JP2007023172A - ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリプロピレン系樹脂組成物からなる粒子を密閉容器内で水系分散媒に分散させ前記粒子を前記ポリプロピレン系樹脂組成物の軟化温度以上の温度に加熱し、分散媒である水を発泡剤として該粒子内に含浸せしめた後、密閉容器内の内圧よりも低圧かつ80℃以上の雰囲気中に放出することによって予備発泡させるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法において、予備発泡粒子同士の融着を防ぐことで、安定的かつ効率的に製造を可能とする製造方法を提供すること。
【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂組成物が、結晶核剤を含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法に関し、更に詳しくは、高温高圧の密閉容器内から低圧の雰囲気中に粒子を放出した際に、予備発泡粒子同士の融着が少ないことから、良好な生産性でポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得ることができる製造方法に関する。
ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、ポリスチレン系樹脂型内発泡成形体と比較して、耐薬品性能、耐熱性能、緩衝性能、圧縮歪み回復性能に優れ、ポリエチレン系樹脂型内発泡成形体と比較しても、耐熱性能、圧縮強度に優れることから、緩衝包装資材や通い箱、自動車用部材として広く用いられている。
特に、様々な形状の緩衝包装資材として、内包する商品や部材の形状に合わせて柔軟に、かつ切削加工無しで成形できることから、電子機械から産業資材など幅広く利用されている。
型内発泡成形用ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法として、高温・高圧の容器内から低圧の雰囲気中に放出し、発泡する際に、60℃以上の水蒸気や空気などと接触させることで、発泡倍率を高めたり、予備発泡粒子の発泡倍率ばらつきを抑制する方法は知られている(特許文献1、2)。しかしながらこのように低圧の雰囲気中に60℃以上の水蒸気や空気などと接触させると、発泡倍率ばらつきは低減できるものの、予備発泡粒子同士が融着しやすいという問題があった。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を加熱成形して得られる型内発泡成形体の幅広い需要から、従来と比較して、より薄肉の部位や少量の蒸気加熱で美麗な型形状を有する製品が熱望され、そのためには、低温で融解しやすい結晶を多く有するポリプロピレン系樹脂が使用されつつある。
しかし、このような樹脂を使用して前記のごとく高温高圧容器内から低圧かつ高温雰囲気中に放出すると予備発泡粒子同士が融着しやすいという問題点があった。融着した予備発泡粒子は、通常シフター等の篩で除去されることで収率を低下させる課題があるのみでなく、融着した予備発泡粒子の量が多いと、送粒能力の低下を招いたり、最悪の場合、送粒配管の閉塞につながる場合もあるため、製造上大きな問題となっていた。
一方結晶核剤を含有するポリプロピレン系樹脂組成物を用いて製造した予備発泡粒子については、剛性を高めたり(特許文献3)、予備発泡後の予備発泡粒子の収縮を防ぐ(特許文献4)ことを目的として行われているが、0.01〜0.1重量%程度の少量の添加では15倍以上の高発泡倍率の場合、剛性向上効果はほとんど無い上、予備発泡粒子同士の融着については、密閉容器から低圧下へ予備発泡粒子を放出する際に高温雰囲気下へ放出していないため、元来予備発泡粒子同士が融着しやすい条件下での態様ではないため、予備発泡粒子同士の融着については課題となっていなかった。発泡剤として水を用い、高温雰囲気に放出することで発生する予備発泡粒子同士の融着に関する課題は、異なる発泡剤を使用する(特許文献4)の予備発泡粒子の製造では挙げられていない。
特開平11−106546号公報、 特開2002−338724号公報 特開平5−179049号公報 特開平5−156065号公報
本発明の目的は、型内発泡成形用ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を良好な生産性にて安定的に製造可能なポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは前記実情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、次のような知見が得られた。即ち、高温高圧の密閉容器から低圧かつ高温雰囲気下にポリプロピレン系樹脂組成物からなる粒子を放出するポリプロピレン系予備発泡粒子の製造方法において、結晶核剤を含有するポリプロピレン系樹脂組成物を用いることで、予備発泡粒子同士が融着しやすい条件下においても予備発泡粒子同士の融着を防ぎ、安定かつ高収率で予備発泡粒子の製造が行えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物からなる粒子を密閉容器内で水系分散媒に分散させ前記粒子を前記ポリプロピレン系樹脂組成物の軟化温度以上の温度に加熱し、分散媒である水を発泡剤として該粒子内に含浸せしめた後、密閉容器内の内圧よりも低圧かつ80℃以上の雰囲気中に放出することによって予備発泡させるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法において、前記ポリプロピレン系樹脂組成物が、結晶核剤を含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、示差走査熱量計法によるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の測定において、2つの融点を有し、低温側融点が143℃以下かつ低温融解結晶量比率が90%以下であることを特徴とする前記記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法に関し、別の好ましい態様としては、前記記載の結晶核剤が有機リン系結晶核剤、アルミニウム系結晶核剤、ソルビトール系結晶核剤から選ばれる1種以上であることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法に関し、さらに別の好ましい態様としては、ポリプロピレン系樹脂組成物が、親水性ポリマー、トリアジン骨格を有する化合物から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする前記記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法に関する。
本発明によれば、高温高圧の密閉容器から低圧かつ80℃以上の雰囲気下にポリプロピレン系樹脂組成物からなる粒子を放出するポリプロピレン系予備発泡粒子の製造方法において、結晶核剤を含有するポリプロピレン系樹脂組成物を用いることで、予備発泡粒子同士の融着を防ぎ、安定かつ高収率で高発泡倍率の予備発泡粒子の製造を提供することができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂としては、単量体として、プロピレンを80重量%以上、より好ましくは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上含むものであれば、その組成、合成法に特に制限はなく、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体などが挙げられる。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂組成物に含有される結晶核剤としては、リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウムやリン酸ビス(4−tert―ブチルフェニル)ナトリウムなどの有機リン系結晶核剤、ヒドロキシ−ジ(tert−ブチル安息香酸)アルミニウムなどの有機アルミニウム系結晶核剤、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトールなどのソルビトール系結晶核剤の内、1種または2種以上であることが好ましい。これらの結晶核剤の内、添加量対効果の点から有機リン系結晶核剤が好ましく、少なくとも、リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウムを含む1種以上であることがより好ましい。
各種結晶核剤の添加量に対する効果は異なるが、結晶核剤の総量として、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し0.001重量部以上0.5重量部以下が好ましく、0.005重量部以上0.3重量部以下がより好ましい。結晶核剤総量の添加量が0.001重量部未満である場合、本発明の効果が得られにくく、0.5重量部より多い場合、発泡セル造核剤としての効果が強くなり、セルが微細化しすぎることがある。結晶核剤の添加方法としては、特に制限はないが、従来公知の方法によりポリプロピレン系樹脂を粒子状に加熱成形する際に、結晶核剤を添加し溶融混練しても良いが、あらかじめ結晶核剤の濃度を高く造粒した樹脂粒子を所望の比率になるよう調整混合して、溶融混練しても良い。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂組成物は、樹脂融点としては、特に制限はなく、130℃以上170℃未満が好ましく、135℃以上165℃未満がより好ましく、140℃以上160℃未満がさらに好ましい。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂のメルトインデックスは、予備発泡粒子を製造しうる範囲であれば、特に制限はなく、0.2g/10min以上50g/10min以下であることが好ましく、1g/10min以上30g/10min以下であることがより好ましい。メルトインデックスが該範囲である場合、高い二次発泡性と良好な寸法性の両立が容易となる。メルトインデックスが0.2g/10min未満である場合、溶融粘度が高すぎて高発泡の予備発泡粒子が得られにくく、50g/10minより大きい場合、発泡時の樹脂の伸びに対する溶融粘度が低すぎて、破泡しやすくなる。該メルトインデックスは、例えば、有機過酸化物の使用などにより調整してもよい。
ポリプロピレン系樹脂にポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂を、本発明の効果を損なわない範囲で添加して、基材樹脂としても良い。ポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体等のエチレン系樹脂、或いはポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂等が例示される。
本発明のポリプロピレン系樹脂には親水性ポリマー、トリアジン骨格を有する化合物のうち1種以上の化合物を添加することが好ましい。本発明で親水性ポリマーとは、エチレン−アクリル酸−無水マレイン酸三元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂などのカルボキシル基含有ポリマー等があげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。特にエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体をナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオンで架橋させたエチレン系アイオノマー樹脂が良好な含水率を与え、良好な発泡性を与えることから好ましい。さらにはエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体をカリウムイオンで架橋させたエチレン系アイオノマー樹脂がより大きな平均セル径を与えることから、より好ましい。
前記親水性ポリマーの使用量は親水性ポリマーの種類にもより、特に限定されないが、通常ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上20重量部未満が好ましく、0.5重量部以上5重量部未満がより好ましい。0.01重量部未満では、高発泡倍率の予備発泡粒子が得られにくく、20重量部以上では耐熱性、機械強度の低下が大きくなる場合がある。
本発明でトリアジン骨格を有する化合物とは、単位トリアジン骨格あたりの分子量が300以下のものが好ましい。ここで、トリアジン骨格あたりの分子量とは、1分子中に含まれるトリアジン骨格数で分子量を除した値である。単位トリアジン骨格あたりの分子量が300を超えると発泡倍率ばらつき、セル径ばらつきが目立つ場合がある。単位トリアジン骨格あたりの分子量が300以下の化合物としては、例えば、メラミン(化学名1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン)、アンメリン(同1,3,5−トリアジン−2−ヒドロキシ−4,6−ジアミン)、アンメリド(同1,3,5−トリアジン−2,4−ヒドロキシ−6−アミン)、シアヌル酸(同1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオール)、トリス(メチル)シアヌレート、トリス(エチル)シアヌレート、トリス(ブチル)シアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)シアヌレート、メラミン・イソシアヌル酸縮合物などがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用しても良い。これらの内、高発泡倍率の予備発泡粒子を発泡倍率ばらつき、セル径ばらつきが少なく得るためには、メラミン、イソシアヌル酸、メラミン・イソシアヌル酸縮合物を使用することが好ましい。
さらに、必要に応じて、例えば、タルク等のセル造核剤をはじめ酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸などの安定剤または架橋剤、連鎖移動剤、滑剤、可塑剤、充填剤、強化剤、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤等を本発明の効果を損なわない範囲で基材樹脂に添加してポリプロピレン系樹脂混合物としてもよい。
前記ポリプロピレン系樹脂粒子を、従来から知られている方法を利用して、例えば、耐圧容器内で水中に分散させ、プロピレン系樹脂分散物とし、該分散物を好ましくは該ポリプロピレン系樹脂粒子の融点−25℃から+25℃、更に好ましくは−10℃から+10℃の範囲の温度に加熱するとともに窒素、空気などの無機ガスにより加圧して該ポリプロピレン系樹脂粒子内に水を含浸させ、加圧下で容器内の温度、圧力を一定に保持しながら、該ポリプロピレン系樹脂粒子と水との分散物を容器内よりも低圧の雰囲気下に放出することによりポリプロピレン系予備発泡粒子を製造する。低圧雰囲気に放出する際、該低圧雰囲気は、発泡倍率を高くするために80℃以上に保持されていることが必要であり、高温空気、水蒸気などで好ましくは90℃以上100℃以下に保持する。80℃未満である場合、高発泡倍率の予備発泡粒子が得られず、予備発泡粒子を発泡直後に冷却する効果から予備発泡粒子の収縮を招く。100℃を超えた場合、予備発泡粒子の融着を防ぐことが困難となる場合がある。
予備発泡粒子製造時における密閉容器には特に制限はなく、予備発泡粒子製造時における容器内圧力、容器内温度に耐えられるものであればよいが、例えばオートクレーブ型の耐圧容器があげられる。
前記分散物の調製に際しては、分散剤として、例えば、第三リン酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機系分散剤と、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、n−パラフィンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ等の分散助剤を使用されることが好ましい。これらの中でも第三リン酸カルシウムとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの併用が更に好ましい。分散剤や分散助剤の使用量は、その種類や、用いるポリプロピレン系樹脂の種類と使用量によって異なるが、通常、水100重量部に対して分散剤0.2〜3重量部を配合することが好ましく、分散助剤0.001〜0.1重量部を配合することが好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂粒子は、水中での分散性を良好なものにするために、通常、水100重量部に対して20〜100重量部使用するのが好ましい。
以上の製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率は、5倍以上50倍以下であり、好ましくは7倍以上45倍以下である。
また、一旦5倍以上35倍以下の予備発泡粒子を製造し、予備発泡粒子を密閉容器内に入れて窒素、空気などを含浸させる加圧処理により予備発泡粒子内の圧力を常圧よりも高くした後、該発泡粒子をスチーム等で加熱して更に発泡させる二段発泡法等の方法で50倍以上の二段発泡予備発泡粒子を得ても良い。
ここで、かくして得られた予備発泡粒子は示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線において、2つの融点ピークを有し、低い方の融点(以下、低温側融点と称す)が143℃以下かつ低温融解結晶量比率が90%以下であることが好ましく、該低温側融点が140℃以下かつ低温融解結晶量比率が70%以下であることがより好ましい。低温側融点が143℃より高い場合、もしくは低温融解結晶量比率が90%を超えた場合、該予備発泡粒子で薄肉の部位を有する型形状を型内成形する際や少量の蒸気加熱で型内成形する際に外観美麗な成形体となりにくい。予備発泡粒子の安定的な生産と該予備発泡粒子を用いた型内成形時の成形性を維持できる下限としては、低温側融点130℃、低温融解結晶比率60%であることが望ましい。
ここで、本発明における低温融解結晶量比率とは、示差走査熱量測定(DSC)において、試料4〜10mgを40℃から200℃まで10℃/分の速度で昇温した時に、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の基材樹脂が本来有していた結晶状態に基づく融解ピーク(以下、低温ピークと称す。)の融解ピーク熱量α(J/g)と当該ピークより高温側に現れる融解ピーク(以下、高温ピークと称す。)の融解ピーク熱量β(J/g)としたときに、低温ピーク熱量の総融解ピーク全体に対する比率(α/(α+β))(以下、低温DSCピーク比と称す場合がある)を言う。図1に前記条件で得られたDSCチャートの模式図を示す。
本発明の製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形体にするには、例えば、イ)発泡粒子を無機ガスで加圧処理して粒子内に無機ガスを含浸させ所定の粒子内圧を付与した後、金型に充填し、蒸気等で加熱融着させる方法(特公昭51−22951号)、ロ)発泡粒子をガス圧力で圧縮して金型に充填し粒子の回復力を利用して、蒸気等で加熱融着させる方法(特公昭53−33996号)等の方法が利用しうる。
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
〈発泡倍率測定〉
試料となる予備発泡粒子重量と、該試料をメスフラスコ中のエタノールに水没させてえられる容積から予備発泡粒子密度を算出し、基材樹脂密度を除して発泡倍率とした。
〈融着予備発泡粒子比率〉
目開き4.75mmの篩に重量20〜100gの予備発泡粒子をのせ、篩を1分間振動させ、篩上に残った予備発泡粒子重量の重量比率を算出し、融着予備発泡粒子比率とした。
ポリプロピレン系樹脂a:エチレン−プロピレンランダム共重合体 融点 149.6℃ メルトフローレート 7.3g/10min
ポリプロピレン系樹脂b:エチレン−プロピレン−ブテンランダム共重合体 融点 145.6℃ メルトフローレート 9.0g/10min
ポリプロピレン系樹脂c:エチレン−プロピレンランダム共重合体 融点 142.0℃ メルトフローレート 7.0g/10min
結晶核剤A:リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム
結晶核剤B:ヒドロキシ−ジ(tert−ブチル安息香酸)アルミニウム
結晶核剤C:ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール
(実施例1)
ポリプロピレン系樹脂aを100重量部にパウダー状タルク0.1重量部、結晶核剤A0.01重量部、トリアジン骨格を有する化合物としてメラミン0.3重量部をドライブレンドし、該ブレンド物を50mm単軸押出機にて押し出し、ポリプロピレン系樹脂粒子とした。得られた樹脂粒子100重量部(2.4kg)を、攪拌機を有する10L容の耐圧容器の中に入れ、第3リン酸カルシウム(大平化学産業社製)2.0重量部及びノルマルパラフィンスルホン酸ナトリウム0.03重量部の存在下で、水200重量部中に分散させた。該分散液を攪拌しながら、該分散液を165.4℃に加熱した後、該耐圧容器の内部圧力を2.98MPaになるように調整した。次に、耐圧容器下部に設置した内径25mmの放出バルブを解放し、放出バルブの後方端に取り付けた直径4mmの円形オリフィスを通して、ペレット及び水の分散液を、水蒸気にて雰囲気温度を100℃に調整した大気中に放出して、発泡倍率17.0倍、低温融解結晶比率72%の予備発泡粒子を得た。融着予備発泡粒子比率は0%であった。
Figure 2007023172
(実施例2)
実施例1で用いたポリプロピレン系樹脂を用いる代わりに、ポリプロピレン系樹脂bを用い、結晶核剤bを0.05重量部、トリアジン骨格を有する化合物としてイソシアヌル酸1重量部を押し出し、分散液を159.8℃に加熱し、該耐圧容器の内圧1.99MPaになるように調整し、水蒸気により90℃に調整した大気中に予備発泡粒子を放出した以外は実施例1と同様な方法により、発泡倍率14.5倍、低温融解結晶比率70%の予備発泡粒子を得た。融着予備発泡粒子比率は0.5%であった。
(実施例3)
実施例1で用いたポリプロピレン系樹脂を用いる代わりに、ポリプロピレン系樹脂bを用い、結晶核剤a0.01重量部の代わりに結晶核剤c0.1重量部用い、トリアジン骨格を有する化合物の代わりにエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体をナトリウムイオンで架橋させたエチレン系アイオノマー樹脂を3重量部添加し、分散液を160.5℃に加熱し、該耐圧容器の内圧2.00MPaに調整したこと以外は実施例1と同様な方法により、発泡倍率14.2倍、低温融解結晶比率77%の予備発泡粒子を得た。融着予備発泡粒子比率は0%であった。
(実施例4)
実施例1で用いたポリプロピレン系樹脂を用いる代わりに、ポリプロピレン系樹脂cを用い、結晶核剤a0.01重量部の代わりに結晶核剤c0.05重量部用い、分散液を154.0℃に加熱し、該耐圧容器の内圧3.00MPaに調整し、水蒸気により90℃に調整した大気中に予備発泡粒子を放出したこと以外は実施例1と同様な方法により、発泡倍率17.3倍、低温融解結晶比率81%の予備発泡粒子を得た。融着予備発泡粒子比率は0%であった。
(比較例1)
実施例1で用いた結晶核剤aを添加せず、分散液を166.3℃に加熱し、耐圧容器の内圧1.98MPaに調整した以外は実施例1と同様な方法により、発泡倍率14.2倍、低温融解結晶比率78%の予備発泡粒子を得た。融着予備発泡粒子比率は25%であった。
(比較例2)
実施例2で用いた結晶核剤bを添加せず、分散液を160.5℃に加熱した以外は実施例2と同様な方法により、発泡倍率14.0倍、低温融解結晶比率85%の予備発泡粒子を得た。融着予備発泡粒子比率は55%であった。
実施例1〜4および比較例1〜2に示すとおり、結晶核剤をポリプロピレン系樹脂に添加することにより、融着予備発泡粒子は劇的に抑制できることがわかる。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子のDSCチャートの模式図
符号の説明
α 低温融解ピーク熱量
β 高温融解ピーク熱量

Claims (4)

  1. ポリプロピレン系樹脂組成物からなる粒子を密閉容器内で水系分散媒に分散させ前記粒子を前記ポリプロピレン系樹脂組成物の軟化温度以上の温度に加熱し、分散媒である水を発泡剤として該粒子内に含浸せしめた後、密閉容器内の内圧よりも低圧かつ80℃以上の雰囲気中に放出することによって予備発泡させるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法において、前記ポリプロピレン系樹脂組成物が、結晶核剤を含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
  2. 示差走査熱量計法によるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の測定において、2つの融点を有し、低温側融点が143℃以下かつ低温融解結晶量比率が90%以下であることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
  3. 請求項1記載の結晶核剤が有機リン系結晶核剤、アルミニウム系結晶核剤、ソルビトール系結晶核剤から選ばれる1種以上であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
  4. ポリプロピレン系樹脂組成物が、親水性ポリマー、トリアジン骨格を有する化合物から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
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