JPH05179238A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JPH05179238A
JPH05179238A JP4000877A JP87792A JPH05179238A JP H05179238 A JPH05179238 A JP H05179238A JP 4000877 A JP4000877 A JP 4000877A JP 87792 A JP87792 A JP 87792A JP H05179238 A JPH05179238 A JP H05179238A
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JP
Japan
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cyano
propenoate
methyl
group
light emitting
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Pending
Application number
JP4000877A
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English (en)
Inventor
Takenobu Hatasawa
剛信 畠沢
Takahiro Hidaka
敬浩 日高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP4000877A priority Critical patent/JPH05179238A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低電圧の条件下においても高い発光輝度を有
しこの高い輝度で長時間安定して発光することのできる
有機電界発光素子を提供すること。 【構成】 陽極用透明電極2が形成されたガラス基板1
の陽極用透明電極2面に、正孔輸送層3、発光層4、電
子輸送層5、陰極用金属電極6をこの順に積層して成
り、上記発光層4を下記化学式(1)で示されるケイ皮
酸エステル誘導体で構成したことを特徴とし、素子構成
材料にダメージを与えることのない10V以下の極低電
圧で高輝度に発光するため長期間安定して発光する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機色素より成る発光
層を備える有機電界発光素子に係り、特に、10V以下
の極低電圧の条件下でも高い輝度の発光を生じる有機電
界発光素子の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電界発光素子は従来からよく知られてお
り、一般には2つの電極間に正孔輸送層と発光層とを備
え、正孔輸送層を通じて陽極電極から供給された正孔と
他方の陰極電極から供給された電子とが上記発光層と正
孔輸送層の界面で再結合して一重項励起子を生成し上記
発光層が発光する。
【0003】そして、上記電界発光素子の発光効率を高
めるためには、電子や正孔等の電荷注入効率、電荷輸送
効率、一重項励起子生成確率、及び、一重項励起子の発
光遷移確率等を高めることが重要であり、例えば、陰極
電極から電子を適切に発光層に輸送すると共に、正孔輸
送層から輸送された正孔が一重項励起子生成に関与せず
発光層を透過して陰極へ移動することを防止する電子輸
送層を上記発光層と陰極電極の間に設け、一重項励起子
生成確率を向上させて発光効率を高めた電界発光素子も
知られている。
【0004】ところで、このような電界発光素子として
は、従来、発光層に硫化セレンや硫化亜鉛等の無機系蛍
光体を用いた無機系の電界発光素子が一般的であった
が、近年、発光層として有機色素を利用して発光させる
有機電界発光素子が提案されるに至った。
【0005】このような有機電界発光素子としては、例
えば、特開昭59−194393号公報に記載されたも
のが知られている。すなわち、特開昭59−19439
3号に記載された有機電界発光素子は、陽極上に順次、
正孔輸送層、有機色素よりなる発光層(これら2層合計
の厚みが1μmを越えない)、陰極を設けて構成された
ものである。そして、104 〜106 (V/cm)の電場が与
えられた電極間に配置されたときに少なくとも10
-6(cm2 /V・sec)の正孔移動係数を持ち、かつ波長が4
00nm以上の光に対し少なくとも90%の透過率を有す
る芳香族アミンを上記正孔輸送層(正孔インジェクショ
ン帯域)に用い、かつ、電界発光素子として25V以下
の電圧で駆動したときに、少なくとも5×10-4光子/
電子のエレクトロルミネッセンス量子効率(外部回路に
て測定可能な電子/秒に対する電界発光セルから放出さ
れる光子/秒の比)を与える電子伝達化合物を発光層に
用いたもので、両電極間に25V以下の低電圧を印加し
た場合に少なくとも9×10-5(W/W)に及ぶ電力転
換効率(入力に対する出力の比で定義されシステムの駆
動電圧の関数)をもって発光するものであった。
【0006】そして、このようなエレクトロルミネッセ
ンス量子効率を与える発光層として、4,4’ビス
[5,7−ジ−t−ベンチル−2−ベンゾキサゾリル]
スチルベン、2,5−ビス[5,7−ジ−t−ベンチル
−2−ベンゾキサゾリル]チオフェン、2,2’−
(1,4−フェニレンジビニレン)ビスベンゾチアゾー
ル、2,2’−(4,4’ビフェニレン)ビスベンゾチ
アゾール、ビス(8−ヒドロキシキノリノ)マグネシウ
ム、2,5−ビス[5−(α,α−ジメチルベンジル)
−2−ベンゾキサゾリル]チオフェン、2,5−ビス
[5,7−ジ−t−ベンチル−2−ベンゾキサゾリル]
−3,4−ジフェニルチオフェン、2,5−ビス(5,
7−ジ−t−ベンチル−2−ベンゾキサリゾル)−1,
3,4−チアゾール、2−(4−ビフェニル)−6−フ
ェニルベンゾキサゾール、1,1,4,4−テトラアェ
ニル−1,3−ブタジエン、ビス(8−ヒドロキシキノ
リノ)アルミニウム等から成る有機色素が適用され、お
よそ20〜25V程度の電圧で駆動されるものであっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記特開昭59
−194393号公報記載の有機電界発光素子は、その
発光層に用いられる上記有機色素が十分なエレクトロル
ミネッセンス量子効率を有しておらず、約20V以上の
駆動電圧を印加しなければ最高発光輝度が得られないも
のばかりであった。
【0008】また、特開昭59−194393号公報に
も記載されているように、上記素子では、電圧破壊を引
き起こす値に限りなく近い電圧を印加しなければ最高輝
度が得られないものであった。すなわち、上記素子にお
いては実用に適する高い発光輝度を得るためには20V
以上という高い電圧を要し、この高電圧が素子構成材料
である有機化合物にダメージを与えるため、電荷注入効
率、電荷輸送効率及び一重項励起子生成確率の低下が生
じて抵抗値が増大し、駆動電圧の上昇とジュール発熱の
増大を引き起こし、これらの現象に基づいてついには素
子自体の破壊をもたらし、従って、長時間安定して高輝
度に発光させるには十分な信頼性を有していない問題点
があった。
【0009】本発明はこの様な問題点に着目してなされ
たもので、その課題とするところは、低電圧の条件下に
おいても高い発光輝度を有し、この高い輝度で長時間安
定して発光することのできる有機電界発光素子を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この様な技術的背景の
下、本発明者等が低電圧で高輝度に発光し得る有機色素
について鋭意検討した結果、ある特定のケイ皮酸エステ
ル誘導体が10V以下という極低電圧においても効率よ
く好ましい発光を示すことを見出だし本発明を完成する
に至ったものである。
【0011】すなわち、請求項1に係る発明は、2つの
電極間に、正孔輸送層と有機色素より成る発光層とを備
え、又は、正孔輸送層と電子輸送層及びこれ等に挟まれ
た有機色素より成る発光層とを備える有機電界発光素子
を前提とし、上記発光層が下記一般式(1)で示される
ケイ皮酸エステル誘導体により構成されていることを特
徴とするものである。
【0012】
【化4】 (式中、D1 はドナー基をまたD2 はドナー基又は水素
を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基
又はフェニル基を表す。)尚、上記ドナー基としては、
アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アセ
チルアミノ基、ジフェニルアミノ基、炭素数1〜4のア
ルコキシ基又はアルキル基、水酸基等が適用できる。
【0013】ところで、化学式(1)で示されるケイ皮
酸エステル誘導体の中でも、D1 がアミノ基、ジメチル
アミノ基、ジエチルアミノ基、アセチルアミノ基又はジ
フェニルアミノ基、D2 が水素であり、Rが炭素数1〜
4のアルキル基又はフェニル基のケイ皮酸エステル誘導
体が好ましく適用することができる。
【0014】請求項2に係る発明はこの様な技術的根拠
に基づき完成されたものである。
【0015】すなわち、請求項2に係る発明は上記請求
項1に係る有機電界発光素子を前提とし、上記発光層が
下記一般式(2)で示されるケイ皮酸エステル誘導体で
構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
【化5】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル
基を表し、Xはアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチル
アミノ基、アセチルアミノ基又はジフェニルアミノ基を
表す。)このようなケイ皮酸エステル誘導体の具体例と
しては、2−シアノ−3−(4−アミノフェニル)−2
−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−アミノフ
ェニル)−2−プロペン酸エチル、2−シアノ−3−
(4−アミノフェニル)−2−プロペン酸プロピル、2
−シアノ−3−(4−アミノフェニル)−2−プロペン
酸イソプロピル、2−シアノ−3−(4−アミノフェニ
ル)−2−プロペン酸ブチル、2−シアノ−3−(4−
アミノフェニル)−2−プロペン酸イソブチル、2−シ
アノ−3−(4−アミノフェニル)−2−プロペン酸フ
ェニル、2−シアノ−3−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−
ジメチルアミノフェニル)−2−プロペン酸エチル、2
−シアノ−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−
プロペン酸プロピル、2−シアノ−3−(4−ジメチル
アミノフェニル)−2−プロペン酸イソプロピル、2−
シアノ−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−プ
ロペン酸ブチル、2−シアノ−3−(4−ジメチルアミ
ノフェニル)−2−プロペン酸イソブチル、2−シアノ
−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−プロペン
酸フェニル、2−シアノ−3−(4−ジエチルアミノフ
ェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−
(4−ジエチルアミノフェニル)−2−プロペン酸エチ
ル、2−シアノ−3−(4−ジエチルアミノフェニル)
−2−プロペン酸プロピル、2−シアノ−3−(4−ジ
エチルアミノフェニル)−2−プロペン酸イソプロピ
ル、2−シアノ−3−(4−ジエチルアミノフェニル)
−2−プロペン酸ブチル、2−シアノ−3−(4−ジエ
チルアミノフェニル)−2−プロペン酸イソブチル、2
−シアノ−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−2−
プロペン酸フェニル、2−シアノ−3−(4−アセチル
アミノフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ
−3−(4−アセチルアミノフェニル)−2−プロペン
酸エチル、2−シアノ−3−(4−アセチルアミノフェ
ニル)−2−プロペン酸プロピル、2−シアノ−3−
(4−アセチルアミノフェニル)−2−プロペン酸イソ
プロピル、2−シアノ−3−(4−アセチルアミノフェ
ニル)−2−プロペン酸ブチル、2−シアノ−3−(4
−アセチルアミノフェニル)−2−プロペン酸イソブチ
ル、2−シアノ−3−(4−アセチルアミノフェニル)
−2−プロペン酸フェニル、2−シアノ−3−(4−フ
ェニルアミノフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−
シアノ−3−(4−フェニルアミノフェニル)−2−プ
ロペン酸エチル、2−シアノ−3−(4−フェニルアミ
ノフェニル)−2−プロペン酸プロピル、2−シアノ−
3−(4−フェニルアミノフェニル)−2−プロペン酸
イソプロピル、2−シアノ−3−(4−フェニルアミノ
フェニル)−2−プロペン酸ブチル、2−シアノ−3−
(4−フェニルアミノフェニル)−2−プロペン酸イソ
ブチル、2−シアノ−3−(4−フェニルアミノフェニ
ル)−2−プロペン酸フェニル、2−シアノ−3−(4
−ジフェニルアミノフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(4−ジフェニルアミノフェニ
ル)−2−プロペン酸エチル、2−シアノ−3−(4−
ジフェニルアミノフェニル)−2−プロペン酸プロピ
ル、2−シアノ−3−(4−ジフェニルアミノフェニ
ル)−2−プロペン酸イソプロピル、2−シアノ−3−
(4−ジフェニルアミノフェニル)−2−プロペン酸ブ
チル、2−シアノ−3−(4−ジフェニルアミノフェニ
ル)−2−プロペン酸イソブチル、2−シアノ−3−
(4−ジフェニルアミノフェニル)−2−プロペン酸フ
ェニル、などが挙げられる。
【0017】また、上記化学式(1)で示されるケイ皮
酸エステル誘導体の中でD1 が炭素数1〜4のアルコキ
シ基又はアルキル基、D2 が炭素数1〜3のアルコキシ
基、アルキル基、水酸基又は水素、R4 が炭素数1〜4
のアルキル基又はフェニル基のケイ皮酸エステル誘導体
も好ましく適用することができる。
【0018】請求項3に係る発明はこの様な技術的根拠
に基づき完成されている。
【0019】すなわち、請求項3に係る発明は上記請求
項1に係る有機電界発光素子を前提を前提とし、上記発
光層が下記一般式(3)で示されるケイ皮酸エステル誘
導体で構成されることを特徴とするものである。
【0020】
【化6】 (式中、R2 は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアルキ
ル基を表し、R3 は炭素数1〜4のアルコキシ基、アル
キル基、水酸基又は水素を表す。また、R4 は炭素数1
〜4のアルキル基又はフェニル基を表す。)このような
ケイ皮酸エステル誘導体のうち、R2 がアルキル基、R
3 が水酸基、R4 がメチル基の場合の具体例を示すと、
2−シアノ−3−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−
エチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸メ
チル、2−シアノ−3−(3−プロピル−4−ヒドロキ
シフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3
−(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)−2
−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2
−シアノ−3−(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3
−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸
メチル、2−シアノ−3−(3−エチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3
−(3−プロピル−2−ヒドロキシフェニル)−2−プ
ロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−イソプロピル
−2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、
2−シアノ−3−(3−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−
イソブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン
酸メチル、2−シアノ−3−(3−メチル−3-ヒドロキ
シフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3
−(3−エチル−3−ヒドロキシフェニル)−2−プロ
ペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−プロピル−3−
ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シ
アノ−3−(3−イソプロピル−3−ヒドロキシフェニ
ル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−
ブチル−3−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸メ
チル、2−シアノ−3−(3−イソブチル−3−ヒドロ
キシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−
3−(2−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−2−プ
ロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2−エチル−2−
ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シ
アノ−3−(2−プロピル−2−ヒドロキシフェニル)
−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2−イソ
プロピル−2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸
メチル、2−シアノ−3−(2−ブチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3
−(2−イソブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2−
プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2−メチル−3
−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−
シアノ−3−(2−エチル−3−ヒドロキシフェニル)
−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2−プロ
ピル−3−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(2−イソプロピル−3−ヒドロ
キシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−
3−(2−ブチル−3−ヒドロキシフェニル)−2−プ
ロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2−イソブチル−
3−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2
−シアノ−3−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2−
エチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸メ
チル、2−シアノ−3−(2−プロピル−4−ヒドロキ
シフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3
−(2−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)−2
−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2
−シアノ−3−(2−イソブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(4
−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸
メチル、2−シアノ−3−(4−エチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3
−(4−プロピル−2−ヒドロキシフェニル)−2−プ
ロペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−イソプロピル
−2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、
2−シアノ−3−(4−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−
イソブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン
酸メチル、2−シアノ−3−(4−メチル−3−ヒドロ
キシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−
3−(4−エチル−3−ヒドロキシフェニル)−2−プ
ロペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−プロピル−3
−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−
シアノ−3−(4−イソプロピル−3−ヒドロキシフェ
ニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(4
−ブチル−3−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン酸
メチル、2−シアノ−3−(4−イソブチル−3−ヒド
ロキシフェニル)−2−プロペン酸メチル等が挙げられ
る。またR4 がエチル基、プロピル基、フェニル基等の
場合は、上記ケイ皮酸エステル誘導体のメチル基の代わ
りにエチル基、プロピル基、フェニル基等の官能基を有
するケイ皮酸エステル誘導体が使用できる。
【0021】また上記化学式(3)で示されるケイ皮酸
エステル誘導体のうち、R2 がアルキル基、R3 が水
素、R4 がメチル基の場合の具体例を示すと、2−シア
ノ−3−(3−メチルフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(3−エチルフェニル)−2−プ
ロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−プロピルフェ
ニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3
−イソプロピルフェニル)−2−プロペン酸メチル、2
−シアノ−3−(3−ブチルフェニル)−2−プロペン
酸メチル、2−シアノ−3−(3−イソブチルフェニ
ル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2−
メチルフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ
−3−(2−エチルフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(2−プロピルフェニル)−2−
プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2−イソプロピ
ルフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3
−(2−ブチルフェニル)−2−プロペン酸メチル、2
−シアノ−3−(2−イソブチルフェニル)−2−プロ
ペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−メチルフェニ
ル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−
エチルフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ
−3−(4−プロピルフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(4−イソプロピルフェニル)−
2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−ブチル
フェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−
(4−イソブチルフェニル)−2−プロペン酸メチル、
などが挙げられる。R4 がエチル基、プロピル基、フェ
ニル基等の場合は、上記ケイ皮酸エステル誘導体のメチ
ル基の代わりにエチル基、プロピル基、フェニル基等の
官能基を有するケイ皮酸エステル誘導体が使用できる。
【0022】更に、上記化学式(3)で示されるケイ皮
酸エステル誘導体のうち、R2 がアルコキシ基、R3
2位のアルキル基、R4 がメチル基の場合は、2−シア
ノ−3−(2−メチル−2−メトキシフェニル)−2−
プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2−エチル−2
−メトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シ
アノ−3−(2−プロピル−2−メトキシフェニル)−
2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2−イソプ
ロピル−2−メトキシフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(2−ブチル−2−メトキシフェ
ニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2
−イソブチル−2−メトキシフェニル)−2−プロペン
酸メチル、2−シアノ−3−(2−メチル−2−エトキ
シフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3
−(2−エチル−2−エトキシフェニル)−2−プロペ
ン酸メチル、2−シアノ−3−(2−プロピル−2−エ
トキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ
−3−(2−イソプロピル−2−エトキシフェニル)−
2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2−ブチル
−2−エトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2
−シアノ−3−(2−イソブチル−2−エトキシフェニ
ル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−
メチル−2−メトキシフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(3−エチル−2−メトキシフェ
ニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3
−プロピル−2−メトキシフェニル)−2−プロペン酸
メチル、2−シアノ−3−(3−イソプロピル−2−メ
トキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ
−3−(3−ブチル−2−メトキシフェニル)−2−プ
ロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−イソブチル−
2−メトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−
シアノ−3−(3−メチル−2−エトキシフェニル)−
2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−エチル
−2−エトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2
−シアノ−3−(3−プロピル−2−エトキシフェニ
ル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−
イソプロピル−2−エトキシフェニル)−2−プロペン
酸メチル、2−シアノ−3−(3−ブチル−2−エトキ
シフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3
−(3−イソブチル−2−エトキシフェニル)−2−プ
ロペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−メチル−2−
メトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シア
ノ−3−(4−エチル−2−メトキシフェニル)−2−
プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−プロピル−
2−メトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−
シアノ−3−(4−イソプロピル−2−メトキシフェニ
ル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−
ブチル−2−メトキシフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(4−イソブチル−2−メトキシ
フェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−
(4−メチル−2−エトキシフェニル)−2−プロペン
酸メチル、2−シアノ−3−(4−エチル−2−エトキ
シフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3
−(4−プロピル−2−エトキシフェニル)−2−プロ
ペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−イソプロピル−
2−エトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−
シアノ−3−(4−ブチル−2−エトキシフェニル)−
2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−イソブ
チル−2−エトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル
等が適用できる。また、R3 が3位もしくは4位のアル
キル基である場合及びそのそれぞれにおいてR4 がエチ
ル基、プロピル基、フェニル基などである場合も同様で
ある。
【0023】また、上記化学式(3)で示されるケイ皮
酸エステル誘導体のうち、R2 がアルコキシ基、R3
水酸基、R4 がメチル基の場合は、2−シアノ−3−
(2−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−2−プロ
ペン酸メチル、2−シアノ−3−(2−ヒドロキシ−2
−エトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シ
アノ−3−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)
−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2−ヒド
ロキシ−3−エトキシフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ
フェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−
(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−2−プロ
ペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−ヒドロキシ−2
−メトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シ
アノ−3−(3−ヒドロキシ−2−エトキシフェニル)
−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−ヒド
ロキシ−3−メトキシフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(3−ヒドロキシ−3−エトキシ
フェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−
(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−プロ
ペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−ヒドロキシ−4
−エトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シ
アノ−3−(4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)
−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−ヒド
ロキシ−2−エトキシフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ
フェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−
(4−ヒドロキシ−3−エトキシフェニル)−2−プロ
ペン酸メチル、等が使用できる。R4 がエチル基、プロ
ピル基、フェニル基等の場合は、上記ケイ皮酸エステル
誘導体のメチル基の代わりにエチル基、プロピル基、フ
ェニル基等の官能基を有するケイ皮酸エステル誘導体が
使用できる。
【0024】次に、上記化学式(3)で示されるケイ皮
酸エステル誘導体のうち、R2 及びR3 が共にアルコキ
シ基、R4 がメチル基の場合は、2−シアノ−3−
(2,2−ジメトキシフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(2,3−ジメトキシフェニル)
−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2,4−
ジメトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シ
アノ−3−(3,3−ジメトキシフェニル)−2−プロ
ペン酸メチル、2−シアノ−3−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−
(2,2−ジエトキシフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(2,3−ジエトキシフェニル)
−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(2,4−
ジエトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シ
アノ−3−(3,3−ジエトキシフェニル)−2−プロ
ペン酸メチル、2−シアノ−3−(3,4−ジエトキシ
フェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−
(2−メトキシ−2−エトキシフェニル)−2−プロペ
ン酸メチル、2−シアノ−3−(2−メトキシ−3−エ
トキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ
−3−(2−メトキシ−4−エトキシフェニル)−2−
プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−メトキシ−
2−エトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−
シアノ−3−(3−メトキシ−3−エトキシフェニル)
−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−メト
キシ−4−エトキシフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(4−メトキシ−2−エトキシフ
ェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−
(4−メトキシ−3−エトキシフェニル)−2−プロペ
ン酸メチル等が使用できる。R4 がエチル基、プロピル
基、フェニル基等の場合は、上記ケイ皮酸エステル誘導
体のメチル基の代わりにエチル基、プロピル基、フェニ
ル基等の官能基を有するケイ皮酸エステル誘導体が使用
できる。
【0025】更に、上記化学式(3)で示されるケイ皮
酸エステル誘導体のうち、R2 及びR3 が共にアルコキ
シ基、R4 が水素の場合は、2−シアノ−3−(2−メ
トキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ
−3−(2−メトキシフェニル)−2−プロペン酸エチ
ル、2−シアノ−3−(2−メトキシフェニル)−2−
プロペン酸プロピル、2−シアノ−3−(2−メトキシ
フェニル)−2−プロペン酸イソプロピル、2−シアノ
−3−(2−メトキシフェニル)−2−プロペン酸ブチ
ル、2−シアノ−3−(2−メトキシフェニル)−2−
プロペン酸イソブチル、2−シアノ−3−(2−メトキ
シフェニル)−2−プロペン酸フェニル、2−シアノ−
3−(2−エトキシフェニル)−2−プロペン酸メチ
ル、2−シアノ−3−(2−エトキシフェニル)−2−
プロペン酸エチル、2−シアノ−3−(2−エトキシフ
ェニル)−2−プロペン酸プロピル、2−シアノ−3−
(2−エトキシフェニル)−2−プロペン酸イソプロピ
ル、2−シアノ−3−(2−エトキシフェニル)−2−
プロペン酸ブチル、2−シアノ−3−(2−エトキシフ
ェニル)−2−プロペン酸イソブチル、2−シアノ−3
−(2−エトキシフェニル)−2−プロペン酸フェニ
ル、2−シアノ−3−(3−メトキシフェニル)−2−
プロペン酸メチル、2−シアノ−3−(3−メトキシフ
ェニル)−2−プロペン酸エチル、2−シアノ−3−
(3−メトキシフェニル)−2−プロペン酸プロピル、
2−シアノ−3−(3−メトキシフェニル)−2−プロ
ペン酸イソプロピル、2−シアノ−3−(3−メトキシ
フェニル)−2−プロペン酸ブチル、2−シアノ−3−
(3−メトキシフェニル)−2−プロペン酸イソブチ
ル、2−シアノ−3−(3−メトキシフェニル)−2−
プロペン酸フェニル、2−シアノ−3−(3−エトキシ
フェニル)−2−プロペン酸メチル、2−シアノ−3−
(3−エトキシフェニル)−2−プロペン酸エチル、2
−シアノ−3−(3−エトキシフェニル)−2−プロペ
ン酸プロピル、2−シアノ−3−(3−エトキシフェニ
ル)−2−プロペン酸イソプロピル、2−シアノ−3−
(3−エトキシフェニル)−2−プロペン酸ブチル、2
−シアノ−3−(3−エトキシフェニル)−2−プロペ
ン酸イソブチル、2−シアノ−3−(3−エトキシフェ
ニル)−2−プロペン酸フェニル、2−シアノ−3−
(4−メトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル、2
−シアノ−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペ
ン酸エチル、2−シアノ−3−(4−メトキシフェニ
ル)−2−プロペン酸プロピル、2−シアノ−3−(4
−メトキシフェニル)−2−プロペン酸イソプロピル、
2−シアノ−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロ
ペン酸ブチル、2−シアノ−3−(4−メトキシフェニ
ル)−2−プロペン酸イソブチル、2−シアノ−3−
(4−メトキシフェニル)−2−プロペン酸フェニル、
2−シアノ−3−(4−エトキシフェニル)−2−プロ
ペン酸メチル、2−シアノ−3−(4−エトキシフェニ
ル)−2−プロペン酸エチル、2−シアノ−3−(4−
エトキシフェニル)−2−プロペン酸プロピル、2−シ
アノ−3−(4−エトキシフェニル)−2−プロペン酸
イソプロピル、2−シアノ−3−(4−エトキシフェニ
ル)−2−プロペン酸ブチル、2−シアノ−3−(4−
エトキシフェニル)−2−プロペン酸イソブチル、2−
シアノ−3−(4−エトキシフェニル)−2−プロペン
酸フェニル等が適用できる。
【0026】そして、本発明に係る有機電界発光素子に
おいては、上記発光層を正孔輸送層と共に2つの電極で
挟み、この2つの電極から流入される正孔と電子を正孔
輸送層と発光層の界面で結合させて発光層を発光させ
る。従って、この2つの電極のうち正孔輸送層側に設け
られる電極は陽極用電極であり、他方、発光層側に配置
される電極は陰極用電極である。発光層から生じる蛍光
を外部へ射出するため、陽極用電極と陰極用電極の一方
は透明であり、通常陽極用電極が透明に構成される。
【0027】このような陽極用透明電極としては正孔を
効率よく注入でき、かつ透明なものが好ましく、SnO
2 、InO2 、若しくはITOの薄膜等の従来公知の透
明電極がいずれも使用可能である。このような薄膜は透
明な基板の表面に形成することができ、例えばソーダラ
イムガラスや硼珪酸ガラス等のガラス基板、ポリカーボ
ネート、アクリル、エポキシ等の合成樹脂基板の表面に
製膜された上記薄膜を透明電極として利用することがで
きる。
【0028】また、陰極用電極としては電子を効率よく
注入できる金属が好ましく、Mg、Al、Ag、In、
Li、Naなどに代表される仕事関数の小さな金属であ
ればいずれも使用可能であり、真空蒸着法やスパッタリ
ング法により300オングストローム以上の膜厚に製膜
形成されたものが好ましい。
【0029】また、正孔輸送層は、電場を与えられた電
極間において陽極用電極からの正孔を適切に陰極側へ伝
達することができる化合物により構成することができ
る。このような正孔伝達化合物としては、例えば、特開
昭59−194393号の第5〜6頁及び米国特許第4
175960号の第13〜14欄に解説されるもの等が
使用できる。好ましくは、N,N’−ジフェニル−N,
N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル
−4,4’−ジアミン:1,1’−ビス(4−ジ−P−
トリルアミノフェニル)シクロヘキサン:1,1’−ビ
ス(4−ジ−P−トリルアミノフェニル)−4−フェニ
ル−シクロヘキサン:4,4”−ビス(ジフェニルアミ
ノ)クワドリフェニル:ビス(4−ジメチルアミノ−2
−メチルフェニル)フェニルメタン:N,N,N,−ト
リ(P−トリル)アミンなどの芳香族アミン系化合物で
ある。好ましくは真空蒸着法等の方法により50〜30
00オングストロームの膜厚に形成される。
【0030】また、発光層から陰極用電極に正孔が移動
することを防止すると共に陰極用電極から発光層へ電子
を適切に注入して一重項励起子生成確率を向上するた
め、発光層と陰極用電極の間に電子輸送層を設けること
ができる。このような電子輸送層としては、電場を与え
られた電極間において、陽極からの正孔をブロックし、
陰極からの電子を適切に陰極側へ伝達することができる
化合物により形成することができ、このような電子伝達
性化合物としては、例えば、アミノ基又はその誘導体を
有するようなトリフェニルメタン、キサンテン、アクリ
ジン、アジン、チアジン、チアゾ−ル、オキサジン、ア
ゾ等の各種染料及び顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系
顔料、シアニン色素、2,4,7−トリニトロフルオレ
ノン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレ
ン、などが挙げられる。好ましくは真空蒸着法等の方法
により50〜3000オングストロームの膜厚に形成さ
れる。この電子輸送層を有する場合には上記発光層を3
0〜1000オングストロームの膜厚に形成することが
望ましく、この電子輸送層を有しない場合には100〜
3000オングストロームの膜厚に形成することが望ま
しい。尚、この発光層は好ましくは1〜20オングスト
ローム/secの蒸着速度で真空蒸着法等により製膜形
成することができる。
【0031】
【作用】請求項1〜3に係る発明によれば、発光層が一
般式(1)〜(3)で示されるケイ皮酸エステル誘導体
により構成されているため、10V以下という極めて低
い電圧で高い発光輝度を得ることが可能となり、有機電
界発光素子を構成する有機化合物の受けるダメージを小
さく抑えることが可能となる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って更に詳細に説
明する。 [実施例1]図1に示すように、ITO膜から成る陽極
用透明電極2の形成された松崎真空(株)製の硼珪酸ガ
ラス基板1の陽極用透明電極2面に、正孔輸送層3、発
光層4、電子輸送層5、金属マグネシウムから構成され
る陰極用金属電極6をこの順で積層して素子面積0.2
5cm2 (5mm×5mm)の大きさの有機電界発光素
子を求めた。正孔輸送層3を構成する材料はN,N’−
ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、発光層4を構
成する材料は2−シアノ−3−(4−ジエチルアミノフ
ェニル)−2−プロペン酸エチル、電子輸送層5を構成
する材料は下記化学式(4)で示されるオキサジアゾー
ル誘導体である。
【0033】
【化7】 尚、ITO膜2面内の抵抗値の平均値は10Ω/s
q.、正孔輸送層3、発光層4及び電子輸送層5の膜厚
はいずれも700オングストローム、陰極用金属電極6
の膜厚は1500オングストロームであり、素子面積は
陰極用金属電極6の面積により規定した。
【0034】図1に示すように、この有機電界発光素子
の陽極用透明電極2と陰極用金属電極6の間に6Vの電
圧を印加したところ、電流密度75mA/cm2 を示
し、570nmの波長にて輝度950cd/m2 の発光
を示した。
【0035】尚、この有機電界発光素子は以下のような
方法で求めたものである。
【0036】すなわち、まず松崎真空(株)製の硼珪酸
ガラス基板1表面のITO膜2を15wt%の塩酸水溶
液で所望のパターンにエッチングし、純水で洗浄し、次
いでエタノールの蒸気洗浄を行い、クリーンオーブンで
100℃×10Hrの条件で乾燥した。
【0037】次に、正孔輸送層3は図3に示す真空蒸着
装置を使用し、ボート加熱法により形成した。
【0038】すなわち、予めゾーンメルティング法によ
り精製固化したN,N’−ジフェニル−N,N’−(3
−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’
−ジアミンの中心部約60%を使用し、これを熱電対付
き加熱ボード11上に載置し、加熱して蒸発させ、膜厚
及び蒸発速度検出用水晶振動子16により正孔輸送層3
の膜厚と蒸発速度を測定してシャッター14の開口率を
制御しながら、ホルダー10aに固定された上記ガラス
基板1から成る膜形成基板10のITO膜2上に、上記
N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニ
ル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンから
構成される正孔輸送層3を形成した。真空蒸着条件は以
下の通りである。
【0039】背 圧:5.0×10-7torr.以下 加熱温度:170〜190℃ 蒸着速度:1〜10オングストローム/sec. 次に、この図3の真空蒸着装置の真空をブレークするこ
となく、同じ真空蒸着装置内でボート加熱法により発光
層4を形成した。
【0040】すなわち、DMSO(ジメチルスルフォキ
シド)、クロロホルム、エタノール等の溶媒から再結晶
精製した後、真空クリーンオーブンにて溶媒を除去した
2−シアノ−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−2
−プロペン酸エチルを熱電対付き加熱ボード11上に載
置し、上記正孔輸送層3の場合と同様に膜形成基板10
の正孔輸送層3上に発光層4を形成した。
【0041】真空蒸着条件は以下の通りである。
【0042】背 圧:5.0×10-7torr.以下 加熱温度:100〜130℃ 蒸着速度:1〜10オングストローム/sec. 更に、この図3の真空蒸着装置の真空をブレークするこ
となく、同じ真空蒸着装置内でボート加熱法により電子
輸送層5を形成した。
【0043】すなわち、予めゾーンメルティング法によ
り精製固化した化学式(4)で示される化合物の中心部
約60%を使用し、これを熱電対付き加熱ボード11上
に載置し、上記正孔輸送層3の場合と同様に膜形成基板
10の発光層4上に電子輸送層5を形成した。
【0044】真空蒸着条件は以下の通りである。
【0045】背 圧:5.0×10-7torr.以下 加熱温度:130〜150℃ 蒸着速度:1〜10オングストローム/sec. 最後に、この図3の真空蒸着装置の真空をブレークする
ことなく、同じ真空蒸着装置内で電子線加熱法により陰
極用金属電極6を形成した。
【0046】すなわち、純度99.99%のマグネシウ
ムをBN製電子線加熱蒸着用るつぼ12に載置し、電子
銃13により加熱して蒸発させ、膜厚及び蒸発速度検出
用水晶振動子17により陰極用金属電極6の膜厚と蒸発
速度を測定してシャッター15の開口率を制御しなが
ら、膜形成基板10の電子輸送層5上に陰極用金属電極
6を形成した。尚、図中、18はマスクを示している。
【0047】陰極用金属電極6の真空蒸着条件は以下の
通りである。
【0048】背 圧:5.0×10-7torr.以下 フィラメント電流:30〜35mA 蒸着速度:1〜10オングストローム/sec. [実施例2]発光層4の構成材料に2−シアノ−3−
(4−ジメチルアミノフェニル)−2−プロペン酸フェ
ニルを用い、かつ、電子輸送層5を設けないこと以外は
実施例1と同様にして素子を作成した。
【0049】発光層4の形成条件は以下の通りである。
【0050】背 圧:5.0×10-7torr以下 加熱温度:95℃〜120℃ 蒸着速度:1〜7オングストローム/sec. 膜 厚:700オングストローム 図2に示すように、この有機電界発光素子の陽極用透明
電極2と陰極用金属電6極の間に7Vの電圧を印加した
ところ、電流密度70mA/cm2 を示し、590nm
の波長にて輝度1050cd/m2 の発光を示した。 [実施例3]発光層4の構成材料に2−シアノ−3−
(2,4−ジメトキシフェニル)−2−プロペン酸メチ
ルを用いた以外は実施例1と同様にして素子を作成し
た。
【0051】発光層の形成条件は以下の通りである。
【0052】背 圧:5.0×10-7torr以下 加熱温度:110℃〜130℃ 蒸着速度:3〜12オングストローム/sec. 膜 厚:700オングストローム この有機電界発光素子の陽極用透明電極2と陰極用金属
電極6の間に5Vの電圧を印加したところ、電流密度6
5mA/cm2 を示し、520nmの波長にて輝度95
0cd/m2 の発光を示した。 [実施例4]発光層の構成材料に2−シアノ−3−(2
−メトキシフェニル)−2−プロペン酸メチルを用いた
以外は実施例1と同様にして素子を作成した。
【0053】発光層の形成条件は以下の通りである。
【0054】背 圧:5.0×10-7torr以下 加熱温度:95℃〜125℃ 蒸着速度:3〜10オングストローム/sec. 膜 厚:670オングストローム この有機電界発光素子の陽極用透明電極2と陰極用金属
電極6の間に7.5 Vの電圧を印加したところ、電流密度
65mA/cm2 を示し、470nmの波長にて輝度5
00cd/m2 の発光を示した。 [実施例5]電子輸送層を設けないこと以外は実施例1
と同様にして素子を作製した。
【0055】この有機電界発光素子の陽極用透明電極2
と陰極用金属電極6の間に9Vの電圧を印加したとこ
ろ、電流密度65mA/cm2 を示し、570nmの波
長にて輝度700cd/m2 の発光を示した。 [比較例]発光層の構成材料にトリス(8−ヒドロキシ
キノリン)アルミニウムを用い、かつ電子輸送層を設け
ないこと以外は実施例1と同様にして素子を作成した。
【0056】発光層の作成条件は以下の通りである。
【0057】背 圧:5.0×10-7torr以下 加熱温度:155℃〜165℃ 蒸着速度:3〜9オングストローム/sec. 膜 厚:700オングストローム この有機電界発光素子の陽極用透明電極2と陰極用金属
電極6の間に14Vの電圧を印加したところ、電流密度
40mA/cm2 を示し、520nmの波長にて輝度3
50cd/m2 の発光を示した。
【0058】
【発明の効果】請求項1〜3に係る発明によれば、10
V以下という極めて低い電圧条件下においても高い発光
輝度を得ることができるため、発光層を構成する有機化
合物が受けるダメージを小さく抑えることが可能とな
り、従って、長時間安定して高輝度に発光させることが
できるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る有機電界発光素子の断面説明図。
【図2】他の実施例に係る有機電界発光素子の断面説明
図。
【図3】実施例において使用した真空蒸着装置の説明
図。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 陽極用透明電極 3 正孔輸送層 4 発光層 5 電子輸送層 6 陰極用金属電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの電極間に、正孔輸送層と有機色素よ
    り成る発光層とを備え、又は、正孔輸送層と電子輸送層
    及びこれ等に挟まれた有機色素より成る発光層とを備え
    る有機電界発光素子において、 上記発光層が下記一般式(1)で示されるケイ皮酸エス
    テル誘導体により構成されていることを特徴とする有機
    電界発光素子。 【化1】 (式中、D1 はドナー基をまたD2 はドナー基又は水素
    を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基
    又はフェニル基を表す。)
  2. 【請求項2】上記発光層が下記一般式(2)で示される
    ケイ皮酸エステル誘導体により構成されていることを特
    徴とする請求項1記載の有機電界発光素子。 【化2】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル
    基を表し、Xはアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチル
    アミノ基、アセチルアミノ基又はジフェニルアミノ基を
    表す。)
  3. 【請求項3】上記発光層が下記一般式(3)で示される
    ケイ皮酸エステル誘導体により構成されていることを特
    徴とする請求項1記載の有機電界発光素子。 【化3】 (式中、R2 は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアルキ
    ル基を表し、R3 は炭素数1〜4のアルコキシ基、アル
    キル基、水酸基又は水素を表す。また、R4 は炭素数1
    〜4のアルキル基又はフェニル基を表す。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5874180A (en) * 1994-08-30 1999-02-23 Bayer Ag Electroluminescent arrangements and their use
JP2014027306A (ja) * 2000-08-28 2014-02-06 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置

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