JPH05179905A - 2サイクル内燃機関の燃焼室構造 - Google Patents

2サイクル内燃機関の燃焼室構造

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JPH05179905A
JPH05179905A JP34451291A JP34451291A JPH05179905A JP H05179905 A JPH05179905 A JP H05179905A JP 34451291 A JP34451291 A JP 34451291A JP 34451291 A JP34451291 A JP 34451291A JP H05179905 A JPH05179905 A JP H05179905A
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air supply
valve
wall surface
straight line
supply valve
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JP34451291A
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English (en)
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Koichi Nakae
公一 中江
Toyoichi Umehana
豊一 梅花
Takeshi Sato
武 佐藤
Tadashi Fukuyama
正 福山
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/24Cylinder heads
    • F02F1/42Shape or arrangement of intake or exhaust channels in cylinder heads
    • F02F1/4214Shape or arrangement of intake or exhaust channels in cylinder heads specially adapted for four or more valves per cylinder
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L3/00Lift-valve, i.e. cut-off apparatus with closure members having at least a component of their opening and closing motion perpendicular to the closing faces; Parts or accessories thereof
    • F01L2003/25Valve configurations in relation to engine
    • F01L2003/251Large number of valves, e.g. five or more
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2サイクル内燃機関において燃焼室内全体を
良好に掃気する。 【構成】 シリンダヘッド内壁面3aの一側周辺部に給
気弁93,94を配置し、シリンダヘッド内壁面3aの
他側周辺部に排気弁90,91,92を配置し、シリン
ダヘッド内壁面3aの中央部に給気弁95を配置する。
給気弁93のかさ部中心とシリンダヘッド内壁面3aの
中心Cとを結ぶ第1直線L1aと、対称平面K−Kに関し
て給気弁93側に位置する各排気弁かさ部の外周縁に接
するように給気弁93のかさ部中心から延びる各直線の
内で第1直線L1aとのなす角度α1 が最大となる第2の
直線L1b、とで挟まれた領域内に位置する給気弁93の
開口をマスク壁98によって覆う。給気弁94のマスク
角α2 も同様にして定める。給気弁95のマスク角βは
全排気弁90,91,92のかさ部の全体を挟むように
給気弁95のかさ部中心から延びる一対の直線Ma ,M
b により定める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2サイクル内燃機関の燃
焼室構造に関する。
【0002】
【従来の技術】シリンダヘッド内壁面の一側にシリンダ
軸線を含む対称平面に関して対称的に一対の給気弁を配
置すると共にシリンダヘッド内壁面の他側に一対の排気
弁を配置し、排気弁側に位置する給気弁の開口を給気弁
の開弁期間全体に亘ってマスク壁により覆うようにした
2サイクル内燃機関の燃焼室構造が公知である(特開平
2−153222号公報参照)。この2サイクル内燃機
関の燃焼室構造では、排気弁側に位置する給気弁の開口
がマスク壁によって覆われているので新気はマスク壁と
反対側の給気弁の開口から燃焼室内に流入し、この新気
は給気弁下方のシリンダボア内壁面に沿い下降し、次い
でピストン頂面に沿い進んで排気弁下方のシリンダボア
内壁面に沿い上昇するのでループ掃気を行うことができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の2
サイクル内燃機関の燃焼室構造では給気弁の周縁部に沿
って延びるマスク壁の範囲、即ち給気弁の周縁方向に沿
ったマスク壁の長さおよび位置について十分な検討がな
されていない。即ち、給気弁の周縁方向に沿ったマスク
壁の範囲を小さく形成しすぎると、マスク壁で覆われて
おらず且つ排気弁側に位置する給気弁の開口部分から燃
焼室内に流入した新気がシリンダヘッド内壁面に沿って
進み、次いで排気弁の開口を通って排気ポート内に吹き
抜けてしまう。この場合、この吹き抜ける新気は燃焼室
内の既燃ガスの掃気作用に寄与しないので無駄な空気と
なり、その結果掃気効率が低下してしまうという問題を
生ずる。
【0004】一方、新気がシリンダヘッド内壁面に沿っ
て排気ポート内に吹き抜けることを確実に阻止しようと
して給気弁の周縁方向に沿ったマスク壁の範囲を大きく
形成しすぎると、今度は給気弁の開口面積が減少するた
めに新気が給気弁開口を通過するときに受ける流れ抵
抗、即ち給気抵抗が増大してしまい、従って給気ポート
から燃焼室内に新気が流入しにくくなる。その結果、給
気ポート上流に配置された機械式過給機が新気を燃焼室
内に送り込むためになす吐出仕事が増大し、斯くして機
関の熱効率が低下してしまうという問題を生ずる。更
に、このように排気弁側の給気弁開口を覆うマスク壁の
範囲を大きく形成しすぎると、給気弁から流入した全新
気は燃焼室の周縁に沿い燃焼室の周縁部のみをループ状
に流れるようになるので燃焼室中央部には新気が供給さ
れず、その結果燃焼室中央部に存在する既燃ガスを掃気
できないという問題を生ずる。
【0005】従って良好なループ掃気を行うためには、
給気抵抗をできるだけ小さく抑えつつシリンダヘッド内
壁面に沿って吹き抜ける新気量をできるだけ低減させか
つ燃焼室内全体を良好に掃気できるように、給気弁の周
縁方向に沿ったマスク壁の長さおよび位置を最適な長さ
および最適な位置に形成することが重要である。しかし
ながら上述の2サイクル内燃機関の燃焼室構造では、こ
のように良好なループ掃気を確保するために最適なマス
ク壁の範囲について十分な検討がなされていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によれば、シリンダヘッド内壁面の一側にシ
リンダ軸線を含む対称平面に関して対称的に少くとも2
個の給気弁を配置すると共に全給気弁の内の少くとも一
対の給気弁が対称平面に関して互いに両側に位置し、シ
リンダヘッド内壁面の他側に少くとも1個の排気弁を配
置し、排気弁側に位置する給気弁の開口をマスク壁によ
って覆うようにした2サイクル内燃機関の燃焼室構造に
おいて、給気弁のかさ部中心からシリンダヘッド内壁面
の中心を通って延びる第1の直線と、上述の給気弁のか
さ部中心から対称平面に関して上述の給気弁側に位置す
る各排気弁かさ部の外周縁に接するように延びる各直線
の内で第1直線とのなす角度が最大となる第2の直線、
とで挟まれた領域内に位置する上述の給気弁の開口をマ
スク壁によって覆うようにしている。
【0007】更に、上記問題点を解決するために本発明
によれば、シリンダヘッド内壁面の一側にシリンダ軸線
を含む対称平面に関して対称的に少くとも2個の給気弁
を配置すると共に全給気弁の内の少くとも一対の給気弁
が対称平面に関して互いに両側に位置し、シリンダヘッ
ド内壁面の他側に少くとも1個の排気弁を配置し、排気
弁側に位置する給気弁の開口をマスク壁によって覆うよ
うにした2サイクル内燃機関の燃焼室構造において、上
述の全給気弁をシリンダヘッド内壁面の上述の一側の周
辺部に配置すると共に上述の全排気弁をシリンダヘッド
内壁面の他側周辺部に配置し、給気弁のかさ部中心から
シリンダヘッド内壁面の中心を通って延びる第1の直線
と、上述の給気弁のかさ部中心から対称平面に関して上
述の給気弁側に位置する各排気弁かさ部の外周縁に接す
るように延びる各直線の内で第1直線とのなす角度が最
大となる第2の直線、とで挟まれた領域内に位置する上
述の給気弁の開口をマスク壁によって覆い、シリンダヘ
ッド内壁面の中心部に追加の給気弁を配置して追加の給
気弁から燃焼室内の中央部に向けて新気を供給するよう
にしている。
【0008】
【作用】請求項1に記載の発明では、すべての新気はマ
スク壁と反対側の給気弁の開口から燃焼室内に流入し、
この燃焼室内に流入した新気は給気弁下方のシリンダボ
ア内壁面に沿い下降し、次いでピストン頂面に沿い進ん
で排気弁下方のシリンダボア内壁面に沿い上昇する。こ
のとき、第2直線の近傍に位置しかつマスク壁によって
覆われていない各給気弁開口から流入した新気はシリン
ダヘッド内壁面に沿って排気ポート内に吹き抜けること
なく、シリンダボア内を下降する。一方、第1直線の近
傍に位置しかつマスク壁によって覆われていない各給気
弁開口から夫々流入した各新気はシリンダボア内を下降
しつつシリンダボア中心に向かって進行し、次いでシリ
ンダボア軸線の近傍領域において互いに衝突干渉して合
流しシリンダボア内を下方に向けて進行する。斯くして
新気は給気弁側に位置するほぼ半分のシリンダボア領域
においてシリンダボア内を下降し、次いで残りのシリン
ダボア領域、即ち排気弁側に位置するほぼ半分のシリン
ダボア領域においてシリンダボア内を上昇することにな
る。斯くして燃焼室内のほぼ全体が良好にループ掃気さ
れる。また、マスク壁はこのように新気の吹き抜けを阻
止しつつ良好なループ掃気流を形成しうる必要最小限の
範囲に形成されているので、新気が給気弁開口を通過す
るときに受ける流れ抵抗、即ち給気抵抗が小さく抑えら
れる。
【0009】請求項2に記載の発明では、シリンダヘッ
ド内壁面の周辺部に配置された給気弁からは新気がマス
ク壁と反対側に位置する給気弁の開口から燃焼室内に流
入し、この燃焼室内に流入した新気は給気弁下方のシリ
ンダボア内壁面に沿い下降し、次いでピストン頂面に沿
い進んで排気弁下方のシリンダボア内壁面に沿い上昇す
る。このとき、第2直線の近傍に位置しかつマスク壁に
よって覆われていない各給気弁開口から流入した新気は
シリンダヘッド内壁面に沿って排気ポート内に吹き抜け
ることなく、シリンダボア内を下降する。一方、第1直
線の近傍に位置しかつマスク壁によって覆われていない
各給気弁開口から夫々流入した各新気はシリンダボア内
を下降しつつシリンダボア中心に向かって進行し、次い
でシリンダヘッド内壁面の中心部に配置された追加の給
気弁から流入した新気と衝突干渉して合流し、シリンダ
ボア内を下方に向けて進行する。また、追加の給気弁か
ら流入した新気はシリンダボア内の中央部を下降してい
く。斯くして追加の給気弁を含めた全給気弁から流入し
た新気は給気弁側に位置するほぼ半分のシリンダボア領
域においてシリンダボア内を下降し、次いで残りのシリ
ンダボア領域、即ち排気弁側に位置するほぼ半分のシリ
ンダボア領域においてシリンダボア内を上昇することに
なる。斯くして燃焼室内のほぼ全体が良好にループ掃気
される。また、シリンダヘッド内壁面の周辺部に配置さ
れた給気弁のマスク壁はこのように新気の吹き抜けを阻
止しつつ良好なループ掃気流を形成しうる必要最小限の
範囲に形成されているので給気抵抗が小さく抑えられ
る。
【0010】
【実施例】図1から図3に本発明を2サイクルディーゼ
ル機関に適用した場合を示す。しかしながら本発明を2
サイクル火花点火式機関に適用することもできる。図1
から図3を参照すると、1はシリンダブロック、2はシ
リンダブロック1内で往復動するピストン、2はシリン
ダブロック1上に固締されたシリンダヘッド、4はピス
トン2の頂面とシリンダヘッド内壁面3a間に形成され
た主室、5はシリンダヘッド内壁面3aの周縁部上方の
シリンダヘッド3内に形成された副室、6は主室4内に
開口する副室5の噴口、7は副室5内に向けて燃料を噴
射するための燃料噴射弁、8は副室5内に配置されたグ
ロープラグを夫々示す。
【0011】図1から図3に示す実施例では図1に示さ
れるようにシリンダヘッド内壁面3aの一側に一対の給
気弁12,13が配置され、シリンダヘッド内壁面3a
の他側に一対の排気弁9,10が配置される。給気弁1
2と給気弁13はシリンダ軸線を含む対称平面K−Kに
関して対称的に配置され、排気弁9と排気弁10も対称
平面K−Kに関して対称的に配置される。また、一対の
給気弁12,13の間であって一対の排気弁9,10か
ら最も離れたシリンダヘッド内壁面3aの周辺部に副室
5の噴口6が配置され、この噴口6は対称平面K−K上
に配置されている。
【0012】図1および図2に示されるようにシリンダ
ヘッド内壁面3a上には凹部15が形成され、この凹部
15の最奥部に給気弁12が配置される。排気弁9,1
0側に位置する凹部15の内周壁面部分16は給気弁1
2の外周縁に極めて近接配置されかつ給気弁12の外周
縁に沿って延びる円筒状をなしており、この円筒状内周
壁面部分16を除く凹部15の内周壁面部分17は主室
4内に向けて拡開する円錐状に形成されている。従って
円筒状内周壁面部分16に対面する給気弁12の開口は
円筒状内周壁面部分16によって覆われることになり、
従ってこの円筒状内周壁面部分16は排気弁9,10側
に形成される給気弁12の開口を覆うマスク壁を形成し
ている。図1において二点鎖線L1aは給気弁12のかさ
部中心からシリンダヘッド内壁面3aの中心C、即ちシ
リンダボアの中心Cを通って延びる第1の直線を示す。
一方、二点鎖線L1bは対称平面K−Kに関して給気弁1
2側に位置する排気弁かさ部、即ち排気弁9のかさ部の
外周縁に接するように給気弁12のかさ部中心から延び
る一対の直線の内で第1直線L1aとのなす角度α1 が大
きい方の直線、即ち第2の直線を示す。図1に示される
ようにこれら第1直線L1aと第2直線L1bとで挟まれた
領域内に位置する給気弁12の開口がマスク壁16によ
って覆われている。即ち、マスク壁16は2本の直線L
1a,L1b間に形成されるマスク角α1 の範囲に亘って給
気弁12のかさ部外周縁に沿って円弧状に延びている。
図1から図3に示す実施例ではこのマスク壁16は最大
リフト位置にある給気弁12よりも下方まで延びてお
り、従って排気弁9,10側に形成される給気弁12の
開口は給気弁12の開弁期間全体に亘ってマスク壁16
により覆われることになる。しかしながらマスク壁16
の高さを少し低くして給気弁12のリフト量が小さいと
きのみ給気弁12の開口をマスク壁16によって覆うよ
うにすることもできる。
【0013】一方、図1に示されるようにシリンダヘッ
ド内壁面3a上には対称平面K−Kに関して凹部15と
対称的な形状を有する凹部18が形成され、この凹部1
8の最奥部に給気弁13が配置される。排気弁9,10
側に位置する凹部18の内周壁面部分19は給気弁13
の外周縁に極めて近接配置されかつ給気弁13の外周縁
に沿って延びる円筒状をなしており、この円筒状内周壁
面部分19を除く凹部18の内周壁面部分20は主室4
内に向けて拡開する円錐状に形成されている。従って円
筒状内周壁面部分19に対面する給気弁13の開口は円
筒状内周壁面部分19によって覆われることになり、従
ってこの円筒状内周壁面部分19は排気弁9,10側に
形成される給気弁13の開口を覆うマスク壁を形成して
いる。図1において二点鎖線L2aは給気弁13のかさ部
中心からシリンダヘッド内壁面3aの中心Cを通って延
びる第1の直線を示す。一方、二点鎖線L2bは対称平面
K−Kに関して給気弁13側に位置する排気弁かさ部、
即ち排気弁10のかさ部の外周縁に接するように給気弁
13のかさ部中心から延びる一対の直線の内で第1直線
2aとのなす角度α2 が大きい方の直線、即ち第2の直
線を示す。図1に示されるようにこれら第1直線L2a
第2直線L2bとで挟まれた領域内に位置する給気弁13
の開口がマスク壁19によって覆われている。即ち、マ
スク壁19は2本の直線L2a,L2b間に形成されるマス
ク壁α2 の範囲に亘って給気弁13のかさ部外周縁に沿
って円弧状に延びている。図1から図3に示す実施例で
はこのマスク壁19はマスク壁16と同様に最大リフト
位置にある給気弁13よりも下方まで延びており、従っ
て排気弁9,10側に形成される給気弁13の開口は給
気弁13の開弁期間全体に亘ってマスク壁19により覆
われることになる。しかしながらこのマスク壁19につ
いてもマスク壁19の高さを少し低くして給気弁13の
リフト量が小さいときのみ給気弁13の開口をマスク壁
19によって覆うようにすることもできる。
【0014】これに対して各排気弁9,10に対しては
マスク壁が設けられておらず、従って排気弁9,10が
開弁すると排気弁9,10は全周に亘って主室4内に開
口する。図1から図3に示す実施例では一対の排気弁
9,10がシリンダヘッド3内に摺動可能に挿入された
対応するバルブリフタ24を介して共通のカムシャフト
25により駆動され、一対の給気弁12,13がシリン
ダヘッド3内に摺動可能に挿入された対応するバルブリ
フタ26を介して共通のカムシャフト27により駆動さ
れる。即ち、全排気弁9,10はロッカーアームを介す
ることなく各排気弁9,10の軸線上に位置する共通の
カムシャフト25によって直接駆動され、全給気弁1
2,13はロッカーアームを介することなく各給気弁1
2,13の軸線上に位置する共通のカムシャフト27に
よって直接駆動される。
【0015】図1および図2に示されるようにシリンダ
ヘッド3内には各排気弁9,10に対して排気ポート2
8,29が夫々形成され、各給気弁12,13に対して
給気ポート30,31が夫々形成される。図4は排気弁
9,10および給気弁12,13の開弁時期を示してい
る。図4に示されるように各排気弁9,10は各給気弁
12,13よりも先に開弁し、先に閉弁する。
【0016】次に図5を参照しつつ図1から図3に示す
2サイクルディーゼル機関の作動について説明する。上
述したように各排気弁9,10は各給気弁12,13よ
りも先に開弁する。各排気弁9,10が開弁すると主室
4内の既燃ガスが急激に排気ポート28,29内に排出
され、即ちブローダウンを生じ、その結果主室4内の圧
力が急激に低下する。主室4内の圧力が低下すると副室
5内の既燃ガスが噴口6を介して主室4内に流出する。
【0017】次いで各給気弁12,13が開弁すると機
関駆動の機械式過給機(図示しない)から各給気ポート
30,31内に送り込まれた新気が各給気弁12,13
を介して主室4内に供給される。このとき上述したよう
に排気弁9,10側に形成される各給気弁12,13の
開口は夫々対応するマスク壁16,19によって覆われ
ているので新気は排気弁9,10と反対側に位置する各
給気弁12,13の開口を通って主室4内に流入する。
これら給気弁12,13から流入した新気は図5におい
て矢印Wで示すように夫々対応する給気弁12,13下
方のシリンダボア内壁面1aに沿って下降し、次いでピ
ストン2の頂面に沿って進行し、次いで排気弁9,10
下方のシリンダボア内壁面1aに沿って上昇する。即
ち、各給気弁12,13から流入した新気は主室4内を
ループ状に流れ、このループ状に流れる新気Wによって
主室4内の既燃ガスが各排気弁9,10から排出され
る。
【0018】このとき、凹部15の円錐状内周壁面部分
17の内で第2直線L1bの近傍に位置する円錐状内周壁
面部分17a(図1参照)と給気弁12の周縁部との間
に形成された給気弁12の開口部分から主室4内に流入
する新気はマスク壁16によりその流れの方向が規制さ
れ、従ってこの新気はシリンダヘッド内壁面3aに沿っ
て排気弁9方向に進行することなくシリンダボア内壁面
1aに沿って主室4内を下降する。同様に、第2直線L
2bの近傍に位置する凹部18の円錐状内周壁面部分20
aと給気弁13の周縁部間に形成された給気弁13の開
口部分から主室4内に流入する新気はマスク壁19によ
りその流れの方向が規制され、従ってこの新気もシリン
ダヘッド内壁面3aに沿って排気弁10方向に進行する
ことなくシリンダボア内壁面1aに沿って主室4内を下
降する。一方、第1直線L1aの近傍に位置する凹部15
の円錐状内周壁面部分17bと給気弁12の周縁部間に
形成された給気弁12の開口部分から主室4内に流入し
た新気は主室4内を下降しつつシリンダボア軸線の近傍
領域に向かって進行する。同様に、第1直線L2aの近傍
に位置する凹部18の円錐状内周壁面部分20bと給気
弁13の周縁部間に形成された給気弁13の開口部分か
ら主室4内に流入した新気も主室4内を下降しつつシリ
ンダボア軸線の近傍領域に向かって進行する。次いで、
これらの凹部15の円錐状内周壁面部分17bから流入
した新気および凹部18の円錐状内周壁面部分20bか
ら流入した新気はシリンダボア軸線の近傍領域において
互いに衝突干渉して合流し主室4内を下方に向けて進行
する。斯くして各給気弁12,13から流入する新気は
給気弁12,13側に位置するほぼ半分の主室4領域に
おいて主室4内を下降し、次いで残りの主室4領域、即
ち排気弁9,10側に位置するほぼ半分の主室4領域に
おいて主室4内を上昇することになる。斯くして主室4
内のほぼ全体が良好にループ掃気される。また各給気弁
12,13のマスク角α1 ,α2 は、このように新気が
シリンダヘッド内壁面3aに沿って排気ポート28,2
9内に吹き抜けることを阻止しつつ良好なループ掃気を
行いうる必要最小限の範囲に形成されているので、新気
が各給気弁12,13の開口を通過するときに受ける流
れ抵抗、即ち給気抵抗が小さく抑えられる。
【0019】次いで排気弁9、10が閉弁し、給気弁1
2,13が閉弁するとピストン2の上昇作用により主室
4内のガスが噴口6を介して副室5内に送り込まれる。
上述したように主室4内全体が良好に掃気されるので副
室5内には多量の新気を含んだガスが送り込まれ、斯く
して燃料噴射弁7から副室5内に噴射された燃料が良好
に燃焼せしめられることになる。
【0020】ところで、給気弁12,13が開弁したと
きに主室4内の圧力が高いと主室4内の既燃ガスが給気
ポート30,31内に逆流する。ところがこのような逆
流が生じると逆流した既燃ガスを主室4内に戻しかつ排
気ポート28,29内に排出させるために機械式過給機
が余分な仕事をしなければならず、斯くしてその分だけ
機関の出力損失が増大することになる。従ってこのよう
な既燃ガスの逆流を阻止するためには給気弁12,13
が開弁したときの主室4内の圧力を低くしなければなら
ず、そのためには排気弁9,10が開弁したときにでき
るだけすみやかに既燃ガスを排気ポート28,29内に
排出させることが必要となる。
【0021】ところが排気弁9,10が開弁してから給
気弁12,13が開弁するまでの期間は極めて短かく、
この短かい期間の間に既燃ガスをすみやかに排出するに
は排気弁9,10を高速度で開弁せしめなければならな
い。この場合、ロッカーアームを介して排気弁9,10
を駆動するとロッカーアームの弾性変形等により排気弁
9,10の開弁時の開弁速度が遅くなる。そこで本発明
による実施例では排気弁9,10の開弁時における開弁
速度を速めるために各排気弁9,10をロッカーアーム
を介することなくカムシャフト25により直接駆動する
ようにしている。
【0022】図6に第2の実施例を示す。なお、以下に
述べる各実施例では図1から図3に示す実施例と同様の
構成要素に対しては同一の参照符号を用いる。図6に示
す実施例においても図1から図3に示す実施例と同様に
シリンダヘッド内壁面3aの一側には対称平面K−Kに
関して対称的に一対の給気弁12,13が配置され、各
給気弁12,13はシリンダヘッド内壁面3a上に形成
された対応する凹部15,18内に配置されている。一
方、この実施例ではシリンダヘッド内壁面3aの他側周
辺部に3個の排気弁40,41,42が配置される。図
6に示されるように排気弁40と排気弁41は対称平面
K−Kに関して対称的に配置され、排気弁42は対称平
面K−K上に配置されている。
【0023】図6において二点鎖線L1aは給気弁12の
かさ部中心からシリンダヘッド内壁面3aの中心Cを通
って延びる第1の直線を示す。図6に示されるようにこ
の実施例では排気弁40のかさ部全体および排気弁42
のかさ部の半分が対称平面K−Kに関して給気弁12側
に位置している。二点鎖線L1bは、対称平面K−Kに関
して給気弁12側に位置するこれら排気弁かさ部の外周
縁に接するように給気弁12のかさ部中心から延びる各
直線の内で第1直線L1aとのなす角度α1 が最大となる
直線、即ち第2の直線を示す。これら第1直線L1aと第
2直線L1bとで挟まれた領域内に位置する給気弁12の
開口がマスク壁16によって覆われている。
【0024】一方、二点鎖線L2aは給気弁13のかさ部
中心からシリンダヘッド内壁面3aの中心Cを通って延
びる第1の直線を示す。図6に示す実施例では排気弁4
1のかさ部全体および排気弁42のかさ部の半分が対称
平面K−Kに関して給気弁13側に位置している。二点
鎖線L2bは、対称平面K−Kに関して給気弁13側に位
置するこれら排気弁かさ部の外周縁に接するように給気
弁13のかさ部中心から延びる各直線の内で第1直線L
2aとのなす角度α2 が最大となる直線、即ち第2の直線
を示す。これら第1直線L2aと第2直線L2bとで挟まれ
た領域内に位置する給気弁13の開口がマスク壁19に
よって覆われている。
【0025】図7に第3の実施例を示す。図7に示す実
施例においても図1から図3に示す実施例と同様にシリ
ンダヘッド内壁面3aの一側には対称平面K−Kに関し
て対称的に一対の給気弁12,13が配置され、各給気
弁12,13はシリンダヘッド内壁面3a上に形成され
た対応する凹部15,18内に配置されている。一方、
この実施例ではシリンダヘッド内壁面3aの他側周辺部
に4個の排気弁44,45,46,47が配置される。
図7に示されるように排気弁44と排気弁45は対称平
面K−Kに関して対称的に配置され、排気弁46と排気
弁47も対称平面K−Kに関して対称的に配置される。
また排気弁44と排気弁46は対称平面K−Kに関して
給気弁12側に配置されており、排気弁45と排気弁4
7は対称平面K−Kに関して給気弁13側に配置されて
いる。
【0026】図7において二点鎖線L1aは給気弁12の
かさ部中心からシリンダヘッド内壁面3aの中心Cを通
って延びる第1の直線を示す。図7に示されるようにこ
の実施例では排気弁44のかさ部全体および排気弁46
のかさ部全体が対称平面K−Kに関して給気弁12側に
位置している。二点鎖線L1bは、対称平面K−Kに関し
て給気弁12側に位置するこれら排気弁44,46のか
さ部の外周縁に接するように給気弁12のかさ部中心か
ら延びる各直線(4本の直線)の内で第1直線L1aとの
なす角度α1 が最大となる直線、即ち第2の直線を示
す。これら第1直線L1aと第2直線L1bとで挟まれた領
域内に位置する給気弁12の開口がマスク壁16によっ
て覆われている。
【0027】一方、二点鎖線L2aは給気弁13のかさ部
中心からシリンダヘッド内壁面3aの中心Cを通って延
びる第1の直線を示す。図7に示す実施例では排気弁4
5のかさ部全体および排気弁47のかさ部の半分が対称
平面K−Kに関して給気弁13側に位置している。二点
鎖線L2bは、対称平面K−Kに関して給気弁13側に位
置するこれら排気弁45,47のかさ部の外周縁に接す
るように給気弁13のかさ部中心から延びる各直線(4
本の直線)の内で第1直線L2aとのなす角度α 2 が最大
となる直線、即ち第2の直線を示す。これら第1直線L
2aと第2直線L 2bとで挟まれた領域内に位置する給気弁
13の開口がマスク壁19によって覆われている。
【0028】図8に第4の実施例を示す。図8に示す実
施例においても図1から図3に示す実施例と同様にシリ
ンダヘッド内壁面3aの一側には対称平面K−Kに関し
て対称的に一対の給気弁12,13が配置され、各給気
弁12,13はシリンダヘッド内壁面3a上に形成され
た対応する凹部15,18内に配置されている。一方、
この実施例ではシリンダヘッド内壁面3aの他側には1
個の排気弁49が配置され、この排気弁49は対称平面
K−K上に配置されている。
【0029】図8において二点鎖線L1aは給気弁12の
かさ部中心からシリンダヘッド内壁面3aの中心Cを通
って延びる第1の直線を示す。図8に示されるようにこ
の実施例では排気弁49のかさ部の半分が対称平面K−
Kに関して給気弁12側に位置している。二点鎖線L1b
は、この対称平面K−Kに関して給気弁12側に位置す
る排気弁49のかさ部外周縁に接するように給気弁12
のかさ部中心から延びる直線、即ち第2の直線を示す。
これら第1直線L1aと第2直線L1bとで挟まれた領域内
に位置する給気弁12の開口がマスク壁16によって覆
われている。
【0030】一方、二点鎖線L2aは給気弁13のかさ部
中心からシリンダヘッド内壁面3aの中心Cを通って延
びる第1の直線を示す。図8に示されるようにこの実施
例では排気弁49のかさ部の半分が対称平面K−Kに関
して給気弁13側に位置している。二点鎖線L2bは、こ
の対称平面K−Kに関して給気弁13側に位置する排気
弁49のかさ部外周縁に接するように給気弁13のかさ
部中心から延びる直線、即ち第2の直線を示す。これら
第1直線L2aと第2直線L2bとで挟まれた領域内に位置
する給気弁13の開口がマスク壁19によって覆われて
いる。
【0031】図9に第5の実施例を示す。図9に示す実
施例ではシリンダヘッド内壁面3aの一側周辺部に3個
の給気弁56,57,58が配置され、シリンダヘッド
内壁面3aの他側周辺部に4個の排気弁44,45,4
6,47が配置される。給気弁56と給気弁57はシリ
ンダ軸線を含む対称平面K−Kに関して対称的に配置さ
れ、給気弁58は対称平面K−K上に配置される。また
排気弁44と排気弁45は対称平面K−Kに関して対称
的に配置され、排気弁46と排気弁47も対称平面K−
Kに関して対称的に配置される。図9に示す実施例にお
いても図1から図3に示す実施例と同様に各給気弁5
6,57,58はシリンダヘッド内壁面3a上に形成さ
れた対応する凹部59,62,65内に夫々配置され
る。各凹部59,62,65の円筒状内周壁面部分6
0,63,66は排気弁44,45,46,47側に形
成される各給気弁56,57,58の開口を覆うマスク
壁を夫々形成している。また、円筒状内周壁面部分6
0,63,66を除く各凹部59,62,65の内周壁
面部分61,64,67は夫々主室4内または燃焼室内
に向けて拡開する円錐状に形成されている。
【0032】図9において二点鎖線L1aは給気弁56の
かさ部中心からシリンダヘッド内壁面3aの中心Cを通
って延びる第1の直線を示す。図9に示されるようにこ
の実施例では排気弁44のかさ部全体および排気弁46
のかさ部全体が対称平面K−Kに関して給気弁56側に
位置している。二点鎖線L1bは、対称平面K−Kに関し
て給気弁56側に位置するこれら排気弁44,46のか
さ部の外周縁に接するように給気弁56のかさ部中心か
ら延びる各直線(4本の直線)の内で第1直線L1aとの
なす角度α1 が最大となる直線、即ち第2の直線を示
す。これら第1直線L1aと第2直線L1bとで挟まれた領
域内に位置する給気弁56の開口がマスク壁60によっ
て覆われている。
【0033】一方、二点鎖線L2aは給気弁57のかさ部
中心からシリンダヘッド内壁面3aの中心Cを通って延
びる第1の直線を示す。図9に示されるようにこの実施
例では排気弁45のかさ部全体および排気弁47のかさ
部全体が対称平面K−Kに関して給気弁57側に位置し
ている。二点鎖線L2bは、対称平面K−Kに関して給気
弁57側に位置するこれら排気弁45,47のかさ部の
外周縁に接するように給気弁57のかさ部中心から延び
る各直線(4本の直線)の内で第1直線L2aとのなす角
度α2 が最大となる直線、即ち第2の直線を示す。これ
ら第1直線L2aと第2直線L2bとで挟まれた領域内に位
置する給気弁57の開口がマスク壁63によって覆われ
ている。
【0034】一方、対称平面K−K上に配置された給気
弁58のマスク角γは次のように形成されている。即
ち、給気弁58のかさ部中心から全排気弁44,45,
46,47のかさ部の全体を挟むように延びる一対の直
線を考えたときにこの一対の直線間に形成される挟み角
γ、即ちマスク角γが最小となるような一対の直線
a ,Nb で挟まれた領域内に位置する給気弁58の開
口がマスク壁66によって覆われている。このようなマ
スク角γの範囲に亘ってマスク壁66を形成することに
より、給気弁58から流入した新気がシリンダヘッド内
壁面3aに沿って排気ポート内に吹き抜けることがほぼ
完全に阻止される。
【0035】なお、図9に示す実施例において全排気弁
44,45,46,47から全体的に遠く離れている給
気弁58に対してはマスク壁66を設けずに、給気弁5
8が開弁したときに給気弁58の開口が給気弁58の全
周に亘って主室4内または燃焼室内に開口するようにす
ることもできる。このように給気弁58に対してマスク
壁66を設けないことにより、給気弁58の開口から流
入する新気が受ける給気抵抗が低減される。一方、この
ように給気弁58に対してマスク壁66を設けないと、
給気弁58の開口から流入した新気の内でシリンダヘッ
ド内壁面3aに沿って進行して排気ポート内に吹き抜け
る新気量が増大する。この場合、この吹き抜ける新気は
既燃ガスの掃気作用に寄与しないので無駄な新気となる
が、給気弁58は全排気弁44,45,46,47から
全体的に遠く離れているので吹き抜ける新気量はさほど
多くはならない。
【0036】図10に第6の実施例を示す。図10に示
す実施例ではシリンダヘッド内壁面3aの一側周辺部に
4個の給気弁69,70,71,72が配置され、シリ
ンダヘッド内壁面3aの他側周辺部に3個の排気弁4
0,41,42が配置される。給気弁69と給気弁70
はシリンダ軸線を含む対称平面K−Kに関して対称的に
配置され、給気弁71と給気弁72も対称平面K−Kに
関して対称的に配置される。また、排気弁40と排気弁
41は対称平面K−Kに関して対称的に配置され、排気
弁42は対称平面K−K上に配置される。図10に示す
実施例においても図1から図3に示す実施例と同様に各
給気弁69,70,71,72はシリンダヘッド内壁面
3a上に形成された対応する凹部73,76,79,8
2内に夫々配置される。各凹部73,76,79,82
の円筒状内周壁面部分74,77,80,83は排気弁
側に形成される各給気弁69,70,71,72の開口
を覆うマスク壁を夫々形成している。また、円筒状内周
壁面部分74,77,80,83を除く各凹部73,7
6,79,82の内周壁面部分75,78,81,84
は夫々主室4内または燃焼室内に向けて拡開する円錐状
に形成されている。
【0037】図10において二点鎖線L1aは給気弁69
のかさ部中心からシリンダヘッド内壁面3aの中心Cを
通って延びる第1の直線を示す。図10に示されるよう
にこの実施例では排気弁40のかさ部全体および排気弁
42のかさ部の半分が対称平面K−Kに関して給気弁6
9側に位置している。二点鎖線L1bは、対称平面K−K
に関して給気弁69側に位置するこれら排気弁40,4
2のかさ部の外周縁に接するように給気弁69のかさ部
中心から延びる各直線(3本の直線)の内で第1直線L
1aとのなす角度α1 が最大となる直線、即ち第2の直線
を示す。これら第1直線L1aと第2直線L1bとで挟まれ
た領域内に位置する給気弁69の開口がマスク壁74に
よって覆われている。同様の第1直線L2aと第2直線L
2bとで挟まれた領域内に位置する給気弁70の開口がマ
スク壁77によって覆われ、同様の第1直線L3aと第2
直線L3bとで挟まれた領域内に位置する給気弁71の開
口がマスク壁80によって覆われ、同様の第1直線L4a
と第2直線L4bとで挟まれた領域内に位置する給気弁7
2の開口がマスク壁83によって覆われている。
【0038】なお、図10に示す実施例において図9に
示す実施例の場合と同様に、全排気弁40,41,42
から全体的に遠く離れている2個の給気弁71,72に
対してはマスク壁80,83を設けないようにすること
もできる。図11から図17に第7の実施例を示す。こ
の実施例では図11および図12に示されるようにシリ
ンダヘッド内壁面3aの一側周辺部には一対の給気弁9
3,94が配置され、シリンダヘッド内壁面3aの他側
周辺部には3個の排気弁90,91,92が配置され
る。更にシリンダヘッド内壁面3aの中央部には第3
の、即ち追加の給気弁95が配置される。図11に示さ
れるように給気弁93と給気弁94はシリンダ軸線を含
む対称平面K−Kに関して対称的に配置され、排気弁9
0と排気弁91も対称平面K−Kに関して対称的に配置
される。また、3個の給気弁93,94,95によって
囲まれたシリンダヘッド内壁面3aの周辺部に副室5の
噴口6が配置され、更に排気弁92、給気弁95および
噴口6は対称平面K−K上に配置される。従って図11
から図14に示す実施例ではシリンダヘッド内壁面3a
の周辺部に3個の排気弁90,91,92、2個の給気
弁93,94および噴口6がほぼ等角度間隔で配置さ
れ、シリンダヘッド内壁面3aのほぼ中央部に追加の給
気弁95が配置されている形となっている。
【0039】図11および図13に示されるようにシリ
ンダヘッド内壁面3a上には凹部97が形成され、この
凹部97の最奥部に給気弁93が配置される。排気弁9
0,91,92側に位置する凹部97の内周壁面部分9
8は給気弁93の外周縁に極めて近接配置されかつ給気
弁93の外周縁に沿って延びる円筒状をなしており、こ
の円筒状内周壁面部分98を除く凹部97の内周壁面部
分99は主室4内に向けて拡開する円錐状に形成されて
いる。従って円筒状内周壁面部分98に対面する給気弁
93の開口は円筒状内周壁面部分98によって覆われる
ことになり、従ってこの円筒状内周壁面部分98は排気
弁90,91,92側に形成される給気弁93の開口を
覆うマスク壁を形成している。図11において二点鎖線
1aは給気弁93のかさ部中心からシリンダヘッド内壁
面3aの中心C、即ちシリンダボアの中心Cを通って延
びる第1の直線を示す。図11に示されるようにこの実
施例では排気弁90のかさ部全体および排気弁92のか
さ部の半分が対称平面K−Kに関して給気弁93側に位
置している。二点鎖線L1bは、対称平面K−Kに関して
給気弁93側に位置するこれら排気弁90,92のかさ
部の外周縁に接するように給気弁93のかさ部中心から
延びる各直線(3本の直線)の内で第1直線L1aとのな
す角度α1 が最大となる直線、即ち第2の直線を示す。
これら第1直線L1aと第2直線L1bとで挟まれた領域内
に位置する給気弁93の開口がマスク壁98によって覆
われている。即ち、マスク壁98は2本の直線L1a,L
1b間に形成されるマスク角α1 の範囲に亘って給気弁9
3のかさ部外周縁に沿って円弧状に延びている。図11
から図14に示す実施例ではこのマスク壁98は最大リ
フト位置にある給気弁93よりも下方まで延びており、
従って排気弁90,91,92側に形成される給気弁9
3の開口は給気弁93の開弁期間全体に亘ってマスク壁
98により覆われることになる。しかしながらマスク壁
98の高さを少し低くして給気弁93のリフト量が小さ
いときのみ給気弁93の開口をマスク壁98によって覆
うようにすることもできる。
【0040】一方、図11に示されるようにシリンダヘ
ッド内壁面3a上には対称平面K−Kに関して凹部97
と対称的な形状を有する凹部100が形成され、この凹
部100の最奥部に給気弁94が配置される。排気弁9
0,91,92側に位置する凹部100の内周壁面部分
101は給気弁94の外周縁に極めて近接配置されかつ
給気弁94の外周縁に沿って延びる円筒状をなしてお
り、この円筒状内周壁面部分101を除く凹部100の
内周壁面部分102は主室4内に向けて拡開する円錐状
に形成されている。従って円筒状内周壁面部分101に
対面する給気弁94の開口は円筒状内周壁面部分101
によって覆われることになり、従ってこの円筒状内周壁
面部分101は排気弁90,91,92側に形成される
給気弁94の開口を覆うマスク壁を形成している。図1
1において二点鎖線L2aは給気弁94のかさ部中心から
シリンダヘッド内壁面3aの中心C、即ちシリンダボア
の中心Cを通って延びる第1の直線を示す。図11に示
されるようにこの実施例では排気弁91のかさ部全体お
よび排気弁92のかさ部の半分が対称平面K−Kに関し
て給気弁94側に位置している。二点鎖線L2bは、対称
平面K−Kに関して給気弁94側に位置するこれら排気
弁91,92のかさ部の外周縁に接するように給気弁9
4のかさ部中心から延びる各直線(3本の直線)の内で
第1直線L2aとのなす角度α2 が最大となる直線、即ち
第2の直線を示す。これら第1直線L2aと第2直線L2b
とで挟まれた領域内に位置する給気弁94の開口がマス
ク壁101によって覆われている。即ち、マスク壁10
1は2本の直線L2a,L2b間に形成されるマスク角α2
の範囲に亘って給気弁94のかさ部外周縁に沿って円弧
状に延びている。図11から図14に示す実施例ではこ
のマスク壁101はマスク壁98と同様に最大リフト位
置にある給気弁94よりも下方まで延びており、従って
排気弁90,91,92側に形成される給気弁94の開
口は給気弁94の開弁期間全体に亘ってマスク壁101
により覆われることになる。しかしながらこのマスク壁
101についてもマスク壁101の高さを少し低くして
給気弁94のリフト量が小さいときのみ給気弁94の開
口をマスク壁101によって覆うようにすることもでき
る。
【0041】一方、図11および図14に示されるよう
にシリンダヘッド内壁面3a上には凹部103が形成さ
れ、この凹部103の最奥部に給気弁95が配置され
る。排気弁90,91,92側に位置する凹部103の
内周壁面部分104は給気弁95の外周縁に極めて近接
配置されかつ給気弁95の外周縁に沿って延びる円筒状
をなしており、この円筒状内周壁面部分104を除く凹
部103の内周壁面部分105は主室4内に向けて拡開
する円錐状に形成されている。従って円筒状内周壁面部
分104に対面する給気弁95の開口は円筒状内周壁面
部分104によって覆われることになり、従ってこの円
筒状内周壁面部分104は排気弁90,91,92側に
形成される給気弁95の開口を覆うマスク壁を形成して
いる。図11に示されるように、給気弁95のかさ部の
中心から全排気弁90,91,92のかさ部の全体を挟
むように延びる一対の直線を考えたときにこの一対の直
線間に形成される挟み角β、即ちマスク角βが最小とな
るような一対の直線Ma ,M b で挟まれた領域内に位置
する給気弁95の開口がマスク壁104によって覆われ
ている。即ち、マスク壁104はマスク角βの範囲に亘
って給気弁95のかさ部の外周縁に沿って円弧状に延び
ている。図11から図14に示す実施例ではこのマスク
壁104はマスク壁98,101と同様に最大リフト位
置にある給気弁95よりも下方まで延びており、従って
排気弁90,91,92側に形成される給気弁95の開
口は給気弁95の開弁期間全体に亘ってマスク壁104
により覆われることになる。しかしながらこのマスク壁
104についてもマスク壁104の高さを少し低くして
給気弁95のリフト量が小さいときのみ給気弁95の開
口をマスク壁104によって覆うようにすることもでき
る。
【0042】これに対して各排気弁90,91,92に
対してはマスク壁が設けられておらず、従って排気弁9
0,91,92が開弁すると排気弁90,91,92は
全周に亘って主室4内に開口する。図11から図14に
示す実施例では全排気弁90,91,92がシリンダヘ
ッド3内に摺動可能に挿入された対応するバルブリフタ
24を介して共通のカムシャフト25により駆動され、
全給気弁93,94,95がシリンダヘッド3内に摺動
可能に挿入された対応するバルブリフタ26を介して共
通のカムシャフト27により駆動される。即ち、全排気
弁90,91,92はロッカーアームを介することなく
各排気弁90,91,92の軸線上に位置する共通のカ
ムシャフト25によって直線駆動され、全給気弁93,
94,95はロッカーアームを介することなく各給気弁
93,94,95の軸線上に位置する共通のカムシャフ
ト27によって直接駆動される。
【0043】シリンダヘッド3内には各排気弁90,9
1,92まで延びる全排気弁90,91,92に対して
共通の排気ポート107が形成され、更にシリンダヘッ
ド3内には副室5の両側において各給気弁93,94ま
で延びる一対の給気ポート108,109が形成され
る。また、シリンダヘッド3内には各給気ポート10
8,109から夫々分岐して給気弁95まで延びかつ給
気弁95の近傍において互いに合流する一対の給気枝通
路110,111が形成される。従って給気弁93,9
4からは夫々対応する給気ポート108,109を介し
て新気が供給され、給気弁95からは各給気ポート10
8,109から各給気枝通路110,111内に分流さ
れた新気が供給される。
【0044】次に図15から図17を参照しつつ図11
から図14に示す2サイクルディーゼル機関の作動につ
いて説明する。なお、排気弁90,91,92および給
気弁93,94,95の開弁時期は図1から図3に示す
実施例の場合と同じであって、図4に示されるように各
排気弁90,91,92は各給気弁93,94,95よ
りも先に開弁し、先に閉弁する。
【0045】各排気弁90,91,92が開弁すると主
室4内の既燃ガスが急激に排気ポート107内に排出さ
れ、即ちブローダウンを生じ、その結果主室4内の圧力
が急激に低下する。主室4内の圧力が低下すると副室5
内の既燃ガスが噴口6を介して主室4内に流出する。次
いで各給気弁93,94,95が開弁すると機関駆動の
機械式過給機(図示せず)から各給気ポート108,1
09内に送り込まれた新気が各給気弁93,94,95
を介して主室4内に供給される。このとき上述したよう
に排気弁90,91,92側に形成される各給気弁9
3,94,95の開口は夫々対応するマスク壁98,1
01,104によって覆われているので新気は排気弁9
0,91,92と反対側に位置する各給気弁93,9
4,95の開口を通って主室4内に流入する。この場
合、給気弁93,94はシリンダヘッド内壁面3aの周
辺部に配置されているのでこれら給気弁93,94から
流入した新気は図15および図17において矢印Xで示
すように夫々対応する給気弁93,94下方のシリンダ
ボア内壁面1aに沿って下降し、次いでピストン2の頂
面に沿って進行し、次いで排気弁90,91下方のシリ
ンダボア内壁面1aに沿って上昇する。即ち、各給気弁
93,94から流入した新気は主室4の周縁部に沿って
ループ状に流れ、このループ状に流れる新気Xによって
主室4内の既燃ガスが各排気弁90,91,92から排
出される。従って各給気弁93,94から流入する新気
Xによって主室4の周縁部が掃気されることになる。
【0046】これに対して給気弁95はシリンダヘッド
内壁面3aの中央部に配置されているので給気弁95か
ら流入した新気は図16および図17において矢印Yで
示すように主室4の中央部を下降し、次いでピストン2
の頂面において向きを変えた後に排気弁90,91,9
2下方のシリンダボア内壁面1aに沿って上昇する。主
室4の中央部に存在する既燃ガスはこの新気流Yによっ
て排気ポート107内に排出され、従って主室4内の中
央部は給気弁95から流入する新気Yによって掃気され
ることになる。
【0047】このとき、凹部100の円錐状内周壁面部
分102の内で第2直線L2bの近傍に位置する円錐状内
周壁面部分102a(図11参照)と給気弁94の周縁
部との間に形成された給気弁94の開口部分から主室4
内に流入する新気はマスク壁101によりその流れの方
向が規制され、従ってこの新気はシリンダヘッド内壁面
3aに沿って排気弁91方向に進行することなく、図1
7において矢印Xa で示すようにシリンダボア内壁面1
aに沿って主室4内を下降する。同様に、凹部97の円
錐状内周壁面部分99の内で第2直線L1bの近傍に位置
する円錐状内周壁面部分99aと給気弁93の周縁部と
の間に形成された給気弁93の開口部分から主室4内に
流入する新気はマスク壁98によりその流れの方向が規
制され、従ってこの新気もシリンダヘッド内壁面3aに
沿って排気弁90方向に進行することなくシリンダボア
内壁面1aに沿って主室4内を下降する。
【0048】一方、凹部100の円錐状内周壁面部分1
02の内で第1直線L2aの近傍に位置する円錐状内周壁
面部分102bと給気弁94の周縁部との間に形成され
た給気弁94の開口部分から主室4内に流入した新気は
主室4内を下降しつつシリンダボア軸線の近傍領域に向
かって進行する。次いで、このシリンダボア軸線の近傍
領域に向かって進行する新気は、円錐状内周壁面部分1
02bに対向する凹部103の円錐状内周壁面部分10
5bと給気弁95の周縁部間に形成された給気弁95の
開口部分から流入した新気の流れと衝突干渉して合流
し、図17において矢印Xc で示すように主室4内を下
方に向けて進行する。同様に、凹部97の円錐状内周壁
面部分99の内で第1直線L1aの近傍に位置する円錐状
内周壁面部分99bと給気弁93の周縁部間に形成され
た給気弁93の開口部分から主室4内に流入した新気は
主室4内を下降しつつシリンダボア軸線の近傍領域に向
かって進行する。次いで、この凹部97の円錐状内周壁
面部分99bから流入した新気は、円錐状内周壁面部分
99bに対向する凹部103の円錐状内周壁面部分10
5aと給気弁95の周縁部間に形成された給気弁95の
開口部分から流入した新気の流れと衝突干渉して合流
し、図17において矢印Xd で示すように主室4内を下
方に向けて進行する。
【0049】斯くして、各給気弁93,94,95から
流入する新気は給気弁93,94側に位置するほぼ半分
の主室4の領域全体において主室4内を下降し、次いで
残りの主室4の領域全体、即ち排気弁90,91,92
側に位置するほぼ半分の主室4の領域全体において主室
4内を上昇することになる。斯くして主室4内全体が良
好に掃気されることになる。また各給気弁93,94,
95のマスク角α1 ,α2 ,βは、このように新気がシ
リンダヘッド内壁面3aに沿って排気ポート107内に
吹き抜けることを阻止しつつ良好なループ掃気を行いう
る必要最小限の範囲に形成されているので、新気が各給
気弁93,94,95の開口を通過するときに受ける給
気抵抗が小さく抑えられる。
【0050】次いで排気弁90,91,92が閉弁し、
給気弁93,94,95が閉弁するとピストン2の上昇
作用により主室4内のガスが噴口6を介して副室5内に
送り込まれる。上述したように主室4内全体が良好に掃
気されるので副室5内には多量の新気を含んだガスが送
り込まれ、斯くして燃料噴射弁7から副室5内に噴射さ
れた燃料が良好に燃焼せしめられることになる。
【0051】また、シリンダヘッド内壁面3aについて
みると副室5内の温度はかなり高くなるので噴口6周り
のシリンダヘッド内壁面3aの温度が他の部分に比べて
かなり高くなり、従って噴口6周りのシリンダヘッド内
壁面3aに最も亀裂が発生しやすくなる。しかしながら
本発明による実施例では図11に示されるように噴口6
は3個の給気弁93,94,95により囲まれた形とな
っているので噴口6周りのシリンダヘッド内壁面3aは
各給気弁93,94,95から流入する新気によって冷
却され、斯くして噴口6周りのシリンダヘッド内壁面3
aに亀裂が発生するのを阻止することができる。
【0052】図18に第8の実施例を示す。図18に示
す実施例は図11から図14に示す実施例とほぼ同じ構
造を有するが、シリンダヘッド内壁面3aの中央部に配
置された給気弁95のマスク角βが異なっている。即
ち、図18に示されるように対称平面K−K上に配置さ
れた排気弁92のかさ部外周縁に接するように給気弁9
5のかさ部中心から延びる一対の直線Ma ,Mb で挟ま
れた領域内に位置する給気弁95の開口がマスク壁10
4によって覆われている。このように図18に示す実施
例では図11から図14に示す実施例に比べてマスク角
βが小さくなっているので給気弁95が開弁したときの
給気弁95の開口面積が増大せしめられ、その結果給気
抵抗が低減せしめられる。
【0053】図19から図23に第9の実施例を示す。
この実施例において排気弁90,91,92および排気
ポート107は図11から図14に示す実施例と同じ構
造を有し、給気弁93,94、給気ポート108,10
9およびマスク壁98,101も図11から図14に示
す実施例と同じ構造を有し、副室5および噴口6も図1
1から図14に示す実施例と同じ構造を有する。即ち、
シリンダヘッド内壁面3a上に形成された各凹部97,
100内には夫々給気弁93,94が配置され、排気弁
90,91,92側に形成された各給気弁93,94の
開口は夫々対応するマスク壁98,101によって覆わ
れている。
【0054】一方、この実施例では給気弁95aが図1
1から図14に示す実施例の給気弁95に比べてかなり
小さい弁径を有し、また給気枝通路110a,111a
は図11から図14に示す実施例の給気枝通路110,
111に比べてかなり小さな断面積を有する。また、こ
の実施例では給気弁95aに対してマスク壁は設けられ
ていない。
【0055】従ってこの実施例では図11から図14に
示す実施例に比べて少量の新気が給気弁95aを介して
主室4内に供給され、次いでこの新気は図23において
矢印Yaで示すように主室4の中央部に向けて流れる。
従ってこの場合でも給気弁95aから流入する新気によ
って主室4内の中心部が掃気され、更に他の給気弁9
3,94から流入する新気によって主室4の周縁部が掃
気されるので主室4内全体が掃気されることになる。こ
の実施例では給気弁95aに対してマスク壁が設けられ
ていないので給気弁95aから流入した新気の一部が排
気ポート107内に吹き抜ける。この場合、この吹き抜
ける空気は既燃ガスの掃気作用に寄与しないので無駄な
空気となるが給気弁95aから流入する空気量自体が少
ないので無駄となる空気量はさほど多くはならない。
【0056】図24に第10の実施例を示す。図24に
示す実施例においても図11から図14に示す実施例と
同様にシリンダヘッド内壁面3aの一側周辺部には対称
平面K−Kに関して対称的に一対の給気弁93,94が
配置され、シリンダヘッド内壁面3aの中央部には追加
の給気弁95が配置され、これら3個の給気弁93,9
4,95によって囲まれたシリンダヘッド内壁面3aの
周辺部には副室の噴口6が配置され、各給気弁93,9
4,95はシリンダヘッド内壁面3a上に形成された対
応する凹部97,100,103内に配置されている。
一方、この実施例ではシリンダヘッド内壁面3aの他側
周辺部には4個の排気弁113,114,115,11
6が配置される。図24に示されるように排気弁113
と排気弁114は対称平面K−Kに関して対称的に配置
され、排気弁115と排気弁116も対称平面K−Kに
関して対称的に配置される。
【0057】図24において二点鎖線L1aは給気弁93
のかさ部中心からシリンダヘッド内壁面3aの中心Cを
通って延びる第1の直線を示す。図24に示されるよう
にこの実施例では排気弁113のかさ部全体および排気
弁115のかさ部全体が対称平面K−Kに関して給気弁
93側に位置している。二点鎖線L1bは、対称平面K−
Kに関して給気弁93側に位置するこれら排気弁11
3,115のかさ部の外周縁に接するように給気弁93
のかさ部中心から延びる各直線(4本の直線)の内で第
1直線L1aとのなす角度α1 が最大となる直線、即ち第
2の直線を示す。これら第1直線L1aと第2直線L1b
で挟まれた領域内に位置する給気弁93の開口がマスク
壁98によって覆われている。同様の第1直線L2aと第
2直線L2bとで挟まれた領域内に位置する給気弁94の
開口がマスク壁101によって覆われている。また、シ
リンダヘッド内壁面3aの中央部に配置された給気弁9
5のかさ部中心から全排気弁113,114,115,
116のかさ部の全体を挟むように延びる一対の直線を
考えたときにこの一対の直線間に形成される挟み角β、
即ちマスク角βが最小となるような一対の直線Ma ,M
b で挟まれた領域内に位置する給気弁95の開口がマス
ク壁104によって覆われている。
【0058】図25に第11の実施例を示す。図25に
示す実施例は図24に示す実施例とほぼ同じ構造を有す
るが、シリンダヘッド内壁面3aの中央部に配置された
給気弁95のマスク角βが異なっている。即ち、図25
に示されるように対称平面K−Kに近い2個の排気弁1
15,116のかさ部の全体を挟むように給気弁95の
かさ部の中心から延びる一対の直線を考えたときにこの
一対の直線間に形成される挟み角β、即ちマスク角βが
最小となるような一対の直線Ma ,Mb で挟まれた領域
内に位置する給気弁95の開口がマスク壁104によっ
て覆われている。
【0059】図26に第12の実施例を示す。図26に
示す実施例において排気弁113,114,115,1
16、給気弁93,94およびマスク壁98,101は
図24に示す実施例と同じ構造を有する。一方、この実
施例では給気弁95aが図24に示す実施例の給気弁9
5に比べてかなり小さい弁径を有する。また給気枝通路
110a,111aが図19から図23に示す実施例の
場合と同様にかなり小さな断面積を有する。また、この
実施例では給気弁95aに対してマスク壁は設けられて
いない。
【0060】図27に第13の実施例を示す。図27に
示す実施例においても図11から図14に示す実施例と
同様にシリンダヘッド内壁面3aの一側周辺部には対称
平面K−Kに関して対称的に一対の給気弁93,94が
配置され、シリンダヘッド内壁面3aの中央部には追加
の給気弁95が配置される。一方、この実施例ではシリ
ンダヘッド内壁面3aの他側周辺部に一対の排気弁11
8,119が配置される。図27に示されるように排気
弁118と排気弁119は対称平面K−Kに関して対称
的に配置される。
【0061】図27において二点鎖線L1aは給気弁93
のかさ部中心からシリンダヘッド内壁面3aの中心C、
即ちシリンダボアの中心Cを通って延びる第1の直線を
示す。一方、二点鎖線L1bは対称平面K−Kに関して給
気弁93側に位置する排気弁かさ部、即ち排気弁118
のかさ部の外周縁に接するように給気弁93のかさ部中
心から延びる一対の直線の内で第1直線L1aとのなす角
度α1 が大きい方の直線、即ち第2の直線を示す。図2
7に示されるようにこれら第1直線L1aと第2直線L1b
とで挟まれた領域内に位置する給気弁93の開口がマス
ク壁98によって覆われている。また、同様の第1直線
2aと第2直線L2bとで挟まれた領域内に位置する給気
弁94の開口がマスク壁101によって覆われている。
一方、給気弁95のかさ部中心から全排気弁118,1
19のかさ部の全体を挟むように延びる一対の直線を考
えたときにこの一対の直線間に形成される挟み角β、即
ちマスク角βが最小となるような一対の直線Ma ,Mb
で挟まれた領域内に位置する給気弁95の開口がマスク
壁104によって覆われている。
【0062】なお、これまで述べた各実施例ではマスク
壁がシリンダヘッド上に形成されているがこのマスク壁
をシリンダヘッドとは別体の部材上に形成することがで
きる。この場合には給気弁シート或いは排気弁シートの
形状を工夫してマスク壁をこれら弁シート上に形成する
こともできる。
【0063】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば全給気弁
から流入した新気は給気弁側に位置するほぼ半分のシリ
ンダボア領域においてシリンダボア内を下降し、次いで
残りのシリンダボア領域、即ち排気弁側に位置するほぼ
半分のシリンダボア領域においてシリンダボア内を上昇
するので、燃焼室内のほぼ全体を良好にループ掃気する
ことができる。また、マスク壁はこのように新気がシリ
ンダヘッド内壁面に沿って排気ポート内に吹き抜けるこ
とを阻止しつつ良好なループ掃気を行いうる必要最小限
の範囲に形成されているので、給気抵抗を小さく抑える
ことができる。
【0064】請求項2に記載の発明によればシリンダヘ
ッド内壁面の周辺部に配置された各給気弁から供給され
た新気によって燃焼室の周縁部に沿ってループ状に流れ
る良好なループ掃気流が確保され、燃焼室の周縁部が良
好に掃気される。また追加の給気弁から供給された新気
によって燃焼室の中央部が良好に掃気される。このとき
追加の給気弁を含めた全給気弁から流入する新気全体で
みると、これら新気は給気弁側に位置するほぼ半分のシ
リンダボア領域においてシリンダボア内を下降し、次い
で残りのシリンダボア領域、即ち排気弁側に位置するほ
ぼ半分のシリンダボア領域においてシリンダボア内を上
昇する。斯くして燃焼室内全体を良好にループ掃気する
ことができる。また、シリンダヘッド内壁面の周辺部に
配置された給気弁のマスク壁はこのように新気の吹き抜
けを阻止しつつ良好なループ掃気流を形成しうる必要最
小限の範囲に形成されているので給気抵抗を小さく抑え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンダヘッド内壁面の底面図である。
【図2】図1のII−II線に沿ってみた内燃機関の側面断
面図である。
【図3】図1の III−III 線に沿ってみた内燃機関の側
面断面図である。
【図4】給気弁および排気弁の開弁時期を示す線図であ
る。
【図5】図2と同一断面に沿ってみた掃気作用を説明す
るための内燃機関の側面断面図である。
【図6】第2の実施例のシリンダヘッド内壁面の底面図
である。
【図7】第3の実施例のシリンダヘッド内壁面の底面図
である。
【図8】第4の実施例のシリンダヘッド内壁面の底面図
である。
【図9】第5の実施例のシリンダヘッド内壁面の底面図
である。
【図10】第6の実施例のシリンダヘッド内壁面の底面
図である。
【図11】第7の実施例のシリンダヘッド内壁面の底面
図である。
【図12】図11に示すシリンダヘッドの平面断面図で
ある。
【図13】図12のXIII−XIII線に沿ってみた内燃機関
の側面断面図である。
【図14】図12の XIV−XIV 線に沿ってみた内燃機関
の側面断面図である。
【図15】図13と同一断面に沿ってみた掃気作用を説
明するための内燃機関の側面断面図である。
【図16】図14と同一断面に沿ってみた掃気作用を説
明するための内燃機関の側面断面図である。
【図17】第7の実施例の内燃機関の図解的に示した斜
視図である。
【図18】第8の実施例のシリンダヘッド内壁面の底面
図である。
【図19】第9の実施例のシリンダヘッド内壁面の底面
図である。
【図20】第19に示すシリンダヘッドの平面断面図で
ある。
【図21】図20の XXI−XXI 線に沿ってみた内燃機関
の側面断面図である。
【図22】図20のXXII−XXII線に沿ってみた内燃機関
の側面断面図である。
【図23】図22と同一断面に沿ってみた掃気作用を説
明するための内燃機関の側面断面図である。
【図24】第10の実施例のシリンダヘッド内壁面の底
面図である。
【図25】第11の実施例のシリンダヘッド内壁面の底
面図である。
【図26】第12の実施例のシリンダヘッド内壁面の底
面図である。
【図27】第13の実施例のシリンダヘッド内壁面の底
面図である。
【符号の説明】
3a…シリンダヘッド内壁面 5…副室 6…噴口 9,10…排気弁 12,13…給気弁 16,19…マスク壁 40,41,42,44,45,46,47,49…排
気弁 56,57,58…給気弁 60,63,66…マスク壁 69,70,71,72…給気弁 74,77,80,83…マスク壁 90,91,92…排気弁 93,94,95,95a…給気弁 98,101,104…マスク壁 113,114,115,116,118,119…排
気弁 K−K…対称平面 L1a,L2a,L3a,L4a…第1の直線 L1b,L2b,L3b,L4b…第2の直線 α1 ,α2 ,α3 ,α4 ,β,γ…マスク角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福山 正 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッド内壁面の一側にシリンダ
    軸線を含む対称平面に関して対称的に少くとも2個の給
    気弁を配置すると共に該全給気弁の内の少くとも一対の
    給気弁が該対称平面に関して互いに両側に位置し、シリ
    ンダヘッド内壁面の他側に少くとも1個の排気弁を配置
    し、排気弁側に位置する給気弁の開口をマスク壁によっ
    て覆うようにした2サイクル内燃機関の燃焼室構造にお
    いて、給気弁のかさ部中心からシリンダヘッド内壁面の
    中心を通って延びる第1の直線と、該給気弁のかさ部中
    心から上記対称平面に関して該給気弁側に位置する各排
    気弁かさ部の外周縁に接するように延びる各直線の内で
    上記第1直線とのなす角度が最大となる第2の直線、と
    で挟まれた領域内に位置する該給気弁の開口を上記マス
    ク壁によって覆うようにした2サイクル内燃機関の燃焼
    室構造。
  2. 【請求項2】 シリンダヘッド内壁面の一側にシリンダ
    軸線を含む対称平面に関して対称的に少くとも2個の給
    気弁を配置すると共に該全給気弁の内の少くとも一対の
    給気弁が該対称平面に関して互いに両側に位置し、シリ
    ンダヘッド内壁面の他側に少くとも1個の排気弁を配置
    し、排気弁側に位置する給気弁の開口をマスク壁によっ
    て覆うようにした2サイクル内燃機関の燃焼室構造にお
    いて、上記全給気弁をシリンダヘッド内壁面の上記一側
    の周辺部に配置すると共に上記全排気弁をシリンダヘッ
    ド内壁面の他側周辺部に配置し、給気弁のかさ部中心か
    らシリンダヘッド内壁面の中心を通って延びる第1の直
    線と、該給気弁のかさ部中心から上記対称平面に関して
    該給気弁側に位置する各排気弁かさ部の外周縁に接する
    ように延びる各直線の内で上記第1直線とのなす角度が
    最大となる第2の直線、とで挟まれた領域内に位置する
    該給気弁の開口を上記マスク壁によって覆い、シリンダ
    ヘッド内壁面の中心部に追加の給気弁を配置して該追加
    の給気弁から燃焼室内の中央部に向けて新気を供給する
    ようにした2サイクル内燃機関の燃焼室構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9038592B2 (en) 2013-04-16 2015-05-26 Deere & Company Cylinder head comprising a shroud

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US9038592B2 (en) 2013-04-16 2015-05-26 Deere & Company Cylinder head comprising a shroud

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