JPH0517886B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

［産業上の利用分野］ 本発明はシソ科ヤマハツカ属植物の抽出物を配
合することにより肌のほてり、肌荒れ、カミソリ
まけ、炎症、しもやけ、欝血、脚のむくみ、血管
の浮き等を防止する効果に優れた皮膚外用剤に関
する。 ［従来の技術］ 従来、天然物から抽出した各種原料、例えばタ
ンパク質、多糖、抽出エキス、天然高分子等が、
その使用効果が特徴的であるため、皮膚外用剤に
配合されてきた。しかし日焼け後のほてり、カミ
ソリまけ、肌荒れ等を防止する効果に優れた皮膚
外用剤は待望されているが、いまだ十分でなかつ
た。 ［発明が解決しようとする問題点］ 本発明者らは、上記事情に鑑みて、皮膚に特徴
的を有用性を有する天然原料を得るべく鋭意研究
を重ねた結果、シソ科ヤマハツカ属植物の抽出物
を配合した皮膚外用剤は、肌のほてり、肌荒れ、
カミソリまけ、炎症、しもやけ、欝血、脚のむく
み、血管の浮き等を防止する効果に優れている事
を見出し、本発明を完成するに至つた。 ［問題点を解決するための手段］ すなわち、本発明はシソ科ヤマハツカ属植物の
抽出物を配合することを特徴とする皮膚外用剤に
関する。 以下本発明の構成について詳述する。 本発明で用いるシソ科ヤマハツカ属植物として
は、ヒキオコシ、クロバナヒキオコシ、カメバヒ
キオコシ等が挙げられる。 本発明で用いるシソ科ヤマハツカ属植物の抽出
物の抽出方法はシソ科ヤマハツカ属植物の葉、茎
または全草を溶媒、例えば、熱水やメタノール、
エタノール等の低級アルコールあるいは含有低級
アルコールあるいはプロピレングリコール、１−
３ブチレングリコール等の多価アルコールあるい
は含有多価アルコール等のアルコール抽出物また
はクロロホルム、酢酸エチルエステル等の有機溶
媒の１種または２種以上と共に加熱還流し濾過し
て得られる抽出液を濃縮して得られる。 本発明におけるシソ科ヤマハツカ属植物の抽出
物の配合量は、皮膚外用剤全量中、乾燥物として
0.0001〜10重量％、好ましくは0.001〜５重量％
である。0.0001重量％以下であると、本発明でい
う効果が十分に発揮されず、好ましくない。 本発明の皮膚外用剤の前記の必須成分に加えて
必要に応じて、本発明の効果を損わない範囲内
で、化粧品、医薬部外品、医薬品等に一般に用い
られる各種成分、すなわち水性成分、粉末成分、
油分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸
化防止剤、香料、色剤、薬剤等を配合することが
できる。また本発明の皮膚外用剤の剤型は任意で
あり、例えば化粧水等の可溶化系、乳液、クリー
ム等の乳化系あるいはフアンデーシヨン、分散
液、軟膏などの剤型をとることができる。尚、外
皮適用による効果は、血管収縮効果と実使用テス
トによる皮膚に対する、肌のほてり、肌荒れ、カ
ミソリまけ、脚のむくみ、血管の浮き等に対する
解消率から判定した。 （血管収縮効果測定方法） 一般にむくみを判定する方法として用いられて
いる血管収縮試験を行つた。家兎の下行大動脈を
摘出し、セラン状標本を作成する。これを37℃の
Tyrode液（10ml）中に懸垂し、サンプル（0.1
ml）滴下後の等張性収縮を測定し、医薬品として
使われているNE（Norepinephrine）の２×
10^-8Molのエタノール溶液により惹起される収縮
効果と比較し、その結果を表−１に示した。 判定方法を以下に示す。 （判定） ◎：NEの２×10^-8Molより惹起される収縮に比
べ収縮がより大きい。 ○：NEの２×10^-8Molより惹起される収縮に比
べ収縮が同程度 △：NEの２×10^-8Molより惹起される収縮に比
べ収縮が〃若干弱い ×：NEの２×10^-8Molより惹起される収縮に比
べ収縮が〃殆ど効果なし

【表】 表−１より明らかなようにヒキオコシ抽出物及
びクロバナヒキオコシ抽出物に非常に強い血管収
縮効果を認めた。 次に実使用テストによる、肌のほてり、肌荒
れ、カミソリまけ、脚のむくみ、血管の浮き等の
下記の試験方法で実施した。 （試験方法） 肌のほてり、肌荒れ、脚のむくみ、血管の浮き
等のそれぞれの症状に悩む各試験者各々20人で実
施し、表−２より得られるローシヨンを顔面に塗
布し、ほてり及び１週間後の肌荒れを判定し、ま
た、脚に表−２より得られるローシヨンを塗布し
脚のむくみ、血管の浮きを判定し総合評価した。
また、健康な男性の被試験者20名で実施し、ひげ
そり後に、その都度、表−２より得られるローシ
ヨンを塗りカミソリまけに対する効果を調べた。
結果を表−３に示した。 判定基準を以下に示す。 （肌のほてり、肌荒れ、脚のむくみ、血管の浮き
の判定基準） 著効：肌のほてり、および１週間後の肌荒れ、脚
のむくみ、血管の浮きがほとんど目立たなくな
つた。 有効：肌のほてり、および１週間後の肌荒れ、脚
のむくみ、血管の浮きが非常に弱くなつた。 やや有効：肌のほてり、および１週間後の肌荒
れ、脚のむくみ、血管の浮きがやや弱くなつ
た。 無効：肌のほてり、および１週間後の肌荒れ、脚
のむくみ、血管の浮きは変化なし。 （カミソリまけの判定基準） 著効：剃毛後のカミソリまけが著しく改善され
た。 有効：剃毛後のカミソリまけが非常に改善され
た。 やや有効：剃毛後のカミソリまけがやや改善され
た。 無効：剃毛後のかみカミソリは変化なし。 （判定） ◎：被試験者の著効、有効の示す割合（有効率）
が80％以上の場合 ○：被試験者の著効、有効の示す割合（有効率）
が50〜80％の場合 ×：被試験者の著効、有効の示す割合（有効率）
が50％以下の場合

【表】

【表】 表−３から明らかなようにヒキオコシ抽出物、
クロバナヒキオコシ抽出物を配合したものは肌の
ほてり、肌荒れ、カミソリまけ、脚のむくみ、血
管の浮きの改善効果に優れていた。 ［実施例］ 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。尚、本発明はこれにより限定されるもので
はない。配合量は重量％である。 実施例 １ 化粧水 (1) ヒキオコシ葉エタノール抽出物 0.005 (2) グリセリン 4.0 (3) １，３−ブチレングリコール 4.0 (4) エタノール 7.0 (5) ポリオキシエチレンオレイルアルコール0.5 (6) メチルパラベン 0.05 (7) クエン酸 0.01 (8) クエン酸ソーダ 0.1 (9) 香料 0.05 (10) 精製水 残余 （製法） 精製水にクエン酸、クエン酸ソーダ、グリセリ
ン、１，３−ブチレングリコールを溶解する。別
にエタノールにポリオキシエチレンオレイルアル
コール、香料、メチルパラベンおよびヒキオコシ
抽出物を溶解し、これを前述の精製水溶液に加え
て可溶化し、ろ過して化粧水を得た。 実施例 ２ クリーム (1) セトステアリルアルコール 3.5 (2) スクラワン 40.0 (3) ミツロウ 3.0 (4) 還元ラノリン 5.0 (5) エチルパラベン 0.3 (6) ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミ
チン酸エステル 2.0 (7) ステアリン酸モノグリセリド 2.0 (8) ヒキオコシ葉と茎50％エタノール抽出物およ
びクロバナヒキオコシ葉と茎50％エタノール抽
出物 1.0 (9) 香料 0.03 (10) １，３−ブチレングリコール 5.0 (11) グリセリン 5.0 (12) 精製水 残余 （製法） (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)と(9)を加熱溶解し75℃に
保つ
たものを、75℃に加温した(10)(11)と(12)に攪拌しなが
ら加える。ホモミキサー処理し乳化粒子を細かく
した後、攪拌しながら急冷し、クリームを得た。 実施例 ３ 乳液 (1) クロバナヒキオコシの茎と葉のエタノール抽
出物 3.0 (2) ステアリン酸 1.5 (3) セチルアルコール 0.5 (4) ミツロウ 2.0 (5) ポリオキシエチレン(10)モノオレイン酸エステ
ル 1.0 (6) グリセリンモノステアリン酸エステル 1.0 (7) クインスシード抽出物（５％水溶液） 20.0 (8) プロピレングリコール 5.0 (9) エタノール 3.0 (10) エチルパラベン 0.3 (11) ヒアルロン酸ナトリウム 0.03 (12) 精製水 残余 （製法） エタノールに香料およびクロバナヒキオコシの
エタノール抽出物の混合物を加えて溶解する（ア
ルコール相）。 精製水にプロピレングリコールを加え加熱溶解
して70℃に保つ（水相）。クインスシード抽出物
およびヒアルロン酸ナトリウムを除く他の成分を
混合し、加熱溶解して70℃に保つ（油相）。水相
に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均
一に乳化する。これを攪拌しながらアルコール相
とクインスシード抽出物およびヒアルロン酸ナト
リウムを加える。その後攪拌しながら30℃に冷却
して乳液を得た。 実施例 ４ パツク (1) ヒキオコシの茎と葉のエタノール抽出物0.5 (2) ポリビニルアルコール 15.0 (3) ポリエチレングリコール 3.0 (4) プロピレングリコール 7.0 (5) エタノール 10.0 (6) メチルパラベン 0.05 (7) 香料 0.05 (8) 精製水 残余 （製法） 精製水にポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、メチルパラベンを加え攪拌溶解す
る。次にポリビニルアルコールを加え加熱攪拌
し、香料を溶解したエタノールおよびヒキオコシ
抽出物を加え攪拌溶解してパツクを得た。 実施例 ５ 固形白粉 (1) タルク 85.4 (2) ステアリン酸 1.5 (3) ラノリン 5.0 (4) スクワラン 5.0 (5) ソルビタンセスキオレイン酸エステル 2.0 (6) トリエタノールアミン 1.0 (7) ヒキオコシ全草抽出物 0.001 (8) 顔料 適量 (8) 香料 適量 （製法） タルク、顔料をニーダーでよくかきまぜる（粉
末部）。トリエタノールアミンを50％相当量の精
製水に加え70℃に保つ（水相）。香料を除く他の
成分を混合し、加熱溶解して70℃に保つ（油相）。
水相に油相を加えホモミキサーで均一に乳化し、
これを粉末に加えニーダーで練り合わせたあと水
分を蒸発させ粉砕機で処理する。さらにこれをよ
くかきまぜながら香料を均一に噴霧し圧縮成形す
る。 実施例 ６ 軟膏 (1) ヒキオコシの葉および茎の50％エタノール抽
出物 0.1 (2) ステアリルアルコール 18.0 (3) モクロウ 20.0 (4) ポリオキシエチレン（10モル）モノオレイン
酸エステル 0.25 (5) グリセリンモノステアリン酸エステル 0.25 (6) ワセリン 40.0 (7) 精製水 21.4 （製法） 精製水を70℃に保ち（水相）。他の成分を70℃
にて混合溶解する（油相）。水相に油相を加え、
ホモミキサーで均一に乳化後冷却して軟膏を得
た。 実施例１〜６より得られた化粧料は、実施用に
より、肌のほてり、肌荒れ、脚のむくみ、しもや
け、血管の浮きあるいはカミソリまけに対する効
果に優れていた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シソ科ヤマハツカ属植物の抽出物を配合した
   ことを特徴とする皮膚外用剤。