JPH05175369A - 電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料 - Google Patents

電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料

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JPH05175369A
JPH05175369A JP3341252A JP34125291A JPH05175369A JP H05175369 A JPH05175369 A JP H05175369A JP 3341252 A JP3341252 A JP 3341252A JP 34125291 A JP34125291 A JP 34125291A JP H05175369 A JPH05175369 A JP H05175369A
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JP
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epoxy resin
molding material
resin
organopolysiloxane
mixture
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Application number
JP3341252A
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English (en)
Inventor
Shinsuke Hagiwara
伸介 萩原
Hiroyuki Kuritani
弘之 栗谷
Shigeki Ichimura
茂樹 市村
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐クラック性に優れたエポキシ樹脂
封止材を提供する。 【構成】 (A)エポキシ樹脂と(B)1分子中に2個
以上のフェノール性水酸基を有する化合物と、(C)上
記(A)及び/又は(B)の一部又は全部を分散媒とし
て、105℃、3時間での揮発減量が3重量%以下であ
るビニル基含有オルガノポリシロキサンと≡SiH基含
有オルガノポリシロキサンの混合物を微粒子分散させる
共に、オルガノポリシロキサン同士を反応硬化させて得
られる樹脂混合物および(D)無機充填剤とからなる電
子部品封止用エポキシ樹脂成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱衝撃性、耐熱性、成
形性に優れた電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料に関
するもので、特に表面実装用プラスチックパッケージL
SIが対象となる。
【0002】
【従来の技術】従来からトランジスタ、ICなどの電子
部品封止用としては、エポキシ樹脂成形材料が広く多量
に用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が
電気特性、耐熱性、機械強度、インサートとの接着性な
どの諸特性にバランスが取れているためである。特にオ
ルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェノール
ノボラック硬化剤の組み合わせはこれらのバランスに優
れており、IC封止用成形材料のベース樹脂として主流
になっている。
【0003】しかし、電子部品のパッケージはICに代
表されるように、小形、薄形化の傾向にあり、冷熱サイ
クル時にパッケージがクラックするという問題が生じ
る。エポキシ樹脂成形材料の耐熱衝撃性を改善するもの
として、エポキシ樹脂系をシリコーン重合体で改質する
方法がある。一般にシリコーン重合体はエポキシ樹脂系
に非相溶であり、エポキシ樹脂中に微粒子で分散する構
造を形成し、耐熱衝撃性を向上する効果がある。しか
し、液状のシリコーン重合体は非相溶であるために、成
形材料の耐熱衝撃性は向上するものの、成形時にしみ出
し、バリ(金型クリアランスからのしみ出し)や成形品
外観の悪化を引き起こすという欠点を有する。
【0004】また成形時のしみ出しを防止するために、
シロキサン化合物をエポキシ樹脂又は硬化剤で予め変成
して成形材料に使用した場合、一般にガラス転移温度の
低下を生じるといった問題がある。これらの問題に対
し、例えば自硬性の液状シリコーン重合体をベース樹脂
に分散し、その後シリコーンの自硬化により固形化した
樹脂混合物を配合することにより、液状シリコーン重合
体のしみ出しに伴う問題点を改善するような方法が提案
されている(特開昭63−20324号公報、特開昭6
3−241021号公報参照)。しかし、これらの自硬
性の液状シリコーン重合体には低分子量の揮発成分が含
まれており、これが原因となって液状シリコーン重合体
で改質した場合と同様の問題を引き起こし、十分な対策
とはなっていない。
【0005】一方、薄形化した表面実装型ICパッケー
ジは、従来のピン挿入型のものと実装方法が異なってい
る。即ち、ピン挿入型パッケージはピンを配線板に挿入
した後、配線板裏面からはんだ付けを行うため、パッケ
ージが直接高温にさらされることがなかった。これに対
し、表面実装型パッケージは配線板表面に仮止めを行
い、はんだバスやリフロー装置などで処理されるため、
直接はんだ付け温度にさらされる。この結果、ICパッ
ケージが吸湿した場合、はんだ付け時に吸湿水分が急激
に膨張し、パッケージをクラックさせてしまう。現在、
この現象が表面実装型ICに係わる大きな問題となって
いる。
【0006】この現象に関しては、LSI素子と封止材
界面に発生する応力を低減するために添加している可撓
剤も悪要因となる。即ち、一般に使用されている可撓剤
はシリコーン化合物であり、その性質として水分の透過
性が大きく、高温の強度を低下させ易く、更には高温で
の接着性も低下し易いためである。現行のベース樹脂組
成で封止したICパッケージでは、上記の問題が避けら
れないため、ICを防湿梱包して出荷したり、配線板へ
実装する前に予めICを十分乾燥して使用するなどの方
法がとられている。しかし、これらの方法は手間がかか
り、コストも高くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は係る欠点を解
決するためになされたものであり、半導体素子に対する
発生応力が小さく、耐熱衝撃性、成形性が良好で、IC
を配線板へ実装する際、特定の前処理をすることなくは
んだ付けを行うことができる電子部品封止用エポキシ樹
脂成形材料を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決するため鋭意検討を重ねた結果、エポキシ樹脂
系に特定のオルガノポリシロキサンを原料とした固形状
のシリコーン重合体微粒子を配合することにより上記の
目的を達成しうることを見い出し、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明の電子部品封止用エポキシ樹脂成
形材料は、 (A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキ
シ樹脂と (B)1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有す
る化合物と (C)上記(A)又は/及び(B)の一部又は全部を分
散媒として、105℃、3時間での揮発減量が3重量%
以下であるビニル基含有オルガノポリシロキサンと≡S
iH基含有オルガノポリシロキサンの混合物を微粒子分
散させる共に、オルガノポリシロキサン同士の反応によ
り固形化してなる樹脂混合物及び (D)無機充填剤 を含有することを特徴とする。
【0009】本発明において用いられる(A)成分の1
分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と
しては、電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に
使用されているものであれば制限はなく、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック
型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール類とアルデヒ
ド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アル
キル置換ビフェノールなどのジグリシジルエーテル、ジ
アミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸などのポリア
ミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシ
ジルアミン型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸な
どの過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、
及び脂環族エポキシ樹脂などがある。(A)のエポキシ
樹脂において特に優れた耐はんだ性を示すものとして、 構造式
【0010】
【化3】 で示されるビフェニル骨格型エポキシ樹脂があり、使用
するエポキシ樹脂全量に対し60重量%以上使用するこ
とが好ましい。この理由としては、60重量%未満では
当該エポキシ樹脂の低吸湿性、高接着性の特長が発揮さ
れず、本発明の目的である耐はんだ性に対して効果が小
さいためである。当該エポキシ樹脂は、4,4′−ビス
ヒドロキシ3,3′,5,5′−テトラメチルビフェニ
ルをエピクロルヒドリンを用いてエポキシ化することで
得ることができる。
【0011】本発明における(A)のエポキシ樹脂は適
宜何種類でも併用することができるが、純度、特に加水
分解性塩素量はICなど素子上のアルミ配線腐食に係わ
るため少ない方がよく、耐湿性の優れた電子部品封止用
エポキシ樹脂成形材料を得るためには500ppm 以下で
あることが好ましい。ここで、加水分解性塩素量とは試
料のエポキシ樹脂1gをジオキサン30mlに溶解し、1
N−KOHメタノール溶液5mlを添加して30分間リフ
ラックス後、電位差滴定により求めた値を尺度としたも
のである。
【0012】本発明において用いられる(B)成分の1
分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物
としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、レ
ゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールFなどのフェノール類又はα−ナフトール、β−ナ
フトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類と
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアル
デヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のア
ルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得ら
れる樹脂、ポリパラビニルフェノール樹脂、フェノール
類とジメトキシパラキシレンから合成されるキシリレン
基を有するフェノール・アラルキル樹脂などがあり、単
独又は2種類以上併用してもよい。(B)のフェノール
化合物の中で、特に耐はんだ性に優れる樹脂としては 構造式
【0013】
【化4】 で示される樹脂があり、使用する(B)の樹脂全量に対
し60重量%以上使用することが好ましい。この理由と
しては、60重量%未満では当該樹脂の低吸湿性、高接
着性の特長が発揮されず、本発明の目的である耐はんだ
性に対して効果が小さいためである。更に、当該フェノ
ール樹脂は前出のビフェニル骨格型エポキシ樹脂と併用
することで、更に優れた耐はんだ性を発揮できる。
【0014】また、(A)のエポキシ樹脂と(B)のフ
ェノール化合物の当量比((B)の水酸基数/(A)の
エポキシ基数)は特に限定はされないが、それぞれの未
反応分を少なく抑えるために0.7〜1.3の範囲に設
定することが好ましい。本発明において用いられる
(C)成分中のビニル基含有オルガノポリシロキサンと
≡SiH基含有オルガノポリシロキサンは、105℃に
て3時間加熱した場合の揮発減量が3重量%以下である
必要がある。この理由としては、原料オルガノポリシロ
キサン中の揮発減量が上記条件で3重量%より多い場
合、(C)成分の合成中に揮発分が反応固化せず、成形
品表面にしみ出して成形品表面の外観を悪くしたり、金
型汚れ、マーク性の低下、基板仮止め時のICの落下な
どの不良を発生する。
【0015】ここで上記オルガノポリシロキサンの主鎖
は特に限定するものではないが、分散媒として使用する
樹脂または樹脂混合物に目視的に相溶しないことが好ま
しく、ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサ
ン、ジフェニルシロキサンなどのホモポリマおよびコポ
リマの分子末端や分子内にビニル基又は≡SiH基を導
入した液状オルガノポリシロキサンが使用できる。ま
た、その分子量は揮発減量が上記数値以下であれば特に
限定するものではない。
【0016】ビニル基含有オルガノポリシロキサンと≡
SiH基含有オルガノポリシロキサンの使用比率は特に
限定するものではないが、ビニル基と≡SiH基の当量
比が1:1〜1:2の範囲が好ましい。この理由として
は、当量比がこの範囲外であると未反応オルガノポリシ
ロキサンが増加し、成形品外観を悪くしたり、マーク
性、基板仮止め性を低下させ、所期の目的を達成できな
くなる可能性が挙げられる。またこれらのオルガノポリ
シロキサン同士の硬化反応には従来公知の付加触媒、例
えば塩化白金酸のような白金系触媒を用いることができ
る。かゝるオルガノポリシロキサンの混合物を上記の樹
脂または樹脂混合物を分散媒とし微粒子分散させた後、
必要に応じて加熱することによりオルガノポリシロキサ
ン同士が反応し微粒子の状態で固化した樹脂混合物を得
る。この時、微粒子分散を安定化する分散安定剤を加え
ても良い。分散安定剤としては成形材料に配合可能なポ
リオキシアルキレンなどの非イオン系界面活性剤や、ポ
リオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン等が使
用できる。
【0017】ここでオルガノポリシロキサン混合物の樹
脂または樹脂混合物に対する量比は1:2〜1:10
(体積)の範囲である。この理由は1:2以上ではオル
ガノポリシロキサンを微粒子分散するのが困難になり、
1:10以下では使用する樹脂量が多くなるため製造コ
スト的に不利である。オルガノポリシロキサン混合物を
分散させる方法としては特に制限はなく、攪拌装置の付
いた反応釜、加熱できるニーダ、スタティックミキサ、
ホモジナイザなど分散操作を十分行える装置が用いられ
る。分散媒として用いる樹脂系が常温で固形の場合は加
温して溶融状態で行う必要があるが、液状の場合又は溶
液の場合は常温で行うこともできる。
【0018】このようにして樹脂または樹脂混合物中に
オルガノポリシロキサン混合物を微粒子分散したあと、
常温〜150℃で10分から10時間反応することによ
りオルガノポリシロキサン混合物は微粒子状に分散した
まま固化する。この反応工程はオルガノポリシロキサン
混合物を分散させる装置内で行うこともできるが、分散
後(C)成分を取り出して恒温槽などを用いて別途行っ
てもよい。本発明において用いられる(C)成分、すな
わちエポキシ樹脂(A)及び/又はフェノール化合物
(B)の一部または全部にオルガノポリシロキサン混合
物を微粒子分散し、その後オルガノポリシロキサン同士
の反応により分散粒子を固形化して得られる樹脂混合物
において、オルガノポリシロキサン反応物の分散粒子径
は100μm以下が90重量%以上であることが好まし
い。また、その平均粒径は50μm以下であることが好
ましい。この粒径の制限は、目的とする電子部品を成形
する際の成形性に関係するものである。一般にIC、ト
ランジスタなどの電子部品を成形する金型のゲートサイ
ズは、狭い部分が0.5mm前後であり、成形中にゲート
づまりを発生しないためには100μm以下が90重量
%以上の粒度分布が必要となる。また、素子とリードを
結ぶ金線が成形時に変形する現象に対しても、分散成分
の粒子径は100μm以下が好ましい。また、耐熱衝撃
性について特に効果を発揮するためには平均粒径50μ
m以下が好ましい。
【0019】オルガノポリシロキサン反応物の微粒子の
硬さは、使用する2種類のオルガノポリシロキサンの官
能基当量及びビニル基と≡SiH基の当量比で任意に設
定できるが、軟らかいほど耐パッケージクラック性を向
上する効果がある。この様な軟らかい固形微粒子を成形
材料中に均一に分散することで、耐パーケージクラック
性に代表される耐熱衝撃性が格段に向上し、ガラス転移
温度(Tg)の低下もない優れた特性が得られる。
【0020】更に、固形シリコーン微粒子の特長として
は、耐はんだ性に優れることが挙げられる。一般に使用
されるシリコーンオイル類、又は反応性シリコーンオイ
ルを用いた変性樹脂を添加した場合、はんだ付け温度で
の材料強度やインサート(素子、アイランド)との接着
強度が低下するが、固形微粒子を添加することで良好な
強度を維持することができる。特に、前出のビフェニル
骨格型エポキシ樹脂の様な低粘度樹脂を使用した場合、
シリコーンの分散性が悪くなり易い。これに対し、本発
明に基づく固形シリコーン微粒子は合成時に分散粒径を
制御できるため低粘度樹脂系でも安定した分散性が得ら
れる。
【0021】また、オルガノポリシロキサンが固形微粒
子で添加され、なおかつその原料オルガノポリシロキサ
ンの揮発減量が少ないため、シロキサン化合物で変成し
たエポキシ成形材料で問題となりやすい、成形時のシロ
キサン化合物のしみ出しによる成形品、金型の汚れが発
生しない特長がある。成形品にしみ出しが生じると外観
が悪くなり、マーキング性も低下する等の問題となり、
金型が汚れる場合は金型のクリーニング頻度も多くしな
ければならない。特に金型のクリーニングは多大な労力
と時間を要するため、汚れを発生しない成形材料の使用
は生産性の点から大きな利点となる。
【0022】また、本発明の電子部品封止用エポキシ樹
脂成形材料には、エポキシ樹脂とフェノール性水酸基を
有する化合物の硬化反応を促進する硬化促進剤を配合す
ることができる。この硬化促進剤としては、例えば、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、
トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級ア
ミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダ
ゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−
ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリ
ブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリ
フェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニル
ホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホ
スホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホス
フィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモ
ルホリンテトラフェニルボレートなどのテトラフェニル
ボロン塩などがある。
【0023】また、本発明の電子部品封止用エポキシ樹
脂成形材料には、無機質充填剤として、溶融シリカ、結
晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸
カルシウム、炭化珪素、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコ
ニアなどの粉体、又はこれらを球形化したビーズ、チタ
ン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、アルミナなどの単
結晶繊維、ガラス繊維などを1種類以上配合することが
できる。無機質充填剤の配合量としては、吸湿性、線膨
張係数の低減及び強度向上の観点から70体積%以上が
好ましい。上記の無機充填剤の中で、線膨張係数低減の
観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアル
ミナが好ましく、充填剤形状は成形時の流動性及び金型
摩耗性の点から球形が好ましい。
【0024】また、本発明の電子部品封止用エポキシ樹
脂成形材料には、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、エス
テル系ワックス、ポリエチレン系ワックスなどの離型
剤、カーボンブラックなどの着色剤、エポキシシラン、
アミノシラン、アルキルシラン、ビニルシラン、有機チ
タネート、アルミニウムアルコレートなどのカップリン
グ剤を使用することができる。以上のような原材料を用
いて成形材料を作製する一般的な方法としては、所定の
配合量の原材料混合物をミキサー等によって充分混合し
た後、熱ロール、押出機等によって混練し、冷却、粉砕
することによって成形材料を得ることができる。
【0025】本発明で得られる成形材料を用いて電子部
品を封止する方法としては、低圧トランスファー成形法
が最も一般的であるが、インジェクション成形、圧縮成
形、注型などの方法によっても可能である。本発明に係
る成形材料は耐はんだ性、成形性、可撓性に優れる共に
成形材料の製造上の利点も大きい。即ち、100μm以
下の軟らかいゴム状の固形微粒子を安価に成形材料中に
添加できることが特長である。一般に100μm以下の
ゴム状物質はバルクを粉砕して製造することは困難であ
りコストも高くなる。また、乳化重合、懸濁重合などで
オルガノポリシロキサン微粒子を得る方法もあるが、分
散媒の除去と同時に界面活性剤の除去も必要になる。後
者の方法と比較した場合、本発明の製造法では分散媒と
して成形材料に使用するべース樹脂を使用するため、オ
ルガノポリシロキサンを分散、硬化後に分散媒と共に配
合することが可能であり、コストの点からは非常に有利
になる。更に、オルガノポリシロキサン微粒子を単独で
補集せずに分散媒中に分散させた状態で扱えるために、
軟らかい微粒子同士が凝集する心配もない。以上の点か
ら、本発明は製造上の観点からも優れた特長を示す。
【0026】
【作用】本発明により耐はんだ性、耐熱衝撃性、耐熱
性、成形性に優れたエポキシ樹脂成形材料が得られる理
由は、(A)のエポキシ樹脂及び(B)のフェノール化
合物を主とした樹脂系に、(A)及び/又は(B)の一
部または全部を分散媒として、分散媒に相溶せず揮発成
分の少ない反応性オルガノポリシロキサン混合物を微粒
子分散し、その後オルガノシロキサン同士を反応硬化さ
せて得られる樹脂混合物を可撓剤として使用したことに
よる。即ち、(C)成分中のオルガノポリシロキサン反
応物は粒径100μm以下の固形ゴム状物質であり、こ
れを成形材料中に均一分散するので優れた耐熱衝撃性が
得られる。また、ベース樹脂とオルガノポリシロキサン
が相溶せず、相分離構造を形成するため、ベース樹脂本
来のガラス転移温度を低下せず、したがって耐熱性も良
好である。更に、液状のシロキサン化合物を添加した場
合や、エポキシ樹脂又は硬化剤をシロキサン化合物で変
性した樹脂を使用した場合と比較し、高温時の強度及び
接着性に優れるため耐はんだ性にも優れる。成形性に関
しては(C)成分中のオルガノポリシロキサン反応物は
成形材料中に固形で分散し、なおかつその揮発成分が少
ないため、溶融成形時にしみ出す心配もなく、成形品及
び金型を汚損することもない。以上の作用により耐はん
だ性、耐熱衝撃性、耐熱性、成形性に優れた組成が得ら
れると推察される。
【0027】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、本発
明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】(C)成分の合成 温度90℃で溶融しているエポキシ当量220、軟化点
67℃のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂12
0gを分散媒として、当量3400の側鎖ビニル基変性
ポリジメチルシロキサン7.1gと当量7300の側鎖
ハイドロジェンポリジメチルシロキサン22.9gと、
塩化白金酸1mgの混合物を300mlフラスコ中で攪拌し
ながら添加し、1時間反応させ、得られたものを可撓剤
〔1〕とした。また上記可撓剤〔1〕の合成法におい
て、分散媒をエポキシ当量188、融点106℃のビフ
ェニル骨格型エポキシ樹脂(エピコートYX−4000
H;油化シェルエポキシ樹脂株式会社製商品名)120
gに置き替え、110℃にて一連の操作を行ったこと以
外は可撓剤〔1〕と同様に合成して得られたものを可撓
剤〔2)とした。また、上記可撓剤〔1〕の合成法にお
いて、分散媒を水酸基当量167、軟化点70℃のフェ
ノール・アラルキル樹脂(ミレックスXL−225;三
井東圧化学株式会社製商品名)120gに置き替えた以
外は可撓剤〔1〕と同様に合成して得られたものを可撓
剤〔3〕とした。
【0029】なお、可撓剤〔1〕〜〔3〕に使用した2
種類のポリシロキサン化合物は予め各々について150
℃、10mmHg以下、5時間の条件で揮発分を除去したも
のであり、その後、105℃、3時間処理における重量
減少は側鎖ビニル基変性ポリジメチルシロキサンが0.
5%、両末端ハイドロジェンポリジメチルシロキサンが
1.5%であった。揮発分除去前の重量減少は側鎖ビニ
ル基変性ポリジメチルシロキサン5.4%、両末端ハイ
ドロジェンポリジメチルシロキサンが7.2%であり、
比較例として揮発分除去前のシロキサン化合物を用いて
可撓剤〔1〕及び可撓剤〔2〕と同じ条件で合成し、可
撓剤〔4〕及び可撓剤〔5〕とした。可撓剤〔1〕〜
〔5〕をアセトンに溶解し樹脂を除去することによって
得られたオルガノポリシロキサン反応物は、ほぼ球形の
固形粉末凝集体として得られ、何れも約5〜30μmの
粒径が大部分であり、100μm以上の粒子は存在しな
かった。
【0030】エポキシ樹脂成形材料の製造 エポキシ当量220、軟化点67℃のクレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂、エポキシ当量188、融点160
℃のビフェニル骨格型エポキシ樹脂エピコートYX−4
000H、エポキシ当量375、軟化点80℃、臭素含
量48重量%の臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、水酸基当量106、軟化点83℃のフェノールノボ
ラック樹脂、水酸基当量167、軟化点70℃のフェノ
ール・アラルキル樹脂ミレックスXL−225、1,8
−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、カル
ナバワックス、三酸化アンチモン、カーボンブラック、
カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、石英ガラス粉および可撓剤〔1〕〜
〔5〕を表1に示す重量比で配合し、混練温度80〜9
0℃、混練時間10分の条件でロール混練を行い、実施
例1〜5及び比較例1〜5の成形材料を作製した。表2
に実施例および比較例で得られた成形材料の特性を、表
3に特性評価法の詳細を示す。
【0031】
【表1】 この結果、実施例1〜5で得られた成形材料はいずれ
も、耐熱衝撃性、耐はんだ性、耐湿性、成形品外観、マ
ーキング性に優れている。耐熱衝撃性、耐湿性について
は比較例3〜5にあるようにシリコーン系の可撓剤を使
うことで良好な特性を得ることができる。しかし、この
場合は成形品外観及びマーキング性が可撓剤の影響で悪
くなる。比較例4、比較例5はそれぞれ実施例1、実施
例4と同条件で可撓剤合成及び成形材料の作製を行った
ものであるが、原料シロキサン化合物の揮発分量が異な
るだけで成形品外観、マーキング性に大きな違いが生じ
る。更に、一般のシリコーンオイルを添加した比較例3
と樹脂系及び充填剤量が同じである実施例4、実施例5
を比較すると、実施例は接着強度が高く、それに伴い耐
はんだ性も良好なことがわかる。一般に、シリコーン可
撓剤を添加すると耐はんだ性は低下することが知られて
いるが、実施例1、実施例4と比較例1、比較例2との
比較から、本発明の可撓剤は耐はんだ性に悪影響がない
ことがわかる。次に、樹脂系の影響を見ると、実施例
1、実施例3、実施例4の順に耐はんだ性が向上する。
これは、現行エポキシ樹脂をビフェニル骨格型エポキシ
樹脂へ、更にフェノール・アラルキル樹脂を硬化剤とし
て使用した効果であり、耐はんだ性を重視する場合はこ
れらの樹脂系が特に有効である。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明によって得られる電子部品封止用
エポキシ樹脂成形材料を用いてIC、LSIなどの電子
部品を封止すれば、実施例で示したように、非相溶性の
可撓剤を使用した際に発生し易い成形品外観の劣化、マ
ーキング性の低下等の問題点もなく、耐はんだ性、耐熱
性、耐熱衝撃性、耐湿性等の信頼性に優れた製品を得る
ことができ、その工業的価値は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/00 NKT 7167−4J C08L 63/00 NKB 8830−4J 83/04 LRQ 8319−4J

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を
    有するエポキシ樹脂と (B)1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有す
    る化合物と (C)上記(A)及び/又は(B)の一部又は全部を分
    散媒として、105℃、3時間での揮発減量が3重量%
    以下であるビニル基含有オルガノポリシロキサンと≡S
    iH基含有オルガノポリシロキサンの混合物を微粒子分
    散させる共に、オルガノポリシロキサン同士を反応硬化
    させて得られる樹脂混合物及び (D)無機充填剤 を含有することを特徴とする電子部品封止用エポキシ樹
    脂成形材料。
  2. 【請求項2】(A)のエポキシ樹脂が主たる成分として 構造式 【化1】 で示され、且つ使用する全エポキシ樹脂中の60重量%
    以上である請求項1記載の電子部品封止用エポキシ樹脂
    成形材料。
  3. 【請求項3】(B)の化合物が主たる成分として構造式 【化2】 で示される請求項1記載の電子部品封止用エポキシ樹脂
    成形材料。
  4. 【請求項4】(C)の樹脂混合物において、分散媒が請
    求項2に示されるエポキシ樹脂のみであり、オルガノポ
    リシロキサンとエポキシ樹脂混合物の体積比が1:2〜
    1:10である請求項1記載の電子部品封止用エポキシ
    樹脂成形材料。
  5. 【請求項5】(C)の樹脂混合物において、分散媒が請
    求項3に示されるフェノール樹脂のみであり、オルガノ
    ポリシロキサンとフェノール樹脂混合物の体積比が1:
    2〜1:10である請求項1記載の電子部品封止用エポ
    キシ樹脂成形材料。
  6. 【請求項6】(D)の無機充填剤が成形材料全体の70
    体積%以上である請求項1記載の電子部品封止用エポキ
    シ樹脂成形材料。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0707042A1 (en) 1994-10-07 1996-04-17 Hitachi Chemical Co., Ltd. Epoxy resin molding material for sealing electronic parts and sealed semiconductor device using the same
JP2004156051A (ja) * 1999-09-17 2004-06-03 Hitachi Chem Co Ltd 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2012201696A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Panasonic Corp 電子部品用液状エポキシ樹脂組成物とそれを用いた電子装置
WO2023243626A1 (ja) * 2022-06-17 2023-12-21 株式会社村田製作所 電解コンデンサ

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