JPH0517329Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、バンパカバー側部に部分的に対応し
た面形状を備えてボデー側に固定され、バンパカ
バー側部をそのリブ用のクリツプとで保持するバ
ンパのサイドリテーナに関するものである。

〔従来の技術〕

第４図はバンパカパー１の一般的な取付け構造
を示すもので、その正面部はリインフオース等に
固定されると共に、その側部２はフエンダ及びア
ンダボデーにねじ止された対応形状の面状のサイ
ドリテーナ３に装着されている。そして、バンパ
カバー側部２の水平上面２ａの保持は、従来第５
図に示すように、サイドリテーナ３の複数個所に
形成された穿孔３ａに、バンパカバー側部２の裏
面に一体成形で突出された突起２ｂを係入させ
て、クリツプ４により拘束していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

したがつて、図示のようなクリツプ４を装着す
る作業スペースとして、突起２ｂとバンパカバー
の水平上面２ａ間に10mm程度の隙間Ｓが必要であ
るために、効果的に剛性を向上させ得ず、また熱
伸縮に対する逃げの配慮も不充分であるために、
バンパカバーの側部或はコーナ部の水平上面に波
打ち等の変形を生じさせる問題があつた。

よつて、本考案は、バンパカバー側部或はコー
ナ部分の変形を効果的に防止し得るバンパのサイ
ドリテーナを提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、この目的を達成するために、合成樹
脂製の面形状部分の上端部に、バンパカバー側部
の水平上面に細隙を置いて平行に延在するリブを
係入させるように断面がほぼコの字型の溝を一体
に形成した。そして、溝の上下の壁部に、断面が
ほぼＵ字型のクリツプを係入させるように延在方
向の幅がクリツプの幅よりも僅かに広い凹部をそ
れぞれ形成すると共に、クリツプのＵ字型を形成
する上下面には、これらの面間に係入したリブを
拘束するように、互に接近する方向に延びる爪を
それぞれ形成した。

〔作用〕

バンパーカバー側部のリブを、クリツプが係入
された凹部を備えたサイドリテーナの溝に係入さ
せると、バンパカバー側部は部分的にサイドリテ
ーナに対接すると共に、リブは溝内で支持される
と共にクリツプの爪で拘束され、またバンパカバ
ー側部の水平上面は溝の上壁に近接して位置付け
される。

バンパカバーの環境変化に起因して伸縮するこ
とにより、リブがその延在方向にスライドする
と、クリツプは幅に余裕のある凹部内を拘束され
ることなく追従してスライドし、したがつてバン
パカバーの変形が回避される。

〔考案の実施例〕

第１図〜第３図は、本考案の一実施例によるバ
ンパのサイドリテーナを示す。

第１図において、サイドリテーナ９は、第４図
に示すのと同様な合成樹脂製面形状部分９ａを備
えている。そして、上端部には、バンパカバー側
部８の水平上面８ａに例えば５mmの細隙Ｓを置い
て平行に延在するリブ８ｂへ形状相補的に係合す
る断面がほぼコの字型の溝１０が、車室内方向へ
突出して一体に形成されている。つまり、溝１０
の上壁１１の厚みは水平上面８ａ及びリブ８ｂ間
の５mm程度の間隙に、奥行はリブ８ｂの突出長
に、また開口縦幅はリブ８ｂの厚みにそれぞれ対
応している。

さらに、溝１０の上下の壁部１１，１２には、
断面がほぼＵ字型で金属製のクリツプ２０が係入
する凹部１３が形成されている。そのリブ延在方
向の幅Ｗは、クリツプ２０の幅よりも温度変動に
起因するリブ８ｂのスライド変位に対する逃げを
考慮して僅かに広く設定されている。凹部は、使
用するクリツプ２０の個数に対応する数だけ間欠
的に配列されている。この凹部は、背後の２個所
の開口１０ａから成形時にスライドコア型を挿入
されて形成され、その際補強用の中間壁１０ｂに
対応する凹部底面１０ｃは、両側の底面と同レベ
ルになるように、前方から別途に平坦状に成形さ
れている（第３図参照）。

クリツプ２０の上下面は、その開口先端で互の
離接方向に弾性を呈すると共に、リブ８ｂを拘束
するように、それぞれ車室内方向へ互に接近しつ
つ斜めに延びる爪２１が形成されている。各爪の
先端には、リブ８ｂが抜けるのを防止する歯形２
１ａが形成されている。

バンパの組付けに際しては、ボデー側に固定さ
れているサイドリテーナ９における溝１０の凹部
１３の中央部分に、クリツプ２０を矢印Ｅ方向
（第１図）から嵌入させ、上下の凹部１３から対
向方向に突出した係止縁１３ａにクリツプ２０の
先端２１ｂを係止させる。

次いで、バンパカバー側部８を対接させつつ溝
１０にリブ８ｂを嵌入させて、水平上面８ａを上
壁１１に近接して位置付けさせると共に、その嵌
入位置に爪２１の歯形２１ａで拘束する。第２図
は各部の組付け状態を示す。この状態で、バンパ
カバー側部８の水平上面８ａは、溝１０の上壁１
１と、その内部に係入するリブ８ｂとの大きな剛
性で保持される。しかも、環境の変化により、水
平上面８ａがその延在方向に膨張又は伸縮スライ
ドしてクリツプ２０を連行しても、溝１０の横幅
に余裕があるために変形を生じさせない。

尚、前述の実施例において、クリツプは爪１個
にしたり、リテーナ溝のクリツプ係止用凹部は背
後に前述の成形用開口を形成することなく構成す
ることも考えられる。

〔考案の効果〕

以上、本考案のクリツプ付サイドリテーナによ
れば、バンパカバー側部のリブを上面に接近させ
て形成することができるためにバンパカバー上面
の剛性が向上する。また、リブを拘束しているク
リツプの連動スライドが許容されるために、温度
変動等に伴う変形も回避できる。さらに、樹脂化
により軽量にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例によるバンパカバー
のサイドリテーナ要部斜視図、第２図ａは同図の
Ａ−Ａ線断面図、第２図ｂは同図のＢ−Ｂ線断面
図、第２図ｃは同図のＣ−Ｃ線断面図、第３図は
同図のＤ矢印斜視図、第４図はバンパカバー及び
サイドリテーナの一般的な構造の斜視図及び第５
図は従来のサイドリテーナのクリツプ取付け状態
を示す断面図である。 ８……バンパカバー側部、８ａ……水平上面、
８ｂ……リブ、９……サイドリテーナ、１０……
溝、１３……凹部、２０……クリツプ、２１……
爪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ボデー側に固定され、バンバカバー側部をクリ
   ツプとで保持する面形状のバンパのサイドリテー
   ナにおいて、 合成樹脂製の面形状部分の上端部に、バンパカ
   バー側部の水平上面に細隙を置いて平行に延在す
   るリブを係入させるように、断面がほぼコの字型
   の溝を一体に形成し、 前記溝の上下の壁部に、断面がほぼＵ字型のク
   リツプを係入させるように前記延在方向の幅が前
   記クリツプの幅よりも僅かに広い凹部をそれぞれ
   形成し、 前記クリツプのＵ字型を形成する上下面には、
   これらの面間に係入した前記リブを拘束するよう
   に、互に接近する方向に延びる爪をそれぞれ形成
   したことを特徴とするバンパのサイドリテーナ。