JPH05180096A - 車両の蒸発燃料制御システムの診断装置 - Google Patents

車両の蒸発燃料制御システムの診断装置

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JPH05180096A
JPH05180096A JP36064391A JP36064391A JPH05180096A JP H05180096 A JPH05180096 A JP H05180096A JP 36064391 A JP36064391 A JP 36064391A JP 36064391 A JP36064391 A JP 36064391A JP H05180096 A JPH05180096 A JP H05180096A
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valve
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JP36064391A
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Takeshi Mukai
武 向井
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Suzuki Motor Corp
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Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 車両の蒸発燃料制御システムのリーク部位を
判定し、これにより蒸発燃料の放出を防止し、更に構成
が簡単で低コストのシステムの診断装置を得る。 【構成】 蒸発燃料制御システム26において、キャニ
スタ30の新気路34を開閉する新気路開閉弁44を、
通気路28の燃料タンク18側とキャニスタ側とを連通
する第1、第2分岐路46,48に第1分岐路開閉弁5
0、導圧路52を、更に圧力センサ54、導圧路切換弁
56、パージ制御弁38を設ける。導圧路を第2分岐路
側に連通した第1状態と導圧路を通気路及び第1分岐路
側に連通した第2状態とになるよう該当各弁を夫々動作
させ、各状態において夫々圧力センサの検出する圧力値
により蒸発燃料制御システムのリーク部位を判定し診断
する診断部58を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は車両の蒸発燃料制御シ
ステムの診断装置に係り、特に蒸発燃料制御システムの
リーク部位を判定し得て、リーク部位の判定により蒸発
燃料の放出を防止し得て、また、構成が簡単で低コスト
に実施し得る車両の蒸発燃料制御システムの診断装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載される内燃機関の燃料タンク
や気化器のフロート室等から大気中に漏洩する蒸発燃料
は、炭化水素(HC)を多量に含むことから大気汚染の
原因の一つとなっており、また、燃料の損失にもつなが
ることになる。そこで、このような問題を解消するため
の各種の技術の一手段として、蒸発燃料制御システムが
ある。
【0003】蒸発燃料制御システムは、内燃機関の燃料
を貯留する燃料タンクと前記内燃機関の吸気通路とを連
通する通気路を設けるとともにこの通気路にキャニスタ
を設け、このキャニスタに燃料タンクの蒸発燃料を一旦
吸着保持させ、キャニスタに吸着保持させた蒸発燃料を
導入する新気により離脱(パージ)して放出させ、放出
された蒸発燃料を内燃機関の運転状態に応じて吸気通路
に供給すべく前記通気路に設けたパージ制御弁を制御す
るものである。
【0004】このような車両の蒸発燃料制御システムに
おいて、近年は、排気有害成分の規制が厳しくなり、機
能を診断することが要求されている。例えば、蒸発燃料
制御システムの機能として、システム内に漏れがなく気
密であることを診断し得ることを要求されている。
【0005】車両の蒸発燃料制御システムの診断装置と
しては、特開平2−130255号公報や特開平3−2
6862号公報に開示されるものがある。
【0006】特開平2−130255号公報に開示され
る診断装置は、キャニスタとパージ制御弁との間の通気
路の圧力を検出する圧力検出手段を設け、この圧力検出
手段の検出圧力に基づきキャニスタと通気路とパージ制
御弁との少なくともいずれかの異常による蒸発燃料の吸
気通路への供給の異常を検出するものである。
【0007】また、特開平3−26862号公報に開示
される診断装置は、パージ領域もしくは非パージ領域で
あると判別された時の、吸気通路の圧力と通気路の圧力
とに基づいて、システムが正常であるか異常であるかを
判定するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の診断
装置においては、蒸発燃料制御システムのリーク部位を
判定し得なかった。例えば、蒸発燃料制御システムは、
内燃機関の燃料を貯留する燃料タンク系やこの燃料タン
クの蒸発燃料を吸着保持するとともに吸着保持した蒸発
燃料を離脱放出して吸気通路に供給するキャニスタ系等
から構成される。このような蒸発燃料制御システムにお
いてリークが生じている場合に、従来は、リーク部位が
キャニスタ系であるか、あるいは、燃料タンク系である
かを判定することができなかった。
【0009】このため、例えば、蒸発燃料制御システム
の燃料タンク系において、給油キャップの緩みや脱落等
によりリークが生じた場合に、リーク部位を判定できな
いことにより、蒸発燃料が大気に放出されることを防止
し得ず、炭化水素(HC)による汚染を防止し得ない不
都合があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、内燃機関の燃料を貯留する
燃料タンクと前記内燃機関の吸気通路とを連通する通気
路を設けるとともにこの通気路にキャニスタを設け、こ
のキャニスタには新気を導入する新気路を連通して設
け、前記キャニスタと前記燃料タンクとの間の通気路に
二方向弁を設けるとともに前記キャニスタと前記吸気通
路との間の通気路にパージ制御弁を設け、前記キャニス
タに吸着保持された蒸発燃料を前記新気路から導入する
新気により離脱放出させて前記内燃機関の運転状態に応
じ前記吸気通路に供給すべく前記パージ制御弁を制御す
る制御部を設けた車両の蒸発燃料制御システムにおい
て、前記新気路を開閉する新気路開閉弁を設け、前記二
方向弁を迂回して前記通気路の燃料タンク側とキャニス
タ側とを連通する第1分岐路及び第2分岐路を設け、前
記第1分岐路を開閉する第1分岐路開閉弁を設け、前記
第2分岐路に一端側を連通する導圧路を設けるとともに
この導圧路の他端側を圧力センサに連通して設け、前記
導圧路を前記第2分岐路側と前記通気路及び第1分岐路
側とに切換連通する導圧路切換弁を設け、前記通気路及
び新気路を閉鎖して第1分岐路を開放し且つ導圧路を第
2分岐路側に連通した第1状態と前記通気路及び新気路
並びに第1分岐路を閉鎖して導圧路を通気路及び第1分
岐路側に連通した第2状態とになるよう前記パージ制御
弁及び新気路開閉弁並びに第1分岐路開閉弁及び導圧路
切換弁を夫々動作させるとともに前記第1状態と第2状
態とにおいて夫々前記圧力センサの検出する圧力値によ
り前記蒸発燃料制御システムのリーク部位を判定すべく
診断する診断部を設けたことを特徴とする。
【0011】
【作用】この発明の構成によれば、診断部によって、蒸
発燃料制御システム全体をシールした第1状態において
検出する圧力値により、蒸発燃料制御システム全体のリ
ークを判定する。この第1状態において、圧力値が変化
していない場合は蒸発燃料制御システム全体にリークが
生じていないと判定し、圧力値が変化している場合は蒸
発燃料制御システムのいずれかの部位にリークが生じて
いる判定する。また、蒸発燃料制御システムのキャニス
タ系をシールした第2状態において検出する圧力値によ
り、キャニスタ系のリークを判定する。この第2状態に
おいて、圧力値が変化していない場合はキャニスタ系に
リークが生じていないと判定し、圧力値が変化している
場合はキャニスタ系にリークが生じている判定する。
【0012】したがって、第1状態において燃料タンク
系とキャニスタ系とから構成される蒸発燃料制御システ
ムのいずれかの部位にリークが生じていると判定され、
第2状態においてキャニスタ系にリークが生じていない
と判定された場合には、燃料タンク系にリークが生じて
いると診断することができる。また、第1状態において
蒸発燃料制御システムのいずれかの部位にリークが生じ
ていると判定され、第2状態においてキャニスタ系にリ
ークが生じている判定された場合には、燃料タンク系以
外の前記キャニスタ系にリークが生じていると診断する
ことができる。
【0013】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。
【0014】図1〜図4はこの発明の実施例を示すもの
である。図1において、2は内燃機関、4はエアクリー
ナ、6はスロットルバルブ、8はサージタンク、10は
吸気通路、12は燃焼室、14は排気通路、16は燃料
噴射弁である。
【0015】前記内燃機関2は、吸気通路10に燃焼室
12方向に指向させて燃料噴射弁16を設けている。燃
料噴射弁16は、図示しない燃料通路により燃料タンク
18に連通されている。
【0016】燃料タンク18は、給油通路20を設けて
いる。給油通路20の先端には、給油口22を設けると
ともに、この給油口22に給油キャップ24を着脱可能
に設けている。この燃料タンク18の燃料は、燃料ポン
プ(図示せず)により燃料通路を介して燃料噴射弁16
に送給され、空気とともに燃焼室12に供給されて燃焼
される。燃焼により生成された排気は、排気通路14に
より排出される。
【0017】前記内燃機関2の搭載される車両(図示せ
ず)には、蒸発燃料制御システム26を搭載している。
蒸発燃料制御システム26は、内燃機関2の燃料を貯留
する前記燃料タンク18と、吸気通路10である例えば
スロットルバルブ6下流側のサージタンク8と、を連通
する通気路28を設けている。この通気路28には、キ
ャニスタ30を設けている。これにより、通気路28
は、第1通気路部28−1と第2通気路部28−2とに
構成される。
【0018】前記キャニスタ30は、活性炭などの吸着
剤32を内蔵し、新気を導入する新気路34を連通して
設けている。前記キャニスタ30と燃料タンク16との
間の通気路28たる第1通気路部28−1には、二方向
弁からなるチェックバルブ36を設けている。
【0019】また、前記キャニスタ30とサージタンク
8との間の通気路28たる第2通気路部28−2には、
パージ制御弁38を設けている。パージ制御弁38は、
制御部40に接続されている。
【0020】このように、蒸発燃料制御システム26
は、キャニスタ系と燃料タンク系とから構成される。こ
の蒸発燃料制御システム26は、各種信号を入力する制
御部40によって、キャニスタ30に吸着保持された燃
料タンク18の蒸発燃料を新気路32から導入する新気
により離脱放出させて内燃機関2の運転状態に応じ吸気
通路10のサージタンク8に供給すべく、パージ制御弁
38を制御する。
【0021】このような蒸発燃料制御システム26にお
いて、リーク部位を判定する診断装置42を設けてい
る。
【0022】診断装置42は、新気路34にこの新気路
34を開閉する新気路開閉弁44を設けている。また、
第1通気路部28−1には、チェックバルブ36を迂回
して燃料タンク18側とキャニスタ30側とを連通する
第1分岐路46及び第2分岐路48を設ける。
【0023】前記第1分岐路46には、この第1分岐路
46を開閉する第1分岐路開閉弁50を設ける。また、
前記第2分岐路48には、導圧路52の一端側を連通し
て設けるとともに、この導通路52の他端側を圧力セン
サ54に連通して設ける。
【0024】前記第2分岐路48と導圧路52との連通
する部位には、導圧路切換弁56を設けている。導圧路
切換弁56は、図4に示す如く、導圧路52(A)を、
第2分岐路48側(B)と、通気路28たる第1通気路
部28−1及び第1分岐路46側(C)と、に切換連通
する。前記新気路開閉弁44と第1分岐路開閉弁50と
圧力センサ54と導圧路切換弁56とは、制御部40に
接続されている。
【0025】この診断装置42は、蒸発燃料制御システ
ム26のリーク部位を判定すべく診断する診断部58を
設けている。この診断部58は、前記制御部40に設け
られている。
【0026】診断部58は、通気路28及び新気路34
を閉鎖して第1分岐路46を開放し且つ導圧路52を第
2分岐路48側に連通した第1状態と、通気路28及び
新気路34並びに第1分岐路46を閉鎖して導圧路52
を通気路28及び第1分岐路46側に連通した第2状態
とになるよう、パージ制御弁38及び新気路開閉弁44
並びに第1分岐路開閉弁50及び導圧路切換弁56を夫
々動作させるとともに、第1状態と第2状態とにおいて
夫々前記圧力センサ54の検出する圧力値により蒸発燃
料制御システム26のリーク部位を判定すべく診断す
る。
【0027】なお、符号60は、燃料タンク16内の第
1通気路部28−1の開口部位に設けられた通路部開閉
機構たるロールオーババルブである。このロールオーバ
バルブ60は、本体部62とこの本体部62に枢支部6
4により上下動可能に枢支されるフロート部66とから
なる。フロート部66は、燃料タンク16の燃料油面に
したがって上下動し、給油完了時、つまり満量時に上側
の閉塞突起部68により第1通気路部28−1を閉塞す
る。
【0028】次に作用について説明する。
【0029】蒸発燃料制御システム26は、内燃機関2
の停止時に、制御部40によりパージ制御弁38を閉鎖
動作させた状態に維持する。これにより、燃料タンク1
6の蒸発燃料をキャニスタ30に吸着保持させ、外部に
放出されることを防止する。
【0030】また、蒸発燃料制御システム26は、内燃
機関2の稼動時に、各種信号を入力する制御部40によ
って、キャニスタ30に吸着保持された燃料タンク16
の蒸発燃料を新気路34から導入する新気により離脱放
出させて内燃機関2の運転状態に応じ吸気通路10のサ
ージタンク8に供給すべく、パージ制御弁38を制御す
る。
【0031】この蒸発燃料制御システム26の診断装置
42は、診断部58によって、蒸発燃料制御システム2
6のリーク部位を判定すべく診断する。診断に際して
は、先ず、キャニスタ系と燃料タンク系とから構成され
る蒸発燃料制御システム26全体のリークを判定する。
次いで、リークが生じていると判定された場合には、燃
料タンク系を除くキャニスタ系のリークを判定し、この
キャニスタ系のリークの判定によりリーク部位がキャニ
スタ系と燃料タンク系とのいずれであるかを判定する。
【0032】診断装置42は、先ず、蒸発燃料制御シス
テム26全体のリークの判定を行う。蒸発燃料制御シス
テム26全体のリークの判定は、図2に示す如く、蒸発
燃料制御システム26全体をシールした第1状態におい
て、圧力センサ54により圧力値を検出し、この圧力値
により行われる。
【0033】蒸発燃料制御システム26全体のリークの
判定は、診断部58によって、内燃機関2の稼動時に、
パージ制御弁38及び新気路開閉弁44を閉鎖動作さ
せ、第1分岐路開閉弁50を開放動作させ、導圧路切換
弁56を導圧路52と第2分岐路48とが連通するよう
に切換動作させる。
【0034】これにより、蒸発燃料制御システム26
は、通気路28たる第1通気路部28−2及び新気路3
4を閉鎖して第1分岐路46を開放し、且つ導圧路52
(A)を第2分岐路48側(B)に連通した第1状態に
なる。したがって、キャニスタ系と燃料タンク系とが連
通されている。
【0035】この第1状態においては、キャニスタ系と
燃料タンク系とが連通された蒸発燃料制御システム26
の全体がシールされ、大気と遮断されている。このと
き、圧力センサ54の検出する燃料タンク16内の圧力
値、つまり、蒸発燃料制御システム26内の圧力値をΔ
P1とする。
【0036】この第1状態において、先ず、パージ制御
弁38を一時的に開放動作させる。パージ制御弁38の
開放動作によって、内燃機関2の稼動により生じた吸気
通路10の負圧が蒸発燃料制御システム26内に作用す
る。このとき検出される蒸発燃料制御システム26内の
圧力値をΔP2とする。
【0037】次いで、パージ制御弁38を再び閉鎖動作
させると、蒸発燃料制御システム26内は負圧状態に維
持される。パージ制御弁38が閉鎖動作された後に、所
定時間t1が経過した際の蒸発燃料制御システム26内
の圧力値を検出する。
【0038】前記パージ制御弁38が閉鎖動作されてい
るときのΔP1とパージ制御弁38が一時的に開放動作
されたときのΔP2とを比較して、基準圧力値ΔP0に
対するΔP2とΔP1との変動の大きさ(絶対値)がΔ
P2>ΔP1であるか否かを判断する。基準圧力値ΔP
0に対してΔP2がΔP1よりも大きく変動している場
合は、所定時間t1経過した際にΔP2が維持されてい
るか否かを判断する。ΔP2が変化せずに維持されてい
る場合は、蒸発燃料制御システム26全体にリークが生
じていない。また、ΔP2が変化している場合は、蒸発
燃料制御システム26のいずれかの部位にリークが生じ
ている。
【0039】このように、第1状態において、蒸発燃料
制御システム26内の圧力値が変化していない場合は蒸
発燃料制御システム26全体にリークが生じていないと
判定し、圧力値が変化している場合は蒸発燃料制御シス
テム26のいずれかの部位にリークが生じている判定す
る。
【0040】前記診断装置42は、蒸発燃料制御システ
ム26のいずれかの部位にリークが生じている判定され
た場合に、燃料タンク系を除くキャニスタ系のリークを
判定する。
【0041】キャニスタ系のリークの判定は、診断部5
8によって、内燃機関2の稼動時に、パージ制御弁38
及び新気路開閉弁44並びに第1分岐路開閉弁50を閉
鎖動作させ、導圧路切換弁56を導圧路52と通気路2
8及び第1分岐路46とが連通するように切換動作させ
る。
【0042】これにより、蒸発燃料制御システム26
は、通気路28たる第1通気路部28−2及び新気路3
4を閉鎖して第1分岐路46を閉鎖し、且つ導圧路52
(A)を通気路28及び第1分岐路46側(C)に連通
した第2状態になる。
【0043】この第2状態においては、キャニスタ系と
燃料タンク系とが遮断されシールされている。なお、キ
ャニスタ系と燃料タンク系とは、第1通気路部28−1
に設けたチェックバルブによって遮断されている。この
チェックバルブは、燃料タンク18内の圧力が設定圧力
を越えないかぎり、燃料タンク18とキャニスタ30と
を連通しないので、キャニスタ系と燃料タンク系とが遮
断されている。
【0044】この第2状態においては、燃料タンク系を
遮断された蒸発燃料制御システム26のキャニスタ系の
圧力値を圧力センサ54が検出する。この圧力センサ5
4の検出するキャニスタ系の圧力値、つまり、燃料タン
ク系を遮断された蒸発燃料制御システム26内の圧力値
をΔP1とする。
【0045】この第2状態において、先ず、パージ制御
弁38を一時的に開放動作させる。パージ制御弁38の
開放動作によって、内燃機関2の稼動により生じた吸気
通路10の負圧が蒸発燃料制御システム26内のキャニ
スタ系に作用する。このとき検出される燃料タンク系を
遮断された蒸発燃料制御システム26内の圧力値をΔP
2とする。
【0046】次いで、パージ制御弁38を再び閉鎖動作
させると、蒸発燃料制御システム26内のキャニスタ系
は負圧状態に維持される。パージ制御弁38が閉鎖動作
された後に、所定時間t1が経過した際の蒸発燃料制御
システム26内のキャニスタ系の圧力値を検出する。
【0047】前記パージ制御弁38が閉鎖動作されてい
るときのΔP1とパージ制御弁38が一時的に開放動作
されたときのΔP2とを比較して、基準圧力値ΔP0に
対するΔP2とΔP1との変動の大きさ(絶対値)がΔ
P2>ΔP1であるか否かを判断する。基準圧力値ΔP
0に対してΔP2がΔP1よりも大きく変動している場
合は、所定時間t1経過した際にΔP2が維持されてい
るか否かを判断する。
【0048】ΔP2が変化せずに維持されている場合
は、蒸発燃料制御システム26内のキャニスタ系にリー
クが生じていない。また、ΔP2が変化している場合
は、蒸発燃料制御システム26内のキャニスタ系にリー
クが生じている。
【0049】このように、第2状態において、蒸発燃料
制御システム26内のキャニスタ系の圧力値が変化して
いない場合はキャニスタ系にリークが生じていないと判
定し、圧力値が変化している場合はキャニスタ系にリー
クが生じている判定する。
【0050】これにより、第1状態において燃料タンク
系とキャニスタ系とから構成される蒸発燃料制御システ
ム26のいずれかの部位にリークが生じていると判定さ
れ、第2状態においてキャニスタ系にリークが生じてい
ないと判定された場合には、燃料タンク系にリークが生
じていると診断することができる。
【0051】また、第1状態において蒸発燃料制御シス
テム26のいずれかの部位にリークが生じていると判定
され、第2状態においてキャニスタ系にリークが生じて
いる判定された場合には、燃料タンク系以外の前記キャ
ニスタ系にリークが生じていると診断することができ
る。
【0052】このため、この診断装置42によれば、蒸
発燃料制御システム26のリーク部位を判定することが
でき、このリーク部位の判定により蒸発燃料の放出を防
止することができる。例えば、蒸発燃料制御システム2
6の燃料タンク系にリークが生じていると診断すること
ができることにより、給油キャップ24の緩みや脱落等
を検知することができる。これにより、給油キャップ2
4の緩み等による蒸発燃料のリークを防止し得て、蒸発
燃料が大気に放出されることを防止し得て、炭化水素
(HC)による汚染を防止することができる。また、こ
の診断装置は、構成が簡単であるとともに既設の部品を
利用し得るので、低コストに実施することができる。
【0053】
【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれ
ば、第1状態において燃料タンク系とキャニスタ系とか
ら構成される蒸発燃料制御システムのいずれかの部位に
リークが生じていると判定され、第2状態においてキャ
ニスタ系にリークが生じていないと判定された場合に
は、燃料タンク系にリークが生じていると診断すること
ができる。また、第1状態において蒸発燃料制御システ
ムのいずれかの部位にリークが生じていると判定され、
第2状態においてキャニスタ系にリークが生じている判
定された場合には、燃料タンク系以外の前記キャニスタ
系にリークが生じていると診断することができる。
【0054】このため、蒸発燃料制御システムのリーク
部位を判定し得て、リーク部位の判定により蒸発燃料の
放出を防止し得る。例えば、蒸発燃料制御システムの燃
料タンク系にリークが生じていると診断することができ
ることにより、実用上において発生頻度の高い給油キャ
ップの緩みや脱落等を検知することができる。これによ
り、給油キャップの緩み等による蒸発燃料のリークを防
止し得て、蒸発燃料が大気に放出されることを防止し得
て、炭化水素(HC)による汚染を防止し得る。また、
この診断装置は、構成が簡単であるとともに既設の部品
を利用し得るので、低コストに実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す車両の蒸発燃料制御シ
ステムの診断装置の概略構成図である。
【図2】蒸発燃料制御システム全体のリークを判定する
際のタイミングチャートである。
【図3】キャニスタ系のリークを判定する際のタイミン
グチャートである。
【図4】導圧路切換弁の動作説明図である。
【符号の説明】
2 内燃機関 10 吸気通路 14 排気通路 18 燃料タンク 26 蒸発燃料制御システム 28 通気路 30 キャニスタ 34 新気路 36 チェックバルブ 38 パージ制御弁 40 制御部 42 診断装置 44 新気路開閉弁 46 第1分岐路 48 第2分岐路 50 第1分岐路開閉弁 52 導圧路 54 圧力センサ 56 導圧路切換弁 58 診断部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃料を貯留する燃料タンクと
    前記内燃機関の吸気通路とを連通する通気路を設けると
    ともにこの通気路にキャニスタを設け、このキャニスタ
    には新気を導入する新気路を連通して設け、前記キャニ
    スタと前記燃料タンクとの間の通気路に二方向弁を設け
    るとともに前記キャニスタと前記吸気通路との間の通気
    路にパージ制御弁を設け、前記キャニスタに吸着保持さ
    れた蒸発燃料を前記新気路から導入する新気により離脱
    放出させて前記内燃機関の運転状態に応じ前記吸気通路
    に供給すべく前記パージ制御弁を制御する制御部を設け
    た車両の蒸発燃料制御システムにおいて、前記新気路を
    開閉する新気路開閉弁を設け、前記二方向弁を迂回して
    前記通気路の燃料タンク側とキャニスタ側とを連通する
    第1分岐路及び第2分岐路を設け、前記第1分岐路を開
    閉する第1分岐路開閉弁を設け、前記第2分岐路に一端
    側を連通する導圧路を設けるとともにこの導圧路の他端
    側を圧力センサに連通して設け、前記導圧路を前記第2
    分岐路側と前記通気路及び第1分岐路側とに切換連通す
    る導圧路切換弁を設け、前記通気路及び新気路を閉鎖し
    て第1分岐路を開放し且つ導圧路を第2分岐路側に連通
    した第1状態と前記通気路及び新気路並びに第1分岐路
    を閉鎖して導圧路を通気路及び第1分岐路側に連通した
    第2状態とになるよう前記パージ制御弁及び新気路開閉
    弁並びに第1分岐路開閉弁及び導圧路切換弁を夫々動作
    させるとともに前記第1状態と第2状態とにおいて夫々
    前記圧力センサの検出する圧力値により前記蒸発燃料制
    御システムのリーク部位を判定すべく診断する診断部を
    設けたことを特徴とする車両の蒸発燃料制御システムの
    診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013019281A (ja) * 2011-07-07 2013-01-31 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の燃料蒸発ガス排出抑止装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013019281A (ja) * 2011-07-07 2013-01-31 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の燃料蒸発ガス排出抑止装置
US9151251B2 (en) 2011-07-07 2015-10-06 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Evaporative emission control device for an internal combustion engine

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