JPH05180536A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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Publication number
JPH05180536A
JPH05180536A JP1831192A JP1831192A JPH05180536A JP H05180536 A JPH05180536 A JP H05180536A JP 1831192 A JP1831192 A JP 1831192A JP 1831192 A JP1831192 A JP 1831192A JP H05180536 A JPH05180536 A JP H05180536A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
evaporator
heat exchanger
coating layer
copper
hydrophilic treatment
Prior art date
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Pending
Application number
JP1831192A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Hara
慎一 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Zexel Corp filed Critical Zexel Corp
Priority to JP1831192A priority Critical patent/JPH05180536A/ja
Publication of JPH05180536A publication Critical patent/JPH05180536A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた殺菌効果を得ることができ、この殺菌
効果を長く持続でき、構造が簡単で殺菌のためのメンテ
ナンス作業が不要な熱交換器の提供。 【構成】 エバポレータのアルミニウム基層10の外表
面上に、硫酸銅13を含む親水性処理被覆層12が形成
されている。親水性処理被覆層12の上に水分が結露す
ると、硫酸銅13から銅イオンが発生し、このイオンに
よりカビ,細菌等が殺菌される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用空調装置等に
用いられるエバポレータ等の熱交換器に関し、特に外表
面に親水性処理被覆層を有する熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用空調装置に用いられるエ
バポレータ等の熱交換器の表面は湿潤状態に有り、カビ
や細菌等が繁殖しやすく、このカビや細菌等の生理作用
による様々な代謝物が空調装置使用時における悪臭の原
因となる。
【0003】かかる熱交換器の表面におけるカビ,細菌
等の発生を防止する従来技術として、例えばその表面に
クロム酸処理を施した後に親水性処理被覆層を形成し、
この被覆層にTBZ(2−ベンズイミダゾール),PC
MX(P−クロロ−m−キシレノール)等の抗菌剤を添
加するものが公知である(特開平1−314158号公
報)。
【0004】また別の従来技術として、自動車用空調装
置においてエバポレータ上流側にノズルを設け、メンテ
ナンス時に該ノズルからエバポレータに対して抗菌剤を
直接噴射し、エバポレータ表面のカビ,細菌等の発生を
防止するものが公知である(特開昭63−11414号
公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者の従来技術においては、上記抗菌剤は水に対して不溶
性であるため、抗菌剤を熱交換器表面の親水性処理被覆
層に大量に添加することが難しく、そのため抗菌剤の殺
菌効果が長続きせず、実用的ではないという問題点があ
った。
【0006】また、上記後者の従来技術においては、エ
バポレータ上流にノズルを設ける必要があるため、構造
が複雑となり、そのうえ該ノズルから抗菌剤を噴射する
というメンテナンス作業が必要であるという問題点があ
った。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、優れた殺菌効果を得ることができ、この殺菌効果を
長く持続でき、構造が簡単で殺菌のためのメンテナンス
作業が不要な熱交換器の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、表面に親水性処理被覆層を有する熱交換器に
おいて、少なくとも銅又は銀のいずれか一方を含む塩を
前記親水性処理被覆層に添加したことを特徴とするもの
である。
【0009】
【作用】熱交換器の表面に施された親水性処理被覆層に
少なくとも銅又は銀のいずれか一方を含む塩を添加した
ので、熱交換器の表面に結露した水分で銅イオン又は銀
イオンが発生し、このイオンによりカビ,細菌等が殺菌
される。
【0010】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説
明する。
【0011】図1は、本発明の第1実施例に係る積層型
エバポレータ(熱交換器)全体を示す正面図である。
【0012】まず構成を説明すると、積層型エバポレー
タ1は、図1に示すように、一対の皿状の成形プレート
2,2を接合して内部に冷媒通路(不図示)を形成する
チューブエレメント3と、蛇腹状のコルゲートフィン4
とが交互に多数積層され、且つ左右両端に端板5,5を
接合して構成されている。このエバポレータ1は、その
左右端壁部および上下端壁部が不図示のケースによって
覆われており、冷房用取入空気を図1の紙面に対して垂
直な方面に導入し、コルゲートフィン4のある空間内を
通過させるようになっている。
【0013】このような構成を有する積層型エバポレー
タ1は、製作にあたって前記成形プレート2及び端板5
を熱伝導性に富む、例えば、アルミニウムなどの薄い金
属板をプレス加工により成形し、予め成形プレート2及
び端板5の表面にろう材を被覆加工し、成形プレート
2、コルゲートフィン4及び端板5を図1に示すように
組合せた後、これらを図示しない冶具で組立状態に保持
し、所定の雰囲気の下で加熱して、ろう材を溶融させ、
互いの接触部分を溶着して組立状態に固定される。
【0014】かかる積層型エバポレータ1に親水性処理
被覆層を施す一例を次に述べる。
【0015】まず、前記ろう付け工程により組立て固定
されたエバポレータ1をエッチング槽のエッチング液に
浸漬して脱脂洗浄し、チューブエレメント3、コルゲー
トフィン4及び端板5の外表面が酸化しないようにす
る。次に、エッチング液を落すために水洗いをする。そ
の後、腐食を防ぐために、前記外表面に、クロム酸被膜
を施す。
【0016】以上の工程を数回繰り返す。
【0017】次に表面処理剤は、溶剤として水を使用
し、これにアクリル系樹脂,水ガラス,銅を含む塩(例
えば硫酸銅)を添加して作られる。この表面処理剤に、
エバポレータ1を浸漬する。
【0018】上記浸漬後、エバポレータ1を前記処理剤
中から取り出し、所定回数に設定した遠心分離機を所定
時間回転させることにより、チューブエレメント3及び
コルゲートフィン4に付着した前記処理剤をエバポレー
タ1台当り、所定の重量まで落とす。
【0019】最後に、所定温度(例えば130℃)に設
定した乾燥炉中でエバポレータ1を所定時間(例えば2
0分間)程度乾燥させる。
【0020】以上の工程により、エバポレータ1の成形
プレート2及びコルゲートフィン4の外表面に親水性処
理被覆層が図2に示すように形成される。
【0021】すなわち、図2に示すように、エバポレー
タ1のアルミニウム基層10の上にクロム酸処理による
クロムメッキ層11が形成され、該クロムメッキ層11
の上に銅を含む塩としての硫酸銅13が添加された親水
性処理被覆層12が形成される。
【0022】上記第1実施例に係るエバポレータ1の親
水性処理被覆層12を形成するための表面処理剤には下
記表1に示すように、総重量を615mgとすると、アク
リル系樹脂が80mg,水ガラスが20mg,硫酸銅が15
mg,及び水が500mg含まれる。
【0023】
【表1】 上記第1実施例に係るエバポレータ1によれば、空調装
置の作動中に該エバポレータ1の表面に水分が結露した
場合、親水性処理被覆層12に添加された硫酸銅13が
分解して銅イオンが発生する。該銅イオンの殺菌作用に
よりエバポレータ1の表面に発生するカビ及び細菌等が
殺菌されるので悪臭の発生が防止される。また、硫酸銅
13は水溶性であるため、従来の抗菌剤に比較してその
添加量を多くできるので、殺菌効果が長く持続する。し
かし、硫酸銅13の添加量は微量であるので、人体に害
を与えることはない。
【0024】次に、本考案の第2実施例に係る積層型エ
バポレータ(熱交換器)を説明する。
【0025】この第2実施例では、上記親水性処理被覆
層12を形成するための表面処理剤には、上記表1に示
すように、総重量を615mgとするとアクリル系樹脂が
80mg,水ガラスが20mg,銀を含む塩(例えば、硝酸
銀)が15mg,及び水500mgが含まれる。
【0026】この第2実施例によれば、上記エバポレー
タ1の表面に水分が結露した場合、親水性処理被覆層1
2に添加された硝酸銀が分解して銀イオンが発生する。
この銀イオンの殺菌作用によりカビ及び細菌等が殺菌さ
れる。
【0027】また、この第2実施例においても、硝酸銀
は水溶性であるため、従来の抗菌剤に比較してその添加
量を多くできるので、殺菌効果が長く持続する。しか
し、硝酸銀は微量であるので、人体に害を与えることは
ない。
【0028】次に、本考案の第3実施例に係る積層型エ
バポレータ(熱交換器)を説明する。
【0029】この第3実施例では、上記親水性処理被覆
層12に硫酸銅13及び硝酸銀14の両方が添加されて
いる(図3を参照)。
【0030】そして、この第3実施例の親水性処理被覆
層12を形成するための表面処理剤には、上記表1に示
すように総重量を615mgとすると、アクリル系樹脂が
80mg,水ガラスが20mg,硫酸銅が7.5mg,硝酸銀
が7.5mg,及び水が500mg含まれる。
【0031】この第3実施例によれば、エバポレータ1
の表面上に水分が結露した場合に、銅イオン及び銀イオ
ンが発生し、この両イオンの殺菌作用によりエバポレー
タ1の表面に発生するカビ,細菌が殺菌される。
【0032】なお、上記表1に示す比較例(従来例)1
は、親水性処理被覆層を形成するための表面処理剤に硫
酸銅,硝酸銀及び抗菌剤TBZを含んでいないものであ
り、比較例2は該被覆層を形成するための表面処理剤に
抗菌剤TBZを2mg添加したものである。
【0033】そして、上記表1で示した各例の親水性処
理被覆層を有するエバポレータを実際に自動車の空調装
置に組み込み、4〜6ケ月間にわたる約1000kmの実
走行後、エバポレータ表面1cm2中に発生した細菌及び
カビの数の測定結果を下記の表2に示す。
【0034】
【表2】 この表2から明らかなように、上記各実施例のエバポレ
ータによれば、上記比較例1及び比較例2と比べて、カ
ビ及び細菌の発生数が大幅に少なく、殺菌効果が長く
(4〜6ケ月間)接続していることが分かる。
【0035】尚、本発明におけるエバポレータの親水性
処理被覆層に対する銅又は銀を含む塩の添加量は、エバ
ポレータ表面における付着量が10mg/m2以上であるこ
とが望ましい。
【0036】尚、上記各実施例においては、銅又は銀を
含む塩として硫酸銅又は硝酸銀を用いたが、銅又は銀を
含む塩なら他の塩でもよく、さらに水ガラスに銅又は銀
を含む塩を添加してもよい。また、上記第1実施例のよ
うに銅を含む塩の方が低コストで経済的である。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る熱交
換器によれば、外表面に親水性処理被覆層を有する熱交
換器において、少なくとも銅又は銀のいずれか一方を含
む塩を前記親水性処理被覆層に添加した構成により、熱
交換器の表面に結露した水分で銅イオン又は銀イオンが
発生し、このイオンによりカビ,細菌等が殺菌される。
【0038】従って、優れた殺菌効果を得ることがで
き、その殺菌効果を長く持続することができ、且つ構造
が簡単で殺菌のためのメンテナンス作業を不要にでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る積層型エバポレータ
を示す正面図で、一部を断面で示した図である。
【図2】図1のI部分の拡大断面図である。
【図3】本考案の第3実施例を示す図で、図2と同様の
拡大断面図である。
【符号の説明】
1 エバポレータ(熱交換器) 12 親水性処理被覆層 13 硫酸銅(銅を含む塩) 14 硝酸銀(銀を含む塩)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外表面に親水性処理被覆層を有する熱交
    換器において、少なくとも銅又は銀のいずれか一方を含
    む塩を前記親水性処理被覆層に添加したことを特徴とす
    る熱交換器。
JP1831192A 1992-01-06 1992-01-06 熱交換器 Pending JPH05180536A (ja)

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JP1831192A JPH05180536A (ja) 1992-01-06 1992-01-06 熱交換器

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JP (1) JPH05180536A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0975654A (ja) * 1995-09-19 1997-03-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 創水装置
US20140326015A1 (en) * 2011-11-08 2014-11-06 Sauermann Industrie Sa Device for Lifting Condensates, Implementing a Bactericidal Metal

Cited By (3)

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