JPH05179085A - エチレン−酢酸ビニル共重合体系組成物 - Google Patents

エチレン−酢酸ビニル共重合体系組成物

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JPH05179085A
JPH05179085A JP15509291A JP15509291A JPH05179085A JP H05179085 A JPH05179085 A JP H05179085A JP 15509291 A JP15509291 A JP 15509291A JP 15509291 A JP15509291 A JP 15509291A JP H05179085 A JPH05179085 A JP H05179085A
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vinyl acetate
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着剤或いは塗料組成物として有用なエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体系組成物に関する。 【構成】 エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物若
しくはそのグラフト化物と、脂肪族若しくは芳香族ポリ
カルボン酸又はその無水物から選ばれた1種以上を含有
して成ることを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合
体系組成物。 【効果】 高い剥離強度、優れた衝撃強度、制振性及び
優れた耐熱性を有し、特に構造用接着剤、繊維用接着剤
或いは粉体塗料として優れている。特に本発明の組成物
は、反応型ホットメルト接着剤或いは塗料として優れた
効果を発揮するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、接着剤或いは塗料組成
物として有用なエチレン−酢酸ビニル共重合体系組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
物は、例えば繊維に対する接着性がすぐれており、ホッ
トメルト型接着剤として広く使用されている(日本接着
協会誌:Vol.10 No.1P1〜6(1974), 同 Vol.15 No.4P
10〜16(1979)) 。そして、接着強度の向上、熱的安定性
の向上等を目的として、該ケン化物をエチレン性不飽和
カルボン酸又はその無水物等によりグラフト化したエチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化グラフト化物による改
良法が見出されている(特公平1−29809 号公報等) 。
【0003】さらに、粉体塗料の分野或いは制振材料用
接着剤等としてエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
或いはそのグラフト化物等を用いる方法が種々提案され
ている(特公昭47−10529 号、特開昭61−247766号、特
開昭61−24445 号公報等) 。しかし、これら公知の方法
は、いずれも金属やガラス等との接着力が不充分であっ
たり、他の接着強度の高い樹脂を挟み込む等の煩雑な方
法を用いており、この改善が要請されていた。
【0004 】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体のケン化物又はケン化グラフト
化物を構造用接着剤或いは粉体塗料等に用い、接着強
度、剥離強度又は衝撃強度等において優れる組成物につ
いて、鋭意研究、検討の結果、エチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物又はそのグラフト化物に、特定のポリカ
ルボン酸又はその無水物を添加することによって上記目
的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、エチレン−酢
酸ビニル共重合体のケン化物若しくはそのグラフト化物
と、脂肪族若しくは芳香族ポリカルボン酸又はその無水
物から選ばれた1種以上を含有して成ることを特徴とす
るエチレン−酢酸ビニル共重合体系組成物である。
【0006】以下、本発明についし詳しく説明する。本
発明にいうエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物又は
そのグラフト化物は、公知のエチレン−酢酸ビニル共重
合体(以下EVAと省略する)を公知の方法によってケ
ン化することにより得られるものが使用され、またその
グラフト化物も該ケン化物を公知の方法によってグラフ
ト化することによって製造される。
【0007】本発明に好ましく用いられるEVAは、酢
酸ビニル含量が約5〜80重量%、好ましくは10〜55重量
%で、メルトインデックス(ASTMD−1238)が
0.5〜500 の範囲のものが挙げられる。
【0008】このEVAのケン化の方法は、EVAを有
機溶媒に溶解させて行うか、或いはEVAをペレット状
又は粉末状で行う方法のいずれの方法によって製造され
たものでもよい。具体的には、例えば、キシレン、トル
エン、ベンゼンのような芳香族炭化水素にEVAを溶解
し、アルカリ触媒を用いてケン化し、反応系内にメタノ
−ルのようなEVAの貧溶媒を添加して反応物を沈殿、
分別してケン化物( 以下EVOHという)をうる方法、
メタノール、エタノール、イソプロパノールのうな低沸
点アルコ−ル中にEVAの粉体或いはペレットを分散さ
せた状態で、アルカリ触媒を用いてケン化し反応後、低
沸点アルコ−ルと触媒を濾過により除去し、低沸点アル
コ−ルで洗浄してケン化物を得る方法等が挙げられる。
この反応に用いられるアルカリ触媒は、アルカリ金属の
アルコラ−ト、特にナトリウム・メチラ−ト、ナトリウ
ム・エチラ−ト、アルカリ金属の水酸化物、特に水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等が使用される。
【0009】本発明に用いられるエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物のケン化率は、用途によって多少異な
るが、10%以上、好ましくは30%以上のものであ
り、特に剥離強度の必要な構造用或いは制振材用接着剤
としては、10%〜80%、好ましくは20〜70%の
ものが好ましく用いられる。
【0010】また、グラフト化も、公知の方法、例えば
Rev.Roum.Chim. 1970,15(2),P239-45 、Advan.Chem.Se
r.1969,No.91,P477-88 によって行われる。具体的に
は、前記方法で得られたEVOHをキシレン、ベンゼン
等の芳香族系炭化水素溶媒に溶解し、t−ブチルハイド
ロパ−オキサイド、クメンハイドロパ−オキサイド等の
ヒドロ過酸化物、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケト
ンパ−オキサイド等の過酸化ジアルキル類、過酸化ジア
シル、アルキリデンパ−オキサイド類或いはアゾビスイ
ソブチロニトリル等の重合開始剤を用いて、エチレン系
不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフト化し、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化グラフト化物(以下E
VOH−g−COOHと省略する)として得られる。又
は不均一系で得た粉体或るいはペレット状のケン化物を
低沸点アルコ−ルの中に分散させ、エチレン系不飽和カ
ルボン酸又はその無水物を、重合開始剤を用いてグラフ
ト化させてもよい。
【0011】ここで、グラフト化に用いられるエチレン
系不飽和カルボン酸又はその無水物としては、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン
酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水
イタコン酸、無水シトラコン酸等を挙げることができ、
これら単量体は単独で又はスチレン、アクリル酸若しく
はそのエステル等他のエチレン系不飽和単量体と組み合
わせて使用することもできる。
【0012】このグラフト化の反応温度はラジカル開始
剤の分解開始温度以上の温度であればよい。グラフト化
率は特に制限的ではないが、一般に 0.1〜15重量%の
範囲が好ましい。
【0013】本発明に用いられる脂肪族若しくは芳香族
ポリカルボン酸又はその無水物とは、炭素数2〜10の飽
和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸類、炭素数8
〜20の芳香族ポリカルボン酸類又はその無水物、更にこ
れらを含む誘導体、例えば該ポリカルボン酸類とアルキ
レングリコール等の多価アルコールとのエステル類が挙
げられる。
【0014】具体的には、マロン酸、アジピン酸、グル
タル酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸又はこれらの無水物、又はピロメリット酸
又はこれらの無水物とエチレングリコールとのジエステ
ル又はグリセリンとのトリエステル類、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等が挙げ
られる。これらの中でも、無水マレイン酸、無水トリメ
リット酸、イタコン酸、無水ピロメリット酸又はこれら
の酸又はその無水物とエチレングリコールとのジエステ
ル若しくはグリセリンとのトリエステル類、3,3’,
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等が
特に好ましく用いられる。また、これらの脂肪族若しく
は芳香族ポリカルボン酸又はその無水物は、単独または
2種以上の混合物として用いられる。
【0015】本発明において、これらの脂肪族若しくは
芳香族ポリカルボン酸又はその無水物をエチレン−酢酸
ビニル共重合体のケン化物若しくはそのグラフト化物に
含有させる方法は、その用途に依り、公知の方法が適用
され、特に制限されないが、次の方法によることが望ま
しい。
【0016】すなわち、いわゆる反応型ホットメルト接
着剤として使用する際には、該ポリカルボン酸又はその
無水物をエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物若し
くはそのグラフト化物に、低温、好ましくは 120℃以下
で混融することによって行なわれる。
【0017】次いでこれをフイルム状、シ−ト状、粉末
状又はペレット状等に成形して製品とする。接着剤とし
ての使用に際しては、これら成型品を再加熱して反応を
完結させることにより、例えば反応型ホットメルト接着
剤として使用される。
【0018】また、塗料用途、例えば粉体塗料用途に使
用する際には、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
物若しくはそのグラフト化物に、該ポリカルボン酸又は
その無水物を添加した組成物に、必要に応じて顔料(例
えば、酸化チタン、カーボンブラックなど)、充填材
(例えばタルク、炭酸カルシウムなど)、安定剤(たと
えばイルガノックス、チヌビンなど)レベリング剤(例
えばアクリル酸系レベリング剤、シリコン系レベリング
剤など)などを加え、エキストルーダーにて溶融混練
後、粉砕あるいは冷凍粉砕することにより粉体塗料組成
物を得ることができる。また、加熱ロールで混練後、粉
砕してもよい。該粉体塗料組成物を被塗物表面に塗布す
るには、自体公知の方法を適用することができ、例えば
静電塗装法、流動浸漬法、熔射法などの塗装法を用いて
塗装する。
【0019】エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物
若しくはそのグラフト化物に対するポリカルボン酸類の
含有量はEVOHのケン化率によっても異なるが、通
常、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物若しくは
そのグラフト化物100部に対してポリカルボン酸又は
その無水物は、0.001 〜20重量%、好ましくは0.01〜10
重量%添加することが好ましい。
【0020】本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体系
組成物は、その他用途に応じて、更にタルク、炭カル、
水酸化アルミニウム、珪砂、クレ−、シラスバル−ン、
ガラスバル−ン、グラファイト、炭化珪素、酸化アルミ
ニウムなどの無機質充填剤を配合することができ、ま
た、クルミ殻粉、ポリエチレン粉末などの有機質充填剤
を配合することもできる。更に必要に応じて、着色剤、
脱水剤、消泡剤、可塑剤、酸化防止剤などの、公知の添
加剤を添加することも出来る。
【0021】本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体系
組成物は、特にホットメルト接着剤として有用である。
例えば、ガラス同士、金属同士、ガラスと金属、ガラス
とプラスチック、金属とプラスチック、或いは繊維同
士、繊維とプラスチック等の各種基質間に適用される接
着剤として特に自動車、航空機、建材、衣類、通信など
の産業分野において広く使用される。
【0022】本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体系
組成物は、ガラス、金属、プラスチックの塗料組成物と
して用いられ、特に粉体塗料として優れた性能を有する
ことを見出した。
【0023】また、本発明のエチレン−酢酸ビニル共重
合体系組成物は、特に良好な制振性を有し、かつ接着強
度が優れるので、制振性接着剤として好ましく使用され
る。樹脂の制振性については、例えば「鉄と鋼」72(198
6)第10号 P1575〜1581に記載されているように、樹脂の
粘弾性測定で得られる力学的損失 tanδが制振性と密接
な関係のあることが知られている。そして多くの樹脂の
tanδの測定結果から、 tanδが 0.1以上であれば、良
好な制振性を持つと推定されている( 特開平3−7792号
公報) が、本発明の組成物は、これらの要求を満たし、
かつ優れた接着剤強度を有する。
【0024】更に、本発明のエチレン−酢酸ビニル共重
合体系組成物は、アルミ、ペーパー等のハニカム構造材
コアと表面材との接着剤として、或いは弾性砥石、不織
布等の分野への応用、更にはポリマーアロイの相溶化剤
等の用途にも好ましく使用される。
【0025】
【発明の効果】本発明の組成物は、高い剥離強度、優れ
た衝撃強度、制振性及び優れた耐熱性を有し、特に構造
用接着剤、繊維用接着剤或いは粉体塗料として優れてい
る。特に本発明の組成物は、反応型ホットメルト接着剤
或いは塗料として優れた効果を発揮するものである。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0027】合成例1均一反応によるEVOHの合成 10Lのフラスコに撹拌機、温度計、冷却管、窒素導入
管を設置し、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、フラ
スコにキシレン 3000 部、メタノ−ル 1000部及びEV
A(酢酸ビニル含有量40重量%、MI:60g/10
min.)1000部を入れ、45〜50℃に加温、完全溶解し
たことを確認した後28%のナトリウムメトキサイド−
メタノ−ル溶液の35部を加え、45〜50℃にて60分
間反応させた後、水270部を添加して反応を停止し、
室温まで冷却し、反応物を取出し、メタノ−ル2500
部を入れたミキサ−に投入、再沈殿法によりポリマ−を
取り出した。得られたケン化物のケン化率は、55%であ
った。
【0028】合成例2不均一反応によるEVOHの合成 10Lのフラスコに撹拌機、温度計、冷却管、窒素導入
管を設置し、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、フラ
スコにメタノ−ル 6000 部及びペレット状のEVA(酢
酸ビニル含有量40重量%、MI:60g/10min.)
2500部を入れ、30℃以下でナトリウムメトキサイドの
メタノ−ル溶液160部を加え45〜50℃で5時間反
応させた後、40℃以下に冷却、濾過し、ペレットを分
別して反応物を取出し、6000部のメタノ−ルで2回
洗浄し、ケン化率53%のEV−OHを得た。
【0029】合成例3均一反応によるEVOH−g−COOHの合成 1Lのフラスコに撹拌機、温度計、冷却管、窒素導入管
を設置し、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、フラス
コにキシレン 500部及び合成例1で得られたEV−OH
100部を仕込み120℃に昇温し、均一に溶解した後、
アクリル酸1.5部を投入し、次いで、アゾビスイソブチ
ロニトリル(以下AIBNと省略する。)0.2 部を投入
し、1時間保温した後、50℃まで冷却後撹拌下にメタ
ノ−ルを投入し、EVOH−g−COOHを析出させ
た。
【0030】合成例4不均一反応によるEVOH−g−COOHの合成 1Lのフラスコに撹拌機、温度計、冷却管、窒素導入管
を設置し、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、フラス
コにメタノ−ル 500部及び合成例2で得られたEVOH
100部を仕込み、50℃に昇温し、均一に溶解した
後、アクリル酸 2. 5部を投入し、次いで、アゾビスイ
ソブチロニトリル(以下、AIBNと省略する。)0.2
部を投入し、9時間保温した後、40℃まで冷却後濾過
によってポリマ−を濾別し、EVOH−g−COOHを
析出させた。
【0031】合成例5不均一反応によるEVOHの合成 合成例2において、ペレット状のEVA(酢酸ビニル含
有量40重量%、MI:60g/10min.)とナリウム
メトキサイドのメタノ−ル溶液との反応を、45〜50
℃で5時間反応させるところを、45〜50℃で12時
間反応させる以外は同様に実施し、ケン化率96%のE
VOHを得た。
【0032】実施例1〜5 以上の方法で合成されたEVOH或いはEVOH−g−
COOHを用いて、以下に記した試料の調製及び接着強
度の測定等を行った。
【0033】試料の調製 [ペレットの調整]合成例で得られたEVOH或いはE
VOH−g−COOHに表−1に示した所定量の無水ピ
ロメリット酸を秤量し、実験用小型押出機を用いて、1
00℃で溶融混合し、ペレットを作成した。
【0034】[シ−トの作成]前記で得られたペレット
を熱プレス成形機により厚さ0.2 mmのシ−トを 110〜12
0 ℃の成形温度で作成した。
【0035】接着強度の測定 [剥離強度測定用試料]0.3mm×25×150 のサイズに
調整した2枚のアルミニウム(JIS H 4000 A1050P)の間
に成形したシ−トをサンドイッチ状にはさみ、170℃
で10分間接触圧で接着した。
【0036】[耐熱性試験用試料]1.5mm×25×100
のサイズに調整した2枚のアルミニウムの間に0.2mmの
シ−トを25mm×25の面積にサンドイッチ状にはさ
み、170℃で10分間接触圧で接着した。
【0037】[剥離強度の測定]島津製作所製オ−トグ
ラフを用いて、クロスヘッドスピ−ド50mm/min 25
℃の恒温恒湿室でT型剥離試験を行なった。(単位:kg
/ inch)
【0038】[耐熱性試験]耐熱試験用の試料の末端に
25gの分銅を吊し、100℃のオ−ブン中に垂直に3
0分吊した後、試験片のズレを測定した(単位:mm)。
この結果を表−1に示す。なお、比較の為に本発明のポ
リカルボン酸又はその無水物を添加しないで行った場合
を、比較例1として併記した。
【0039】
【表1】
【0040】*1 表−1中に記載のポリカルボン酸の酸
の添加量はEVOH或いはEVOH−g−COOH 100
部に対する添加量である。*2 リカシッドTMEGは、新日本理化株式会社のエチ
レングリコールビス(アンヒドロトリメリテート) の商
品名である。
【0041】実施例6〜17 合成例3と略同様にして種々のケン化率のEVOH−g
−COOHを合成し、前記実施例1〜5と同様に所定の
ポリカルボン酸又はその無水物を添加し、測定した結果
を表−2及び表−3に示す。に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】実施例18 合成例5で得られたEVOHを粉砕し、フルイにて20
メッシュonを取り除いた平均粒子径 168ミクロンの粉
末EVOHの100重量部に、無水ピロメリット酸1重
量部を加え、十分に混合して無水ピロメリット酸をよく
分散させた。これを幅 30cm 、長さ 80cm 、高さ 100cm
の流動床ボックスの中に高さ45cmまで仕込み、清浄な空
気で70cmの高さが均一に保持されるように流動床を形成
した。
【0045】次いで、あらかじめ250℃の内部温度に
加温した加熱炉の中に3分間静置した 90 mm× 110mm×
2mmの寸法を有する試験片のサンドブラストした鋼板
を、上記流動床の中に素早く浸漬して3秒間保持した
後、被覆された試験片を取り出し、さらに20秒後に冷
水中に漬けて急冷した。得られた試験片の塗膜は平滑で
光沢があった。
【0046】この鋼板塗膜上に1mm間隔で横10ケ、縦
10ケ、計100ケのゴバン目を形成するように、ナイ
フで切込みを加え、このゴバン目にセロテープをよく密
着させた後、そのセロテープを鋼板から垂直方向に一気
に引き上げるいわゆるゴバン目テストを実施した。セロ
テープ側に取られるゴバン目は0/100であり、塗膜
の良好な接着力を示した。
【0047】比較のために、無水ピロメリット酸の添加
無しで上記と同様の塗膜試験片を作成し、同様のゴバン
目テストにより、セロテープ側に7/100のゴバン目
が取られた。
【0048】実施例19 合成例1で得られたEVOHを粉砕し、フルイにて20
メッシュonを取り除いた平均粒子径 143ミクロンの粉
末EVOHの 100重量部に、無水ピロメリット酸1重量
部を加え、十分に混合して無水ピロメリット酸をよく分
散させた。これを幅 30 cm、長さ 80 cm、高さ 100cmの
流動床ボックスの中に高さ 45cm まで仕込み、清浄な空
気で 70cm の高さが均一に保持されるように流動床を形
成した。
【0049】次いで、あらかじめ250℃の内部温度に
加温した加熱炉の中に3分間静置した90mm×110mm
×2mmの寸法を有する試験片のサンドブラストした鋼板
を、上記流動床の中に素早く浸漬して3秒間保持した
後、被覆された試験片を取り出し、さらに20秒後に冷
水中に漬けて急冷した。得られた試験片の塗膜は平滑で
光沢があった。
【0050】この鋼板塗膜上に1mm間隔で横10ケ、縦
10ケ、計100ケのゴバン目を形成するように、ナイ
フで切込みを加え、このゴバン目にセロテープをよく密
着させた後、そのセロテープを鋼板から垂直方向に一気
に引き上げるいわゆるゴバン目テストを実施した。セロ
テープ側に取られるゴバン目は0/100であり、塗膜
の良好な接着力を示した。
【0051】比較のために、無水ピロメリット酸の添加
無しで上記と同様の塗膜試験片を作成し、同様のゴバン
目テストにより、セロテープ側に12/100のゴバン
目が取られた。
【0052】実施例20 合成例2で得られたEVOHの100重量部に無水ピロ
メリット酸1重量部を加え、小型押出機を用いて、10
0℃で溶融混合し、ペレットを作成した。得られたペレ
ットを熱プレス成形機により厚さ1mmのシ−トを110
℃の成形温度で作成した。
【0053】このシートをFTレオスペクトラDVE−
V4型(レオロジ社製)で粘弾性を測定したところ、t
anδが0.1を越える温度領域が−15℃となり、良
好な制振性を示した。
【0054】上記ペレットで厚み80ミクロンのシート
を作成し、これを0.3mm厚の軟鋼板の間に挟み込み、
190℃、5分、30kg/cm2 で加熱圧着した。この接
着力は、剥離強度で、28kg/inchであった。比較のた
めに、無水ピロメリット酸を加えないで同様のシートを
作成した場合の接着力は、剥離強度で、11kg/inchで
あった。
【0055】実施例21 合成例4で得られたEVOH−g−COOHの100重
量部に無水ピロメリット酸1重量部を加え、小型押出機
を用いて、100℃で溶融混合し、ペレットを作成し
た。得られたペレットを熱プレス成形機により厚さ1mm
のシ−トを100℃の成形温度で作成した。
【0056】このシートをFTレオスペクトラDVE−
V4型(レオロジ社製)で粘弾性を測定したところ、t
anδが0.1を越える温度領域が−17℃となり、良
好な制振性を示した。
【0057】上記ペレットで厚み80ミクロンのシート
を作成し、これを0.3mm厚の軟鋼板の間に挟み込み、
190℃、5分、30kg/cm2 で加熱圧着した。この接
着力は、剥離強度で、42kg/inchであった。比較のた
めに、無水ピロメリット酸を加えないで同様のシートを
作成した場合の接着力は、剥離強度で、18kg/inchで
あった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 129/04 PET 6904−4J 151/06 PGX 7142−4J C09J 123/26 JCD 7107−4J 129/04 JCD 6904−4J 151/06 JDH 7142−4J

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
    物若しくはそのグラフト化物と、脂肪族若しくは芳香族
    ポリカルボン酸又はその無水物から選ばれた1種以上を
    含有して成ることを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共
    重合体系組成物。
  2. 【請求項2】 脂肪族若しくは芳香族ポリカルボン酸又
    はその無水物から選ばれた1種以上を、エチレン−酢酸
    ビニル共重合体のケン化物若しくはそのグラフト化物に
    対して0.001 〜20重量%含有して成ることを特徴とする
    請求項1に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体系組成
    物。
  3. 【請求項3】 エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
    グラフト化物を用いる請求項1又は2のいずれかに記載
    のエチレン−酢酸ビニル共重合体系組成物。
  4. 【請求項4】 脂肪族若しくは芳香族ポリカルボン酸又
    はその無水物が、無水マレイン酸、無水トリメリット
    酸、イタコン酸、無水ピロメリット酸又はこれらの酸又
    はその無水物とエチレングリコールとのジエステル若し
    くはグリセリンとのトリエステル類、3,3’,4,
    4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物から選ば
    れる請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体系組成物。
  5. 【請求項5】 ホットメルト接着剤として使用すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエチレン
    −酢酸ビニル共重合体系組成物。
  6. 【請求項6】 制振材用組成物として使用することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエチレン−酢
    酸ビニル共重合体系組成物。
  7. 【請求項7】 ハニカム用接着剤として使用することを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエチレン−
    酢酸ビニル共重合体系組成物。
  8. 【請求項8】 塗料用組成物として使用することを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載のエチレン−酢酸
    ビニル共重合体系組成物。
  9. 【請求項9】 粉体塗料であることを特徴とする請求項
    8に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体系組成物。 【0001】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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