JPH05181005A - プリズムおよびその製造方法 - Google Patents

プリズムおよびその製造方法

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JPH05181005A
JPH05181005A JP21790691A JP21790691A JPH05181005A JP H05181005 A JPH05181005 A JP H05181005A JP 21790691 A JP21790691 A JP 21790691A JP 21790691 A JP21790691 A JP 21790691A JP H05181005 A JPH05181005 A JP H05181005A
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JP
Japan
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prism
film
olefin resin
vapor deposition
coating film
Prior art date
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Withdrawn
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JP21790691A
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English (en)
Inventor
Kenji Hayashi
賢二 林
雅道 ▲ひじ▼野
Masamichi Hijino
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 [目的] 有害な光線の遮蔽や防眩を行なうための黒色
塗装膜の密着性を強固したプリズムを提供する。 [構成] 非晶質オレフィン系樹脂によりプリズム形状
のプラスチック基板を成形し、プラスチック基板におけ
る光透過面を除く表面にSiO2蒸着膜を真空蒸着して、表
面を改質する。SiO2蒸着膜上に黒色塗装膜を塗着して、
密着性を増大させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスチックにより成形
されるプリズムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プリズムなどの光学部材の基材と
してガラスに替え、プラスチックが使用されている。こ
のプラスチックとしてはアクリル樹脂が多用されている
が、アクリル樹脂は使用環境の湿度により、材料の吸湿
を伴い光学面精度の低下や光路長の変化を起こし、高精
度な光学系への適用に向かないため、吸湿の無いプラス
チック材料の選択が必要となっていた。吸湿の無いプラ
スチック材料としてはオレフィン系で透明性を有する樹
脂が最適であるが、この材料は結晶性オレフィンの性質
を有しているため、その表面は極めて不活性で、プリズ
ムとしての機能を持たせるために施される有害光線の遮
蔽と防眩のための黒色塗装処理が極めて困難で、塗膜の
密着性を確保出来ない問題があった。
【0003】このためオレフィン系樹脂への塗装性の改
良についての研究が盛んに行なわれており、例えば素材
として他のモノマーの共重合や他のポリマーあるいは無
機物をブレンドする方法が開発されているが、素材の光
学的物性が損なわれるため、プリズムには適用が出来な
い。一方表面を改質する方法においても、例えばクロム
酸混液処理、コロナ放電処理、グラフト化処理、プラズ
マ処理、オゾン酸化処理法などが開発されている。しか
しながら、何れの方法でも素材の表面が処理によって粗
面化された光学的特性が損なわれてしまう結果、光学的
用途に適さない。このようなことから従来では吸湿の無
いプラスチックプリズムは実現されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】既述のように吸湿によ
る光路長の変化の無いプラスチックを基材とする高精度
なプリズムの基材としては、オレフィン系樹脂が適して
いるが、光学系への有害な光線の遮蔽および防眩のため
の塗装表面処理性を素材の光学的物性を損なうことなく
付与することができない問題点があった。
【0005】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であり、オレフィン系樹脂を基材とするにもかかわら
ず、良好な表面塗装を行なうことができるプリズムおよ
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はプリズムの基材
として、非晶質オレフィン系樹脂を使用したものであ
り、この非晶質オレフィン系樹脂を射出成形によって所
定のプリズム形状とし、このプラスチック基板の表面を
表面処理して、黒色塗装可能としたものである。
【0007】すなわち、本発明のプリズムは非晶質オレ
フィン系樹脂からなる所定形状のプラスチック基板と、
このプラスチック基板における光透過面以外の表面に蒸
着されたSiO2蒸着膜と、このSiO2蒸着膜上に塗付された
黒色塗装膜とを備えていることを特徴とする。
【0008】また本発明のプリズムの製造方法は、非晶
質オレフィン系樹脂により所定形状のプラスチック基板
を成形する工程と、前記プラスチック基板における光透
過面を除く表面にSiO2蒸着膜を真空蒸着する工程と、Si
O2蒸着膜上に黒色塗料を塗装し硬化する工程とを備えて
いることを特徴とする。
【0009】
【作用】非晶質オレフィン系樹脂は400nm〜800nm
の波長領域での分光透過率が90%以上であり、良好な
光学的透明性を有している。この非晶質オレフィン系樹
脂からなるプラスチック基板は、表面が不活性である
が、その表面にSiO2蒸着膜を真空蒸着させることによ
り、密着性が付与される。従って、オレフィン系樹脂の
良好な光学的特性を維持したままで、遮光と防眩のため
の黒色塗装膜を強固に施すことができる。尚、光線を反
射する面にはAlを真空蒸着処理することは従来プリズ
ムと同様あり、この場合のAl蒸着膜は基材もしくはSi
O2蒸着された面に処理される。
【0010】
【実施例】図1および図2はプラスチックプリズムを示
し、a,b,c,d,e,fの6面構造となっており、
a面が入射面、b面が反射面、c面が出射面となってい
る。この場合、反射面であるb面にはAlが真空蒸着さ
れたAl蒸着膜2が形成されている。光線は図2矢印で
示すように、a面から入射し、b面のAl蒸着膜2で反
射してa面に戻り、a面で全反射した後、c面から出射
して光学系に導かれる。本発明のプリズムは光が透過す
るa面およびc面を除く他のb,d,e,fの各面に黒
色塗装膜を形成してa,c面以外からの不要な光線の遮
光と、a面からの入射光線がプリズム内で反射する不要
な反射光の防眩とを行なうものである。
【0011】表1は本実施例および比較例における各処
理を示し、図3ないし図5は同表に沿った本実施例の製
造工程、図6および図7は比較例の製造工程を示す。
【0012】
【表1】
【0013】本実施例および比較例のいずれにおいて
も、非晶質オレフィン系樹脂を射出成形することによ
り、図1に示すプリズム1と同形状のプラスチック基板
3を成形し、それぞれのプラスチック基板3のb面にA
lを真空蒸着して反射膜としてのAl膜着膜4が形成さ
れる(図3,図6参照)。このAl蒸着膜4はプラスチ
ック基板3の温度を50℃とし、到達真空度3×10-6
Torrの真空蒸着条件で膜厚60nmとなるように成形され
る。
【0014】次に本実施例では、プラスチック基板3に
おけるaおよびc面を除くb,d,e,fの各面にSiO2
を真空蒸着してSiO2蒸着膜5を形成する(図4参照)。
このSiO2蒸着膜5はプラスチック基板温度50℃、到達
真空度3×10-6Torrの真空蒸着条件で行ない、その膜
厚を20nmとした。かかるSiO2蒸着膜5の形成によりプ
ラスチック基板3の表面が改質され、後述するように密
着性を付与することができる。
【0015】その後、本実施例では、SiO2蒸着膜が施さ
れたb,d,e,f面に黒色塗装膜6を形成し(図5参
照)、比較例では同じくb,d,e,f面にそのまま、
黒色塗装膜6を形成する(図7参照)。この黒色塗装膜
6はエポキシ・アミン二液硬化型黒色塗料にカップリン
グ剤と有機防錆剤を配合してスプレー法により塗布した
後、60℃、1時間で重合硬化し、更に72時間室温放
置することにより形成した。
【0016】以上のように製造した本実施例と比較例の
黒色塗装膜6の密着性とプリズムとしての光学性能とを
検査した。黒色塗装膜密着性の検査はプリズムを温度−
40℃〜+80℃、温度0%〜80%の条件を組み合わ
せて24時間を1サイクルとするサイクル試験で20回
繰り返し、その後に塗膜の剥離の有無を調査した。剥離
の調査は1)目視による外観の確認、2)クロスカット
テープテストによる剥離性の確認により行なった。な
お、クロスカットテープテストによる剥離性の確認で
は、カッターナイフによって樹脂層を1mm方眼のクロス
カットを100マス入れ、粘着テープをそのカット面に
密着させた後に、45°の剥離角度で瞬間剥離し、基板
に残った樹脂片の数で評価した。
【0017】一方光学性能の検査は、プリズムを温度4
0℃、湿度90%の条件中に200時間放置した後、プ
リズムを透過した透過光の干渉縞にて性能変化の程度を
比較して行なった。
【0018】結果を表2に示す。表2において、光学性
能評価欄は反射像のゆがみが生じない範囲内での干渉縞
の変化の場合に光学性能規格範囲内での合格と判定し
た。
【0019】
【表2】
【0020】表2より、プリズムと黒色塗装膜との密着
性はSiO2処理に依存しており、本実施例の優位性が立証
されている。なお、塗料中にカップリング剤を配合しな
い場合、SiO2との界面でのクロスカット剥離試験では耐
性試験後に、密着性が劣った。更に有機防錆剤を配合し
ない場合は、Al蒸着面が耐性試験後に腐食を認めたこ
とから、本実施例のようにカップリング剤および有機防
錆剤を配合した効果は有効であった。
【0021】
【発明の効果】本発明は光透過面を除く表面にSiO2蒸着
膜を形成し、このSiO2蒸着膜上に黒色塗装膜を形成する
ため、黒色塗装膜が強固に密着し、光学的特性を損なう
ことのない耐性変化のないプリズムとすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリズムの一例の斜視図。
【図2】プリズム内の光路を示す断面図。
【図3】本発明の製造工程を示す斜視図。
【図4】本発明の製造工程を示す斜視図。
【図5】本発明の製造工程を示す斜視図。
【図6】従来の製造工程を示す斜視図。
【図7】従来の製造工程を示す斜視図。
【符号の説明】
3 プラスチック基板 5 SiO2蒸着膜 6 黒色塗装膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質オレフィン系樹脂からなる所定形
    状のプラスチック基板と、このプラスチック基板におけ
    る光透過面以外の表面に蒸着されたSiO2蒸着膜と、この
    SiO2蒸着膜上に塗付された黒色塗装膜とを備えているこ
    とを特徴とするプリズム。
  2. 【請求項2】 非晶質オレフィン系樹脂により所定形状
    のプラスチック基板を成形する工程と、前記プラスチッ
    ク基板における光透過面を除く表面にSiO2蒸着膜を真空
    蒸着する工程と、SiO2蒸着膜上に黒色塗料を塗装し硬化
    する工程とを備えていることを特徴とするプリズムの製
    造方法。
JP21790691A 1991-08-02 1991-08-02 プリズムおよびその製造方法 Withdrawn JPH05181005A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007058240A (ja) * 2006-11-10 2007-03-08 Hitachi Ltd プリズム、プリズムの製造方法、光学ユニット及び投射型表示装置
US7253833B2 (en) 2001-11-16 2007-08-07 Autonetworks Technologies, Ltd. Vehicle periphery visual recognition system, camera and vehicle periphery monitoring apparatus and vehicle periphery monitoring system
JP2008298874A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Fujinon Corp 反射プリズム、光ピックアップ及び反射プリズムの製造方法
KR102439411B1 (ko) * 2022-04-27 2022-09-05 성진정밀 주식회사 폴디드 카메라용 또는 후방 카메라용 사출 프리즘 및 그 제조방법

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Effective date: 19981112