JPH05179049A - ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びその成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びその成形体

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JPH05179049A
JPH05179049A JP36036791A JP36036791A JPH05179049A JP H05179049 A JPH05179049 A JP H05179049A JP 36036791 A JP36036791 A JP 36036791A JP 36036791 A JP36036791 A JP 36036791A JP H05179049 A JPH05179049 A JP H05179049A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車バンパー用芯材等として好適な軽量性
を損なわず、剛性を高めたポリプロピレン系樹脂発泡粒
子及びその型内成形体を提供する。 【構成】 引張降状点強度250〜350kg/cm2
で、示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線に、
固有ピークのほか高温ピークも出現する結晶構造を持つ
とともに、高温ピークのエネルギーが15〜35J/g
を示すポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、これに少
量の有機アルミニウム系造核剤を含有させたポリプロピ
レン系樹脂粒子を発泡させることを特徴とするポリプロ
ピレン系樹脂発泡粒子及びその成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い剛性を持つポリプ
ロピレン系樹脂発泡粒子及びその成形体に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術及びその課題】従来、ポリプロピレン系樹脂
発泡粒子の融着集合体である型内発泡成形体(以下、P
P成形体と称する)は衝撃吸収部材、断熱材、構造材、
浮揚材等の広い分野で使用されている。特にPP成形体
は、本品が出現する以前の発泡体に比べ、安価で軽量、
且つ衝撃吸収性に優れていると共に衝撃を受けた後の回
復性に優れることから、自動車のバンパー用芯材として
広く採用されている。一方、昨今の軽量化と安全性重視
の方向もあって、自動車のバンパー用芯材には軽量で剛
性の高い素材が強く求められている。それゆえ、軽量性
を維持したまま剛性のみを高めたPP成形体の出現が自
動車業界で待たれているが、発泡成形体で剛性を高める
為には発泡倍率を低くする必要があり、そうすると軽量
性を維持することが難しくなるという相反する大きな問
題があり、その解決が切望されるところであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
見られる前記問題を解決し、軽量性を損なわず、剛性を
高めたポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びその型内成形
体を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意研究した結果、特定の引張降伏点強
度を持つポリプロピレン系樹脂に特定の結晶核剤を含有
させ、これを発泡させて形成した発泡粒子を金型内で加
熱融着させることにより、軽量性にすぐれかつ剛性の高
められた発泡粒子成形体が得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、ポリプ
ロピレン系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子において、該
基材樹脂の引張降伏点強度が250〜350Kg/cm
2であり、且つ該基材樹脂に有機アルミニウム系造核剤
を含有させたことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発
泡粒子が提供される。また、本発明によれば、請求項1
〜3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子
を金型内で加熱融着させてなる密度0.06g/cm3
以上のポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体が提供され
る。
【0005】本発明の基材樹脂となるポリプロピレン系
樹脂は、引張降伏点強度250〜350Kg/cm2
ものであれば良く、プロピレン単独重合体、プロピレン
−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合
体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体等
が使用可能である。無架橋のプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体、特にエチレン分1〜10重量%のものが
発泡性の点で好適である。プロピレンとエチレンを含む
共重合体の場合、剛性面ではエチレン分が少ない方が好
ましい。引張降伏点強度250〜350Kg/cm2
ポリプロピレン系樹脂は、更に架橋等の方法でその剛性
を向上させると、その樹脂により得られる発泡粒子及び
成形体の剛性も向上する。なお、架橋ポリプロピレン系
樹脂としては、実質的に架橋を有するもの、すなわち、
ゲル分率0.1%以上のものが用いられる。
【0006】ポリプロピレン系樹脂の架橋は、密閉容器
にポリプロピレン系樹脂粒子と水性媒体と架橋剤とジビ
ニルベンゼンを配合し、架橋剤とジビニルベンゼンを樹
脂粒子中に含浸させた後、架橋剤の分解温度に昇温させ
ることによって行うことができる。この場合、架橋剤と
しては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキ
サイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、n−ブチル
−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレート、
α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)−m−ジイソ
プロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。このよ
うな架橋剤は、樹脂粒子100重量部に対し0.05〜
5重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。また、
前記ジビニルベンゼンの使用量は、樹脂粒子100重量
部に対して通常0.05〜5重量部程度である。
【0007】本発明で発泡原料として用いるポリプロピ
レン系樹脂粒子は、従来公知の方法に従ってポリプロピ
レン系樹脂を粒子状に成形することにより得られるが、
本発明では成形時に結晶核剤を添加する。この場合の結
晶核剤の添加方法としては、樹脂粒子中に結晶核剤を含
有させ得る方法であれば任意の方法が採用できるが、一
般には樹脂と結晶核剤とを溶融混練して粒子状に成形す
る方法、あらかじめ多量の結晶核剤を含有させた樹脂ペ
レット(マスターバッチ)と結晶核剤を含まない樹脂ペ
レットを、溶融混練して粒子状にペレット化する方法等
が挙げられる。
【0008】本発明で用いる有機アルミニウム系造核剤
のうち安息香酸アルミニウム系が特に有効であり、その
具体例としては、例えば、ヒドロキシ−ジ(tert−
ブチル安息香酸)アルミニウムが挙げられる。このヒド
ロキシ−ジ(tert−ブチル安息香酸)アルミニウム
は、基材樹脂への経晶核剤添加量の調整により剛性をコ
ントロールできる点で特に好ましい。本発明で用いる結
晶核剤添加量は樹脂粒子に対して、一般に0.05〜
0.5重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%であ
り、添加量が過少では本発明の効果が得られず、前記範
囲より大量に加えても添加効果は格別向上しないうえ、
得られる発泡粒子の気泡が微細になりすぎて好ましくな
い。本発明で用いる前記結晶核剤の粒径は、一般的には
0.01〜50μm、好ましくは0.01〜15μm程
度である。
【0009】本発明では、基材樹脂として、引張降伏点
強度250〜350Kg/cm2のポリプロピレン系樹
脂に有機アルミニウム系結晶核剤を添加したものを使用
するが、基材樹脂の引張降伏点強度が250Kg/cm
2未満の場合は、圧縮強度等の剛性は向上するもののあ
まりにも基材樹脂の剛性が乏しい為、得られる発泡体の
剛性は通常のものの程度しか期待できない。また、引張
降伏点強度が350Kg/cm2を越える場合は、有機
アルミニウム系結晶核剤の剛性向上の特別な効果を得る
ことができない。本発明で使用する有機アルミニウム系
結晶核剤は、ポリプロピレン系樹脂中で比較的引張降伏
点強度が小さいものに効果的に作用する。
【0010】本発明における発泡剤としては、揮発性有
機発泡剤及び無機ガス発泡剤が用いられ、また両者の発
泡剤を併用することもできる。この場合、揮発性有機発
泡剤としては従来公知のもの、例えばプロパン、ブタ
ン、ペンタン、ジクロロジフロロメタン、トリクロロフ
ロロメタン等が挙げられ、無機ガス発泡剤としては、窒
素、空気、炭酸ガス、アルゴン、ヘリウム等、種々の常
温ガス状無機物質が挙げられる。本発明で用いる発泡剤
において、揮発性有機発泡剤の使用量は、樹脂100重
量部に対し2〜25重量部、好ましくは3〜20重量部
の割合である。無機ガスを発泡剤とする場合、その容器
内圧力は高圧程好ましいが、一般には100kg/cm
2G以下の圧力で加圧するのが発泡時の粒子の変形防止
などの面で好ましく、通常は70kg/cm2G以下の
加圧で行なわれる。また、この無機ガスによる加圧は、
少なくとも15kg/cm2G、好ましくは20kg/
cm2G以上である。無機ガスで加圧する時間は、加圧
する圧力によっても変るが樹脂の融点以上では数秒〜1
時間程度であり、通常は5〜30分程度で十分である。
この無機ガスによる容器内容物の加圧は任意の時期に行
うことができ、容器内容物の充填直後や昇温中、あるい
は発泡温度に達した時期に行うことができる。なお、加
熱による容器内容物の昇温速度は、通常1〜10℃/
分、好ましくは2〜5℃/分である。
【0011】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒を得
るには、耐圧容器内に前記した結晶核剤含有ポリプロピ
レン系樹脂粒子、融着防止剤、及び水性媒体(通常は
水)を配合し、発泡剤の存在下で発泡温度まで加熱した
後、容器内容物をその加圧帯域から低圧帯域(通常は大
気圧)に放出させ、発泡剤を含有する樹脂粒子を発泡さ
せる。上記樹脂粒子融着防止剤は、実質的に非水溶性で
かつ加熱時において非溶融性のものであれば、有機及び
無機系を問わず使用可能であるが、一般には無機系のも
のの使用が好ましい。代表的な融着防止剤の例を示す
と、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性炭酸亜鉛、炭酸カ
ルシウム等が挙げられる。このような融着防止剤は、通
常、粒径0.001〜100μm、好ましくは0.00
1〜30μmの微粒子状で用いられる。この融着防止剤
の添加量は、樹脂粒子100重量部に対し、通常0.0
1〜10重量部の範囲である。また、耐圧容器を用いて
樹脂粒子を発泡させ発泡粒子を得る場合の発泡温度は、
樹脂の軟化点以上の温度とするのが普通である。なお、
本明細書でいう樹脂の軟化点とは、ASTM−D648
において荷重4.6kg/cm2の条件で求められたも
のである。
【0012】本発明において、容器内容物を高圧帯域か
ら低圧帯域へ放出させる場合の内容物に含まれる発泡性
樹脂粒子中には、二次結晶を含有させるのが好ましい。
この二次結晶の存在する発泡性樹脂粒子は、成形性の良
好な発泡粒子を与える。原料樹脂として無架橋ポリプロ
ピレン系樹脂を用いる場合、この発泡性樹脂粒子中に二
次結晶を存在させることは特に有利である。なお、発泡
性樹脂粒子中における二次結晶の存在は、樹脂発泡粒子
の示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線によっ
て判定することができる。この場合、樹脂発泡粒子の示
差走査熱量測定によって得られるDSC曲線とは、ポリ
プロピレン系樹脂発泡粒子1〜3mgを示差走査熱量計
によって10℃/分の昇温速度で220℃まで昇温した
ときに得られるDSC曲線であり、例えば、試料を室温
から220℃まで10℃/分の昇温速度で昇温した時に
得られるDSC曲線を第1回のDSC曲線とし、次いで
220℃から10℃/分の降温速度で40℃付近まで降
温し、再度10℃/分の昇温速度で220℃まで昇温し
た時に得られるDSC曲線を第2回のDSC曲線とし、
これらのDSC曲線から固有ピーク、高温ピークを求め
ることができる。また、この場合、固有ピークとは、発
泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂の、いわゆる融
解時の吸熱によるものであると考えられる。この固有ピ
ークは第1回目のDSC曲線にも第2回目のDSC曲線
にも現われ、ピーク頂点の温度は第1回目と第2回目で
多少異なる場合があるが、その差は5℃未満、通常は2
℃未満である。一方、高温ピークとは、第1回目のDS
C曲線で上記固有ピークより高温側に現われる吸熱ピー
クである。発泡性樹脂粒子中における二次結晶の存在
は、樹脂発泡粒子のDSC曲線にこの高温ピークが現わ
れるか否かで判定され、実質的な高温ピークが現われな
い場合には、樹脂中に二次結晶が存在しないものと判定
される。本発明の場合、前記第2回目のDSC曲線に現
われる固有ピークの温度と第1回目のDSC曲線に現わ
れる高温ピークの温度との差は大きいことが望ましく、
第2回目のDSC曲線の固有ピークの頂点の温度と高温
ピークの頂点の温度との差は5℃以上、好ましくは10
℃以上である。
【0013】次に、樹脂発泡粒子に関し、示差走査熱量
測定によって得られるそのDSC曲線を図面に示す。図
1は二次結晶を含有する発泡粒子に関するもので、図2
は二次結晶を含有しない発泡粒子に関するものである。
図1及び図2において、曲線1及び曲線2は、試料とし
ての発泡粒子を測定(第1回目の測定)することによっ
て得られたDSC曲線を示し、曲線1′及び2′は第1
回目の測定後の試料を再び測定(第2回目の測定)する
ことによって得られたDSC曲線を示す。図1と図2を
対比してわかるように、二次結晶を含有する発泡粒子の
場合、第1回目の測定結果を示す曲線1においては、固
有ピークBの他に高温ピークAが現われ、この高温ピー
クAの存在により発泡粒子に二次結晶が存在することが
確認される。一方、二次結晶を含有しない発砲粒子の場
合、第1回目の測定結果を示す曲線2においては、固有
ピークbが現われるのみで高温ピークは現われず、発泡
粒子には二次結晶が含まれないことが確認される。図2
の発泡粒子に二次結晶が存在しない理由は、原料未発泡
樹脂粒子が二次結晶化促進温度(融点〜融解終了温度未
満)において十分な時間熱処理を受けず、融解終了温度
以上の温度で発泡されたことによる。なお、2回目の測
定においては図1及び図2の発泡粒子にも高温ピークは
現われず、固有ピークB′、b′のみ現われる。
【0014】本発明において、二次結晶を含む発泡性樹
脂粒子を得る一般的な方法は、耐圧容器内において樹脂
粒子をその融解終了温度以上に昇温することなく、融点
より約20℃低い温度(融点−20℃)以上、融解終了
温度未満の温度に充分な時間、通常5〜90分間、好ま
しくは15〜60分間程度保持すればよい。また、この
ようにして二次結晶化した発泡性樹脂粒子を発泡させる
場合、発泡温度は固有ピークの融解終了温度以上であっ
ても、前記高温ピーク以下の温度であれば成形性の良好
な発泡粒子を得ることができる。本発明における発泡温
度は、前記のように、通常、樹脂の軟化点以上の温度で
あるが、好ましい発泡温度は発泡剤の種類によっても変
化し、発泡剤として揮発性有機発泡剤を単独で用いる場
合、その発泡温度は樹脂の融点より約10℃低い温度以
上、樹脂融点より約5℃高い温度以下、好ましくは樹脂
の融点より約5℃低い温度以上、樹脂の融点より約3℃
高い温度以下である。発泡剤として無機ガスを単独で用
いる場合は、樹脂の融点以上、樹脂の融点より約20℃
高い温度以下、好ましくは樹脂の融点以上、樹脂の融点
より約18℃高い温度以下である。揮発性有機発泡剤と
無機ガスを併用する場合は、樹脂の融点より約5℃低い
温度以上、樹脂の融点より約18℃高い温度以下、好ま
しくは樹脂の融点より約3℃低い温度以上、樹脂の融点
より約16℃高い温度以下である。
【0015】本発明の発泡粒子及び成形体は、高温ピー
クのエネルギーが15〜35J/g、好ましくは20〜
30J/gである結晶構造を持つものが特に好ましい剛
性を示す。この理由は、まだ明確ではないが、高温ピー
クの調整で得られる結晶構造の結晶弾性が発泡体剛性に
多大な寄与をしているためと考えられる。なお、前記高
温ピークのエネルギーは次式によって求めることができ
る。 高温ピークのエネルギー(J/g)=高温ピークのチャー
ト上の面積(cm2)×チャート1cm2当りのエネルギ
ー(J/cm2)÷測定サンプル重量(g) ここで、高温ピークのチャート上の面積とは、例えば図
1において斜線で示すイ、ロ、(ニ)の各点と、高温ピ
ークAを表すDSC曲線とによって囲まれる部分の面積
である。但し、イは融解終了後、ロはDSC曲線におけ
る完全融解部分C(170℃〜200℃の部分)から低
温側に直接外挿した直線と、2回目のDSC曲線におけ
る(実線で示す)融解終了温度(二)を垂直に通る直線と
の交点(図1においてニ、ロは重なっている)を示す。
また、本明細書でいう樹脂の融点とは、DSC法で約6
mgのサンプルを10℃/分の速度で220℃まで昇温
し、その後10℃/分で約50℃まで降温し、再度22
0℃まで昇温した時に得られるDSC曲線のピークの温
度であり、また、樹脂の融解終了温度とは、その第2回
目のDSC曲線の終了温度を意味する。
【0016】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子成
形体は、密度0.06g/cm3以上のものである。その
剛性に関しては、例えば密度0.082g/cm3の成
形体においては、従来のポリプロピレン系樹脂発泡粒子
成形体は50%圧縮時の圧縮応力が8.5Kg/cm2
程度なのに対し、本発明のものは10.0Kg/cm2
以上の値を示し、また、圧縮永久歪も小さくなってい
る。本発明の成型体の密度は0.06g/cm3以上で
あるが、これは、密度が0.06g/cm3未満の場
合、剛性向上の効果が発揮されなくなることを意味する
のではなく、密度が小さくなればなるほど剛性向上の確
認が難しくなり、密度0.20g/cm3未満になると
従来品と剛性面での差が見分けられなくなってしまう為
である。本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体
の従来公知の発泡粒子型内成形法(ビーズ成形法)に従
って、金型内にその樹脂発泡粒子を充填し、その粒子を
加熱融着させることにより得ることができる。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるも
のではない。
【0018】実施例1〜5、比較例1〜4 表1に示す性状の無架橋エチレン−プロピレンランダム
共重合体を使用し、表2に示す結晶核剤を含有させたマ
スターバッチを同表に示す配合となるよう押出機により
練り込み、ストランド状に押出して樹脂ペレットを作成
した。この樹脂ペレット100重量部に対して水300
重量部、水酸化アルミニウム0.2重量部、リン酸三カ
ルシウム15重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム0.2重量部、発泡剤として二酸化炭素(ドライ
アイス)4重量部を配合し、5リットル内での耐圧容器
で撹拌しながら昇温し、140℃で30分間保持し、そ
の後、表2に示す発泡温度で30分間保持した。次に、
容器内を空気で45Kg/cm2Gに保ちながら、内容
物を容器の一端から大気中に放出して発泡粒子を得た。
この時の発泡粒子の嵩倍率を表2に示す。次に、この発
泡粒子を2Kg/cm2の空気で24時間加圧処理して
発泡粒子の内圧を高めた後、50×300×300mm
の内寸法を持つ成形用金型に充填し、3.2kg/cm
2Gの蒸気で加熱して発泡粒子成型体を得た。得られた
成形体を60℃のオーブンで24時間乾燥し、常温まで
徐冷した後、各発泡粒子成形体の50%圧縮時の圧縮強
度を測定した結果を表2に併せて示す。また、発泡粒子
及びその成型体の示差走査熱量測定によって得られたD
SC曲線の高温ピークエネルギー、圧縮永久歪率、成型
体の発泡倍率を表2に併せて示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】なお、前記に示したヒドロキシージ(te
rt−ブチル安息香酸)アルミニウムは、次の構造式で
表わされる。
【0022】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子
及びその成形体は、その基材樹脂として引張り降伏点強
度250〜350kg/cm2を示すポリプロピレン系
樹脂に有機アルミニウム系造核剤を添加したものを用い
たことから、軽量性にすぐれるとともに、高い剛性を有
する。また、本発明のポリプロピレン系樹脂粒子におい
て、その樹脂に二次結晶を含有させたものは、その剛性
において一層すぐれたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】二次結晶の存在する発泡粒子について示差走査
熱量測定して得られたDSC曲線を示し、曲線1は第1
回目のDSC曲線を、曲線1′は第2回目のDSC曲線
を示している。
【図2】二次結晶の存在しない発泡粒子について示差走
査熱量測定して得られたDSC曲線を示し、曲線2は第
1回目のDSC曲線を、曲線2′は第2回目のDSC曲
線を示している。
【符号の説明】
A 高温ピーク B,B′、b,b′ 固有ピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とする
    発泡粒子において、該基材樹脂の引張降伏点強度が25
    0〜350Kg/cm2であり、且つ該基材樹脂に有機
    アルミニウム系造核剤を含有させたことを特徴とするポ
    リプロピレン系樹脂発泡粒子。
  2. 【請求項2】 発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹
    脂が、示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線
    (ただし、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を、示差走査
    熱量計によって10℃/分の昇温速度で220℃まで昇
    温したときに得られるDSC曲線)に、ポリプロピレン
    系樹脂固有の固有ピークと、該固有ピークの温度より高
    温側の高温ピークとが現れ、且つ前記高温ピークのエネ
    ルギーが15〜35J/gである結晶構造を持つことを
    特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒
    子。
  3. 【請求項3】 有機アルミニウム系造核剤がヒドロキシ
    −ジ(tert−ブチル安息香酸)アルミニウムである
    ことを特徴とする請求項1または2記載のポリプロピレ
    ン系樹脂発泡粒子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のポリプ
    ロピレン系樹脂発泡粒子を金型内で加熱融着させてなる
    密度0.06g/cm3以上のポリプロピレン系樹脂発
    泡粒子成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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