JP3147414B2 - インターロイキン−6の産生法 - Google Patents

インターロイキン−6の産生法

Info

Publication number
JP3147414B2
JP3147414B2 JP18248791A JP18248791A JP3147414B2 JP 3147414 B2 JP3147414 B2 JP 3147414B2 JP 18248791 A JP18248791 A JP 18248791A JP 18248791 A JP18248791 A JP 18248791A JP 3147414 B2 JP3147414 B2 JP 3147414B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
producing
inducer
interleukin
days
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP18248791A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05176787A (ja
Inventor
敬三 花田
恵海子 佐野
昌信 成戸
源 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP18248791A priority Critical patent/JP3147414B2/ja
Publication of JPH05176787A publication Critical patent/JPH05176787A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3147414B2 publication Critical patent/JP3147414B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生産性の高いインター
ロイキン−6の産生法に関する。
【0002】
【従来の技術】インターロイキン−6(以下、IL−6
と略す)は、Bリンパ球分化因子、インターフェロンβ
、26K蛋白、ハイブリドーマ/プラズマサイトーマ
増殖因子、あるいは肝細胞刺激因子などとよばれていた
サイトカインの統一名である。IL−6は、T細胞、B
細胞、マクロファージ、線維芽細胞、血管内皮細胞など
の細胞株により恒常的に、あるいは種々の刺激により産
生される。
【0003】IL−6は、活性化されたB細胞に対し、
抗体産生細胞への分化を誘導する。T細胞に対してはマ
イトジェン刺激を受けたT細胞にインターロイキン−2
(IL−2)産生を誘導したり、ある種のT細胞株や胸
腺細胞にIL−2レセプターを誘導する。造血細胞に対
してはIL−3存在下でIL−6が造血幹細胞の増殖を
相乗的に誘導する。また、最近、IL−6はトロンボポ
エチンとしての作用を有していることが報告されてい
る。この様にIL−6は、多くの生理活性を有してお
り、臨床への応用が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在IL−6は、主に
遺伝子組換え体で産生され提供されている。しかし、遺
伝子組換え大腸菌で産生される物は、糖鎖を有していな
い。また、遺伝子組換えCHO細胞で産生される物は、
糖鎖構造が天然の物と異なる可能性がある。糖鎖構造の
差異は、生理活性や体内動態に影響すると考えられる。
天然型IL−6の生理活性や体内動態などの性質を臨床
応用するには、天然型IL−6の大量生産が必要であ
る。
【0005】一方、天然型IL−6は、通常、IL−6
産生細胞を培養することにより、あるいはさらに誘発剤
で誘発させることにより産生させることができる。ま
た、誘発剤を用いて細胞を刺激した後、産生を一層増強
せしめるためにベラパミル、シクロヘキシミド、アクチ
ノマイシンDなどの代謝阻害剤で細胞を処理する方法
(J.Immunol.,144,4242−4248
(1990))も知られている。しかしながら、これら
従来の方法では天然型IL−6を高収率で産生すること
ができない。本発明の目的は、臨床応用のために天然型
IL−6を大量に提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、哺乳動物
培養細胞由来のIL−6を大量に生産させる方法とし
て、細胞処理方法に着目し鋭意検討を重ねてきた。その
結果、高単位のIL−6を安定して産生させる方法を提
供することができた。すなわち本発明は、IL−6産生
細胞を培養し、DNA合成阻害剤で該細胞を処理するこ
とを特徴とするインターロイキン−6の産生方法であ
る。本発明によれば、天然型IL−6を高収率で生産す
ることができる。
【0007】IL−6はさまざまな細胞により恒常的
に、あるいは種々の刺激により産生される。本発明のI
L−6産生細胞としては、IL−6産生能を有するもの
であれば、特に限定されないが、例えば、T細胞、B細
胞、マクロファージ、線維芽細胞、血管内皮細胞、骨肉
腫細胞、肺癌細胞、腎癌細胞などの細胞あるいは株化細
胞が挙げられる。本発明の方法は、誘発剤の刺激により
IL−6を産生する細胞(例えば、T細胞、B細胞、線
維芽細胞、骨肉腫細胞、肺癌細胞、腎癌細胞など)を使
用する場合に特に効果のある方法である。
【0008】IL−6産生細胞を、ルー瓶やローラー
瓶、スピナーフラスコ、またはマイクロキャリアービー
ズや中空糸またはゲル固定化培養法により培養する。培
地組成、血清濃度等は、培養すべき細胞の種類、細胞濃
度等に応じて適当に選ばれる。培養中、適宜培地交換を
行い、数日間〜20日間培養する。細胞がコンフルエン
トになるまで培養を続ける。増殖した細胞は、誘発剤で
処理するに先立ち低単位のサイトカインと数時間から2
日間インキュベートすることが好ましい。使用するサイ
トカインは、インターフェロン−βが好ましい。
【0009】その後増殖した細胞を各種IL−6誘発剤
で処理する。IL−6産生細胞を誘発剤で処理しIL−
6を産生させる方法としては、poly(I):pol
y(C)などの合成RNAもしくは天然型RNA等の誘
発剤、あるいはIL−1、TNF、IFN−βなどのサ
イトカイン、あるいはPDGF、TGF−β等の増殖因
子、あるいはPMA、PHA、リポポリサッカライドや
コレラ毒素などを用いて誘発させる方法が用いられる
(Science,235,731(1987))。誘
発剤としては、poly(I):poly(C)が特に
好ましく用いられる。
【0010】DNA合成阻害剤の添加は、誘発剤添加前
2日以内、または誘発剤添加と同時、または誘発剤添加
後2日以内に行う。IL−6産生細胞として、血管内皮
細胞、マクロファージなどの誘発剤を必要としない細胞
を使用する場合は、該細胞を培養し細胞がコンフルエン
トになった段階で添加する。DNA合成阻害剤として
は、マイトマイシンA、マイトマイシンB、マイトマイ
シンC、ポルフィロマイシン、ブレオマイシン、サルコ
マイシン、マクロモマイシン、あるいは5−FUなどが
使用できる。なかでもマイトマイシンCが特に好まし
い。使用濃度は、0.1ng/ml〜5μg/mlの範
囲が好ましい。さらに好ましくは、10〜100ng/
mlの範囲である。その後、さらに数日間インキュベー
トしIL−6を産生させる。この方法は、既知の処理方
法と比べIL−6の生産性が高い。
【0011】本発明で用いる培地は、通常のものが使用
できる。細胞に適した培地を、適宜選択することが好ま
しい。
【0012】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、これらにより本発明が限定されるものではない。 実施例 1 胎児牛血清5%を含むイーグルMEMに、ヒト線維芽細
胞を約1×10個/mlの割合で接種し、24穴マイ
クロプレートに1穴当たり2ml蒔き37℃、5%CO
濃度インキュベータ内で4日間培養した。途中、3日
目に培地交換を行った。4日目に、インターフェロン−
β100国際単位/ml、カルボキシルメチルセルロー
スを含む、イーグルMEM培地と交換し、37℃、5%
CO濃度で24時間インキュベートした。次に、po
ly(I):poly(C)を1μg/ml加え、次い
で各種のIL−6産生増強剤を加えさらに37℃、5%
CO濃度下で5日間培養した。IL−6産生増強剤と
しては、マイトマイシンC(0.05μg/ml)、シ
クロヘキシミド(10μg/ml)、アクチノマイシン
D(4μg/ml)、ベラパミル(100μg/ml)
を用いた。シクロヘキシミド、アクチノマイシンDの場
合は、添加後各々4時間、1時間後に培地交換により除
去した。最終的に産生されたIL−6の量は、抗IL−
6抗体(N.Idaら、Biochem. Biophys. Res.Commu
n.,165,728−734,(1989))を用いた
酵素抗体法で測定した。結果は、表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】実施例2 ヒト骨肉腫由来MG−63細胞(Antimicrob. Ag. Chem
other., 12,11(1977))を、培養面積150cm2 の培養フ
ラスコ(コーニング社)4本を用い、5%ウシ胎児血清
を含むイーグルMEM培地中で増殖させた。コンフルエ
ントに増殖した細胞を0.3W/V%の“Cytodex
1”(ファルマシア社)を用いたマイクロキャリー培養
系に移し、1日おきに培地交換を繰り返し、マイクロキ
ャリアー上にコンフルエントに増殖させた。増殖した細
胞(1.2×106 /ml)に50ng/ml のマイトマイシン
CをPolyI/C刺激を行なう48時間前に添加し
た。24時間前に100IU/ml のインターフェロンβ
のプライミングを行ない、10μg/mlのPolyI/C
処理を2時間行なって5%CO2 のインキュベーター中
で5日間培養した。PolyI/Cを除去してから、
1、2、3および5か目の培養上清を抜き出し、Ida
らの方法に従いIL−6産生量を測定した。結果を図1
に示す。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、医薬としての応用が期
待される天然型IL−6を、高収率で産生することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2のIL−6産生に及ぼすマイトマイシ
ンCの影響を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−308234(JP,A) 特開 昭59−98685(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 21/00 - 21/02 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】T細胞、B細胞、マクロファージ、線維芽
    細胞、および血管内皮細胞の細胞株から選ばれるインタ
    ーロイキン−6産生細胞をコンフルエントになるまで
    養し、DNA合成阻害剤で該細胞を処理することを特徴
    とするインターロイキン−6の産生法。
  2. 【請求項2】インターロイキン−6産生細胞を誘発剤で
    処理することを特徴とする請求項1記載のインターロイ
    キン−6の産生法。
  3. 【請求項3】DNA合成阻害剤を誘発剤添加前2日以
    内、誘発剤添加と同時、または誘発剤添加後2日以内に
    添加することを特徴とする請求項2記載のインターロイ
    キン−6の産生法。
  4. 【請求項4】DNA合成阻害剤がマイトマイシンA、マ
    イトマイシンB、マイトマイシンC、ポルフィロマイシ
    ン、ブレオマイシン、サルコマイシン、マムロモマイシ
    ン、または5−FUである請求項1〜3記載のインター
    ロイキン−6の産生方法。
  5. 【請求項5】誘発剤がpoly(I):poly
    (C)、IL−1、TNF、IFN−β、PDGF、T
    GF−β、PMA、PHA、リポポリサッカライド、ま
    たはコレラ毒素である請求項2〜4記載のインターロイ
    キン−6の産生法。
JP18248791A 1990-07-25 1991-07-23 インターロイキン−6の産生法 Expired - Fee Related JP3147414B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18248791A JP3147414B2 (ja) 1990-07-25 1991-07-23 インターロイキン−6の産生法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-196480 1990-07-25
JP19648090 1990-07-25
JP18248791A JP3147414B2 (ja) 1990-07-25 1991-07-23 インターロイキン−6の産生法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05176787A JPH05176787A (ja) 1993-07-20
JP3147414B2 true JP3147414B2 (ja) 2001-03-19

Family

ID=26501274

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18248791A Expired - Fee Related JP3147414B2 (ja) 1990-07-25 1991-07-23 インターロイキン−6の産生法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3147414B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05176787A (ja) 1993-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Tzeng et al. Platelet-derived growth factor promotes human peripheral monocyte activation
Vilcek et al. Fibroblast growth enhancing activity of tumor necrosis factor and its relationship to other polypeptide growth factors.
Kumar et al. Expression of interleukin 1-inducible genes and production of interleukin 1 by aging human fibroblasts.
Jirik et al. Bacterial lipopolysaccharide and inflammatory mediators augment IL-6 secretion by human endothelial cells.
Kohase et al. Induction of β2-interferon by tumor necrosis factor: a homeostatic mechanism in the control of cell proliferation
US4440860A (en) Stimulating cell growth
KR920703819A (ko) 포유류 사이토긴, il-11
Nemunaitis et al. Human marrow stromal cells: response to interleukin-6 (IL-6) and control of IL-6 expression
US6277369B1 (en) Factor 1X delivery method using bone marrow-derived cells
JPH10510147A (ja) 二次性免疫不全症の治療用薬剤の製造方法
JP4124493B2 (ja) 無血清培地
WO1982000661A1 (en) Method of enhancing interferon production
KR19980071708A (ko) 용골(溶骨)세포 형성 억제제
KR940003650B1 (ko) 흉선 간질-유래 t세포 성장인자 및 그의 제조방법
JP3147414B2 (ja) インターロイキン−6の産生法
WO1990002183A1 (en) Production of a novel lymphokine exhibiting differentiation inhibitory activity
JPH04506818A (ja) 造血細胞の成熟
Tagaya et al. Transcription of IL-2 receptor gene is stimulated by ATL-derived factor produced by HTLV-I (+) T cell lines
Klasing et al. Monokine‐like activities released from a chicken macrophage line
NL8603209A (nl) Nieuwe celgroei-regulerende factor.
JP2564245B2 (ja) ロイコレギュリン細胞表面レセプターに特異的なモノクローナル抗体、その製造法、及びその使用
JP3128882B2 (ja) インターロイキン−6の産生方法
JP3046415B2 (ja) 浮遊細胞用無血清合成培地
Hirai et al. Characterization of a human basophil-like cell promoting activity.
JP2690297B2 (ja) 有用たん白質の産生方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees