JPH05172649A - サーミスタ素子およびその製造方法 - Google Patents

サーミスタ素子およびその製造方法

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JPH05172649A
JPH05172649A JP35467191A JP35467191A JPH05172649A JP H05172649 A JPH05172649 A JP H05172649A JP 35467191 A JP35467191 A JP 35467191A JP 35467191 A JP35467191 A JP 35467191A JP H05172649 A JPH05172649 A JP H05172649A
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盛一 田島
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龍一 小木曽
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茂 坂野
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信之 三木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 衝撃が加わった場合でも高温・高湿等の悪条
件下での使用においてサーミスタ特性の劣化が殆どな
く、信頼性の高いガラス封止型の高温用サーミスタ素子
を提供する。 【構成】 サーミスタチップ、このサーミスタチップ上
に形成された一対の電極層およびこれらの電極層にそれ
ぞれ接続された一対のリード体を有し、サーミスタチッ
プおよび電極層と、リード体の一部とが、ガラスにより
封止されており、前記ガラスから露出している前記リー
ド体と前記ガラスとの境界付近が、セラミックス膜によ
り被覆されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス封止型のサーミ
スタ素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】サーミスタは、感温抵抗体の電気抵抗の
温度依存性を利用した温度センサや温度補償用素子であ
り、温度測定や温度制御等に汎用されている。特に高温
用としては、例えば自動車排気ガス温度検出センサ、石
油・ガス燃焼制御用センサなどに使用されている。
【0003】従来の高温用サーミスタ素子の感温抵抗体
(サーミスタチップ)の材料、すなわちサーミスタ材料
としては、高温で安定な電気抵抗値を示すことから、炭
化ケイ素や炭化ホウ素を導電路とする焼結体が好ましい
ことが知られている。しかし、これらの材料を用いたサ
ーミスタ素子を大気中で高温で使用した場合、特に50
0℃以上では表面酸化が生じる。このため、保護膜を設
けることが必要とされる。
【0004】保護膜形成には、ガラスによりチップを封
止する方法を用いることが容易かつ確実である。ガラス
によりチップを封止したサーミスタを、通常、ガラス封
止型サーミスタと称する。ガラス封止型サーミスタの一
例を図2に示す。図2に示すサーミスタ素子101は、
サーミスタチップ11と、サーミスタチップ11上に形
成された一対の電極層33,35と、これらの電極層に
それぞれ接続された一対のリード体43,45とを有
し、サーミスタチップ11および電極層33,35と、
リード体43,45の一部とがガラスにより封止されて
いる。リード体43,45は、封止用ガラスの熱膨張率
との関係が適当であることや低コストであることなどか
ら、通常、コバール合金や42アロイ合金等のFe合金
で構成される。
【0005】高温用サーミスタとして使用される場合、
リード体43,45は高温にさらされるため、表面酸化
が生じる。また、高湿状態での保存においても同様であ
る。このため、Ni等の耐酸化性めっき膜をリード体に
設けることが提案されている。しかし、耐酸化性が良好
である金属は一般に反応性に乏しく、ガラスへの拡散性
が低い。このため、耐酸化性の良好な金属はヌレ性が低
く、ガラスとの密着性が低い。従って、耐酸化性の良好
なめっき膜を表面の全面に形成したリード体をガラスで
封止した場合、リード体と封止ガラスとの密着性が不十
分となる。このようなサーミスタ素子を高温・高湿環境
で使用すると、耐熱めっき膜と封止ガラスとの間隙から
ガラス封止部内に水分や酸素が侵入し、抵抗変化が生じ
易い。
【0006】このような事情から、本発明者らは先に、
図2に示されるように、リード体43,45のガラスか
ら露出している部分だけにめっき膜431,451を形
成したサーミスタ素子を提案している(特願平2−61
590号)。しかし、本発明者らのその後の研究によれ
ば、このような構成のサーミスタ素子には下記の問題が
生じることが判明した。上記提案では、リード体にめっ
き膜を形成する前にガラス封止を行なうが、めっき膜の
形成されていないリード体はガラスに対してヌレ性が比
較的良好であるため、図3に示されるように、ガラス5
からリード体43,45が露出する部分では、ガラス5
が薄くリード体を取り囲む構成となる。このように薄い
ガラスは機械的衝撃や熱的衝撃により欠け易く、リード
体にめっき膜を形成した後に封止ガラスに欠けが発生し
た場合、めっき膜の形成されていないリード体が露出し
てしまい、使用時に劣化してしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情からなされたものであり、衝撃が加わった場合でも高
温・高湿等の悪条件下での使用においてサーミスタ特性
の劣化が殆どなく、信頼性の高いガラス封止型の高温用
サーミスタ素子を提供すること、およびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。 (1) サーミスタチップ、このサーミスタチップ上に
形成された一対の電極層およびこれらの電極層にそれぞ
れ接続された一対のリード体を有し、前記サーミスタチ
ップおよび電極層と、リード体の一部とが、ガラスによ
り封止されているサーミスタ素子であって、前記ガラス
から露出している前記リード体と前記ガラスとの境界付
近が、セラミックス膜により被覆されていることを特徴
とするサーミスタ素子。
【0009】(2) 前記セラミックス膜が、Alおよ
びSiから選択される少なくとも1種の元素と、Oおよ
びNから選択される少なくとも1種の元素とを含む上記
(1)に記載のサーミスタ素子。
【0010】(3) 前記セラミックス膜の厚さが3〜
20μm である上記(1)または(2)に記載のサーミ
スタ素子。
【0011】(4) 前記リード体が、コバール合金ま
たは42アロイ合金である上記(1)ないし(3)のい
ずれかに記載のサーミスタ素子。
【0012】(5) 前記セラミックス膜が前記ガラス
の全表面を被覆している上記(1)ないし(4)のいず
れかに記載のサーミスタ素子。
【0013】(6) 上記(1)ないし(5)のいずれ
かに記載のサーミスタ素子を製造する方法であって、前
記サーミスタチップ、電極層およびリード体の一部を非
酸化性雰囲気中でガラスにより封止した後、CVD法に
より前記セラミックス膜を形成することを特徴とするサ
ーミスタ素子の製造方法。
【0014】
【作用】図1に、本発明のガラス封止型のサーミスタ素
子1の好適実施例を示す。
【0015】本発明では、ガラス5のリード体43,4
5との境界付近とが、セラミックス膜6により被覆され
ている。このため、リード体43,45との境界付近の
封止ガラス5の欠けが防止される。
【0016】また、ガラスとのヌレ性が低いめっき膜を
介さないため、リード体43,45とガラス5との密着
性が高くなり、高温・高湿条件下で使用した場合でも、
ガラス封止部内に水分や酸素等の侵入が殆どなく、サー
ミスタ特性が劣化しない。
【0017】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。図1に示される本発明のガラス封止型サー
ミスタ素子1は、サーミスタチップ11、このサーミス
タチップ11上に形成された一対の電極層33,35お
よびこれらの電極層にそれぞれ接続された一対のリード
体43,45を有し、サーミスタチップ11および電極
層33,35と、リード体43,45の一部とは、ガラ
ス5により封止される。そして、ガラス5から露出して
いるリード体43,45とガラス5との境界付近は、セ
ラミックス膜6により被覆されている。
【0018】[サーミスタチップ11]サーミスタチッ
プ11の材質に特に制限はなく、ガラス封止が可能であ
ればどのような材質を用いてもよい。例えば、特開昭6
4−64202号公報に記載されているサーミスタ材
料、すなわち、炭化ケイ素および/または炭化ホウ素
と、AlやSi等の酸化物を含有するマトリックス物質
とを含有するサーミスタ材料を好ましく用いることがで
きる。また、炭化ケイ素や炭化ホウ素を主成分とするそ
の他各種サーミスタ材料を用いてもよい。なお、炭化ケ
イ素が含有される場合、炭化ケイ素の含有量はマトリッ
クス物質の含有量に対し体積比で1.24以下とするこ
とが好ましい。これは、ガラス封止工程における発泡を
抑え、素子化を容易にするためである。
【0019】また、Mn−Ni系複合酸化物、スピネル
系酸化物、Al23 系酸化物等の各種複合酸化物焼結
体を用いることもできる。
【0020】サーミスタチップの製造には、通常の焼結
法を用いればよい。例えば、各種原料粉末を湿式混合し
た後、混合物を室温で加圧成形し、酸素雰囲気中あるい
は非酸化性雰囲気中で常圧焼結法、ホットプレス(H
P)焼結法、熱間静水圧(HIP)法などにより成形体
を焼結した後、放冷し、所定寸法に切断してサーミスタ
チップを得る。
【0021】なお、サーミスタチップの寸法に特に制限
はないが、通常、縦0.5〜1.0mm、横0.5〜1.
0mm、厚さ0.5〜1.0mm程度である。
【0022】[電極層33,35]電極層33,35
は、サーミスタ素子に用いられる導電性材料からなる電
極あるいは導電性材料を含有する電極であればどのよう
なものであってもよく、特に制限はない。導電性材料と
しては、公知の導電性物質を用いればよく、Au、A
g、Pt、Pd、W、Cu、Ni、Mo、Al、Fe、
Ti、Mn、Nb、Taなど、あるいはPt−Au、P
d−Au、Pt−Pd−Au、Pd−Ag、Pt−Pd
−Ag、Fe−Ni−Co、Fe−Ni、Mo−Mn等
の合金などのいずれもが使用可能である。
【0023】電極層の形成方法にも特に制限はなく、例
えば、ガスフレーム、電気アーク、プラズマ等の各種溶
射、あるいは、電解めっき、無電解めっき、蒸着、スパ
ッタリング、イオンプレーティングなどの各種気相成長
法や液相成長法等、さらには、導電性ペーストを焼成す
るいわゆる厚膜法により電極層を形成してもよい。な
お、電極層は、リード体との密着性向上などのために、
2層以上の多層構成としてもよい。
【0024】電極層の厚さは、形成方法によっても異な
るが、通常0.05〜200μm 程度である。
【0025】[リード体43,45]リード体43,4
5として用いるリード線は、従来公知のものはいずれも
使用可能であるが、熱膨張率、コスト等の点で、29wt
%Ni−17wt%Co−残Feの組成を有するコバール
合金および41〜43wt%Ni−残Feの組成を有する
42アロイ合金を用いることが好ましい。コバール合金
は熱膨張特性が硬質ガラスのそれとよく一致しており、
硬質ガラス、セラミックのハーメチックシール材として
用いられる合金である。また、42アロイ合金は硬質ま
たは軟質ガラス封着材料としてトランジスタ、ダイオー
ドのリード線、ICのリードフレーム、リードスイッチ
用のリードなど、種々のハーメチックシールとして使用
されている。
【0026】リード体43,45をそれぞれ電極層3
3,35に接続する方法に特に制限はなく、金ペースト
等の導電性ペーストを用いる方法、スポット溶接による
方法、超音波ボンダーによる方法等から適当なものを選
択すればよい。
【0027】[セラミックス膜6]セラミックス膜6
は、リード体43,45の酸化防止および耐熱性向上に
加え、封止用のガラス5の破損防止のために設けられ
る。本発明では、少なくともガラス5から露出している
リード体43,45とガラス5との境界付近がセラミッ
クス膜6により被覆されていればよいが、後述するよう
なCVD法によりセラミックス膜を形成した場合、図示
例のように封止用のガラス5の全表面をセラミックス膜
6が覆う構成となる。なお、リード体43,45は、外
部の回路と接触する領域を除き、耐酸化および耐熱が必
要な領域の全てがセラミックス膜6により被覆されてい
ることが好ましい。
【0028】セラミックス膜6は、酸化防止、耐熱性向
上およびガラス5の破損防止作用を有し、かつ絶縁性の
ものであれば、どのような材質で構成されてもよく、ガ
ラスやリード体への付着強度や熱膨張率のマッチングを
考慮して適当な材質を選択すればよく、例えば、Alお
よびSiから選択される少なくとも1種の元素と、Oお
よびNから選択される少なくとも1種の元素とを含むセ
ラミックスが好ましい。このようなセラミックスとして
は、具体的には、Al23 、SiO2 、Si34
たはAlNからなるセラミックスか、あるいはこれらの
少なくとも1種を含むセラミックスが好ましい。これら
のうちでは、硬度および耐食性が高いことから特にAl
23 が好ましい。
【0029】セラミックス膜の形成方法は特に限定され
ないが、膜形成速度が高いこと、ステップカバレージが
良好であること、緻密な膜を形成できることなどから、
CVD法により形成することが好ましい。用いるCVD
法は特に限定されず、熱CVD法やプラズマCVD法な
どの各種CVD法から適宜選択すればよいが、膜形成速
度が高いことから熱CVD法が特に好ましい。各種CV
D法の条件、例えば原料ガス、被着物の温度等は特に限
定されず、常法に基づいて適宜決定すればよい。例えば
原料ガスとしては、各種のハロゲン化物や有機金属化合
物、アンモニア等を用いればよい。
【0030】セラミックス膜の厚さは、酸化防止、耐熱
性向上、ガラスの破損防止等の効果が十分に得られるよ
うに、形成方法や用いる材質などに応じて適宜決定すれ
ばよい。例えばCVD法により形成する場合には、セラ
ミックス膜の厚さを3〜20μm とすることが好まし
い。厚さを3μm 未満とすると緻密で欠陥のない膜を形
成することが困難となる。また、20μm を超える厚さ
としても上記効果は顕著には向上せず、膜形成時間が長
くなるため生産性が低下する。
【0031】なお、形成条件を制御して、ガラス5を圧
縮するような残留応力が発生するようにセラミックス膜
を形成することが好ましい。このような応力により、セ
ラミックス膜の剥離が防がれる。
【0032】[封止用ガラス5]ガラス5には、ガラス
転移温度が600℃以上、特に600〜700℃程度、
また、作業温度が1000℃以下、特に800〜100
0℃のガラスを用いることが好ましい。ガラス5の組成
は、ガラス転移温度および作業温度が上記の範囲内のも
のであれば特に制限はないが、アルカリ土類金属を含有
するホウケイ酸ガラスを用いることが好ましい。なお、
高温での絶縁抵抗値の低下の原因となるため、ガラス5
に含有されるNa、K等のアルカリ成分は、1wt%以下
であることが好ましい。
【0033】[サーミスタ素子製造方法]サーミスタ素
子1の製造方法の一例を以下に簡単に説明する。まず、
直径3インチ程度、厚さ0.5mm程度の前記の焼結体の
ウエハを作製する。このウエハの両面に、電極層を形成
する。
【0034】電極層が形成されたウエハを、ダイシング
ソー等により一辺0.75mm程度の正方形に切断し、チ
ップ化する。
【0035】このようにして得られたチップに、直径
0.2〜0.5mm、長さ20〜100mm程度のリード体
を、前記の方法を用いて接続する。このようなチップ
を、直径1.5〜2.5mm程度、長さ5mm程度のガラス
管に挿入し、ガラス封止を行なう。本発明では、ガラス
封止を非酸化性雰囲気中で行なう。非酸化性雰囲気とし
ては、N2 、Ar、He等の不活性ガス、H、CO、各
種炭化水素など、あるいはこれらの混合雰囲気、さらに
は真空等の種々のものであってよい。なお、ガラス封止
の際の非酸化雰囲気中には、0.5%以下のO2 が含ま
れていてもよい。
【0036】ガラス封止後、上記したCVD法などによ
りセラミックス膜6を形成する。
【0037】なお、セラミックス膜形成前あるいは形成
後に、必要に応じ500〜750℃にて10〜100時
間程度エージングを行なうことが好ましい。エージング
時の雰囲気に特に制限はないが、非酸化性雰囲気中で行
なうことが好ましい。
【0038】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。下記原料粉末を、アセトンを
用いてボールミルにて20時間湿式混合した。
【0039】(原料粉末) Al23 :86重量部 B4 C :14重量部 TiO2 : 0.2重量部 得られたスラリーを乾燥造粒し、内径77mmの黒鉛型に
充填した。
【0040】これを、Ar雰囲気中でホットプレス焼結
し、冷却後、50×50×0.5mmに加工し、両面に電
極を形成した後、外周スライングマシンにて加工し、
0.75×0.75×0.5mmにチップ化した。
【0041】次いで、電極層に、直径0.25mm、長さ
65mmのリード体を、スポット溶接法を用いて接続し
た。
【0042】さらに、電極およびリード体を有するサー
ミスタチップを、直径2.5mm、長さ4mmのホウケイ酸
ガラスに挿入し、Arガス雰囲気中にて850℃でガラ
ス封止した。
【0043】ガラス封止後、ガラスの全表面およびリー
ド体表面に熱CVD法によりセラミックス膜を形成し、
図1に示されるようなサーミスタ素子サンプルを各42
0個作製した。各サンプルのリード体の材質、セラミッ
クス膜の組成、その厚さを下記表1に示す。なお、セラ
ミックス膜形成時の素子温度は、900℃とした。
【0044】また、比較のために、ガラス封止後にリー
ド体表面にめっき膜を形成したサンプル(No. 6)およ
びガラス封止前にリード体の全表面にめっき膜を形成し
た比較サンプル(No. 7)を作製した。これらの比較サ
ンプルにはセラミックス膜を形成しなかった。
【0045】これらの各サンプルについて、下記の測定
を行なった。結果を表1に示す。
【0046】(抵抗値変化)サーミスタ素子製造後の初
期と、600℃にて2000時間保存後に抵抗値を測定
し、抵抗値の変化をΔR、初期の抵抗値をR0 として、 (ΔR/R0 )×100 [%] により算出した。
【0047】
【表1】
【0048】表1に示される結果から、本発明の効果が
明らかである。すなわち、セラミックス膜を形成した本
発明のサンプルでは、高温高湿条件での保存後も抵抗率
変化が小さい。一方、ガラス封止部内を含むリード体全
表面にめっき膜を形成した比較サンプルでは、高温高湿
条件での保存後の高抵抗化が著しい。
【0049】また、上記各サンプルをサイクル試験(室
温と600℃)したところ、本発明のサンプルではセラ
ミックス膜およびガラスが割れず、リード体の酸化も認
められなかった。
【0050】なお、本発明によるこのような効果は、サ
ーミスタチップの組成を変更した場合でも実現し、特に
特開昭64−64202号公報に記載されているすべて
の組成について同様に実現した。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、梱包、輸送、実装など
の際に衝撃が加わった場合でも封止ガラスが破損しない
ので、高温・高湿等の悪条件下で使用した場合における
サーミスタ特性の劣化が殆どなく、極めて信頼性の高い
ガラス封止型の高温用サーミスタ素子が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサーミスタ素子の好適実施例を示す断
面図である。
【図2】従来のサーミスタ素子の1例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】 1、101 サーミスタ素子 11 サーミスタチップ 33、35 電極層 43、45 リード体 431、451 めっき膜 5 ガラス 6 セラミックス膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小木曽 龍一 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 坂野 茂 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 三木 信之 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 野原 啓継 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 谷口 雅朗 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーミスタチップ、このサーミスタチッ
    プ上に形成された一対の電極層およびこれらの電極層に
    それぞれ接続された一対のリード体を有し、前記サーミ
    スタチップおよび電極層と、リード体の一部とが、ガラ
    スにより封止されているサーミスタ素子であって、 前記ガラスから露出している前記リード体と前記ガラス
    との境界付近が、セラミックス膜により被覆されている
    ことを特徴とするサーミスタ素子。
  2. 【請求項2】 前記セラミックス膜が、AlおよびSi
    から選択される少なくとも1種の元素と、OおよびNか
    ら選択される少なくとも1種の元素とを含む請求項1に
    記載のサーミスタ素子。
  3. 【請求項3】 前記セラミックス膜の厚さが3〜20μ
    m である請求項1または2に記載のサーミスタ素子。
  4. 【請求項4】 前記リード体が、コバール合金または4
    2アロイ合金である請求項1ないし3のいずれかに記載
    のサーミスタ素子。
  5. 【請求項5】 前記セラミックス膜が前記ガラスの全表
    面を被覆している請求項1ないし4のいずれかに記載の
    サーミスタ素子。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のサ
    ーミスタ素子を製造する方法であって、 前記サーミスタチップ、電極層およびリード体の一部を
    非酸化性雰囲気中でガラスにより封止した後、CVD法
    により前記セラミックス膜を形成することを特徴とする
    サーミスタ素子の製造方法。
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