JPH05176788A - インターロイキン−6の産生方法 - Google Patents
インターロイキン−6の産生方法Info
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- JPH05176788A JPH05176788A JP3221556A JP22155691A JPH05176788A JP H05176788 A JPH05176788 A JP H05176788A JP 3221556 A JP3221556 A JP 3221556A JP 22155691 A JP22155691 A JP 22155691A JP H05176788 A JPH05176788 A JP H05176788A
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- cells
- cell
- interleukin
- producing
- adhesion
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- Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高収率で安定に産生させることができ、かつ
培養条件を一定に制御することが可能なインターロイキ
ン−6の産生方法を提供する。 【構成】 インターロイキン−6産生細胞でかつ接着依
存性動物細胞を、マイクロキャリヤーもしくは中空糸で
接着培養、あるいはマイクロカプセルで固定化培養す
る。
培養条件を一定に制御することが可能なインターロイキ
ン−6の産生方法を提供する。 【構成】 インターロイキン−6産生細胞でかつ接着依
存性動物細胞を、マイクロキャリヤーもしくは中空糸で
接着培養、あるいはマイクロカプセルで固定化培養す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インターロイキン−6
の大量産生方法に関する。
の大量産生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インターロイキンー6(以下、IL−6
と略す)は、Bリンパ球分化因子、インターフェロンβ
2、26K蛋白、ハイブリドーマ/プラズマサイトーマ
増殖因子、あるいは肝細胞刺激因子などとよばれていた
サイトカインの統一名である。IL−6は、活性化され
たB細胞に対し、抗体産生細胞への分化を誘導する。T
細胞に対しては、マイトジェン刺激を受けたT細胞にI
L−2産生を誘導したり、ある種のT細胞株や胸腺細胞
にIL−2レセプターを誘導する。造血細胞に対しては
IL−3存在下でIL−6が造血幹細胞の増殖を相乗的
に誘導する。また、最近、IL−6はトロンボポエチン
としての作用を有していることが報告されている。この
様にIL−6は、多くの生理活性を有しており、医薬と
しての応用が期待されている。
と略す)は、Bリンパ球分化因子、インターフェロンβ
2、26K蛋白、ハイブリドーマ/プラズマサイトーマ
増殖因子、あるいは肝細胞刺激因子などとよばれていた
サイトカインの統一名である。IL−6は、活性化され
たB細胞に対し、抗体産生細胞への分化を誘導する。T
細胞に対しては、マイトジェン刺激を受けたT細胞にI
L−2産生を誘導したり、ある種のT細胞株や胸腺細胞
にIL−2レセプターを誘導する。造血細胞に対しては
IL−3存在下でIL−6が造血幹細胞の増殖を相乗的
に誘導する。また、最近、IL−6はトロンボポエチン
としての作用を有していることが報告されている。この
様にIL−6は、多くの生理活性を有しており、医薬と
しての応用が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在IL−6は、遺伝
子組換え体で産生され提供されている。しかし、遺伝子
組換え大腸菌で産生される物は、糖鎖を有していない。
また、遺伝子組換えCHO細胞で産生される物は、糖鎖
構造が天然の物と異なる可能性がある。糖鎖構造の差異
は、生理活性や体内動態に影響すると考えられる。天然
IL−6の生理活性や体内動態などの性質を臨床応用す
るには、天然型IL−6の大量生産が必要である。天然
型IL−6は例えば線維芽細胞をある種のサイトカイン
などで刺激することによって産生されることが知られて
いる。後述するような種々の刺激がIL−6を産生させ
ることが報告されているが、必ずしも工業的規模での製
造には充分な産生量を示さない。
子組換え体で産生され提供されている。しかし、遺伝子
組換え大腸菌で産生される物は、糖鎖を有していない。
また、遺伝子組換えCHO細胞で産生される物は、糖鎖
構造が天然の物と異なる可能性がある。糖鎖構造の差異
は、生理活性や体内動態に影響すると考えられる。天然
IL−6の生理活性や体内動態などの性質を臨床応用す
るには、天然型IL−6の大量生産が必要である。天然
型IL−6は例えば線維芽細胞をある種のサイトカイン
などで刺激することによって産生されることが知られて
いる。後述するような種々の刺激がIL−6を産生させ
ることが報告されているが、必ずしも工業的規模での製
造には充分な産生量を示さない。
【0004】また従来、正常二倍体線維芽細胞等の接着
依存性細胞の培養方法として、ルー瓶もしくはローラー
瓶を用いる方法が知られているが、この方法では大量の
接着依存性細胞を培養することは極めて困難と考えられ
ている。すなわち、この方法では、細胞はルー瓶の底
面、もしくはローラ瓶の内側面に単層に増殖するだけで
あるため、大量培養には多量の瓶を必要とする。また、
pHや培地中溶存酸素濃度等の培養条件を一定に制御す
ることはほとんど不可能である。本発明の目的は、臨床
応用のために、大量で、かつ培養条件を一定に制御する
ことが可能なIL−6の産生方法を提供することにあ
る。
依存性細胞の培養方法として、ルー瓶もしくはローラー
瓶を用いる方法が知られているが、この方法では大量の
接着依存性細胞を培養することは極めて困難と考えられ
ている。すなわち、この方法では、細胞はルー瓶の底
面、もしくはローラ瓶の内側面に単層に増殖するだけで
あるため、大量培養には多量の瓶を必要とする。また、
pHや培地中溶存酸素濃度等の培養条件を一定に制御す
ることはほとんど不可能である。本発明の目的は、臨床
応用のために、大量で、かつ培養条件を一定に制御する
ことが可能なIL−6の産生方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。すなわち本発明は、IL−6産生
細胞でかつ接着依存性動物細胞を、マイクロキャリヤー
もしくは中空糸に接着培養、あるいはマイクロカプセル
に固定化培養することを特徴とするインターロイキン−
6の産生方法である。
明により達成される。すなわち本発明は、IL−6産生
細胞でかつ接着依存性動物細胞を、マイクロキャリヤー
もしくは中空糸に接着培養、あるいはマイクロカプセル
に固定化培養することを特徴とするインターロイキン−
6の産生方法である。
【0006】天然型IL−6は、さまざまな細胞により
恒常的に、あるいは種々の刺激により産生される。具体
的には、IL−6は、T細胞、B細胞、単球マクロファ
ージに代表される浮游細胞と、線維芽細胞、骨肉腫細
胞、肺癌細胞、血管内皮細胞に代表される接着依存性細
胞株により産生される。本発明は、接着依存性動物細胞
を用いた天然型IL−6の生産に関する。本発明は、接
着依存性動物細胞をマイクロキャリヤーもしくは中空糸
などに接着培養し、あるいはマイクロカプセルに固定化
培養し、誘発剤を用いないで恒常的にIL−6を産生さ
せるか、もしくは各種IL−6の誘発剤で産生刺激する
ことを特徴とするIL−6の産生方法である。
恒常的に、あるいは種々の刺激により産生される。具体
的には、IL−6は、T細胞、B細胞、単球マクロファ
ージに代表される浮游細胞と、線維芽細胞、骨肉腫細
胞、肺癌細胞、血管内皮細胞に代表される接着依存性細
胞株により産生される。本発明は、接着依存性動物細胞
を用いた天然型IL−6の生産に関する。本発明は、接
着依存性動物細胞をマイクロキャリヤーもしくは中空糸
などに接着培養し、あるいはマイクロカプセルに固定化
培養し、誘発剤を用いないで恒常的にIL−6を産生さ
せるか、もしくは各種IL−6の誘発剤で産生刺激する
ことを特徴とするIL−6の産生方法である。
【0007】本発明で使用するマイクロキャリヤーは、
マトリックス素材としては特に限定されないが、例え
ば、コラーゲン、ゼラチン、セルロース、架橋デキスト
ランなどの天然素材、あるいは、ポリスチレンのような
合成樹脂から成るものなどが挙げられる。これらのマイ
クロキャリアーは、荷電化されているものと荷電されて
いないものがあるが、どちらも使用できる。荷電化され
ているものでは、正荷電のものが負荷電のものより好ま
しく、正荷電基としては、例えばジメチルアミノプロピ
ル、ジメチルアミノエチル、トリメチルハイドロキシア
ミノプロピルなどが挙げられる。また、マトリックス素
材をコラーゲンやゼラチンなどでコートしたものも使用
できる。具体的な市販品として、架橋デキストランにジ
メチルアミノエチルを付加した“Cytodex−1”
(ファルマシア社)、架橋デキストランに変性コラーゲ
ンをコートした“Cytodex−3”(ファルマシア
社)があるが、これに限定されるものではない。Cyt
odex−1”(ファルマシア社)を使用する場合、そ
の濃度(使用量)は培養液対比で0.05ないし1%の
範囲で選ばれるが、好適には0.2−0.7%の範囲で
適宜選択される。
マトリックス素材としては特に限定されないが、例え
ば、コラーゲン、ゼラチン、セルロース、架橋デキスト
ランなどの天然素材、あるいは、ポリスチレンのような
合成樹脂から成るものなどが挙げられる。これらのマイ
クロキャリアーは、荷電化されているものと荷電されて
いないものがあるが、どちらも使用できる。荷電化され
ているものでは、正荷電のものが負荷電のものより好ま
しく、正荷電基としては、例えばジメチルアミノプロピ
ル、ジメチルアミノエチル、トリメチルハイドロキシア
ミノプロピルなどが挙げられる。また、マトリックス素
材をコラーゲンやゼラチンなどでコートしたものも使用
できる。具体的な市販品として、架橋デキストランにジ
メチルアミノエチルを付加した“Cytodex−1”
(ファルマシア社)、架橋デキストランに変性コラーゲ
ンをコートした“Cytodex−3”(ファルマシア
社)があるが、これに限定されるものではない。Cyt
odex−1”(ファルマシア社)を使用する場合、そ
の濃度(使用量)は培養液対比で0.05ないし1%の
範囲で選ばれるが、好適には0.2−0.7%の範囲で
適宜選択される。
【0008】本発明で使用する中空糸としては、修飾セ
ルロースなどを使用したものなどがあり、例えば、“V
itafiber”(アミコン社)などが挙げられる。
マイクロカプセルは、水透過性のあるゲルを形成するコ
ラーゲンやアルギン酸ソーダを用いて、内部に細胞を包
埋して形成する(A. Klausner, Bio/technol., 1,736(1
983)) 。
ルロースなどを使用したものなどがあり、例えば、“V
itafiber”(アミコン社)などが挙げられる。
マイクロカプセルは、水透過性のあるゲルを形成するコ
ラーゲンやアルギン酸ソーダを用いて、内部に細胞を包
埋して形成する(A. Klausner, Bio/technol., 1,736(1
983)) 。
【0009】IL−6産生細胞でかつ接着依存性動物細
胞を培養するには、種細胞を、マイクロキャリヤービー
ズや中空糸に接種し、またはゲル固定化細胞を作成し培
養する。培地組成、血清濃度等は、培養すべき細胞の種
類、細胞濃度等に応じて適当に選ばれる。培養中、適宜
培地交換を行い、数日間〜20日間培養する。細胞がほ
ぼコンフルエントになるまで培養を続ける。増殖した細
胞は、誘発剤で処理するに先立ち低単位のインターフェ
ロンなどのサイトカンインと、負に荷電した水溶性高分
子を添加して数時間から数日間インキュベートすること
が望ましい。前処理するインターフエロンとしてはイン
ターフエロンα類、インターフエロンβ、インターフエ
ロンγなどが用いられるが、特にインターフエロンα類
とインターフエロンβが好ましい。インターフエロンの
濃度としては、通常0.1〜1万国際単位/mlが用い
られるが、より好適には1〜1000国際単位/mlが
選択される。
胞を培養するには、種細胞を、マイクロキャリヤービー
ズや中空糸に接種し、またはゲル固定化細胞を作成し培
養する。培地組成、血清濃度等は、培養すべき細胞の種
類、細胞濃度等に応じて適当に選ばれる。培養中、適宜
培地交換を行い、数日間〜20日間培養する。細胞がほ
ぼコンフルエントになるまで培養を続ける。増殖した細
胞は、誘発剤で処理するに先立ち低単位のインターフェ
ロンなどのサイトカンインと、負に荷電した水溶性高分
子を添加して数時間から数日間インキュベートすること
が望ましい。前処理するインターフエロンとしてはイン
ターフエロンα類、インターフエロンβ、インターフエ
ロンγなどが用いられるが、特にインターフエロンα類
とインターフエロンβが好ましい。インターフエロンの
濃度としては、通常0.1〜1万国際単位/mlが用い
られるが、より好適には1〜1000国際単位/mlが
選択される。
【0010】細胞として血管内皮細胞をなどの誘発剤を
必要としない細胞を用いる場合は、該細胞を培養するだ
けでIL−6を恒常的に産生することができる。一方、
線維芽細胞、骨肉腫細胞、肺癌細胞などの誘発剤の刺激
でIL−6を産生する細胞を用いる場合は、増殖した細
胞を誘発剤で処理をしてIL−6を産生させる。
必要としない細胞を用いる場合は、該細胞を培養するだ
けでIL−6を恒常的に産生することができる。一方、
線維芽細胞、骨肉腫細胞、肺癌細胞などの誘発剤の刺激
でIL−6を産生する細胞を用いる場合は、増殖した細
胞を誘発剤で処理をしてIL−6を産生させる。
【0011】細胞を誘発剤で処理しIL−6を産生させ
る方法としては、poly(I):poly(C)(以
下ポリI/Cと略)等の合成RNAもしくは天然型RN
A等の誘発剤、あるいはIL−1、TNF、IFN−β
などのサイトカイン、あるいはPDGF等の増殖因子、
あるいはPMA、PHA、リポポリサッカライドやコレ
ラ毒素などを用いて誘発させる方法が用いられる(Sc
ience,235,731(1987))。これらの
うち、合成RNAもしくは天然型RNAが好ましく、特
に合成RNAであるポリI/Cを使用するのが好まし
い。ポリI/Cの誘発刺激条件としては特に制限される
ものではないが、濃度として通常0.01〜1000μ
g/mlが使用され、特に好適には1〜200μg/m
lが使用される。ポリI/C刺激時間は通常数分〜数十
時間が選ばれるが、好適には1〜10時間のなかで選択
される。
る方法としては、poly(I):poly(C)(以
下ポリI/Cと略)等の合成RNAもしくは天然型RN
A等の誘発剤、あるいはIL−1、TNF、IFN−β
などのサイトカイン、あるいはPDGF等の増殖因子、
あるいはPMA、PHA、リポポリサッカライドやコレ
ラ毒素などを用いて誘発させる方法が用いられる(Sc
ience,235,731(1987))。これらの
うち、合成RNAもしくは天然型RNAが好ましく、特
に合成RNAであるポリI/Cを使用するのが好まし
い。ポリI/Cの誘発刺激条件としては特に制限される
ものではないが、濃度として通常0.01〜1000μ
g/mlが使用され、特に好適には1〜200μg/m
lが使用される。ポリI/C刺激時間は通常数分〜数十
時間が選ばれるが、好適には1〜10時間のなかで選択
される。
【0012】また、誘発剤を用いて細胞を刺激した後、
ベラパミル、シクロヘキシミド、アクチノマイシンDな
どの代謝阻害剤で細胞を処理することにより産生を増強
せしめる方法(J.Immunol.,144,424
2−4248(1990))を採用しても良い。
ベラパミル、シクロヘキシミド、アクチノマイシンDな
どの代謝阻害剤で細胞を処理することにより産生を増強
せしめる方法(J.Immunol.,144,424
2−4248(1990))を採用しても良い。
【0013】産生細胞としては特に制限されるものでは
ないが、本発明の特徴より接着依存性細胞が選択され、
特に好適には線維芽細胞が用いられる。ヒトのIL−6
の産生を目的にする場合にはヒト線維芽細胞が選択され
る。ヒト線維芽細胞は正常2倍体の場合、継代数に50
代前後という制限があるが、それでも培養条件を選ぶこ
とにより、実際上、工業的製造のための細胞として利用
することができる。
ないが、本発明の特徴より接着依存性細胞が選択され、
特に好適には線維芽細胞が用いられる。ヒトのIL−6
の産生を目的にする場合にはヒト線維芽細胞が選択され
る。ヒト線維芽細胞は正常2倍体の場合、継代数に50
代前後という制限があるが、それでも培養条件を選ぶこ
とにより、実際上、工業的製造のための細胞として利用
することができる。
【0014】更に本発明は、IL−6産生細胞を培養
中、あるいは誘発処理中において、培養液中の溶存酸素
濃度およびpHを一定に制御することが好ましいことを
規定する。IL−6産生細胞として誘発剤の刺激により
IL−6を産生する細胞を用いる場合は、特に、増殖後
のIL−6産生培地中の溶存酸素濃度およびpHを一定
に制御することが好ましい。培養液中の溶存酸素濃度
は、常に空気に対する飽和溶解度に対して20%〜80
%、特に40%〜65%の範囲に保つことが好ましい。
同様にpHは7.0〜8.0の範囲に制御することが好
ましい。本発明の溶存酸素濃度及びpHは、規定濃度の
範囲内で常に一定に制御することが好ましい。
中、あるいは誘発処理中において、培養液中の溶存酸素
濃度およびpHを一定に制御することが好ましいことを
規定する。IL−6産生細胞として誘発剤の刺激により
IL−6を産生する細胞を用いる場合は、特に、増殖後
のIL−6産生培地中の溶存酸素濃度およびpHを一定
に制御することが好ましい。培養液中の溶存酸素濃度
は、常に空気に対する飽和溶解度に対して20%〜80
%、特に40%〜65%の範囲に保つことが好ましい。
同様にpHは7.0〜8.0の範囲に制御することが好
ましい。本発明の溶存酸素濃度及びpHは、規定濃度の
範囲内で常に一定に制御することが好ましい。
【0015】本発明で用いる培地は、通常のものが使用
でき、特に制限されない。一般的に市販されている、動
物細胞培養用の各種培地が好適に使用され、またこれら
市販培地の添加物を修飾(添加物量を少し変えたもの、
ある種の添加物を除いたもの、ある種の添加物を更に加
えたものなど)した培地も好適に使用される。これらの
中で細胞および条件に適した培地を、適宜選択すること
が好ましい。
でき、特に制限されない。一般的に市販されている、動
物細胞培養用の各種培地が好適に使用され、またこれら
市販培地の添加物を修飾(添加物量を少し変えたもの、
ある種の添加物を除いたもの、ある種の添加物を更に加
えたものなど)した培地も好適に使用される。これらの
中で細胞および条件に適した培地を、適宜選択すること
が好ましい。
【0016】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、これらにより本発明が限定されるものではない。
るが、これらにより本発明が限定されるものではない。
【0017】実施例1 胎児牛血清5%、ジエチルアミノエチル基を有する架橋
デキストランマイクロキャリア(“Cytodex−
1”(ファルマシア社))3g/Lを含むイーグルME
M培地 2Lにヒト正常二倍体線維芽細胞を約2×10
5個/mlの割合で接種したスピナーフラスコでゆるく
撹拌しながら37℃、pH7.2、20%飽和酸素濃度
で6日間培養した。途中、1日目、3日目、5日目に培
地交換を行った。到達細胞数は、1.5×106個/m
lであった。
デキストランマイクロキャリア(“Cytodex−
1”(ファルマシア社))3g/Lを含むイーグルME
M培地 2Lにヒト正常二倍体線維芽細胞を約2×10
5個/mlの割合で接種したスピナーフラスコでゆるく
撹拌しながら37℃、pH7.2、20%飽和酸素濃度
で6日間培養した。途中、1日目、3日目、5日目に培
地交換を行った。到達細胞数は、1.5×106個/m
lであった。
【0018】次に、インターフェロン−β(東レ(株)
製天然型インターフェロンβ、以下同じ)100国際単
位/ml、カルボキシルメチルセルロースを含む、イー
グルMEM培地と交換し、37℃、pH7.2、20%
飽和酸素濃度で24時間インキュベートした。次に、ポ
リI/Cを10μg/ml加え37℃で2時間インキュ
ベートした後、イーグルMEM培地で培地交換し、さら
に37℃、pH7.2、20%飽和酸素濃度で6日間培
養した。最終的に産生されたIL−6の量は、抗IL−
6抗体(N.Idaら、Biochem.Biophy
s.Res.Commun.,165,728−734
(1989))を用いた酵素抗体法で測定した。結果
は、ポリI/Cを0μg/mlとしたものの相対力価を1
00とすると、1μg/mlで刺激した場合、1450、
10μg/mlで刺激した場合4460であった。
製天然型インターフェロンβ、以下同じ)100国際単
位/ml、カルボキシルメチルセルロースを含む、イー
グルMEM培地と交換し、37℃、pH7.2、20%
飽和酸素濃度で24時間インキュベートした。次に、ポ
リI/Cを10μg/ml加え37℃で2時間インキュ
ベートした後、イーグルMEM培地で培地交換し、さら
に37℃、pH7.2、20%飽和酸素濃度で6日間培
養した。最終的に産生されたIL−6の量は、抗IL−
6抗体(N.Idaら、Biochem.Biophy
s.Res.Commun.,165,728−734
(1989))を用いた酵素抗体法で測定した。結果
は、ポリI/Cを0μg/mlとしたものの相対力価を1
00とすると、1μg/mlで刺激した場合、1450、
10μg/mlで刺激した場合4460であった。
【0019】実施例2 胎児牛血清5%、ジエチルアミノエチル基を有する架橋
デキストランマイクロキャリア(“Cytodex−
1”(ファルマシア社))3g/Lを含むイーグルME
M培地 2Lにヒト正常二倍体細胞を、約2×105個
/mlの割合で接種したスピナーフラスコでゆるく撹拌
しながら37℃、pH7.2、20%飽和酸素濃度で6
日間培養した。途中、1日目、3日目、5日目に培地交
換を行った。到達細胞数は、1.5×106個/mlで
あった。
デキストランマイクロキャリア(“Cytodex−
1”(ファルマシア社))3g/Lを含むイーグルME
M培地 2Lにヒト正常二倍体細胞を、約2×105個
/mlの割合で接種したスピナーフラスコでゆるく撹拌
しながら37℃、pH7.2、20%飽和酸素濃度で6
日間培養した。途中、1日目、3日目、5日目に培地交
換を行った。到達細胞数は、1.5×106個/mlで
あった。
【0020】次に、インターフェロン−β100国際単
位/ml、カルボキシルメチルセルロースを含む、イー
グルMEM培地と交換し、37℃、pH7.2、20%
飽和酸素濃度で24時間インキュベートした。次に、ポ
リI/Cを10μg/ml加え37℃で2時間インキュ
ベートした後、イーグルMEM培地で培地交換し、さら
に37℃、20%飽和酸素濃度、pH6.8〜7.5で
6日間培養した。最終的に産生されたIL−6の量は、
抗IL−6抗体(N.Idaら、Biochem.Bi
ophys.Res.Commun.,165,728
−734(1989))を用いた酵素抗体法で測定し
た。pH6.8の場合を100とした相対的なIL−6
の産生量はpH7.2の場合208、pH7.5の場合
218であった。
位/ml、カルボキシルメチルセルロースを含む、イー
グルMEM培地と交換し、37℃、pH7.2、20%
飽和酸素濃度で24時間インキュベートした。次に、ポ
リI/Cを10μg/ml加え37℃で2時間インキュ
ベートした後、イーグルMEM培地で培地交換し、さら
に37℃、20%飽和酸素濃度、pH6.8〜7.5で
6日間培養した。最終的に産生されたIL−6の量は、
抗IL−6抗体(N.Idaら、Biochem.Bi
ophys.Res.Commun.,165,728
−734(1989))を用いた酵素抗体法で測定し
た。pH6.8の場合を100とした相対的なIL−6
の産生量はpH7.2の場合208、pH7.5の場合
218であった。
【0021】実施例3 胎児牛血清5%、ジエチルアミノエチル基を有する架橋
デキストランマイクロキャリア(“Cytodex−
1”(ファルマシア社))3g/Lを含むイーグルME
M培地 2Lにヒト正常二倍体細胞を、約2×105個
/mlの割合で接種したスピナーフラスコでゆるく撹拌
しながら37℃、pH7.2、20%飽和酸素濃度で6
日間培養した。途中、1日目、3日目、5日目に培地交
換を行った。到達細胞数は、1.5×106個/mlで
あった。
デキストランマイクロキャリア(“Cytodex−
1”(ファルマシア社))3g/Lを含むイーグルME
M培地 2Lにヒト正常二倍体細胞を、約2×105個
/mlの割合で接種したスピナーフラスコでゆるく撹拌
しながら37℃、pH7.2、20%飽和酸素濃度で6
日間培養した。途中、1日目、3日目、5日目に培地交
換を行った。到達細胞数は、1.5×106個/mlで
あった。
【0022】次に、インターフェロン−β100国際単
位/ml、カルボキシルメチルセルロースを含む、イー
グルMEM培地と交換し、37℃、pH7.2、20%
飽和酸素濃度で24時間インキュベートした。次に、ポ
リI/Cを10μg/ml加え37℃で2時間インキュ
ベートした後、イーグルMEM培地で培地交換し、さら
に37℃、pH7.2、5〜50%飽和酸素濃度で6日
間培養した。最終的に産生されたIL−6の量は、抗I
L−6抗体(N.Idaら、Biochem.Biop
hys.Res.Commun.,165,728−7
34(1989))を用いた酵素抗体法で測定した。5
%飽和酸素濃度の場合のIL−6産生量の相対力価を1
00とすると、10%飽和酸素濃度では120、50%
飽和酸素濃度では180であった。
位/ml、カルボキシルメチルセルロースを含む、イー
グルMEM培地と交換し、37℃、pH7.2、20%
飽和酸素濃度で24時間インキュベートした。次に、ポ
リI/Cを10μg/ml加え37℃で2時間インキュ
ベートした後、イーグルMEM培地で培地交換し、さら
に37℃、pH7.2、5〜50%飽和酸素濃度で6日
間培養した。最終的に産生されたIL−6の量は、抗I
L−6抗体(N.Idaら、Biochem.Biop
hys.Res.Commun.,165,728−7
34(1989))を用いた酵素抗体法で測定した。5
%飽和酸素濃度の場合のIL−6産生量の相対力価を1
00とすると、10%飽和酸素濃度では120、50%
飽和酸素濃度では180であった。
【0023】実施例4 胎児牛血清5%、ジエチルアミノエチル基を有する架橋
デキストランマイクロキャリア(“Cytodex−
1”(ファルマシア社))3g/Lを含むイーグルME
M培地 2Lにヒト正常二倍体細胞を約2×105個/
mlの割合で接種したスピナーフラスコでゆるく撹拌し
ながら37℃、pH7.2、20%飽和酸素濃度で6日
間培養した。途中、1日目、3日目、5日目に培地交換
を行った。到達細胞数は、約1.5×106個/mlで
あった。
デキストランマイクロキャリア(“Cytodex−
1”(ファルマシア社))3g/Lを含むイーグルME
M培地 2Lにヒト正常二倍体細胞を約2×105個/
mlの割合で接種したスピナーフラスコでゆるく撹拌し
ながら37℃、pH7.2、20%飽和酸素濃度で6日
間培養した。途中、1日目、3日目、5日目に培地交換
を行った。到達細胞数は、約1.5×106個/mlで
あった。
【0024】次に、ヒト・インターフェロン−βを0、
1、10、100国際単位/ml、もしくはヒト・イン
ターフェロン−α(Genzyme社より購入)を10
国際単位/ml、もしくはヒト・インターフェロン−γ
(Genzyme社より購入)を10国際単位/mlと
カルボキシルメチルセルロースを含む、イーグルMEM
培地と交換し、37℃、pH7.2、20%飽和酸素濃
度で24時間インキュベートした。次に、ポリI/Cを
10μg/ml加え37℃で2時間インキュベートした
後、イーグルMEM培地で培地交換し、さらに37℃、
pH7.2で20%飽和酸素濃度6日間培養した。最終
的に産生されたIL−6の量は、抗IL−6抗体(N.
Idaら、Biochem.Biophys.Res.
Commun.,165,728−734(198
9))を用いた酵素抗体法で測定した。インターフェロ
ンを加えなかった時のIL−6産生量の相対力価を10
0とすると、インターフェロン−βを1、10、100
国際単位/ml加えたときのIL−6の相対力価はそれ
ぞれ200、500、3000であり、インターフェロ
ン−γを10国際単位/ml加えたときは200、イン
ターフェロン−αを10国際単位/ml加えたときは2
000であった。
1、10、100国際単位/ml、もしくはヒト・イン
ターフェロン−α(Genzyme社より購入)を10
国際単位/ml、もしくはヒト・インターフェロン−γ
(Genzyme社より購入)を10国際単位/mlと
カルボキシルメチルセルロースを含む、イーグルMEM
培地と交換し、37℃、pH7.2、20%飽和酸素濃
度で24時間インキュベートした。次に、ポリI/Cを
10μg/ml加え37℃で2時間インキュベートした
後、イーグルMEM培地で培地交換し、さらに37℃、
pH7.2で20%飽和酸素濃度6日間培養した。最終
的に産生されたIL−6の量は、抗IL−6抗体(N.
Idaら、Biochem.Biophys.Res.
Commun.,165,728−734(198
9))を用いた酵素抗体法で測定した。インターフェロ
ンを加えなかった時のIL−6産生量の相対力価を10
0とすると、インターフェロン−βを1、10、100
国際単位/ml加えたときのIL−6の相対力価はそれ
ぞれ200、500、3000であり、インターフェロ
ン−γを10国際単位/ml加えたときは200、イン
ターフェロン−αを10国際単位/ml加えたときは2
000であった。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、天然型のIL−6を高
収率で安定に産生させることができる。また、培養条件
を最適値で制御することも容易であり、工業生産規模に
スケールアップするのに適した培養方法である。
収率で安定に産生させることができる。また、培養条件
を最適値で制御することも容易であり、工業生産規模に
スケールアップするのに適した培養方法である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91) (72)発明者 清水 洋彦 神奈川県鎌倉市手広1111番地 東レ株式会 社基礎研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】 インターロイキン−6産生細胞でかつ接
着依存性動物細胞を、マイクロキャリヤーもしくは中空
糸に接着培養、あるいはマイクロカプセルに固定化培養
することを特徴とするインターロイキン−6の産生方
法。 - 【請求項2】 インターロイキン−6産生細胞でかつ接
着依存性動物細胞を培養し、誘発剤で処理することを特
徴とする請求項1記載のインターロイキン−6の産生方
法。 - 【請求項3】 細胞を培養後、該細胞にインターフェロ
ンを添加し、しかるのちに合成もしくは天然RNAから
なる誘発剤で処理することを特徴とする請求項2記載の
インターロイキン−6の産生方法。 - 【請求項4】 培養液中の溶存酸素濃度を空気に対する
飽和溶解度の20%ないしは80%の範囲に保つことを
特徴とする請求項1〜3記載のインターロイキン−6の
産生方法。 - 【請求項5】 培養液のpHを7.0〜8.0の範囲に
保つことを特徴とする請求項1〜4記載のインターロイ
キン−6の産生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03221556A JP3128882B2 (ja) | 1990-09-04 | 1991-09-02 | インターロイキン−6の産生方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23538790 | 1990-09-04 | ||
JP2-235387 | 1990-09-04 | ||
JP03221556A JP3128882B2 (ja) | 1990-09-04 | 1991-09-02 | インターロイキン−6の産生方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05176788A true JPH05176788A (ja) | 1993-07-20 |
JP3128882B2 JP3128882B2 (ja) | 2001-01-29 |
Family
ID=26524382
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03221556A Expired - Fee Related JP3128882B2 (ja) | 1990-09-04 | 1991-09-02 | インターロイキン−6の産生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3128882B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT501252A1 (de) * | 2004-12-23 | 2006-07-15 | Chemiefaser Lenzing Ag | Cellulosischer formkörper und verfahren zu seiner herstellung |
-
1991
- 1991-09-02 JP JP03221556A patent/JP3128882B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT501252A1 (de) * | 2004-12-23 | 2006-07-15 | Chemiefaser Lenzing Ag | Cellulosischer formkörper und verfahren zu seiner herstellung |
AT501252B1 (de) * | 2004-12-23 | 2008-02-15 | Chemiefaser Lenzing Ag | Cellulosischer formkörper und verfahren zu seiner herstellung |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3128882B2 (ja) | 2001-01-29 |
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