JPH0516084B2 - - Google Patents

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JPH0516084B2
JPH0516084B2 JP10271787A JP10271787A JPH0516084B2 JP H0516084 B2 JPH0516084 B2 JP H0516084B2 JP 10271787 A JP10271787 A JP 10271787A JP 10271787 A JP10271787 A JP 10271787A JP H0516084 B2 JPH0516084 B2 JP H0516084B2
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Japan
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radiation
parts
resin
magnetic
sensitive
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JP10271787A
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JPS6323227A (ja
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Yasuo Imaoka
Juichi Kubota
Kazuyuki Tanaka
Akira Ootsuki
Ryozo Konno
Makio Sugai
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Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、磁気記録媒体に関する。さらに詳し
くは、放射線照射により重合・硬化するバインダ
ーを用いた磁気記録媒体に関するものである。 先行技術とその問題点 従来から使用されて来た熱硬化型バインダーを
用いた磁気記録媒体は多価イソシアネート基含有
化合物に代表される架橋剤と、バインダーの中の
水酸基、アミノ基等に代表される反応性官能基と
の化学反応により、バインダー間に三次元網目構
造を形成させる事により、ビデオテープ、コンピ
ユーターテープ、高性能オーデイオテープ、多重
コートテープ、磁気デイスク、フロツピーデイス
ク、磁気カード等の磁気記録媒体の磁性塗膜の脱
落を防止し磁気記録媒体の耐久性、走行特性、環
境信頼性の向上を計つて来た。 しかしこの様な熱硬化性バインダーを用いる事
は、磁気記録媒体の著しい高記録密度化および生
産工程の合理化、自動化の傾向に対応するには限
界となつてきた。 具体的な問題点を列記すると、 (イ) イソシアネート等の反応性の高い化合物を用
いるため磁性塗料のポツトライフの問題を生
じ、塗料の保存安定性、温度安定性が低下し、
かつ磁性層コーテイング以降の表面処理その他
の工程も磁性層中の三次元網目構造化が出来る
だけ進まぬ間に処理をほどこさねばならぬ制約
が有る。 (ロ) 磁気記録媒体の基材として広く用いられるポ
リエステルフイルムの熱変型による寸法安定性
の低下、不均一部分の磁性層間転移等の防止、
磁性塗膜中の成分の浸み出しによるブロツキン
グ等を防止するため、硬化炉温度や熱源とする
熱風、赤外線、遠赤外線源の温度に上限が有
り、かつ硬化剤等の低分子量成分の使用量にも
限度が有つた。 (ハ) 硬化反応の推進を熱エネルギーとして加える
ためエネルギー効率が悪く、ライン速度その他
より最終広巾ロールの粘着等の防止のため高分
子量ポリマーを主体としたバインダーとなるた
め溶剤使用量が多くエネルギーコスト、溶剤コ
ストが高くつく。 (ニ) 高記録密度化に進む程、磁性層表面の平滑化
が重要な問題となり、使用するベース基材の裏
面の表面粗度の転移や溶剤使用量が多い事によ
る乾燥時の磁性塗膜型性成過程における表面の
粗面化等品質面で高密度化と他の特性とのバラ
ンスを確保する事が困難となつて来ている。 発明の目的 本発明の目的は、磁性塗料およびコーテイング
後の磁性塗膜の化学的、物理的安定性が高く、し
かも硬化処理工程が容易で生産性に優れ、しか
も、最終製品の媒体の磁性特性および耐久性が極
めて良好である磁気記録媒体を提供することにあ
る。 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によつて達成
される。 すなわち、本発明は、放射線感応性不飽和二重
結合を有する放射線感応性樹脂と、放射線感応性
不飽和二重結合を有し、20℃における動的弾性率
が1×109dyn/cm2未満の軟質樹脂ならびにその
プレポリマー、オリゴマーおよびテロマーから選
ばれた放射線感応性化合物とを含有し、熱可塑性
樹脂を実質的に含有しないバインダー成分(ただ
し、放射線感応性樹脂および放射線感応性化合物
がともにアクリル系二重結合を有する場合を除
く)と、強磁性微粒子とを含む磁性塗料を放射線
により架橋・重合した磁性層を有することを特徴
とする磁気記録媒体。 なお、本発明において、放射線感応性樹脂およ
び化合物がともにアクリル系二重結合を有する場
合を除くのは、原出願である特願昭55−27529号
との重複をなくすためである。 発明の具体的構成 本発明の磁気記録媒体は、基体上に、強磁性微
粒子と下記に詳述する所定のバインダーとを含有
する磁性塗料を用いた磁性層を有する。 所定のバインダーとは、放射線感応変性樹脂で
あるが、これと軟質の放射線感応性エラストマー
等とを組み合わせたものであることが好ましい。 この両者の混合比率は下記に示す性質を満足さ
せるためにも放射線感応変性樹脂と放射線感応変
性エラストマーが8対2ないし2対8の比率が特
に望ましい。 ここで言う放射線感応変性樹脂とは放射線感応
変性前の状態での100Hzでの動的弾性率が20℃か
ら60℃の温度範囲で1.0×109dyn/cm2以上を示す
ものが特に望ましい。 他方、軟質の放射線感応性エラストマーとは合
成ゴムとしてのゴム弾性、柔軟性、ポリエステル
等の基体との接着性に優れた性質を有するエラス
トマーないしそのプレポリマー、オリゴマー、テ
ロマーを意味し、100Hzでの動的弾性率が20℃か
ら60℃の範囲で1.0×109dyn/cm2未満の力学的性
質を示す。 これら熱可塑性樹脂、溶剤可溶性エラストマー
は、後に述べる様に放射線によりラジカルを生じ
架橋構造を生ぜしめるべく通常放射線感応変性が
ほどこされる。 また放射線感応変性後のプラスチツクス成分と
エラストマーないしはそのプレポリマー、オリゴ
マー、テロマーは、磁性微粒子粉末分散の見地か
ら相溶性が良い事が望まれる。 この様に放射線感応性をほどこされた樹脂成分
とエラストマー成分を組合せ、放射線照射により
三次元網状構造を形成させるバインダーを活用す
る事は、オーデイオ用、ビデオ用、メモリー、計
測用等の各種用途に活用される磁気記録媒体の電
磁変換特性はもとより、磁性塗膜に要求される各
種物性たとえば硬さ、柔軟性、耐摩耗性、適度の
摩擦係数とステイツクスリツプ現象が無い事、表
面成型性、ベースとの接着性、弾性率、以上の各
種物性の低温度から高温度、低湿度から高湿度に
わたる種々の環境条件下での安定性を保持する上
で極めて効果的であつた。 3−1 本発明にて使用する放射線感応変性に
有効な熱可塑性樹脂あるいは放射線感応性樹脂と
しては、下記の塗料用合成樹脂を挙げることが出
来る。 () 塩化ビニール系共重合体 塩化ビニール−酢酸ビニール−ビニールアルコ
ール共重合体、塩化ビニール−ビニールアルコー
ル共重合体、塩化ビニール−ビニールアルコール
プロピオン酸ビニール共重合体、塩化ビニール−
酢酸ビニール−マレイン酸共重合体、塩化ビニー
ル−酢酸ビニール−末端OH側鎖アルキル基共重
合体たとえばUCC社VROH、VYNC、VYEGX
等、UCC社VERR等。 特に放射線感応変性塩化ビニール系共重合体を
20Mrad以下の低線量で使用するときは、その反
応機構は明確ではないがアクリル系二重結合等の
放射線官能基より生ずるラジカル反応以外に放射
線照射による何らかの反応によりラジカルを発生
し、架橋構造を形成し磁気記録媒体用バインダー
として有効である事を確認した。 更に上記共重合体に後に述べる手法により、ア
クリル系二重結合、マレイン酸系二重結合、アリ
ル系二重結合を導入し放射線感応変性を行なう事
が重要である。 () 飽和ポリエステル樹脂 フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレ
イン酸、マレイン酸誘導体、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、の様な飽和多塩基酸とエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、1,2−プロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール、ジプロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリツ
ト、ソルビトール、グリセリン、ネオベンチルグ
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
の様な多価アルコールとのエステル結合により得
られる飽和ポリエステル樹脂またはこれらのポリ
エステル樹脂をSO3Na等で変性した磁性粒子と
の親和性を向上させた樹脂(バイロン53S)。こ
れらを後に述べる手法により放射線感応変性、特
に感電子化変性を行なう事が重要である。 () 不飽和ポリエステル樹脂 分子鎖中に電子線硬化性不飽和二重結合を含有
するポリエステル化合物、例えば第()項の熱
可塑性樹脂として記載の多塩基酸と多価アルコー
ルのエステル結合から成る飽和ポリエステル樹脂
で多塩基酸の一部をマレイン酸とした放射線硬化
性不飽和二重結合を含有する不飽和ポリエステル
樹脂、プレポリマー、オリゴマーを挙げることが
できる。 飽和ポリエステル樹脂の多塩基酸および多価ア
ルコール成分は第項に記載した各化合物を挙げ
ることができ、放射線硬化性不飽和二重結合を含
む化合物としてはマレイン酸、フマル酸等を挙げ
ることができる。 放射線硬化性不飽和ポリエステル樹脂の製法は
多塩基酸成分1種以上と多価アルコール成分1種
以上にマレイン酸、フマル酸等を加え常法、すな
わち触媒存在下180〜200℃窒素雰囲気下脱水ある
いは脱アルコール反応の後、240〜280℃まで昇温
し、0.5〜1mmHgの減圧下縮合反応によりポリエ
ステル樹脂を得ることができる。マレイン酸やフ
マル酸等の含有量は、製造時の架橋、放射線硬化
性等から酸成分中1〜40モル%で好ましくは10〜
30モル%である。 () ポリビニルアルコール系樹脂 ポリビニルアルコール、ブチラール樹脂、アセ
タール樹脂、ホルマール樹脂およびこれらの成分
の共重合体等も磁性粉との親和性も良好であり、
更にこれら樹脂中に含まれる水酸基を後に述べる
手法により放射線感応化変性を行なう事が重要で
ある。 () エポキシ系樹脂、フエノキシ樹脂 ビスフエノールAとエピクロルヒドリン、メチ
ルエピクロルヒドリンの反応によるエポキシ樹脂
シエル化学製(エピコート152、154、828、
1001、1007)ダウケミカル製(DEN431、
DER732、DER511、DER331)大日本インキ製
(エピクロン400、エピクロン800)さらに上記エ
ポキシの高重合度樹脂であるUCC社製フエノキ
シ樹脂(PKHA、PKHC、PKHH)臭素化ビス
フエノールAとエピクロルヒドリンとの共重合
体、大日本インキ製(エピクロン145、152、153、
1120)等も有効である。これらには放射線感応変
性を行なう。 () 繊維素誘導体 各種分子量の繊維素系誘導体もまた本発明の熱
可塑性プラスチツク成分として効果的である。そ
の中でも特に効果的なものは硝化綿、セルローズ
アセテートブチレート、エチルセルローズ、ブチ
ルセルローズ、アセチルセルローズ等が好適であ
り、樹脂中の水酸基を活用して後に述べる手法に
より放射線感応変性を行なう事もさらに効果的で
ある。 () ポリエーテル樹脂 その例としては、水酸基を1個以上含有する化
合物としては、アデカポリエーテルP−700、ア
デカポリエーテルP−1000、アデカポリエーテル
G−1500(以上旭電化社製)、ポリメグ1000、ポリ
メグ650(以上クオーカーコーツ社製)等の多官能
性ポリエーテル類。これらには放射線感応変性を
行なう。 () ポリカプロラクトン等 その例としてはポリカプロラクトンPCP−
2000、ポリカプロラクトンPCP−0240、ポリカ
プロラクトンPCP−0300(以上チツソ社製)等の
多官能性ポリエステル類。その他熱可塑性プラス
チツクとしては、ポリエーテルエステル樹脂、ポ
リビニルピロリドン樹脂及び誘導体(PVPオレ
フイン共重合体)ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フエノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水
酸基を含有するアクリルエステル及びメタクリル
エステルを少くとも一種以上重合成分として含む
アクリル系樹脂等も放射線感応変性することによ
り本発明の目的に対して有効である。 なお、本発明において、放射線感応性のない熱
可塑性樹脂等は実質的に含有されないものであ
る。これにより耐久性等が向上する。 3−2 他方、上記の放射線感応性の熱可塑性
樹脂と組合せるべき熱可塑性エラストマー等また
はプレポリマー等は下記の通りである。 () ポリウレタンエラストマーおよびプレポリ
マーおよびテロマー 熱可塑性エラストマーの系統としては磁気記
録媒体に要求される磁性塗膜の耐摩耗性、
PETフイルムとの接着性、磁性材粒子との湿
潤性のバランスが優れている点で特にウレタン
系化合物は本発明目的に適する。 この様なウレタン化合物の例としては、イソ
シアネートとして、2,4−トルエンジイソシ
アネート、2,6−トルエンジイソシアネー
ト、1,3−キシレンジイソシアネート、1,
4−キシレンジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート、m−フエニレンジイ
ソシアネート、p−フエニレンジイソシアネー
ト、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフエニルメ
タンジイソシアネート、4,4′−ジフエニルメ
タンジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフ
エニレンジイソシアネート、4,4′−ビフエニ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソフオロンジイソシアネート、
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、デ
スモジユールL、デスモジユールN等の各種多
価イソシアネートと、線状飽和ポリエステル
(エチレングリコール、ジエチレングリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ペンタエリスリツト、ソルビトール、ネオ
ペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノールの様な多価アルコールと、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸の様な
飽和多塩基酸との縮重合によるもの)線状飽和
ポリエーテル(ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラエチレング
リコール)やカプロラクタム、ヒドロキシ含有
アクリル酸エステル、ヒドロキシ含有メタクリ
ル酸エステル等の各種ポリエステル類の縮重合
物より成るポリウレタンエラストマー、プレポ
リマー、テロマーが有効である。 これらのウレタンエラストマーの末端のイソ
シアネート基または水酸基と反応するアクリル
系二重結合、アリル系二重結合を有する単量体
と反応させる事により電子線感応性に変性する
事は非常に効果的である。 () アクリルニトリル−ブタジエン共重合エラ
ストマー シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリク
イツドレジンとして市販されている末端水酸基
のあるアクリルニトリル−ブタジエン共重合体
プレポリマー、あるいは日本ゼオン社製ハイカ
ー1432J等のエラストマーは、特にブタジエン
中の二重結合が電子線によりラジカルを生じ架
橋及び重合させるエラストマー成分として適す
る。 () ポリブタジエンエラストマー シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリク
イツドレジンR−15等の低分子量末端水酸基を
有するプレポリマーが特に熱可塑性プラスチツ
クとの相溶性、磁性粉との親和性の上で好適で
ある。R−15プレポリマーにおいては、分子末
端が水酸基となつているため分子末端にアクリ
ル系不飽和二重結合を付加する事により電子線
感応性を高める事が可能であり、バインダーと
してさらに有利である。 またポリブタジエンの環化物日本合成ゴム製
CBR−M901も熱可塑性プラスチツクとの組合
せによりすぐれた性能を発揮する。特に環化さ
れたポリブタジエンは、ポリブタジエン本来の
有する不飽和結合のラジカルによる放射線によ
る架橋重合の効率が良く、バインダーとして優
れた性質を有している。 その他熱可塑性エラストマーおよびそのプレ
ポリマーの系で好適なものとしては、塩化ゴ
ム、アクリルゴム、イソプレンゴム及びその環
化物(日本合成ゴム製CIR701)、エポキシ変性
ゴム、内部可塑化飽和線状ポリエステル(東洋
紡バイロン#300)等のエラストマーも下記に
述べる放射線感応変性処理をほどこすことによ
り本発明に対して有効である。 3−3 前述の放射線感応変性の具体例とし
ては、ラジカル重合性を示す不飽和二重結合を
有するアクリル酸、メタクリル酸あるいはそれ
らのエステル化合物のようなアクリル系二重結
合、ジアリルフタレートの様なアリル系二重結
合、マレイン酸、マレイン酸誘導体などの残基
等の不飽和結合等の放射線照射による架橋ある
いは重合乾燥する基を分子中に導入する事であ
る。 その他放射線照射により架橋重合する不飽和二
重結合であれば用いる事が出来る。 更に具体的な放射線感応変性の手法としては 分子中に水酸基を1個以上有する上記の熱可
塑性樹脂または熱可塑性エラストマー、プレポ
リマー1分子に1分子以上のポリイソシアネー
ト化合物のイソシアネート基を反応させ、次に
イソシアネート基と反応する基および放射線硬
化性を有する不飽和二重結合を有する単量体1
分子以上との反応物、例えば、ケン化された塩
酢ビ共重合体(UCC製VAGH)の水酸基1個
当りにトルエンジイソシアネート1分子を反応
させ、その後1分子の2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートを反応させて得た塩酢ビ系共重合
樹脂に、アクリル系二重結合をペンダント状に
有する樹脂を挙げることができる。 また、ここで使用されるポリイソシアネート
化合物としては、2,4−トルエンジイソシア
ネート、2,6−トルエンジイソシアネート、
1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−
キシレンジイソシアネート、m−フエニレンジ
イソシアネート、p−フエニレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネートやデスモジユールL、
デスモジユールIL(西ドイツバイエル社製)等
がある。 イソシアネート基と反応する基および電子線
硬化性不飽和二重結合を有する単量体として
は、アクリル酸あるいはメタクリル酸の2−ヒ
ドロキシエチルエステル、2−ヒドロキシプロ
ピルエステル、2−ヒドロキシオクチルエステ
ル等水酸基を有するエステル類;アクリルアマ
イド、メタクリルアマイド、N−メチロールア
クリルアマイド等のイソシアネート基と反応す
る活性水素を持ちかつアクリル系二重結合を含
有する単量体; 更に、アクリルアルコール、マレイン酸多価
アルコールエステル化合物、不飽和二重結合を
有する長鎖脂肪酸のモノあるいはジグリセリド
等イソシアネート基と反応する活性水素を持ち
かつ電子線硬化性を有する不飽和二重結合を含
有する単量体も含まれる。 分子中にエポキシ基を1個以上含む化合物1
分子と、エポキシ基と反応する基および電子線
硬化性不飽和二重結合を有する単量体1分子以
上との反応物、例えばグリシジルメタクリルレ
ートをラジカル重合させて得たエポキシ基を含
有する熱可塑性樹脂にアクリル酸を反応させ、
カルボキシル基とエポキシ基との開環反応によ
り、分子中にアクリル系二重結合をペンダント
させた樹脂、プレポリマーもしくはオリゴマ
ー、また、マレイン酸を反応させカルボキシル
基とエポキシ基との開環反応により分子骨格中
に電子線硬化性不飽和二重結合を有する樹脂プ
レポリマー、オリゴマーを挙げることができ
る。 ここで分子中にエポキシ基を1個以上含む化
合物としては、グリシジルアクリレート、グリ
ジジルメタクリレートの如きエポキシ基を含む
アクリルエステルあるいはメタクリルエステル
のホモポリマーあるいは他の重合性モノマーと
の共重合体として先の熱可塑性樹脂(V)項で述べ
た、エピコート828、エピコート1001、エピコ
ート1007、エピコート1009(以上シエル化学社
製)等その他種々のタイプのエポキシ樹脂があ
る。 エポキシ基と反応する基および放射線硬化性
不飽和二重結合を有する単量体としては、アク
リル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基を含
有するアクリル系単量体、メチルアミノエチル
アクリレート、メチルアミノメタクリレート等
の第1級もしくは第2級アミノ基を有するアク
リル単量体に加えマレイン酸、フマル酸やクロ
トン酸、ウンデシレン酸等電子線硬化性不飽和
二重結合を有する多塩基酸単量体も使用でき
る。 分子中にカルボキシル基を1個以上含む化合
物1分子とカルボキシル基と反応する基および
放射線硬化性不飽和二重結合を有する単量体1
分子以上との反応物、例えばメタクリル酸を溶
液重合させて得たカルボキシル基を含有する熱
可塑性樹脂にグリシジルメタクリレートを反応
させ、第項と同様にカルボキシル基とエポキ
シ基の開環反応により分子中にアクリル系二重
結合を導入させた樹脂、プリポリマー、オリゴ
マーを挙げることができる。 分子中にカルボキシル基を1個以上含む化合
物としては、分子鎖中または分子末端にカルボ
キシル基を含む先に述べた樹脂中のポリエステ
ル類;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイ
ン酸、フマル酸等のラジカル重合性を持ちかつ
カルボキシル基を有する単量体のホモポリマー
あるいは他の重合性モノマーとの共重合体等で
ある。 カルボキシル基と反応する基および放射線硬
化性不飽和二重結合を有する単量体としては、
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリ
レート等がある。 3−4 本発明は溶剤を使用する場合には、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、ブタ
ノール等のイソシアネート熱硬化では使用出来
なかつたアルコール類、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル結合を有するもの、ジ
メチルフオルムアミド、ビニルピロリドン等の
溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
の希釈剤ないしは溶剤を用いる。 コーテイングに使用する基体としては、現在
磁気記録媒体用基材として広く活用されている
ポリエチレンテレフタレート系フイルムおよび
さらに耐熱性を要求される用途としては、ポリ
イミドフイルム、ポリアミドイミドフイルム等
が活用され、特にポリエステル系フイルムにお
いては薄物ベースでは軸延伸、2軸延伸等をほ
どこして利用するケースも多い。 本発明に活用される磁性体微粉末はγ−
Fe2O3、Fe3O4、Coドープγ−Fe2O3、Coドープ
γ−Fe2O3−Fe3O4固溶体、CrO2、Co系化合物被
着型γ−Fe2O3、Co系化合物被着型Fe3O4(γ−
Fe2O3との中間酸化状態も含む。又ここで言うCo
系化合物とは、酸化コバルト、水酸化コバルト、
コバルトフエライト、コバルトイオン吸着物等コ
バルトの磁気異方性を保持力向上に活用する場合
を示す。) 又Co、Fe−Co、Fe−Co−Ni、Co−Ni等の強
磁性金属元素を主成分とする。その製法はBH4
等の還元剤による湿式還元法や、酸化鉄表面をSi
化合物で処理後H2ガス等により乾式還元法によ
つてあるいは低圧アルゴンガス気流中で真空蒸発
させる事によつて得られる手法等があげられる。 又単結晶バリウムフエライト微粉も使用でき
る。 以上の磁性体微粒子は針状型態あるいは粒状形
態のものを使用し、磁気記録媒体として用いる用
途によつて選択される。 近年特に技術進歩が著しくしかも市場性の拡大
している高バイアスのHiFi用オーデイオカセツ
トテープ、ビデオカセツトテープ、ビデオテー
プ、接触転写プリント用マスターテープ等には本
発明の電子線架橋タイプ又は電子線重合乾燥型バ
インダーと上記磁性微粉末中特に高密度記録用途
に有利なコパルト変性針状酸化鉄(コパルトドー
プタイプ及びコバルト系化合物被着タイプ)ある
いは更に高保磁力の針状合金微粒子を組合せる事
により、極めて良好な電磁変換特性と物性信頼性
を有する高性能テープを得る事が出来た。 本発明より成る放射線硬化型あるいは磁気記録
媒体用バインダーに関しても当該用途にて通常使
用される各種帯電防止剤、潤滑剤、分散剤、塗膜
強度補強添加剤等を用途に合わせて適宜活用する
事は有効である。 本開発の磁性塗膜の架橋に使用する活性エネル
ギー線としては、電子線加速器を線源とした電子
線、Co60を線源としたγ−線、Sr90を線源とした
β−線、X線発生器を線源としたX−線等が使用
される。 特に照射線源としては吸収線量の制御、製造工
程ラインへの導入、電離放射線のしや閉等の見地
から電子線加速器による電子線を使用する方法が
有利である。 磁性塗膜を硬化する際に使用する電子線特性と
しては、透過力の面から加速電圧100〜750KV好
ましくは150〜300KVの電子線加速器を用い、吸
収線量を0.5〜20メガラツドになる様に照射する
のが好都合である。 特に磁気テープの場合硬化すべき塗膜厚が小さ
いので、米国エナージーサイエンス社にて製造さ
れている低線量タイプの電子線加速器(エレクト
ロカーテンシステム)等がテープコーテイング加
工ラインへの導入、加速器内部の2次X線の遮閉
等に極めて有利である。 もちろん従来より電子線加速材として広く活用
されている、フアンデグラフ型加速器を使用して
も良い。 また放射線架橋に際しては、N2ガス、Heガス
等の不活性ガス気流中で放射線を記録媒体に照射
する事が重要であり磁性塗膜の様に非常に磁性顔
料充填度の高い塗膜は非常に多孔質となつている
ために、空気中で放射線を照射する事は、バイン
ダー成分の架橋に際し放射線照射により生じた
O3等の影響でポリマー中に生じたラジカルが有
効に架橋反応に働く事を阻害する。その影響は磁
性層表面は当然として多孔質のため塗膜内部まで
バインダー架橋阻害の影響を受ける。 従つて活性エネルギー線を照射する部分の雰囲
気は特に酸素濃度が最大で1%のN2、He、CO2
等の不活性ガス雰囲気に保つ事が重要となる。 発明の効果 本発明は、放射線照射により発熱を伴なわずに
瞬時に磁性塗膜中のバインダーを架橋あるいは低
分子成分を重合乾燥させる事が可能であり、本発
明によるバインダーと放射線照射システムの組合
せにより、下記(A)〜(C)に示される事項の改善が可
能となつた。本発明による改善点を以下に述べ
る。 (A) 磁性塗料およびコーテイング後の磁性塗膜の
化学的、物理的安定性が高く、放射線照射を行
うまでは塗料状態でのポツトライフおよび塗膜
の表面処理加工等の工程における制約を受けな
い。 従つて工程上必要な処理をほどこした後放射
線を照射する工程を組む事により生産工程の合
理化、自動化、品質安定性の確保に極めて有利
となる。 (B) 本発明によるバインダーの架橋および重合乾
燥は、放射線照射によりバインダー中にラジカ
ルを発生せしめ、これらが瞬時に架橋重合する
事により磁性塗膜の硬化、乾燥が行なわれる。
従つてラジカルを発生せしめるためにのみ最大
20Mrad程度の放射線を瞬時照射する程度であ
り基材として広く用いられるポリエステルフイ
ルムの熱変型等を生ずる事は無く、しかもシー
ト状オンラインにて照射を行なうためロール状
で捲取後熱硬化する際の磁性層不均一層の層間
転移による歩留りの低下や捲締り、ベース基材
裏面に表面粗度の転移による短波長領域での
S/Nの低下等を防止する点で有利となる。 (C) (B)にてすでに述べた様に反応がラジカル反応
であり、従来の熱硬化化学反応の様に反応促進
のため長時間加熱等を必要とせずかつ架橋度、
重合による乾燥度を放射線の照射線量にて簡単
に制御可能となるため、磁性層中の低分子量成
分の浸み出しによる粘着等のトラブルは防止可
能となる。 従つて熱硬化工程の熱エネルギーによるエネル
ギー節約となり省エネルギー対策としても有利と
なる。 そして、本発明では、放射線感応性のない樹脂
等は含有しないので、耐久性、走行安定性等が向
上する。 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的合成例実施例を示し、本
発明をさらに詳細に説明する。 実施例:放射線感応性バインダー合成例 トリレンジイソシアネートのアダクトの製法 (a) 塩化ビニール酢酸ビニール共重合系樹脂(放
射線感応変性樹脂)のアクリル変性体の合成 ビニライトVAGH750部とトルエン1250部、
シクロヘキサノン500部を54つ口フラスコ
に仕込み加熱溶解し80℃昇温後トリレンジイソ
アネートの2−ヒドロキシエチルメタアクリル
ートアダクトを61.4部を加え、さらにオクチル
酸スズ0.012部、ハイドロキノン0.012部加え80
℃でN2気流中NCO反応率が90%以上となるま
で反応せしめる。 反応終了後冷却しメチルエチルケトン1250部
を加え希釈する。 得られた合成物をバインダー(a)とする。 *トリレンジイソシアネート(TDI)の2−
ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)
アダクトの製法 トリレンジイソシアネート348部をN2気流中
1の4つ口フラスコ内で80℃に加熱後、2−
ヘキサエチレンメタアクリレート260部、オク
チル酸スズ0.07部、ハイドロキノン0.05部を反
応缶内の温度が80〜85℃となる様に冷却コント
ロールしながら滴下終了後80℃で3時間撹拌し
反応を完結させる。反応終了後取り出して冷却
後白色ペースト状のTDIの2HEMAを得た。 (b) ブチラール樹脂アクリル変性体の合成(感電
子化変性樹脂) ブチラール樹脂積水化学製BM−S 100部
をトルエン191.2部シクロヘキサノン71.4部を
54つ口フラスコに仕込み加熱溶解し80℃昇
温後トリレンジイソシアネートの2−ヒドロキ
シエチルメタアクリレートアダクト*を7.4部
加えさらにオクチル酸スズ0.015部、ハイドロ
キノン0.015部を加え、80℃でN2気流中NCO反
応率が90%以上となるまで反応せしめる。 反応終了後冷却しメチルエチルケトンにて希
釈する。 得られた合成物をバインダー(b)とする。 (c) 飽和ポリエステル樹脂アクリル変性体の合成
(感電子化変性樹脂) 東洋紡製バイロンRV−200 100部をトルエ
ン116部、メチルエチルケトン116部に加熱溶解
し80℃昇温後TDIの2HEMAアダクト*を3.55
部加えオクチル酸スズ0.007部、ハイドロキノ
ン0.007部を添加しN2気流中80℃でNCO反応率
90%以上となるまで反応せしめる。 (d) エポキシ樹脂アクリル変性体の合成(感電子
化変性樹脂) シエル化学製エピコート1007 400部をトルエ
ン50部MEK50部に加熱溶解後NN−ジメチル
ベンジルアミン0.006部、ハイドロキノン0.003
部を添加し80℃としアクリル酸69部を滴下し80
℃で酸価5以下となるまで反応せしめる。 (e) ウレタンエラストマーアクリル変性体の合成
(感電子化エラストマー) 末端イソシアネートのジフエニルメタンジイソ
シアネート(MDI)系ウレタンプレポリマー
(日本ポリウレタン製ニツポラン4040)250部、
2HEMA32.5部、ハイドロキノン0.07部、オクチ
ル酸スズ0.009部を反応缶に入れ80℃に加熱溶解
後TDI43.5部を反応缶内に温度が80〜90℃となる
様に冷却しながら滴下し、滴下終了後80℃で
NCO反応率95%以上となるまで反応せしめる。 (f) ポリエーテル系末端ウレタン変性エラストマ
ーアクリル変性体の合成(感電子エラストマ
ー) 日本ポリウレタン社製ポリエーテルPTG−
500 250部、2HEMA32.5部、ハイドロキノン
0.007部オクチル酸スズ0.009部を反応缶に入れ
80℃に加熱溶解後TDI43.5部を反応缶内の温度
が80〜90℃となる様に冷却しながら滴下し、滴
下終了後80℃でNCO反応率95%以上となるま
で反応せしめる。 (g) ポリブタジエンエラストマーアクリル変性体
の合成(感電子化エラストマー) シンクレアペトロケミカル社製低分子量末端
水酸基ポリブタジエンボリBDリクイツトレジ
ンR−15 250部、2HEMA32.5部、ハイドロキ
ノン0.007部、オクチル酸スズ0.009部を反応缶
に入れ80℃に加熱溶解後TDI43.5部を反応缶内
の温度が80〜90℃となる様に冷却しながら滴下
し、滴下終了後80℃でNCO反応率95%以上と
なるまで反応せしめる。 (h) アリル基導入EBC性樹脂合成例(TDI−ア
リルアルコールアダクト体) TDI348部をN2気流中80℃に加熱後、アリル
アルコール116部、オクチル酸スズ0.07部、ハ
イドロキノン0.02部を反応缶内の温度が80〜85
℃となるように冷却コントロールしながら滴下
し、滴下終了後80℃で3時間撹拌反応させる。 (樹脂合成例) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)
15部、ブチルメタクリレート35部、トルエン37.5
部、MEK37.5部を反応缶に入れ80℃に加熱し、
2HEA45部、ブチルメタクリレート105部、ベン
ゾイルパーオキサイドBPO 6部、トルエン112.5
部を滴下し80〜90℃で4時間反応せしめ、反応生
成物195部にTDI−アリルアルコールアダクト体
を46.6部加え、オクチル酸スズ0.01部、ハイドロ
キノン0.01部を添加80℃でNCO反応率90%以上
まで反応せしめる。 (i) 不飽和ポリエステル系EBC性樹脂合成 例 セバチン酸ジメチル136部、アジピン酸ジメ
チル12.2部、マレイン酸ジメチル64.8部、ネオペ
ンチルグリコール73部、1,6−ヘキサンジオー
ル74部、テトラ−n−ブチルチタネート10部を反
応缶に仕込みN2気流中180℃で脱メタノール反応
後240〜260℃まで昇温し、0.5〜1mmHgの減圧下
縮合反応により、内部可塑化されたエラストマー
に近い樹脂を得た。 これらにおいて、20℃、100Hzの動的弾性率は、
(a)〜(d)および(h)が109dyn/cm2以上、(e)〜(g)およ
び(i)が109dyn/cm2未満であつた。 実施例 1 コバルト被着針状γ−Fe2O3(長軸0.4μm、短軸
0.05μm、Hc6000e) 120重量部 カーボンブラツク(帯電防止用、三菱カーボン
ブラツクMA−600) 5重量部 α−Al2O3粉末(0.5μm粒状) 2重量部 分散剤(大豆精製レシチン) 3重量部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン50/50)
100重量部 上記組成物をボールミル中にて3時間混合し、
針状磁性酸化鉄を分散剤により良く湿潤させた。 アクリル二重結合導入飽和ポリエステル樹脂(C)
10重量部(固型分換算) アクリル二重結合導入塩酢ビ共重合体(a)
10重量部(固型分換算) 不飽和ポリエステル系樹脂(i)
10重量部(固型分換算) 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン50/50)
200重量部 潤滑剤(高級脂肪酸変性シリコンオイル)
3重量部 上記バインダーの混合物を良く混合溶解させ
た。これを先の磁性粉処理を行なつたボールミル
中に投入し再び42時間混合分散させた。 この様にして得られた磁性塗料を15μmのポリ
エステルフイルム上に塗布し、永久磁石(1600ガ
ウス)上で配向させ、赤外線ランプ又は熱風によ
り溶剤を乾燥させた後、表面平滑化処理後、ESI
社製エレクトロカーテンタイプ電子線加速装置を
使用して、加速電圧150KeV、電極電流20mA、
全照射量10Mradの条件でN2雰囲気下にて電子線
を照射し、塗膜を硬化させた。 得られたテープを1/2インチ巾に切断しビデオ
テープ(試料#1)を得た。 本方法による磁性塗膜の架橋は、アクリル二重
結合のラジカル化による架橋と塩酢ビ分子鎖中に
生じたラジカル(脱HClと考えられるが明らかで
ない)による架橋と両者が作用していると考えら
れる。 試料を#1とする。 比較例 1 塩酢ビ共重合体UCC社VAGH 15重量部 日本ポリウレタン製熱可塑性ウレタンニツポラ
ン3022 15重量部(固型分換算) 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン50/50)
200重量部 潤滑剤(高級脂肪酸変性シリコーンオイル)
3重量部 の混合物を良く混合溶解させた。 これを実施例1の磁性粉組成物を処理したボー
ルミル中に投中し再び42時間混合分散させた。 分散後磁性塗料中のバインダーの水酸基を主体
とした官能基と反応し架橋結合し得るイソシアネ
ート化合物(バイエル社製デスモジユールL)を
5重量部(固型分換算)上記ボールミル仕込塗料
に20分混合を行なつた。 磁性塗料を15μmのポリエステルフイルム上に
塗布し、永久磁石(1600ガウス)上で配向させ、
赤外線ランプ又は熱風により溶剤を乾燥させた後
表面平滑化処理後、80℃に保持したオーブン中に
ロールを48時間保持しイソシアネートによる架橋
反応を促進させた。 得られたテープを1/2インチ巾に切断しビデオ
テープ(試料#A)を得た。 さらに、試料#1のバインダー混合物中、アク
リル二重結合導入飽和ポリエステル樹脂(c)のかわ
りに飽和ポリエステル樹脂(東洋紡製RV−200)
を固型分換算で同量用い、それ以外は#1と同様
にして、比較用の試料#1Aを得た。 従来のイソシアネート系化合物を使用して加熱
による架橋反応を行なわしめたテープは、塗料に
硬化剤としてのイソシアネート化合物が混合され
た後は、バインダー中の水酸基等との反応が始ま
り塗布、乾燥後はバインダー中での架橋反応が急
速に進み、試料#Aでは塗布後の経過時間と共に
架橋反応進行による塗膜硬化が進み、表面成型性
が低下する事によるビデオ感度の低下傾向を示し
た。 他方試料#1のビデオテープにおいては、表面
成型加工後電子線照射により発生したラジカルに
よる架橋が進行する為、磁性塗料塗布後の保持時
間による表面成型性の低下によるビデオ感度劣化
を生じなかつた。 更に塗布以前の磁性塗料のポツトライフとも無
関係となり、従来の熱硬化方式によるテープの製
造工程上の制約を取り除く事が出来た。 さらに、ビデオテープをEIAJ統一規格オープ
ンリールVTR(松下電器製NV−3120)にて信号
を記録した後、ばねばかりで巻取り側に200grの
張力を加え0℃にて静止画像再生を行なつた時の
初期の再生出力より3dB以上出力が減衰するに至
るスチル時間を測定した。 結果を表1に示す。
【表】 表1より明らかな様に磁性塗膜とヘツドの相対
速度が11m/secにも及ぶきびしい摩耗条件にも
かかわらず電子線によりバインダーを架橋する事
により強じんな塗膜構造を型成し信号の減衰が著
しく少ない。 さらに温度−10℃相対湿度0%から60℃80%の
範囲でビデオテープを5サイクル5日間保置した
後室温にもどし24時間静置後、スチル再生テスト
に使用したものと同じVTRで走行させ、ヘツド
ドラムとピンチローラー間に日本自動制御製テン
シヨンアナライザー1VA−500型をセツトし走行
時の巻取り側のテンシヨンの変化を20分走行後に
測定した。 結果を表1に示す。 本試験では磁性塗膜自体の摩擦係数のレベルが
評価されるのみならず、磁性塗膜中に含まれる低
分子成分の浸み出しによるテープ走行性の劣化、
温度、湿度等の環境条件に対する安定性の評価も
可能である。 表1より明らかな様に電子線架橋後の#1のテ
ープは摩擦係数も低く、低分子エラストマー成分
も十分架橋され、塗膜表面への浸み出しも無く温
度、湿度変化に対する走行安定性も良い。 他方電子線架橋前の#1のテープは低分子エラ
ストマー成分の磁性塗膜表面への浸み出しも関係
してか温度サイクル後の走行安定は極めて悪い。 試料#Aおよび#1Aは試料#1と比較すると
不安定であつた。 実施例 2 Fe合金針状磁性粉(長軸0.3μm、短軸0.04mμ、
Hc1100e) 120重量部 分散剤(オレイン酸) 2重量部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン50/50)
100重量部 上記組成物を強力ミキサーにて3時間混合し、
磁性合金微粉末を分散剤により良く湿潤させた。 次に アクリル二重結合導入ブチラール樹脂(b)
18重量部(固型分換算) 不飽和ポリエステル系樹脂(i)
12重量部(固型分換算) 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン50/50)
200重量部 潤滑剤(高級脂肪酸) 3重量部 の混合物を良く混合溶解させた。 これを先の磁性粉処理物と高速ミキサーにより
1時間十分混合し、サンドグラインドミルを用い
て4時間混合分散を行なつた。 この様にして得られた磁性塗料を12μmポリエ
ステルフイルム上に塗布し、磁場配向、溶剤乾
燥、表面平滑化処理後エレクトロカーテンタイプ
電子線加速装置を使用して、加速電圧150KeV電
極電流10mA、全照射量10Mradの条件でN2ガス
雰囲気下にて電子線を照射し塗膜を硬化させた。 得られたテープを3.8mm巾に切断し、合金オー
デイオカセツトテープ(試料#2)を得た。 試料#2とする。 比較例 2 ポリビニルブチラール樹脂(セキスイ化学製
BMS) 18重量部 不飽和ポリエステル系樹脂(i) 12重量部 溶剤(メチルエチルケトン) 200重量部 潤滑剤(高級脂肪酸変性シリコンオイル)
3重量部 これを実施例2の磁性粉組成物と高速ミキサー
により1時間十分混合し、サンドグラインドミル
を用いて4時間混合分散を行なつた。 分散後磁性塗料中のバインダーの水酸基を主体
とした官能基と反応し架橋結合し得るイソシアネ
ート化合物(バイエル社製デスモジユールL)を
固型分換算で5重量部上記サンドグラインドミル
仕込塗料に20分混合を行なつた。 磁性塗料を12μmのポリエステルフイルム上に
塗布し、磁場配向、溶剤乾燥、表面平滑化処理後
80℃に保持した熱処理炉中で48時間保持し熱硬化
を行なつた。 得られたテープを3.8mmに切断し合金オーデイ
オカセツトテープを得た。試料#Bとする。 さらに、試料#2においてバインダー混合物を
下記混合物にかえた他は、#2と同様にして比較
用の試料#2Bを得た。 アクリル二重結合導入ブチラール樹脂(b)
12重量部 不飽和ポリエステル系樹脂(i) 12重量部 ポリビニルブチラール樹脂(セキスイ化学製
BMS) 6重量部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン50/50)
200重量部 潤滑剤(高級脂肪酸) 3重量部 表2に本発明のバインダーによる合金オーデイ
オカセツトテープの特性を示す。
【表】
【表】 印加磁界
のカーステレオ
5000G
CX−1147D使用

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 放射線感応性不飽和二重結合を有する放射線
    感応性樹脂と、放射線感応性不飽和二重結合を有
    し、20℃における動的弾性率が1×109dyn/cm2
    未満の軟質樹脂ならびにそのプレポリマー、オリ
    ゴマーおよびテロマーから選ばれた放射線感応性
    化合物とを含有し、熱可塑性樹脂を実質的に含有
    しないバインダー成分(ただし、放射線感応性樹
    脂および放射線感応性化合物がともにアクリル系
    二重結合を有する場合を除く)および強磁性微粒
    子を含む磁性塗料を放射線により架橋・重合した
    磁性層を有することを特徴とする磁気記録媒体。
JP10271787A 1987-04-24 1987-04-24 磁気記録媒体 Granted JPS6323227A (ja)

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