JPH05179283A - 球状油脂類分散製品 - Google Patents
球状油脂類分散製品Info
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- JPH05179283A JPH05179283A JP3354647A JP35464791A JPH05179283A JP H05179283 A JPH05179283 A JP H05179283A JP 3354647 A JP3354647 A JP 3354647A JP 35464791 A JP35464791 A JP 35464791A JP H05179283 A JPH05179283 A JP H05179283A
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- Medicinal Preparation (AREA)
- Fats And Perfumes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 油溶性物質および油脂類よりなり、融点10
〜60℃の球状物を水溶性ゲル中に分散させてなる球状
油脂類分散製品。 【効果】 従来の油溶性物質を球状油脂類に含有させた
球状物の有する下記の問題点の解決された製品が提供さ
れる。 常温においてもその表面のベタツキに起因して球状物
が相互に融合し、保存安定性に欠ける。 上記に起因する球状物相互間の融合により、定量的
取扱が困難となる。 球状物はその中に食品、医薬品、化粧品等として有用
な油溶性物質を含有させて使用されるものであるが、当
該油溶性物質、球状物を構成する油脂の酸化による劣化
が起こる。 経皮吸収が要求される油溶性物質等においては、必ず
しも良好な経皮吸収性が得られない。 油溶性物質が揮発性のものである場合には、球状物の
表面より比較的速やかに揮散する。 球状物が柔らかく、取扱に不便である。
〜60℃の球状物を水溶性ゲル中に分散させてなる球状
油脂類分散製品。 【効果】 従来の油溶性物質を球状油脂類に含有させた
球状物の有する下記の問題点の解決された製品が提供さ
れる。 常温においてもその表面のベタツキに起因して球状物
が相互に融合し、保存安定性に欠ける。 上記に起因する球状物相互間の融合により、定量的
取扱が困難となる。 球状物はその中に食品、医薬品、化粧品等として有用
な油溶性物質を含有させて使用されるものであるが、当
該油溶性物質、球状物を構成する油脂の酸化による劣化
が起こる。 経皮吸収が要求される油溶性物質等においては、必ず
しも良好な経皮吸収性が得られない。 油溶性物質が揮発性のものである場合には、球状物の
表面より比較的速やかに揮散する。 球状物が柔らかく、取扱に不便である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば食品、医薬品、
化粧品、健康食品、調味料等の広汎な分野において有用
な球状油脂類の分散製品に関する。
化粧品、健康食品、調味料等の広汎な分野において有用
な球状油脂類の分散製品に関する。
【0002】
【従来の技術】油溶性物質としては、生理活性を示す物
質、抗酸化作用等の安定化作用を示す物質、香料、色
素、紫外線吸収剤等の極めて多数の物質が知られてお
り、食品、医薬品、化粧品、健康食品、調味料等に利用
されている。ところが、それらはいずれも水性溶媒には
溶解しないので、粉状や液状等のその物質の本来の形態
のまま使用に供したり、一部には乳化処理を行って使用
されていた。そのため、使い勝手が悪く、外観的に美し
いものではなかった。また、乳化処理を行う場合におい
ても、その加工工程が非常に煩雑なものであった。この
ような実情から、従来油溶性物質を球状油脂類に含有さ
せた球状物が提案されている。
質、抗酸化作用等の安定化作用を示す物質、香料、色
素、紫外線吸収剤等の極めて多数の物質が知られてお
り、食品、医薬品、化粧品、健康食品、調味料等に利用
されている。ところが、それらはいずれも水性溶媒には
溶解しないので、粉状や液状等のその物質の本来の形態
のまま使用に供したり、一部には乳化処理を行って使用
されていた。そのため、使い勝手が悪く、外観的に美し
いものではなかった。また、乳化処理を行う場合におい
ても、その加工工程が非常に煩雑なものであった。この
ような実情から、従来油溶性物質を球状油脂類に含有さ
せた球状物が提案されている。
【0003】ところが、本発明者らはこのような球状物
においても、次のような問題点を解決する必要があるこ
とを知見した。 当該球状物は、常温においてもその表面のベタツキに
起因して球状物が相互に融合し、保存安定性に欠ける。 上記に起因する球状物相互間の融合により、定量的
取扱が困難となる。 当該球状物はその中に食品、医薬品、化粧品等として
有用な油溶性物質を含有させて使用されるものである
が、当該油溶性物質、さらには球状物を構成する油脂類
の酸化による劣化が起こる。 経皮吸収が要求される油溶性物質等においては、必ず
しも良好な経皮吸収性が得られない。 油溶性物質が揮発性のものである場合には、球状物の
表面より比較的速やかに揮散する。 球状物が柔らかく、取扱に不便である。
においても、次のような問題点を解決する必要があるこ
とを知見した。 当該球状物は、常温においてもその表面のベタツキに
起因して球状物が相互に融合し、保存安定性に欠ける。 上記に起因する球状物相互間の融合により、定量的
取扱が困難となる。 当該球状物はその中に食品、医薬品、化粧品等として
有用な油溶性物質を含有させて使用されるものである
が、当該油溶性物質、さらには球状物を構成する油脂類
の酸化による劣化が起こる。 経皮吸収が要求される油溶性物質等においては、必ず
しも良好な経皮吸収性が得られない。 油溶性物質が揮発性のものである場合には、球状物の
表面より比較的速やかに揮散する。 球状物が柔らかく、取扱に不便である。
【0004】従って、本発明の目的は上記の如き問題点
を一挙に解決しえる球状油脂類製品を提供することであ
る。
を一挙に解決しえる球状油脂類製品を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明者らは種々研究を重ねてきたところ、油溶
性物質および油脂類よりなり、融点10〜60℃の球状
物を水溶性ゲル中に分散させてなる球状油脂類分散製品
が上記の問題点を一挙に解決しえると共に、当該製品が
美観に優れ、さらに水溶性ゲル中に水溶性物質を溶解さ
せることによって、油溶性物質と水溶性物質を同時に含
む医薬製剤、化粧品等の製品を得ることができることを
知見し、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至っ
た。
めに、本発明者らは種々研究を重ねてきたところ、油溶
性物質および油脂類よりなり、融点10〜60℃の球状
物を水溶性ゲル中に分散させてなる球状油脂類分散製品
が上記の問題点を一挙に解決しえると共に、当該製品が
美観に優れ、さらに水溶性ゲル中に水溶性物質を溶解さ
せることによって、油溶性物質と水溶性物質を同時に含
む医薬製剤、化粧品等の製品を得ることができることを
知見し、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち、本発明は油溶性物質および油脂類よ
りなり、融点10〜60℃の球状物を水溶性ゲル中に分
散させてなる球状油脂類分散製品である。
りなり、融点10〜60℃の球状物を水溶性ゲル中に分
散させてなる球状油脂類分散製品である。
【0007】本発明において使用される油溶性物質は、
油脂類中に保持されて使用しえるものであれば、特に制
限はなく、食品、医薬品、化粧品、健康食品、調味料等
を初めとする広範囲の分野において使用される油溶性物
質が挙げられる。具体的に列挙すれば枚挙にいとまがな
いが、その内の極一部を列挙すれば次の通りである。
油脂類中に保持されて使用しえるものであれば、特に制
限はなく、食品、医薬品、化粧品、健康食品、調味料等
を初めとする広範囲の分野において使用される油溶性物
質が挙げられる。具体的に列挙すれば枚挙にいとまがな
いが、その内の極一部を列挙すれば次の通りである。
【0008】グリチルレチン酸ステアリン酸エステル、
グリチルレチン酸パルミチン酸エステル、L−アスコル
ビン酸パルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ステ
アリン酸エステル、ビタミンA、ビタミンD、ビタミン
E、レシチン、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエ
ン酸、スクワラン、ガンマーリノレン酸、油溶性甘草抽
出物、デキサメタゾンパルミチン酸エステル、イブプロ
フェン、ケトプロフェン、フルフェナム酸、クロロフィ
ル、サリチル酸メチル、リノール酸、シンナムアルデヒ
ド、メチルオイゲノール、パラアミノ安息香酸、D−
N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、イソチオ
シアン酸アリル、カルバクロール、2,2’−ジヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノンである。更に、エタ
ノールのようなわずかに油溶性を示すものでも、目的と
する含有量を満たすだけ油脂類に溶解すれば使用が可能
である。
グリチルレチン酸パルミチン酸エステル、L−アスコル
ビン酸パルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ステ
アリン酸エステル、ビタミンA、ビタミンD、ビタミン
E、レシチン、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエ
ン酸、スクワラン、ガンマーリノレン酸、油溶性甘草抽
出物、デキサメタゾンパルミチン酸エステル、イブプロ
フェン、ケトプロフェン、フルフェナム酸、クロロフィ
ル、サリチル酸メチル、リノール酸、シンナムアルデヒ
ド、メチルオイゲノール、パラアミノ安息香酸、D−
N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、イソチオ
シアン酸アリル、カルバクロール、2,2’−ジヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノンである。更に、エタ
ノールのようなわずかに油溶性を示すものでも、目的と
する含有量を満たすだけ油脂類に溶解すれば使用が可能
である。
【0009】本発明で使用される油脂類はそれ自体で、
または他の成分(ここに他の成分とは、上記油溶性物質
をも包含する概念である)を配合することによって、そ
の融点が10〜60℃となるものであれば特に制限はな
い。油脂類の具体例としては、脂肪酸グリセリンエステ
ル、脂肪酸アルコールエステル、パラフィンが挙げら
れ、より具体的には牛脂、豚脂、魚油、乳脂等の動物
油、それらの硬化油、綿実油、大豆油、トウモロコシ
油、カカオ脂等の植物油、それらの硬化油、ワックス、
ラノリン、ミツロウ、カルナバロウ、固形パラフィン等
が例示される。これらは単独で使用しても2種以上を併
用してもよい。
または他の成分(ここに他の成分とは、上記油溶性物質
をも包含する概念である)を配合することによって、そ
の融点が10〜60℃となるものであれば特に制限はな
い。油脂類の具体例としては、脂肪酸グリセリンエステ
ル、脂肪酸アルコールエステル、パラフィンが挙げら
れ、より具体的には牛脂、豚脂、魚油、乳脂等の動物
油、それらの硬化油、綿実油、大豆油、トウモロコシ
油、カカオ脂等の植物油、それらの硬化油、ワックス、
ラノリン、ミツロウ、カルナバロウ、固形パラフィン等
が例示される。これらは単独で使用しても2種以上を併
用してもよい。
【0010】また、融点を調整するためには、油脂類や
油溶性物質の融点を考慮した上で、それらの配合割合を
決定しなければならない。例えば、融点を上げるために
は融点の高い極度硬化油、固形パラフィンやカルナバロ
ウ等を多く配合し、融点を下げるためには植物性油脂等
の低融点油脂類の配合割合を増加させる方法等が例示さ
れる。球状油脂類の融点は10〜60℃であるが、好ま
しくは20〜50℃、さらに好ましくは25〜45℃で
ある。
油溶性物質の融点を考慮した上で、それらの配合割合を
決定しなければならない。例えば、融点を上げるために
は融点の高い極度硬化油、固形パラフィンやカルナバロ
ウ等を多く配合し、融点を下げるためには植物性油脂等
の低融点油脂類の配合割合を増加させる方法等が例示さ
れる。球状油脂類の融点は10〜60℃であるが、好ま
しくは20〜50℃、さらに好ましくは25〜45℃で
ある。
【0011】融点が10℃未満の場合には、球状油脂類
の製造時や分散させる際の取扱いが困難であり実用的で
はない。また、60℃以上の場合には皮膚等に適用した
場合に、常温ないし体温では溶融しにくいので、そこに
配合された油状物質の経皮吸収性に劣る。食用とする場
合にも60℃以上の融点のものは消化吸収性に劣る。
の製造時や分散させる際の取扱いが困難であり実用的で
はない。また、60℃以上の場合には皮膚等に適用した
場合に、常温ないし体温では溶融しにくいので、そこに
配合された油状物質の経皮吸収性に劣る。食用とする場
合にも60℃以上の融点のものは消化吸収性に劣る。
【0012】本発明において、油溶性物質および油脂よ
りなる球状物の粒径は、通常0.1〜5mm、好ましく
は0.5〜4mm、さらに好ましくは1〜3mmであ
る。球状物における油溶性物質の含有量は、通常0.1
〜50%(w/v)、好ましくは1〜30%(w/
v)、さらに好ましくは5〜20%(w/v)である。
りなる球状物の粒径は、通常0.1〜5mm、好ましく
は0.5〜4mm、さらに好ましくは1〜3mmであ
る。球状物における油溶性物質の含有量は、通常0.1
〜50%(w/v)、好ましくは1〜30%(w/
v)、さらに好ましくは5〜20%(w/v)である。
【0013】本発明にて使用される水溶性ゲルには、生
体に対して使用が許容されるものであることが好ましい
が、例えばカルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナト
リウム、寒天、ゼラチン、セルロース誘導体、ペクチ
ン、キサンタンガム、ポリビニルピロリドン、グリセロ
ール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール
等が例示される。これらは水に溶解又は混合して使用さ
れるが、グリセロールやカルボキシビニルポリマーのよ
うにエタノールの存在下においてもゲル化するものにつ
いてはエタノール水溶液に溶解又は混合して使用が可能
である。
体に対して使用が許容されるものであることが好ましい
が、例えばカルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナト
リウム、寒天、ゼラチン、セルロース誘導体、ペクチ
ン、キサンタンガム、ポリビニルピロリドン、グリセロ
ール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール
等が例示される。これらは水に溶解又は混合して使用さ
れるが、グリセロールやカルボキシビニルポリマーのよ
うにエタノールの存在下においてもゲル化するものにつ
いてはエタノール水溶液に溶解又は混合して使用が可能
である。
【0014】本発明の球状油脂類分散製品は、水溶性ゲ
ル中に球状物を分散させてなる球状油脂類分散製品であ
るが、水溶性ゲル中に分散される球状物の量は、通常1
〜80%(w/w)、好ましくは5〜60%(w/
w)、さらに好ましくは10〜30%(w/w)であ
る。
ル中に球状物を分散させてなる球状油脂類分散製品であ
るが、水溶性ゲル中に分散される球状物の量は、通常1
〜80%(w/w)、好ましくは5〜60%(w/
w)、さらに好ましくは10〜30%(w/w)であ
る。
【0015】本発明においては、水溶性ゲル中に水溶性
物質、特に生理活性を有する水溶性物質を配合すること
ができる。かくして上記油溶性物質と水溶性物質との併
用製品の提供が可能である。水溶性物質としては、例え
ばアスコルビン酸チアミン、リボフラビン、ショ糖、キ
シロース、ブドウ糖、乳糖、システイン、アラニン、グ
ルタミン酸ナトリウム、エタノール、水溶性香料、抗菌
性物質(グルクロン酸クロルヘキシジン、ホウ酸、安息
香酸ナトリウム等)が例示される。
物質、特に生理活性を有する水溶性物質を配合すること
ができる。かくして上記油溶性物質と水溶性物質との併
用製品の提供が可能である。水溶性物質としては、例え
ばアスコルビン酸チアミン、リボフラビン、ショ糖、キ
シロース、ブドウ糖、乳糖、システイン、アラニン、グ
ルタミン酸ナトリウム、エタノール、水溶性香料、抗菌
性物質(グルクロン酸クロルヘキシジン、ホウ酸、安息
香酸ナトリウム等)が例示される。
【0016】本発明の球状油脂分散製品は、たとえば油
溶性物質および油脂類よりなる組成物を溶融し、当該溶
融物より5〜50℃低い温度の水性溶媒中に滴下するこ
とによって球状物を製造し、さらに当該球状物を水溶性
ゲル中に分散させることによって製造される。
溶性物質および油脂類よりなる組成物を溶融し、当該溶
融物より5〜50℃低い温度の水性溶媒中に滴下するこ
とによって球状物を製造し、さらに当該球状物を水溶性
ゲル中に分散させることによって製造される。
【0017】上記方法において、油溶性物質および油脂
類よりなる組成物の溶融は、当該組成物を、その融点以
上の温度に加熱することによって行われる。通常は当該
組成物の融点より1〜30℃、好ましくは2〜20℃、
さらに好ましくは3〜10℃高い温度に加熱される。
類よりなる組成物の溶融は、当該組成物を、その融点以
上の温度に加熱することによって行われる。通常は当該
組成物の融点より1〜30℃、好ましくは2〜20℃、
さらに好ましくは3〜10℃高い温度に加熱される。
【0018】かくして調整された溶融物は、当該溶融物
より5〜50℃、好ましくは10〜40℃、さらに好ま
しくは15〜35℃低い温度の水性溶媒中に滴下するこ
とによって球状物とされる。水性溶媒としては、エタノ
ール水溶液、メタノール水溶液、アセトン水溶液等が例
示される。かくして製造された球状物は、水溶性ゲル中
に分散させる。分散は球状物の融点以下の温度条件下に
行われる。尚、本発明でいう融点とは透明融点をさす。
より5〜50℃、好ましくは10〜40℃、さらに好ま
しくは15〜35℃低い温度の水性溶媒中に滴下するこ
とによって球状物とされる。水性溶媒としては、エタノ
ール水溶液、メタノール水溶液、アセトン水溶液等が例
示される。かくして製造された球状物は、水溶性ゲル中
に分散させる。分散は球状物の融点以下の温度条件下に
行われる。尚、本発明でいう融点とは透明融点をさす。
【0019】
実施例1 グリチルレチン酸ステアリン酸エステル1gを水素添加
大豆油5g、ヤシ油5g、ラノリン5gの混合物ととも
に65℃に加熱融解した。融解後、30℃に調節した7
0%(w/v)エタノール水溶液中に滴下し、直径3m
mのグリチルレチン酸ステアリン酸エステル含有球状油
脂類を得た。この球状物100粒を20ccの0.3%
(w/v)カルボキシビニールポリマー水溶液中に分散
させ、球状油脂類分散製剤を得た。この球状油脂類分散
製剤から球状物を取り出し、両手の指間にアトピー性皮
膚炎を生じている小児の左手指間に5日間、朝晩(2回
/日、1回当たり5粒)塗布した。6日目に左右の指間
を比較したところ左手指間の炎症は治癒していたが、何
も処理を行わなかった右手指間の炎症は増悪していた。
大豆油5g、ヤシ油5g、ラノリン5gの混合物ととも
に65℃に加熱融解した。融解後、30℃に調節した7
0%(w/v)エタノール水溶液中に滴下し、直径3m
mのグリチルレチン酸ステアリン酸エステル含有球状油
脂類を得た。この球状物100粒を20ccの0.3%
(w/v)カルボキシビニールポリマー水溶液中に分散
させ、球状油脂類分散製剤を得た。この球状油脂類分散
製剤から球状物を取り出し、両手の指間にアトピー性皮
膚炎を生じている小児の左手指間に5日間、朝晩(2回
/日、1回当たり5粒)塗布した。6日目に左右の指間
を比較したところ左手指間の炎症は治癒していたが、何
も処理を行わなかった右手指間の炎症は増悪していた。
【0020】実施例2 L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル0.5gとビ
タミンE(純度40%、トウモロコシ油溶液)1gを水
素添加牛脂5g、大豆油4gとともに70℃に加熱融解
した。融解後、50℃にまで冷却し、20℃に調節した
75%(v/v)エタノール水溶液中に滴下し、直径2
mmのL−アスコルビン酸ステアリン酸エステルおよ
び、ビタミンE含有球状油脂類を得た。この混合組成物
をエタノール水溶液中より取り出し、その球状物30粒
をガラスシャレー中で20ccの1%(w/v)の寒天
溶液中に分散させることにより、化粧品として使用可能
なL−アスコルビン酸ステアリン酸エステルおよび、ビ
タミンE含有球状油脂類分散製剤を調製した。この製剤
は外観的に優れるのみでなく、30±5℃で30日間保
存した場合にも、球状物同士が癒着や融合することがな
く良好に保存された。一方、球状物のまま同一条件下で
シャレー中に保存したものには癒着が認められ、個々の
球状物を取り出すことが困難であった。
タミンE(純度40%、トウモロコシ油溶液)1gを水
素添加牛脂5g、大豆油4gとともに70℃に加熱融解
した。融解後、50℃にまで冷却し、20℃に調節した
75%(v/v)エタノール水溶液中に滴下し、直径2
mmのL−アスコルビン酸ステアリン酸エステルおよ
び、ビタミンE含有球状油脂類を得た。この混合組成物
をエタノール水溶液中より取り出し、その球状物30粒
をガラスシャレー中で20ccの1%(w/v)の寒天
溶液中に分散させることにより、化粧品として使用可能
なL−アスコルビン酸ステアリン酸エステルおよび、ビ
タミンE含有球状油脂類分散製剤を調製した。この製剤
は外観的に優れるのみでなく、30±5℃で30日間保
存した場合にも、球状物同士が癒着や融合することがな
く良好に保存された。一方、球状物のまま同一条件下で
シャレー中に保存したものには癒着が認められ、個々の
球状物を取り出すことが困難であった。
【0021】実施例3 純度50%のビタミンE(トウモロコシ油溶液)5gに
水素添加大豆油2g、流動パラフィン1g、蜜蝋1g、
カルナバロウ1g、ヤシ油1g、ラノリン1gおよびβ
−カロチン0.5gを加え85℃に加熱融解し、混合し
た。この混合物を50℃にまで冷却した。更に、この混
合物を15℃の80%エタノール水溶液中に滴下し、黄
色を呈する直径2.5mmのビタミンE含有球状油脂類
を得た。この球状物50粒を0.2%(w/v)のカル
ビキシビニールポリマーゲル中に分散させて外観的にも
優れた化粧品として使用できるビタミンE含有球状油脂
類分散製剤を得た。この製剤については球状物を1個毎
に定量的に取り出すことが可能であった。一方、原料と
して使用した液体状のビタミンEは茶褐色で粘性が高
く、定量的に使用することが困難であった。また、上記
の配合で調整した混合物を球状に成形することなく、融
解したまま冷却したものについては常温で半固形状を呈
し、使い勝手の悪いものであった。
水素添加大豆油2g、流動パラフィン1g、蜜蝋1g、
カルナバロウ1g、ヤシ油1g、ラノリン1gおよびβ
−カロチン0.5gを加え85℃に加熱融解し、混合し
た。この混合物を50℃にまで冷却した。更に、この混
合物を15℃の80%エタノール水溶液中に滴下し、黄
色を呈する直径2.5mmのビタミンE含有球状油脂類
を得た。この球状物50粒を0.2%(w/v)のカル
ビキシビニールポリマーゲル中に分散させて外観的にも
優れた化粧品として使用できるビタミンE含有球状油脂
類分散製剤を得た。この製剤については球状物を1個毎
に定量的に取り出すことが可能であった。一方、原料と
して使用した液体状のビタミンEは茶褐色で粘性が高
く、定量的に使用することが困難であった。また、上記
の配合で調整した混合物を球状に成形することなく、融
解したまま冷却したものについては常温で半固形状を呈
し、使い勝手の悪いものであった。
【0022】実施例4 ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、レシチン、エイ
コサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸の各々0.1g
を80℃に加熱したヤシ油5g、水素添加大豆油5gの
混合液に溶解し、生理活性物質含有油脂を調整した。こ
の生理活性物質含有油脂を内径1mmのノズルから75
%(w/v)メタノール水溶液中に滴下し、直径2mm
の生理活性物質含有球状油脂類を得た。この粒25個を
5ccの1%アルギン酸ナトリウムゲル中に分散させる
ことにより、食品として利用し得る、外観的にも優れた
生理活性物質含有球状油脂類分散製剤を得た。この製剤
は30±5℃で10日間保存した場合に良好な状態で保
存したものについては球状物同士が癒着して、使い勝手
の悪いものとなっていた。
コサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸の各々0.1g
を80℃に加熱したヤシ油5g、水素添加大豆油5gの
混合液に溶解し、生理活性物質含有油脂を調整した。こ
の生理活性物質含有油脂を内径1mmのノズルから75
%(w/v)メタノール水溶液中に滴下し、直径2mm
の生理活性物質含有球状油脂類を得た。この粒25個を
5ccの1%アルギン酸ナトリウムゲル中に分散させる
ことにより、食品として利用し得る、外観的にも優れた
生理活性物質含有球状油脂類分散製剤を得た。この製剤
は30±5℃で10日間保存した場合に良好な状態で保
存したものについては球状物同士が癒着して、使い勝手
の悪いものとなっていた。
【0023】実施例5 実施例4で調製した生理活性物質含有球状油脂類50個
を10ccの2.5%ゼラチンゲル中に分散させ、食品
として利用し得る、外観的にも優れた生理活性物質含有
球状油脂類分散製剤を得た。
を10ccの2.5%ゼラチンゲル中に分散させ、食品
として利用し得る、外観的にも優れた生理活性物質含有
球状油脂類分散製剤を得た。
【0024】実施例6 オリーブ油1g、みつ蝋3g、ラノリン3gの混合物を
65℃に加熱溶解し、よく攪拌した。55℃に冷却した
後、シンナムアルデヒド1gを加え更に攪拌した。この
混合組成物を内径1mmのノズルから25℃の70%(v
/v)エタノール水溶液中に滴下し、シンナムアルデヒ
ド含有球状油脂類を得た。この球状物を50粒ずつ2個
の50cc容のガラスビーカーにとり、一方には0.3
%(w/v)寒天ゲルを20g流し込み、球状油脂類分
散製品を得た。もう一方は、ガラスビーカーに球状物を
いれたまま、対照とした。蓋をせずに室温中に放置した
のち、経時的にシンナムアルデヒドの保持状態を検討し
た。即ち、両方のビーカーから球状物3個を取り出し、
70℃の温水上に浮遊させることにより、溶融した球状
物から放散されるシンナムアルデヒド特有の芳香を調べ
た。その結果、球状油脂類分散製品では保存開始後、3
ヶ月間は良好に保持されていた。更に、6ヶ月後にも僅
かに芳香が感知され、本製品が長期間にわたり、揮発性
物質を封入保持することが可能であることが示された。
一方、対照は保存開始後1週間後に既に芳香が減弱して
おり、2週間後には感知できなかった。
65℃に加熱溶解し、よく攪拌した。55℃に冷却した
後、シンナムアルデヒド1gを加え更に攪拌した。この
混合組成物を内径1mmのノズルから25℃の70%(v
/v)エタノール水溶液中に滴下し、シンナムアルデヒ
ド含有球状油脂類を得た。この球状物を50粒ずつ2個
の50cc容のガラスビーカーにとり、一方には0.3
%(w/v)寒天ゲルを20g流し込み、球状油脂類分
散製品を得た。もう一方は、ガラスビーカーに球状物を
いれたまま、対照とした。蓋をせずに室温中に放置した
のち、経時的にシンナムアルデヒドの保持状態を検討し
た。即ち、両方のビーカーから球状物3個を取り出し、
70℃の温水上に浮遊させることにより、溶融した球状
物から放散されるシンナムアルデヒド特有の芳香を調べ
た。その結果、球状油脂類分散製品では保存開始後、3
ヶ月間は良好に保持されていた。更に、6ヶ月後にも僅
かに芳香が感知され、本製品が長期間にわたり、揮発性
物質を封入保持することが可能であることが示された。
一方、対照は保存開始後1週間後に既に芳香が減弱して
おり、2週間後には感知できなかった。
【0025】実施例7 実施例1で調製したグリチルレチン酸ステアリン酸エス
テル含有球状物をカルボキシビニルポリマー0.2%
(w/v)、赤色3号色素(エリスロシン)0.05%
(w/v)から成る水溶性ゲル中に分散させて球状油脂
類分散製品を得た。このものを透明なガラス容器中に収
納することにより、外観的に更に美観を増すことがで
き、小児についても自主的に外用薬としての皮膚への適
用を望む製品とすることができた。
テル含有球状物をカルボキシビニルポリマー0.2%
(w/v)、赤色3号色素(エリスロシン)0.05%
(w/v)から成る水溶性ゲル中に分散させて球状油脂
類分散製品を得た。このものを透明なガラス容器中に収
納することにより、外観的に更に美観を増すことがで
き、小児についても自主的に外用薬としての皮膚への適
用を望む製品とすることができた。
【0026】実施例8 実施例2で調製したL−アスコルビン酸ステアリン酸エ
ステルおよびビタミンE含有球状物20個を下記の組成
のゲル(10ml)中に分散させ、外用薬としても経口剤
としても適用の可能な総合ビタミン類含有球状油脂類分
散製品を得た。70%(w/v)エタノール、25%
(w/v)グリセロール、4.945%(w/v)水、
0.05%(w/v)パントテン酸カルシウム、0.0
05%(w/v)リボフラビン
ステルおよびビタミンE含有球状物20個を下記の組成
のゲル(10ml)中に分散させ、外用薬としても経口剤
としても適用の可能な総合ビタミン類含有球状油脂類分
散製品を得た。70%(w/v)エタノール、25%
(w/v)グリセロール、4.945%(w/v)水、
0.05%(w/v)パントテン酸カルシウム、0.0
05%(w/v)リボフラビン
【0027】
【発明の効果】本発明により、従来の油溶性物質を球状
油脂に含有させた球状物の有する下記の問題点の解決さ
れた製品が提供される。 当該球状物は、常温においてもその表面のベタツキに
起因して球状物が相互に融合し、保存安定性に欠ける。 上記に起因する球状物相互間の融合により、定量的
取扱が困難となる。 当該球状物はその中に食品、医薬品、化粧品等として
有用な油溶性物質を含有させて使用されるものである
が、当該油溶性物質、さらには球状物を構成する油脂の
酸化による劣化が起こる。 経皮吸収が要求される油溶性物質等においては、必ず
しも良好な経皮吸収性が得られない。 油溶性物質が揮発性のものである場合には、球状物の
表面より比較的速やかに揮散する。 球状物が柔らかく、取扱に不便である。
油脂に含有させた球状物の有する下記の問題点の解決さ
れた製品が提供される。 当該球状物は、常温においてもその表面のベタツキに
起因して球状物が相互に融合し、保存安定性に欠ける。 上記に起因する球状物相互間の融合により、定量的
取扱が困難となる。 当該球状物はその中に食品、医薬品、化粧品等として
有用な油溶性物質を含有させて使用されるものである
が、当該油溶性物質、さらには球状物を構成する油脂の
酸化による劣化が起こる。 経皮吸収が要求される油溶性物質等においては、必ず
しも良好な経皮吸収性が得られない。 油溶性物質が揮発性のものである場合には、球状物の
表面より比較的速やかに揮散する。 球状物が柔らかく、取扱に不便である。
Claims (3)
- 【請求項1】 油溶性物質および油脂類よりなり、融点
10〜60℃の球状物を水溶性ゲル中に分散させてなる
球状油脂類分散製品。 - 【請求項2】 油溶性物質および油脂類よりなる組成物
を溶融し、当該溶融物より5〜50℃低い温度の水性溶
媒中に滴下することによって製造された球状物を水溶性
ゲル中に分散させてなる球状油脂類分散製品。 - 【請求項3】 油溶性物質および油脂類よりなる組成物
の融点が10〜60℃である請求項2記載の球状油脂類
分散製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3354647A JPH05179283A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 球状油脂類分散製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3354647A JPH05179283A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 球状油脂類分散製品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05179283A true JPH05179283A (ja) | 1993-07-20 |
Family
ID=18438963
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3354647A Pending JPH05179283A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 球状油脂類分散製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05179283A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2736803A1 (fr) * | 1995-07-19 | 1997-01-24 | Franvet | Composition vitaminee stabilisee |
JP2011032181A (ja) * | 2009-07-30 | 2011-02-17 | Key Tranding Co Ltd | 組み合わせ化粧料およびその製法 |
-
1991
- 1991-12-18 JP JP3354647A patent/JPH05179283A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2736803A1 (fr) * | 1995-07-19 | 1997-01-24 | Franvet | Composition vitaminee stabilisee |
JP2011032181A (ja) * | 2009-07-30 | 2011-02-17 | Key Tranding Co Ltd | 組み合わせ化粧料およびその製法 |
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