JPH051741A - 弾性ブツシユ - Google Patents

弾性ブツシユ

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JPH051741A
JPH051741A JP3177689A JP17768991A JPH051741A JP H051741 A JPH051741 A JP H051741A JP 3177689 A JP3177689 A JP 3177689A JP 17768991 A JP17768991 A JP 17768991A JP H051741 A JPH051741 A JP H051741A
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JP
Japan
Prior art keywords
damping
elastic
inner cylinder
pair
liquid chambers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3177689A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Wake
昭彦 和気
Fumitaka Ando
文隆 安藤
Takeshi Edahiro
毅志 枝広
Shigefumi Hirabayashi
繁文 平林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Kurashiki Kako Co Ltd
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Kurashiki Kako Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp, Kurashiki Kako Co Ltd filed Critical Mazda Motor Corp
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Publication of JPH051741A publication Critical patent/JPH051741A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内筒と外筒とが弾性体により連結され、且つ
該弾性体の変形により減衰力を発生させる減衰機構を備
えた弾性ブッシュとして、広範囲にわたり減衰特性をチ
ューニング可能な弾性ブッシュを提供し、以て、多種多
様な入力振動を効果的に抑制することを目的とする。 【構成】 同芯状に配置された内筒14と外筒15とを
連結するラバー17の内外筒の相対変位に伴う変形によ
り容積変化する各一対の液室18a,18b,21a,
21bと、これら各一対の液室18a,18b,21
a,21bをそれぞれ連通させるオリフィス19,1
9,22,22とでなる複数の減衰機構を、上記内筒1
4と外筒15との間に直列に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同芯状に配置された内
筒と外筒とを弾性体により連結してなる弾性ブッシュ、
更に詳しくは、上記内筒と外筒との間に、弾性体の変形
により減衰力を発生させる減衰機構を備えた弾性ブッシ
ュに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等においては、振動部材とこれを
支持する支持部材との間、例えば、エンジンと車体との
間、あるいはサスペンション装置を構成するダンパの先
端部と車体との間に、エンジン振動や車輪振動の車体側
への伝達を抑制するために弾性ブッシュが配置されてお
り、この種の弾性ブッシュとして、例えば、特公平2−
26098号公報に示されているように、内筒と外筒と
を連結する弾性体としてのラバー内に形成されて所定の
液体が封入された一対の液室と、該一対の液室間を連通
させるオリフィスとでなる減衰機構を有する液体封入ブ
ッシュが知られている。この液体封入ブッシュによれ
ば、ラバーの防振作用と減衰機構の減衰作用とにより、
内筒もしくは外筒を介して入力されるエンジン振動や車
輪振動の車体側への伝達が緩和され、あるいは速やかに
減衰されることになる。
【0003】また、上記のような液体封入ブッシュにあ
っては、例えば、特開平2−275130号公報に開示
されているように、弾性体としてのラバーの振動に対す
る減衰機構の共振作用により、液体封入ブッシュ全体の
動バネ常数が、所定周波数領域にわたって略一定に維持
され、あるいは入力振動周波数の上昇に伴って低下する
という低動ばね特性を有することが確認されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な液体封入ブッシュにおいては、液室内に封入される液
体の粘度、該液室の容積あるいはオリフィスの通路径等
の設定度合いにより、動ばね特性を含めた減衰特性が変
化することになり、これを利用して、特定の入力振動に
対応させて減衰特性を設定することにより、その特定の
入力振動を効果的に抑制することが可能となるのである
が、自動車の車体には、アイドル振動のような比較的振
幅の大きな低周波振動からロードノイズ等の振幅の小さ
な高周波微振動に至る多種多様な入力振動が伝達され、
このため、これらの多岐にわたる振動モードの全てにつ
いてこれを抑制するように広範囲にわたって減衰特性を
チューニングすることができず、多種多様な入力振動を
効果的に抑制することが困難となる。
【0005】そこで本発明は、内筒と外筒とが弾性体に
より連結され、且つ該弾性体の変形により減衰力を発生
させる減衰機構を備えた弾性ブッシュとして、広範囲に
わたり減衰特性をチューニング可能な弾性ブッシュを提
供し、以て、多種多様な入力振動を効果的に抑制するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0007】まず、本願の請求項1に係る発明(以下、
第1発明という)は、同芯状に配置された内筒と外筒と
を弾性体により連結してなる弾性ブッシュにおいて、上
記弾性体内に設けられて内外筒の相対変位に伴う弾性体
の変形により容積変化する一対の液室と、該一対の液室
を連通させるオリフィスとでなる減衰機構を、上記内筒
と外筒との間に複数個直列に設けたことを特徴とする。
【0008】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2発明という)は、上記第1発明の構成に加えて、各
減衰機構の減衰特性をそれぞれ異ならせたことを特徴と
する。
【0009】更に、本願の請求項3に係る発明(以下、
第3発明という)は、上記第1発明の構成に加えて、少
なくとも1つの減衰機構にオリフィスを通過する流体の
流動を阻止する位置と該流体の流動を許容する位置とに
切り換え可能とされた切換弁を設けたことを特徴とす
る。
【0010】更にまた、本願の請求項4に係る発明(以
下、第4発明という)は、上記第1発明の構成に加え
て、少なくとも1つの減衰機構にオリフィスの通路径を
変化させる絞り弁を設けたことを特徴とする。
【0011】また、本願の請求項5に係る発明(以下、
第5発明という)は、上記第1発明と同様の弾性ブッシ
ュにおいて、弾性体内に設けられて内筒と外筒との間で
の軸直角方向の相対変位に伴う弾性体の変形により容積
変化する一対の液室と、該一対の液室を連通させるオリ
フィスとでなる減衰機構を、上記内筒と外筒との間に複
数個直列に設けたことを特徴とする。
【0012】
【作用】第1ないし第5発明によれば、内外筒の相対変
位に伴う弾性体の変形により、複数の減衰機構における
各一対の液室が容積変化し、これにより、オリフィスを
介して各一対の液室間で流体が流動することになって減
衰力が発生することになるのであるが、複数の減衰機構
が内筒と外筒との間に直列に設けられているので、弾性
ブッシュ全体の動ばね常数が、個々の減衰機構における
低動ばね領域にわたる広い範囲で低下することになり、
これにより、広範囲の周波数領域にわたって高周波微振
動が抑制されることになる。このように、個々の減衰機
構における減衰特性を変化させることにより、弾性ブッ
シュ全体の減衰特性が変化することになって、該弾性ブ
ッシュの減衰特性のチューニング範囲が拡大することに
なる。
【0013】また、第2発明によれば、複数の減衰機構
の減衰特性が異なっているので、例えば、所定の周波数
領域もしくは所定の振幅レベルの入力振動が伝達された
場合に、複数の減衰機構のうち特定の減衰機構の機能が
低下ないし停止するようにその減衰特性を設定すること
により、所定の周波数領域もしくは振動レベルでの弾性
ブッシュの変位量が縮小され、または動バネ常数が大き
くなり、これにより、該弾性ブッシュ全体の剛性が高め
られることになって、例えば、急制動時や急加速時にお
ける車体のピッチング、あるいは旋回時における車体ロ
ールが効果的に抑制されることになる。このように、複
数の減衰機構の減衰特性を異ならせることにより、所要
の減衰機能を確保しながら抑制しようとする入力振動の
振動モード(周波数もしくは振動レベル)に応じて弾性
ブッシュの減衰特性を適宜にチューニングすることが可
能となり、そのチューニング範囲が拡大することにな
る。
【0014】更に、第3発明においては、少なくとも1
つの減衰機構にオリフィスを通過する流体の流通を阻止
する位置と該流体の流動を許容する位置とに切換られる
切換弁が設けられているので、この切換弁を切り換えて
流体の流動を阻止することにより、その切換弁が設けら
れた減衰機構の機能が停止することになって、上記第2
発明と同様に、所要の減衰機能を維持しながら弾性ブッ
シュ全体の剛性を向上させるといったことが可能とな
る。特に、入力振動モード、即ち、該入力振動の周波数
や振動レベルに応じて自由に切換弁を切り換えて弾性部
ブッシュの減衰特性をチューニングすることが可能とな
り、そのチューニング範囲が更に一段と拡大されること
になる。
【0015】更にまた、第4発明によれば、少なくとも
1つの減衰機構にオリフィスの通路径を変化させる絞り
弁が設けられていることにより、その絞り弁によりオリ
フィスの通路径を変化させることにより、該絞り弁が設
けられた減衰機構における減衰特性の設定自由度が大幅
に向上し、その減衰特性を無制限にチューニングするこ
とが可能となり、これにより、弾性ブッシュ全体の減衰
特性のチューニング範囲が飛躍的に拡大されることにな
って、多種多様な入力振動に合わせて減衰特性をチュー
ニングすることにより、それらの振動を効果的に抑制す
ることができる。
【0016】また、第5発明によれば、弾性ブッシュを
構成する内外筒をその軸直角方向に相対変位させる入力
振動に対する弾性ブッシュ全体の動ばね常数を、上記第
1発明と同様に、広い範囲で低下させることが可能とな
り、これにより、広範囲の周波数領域にわたって高周波
微振動を抑制することができると共に、個々の減衰機構
における減衰特性を変化させることにより弾性ブッシュ
全体の減衰特性が変化することになって、該弾性ブッシ
ュにおける減衰特性のチューニング範囲を拡大すること
ができる。従って、振動源に対して、内外筒がその軸直
角方向に相対変位するように弾性ブッシュを取り付ける
ことにより、振動源から伝達される入力振動を効果的に
抑制することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0018】図1は本発明に係る弾性ブッシュが装着さ
れた車両のサスペンション装置を示し、このサスペンシ
ョン装置1は、車幅方向に配置された上下3本のラテラ
ルリンク2,3,4と、車体前後方向に配置されたトレ
ーリングアーム5とを有し、上記各ラテラルリンク2,
3,4の一端が、車輪6を回転自在に支持する車輪支持
部材7に対してボールジョイント8…8を介してそれぞ
れ連結され、且つ各ラテラルリンク2,3,4の他端
が、車体側のサブフレーム(図示せず)等の部材に弾性
ブッシュ9…9を介してそれぞれ上下揺動可能に連結さ
れている。また、上記車輪支持部材7には、車輪6の上
下振動を減衰させるショックアブソーバ10の下端が連
結されれている。
【0019】上記トレーリングアーム5は、トレーリン
グアーム本体としての第1アーム部材5aと、この第1
アーム部材5aの前部側から後方上向きに延びる第2ア
ーム部材5bとによって後部側が上下に分岐した形状に
構成されおり、上記第1アーム部材5aの前端(つまり
トレーリングアーム5の前端)が、車体側に弾性ブッシ
ュ11を介して上下揺動自在に連結され、且つ該第1ア
ーム部材5aの後端部が、弾性ブッシュ12を介して上
記ラテラルリンク3の所定位置に連結されていると共
に、上記第2アーム部材5bは、その前端部が取付ボル
ト等の固着手段を介して第1アーム部材5aの前部側に
固設され、且つ該第2アーム部材5bの後端部が、上記
3本のラテラルリンク2,3,4のうち上方に配置され
たラテラルリンク2の長手方向の略中央部に弾性ブッシ
ュ13を介して連結されている。
【0020】そして、本実施例においては、上記トレー
リングアーム5を構成する第1アーム部材5aの前端部
と車体側との連結部に配置された弾性ブッシュ11とし
て、本発明に係る弾性ブッシュが使用されており、この
弾性ブッシュ11は、図2,3に拡大して示すように、
液体封入ブッシュとされ、軸芯部に配置された金属製の
内筒14と、該内筒14と同芯状に配置され、且つ上記
トレーリングアーム5を構成する第1アーム部材5aの
先端が溶接等により一体的に取り付けられた金属製の外
筒15と、上記内筒14の軸方向の中央部に圧入等の適
宜の手段により一体的に外嵌された金属製もしくは樹脂
製のブロック16と、上記内筒14と外筒15とを連結
する弾性体としてのラバー17とを有し、該ラバー17
内には、内筒14を挟んでその前後に一対の第1液室1
8a,18bが形成されていると共に、これらの液室1
8a,18bが上記内筒14の外周面とブロック16の
内周面との間に形成された一対のオリフィス19,19
により連通されている。
【0021】また、上記外筒15の内周面には、シール
ラバー20が一体的に取り付けられており、このシール
ラバー20の内周面と上記ラバー17の両側面とにより
上記一対の第1液室18a,18bの外側に位置する一
対の第2液室21a,21bが形成されていると共に、
これらの液室21a,21bが、上記シールラバー20
の一部を部分的に削除することにより形成された一対の
オリフィス22,22により連通されており、この一対
の第2液室21a,21bとこれらを連通させるオリフ
ィス22,22とでなる減衰機構と、上記一対の第1液
室18a,18bとこれらを連通させるオリフィス1
9,19とでなる減衰機構とが、上記内筒14と外筒1
5との間の振動伝達経路中に直列に配置されている。そ
して、上記内筒14が、その軸芯部に挿通される取付ボ
ルト等の軸部材23(図2参照)を介して車体側に連結
されるようになっており、これにより、トレーリングア
ーム5を介して入力される車輪6の振動、特に、車体前
後方向の入力振動が伝達された場合に、内筒14と外筒
15とがそれらの軸線方向と直交する車体前後方向に相
対変位することになって、上記各減衰機構により減衰機
能が発揮されるようになっている。
【0022】上記の構成によれば、トレーリングアーム
5を介して車輪6の振動が入力された場合には、内筒1
4と外筒15との間で相対変位が発生し、例えば、図2
に鎖線で示すように、ラバー17が変形し、これによ
り、一対の第1液室18a,18bが容積変化すること
になって、オリフィス19,19を介して各液室18
a,18b間で液体が流動することにより減衰力が発生
すると共に、上記各液室18a,18bの圧力変化に伴
って一対の第2液室21a,21bに容積変化が生じ、
これらの液室21a,21b間でオリフィス22,22
を介して液体が流動することにより減衰力が発生するこ
とになるのであるが、各一対の液室18a,18bおよ
び21a,21bとこれらを連通させるオリフィス1
9、22とでなる複数の減衰機構が内筒14と外筒15
との間に直列に設けられているので、図4に実線Aで示
すように、弾性ブッシュ11の動ばね常数が、例えば、
実線Bで示す動ばね特性となるように予め設定された一
方の減衰機構の動ばね低下領域から、実線Cで示す動ば
ね特性となるように予め設定された他方の減衰機構にお
ける動ばね低下領域にわたる広い範囲で低下することに
なり、これにより、広範囲の周波数領域にわたって前後
方向の高周波微振動が抑制されることになって、乗り心
地が向上することになる。また、図4に実線B、Cで示
すように、各々の減衰機構の減衰特性が異なっているの
で、所定の周波数領域の入力振動が伝達された場合に
は、一方の減衰機構の機能が低下ないし停止することに
なり、所定の振動領域での弾性ブッシュ11の変位量が
縮小され、これにより、該弾性ブッシュ11全体の剛性
が高められることになって、例えば、急制動時や急加速
時における車体のピッチング、あるいは旋回時における
車体ロールが効果的に抑制されることになる。このよう
に、複数の減衰機構の減衰特性を異ならせることによ
り、所要の減衰機能を確保しながら抑制しようとする入
力振動に応じて弾性ブッシュ11の減衰特性を適宜にチ
ューニングすることが可能となる。
【0023】更に、例えば、図4に点線で示すように、
個々の減衰機構における減衰特性を変化させることによ
り、弾性ブッシュ11の減衰特性が変化することになっ
て、該弾性ブッシュ11の減衰特性のチューニング範囲
が拡大することになる。
【0024】また、図5は上記弾性ブッシュ11の他の
実施例を示すもので、この実施例の弾性ブッシュ31
は、軸芯部に挿通される取付ボルト等の軸部材(図示せ
ず)を介して車体側に連結される金属製の内筒34と、
該内筒34と同芯状に配置され、且つ上記第1実施例と
同様にトレーリングアーム5(図示せず)を構成する第
1アーム部材5aの先端が溶接等により一体的に取り付
けられる金属製の外筒35と、上記内筒34の軸方向の
中央部に圧入等の適宜の手段により一体的に外嵌された
金属製もしくは樹脂製のブロック36と、上記内筒34
と外筒35とを連結する弾性体としてのラバー37とを
有し、該ラバー37内には、内筒34を挟んでその前後
および上下に各一対の液室38a,38b,38a′,
38b′が形成されていると共に、これらの各液室38
a,38b,38a′,38b′が、上記内筒34の外
周面とブロック36の内周面との間に該内筒34の軸方
向に間隔を隔てて形成された各一対のオリフィス39,
39,39′,39′により連通されている。
【0025】更に、上記外筒35の内周面に一体的に取
り付けられたシールラバー40と上記ラバー17の両側
面とにより上記各一対の液室38a,38b,38
a′,38b′の外側に位置する各一対の液室41a,
41b,41a′,41b′が形成されていると共に、
これらの液室41a,41b,41a′,41b′が、
上記シールラバー40の一部を部分的に削除することに
より該シールラバー40の軸方向に間隔を隔てて形成さ
れた各一対のオリフィス42,42,42′,42′に
より連通されたものである。この弾性ブッシュ31によ
れば、上記第1実施例と同様の効果が得られると共に、
特に、内筒34と外筒35とをそれらの軸線方向と直交
する車体前後方向に相対変位させる入力振動に加えて、
該内筒34と外筒35とをそれらの軸線方向と直交する
車体上下方向に相対変位させる入力振動についても、こ
れを効果的に抑制することができる。
【0026】また、図6は第2、第3発明に係る弾性ブ
ッシュの一実施例を示すもので、この実施例の弾性ブッ
シュ51は、軸芯部に挿通される取付ボルト等の軸部材
(図示せず)を介して車体側に連結される金属製の内筒
54と、該内筒54と同芯状に配置され、且つ上記第
1、第2実施例と同様にトレーリングアーム5(図示せ
ず)を構成する第1アーム部材5aの先端が溶接等によ
り一体的に取り付けられる金属製の外筒55と、上記内
筒54の軸方向の中央部に圧入等の適宜の手段により一
体的に外嵌された金属製もしくは樹脂製のブロック56
と、上記内筒54と外筒55とを連結する弾性体として
のラバー57とを有し、該ラバー57内には、内筒54
を挟んでその前後に一対の第1液室58a,58bが形
成されていると共に、これらの液室58a,58bが上
記内筒54の外周面とブロック56の内周面との間に形
成された一対のオリフィス59,59により連通されて
いる。
【0027】更に、上記外筒55の内周面には、シール
ラバー60が一体的に取り付けられており、このシール
ラバー60の内周面と上記ラバー57の両側面とにより
上記一対の第1液室58a,58bの外側に位置する一
対の第2液室61a,61bが形成されていると共に、
これらの液室61a,61bが、オリフィスとしての連
通路62により連通されており、この連通路62には、
図示のように、該連通路62を通過する液体の流動を許
容する第1切換位置と、連通路62を通する液体の流動
を阻止する第2切換位置とに切り換え可能とされた切換
弁63が設けられている。
【0028】また、図6に鎖線で示すように、上記連通
路62に切換弁63に換えて該連通路62の通路径を変
化させる可変絞りでなる流量制御弁64を設けるように
しても良い。
【0029】上記の構成によれば、一対の第2液室61
a,61bとオリフィスとしての連通路62とにより構
成される減衰機構に、連通路62を通過する流体の流通
を許容する第1切換位置と該流体の流動を阻止する第2
切換位置とに切換られる切換弁63が設けられているの
で、この切換弁63を切り換えて流体の流動を阻止する
ことにより、一対の第2液室61a,61b間で液体が
流動せず、減衰機能が停止することになって、一対の第
1液室58a,58bとオリフィス59とで構成される
減衰機構による所要の減衰機能を維持しながら弾性ブッ
シュ51全体の剛性を向上させるといったことが可能と
なり、車体のピッチングやロールが抑制されることにな
る。特に、入力振動モード、即ち、該入力振動の周波数
や振動レベルに応じて自由に切換弁63を切り換えて弾
性ブッシュ51の減衰特性をチューニングすることが可
能となり、そのチューニング範囲が更に一段と拡大され
ることになる。
【0030】また、上記一対の第2液室61a,61b
間を連通させるオリフィスとしての連通路62に、切換
弁63に換えて流量制御弁64を設けた場合には、その
流量制御弁64により連通路62の通路径を変化させる
ことにより、第2液室61a,61b間で流動する液体
に流量が変化し、これにより、一対の第2液室61a,
61bとオリフィスとしての連通路62とにより構成さ
れる減衰機構の減衰特性の設定自由度が大幅に向上し、
その減衰特性を無制限にチューニングするといったこと
が可能となり、これにより、弾性ブッシュ51全体の減
衰特性のチューニング範囲が飛躍的に拡大されることに
なって、多種多様な入力振動に合わせて減衰特性をチュ
ーニングすることにより、それらの振動を効果的に抑制
することができる。
【0031】なお、本実施例においては、サスペンショ
ン装置1を構成するトレーリングアーム5の先端と車体
との連結部に設けられる弾性ブッシュ11に本発明に係
る弾性ブッシュを適用した場合について説明したけれど
も、本発明に係る弾性ブッシュの装着対象としては、サ
スペンション装置に限定されるものではなく、例えば、
エンジンと車体との間、その他、各種の振動源とこれを
支持する支持部材の間に配置されてその振動を効果的に
抑制し得ることはいうまでもない。また、本実施例にお
いては、弾性ブッシュにおける内筒と外筒との軸直角方
向への相対変位に伴うラバーの変形により減衰力が作用
するように構成した場合について説明したけれども、内
外筒の軸方向ないし回転方向への相対変位に伴うラバー
の変形により減衰力を作用させる減衰機構を設けた場合
についても、本発明の概念に含まれることは勿論であ
る。
【0032】
【発明の効果】以上のように、第1ないし第5発明によ
れば、複数の減衰機構が内筒と外筒との間に直列に設け
られているので、弾性ブッシュ全体の動ばね常数が、個
々の減衰機構の低動ばね領域にわたる広い範囲で低下す
ることになり、これにより、広範囲の周波数領域にわた
って高周波微振動を抑制することができると共に、個々
の減衰機構における減衰特性を変化させて弾性ブッシュ
全体の減衰特性を変化させることが可能となって、該弾
性ブッシュの減衰特性のチューニング範囲を拡大させる
ことができる。
【0033】また、第2発明によれば、複数の減衰機構
の減衰特性が異なっているので、例えば、所定の周波数
領域もしくは所定の振幅レベルの入力振動に対して、複
数の減衰機構のうち特定の減衰機構の機能が低下ないし
停止するようにその減衰特性を設定することにより、所
定の周波数領域もしくは振動レベルでの弾性ブッシュの
変位量が縮小され、これにより、該弾性ブッシュ全体の
剛性が高められることになって、例えば、急制動時や急
加速時における車体のピッチング、あるいは旋回時にお
ける車体ロールが効果的に抑制されることになる。この
ように、複数の減衰機構の減衰特性を異ならせることに
より、所要の減衰機能を確保しながら抑制しようとする
入力振動に応じて弾性ブッシュの減衰特性を適宜にチュ
ーニングすることが可能となって、そのチューニング範
囲が拡大することになる。
【0034】更に、第3発明においては、少なくとも1
つの減衰機構にオリフィスを通過する流体の流通を阻止
する位置と該流体の流動を許容する位置とに切換られる
切換弁が設けられているので、この切換弁を切り換えて
流体の流動を阻止することにより、その切換弁が設けら
れた減衰機構の機能が停止することになって、上記第2
発明と同様に、所要の減衰機能を維持しながら弾性ブッ
シュ全体の剛性を向上させるといったことが可能とな
る。特に、入力振動モード、即ち、該入力振動の周波数
や振動レベルに応じて自由に切換弁を切り換えて弾性部
ブッシュの減衰特性をチューニングすることが可能とな
り、そのチューニング範囲が更に一段と拡大されること
になる。
【0035】更にまた、第4発明によれば、少なくとも
1つの減衰機構にオリフィスの通路径を変化させる絞り
弁が設けられていることにより、その絞り弁が設けられ
た減衰機構の減衰特性を無制限にチューニングするとい
ったことが可能となり、これにより、弾性ブッシュ全体
の減衰特性のチューニング範囲が飛躍的に拡大されるこ
とになって、多種多様な入力振動に合わせて減衰特性を
チューニングすることにより、それらの振動を効果的に
抑制することができる。
【0036】また、第5発明によれば、弾性ブッシュを
構成する内外筒をその軸直角方向に相対変位させる入力
振動に対する弾性ブッシュ全体の動ばね常数を、上記第
1発明と同様に、広い範囲で低下させることが可能とな
り、これにより、広範囲の周波数領域にわたって内外筒
を軸直角方向に変位させる高周波微振動を抑制すること
ができると共に、個々の減衰機構における減衰特性を変
化させて弾性ブッシュ全体の減衰特性を変化させること
が可能となって、該弾性ブッシュの減衰特性のチューニ
ング範囲を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る弾性ブッシュが装着される車両
のサスペンション装置を車体後方よりみた斜視図。
【図2】 弾性ブッシュの拡大断面図。
【図3】 図2におけるイ−イ線に沿ってみた弾性ブッ
シュの断面図。
【図4】 弾性ブッシュの動ばね特性図。
【図5】 他の実施例の弾性ブッシュの拡大断面図。
【図6】 第3、第4発明に係る弾性ブッシュの拡大断
面図。
【符号の説明】
11,31,51 弾性ブッシュ 14,34,54 内筒 15,35,55 外筒 18a,18b,21a,21b 液室 19,22 オリフィス 38a,38b,38a′,38b′ 液室 39,39′,42,42′ オリフィス 41a,41b,41a′,41b′ 液室 58a,58b 液室 59 オリフィス 61a,61b 液室 62 連通路 63 切換弁 64 流量制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 枝広 毅志 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 平林 繁文 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同芯状に配置された内筒と外筒とを弾性
    体により連結してなる弾性ブッシュであって、上記弾性
    体内に設けられて内外筒の相対変位に伴う弾性体の変形
    により容積変化する一対の液室と、該一対の液室を連通
    させるオリフィスとでなる減衰機構が、上記内筒と外筒
    との間に複数個直列に設けられていることを特徴とする
    弾性ブッシュ。
  2. 【請求項2】 同芯状に配置された内筒と外筒とを弾性
    体により連結してなる弾性ブッシュであって、上記弾性
    体内に設けられて内外筒の相対変位に伴う弾性体の変形
    により容積変化する一対の液室と、該一対の液室を連通
    させるオリフィスとでなる減衰機構が、上記内筒と外筒
    との間に複数個直列に設けられていると共に、各減衰機
    構の減衰特性がそれぞれ異なっていることを特徴とする
    弾性ブッシュ。
  3. 【請求項3】 同芯状に配置された内筒と外筒とを弾性
    体により連結してなる弾性ブッシュであって、上記弾性
    体内に設けられて内外筒の相対変位に伴う弾性体の変形
    により容積変化する一対の液室と、該一対の液室を連通
    させるオリフィスとでなる減衰機構が、上記内筒と外筒
    との間に複数個直列に設けられていると共に、少なくと
    も1つの減衰機構にオリフィスを通過する流体の流動を
    阻止する位置と該流体の流動を許容する位置とに切り換
    え可能とされた切換弁が設けられていることを特徴とす
    る弾性ブッシュ。
  4. 【請求項4】 同芯状に配置された内筒と外筒とを弾性
    体により連結してなる弾性ブッシュであって、上記弾性
    体内に設けられて内外筒の相対変位に伴う弾性体の変形
    により容積変化する一対の液室と、該一対の液室を連通
    させるオリフィスとでなる減衰機構が、上記内筒と外筒
    との間に複数個直列に設けられていると共に、少なくと
    も1つの減衰機構にオリフィスの通路径を変化させる絞
    り弁が設けられていることを特徴とする弾性ブッシュ。
  5. 【請求項5】 同芯状に配置された内筒と外筒とを弾性
    体により連結してなる弾性ブッシュであって、上記弾性
    体内に設けられて内筒と外筒との間での軸直角方向の相
    対変位に伴う弾性体の変形により容積変化する一対の液
    室と、該一対の液室を連通させるオリフィスとでなる減
    衰機構が、上記内筒と外筒との間に複数個直列に設けら
    れていることを特徴とする弾性ブッシュ。
JP3177689A 1991-06-21 1991-06-21 弾性ブツシユ Pending JPH051741A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4957008A (en) * 1988-12-28 1990-09-18 Coulter Electronics, Inc. Fluid sampling and transfer valve assembly
US5413319A (en) * 1994-08-10 1995-05-09 Gencorp Inc. Fluid damped bushing
WO1997010820A1 (fr) * 1995-09-20 1997-03-27 The Green Cross Corporation Preparation stable a la vitamine c

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