JPH0518158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、カード類や伝票等の書類を入れるた
めの書類ケースのうち、内容積を可変に構成した
書類ケースの改良に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の内容積可変式の書類ケースは、
例えば、実公昭55−23887号公報又は実公昭61−
39575号公報等に記載されているように、互いに
略平行な前面板と後面板とを連接する左右両側板
及び底板を、前記前面板及び後面板と直角の方向
に伸縮自在な蛇腹状に形成し、その内部に、適宜
枚数の仕切板を前面板又は後面板と略平行に配設
したものに構成されていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この従来の書類ケースでは、その内部
における仕切板を、蛇腹状の左右両側板に対して
一体的に連接したものに構成するか、又は、蛇腹
状の左右両側板に対して接着等によつて固着した
ものに構成しているから、製造工程が著しく複雑
化して、製造コストが可成りアツプするのであ
り、しかも、各仕切板間の間隔、仕切板と前面板
及び後面板との間隔を替えたり、仕切板を取外し
たりすることができない不便さがあつた。

その上、左右両側板及び底板を蛇腹状に構成し
た場合、左右両側板及び底板を構成する素材の弾
性によつて、前面板と後面板との間の間隔、つま
り、ケースの奥行き寸法が自然に広がる傾向を呈
するから、書類の収納量が少ない場合には、内部
に隙間が生じて、書類が下方に潜り込んだり、曲
がり癖がついてしまつたりする点にも問題であつ
た。

本考案は、これらの問題を解消することを目的
とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するため本考案は、互いに略平
行な前面板と後面板とを連接する左右両側板及び
底板を、前記前面板及び後面板と直角の方向に伸
縮自在な蛇腹状に形成し、その内部に、適宜枚数
の仕切板を前面板又は後面板と略平行に配設して
成る書類ケースにおいて、前記仕切板の左右両端
を、左右両側板における蛇腹のひだ部内に挿入す
る一方、前記前面板の左右両縁部と後面板の左右
両縁部との間には、前記左右両側板における蛇腹
の各ひだ部及び前記仕切板を貫通するように延び
る弾性紐体を各々装架し、該左右両弾性紐体の両
端を、前面板と後面板とに着脱自在に係着する構
成にした。

また、前記左右両弾性紐体の前面板及び後面板
に対する係着を着脱自在に構成しても良い。

〔考案の作用・効果〕

このように、前面板の左右両縁部と、後面板の
左右両縁部と間に、弾性紐体を各々装架したこと
により、前面板と後面板とは、前記左右両弾性紐
によつて、互いに接近するように付勢され、換言
すると、書類ケースは、その奥行き寸法が縮み勝
手になるように付勢されるから、前面板と後面板
との間隔、つまり奥行き寸法は、その内部に入れ
る書類の厚さに応じて自動的に増減し、ケース内
に余分の隙間ができることを防止できる。

しかも、前記左右両弾性紐体を、左右両側板に
おける蛇腹の各ひだ部、及びこのひだ部内に挿入
した仕切板に対して貫通したことにより、仕切板
は、前記左右両弾性紐体により、左右両側板に対
して係止することができるから、前記従来のよう
に、仕切板を、左右両側板に対して一体的に連接
したり、或いは、左右両側板に対して接着等によ
つて固着する必要がなくなり、製造コストを大幅
に低減できる。

また、前記左右両弾性紐体の前面板及び後面板
に対する係着を着脱自在に構成すると、この左右
両弾性紐を抜くことにより、仕切板を取外すこと
ができるから、各仕切板間の間隔、及び仕切板と
前面板又は後面板との間の間隔を変えたり、仕切
板を取替えたりすることが自在にできて、便利性
を向上できる。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、図において符号１は、前後略平行に配設し
た前面板２と後面板３との間に左右一対の側板４
と底板５とを連接して成るケース本体を示し、前
記左右側板４間には、前記前面板４及び後面板５
と略平行な合成樹脂製等の仕切板６を配設する一
方、前記後面板３には、蓋体７を接着又は熱融着
等の適宜手段で固着している。

前記左右側板４と底板５とは半剛性の１枚の薄
板にて一体的に形成されており、第５図に示すよ
うに、側板４と底板５との連接部に、前後方向に
沿つてジグザグ状に延びる折り目８を形成し、該
折り目８の角部において側板４と底板５とをそれ
ぞれジグザグ状に折曲げることにより、それら左
右側板４と底板５とが一体的に前後伸縮し、前面
板２と後面板３との間隔が変更自在となるように
構成している。

そして、前記仕切板６の左右両端を側板４にお
ける蛇腹のひだ部４ａに挿入する一方、前記前面
板２と後面板３との左右両縁部、及び、左右側板
４の各ひだ部４ａと仕切板６の左右両縁部とに、
それぞれ上下適宜隔てて通孔９，１０，１１，１
２を穿設し、これら四者における４箇所の通孔
９，１０，１１，１２にゴム紐等の１本の弾性紐
体１３を順次挿通して、その端部を結び合せる１
４ことにより、当該弾性紐体１３を前面板２及び
後面板３に対して係着する。

この場合、紐板１３は、前面板４からの露出部
１３ａが略垂直に延び、背面板５からの露出部１
３ｂが略水平に延びるようにして挿通している。

また、前記蓋体７の左右両側縁には、前記前面
板４及び後面板５における通孔９，１０の上下間
隔ｌと同じ間隔で２対の係合溝１５，１６を切欠
き形成しており、第６図に示すように、先端寄り
の係合溝１５を紐体１３の前方への露出部１３ａ
に係止することにより、閉蓋状態を保持したり、
或いは、第７図に示すように、蓋体７を２つ折し
た状態で後方に折曲げ、各係合溝１５，１６を紐
体１３の後方への露出部１３ｂに係止することに
より、開蓋状態を保持したりできるようにしてい
る。

なお、紐体１３をケース本体１の左右に１本ず
つ挿通して、第７図の一点鎖線で示すように、各
紐体１３の後方への露出部１３ｂが垂直に延びる
ようにして形成し、この垂直状の露出部１３ｂに
て蓋体７を係止するようにしても良く、また、前
記各仕切体６には孔１２に代えて横向き開口の切
欠き溝を形成し、その切欠き溝に弾性紐体１３を
挿通するようにしても良い。

以上の構成において、前面板２の左右両縁部と
後面板３の左右両縁部との間に弾性紐体１３を
各々装架したことにより、ケース本体１は、前面
板２と後面板３の間隔が縮み勝手になるように付
勢されるから、ケース本体１の奥行き寸法は、そ
の内部に入れる書類Ａの厚さに応じて自動的に増
減し、ケース本体１内に余分の隙間ができること
を防止できる。

しかも、弾性紐体１３を、左右側板４のひだ部
４ａと仕切板６とに貫通したことにより、仕切板
６を左右側板４に対して係止できるから、頭記し
た従来技術のように、仕切板６は、左右両側板４
に対して一体的に連接したり、或いは、左右両側
板４に対して接着等によつて固着する必要がなく
なり、製造コストを大幅に低減できるのである。

そして、弾性紐体１３を、その両端部を結び合
わせる１４等して、前面板２及び後面板３に対し
て着脱自在に構成すると、弾性紐体１３を引き抜
くことにより、仕切板６を取外すことができるか
ら、各仕切板６間の間隔、及び仕切板６と前面板
４又は後面板５との間の間隔を変えたり、破れた
仕切板６を取り替えたりすることが自在にできる
のである。なお、前記したのように、仕切板６の
左右両縁に形成した切欠き溝に弾性紐体１３を挿
通するようにすると、弾性紐体１３を抜き取らな
くても仕切板６を取外すことができる。

なお、蓋体７を設けるに際し、実施例のように
弾性紐体１３を利用して係止するようにすると、
蓋体７を係止する金具等を取付ける必要がなく、
蓋体７を取付けた場合であつても構造を至極簡単
にすることができる。この場合、後面板３の上端
を延長して蓋体と成すようにしても良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は開蓋状
態での斜視図、第２図は第１図の−視平断面
図、第３図は第２図の−視断面図、第４図は
第２図の−視断面図、第５図は側板と底板と
の連接部の斜視図、第６図は閉蓋状態での斜視
図、第７図は開蓋状態での後方からの斜視図であ
る。 １……ケース本体、２……前面板、３……後面
板、４……側板、４ａ……ひだ部、５……底板、
６……仕切板、７……蓋体、１３……弾性紐体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 互いに略平行な前面板と後面板とを連接する
   左右両側板及び底板を、前記前面板及び後面板
   と直角の方向に伸縮自在な蛇腹状に形成し、そ
   の内部に、適宜枚数の仕切板を前面板又は後面
   板と略平行に配設して成る書類ケースにおい
   て、前記仕切板の左右両端を、左右両側板にお
   ける蛇腹のひだ部内に挿入する一方、前記前面
   板の左右両縁部と後面板の左右両縁部との間に
   は、前記左右両側板における蛇腹の各ひだ部及
   び前記仕切板を貫通するように延びる弾性紐体
   を各々装架し、該左右両弾性紐体の両端を、前
   面板と後面板とに各々係着したことを特徴とす
   る書類ケース。 (2) 前記左右両弾性紐体の前面板及び後面板に対
   する係着を、着脱自在に構成したことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の書類
   ケース。