防止剤、潤滑剤、分散剤、塗膜
強度補強加剤等を用途に合わせて適宜活用するこ
とも有効である 本発明のバインダーの架橋及び重合せしめるた
めに使用する多価イソシアネート基含有化合物と
しては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジ
フエニルメタンジイソシアネート(MDI)、コロ
ネートL、コロネートHL(日本ポリウレタン社
製)等を挙げることができる。
次に実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例 放射線感応性バインダー合成例 (a) ウレタンエラストマーアクリル変性体の合成
(放射線感応性軟質樹脂) 未端イソシアネートのジフエニルメタンジイ
ンシアネート(MDI)系ウレタンプレポリマ
ー(日本ポリウレタン社製ニツポラン4040)
250部、2−ヒドロキシエチルメタアクリレー
ト32.5部、ハイドロキノン0.07部、オクチル酸
スズ0.009部の反応缶に入れ80℃に加熱溶解後
トリレンジイソシアネート43.5部を反応缶内の
温度が80〜90℃となる様に冷却しながら滴下
し、滴下終了後80℃でNCO反応率95%以上と
なるまで反応せしめる。
(b) ポリエテール系未端ウレタン変性エラストマ
ーアクリル変性体の合成(放射線感応性軟質樹
脂) 日本ポリウレタン社製ポリエーテルPTG−
500 250部、2HEMA32.5部、ハイドロキノン
0.007部、オクチル酸スズ0.009部を反応缶に入
れ80℃に加熱溶解後TDI43.5部を反応缶内の温
度が80〜90℃となる様に冷却しながら滴下し、
滴下終了後80℃でNCO反応率95%以上となる
まで反応せしめる。
(c) ポリブダジエンエラストマーアクリル変性体
の合成(放射線感応性軟質樹脂) シンクロアペトロケミカル社製低分子量未端
水酸基ポリブタジエンポリBDリクイツドレジ
ンR−15 250部、2HEMA32.5部、ハイドロキ
ノン0.007部、オクチル酸スズ0.009部を反応缶
に入れ80℃に加熱溶解後TDI43.5部を反応缶内
の温度が80〜90℃となる様に冷却しながら滴下
し、滴下終了後80℃でNCO反応率95%以上と
なるまで反応せしめる。
(d) ポリカプロラクタム系アクリル変性体の合成
ポリオールPCP−0200(チツソ社製ポリカプロ
ラクトン)250部、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート122.2部、ハイドロキノン0.024部、
オクチル酸スズ0.033部を反応缶に入れ、80℃
に加熱溶解後TDI163.6部を反応缶内の温度が
80〜90℃となる様に冷却しながら滴下し、滴下
終了後80℃でNCO反応率95%以上となるまで
反応せしめる。
この樹脂の分子量は1140である。
(e) アクリル二重結合導入塩化ビニル・ビニルア
ルコール共重合体の合成例 (塩化ビニル基/酢酸ビニル基)の比が75/25
で平均重合度n=400の塩化ビニール−酢酸ビ
ニル共重合体を原料とし、これをMIBK(メチ
ルイソブチルケトン)等の溶剤と水との混合分
散媒体中に懸濁させ、撹拌機等による機械的分
散によつて、樹脂を膨潤させたスラリーに近い
懸濁物を作る。
次に、これに苛性ソーダーナトリウムメチラ
ートを触媒として添加し、かつ温度80℃近辺に
保ち、酢酸ビニルのアセチル基を水酸基にケン
化する。
なお、脱塩酸防止のための安定剤や、均一懸
濁させるために懸濁剤を使用してもよい。
その後、脱離したアセチル基より生成する酢
酸や触媒を、ケン化の終了したスラリーを水洗
することによつて除去し、樹脂の安定性の高め
る。この場合、必要に応じてケン化時の着色を
消すため、塩素イオン等の取り除く脱色工程を
付加してもよい。
上述したケン化法によつて得られた塩化ビニ
ル・ビニルアルコール共重合体の特性は次のよ
うなものであつた。
塩化ビニル基 87% 酢酸ビニル基 0.3%以下 ビニルアルコール基 12.6% 重合度 330 上記塩化ビニル・ビニルアルコール共重合体
750部と、トルエン1250部及びシクロヘキサノ
ン500部とを5の4つ口フラスコに仕込み加
熱溶解して80℃に昇温した。
次いで、トリレンジイソシアネートの2−ヒ
ドロキシイエチルメタアクリレートアダクトを
61.4部加え、更にオクチル酸スズ0.012部加え
る。その後、80℃、N2気流中でNCO反応率が
90%以上となるまで反応せしめることによつ
て、アクリル二重結合導入塩化ビニル・ビニル
アルコール共重合体を得ることができる。
なお、所定のNCO反応率に到達した後、反
応物を冷却しメチルエチルケトン1250部を加え
希釈する。
実施例 コバルト被着針状γ−Fe2O3(長軸0.4μ、短軸
0.05μ、He600Oe) 120重量部 カーボンブラツク(帯電防止用、三菱カーボンブ
ラツクMA−600)5重量部 α−Al2O3粉末(0.5μ粉状) 2重量部 分散剤(大豆精製レシチン) 3重量部 溶剤(メチルエチルケトン/トルケン50/50)
100重量部 上記組成物をボールミル中にて3時間混合し、
針状磁性酸化鉄を分散剤により良く湿潤させる。
アクリル二重結合導入飽和ポリエステル脂肪(c)
10重量部(固形分換算) アクリル二重結合導入塩化ビニル・ビニルアルコ
ール共重合体(e) 10重量部(固形分換算) アクリル二重結合導入ポリエーテルウレタンエラ
ストマー(b) 10重量部(固形分換算) 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン/50/50)
200重量部 潤滑剤(高級脂肪酸変性シリコンオイル)
3重量部 上記バインダーの混合物を良く混合溶解させ
る。これを先の磁性粉処理を行つたボールミル中
に投入して再び42時間混合分散させる。分散後磁
性塗料中のバインダーの水酸基を主体とした官能
基と反応し架橋結合し得るイソシアネート化合物
(コロネート)を5重量部(固形分換算)上記ボ
ールミル仕込塗料に20分混合を行つた。
磁性塗料を15μのポリエステルフイルム上に塗
布し、永久磁石(1600ガウス)上で配向させ、赤
外線ランプ又は熱風により溶剤を乾燥させた後表
面平滑化処理後、80℃に保持したオーブン中にロ
ールを48時間保持しイソシアネートによる架橋反
応を促進させた。
得られたテープを1/2インチ巾に切断しビデオ
テープ(試料#1)を得た。
比較例 実施例において、架橋剤イソシアネート化合物
を混入せず、ボールミル中の42時間の混合分散の
後、得られた磁性塗料を15μのポリエステルフイ
ルムウ上に塗布し永久磁石(1600ガウス)上で配
向させ、赤外線ランプ又は熱風により溶剤を乾燥
させた後、表面平滑化処理後、ESI社製エレクト
ロカーテンタイプ電子線加速装置を使用して、加
速電圧150KW、電極電流10ma、吸収線量0.5及
び5Mradの条件でN2雰囲気下にて電子線を照射
し、塗膜を硬化させた。
得られたテープを1/2インチ巾に切断しビデオ
テープ(試料#2)を得た。
以上の実施例および比較例の試料を用いた場合
の、ビデオテープ作成過程において、磁性塗料を
塗布後表面平滑化処理をほどこすまでの保置時間
に対する得られたビデオテープの4MHzでのビデ
オ感度のレベルを図面に示す。
感度は塗布後ただちに表面平滑化加工をほどこ
した時のビデオテープの4MHzでの出力を0dBと
し、以後経時と共に表面加工性の変化を追つてい
つたものである。
第1図のグラフの結果が示すように、ポツトラ
イフの影響が少なく、少量の多価イソシアネート
を投入するだけですみ、高価な電子照射システム
を必要とぜず、熱硬化性樹脂を用いた場合に生ず
るポリエステルフイルム等の磁気記録媒体の基材
の熱変形による寸法安定性の低下、不均一部分の
磁性層間転移、磁性塗膜中の成分の浸み出しによ
るプロツキング等が起きにくく、摩擦の少ない良
好な磁気記録媒体が得られた。
以上本発明につき好適な実施例を挙げて種々説
明したが、本発明はこの実施例に限定されるもの
ではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多く
の改変を施し得るものはもちろんのことである。
【図面の簡単な説明】
図面は、ビデオテープ作成過程において、磁性
塗料を塗布後表面平滑化処理をほどこすまでの保
置時間に対するビデオの感度のレベルを示すもの
で、ポツトライフの影響を知ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 強磁性微粒子を主成分とする磁気記録媒体で
    あつて、 該強磁性微粒子のバインダーとして、アクリル
    系二重結合を有する放射線感応性軟質樹脂と、上
    記二重結合を有する放射線感応変性樹脂とを混合
    した系を使用し、かつ前記バインダーをイソシア
    ネートの添加により架橋及び重合したことを特徴
    とする磁気記録媒体。 2 強磁性微粒子として、針状のコバルト変性磁
    性酸化鉄及び/若しくは合金磁性粉を使用する特
    許請求の範囲第1項岸の磁気記録媒体。
JP4476584A 1984-03-07 1984-03-07 磁気記録媒体 Granted JPS60187926A (ja)

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