JPH05180117A - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

Info

Publication number
JPH05180117A
JPH05180117A JP34630991A JP34630991A JPH05180117A JP H05180117 A JPH05180117 A JP H05180117A JP 34630991 A JP34630991 A JP 34630991A JP 34630991 A JP34630991 A JP 34630991A JP H05180117 A JPH05180117 A JP H05180117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
pressure
fuel injection
fuel
damping
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34630991A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Tanaka
登 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP34630991A priority Critical patent/JPH05180117A/ja
Publication of JPH05180117A publication Critical patent/JPH05180117A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 噴射時間を短縮させて、排気黒煙の増加を抑
えるのと同時に、燃料噴射弁閉弁時の反射波の脈動を減
衰させるダンピングバルブの作用も十分に発揮させて、
高圧燃料通路内におけるキャビテーションエロージョン
を防止する。 【構成】 燃料噴射ポンプと燃料噴射弁とを結ぶ高圧燃
料通路上に設けられるデリバリバルブ3と、デリバリバ
ルブと共通のバルブハウジング1内の下流側の高圧燃料
通路上に設けられるオリフィス17付きダンピングバル
ブ2と、更に、ダンピングバルブの上流側10と下流側
16とを連通させ得るバイパス通路21,22と、その
途中に設けられて常時は閉弁しているが、燃料噴射弁か
らの反射波によってダンピングバルブの下流側の圧力が
上流側の圧力よりも所定値以上高くなったときだけ開弁
し、下流側の圧力を上流側へ解放して圧力を急速に降下
させる調整弁20とを備えている燃料噴射装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばディーゼルエン
ジンに用いられ、燃料を燃料噴射ポンプによって高圧に
加圧して、燃料噴射弁から機関の燃焼室のような空間内
へ間欠的に噴射する燃料噴射装置であって、燃料噴射ポ
ンプから燃料噴射弁に至る高圧燃料通路にダンピングバ
ルブを備えているものに関する。
【0002】
【従来の技術】例えばディーゼルエンジンの燃料噴射装
置においては、燃料噴射ポンプによって高圧に加圧され
た燃料が間欠的に高圧燃料通路を通って燃料噴射弁に送
られ、燃料噴射弁を開弁させてノズル端から燃焼室内へ
噴射され、微粒化されて燃焼室内の熱により少なくとも
一部は気化して着火燃焼する。そして原則的として機関
の1行程に1回の短い燃料噴射時間が過ぎると、燃料噴
射ポンプからの高圧燃料の圧送が止まり、高圧燃料通路
の燃料圧力が低下するので、燃料噴射弁が閉弁して噴射
を停止するというように、機関の1行程に1回の間欠的
な燃料噴射が繰り返される。この作動状態において、燃
料噴射ポンプと燃料噴射弁とを結ぶ高圧燃料通路内の燃
料は、間欠的に高圧まで加圧されることによって、脈動
的な圧力波が燃料噴射ポンプから下流側に向かって燃料
噴射弁のノズル端まで伝わるが、それだけではなく、燃
料噴射弁のノズル端から燃料噴射ポンプの方に向かって
逆向きに圧力波(反射波)が戻って来るので、高圧燃料
通路にある燃料の中では圧力の脈動が往復することにな
る。
【0003】この場合、燃料噴射ポンプから燃料噴射弁
に向かう燃料の圧力波は、正常な間欠的燃料噴射を行う
ために抵抗なく通過させなければならないが、問題とな
るのは燃料噴射弁が閉弁した瞬間に、ノズル端から逆向
きに燃料噴射ポンプの方に向かう振幅の大きい反射波で
あって、燃料噴射弁内を含む高圧燃料通路の一部が、反
射波の脈動の負圧部分によって瞬間的に負圧になると
(図6(b)において2点鎖線の圧力曲線が示す異常な
低下部分を参照)、それによって高圧燃料通路のうち、
燃料噴射弁のノズル端に比較的近い部分にある燃料にキ
ャビテーションが起こって、その通路部分の内面に虫食
い状態の浸食(キャビテーションエロージョン)を生
じ、燃料の流れに抵抗を与えるばかりか、通路壁に亀裂
を生じる原因になる場合がある。しかしながら、もしデ
リバリバルブよりも下流側の高圧燃料通路に反射波が生
じた時に直ちに閉弁するような逆止弁を設けて反射波を
完全に遮断すると、噴射終了時期のノズル端における圧
力降下が遅れて噴射切れが悪くなる結果、燃料の噴射時
間が異常に長くなり、燃料噴射量も多くなって、機関の
排気黒煙が増加する等の問題を起こす。
【0004】この問題に対処するために、例えば、実開
昭55−54567号公報に記載されている従来技術で
は、高圧燃料通路の途中に緩衝弁(ダンピングバルブ)
を設けて、反射波を可及的に減衰させるようにしてい
る。従来から一般に知られているダンピングバルブは、
基本的にはオリフィスを有する弁体を備えた逆止弁とし
て構成されている。そして前記の従来技術は、図5に例
示した別の従来例と同様に、ダンピングバルブの表面及
びそれに対する弁座面を平面状とした点に特徴を有する
ものである。図5に示した従来例の燃料噴射装置は、後
に詳しく説明する本発明の燃料噴射装置の実施例と構造
的に共通の部分が多いので、それと対比するために、こ
こで図5についてその構造を更に詳しく説明する。
【0005】図5に示す従来例では、一体のバルブハウ
ジング1内にダンピングバルブ2とデリバリバルブ3と
が直列関係に纏めて設けられており、吸い戻し作用のあ
る逆止弁(噴射切れがよくなるように燃料噴射弁ノズル
端から燃料を吸い戻すだけの逆流を許すようになってい
る)であるデリバリバルブ3の上流側通路4は、図示し
ない燃料噴射ポンプに接続されると共に、ダンピングバ
ルブ2の下流側通路5は、図示しない燃料噴射弁に接続
される。デリバリバルブ3においては、吸い戻し作用の
ために弁ストロークを大きく取っている弁体6に形成さ
れた円錐形部分7が、燃料噴射終了時はバルブハウジン
グ1に取り付けられた弁座8に対してバルブスプリング
9によって押し付けられており、高圧燃料通路の一部を
なす上流側通路4に燃料噴射ポンプが高圧の燃料を圧送
した時に、バルブスプリング9が撓んで弁体6の円錐形
部分7が弁座8から離座することにより、デリバリバル
ブ3が開弁して、燃料噴射ポンプから圧送される高圧の
燃料を、ダンピングバルブ2を経て燃料噴射弁へ圧送す
るようになっている。
【0006】バルブスプリング9が設けられたスプリン
グ室10の下流側において、バルブハウジング1内の高
圧燃料通路内には、バルブスプリング9の支持部を兼ね
る略円筒形をしたダンピングバルブ2の弁座11が、通
路内の段部との間にやはり略円筒形のスペーサ12を挟
んで圧入、カシメ等の方法で固定されている。高圧燃料
通路の一部を構成するように、スペーサ12内には段部
を有する円筒形の弁室13が形成されており、弁室13
内には、小さな回転体の形をしたダンピングバルブ2の
ための弁体14が、周囲に隙間(縦方向に溝が設けられ
ていてもよい)を残して軸方向移動可能に挿入されてい
る。弁体14の周縁部下面を弁座11の上面に押し付け
て閉塞させるために、バルブスプリング15が設けられ
ている。バルブスプリング9はバルブハウジング1内の
高圧燃料通路の一部であるスプリング室16内に置か
れ、その内壁面の段部に上端を支持されている。そし
て、弁体14の中心を貫通するように、反射波を減衰さ
せるために必要な大きさの径を有するオリフィス17が
穿孔されている。
【0007】図5に例示された従来型のダンピングバル
ブ2は、燃料噴射のために図示しない燃料噴射ポンプか
ら、やはり図示しない燃料噴射弁に向かう高圧の燃料圧
力が作用したとき、デリバリバルブ3の弁体6を弁座8
から離座させると同時に、ダンピングバルブ2の弁体1
4を弁座11から離座させて、高圧の燃料を大きな抵抗
なく通過させるが、それと反対に燃料噴射弁から上流側
に向かって逆行する燃料圧力の脈動である反射波が弁体
14の位置まで来て、弁体14の下流側の燃料圧力が、
弁体14の上流側の燃料圧力よりも大きくなると、バル
ブスプリング15によって弁体14を弁座11に自動的
に着座させることによって、ダンピングバルブ2が閉じ
て反射波の進行を制止する。しかしその際に、反射波を
完全に遮断するのではなく、ダンピングバルブ2に対し
てそれをバイパスするように開口させた弁体14のオリ
フィスによって、適度の絞り(抵抗)をかけて、下流側
の燃料圧力の一部を上流側へ逃がすことにより、振幅の
大きな反射波を図6(b)に破線によって高圧燃料通路
内の燃料圧力変動を示すように、ある程度時間をかけて
減衰させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】高圧燃料通路に図5に
例示したようなオリフィスを備えたダンピングバルブを
設けることによって、高圧燃料通路内の反射波による圧
力変動の振幅が小さくなることは、燃料噴射弁に近い高
圧燃料通路上の任意の一点における燃料圧力の変動を測
定した結果を示す図6の(b)の線図を参照すると明ら
かである。即ち、測定点に大きな反射波のピークが来
て、その圧力が減少する過程において、図5に示したダ
ンピングバルブ2のようなものが設けられていない場合
には、二点鎖線で示したように、−V0 という大きな速
度(勾配)をもって燃料圧力が急激に減少して、負圧領
域にまで入る大きな圧力変動の振幅を示し、容易に圧力
波が減衰しないのに対して、ダンピングバルブ2が設け
られている場合は、燃料圧力の減少速度が−V1 のよう
にその絶対値が小さくなり、勾配が緩やかになって、負
圧領域に突入することもなく、比較的小幅の振動の後に
圧力変動が収束する。
【0009】しかしながら、その反面、図6の(a)の
噴射率特性に見られるように、ダンピングバルブ2を設
けた場合には、噴射終わりの時期が、ダンピングバルブ
2を設けない場合に比して後の方にずれるので、ダンピ
ングバルブ2を設けた場合の燃料の噴射時間θd1が、そ
れを設けない場合の噴射時間θd0よりも長くなる。これ
は、弁体14にオリフィス17が設けられているとは言
っても、その径は小さなものであり、ダンピングバルブ
2自体は逆止弁のような働きをするため、反射波がダン
ピングバルブ2の位置まで到来した時に、スプリング室
16の燃料圧力の降下がダンピングバルブ2によって少
なからず妨げられるため、燃料噴射弁のノズル端におけ
る燃料圧力の降下が遅れた結果である。オリフィス17
の径を大きくすれば噴射切れが良くなって、噴射時間が
延びることはないが、その反面、オリフィス17を大き
くすると、ダンピングバルブ2による反射波の脈動減衰
作用がなくなるので、適当な大きさの径で妥協せざるを
得ない。このように高圧燃料通路のどこかにダンピング
バルブ2を設けることによって燃料の噴射時間が延びる
と、前述の仮定のように高圧燃料通路に反射波を阻止す
る逆止弁を設けた場合に比して、程度の差はあっても、
やはり排気黒煙の量が増加する等の問題を生じることは
否めない。
【0010】そこで本発明は、ダンピングバルブを使用
することによって反射波を速やかに減衰させると同時
に、それに伴って燃料噴射時間が延びて排気黒煙等の別
の問題を生じることがないように、改良された燃料噴射
装置を提供することを発明の解決課題とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、燃料噴射ポンプと燃料噴射
弁とを結ぶ高圧燃料通路上に設けられるデリバリバルブ
と、前記デリバリバルブと共通のバルブハウジング内の
前記デリバリバルブの下流側の高圧燃料通路上に設けら
れるオリフィス付きダンピングバルブと、前記ダンピン
グバルブの上流側と下流側とを連通させ得るバイパス通
路と、前記バイパス通路の途中に設けられて常時は閉弁
しているが、燃料噴射弁からの反射波によって前記ダン
ピングバルブの前記下流側の圧力が前記上流側の圧力よ
りも所定値以上高くなったときだけ開弁し、前記下流側
の圧力を前記上流側へ解放して圧力を急速に降下させる
調整弁とをそれぞれ備えていることを特徴とする燃料噴
射装置を提供する。
【0012】
【作用】燃料噴射ポンプが圧縮行程にあるとき、上昇す
る燃料圧力によってデリバリバルブとダンピングバルブ
が開弁し、高圧の燃料が燃料噴射弁に送られ、ノズル端
の噴口を開いて噴射される。燃料噴射ポンプが圧縮行程
から吸入行程に移る過程において、高圧燃料通路の燃料
圧力が僅かに低下して燃料噴射弁の噴口が閉じると、燃
料噴射弁から逆向きに上流側へ向かう反射波が発生し
て、ダンピングバルブの下流側の圧力が上流側の圧力よ
りも高くなることがある。その時には、一種の逆止弁で
あるダンピングバルブが自動的に閉弁するので、その後
はダンピングバルブをバイパスするように設けられた小
径のオリフィスを通して下流側の圧力を上流側へ解放さ
れ、オリフィスの絞り効果によって反射波のエネルギー
は次第に吸収されて脈動が減衰する。しかしながら、オ
リフィスは小径であり、大径のダンピングバルブが閉弁
しているために、そのままではダンピングバルブの下流
側の圧力降下が遅れるので、燃料噴射弁における噴射時
間が長引き、排気黒煙の増加等の問題を生じることにな
る。
【0013】これに対して、本発明においては、ダンピ
ングバルブの上流側と下流側とを連通させ得るバイパス
通路と、バイパス通路の途中に設けられて常時は閉弁し
ているが、燃料噴射弁からの反射波によってダンピング
バルブの下流側の圧力が上流側の圧力よりも所定値以上
高くなったときだけ開弁し、下流側の圧力を上流側へ解
放することによって圧力を急速に降下させる調整弁を設
けるので、反射波が来てもダンピングバルブの下流側の
圧力は迅速に降下して噴射時間を長引かせることがな
い。ダンピングバルブの下流側の圧力と上流側の圧力と
の差が所定値以下になったときは、直ちに調整弁が閉弁
するので、ダンピングバルブのオリフィスによる反射波
の脈動の減衰作用が復活し、圧力の迅速降下と脈動の減
衰の二つの作用効果が共に得られ、互いに相手の作用を
阻害することがない。
【0014】
【実施例】図1に本発明による燃料噴射装置の第1実施
例の要部を示す。本発明は、それ自体には新規性のない
従来例と同様な燃料噴射装置の構造に、別の構造部分を
付加することによって、全体として新たな燃料噴射装置
を構成した点に特徴があるので、第1実施例において
は、先に説明した図5に示す従来例との比較を容易にす
るために、バルブハウジング1、ダンピングバルブ2、
デリバリバルブ3、上流側通路4、下流側通路5、弁体
6、円錐形部分7、弁座8、バルブスプリング9、スプ
リング室10、弁座11、スペーサ12、弁室13、弁
体14、バルブスプリング15、スプリング室16、オ
リフィス17等は、いずれも図5の従来例と同様なもの
を用いているおり、これらの基本的な構造部分について
は重複する説明を省略する。
【0015】図1の第1実施例において、本発明によっ
て付加された部分は、図2に拡大して示す調整弁20
と、それに連通するようにバルブハウジング1に設けら
れた通路21及び通路22の部分である。通路21と通
路22は、二つ合わせてダンピングバルブ2に対する一
つのバイパス通路を形成する。この実施例におけるバイ
パス通路21、22の径は、ダンピングバルブ2の弁体
14に形成された一種のバイパス通路でもあるオリフィ
ス17の径よりも大きくとっている。
【0016】次に、主として図2によって、第1実施例
に使用された調整弁20の詳細構造を説明する。バルブ
ハウジング1の壁の一部には弁座23となる円錐形の底
部を有する穴24が穿設され、その内部に弁室25を形
成している。また、穴24の内面には雌螺子26が刻ま
れており、穴24の開口側は拡径されて段部27が形成
されている。弁室25は通路21によって、デリバリバ
ルブ3の下流側でダンピングバルブ2の上流側であるス
プリング室10に連通している。また、弁座23の先端
部は通路22によってダンピングバルブ2の下流側のス
プリング室16に連通している。
【0017】弁室25内には、先端が円錐形で背後に窪
み28を有する弁体29が、軸方向に移動可能にスプリ
ング30によって弁座23に向かって押圧されている。
弁体29の外周面と弁室25の内壁面(穴24)との間
には隙間31が設けられているが、弁体29の外径を穴
24の内径と略同程度の大きさとして、弁体29の外周
面に、弁室25或いは通路21と連通する軸方向の溝を
設けてもよい。圧縮スプリング30の図中右端は、穴2
4の雌螺子26に対して螺入される雄螺子32を備えた
アダプタスクリュ33の、先端の窪み34によって支持
されている。アダプタスクリュ33を螺入する深さを調
整することによって、圧縮スプリング30の押圧力が変
化することになる。なお、螺子26及び32の螺合部分
からの燃料漏れを予防するため、アダプタスクリュ33
の頭部35と穴24の段部27との間には可圧縮性のガ
スケット36が挟着される。
【0018】図示しない燃料噴射ポンプのプランジャの
圧縮行程において、高圧に加圧された燃料はバルブハウ
ジング1の上流側通路4へ圧送され、デリバリバルブ3
の弁体6を押し上げて円錐形部分7を弁座8から離座さ
せ、スプリング室10の燃料の圧力を上昇させることに
よって、ダンピングバルブ2の弁体14をも弁座11か
ら離座させて弁体14の周囲の通路からスプリング室1
6に入り、下流側通路5を通って図示しない燃料噴射弁
に送られる。燃料噴射弁のノズル端においては圧送され
て来た燃料の圧力が所定値を越えた時に噴口が開いて、
機関の燃焼室のような空間内に燃料を微粒状の噴霧とし
て噴射する。燃料噴霧は燃焼室内の熱を吸収し、気化し
て着火、燃焼する。
【0019】この時はスプリング室16の燃料圧力と、
通路21によって加圧された調整弁20の弁室25の燃
料圧力が略同じ大きさであるため、調整弁20の弁体2
9は圧縮スプリング30に押されて弁座23に着座し、
通路21と通路22の間の連通を遮断している。図示し
ないディーゼルエンジンの、その燃料噴射弁が取り付け
られた気筒の膨張行程において、燃料噴射ポンプの圧縮
行程が終わり、吸入行程に移る過程において、下流側通
路5等の高圧燃料通路内の燃料圧力が僅かに低下する
と、燃料噴射弁のノズル端に開口していた噴口が閉じて
燃料噴射が停止する。このように燃料噴射弁が閉弁する
と、ノズル端から逆向きに、高圧燃料通路内の燃料の圧
力波としての反射波が、ダンピングバルブ2のスプリン
グ室16の方へ戻って来る。
【0020】反射波の高圧部分がスプリング室16に来
たとき、スプリング室16の燃料圧力が高まるのに対し
て、燃料噴射ポンプの吸入行程においては、デリバリバ
ルブ3の弁体6が下降してスプリング室10内の燃料の
一部を吸い戻すということもあって、スプリング室10
の燃料圧力はスプリング室16の燃料圧力よりも低くな
る。そのため、ダンピングバルブ2の弁体14は弁座1
1に着座して、前述のように、反射波は弁体14のオリ
フィス17によって絞られて抵抗を受けながらスプリン
グ室10へ抜け、その際に反射波のエネルギーが減衰す
る。
【0021】しかし、それだけでは図6に破線で示した
ようにスプリング室16の燃料圧力の降下が遅れるた
め、燃料噴射弁における噴射切れが悪くなるが、本発明
の第1実施例においては調整弁20が設けられており、
スプリング室10よりもスプリング室16の燃料圧力が
所定値以上高い時だけ弁体29を圧縮スプリング30に
抗して弁座23から離座させ、調整弁20を開弁させ
て、スプリング室16内の高圧の燃料を通路22及び2
1からスプリング室10へバイパスさせ、ダンピングバ
ルブ2のオリフィス17と共に、スプリング室16の燃
料圧力を降下させるように作用する。それによって反射
波の高圧部分の圧力は図3の(b)に実線によって示し
たように、大きな速度(勾配)−V2 をもって急速に低
下し、燃料噴射弁では直ちに噴射が停止し、同じ行程で
再び開くというようなことがない。
【0022】スプリング室16とスプリング室10の圧
力差が所定値以下の大きさになるまで、反射波の高圧部
分によるスプリング室16の燃料圧力が低下すると、調
整弁20の弁体29は圧縮スプリング30に押されて弁
座23に着座し、調整弁20は閉弁する。それ以後は、
スプリング室16に残った圧力が弁体14のオリフィス
17の作用によって急速に減衰し、図3の(b)の実線
で示すように比較的早期に収束する。もし、調整弁20
を設けないでダンピングバルブ2だけが設けられている
場合には、前述のとおり、図3及び図6に破線で示すよ
うに、高圧燃料通路内(この場合はスプリング室16)
の燃料圧力の降下速度(勾配)が−V1 のように緩やか
になるので、図3の(a)に示したように噴射時間がθ
d1のように長くなるため、燃料の噴射切れが悪くなって
排気黒煙の増加等の問題を生じるが、本発明の第1実施
例によれば、調整弁20が開弁することによってスプリ
ング室16の反射波の圧力が急速に降下する結果、噴射
時間がθd2のように短縮されて排気黒煙等を改善するこ
とができる。
【0023】このように、反射波によってスプリング室
16の燃料圧力が所定値以上に高まった時だけ調整弁2
0が開弁して圧力を上流側へ逃がすが、それ以外の時は
調整弁20が閉弁しているので、ダンピングバルブ2に
設けられた弁体14やオリフィス17の作用を阻害する
ことがない。従って、噴射時間が長引くのを抑制しなが
らも、反射波の脈動を減衰させるダンピング効果を損な
うこともないので、背反的性質のために普通は両立しな
かったこれら2つの作用が、本発明を実施する場合には
支障なく両立し、双方の効果が同時に得られる。
【0024】しかも、第1実施例の場合は、アダプタス
クリュ33のねじ込み深さを調整することによって、圧
縮スプリング30の押圧力を変化させて、図3の(b)
に示す圧力降下速度(勾配)−V2 や、同図(a)に示
す噴射時間(期間)θd2を自由に変更、調整することが
できるので、タイミングリタードの自由度が拡大し、騒
音の低減、青白煙の減少、Noxの低減等に対しても、
従来技術に比して優位性の高いものとなる。
【0025】図4は本発明の第2実施例としての燃料噴
射装置を示すもので、図1及び図2に示した第1実施例
と同様な部分については、同じ参照符号を付して説明を
省略する。第2実施例の特徴は、調整弁20’がボール
状弁体38からなっていることと、それを弁座に向かっ
て押圧する圧縮スプリング30が、バルブハウジング1
の穴39に気密に圧入された簡単な形状のブッシング4
0からなっていて、第1実施例における雌螺子26、雄
螺子32、ガスケット36等を必要としない簡易構造に
なっていることである。この例では、圧力降下速度や燃
料噴射時間を自由に変更、調整することはできないが、
それ以外の点では第1実施例と略同様な効果をあげるこ
とができ、コストの面では第2実施例の方が有利にな
る。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、燃料噴射弁における噴
射切れがよく、噴射時間が長引くことがないので、内燃
機関の場合は排気黒煙が増加する等の問題が解消するに
もかかわらず、反射波の脈動を減衰させるダンピングバ
ルブの作用も十分に発揮されるので、高圧燃料通路内に
おける燃料のキャビテーションを抑えて、エロージョン
が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の要部を示す縦断正面図で
ある。
【図2】図1の一部を拡大して示す部分的断面図であ
る。
【図3】本発明の作用、効果を示す特性線図である。
【図4】本発明の第2実施例の要部を示す縦断正面図で
ある。
【図5】本発明に対比すべき従来例の要部を示す縦断正
面図である。
【図6】従来例の作用、効果を示す特性線図である。
【符号の説明】
1…バルブハウジング 2…ダンピングバルブ 3…デリバリバルブ 6…弁体(デリバリバルブ) 10…スプリング室 14…弁体(ダンピングバルブ) 16…スプリング室 17…オリフィス 20,20’…調整弁 21,22…バイパス通路 25…弁室 26…雌螺子 29…弁体(調整弁) 30…圧縮スプリング 32…雄螺子 33…アダプタスクリュ 36…ガスケット 38…ボール状弁体 40…ブッシング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射ポンプと燃料噴射弁とを結ぶ高
    圧燃料通路上に設けられるデリバリバルブと、前記デリ
    バリバルブと共通のバルブハウジング内の前記デリバリ
    バルブの下流側の高圧燃料通路上に設けられるオリフィ
    ス付きダンピングバルブと、前記ダンピングバルブの上
    流側と下流側とを連通させ得るバイパス通路と、前記バ
    イパス通路の途中に設けられて常時は閉弁しているが、
    燃料噴射弁からの反射波によって前記ダンピングバルブ
    の前記下流側の圧力が前記上流側の圧力よりも所定値以
    上高くなったときだけ開弁し、前記下流側の圧力を前記
    上流側へ解放して圧力を急速に降下させる調整弁とをそ
    れぞれ備えていることを特徴とする燃料噴射装置。
JP34630991A 1991-12-27 1991-12-27 燃料噴射装置 Pending JPH05180117A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34630991A JPH05180117A (ja) 1991-12-27 1991-12-27 燃料噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34630991A JPH05180117A (ja) 1991-12-27 1991-12-27 燃料噴射装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05180117A true JPH05180117A (ja) 1993-07-20

Family

ID=18382533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34630991A Pending JPH05180117A (ja) 1991-12-27 1991-12-27 燃料噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05180117A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0887545A1 (en) * 1997-06-24 1998-12-30 Ricardo Consulting Engineers Limited Fuel injection systems for diesel engines
EP0889233A2 (en) 1993-05-06 1999-01-07 Cummins Engine Company, Inc. Compact high performance fuel system with accumulator
US5983863A (en) * 1993-05-06 1999-11-16 Cummins Engine Company, Inc. Compact high performance fuel system with accumulator
KR100625891B1 (ko) * 1998-01-27 2006-09-20 에스.이.엠.티. 피엘스틱 분사 펌프 내의 공동 현상 제거 장치
EP3054148A4 (en) * 2013-09-30 2017-06-07 Yanmar Co., Ltd. Fuel injection pump

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0889233A2 (en) 1993-05-06 1999-01-07 Cummins Engine Company, Inc. Compact high performance fuel system with accumulator
US5983863A (en) * 1993-05-06 1999-11-16 Cummins Engine Company, Inc. Compact high performance fuel system with accumulator
EP0887545A1 (en) * 1997-06-24 1998-12-30 Ricardo Consulting Engineers Limited Fuel injection systems for diesel engines
KR100625891B1 (ko) * 1998-01-27 2006-09-20 에스.이.엠.티. 피엘스틱 분사 펌프 내의 공동 현상 제거 장치
EP3054148A4 (en) * 2013-09-30 2017-06-07 Yanmar Co., Ltd. Fuel injection pump

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0239259A1 (en) Two-stage, hydraulic-assisted fuel injection nozzle
JP2725468B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射装置
JPH07189849A (ja) 内燃機関用の燃料噴射装置
JPH06510581A (ja) 噴射装置
US4909444A (en) Poppet covered orifice fuel injection nozzle
GB2322414A (en) Common rail system for a multi-cylinder internal combustion engine having solenoid valve-controlled fuel injection valves
US4852808A (en) Fuel injection valve used in fuel injection apparatus for internal combustion engine
US5293897A (en) Pressure valve
US4905908A (en) Poppet covered orifice fuel injection nozzle
JPH05180117A (ja) 燃料噴射装置
JP2002533614A (ja) 燃料噴射装置
JP4340391B2 (ja) 液圧作動電子制御燃料噴射システム
JPH06159195A (ja) 内燃機関のための燃料噴射ポンプ
US6712296B1 (en) Fuel injection valve for internal combustion engines
JPS6014180B2 (ja) 内燃機関用燃料供給システム
US4165838A (en) Fuel injection nozzle
JPS6339792B2 (ja)
JPS63100262A (ja) 燃料供給系における脈動減衰装置
JP2890782B2 (ja) 燃料噴射ポンプの逆止弁
JP2511188Y2 (ja) 燃料噴射弁
JPH0523826Y2 (ja)
JPH02153256A (ja) デリバリバルブ
JPS6341579Y2 (ja)
JPS62225759A (ja) 燃料噴射ポンプの噴射率制御装置
JP3680048B2 (ja) 油圧駆動燃料噴射装置