JPH0517802A - 射出成形用組成物 - Google Patents

射出成形用組成物

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JPH0517802A
JPH0517802A JP19580691A JP19580691A JPH0517802A JP H0517802 A JPH0517802 A JP H0517802A JP 19580691 A JP19580691 A JP 19580691A JP 19580691 A JP19580691 A JP 19580691A JP H0517802 A JPH0517802 A JP H0517802A
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JP
Japan
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injection molding
binder
composition
weight
boron
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JP19580691A
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English (en)
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Masakazu Enboku
正和 遠北
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の射出成形用組成物は、セラミックス
の少なくとも1種から成る焼結用粉末とバインダーと
を、容量基準で70/30〜30/70の割合で含有しているも
のであって、前記バインダーは、10〜80重量%のアタク
ティックポリプロピレン、10〜80重量%の高級飽和脂肪
酸及び5〜35重量%のホウ素含有パラフィンとから成る
ことを特徴とし、該ホウ素含有パラフィンは、ホウ酸エ
ステルを100〜200 ℃の温度で1〜24時間加熱処理する
ことにより得られる。 【効果】 本発明の組成物は、混練性が著しく向上して
おり、極めて低温・短時間での溶融混練によって容易に
調製される。この組成物においては、バインダー成分の
変質や分解がなく、各バインダー成分が有効に作用して
優れた特性の射出成形体及び最終製品である焼結製品を
得ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形粉末冶金法に
用いる射出成形用組成物に関する。
【0002】
【従来技術】射出成形粉末冶金法は、セラミックス等の
粉末とバインダーとの混練物を射出成形し、得られた成
形物を脱バインダー処理した後に焼結を行なうことによ
り焼結製品を製造する方法であり、特に三次元的に複雑
な形状を有する製品を製造するのに有効な方法である。
この様な射出成形用組成物に用いるバインダーとして
は、極めて多種のものが配合されており、用いるバイン
ダー成分は、混練性、成形性、脱バインダー性、リサイ
クル性、得られる成形体の強度等を考慮して決定され
る。例えば、特開平2−107703号公報には、10〜80重量
%の低密度ポリエチレン、10〜80重量%のパラフィン系
ワックス及び5〜35重量%のホウ酸エステルから成るバ
インダーを用いた射出成形用組成物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記先行
技術の射出成形用組成物等においては、未だ混練性が不
満足であるという欠点がある。即ち、上記バインダー中
の主として低密度ポリエチレンを均一に混練できる温度
は、 100℃以上であり、特に低密度ポリエチレンとパラ
フィン系ワックスとを均一に混練するためには、 150℃
以上で3時間以上要する。しかも、パラフィン系ワック
スを、この様な高温、長時間の加熱混練処理に付する
と、一部が変質ないし分解するという問題がある。この
様に、工業生産性の面から、長時間を要する割には、安
定した射出成形用組成物を得ることが困難であるという
のが実情である。従って、本発明の目的は、混練性が優
れており、低温、短時間での混練により、各成分が劣
化、変質等を生ずることなく、均一に分散されている射
出成形用組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ホウ酸エステ
ルを一定の加熱処理することによって得られるホウ素含
有パラフィンを一定のバインダー成分と併用することが
重要な特徴であり、このようなホウ素含有パラフィンを
使用することによって、上述した目的を達成することに
成功したものである。
【0005】本発明によれば、セラミックスの少なくと
も1種から成る焼結用粉末とバインダーとを、容量基準
で70/30〜30/70の割合で含有している射出成形用組成
物において、前記バインダーは、10〜80重量%のアタク
ティックポリプロピレン、10〜80重量%の高級飽和脂肪
酸及び5〜35重量%のホウ素含有パラフィンとから成る
ことを特徴とする射出成形用組成物が提供される。
【0006】
【作用】焼結用粉末 本発明において、焼結用粉末としては、例えば、ジルコ
ニア、アルミナなどの酸化物系等のセラミックスの粉末
が使用され、これらは、目的とする焼結製品に応じて、
1種単独または2種以上の組み合わせで使用される。
【0007】バインダー 本発明の射出成形用組成物において使用されるバインダ
ーは、アタクティックポリプロピレン、高級飽和脂肪酸
及びホウ素含有パラフィンから成る。
【0008】アタクティックポリプロピレンは、射出成
形体の形状保持に寄与する成分であり、バインダー中に
10〜80重量%、特に40〜60重量%の割合で配合される。
この配合量が10重量%未満であると、射出成形体の形状
保持性や強度が低下し、例えば射出成形体表面に亀裂が
生じることがある。また本発明の目的とする混練性も不
満足なものとなる。また80重量%よりも過剰に配合され
ると、焼結前の射出成形体について行なわれる脱バイン
ダー処理に要する時間がいたずらに長くなり、生産性が
極めて低下する。かかるアタクティックポリプロピレン
としては、例えば平均分子量が15,000〜40,000程度のも
のが好適に使用され、このようなものは一般に市販され
ている。
【0009】高級飽和脂肪酸は、射出成形性を向上させ
るために配合される成分であり、バインダー中に10〜80
重量%、特に10〜40重量%の割合で配合される。この配
合量が10重量%未満であると、組成物の射出成形を有効
に行なうことが困難となり、また脱バインダー処理時間
が長くなるばかりかその処理温度も高くなる。さらに80
重量%よりも過剰に配合されると、得られる射出成形体
の形状保持性や強度が低下し、その後の成形体の取扱い
が困難となり、例えば脱バインダーや焼結を行なうこと
が不可能となる。かかる高級飽和脂肪酸としては、特に
炭素原子数が15以上のものが好適に使用されるが、本発
明においては特にステアリン酸が最も好適に使用され
る。
【0010】本発明においては、ホウ素含有パラフィン
をバインダー成分として使用することによって、焼結用
粉末とバインダーとの混和性が著しく向上し、例えば低
温、短時間での混練により、焼結用粉末が組成物中に均
一に分散され、また脱バインダー処理におけるフクレ、
ワレなどの欠陥が防止でき、該処理を安定させるため、
最終的に得られる焼結製品の密度及び寸法精度も向上す
る。この様に、ホウ素含有パラフィンを使用することに
よって混練性が向上することの理由は明確ではないが、
このホウ素含有パラフィンが 200℃までの加熱に対して
安定であり、且つ 100℃以下の低温では潤滑剤としての
働きを有しているからと考えられる。
【0011】このホウ素含有パラフィンは、ホウ酸エス
テルを 100〜200 ℃、特に 120〜160 ℃の温度で1〜24
時間、特に5〜18時間加熱処理することにより得られ、
例えばホウ酸エステルの加熱処理温度が 100℃未満ある
いは加熱処理時間が1時間未満であると、ホウ素含有パ
ラフィンが有効に生成せず、混練性を向上させることが
困難となる。またホウ酸エステルの加熱処理温度が、 2
00℃を超えるかあるいは加熱処理時間が24時間を超える
と、一旦生成したホウ素含有パラフィンが変質ないし分
解するため、やはり混練性を向上させることが困難とな
る。
【0012】また加熱処理すべきホウ酸エステルとして
は、例えば 1,6−ビス(5−エチル−4−プロピル− 1,
3,2−ジオキサボラ−2−シクロヘキシルオキシ) ヘキ
サン、1,4−ビス(5−エチル−4−プロピル− 1,3,2−
ジオキサボラ−2−シクロヘキシルオキシ) ブタン等の
トリグリコールジボレート;トリメチルボレート、トリ
エチルボレート、トリブチルボレート、トリアミルボレ
ート等のトリアルキルボレート;グリセロールボレート
ステアレート、ポリオキシエチレングリセロールボレー
トパルミテレート等のグリセロールボレート;メチルジ
ボレート、エチルジボレート等のアルキンジボレートを
例示することができ、加熱処理に際してこれらホウ酸エ
ステルを単独または2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。本発明において最も好適に使用されるホウ
素含有パラフィンは、トリグリコールジボレート類の加
熱処理物である。
【0013】本発明において、上述したホウ素含有パラ
フィンは、バインダー中に5〜35重量%、特に10〜30重
量%の割合で配合される。この配合量が5重量%未満で
あると、本発明の目的とする混練性が向上せず、焼結用
粉末が組成物中に均一に分散されず、脱バインダー後の
射出成形体に多孔質の欠陥を生じ易くなる。また35重量
%よりも多量に配合されると、得られる射出成形体は強
度が不満足なものとなる。またこれらのホウ酸エステル
を加熱処理して得られたホウ素含有パラフィンは、1種
または2種以上の組み合わせとしても使用することがで
き、他の成分と混合する際には、例えばベンゼン、トル
エン、キシレンなどの溶剤に溶解して60〜80重量%程度
の溶液として配合することができる。これによりセラミ
ックス粉末と有機バインダーとの混合性は一層向上す
る。従って、この場合には、バインダー組成物は、一定
量の溶剤も成分として含有することになる。
【0014】尚、本発明において使用されるバインダー
には、混練性を向上させるという本発明の目的を損なわ
ない限りにおいて、上述した各成分以外にも、低密度ポ
リエチレン、ポリオレフィン系ワックス、パラフィン系
ワックス等のそれ自体公知のバインダー成分を使用する
ことが可能である。
【0015】射出成形用組成物 本発明の射出成形用組成物は、上述した焼結用粉末とバ
インダーとを、容量基準で70/30〜30/70、好ましくは
60/40〜40/60の割合で均一に混練することによって調
製される。焼結用粉末の使用量が上記範囲よりも少ない
と、組成物の流動性が増加して射出成形が困難となり、
また得られる成形体中の焼結用粉末の充填密度が低くな
って最終焼結製品の密度を向上させることが困難とな
る。さらに上記範囲よりも多量に使用されると、射出成
形体の強度の低下あるいは成形体表面に面引けと称する
欠陥を生じ易くなる。また混練は、一般に 150〜200 ℃
の温度で行なわれ、従来公知の組成物に比して短時間の
混練で均一な組成の射出成形用組成物を得ることができ
る。かくして得られる本発明の射出成形用組成物は、射
出成形、脱バインダー及び焼結の各工程を経て最終製品
とされる。射出成形は、例えば通常のプラスチックの射
出成形に使用されている射出成形機を用いて行なうこと
が可能であり、例えば加熱温度80〜200 ℃、射出圧力50
〜200 MPaの条件で行なわれる。また脱バインダーは、
射出成形体を 200〜600 ℃の温度で加熱処理することに
より行なわれる。また焼結は、使用する焼結用粉末の種
類によっても異なるが、一般に1200〜1700℃の温度で1
〜4時間程度行なわれる。
【0016】
【実施例】実施例1〜8 ホウ酸エステルとしてトリメチルボレートを使用し、加
熱処理条件を表1に示す様に種々変更して得られたホウ
素含有パラフィンをバインダー成分として用いた。尚、
ガスクロマトグラフィーの水素炎イオン検出器を用い
て、トリメチルボレートの加熱変化を調べたが、実施例
1〜8で用いたトリメチルボレートの加熱処理物の全て
について、炭素数18〜40までのパラフィンのピークが確
認された。上記の各種ホウ素含有パラフィンを他のバイ
ンダー成分と表1に示す割合で併用したバインダーを、
平均粒径 1μm のアルミナ粉と表1に示す条件でニーダ
ーを用いて混練した後、ペレット状に造粒した。これら
のペレットについて、ASTM D−1238に準拠して 150℃に
おけるメトインデックス(MI値)を測定し、射出成形
性を評価した。尚、このMI値が 180〜220 g/10分の
範囲にあるものを合格と判定した。結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】尚、ニーダーで混練調製された各実施例の
組成物について、バインダー成分の変化をガスクロマト
グラフィーにより調査したが、前述したパラフィンのピ
ークに変化は無く、バインダーは安定していた。また表
1から明らかな通り、MI値は全て良好な範囲にあり、
射出成形に適した流動性を有していた。
【0019】比較例1〜8 表2に示す条件で加熱処理されたトリメチルボレートの
加熱処理物を使用した以外は、実施例と同様にして射出
成形用組成物を調製し、MI値の測定により射出成形性
の評価を行なった。結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】尚、各比較例で用いたトリメチルボレート
の加熱処理物についても実施例と同様にガスクロマトグ
ラフィーを用いてその加熱変化を調べた。その結果、比
較例1ではパラフィンのピークは認められなかった。ま
た比較例2、3、4では、パラフィンのピークそのもの
が変化しており、低級炭化水素の発生が認められ、表2
の結果から明らかな通り、これらを用いて調製された組
成物は良好なMI値を示さなかった。比較例5、6、7
及び8で用いたトリメチルボレートの加熱処理物では安
定なパラフィンの生成が認められたが、これらを用いて
調製された組成物においては、その配合量が多すぎたり
或いは少ないために混練が十分に行なわれず、MI値の
測定も行なうことができなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明の射出成形用組成物は、混練性が
著しく向上しており、極めて低温・短時間での溶融混練
によって容易に調製される。この組成物においては、バ
インダー成分の変質や分解がなく、各バインダー成分が
有効に作用して優れた特性の射出成形体及び最終製品で
ある焼結製品を得ることが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックスの少なくとも1種から成る
    焼結用粉末とバインダーとを、容量基準で70/30〜30/
    70の割合で含有している射出成形用組成物において、 前記バインダーは、10〜80重量%のアタクティックポリ
    プロピレン、10〜80重量%の高級飽和脂肪酸及び5〜35
    重量%のホウ素含有パラフィンとから成ることを特徴と
    する射出成形用組成物。
  2. 【請求項2】 前記ホウ素含有パラフィンは、トリグリ
    コールジボレート、トリアルキルボレート、グリセロー
    ルボレート及びアルキンジボレートより選ばれた少なく
    とも1種のホウ酸エステルを 100〜200 ℃の温度で熱処
    理して得られたものである請求項1に記載の射出成形用
    組成物。
JP19580691A 1991-07-10 1991-07-10 射出成形用組成物 Pending JPH0517802A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102012214083A1 (de) 2011-08-10 2013-02-14 The Yokohama Rubber Co., Ltd Luftreifen

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102012214083A1 (de) 2011-08-10 2013-02-14 The Yokohama Rubber Co., Ltd Luftreifen

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