JPH0517253A - 発泡建材及びその製造方法 - Google Patents

発泡建材及びその製造方法

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JPH0517253A
JPH0517253A JP16026191A JP16026191A JPH0517253A JP H0517253 A JPH0517253 A JP H0517253A JP 16026191 A JP16026191 A JP 16026191A JP 16026191 A JP16026191 A JP 16026191A JP H0517253 A JPH0517253 A JP H0517253A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 比較的軽量で断熱性に優れ、吸水性がなく、
しかも、表面が滑り難く、高強度で寸法精度に優れた発
泡建材を提供する。 【構成】 粘土及び長石を原料とし、気孔が閉気孔であ
る発泡層よりなる表面層と、非発泡層よりなる基層との
少なくとも2層で構成される発泡建材であって、該発泡
層の表面が研削又は研磨されてなる発泡建材。粘土60
〜10重量部、長石40〜90重量部及びガス発生成分
2重量部以下を混合してなる発泡性原料と、非発泡性原
料とを層状に積層成形した後焼成して発泡層と非発泡層
を有した焼結体とし、次いで該焼結体の発泡層の表面を
研削又は研磨する。 【効果】 焼成により得られる焼結体のうち発泡層は、
多孔体であるから断熱性に優れる。しかも、閉気孔(独
立気孔、クローズドポア)を有した吸水性が殆どゼロの
軽量層である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発泡建材及びその製造方
法に係り、特に、断熱性に優れ、吸水性がなく、しかも
表面が滑りにくい上に、寸法精度、機械的強度にも優
れ、床材として好適な発泡建材及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】浴室用床材としては、従来より無釉の磁
器質の板状体や施釉した陶磁器質の板状体などが用いら
れている。なお、発泡無機質焼結体としては火山ガラス
系原料を主原料とした発泡体(特公昭63−28847
号)、膨張瓦岩、赤土、膨張粘土、粘土、陶土、シラ
ス、フライアッシュ、フェロアロイ等を主材とした発泡
体(特公昭57−30834号、同57−13408
号)、高炉水砕スラグを主材とした発泡体(特開昭56
−109857号、同56−109858号、同56−
109859号、同57−17459号)、或は、泡ガ
ラス(特開昭62−207743号、同62−2122
45号、同62−218126号、同63−23301
9号、同63−233020号、同63−233021
号)などが公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の無釉磁器質の板
状体や施釉した陶磁器質の板状体は、表面が滑り易いと
いう問題がある。さらに冬期には、冷たく不快であると
いう問題がある。また、上記公知の発泡体は、泡ガラス
系以外のものは吸水性が大きいので、浴室床材等の水ま
わり床材としては使えない。一方、泡ガラス系のもの
は、表面が滑り易いという問題がある。
【0004】本発明は上記従来の問題点を解決し、断熱
性に優れ、吸水性がなく、しかも、表面が滑りにくい上
に、寸法精度が高く、また機械的強度にも優れる発泡建
材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発泡建材は、
粘土及び長石を原料とし、気孔が閉気孔である発泡層よ
りなる表面層と、非発泡層よりなる基層との少なくとも
2層で構成される発泡建材であって、該発泡層の表面が
研削又は研磨されてなることを特徴とする。
【0006】請求項2の発泡建材の製造方法は、粘土6
0〜10重量部、長石40〜90重量部及びガス発生成
分2重量部以下を混合してなる発泡性原料と、非発泡性
原料とを層状に積層成形した後焼成して発泡層と非発泡
層を有した焼結体とし、次いで該焼結体の発泡層の表面
を研削又は研磨することを特徴とする。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の発泡建材の製造方法について説明する。本発明の
製造方法において、発泡性原料を構成する粘土としては
焼成しても発泡しない非発泡性の粘土が用いられる。一
方、長石は特に限定されることなく、各種のものを用い
ることができる。ガス発生成分としては、炭化珪素、窒
化珪素などを用いることができ、炭化珪素は例えは粒径
10μm以下の微粉が用いられる。
【0008】発泡性原料の粘土及び長石の配合量は、粘
土が60〜10重量部、長石が40〜90重量部とす
る。長石の割合がこれよりも少ないと、焼結後の発泡層
の気孔以外の部分の緻密さが不足し、発泡層の吸水率が
高くなる。逆に、長石が上記範囲よりも多いと、焼結温
度が低くなり、独立気泡が連続し、吸水率が上がる。
【0009】ガス発生成分の最適割合は、用いるガス発
生成分の種類によっても異なるが、炭化珪素を用いる場
合、その割合は0.01〜2.0重量部とするのが好ま
しい。ガス発生成分が2重量部を超えると独立気孔でな
くなり、吸水率が高くなり、強度も弱くなる。また、ガ
ス発泡成分は高価であり、多量に使用することは経済的
でない。
【0010】一方、非発泡性原料としては特に制限はな
く、例えば、上記発泡性原料からガス発生成分を除いた
ものなどを好適に用いることができるが、これに限定さ
れるものではない。
【0011】本発明の方法においては、上記発泡性原料
及び非発泡性原料を常法に従って、各構成成分を所定割
合で混合することにより調製し、各原料を層状に積層し
て成形し、得られた成形体を焼成して発泡層と非発泡層
とを有した焼結体とする。焼成温度は、各原料の配合や
発泡性原料に用いるガス発生成分の種類によっても異な
るが、通常は、ガス発生成分が分解してガスを発生させ
る温度であって、かつ、良好な気孔が形成される温度範
囲にて適宜選定される。例えば、炭化珪素は、焼成によ
り分解してガス(二酸化炭素)を発生させ、このガスに
より焼結層に気孔が形成されて発泡層が形成される。焼
成温度が1000℃よりも低いと、素地に十分な粘性が
ないため気孔を形成できない。逆に、焼成温度が130
0℃よりも高いと、焼成素地が低粘性となり、形成され
た気孔が会合して粗大気孔が形成されるようになり焼結
層の強度が低下する。従って、ガス発生成分として、長
石、粘土のみの調合において炭化珪素を用いる場合、焼
成温度は1000〜1300℃とするのが好ましい。
【0012】このような本発明の方法によれば、通常の
場合、直径が約20〜200μm程度の独立気孔を有
し、24時間吸水率のみならず煮沸吸水率も3%未満で
ある比重1.0〜2.0程度の軽量発泡層と非発泡層の
基層との少なくとも2層の積層焼結体が得られる。
【0013】しかして、得られた焼結体の発泡層の表面
を、常法に従って研削又は研磨することにより、粘土及
び長石を原料とした発泡層であって、気孔が閉気孔であ
る発泡層と非発泡層の基層との少なくとも2層で構成さ
れ、かつその発泡層の表面が研削又は研磨されてなる、
本発明の発泡建材が得られる。
【0014】本発明において、表面層の発泡層の厚さ、
基層の非発泡層の厚さには特に制限はないが、非発泡層
を基層として設けることによる後述の寸法精度向上効果
及び強度向上効果を十分に得るためには、1.0〜5.
0mmの研磨に必要な厚さの表面発泡層に対して、基層
の非発泡層の厚さは5〜10mm程度とするのが好まし
い。
【0015】このような本発明の発泡建材は、浴室用床
材として、或いは、プール等の水まわり床材等、その他
各種床材として特に好適に使用される。
【0016】なお、本発明においては、必要に応じて、
発泡性原料及び非発泡性原料の各々に、前記原料成分の
他に、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物や
それらを含む物質、その他の添加材を添加配合しても良
い。たとえば、石灰石、ドロマイト、ガラス、滑石(タ
ルク)等を配合することにより、焼成温度を下げること
ができ、発泡層の気孔径の調整等を図ることが可能とな
る。この場合、石灰石等の添加量は、粘土及び長石の合
計100重量部に対して20重量部以下、好ましくは1
0重量部以下とする。また、ろう石、陶石、アルミナ、
珪石、高耐火度のシャモットなどを添加することによ
り、焼成温度を上げ、得られる焼結体の耐火度を向上さ
せることができる。この場合、ろう石等の添加量は、粘
土及び長石の合計100重量部に対して20重量部以下
とする。
【0017】
【作用】本発明の発泡建材は、発泡層の表面層と非発泡
層の基層との少なくとも2層で構成される。粘土60〜
10重量部、長石40〜90重量部、ガス発生成分2重
量部以下を混合及び成形し、焼成して得られる発泡層
は、閉気孔(独立気孔、クローズドポア)を有した吸水
性が殆どゼロの軽量層である。この発泡層の表面を研削
又は研磨すると、表面に気孔の断面が露出するようにな
り、表面の粗度が高まり、滑り難い。即ち、この場合、
表面が水で濡れても均一な水膜とはならず滑り難いもの
となる。また、この研削又は研磨した表面は、比表面積
が大きいので、乾き易い。
【0018】ところで、発泡層は、焼結時の発泡のため
に全体がふくれて寸法精度の劣るものとなる傾向があ
る。また、発泡層は多孔質であることから強度が低い。
これに対して、本発明では、発泡層を表面層とし、基層
として非発泡層を設けるため、発泡層の大きさは非発泡
層に追従するので、寸法精度の良い焼結体とすることが
できる。また、非発泡層の基層により強度を補強するこ
とができる。
【0019】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない
限り、以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1 下記配合物を各々湿式ボールミル中にて24時間粉砕、
混合した後、脱水する。脱水ケーキの乾燥物を破砕し
て、発泡性原料と非発泡性原料とを調製した。得られた
原料を層状に積層し、乾式プレスして20×20×1c
mの板状成形体を成形した。 発泡性原料 粘土(川本木節) 30重量部 長石(阿山長石) 70重量部 炭化珪素(平均粒径5μ) 0.3重量部 非発泡性原料 炭化珪素がない点を除き本実施例1のと同じ。 この成形体を乾燥した後、1250℃で1時間焼成し、
板状焼結体とした。この板の発泡層側の表面を研削機に
より0.5mm研削、研磨し、発泡床材とした。
【0020】この発泡床材の発泡層の厚さ及び非発泡層
の厚さ、並びに、特性は表1に示す通りである。なお、
この発泡床材の表面は気孔の断面が現われることにより
微小な凹凸が形成されており、乾燥状態だけでなく、水
が掛った状態でも滑り難いものであった。
【0021】実施例2 配合を次の通りとした他は実施例1と同様にして発泡床
材を製造した。 発泡性原料 粘土(小名田木節) 20重量部 長石(雲井長石) 80重量部 炭化珪素(平均粒径5μ) 0.2重量部 非発泡性原料 炭化珪素がない点を除き本実施例2のと同じ。 この発泡床材の各層の厚さ及び特性は表1に示す通りで
あり、その表面は滑り難いものであった。
【0022】実施例3 実施例1において、発泡性原料及び非発泡性原料に更に
タルク3重量部をそれぞれ加えたこと、及び、焼成温度
を1140℃としたこと以外は同様にして発泡床材を製
造した。この発泡床材の各層の厚さ及び特性は表1に示
す通りであり、その表面は滑り難いものであった。
【0023】比較例1 非発泡性原料を用いず、発泡性原料のみを用いたこと以
外は実施例1と同様にして発泡床材を製造した。この発
泡床材の特性は表1に示す通りである。
【0024】
【表1】
【0025】以上の結果より、次のことが明らかであ
る。即ち、実施例1〜3及び比較例1の床材は、いずれ
も発泡層の吸水率や表面の滑り難さに等においては同等
の特性を示すが、非発泡層を有する実施例1〜3のもの
によれば、比較例1のものに比べて強度が格段に向上す
る。また、実施例1〜3のものは寸法精度が良好で、後
処理としての寸法調整作業は大幅に軽減された。
【0026】
【発明の効果】以上の通り、本発明の発泡建材は、
表面に微小な凹凸があり、水が掛った場合でも滑らな
い。 表面が乾燥し易い。 非発泡層を有するた
め、機械的強度が高い。また、寸法精度にも優れる。
表面層が多孔層であるから、断熱性に優れる。 断
熱性が良いので足裏が触れたときに冷たい感触がしな
い。 表面層の気孔が閉気孔であり、吸水率が低いの
で、耐凍害性に優れる。等の効果を有する。しかして、
本発明の製造方法によると、かかる発泡建材を容易に製
造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘土及び長石を原料とし、気孔が閉気孔
    である発泡層よりなる表面層と、非発泡層よりなる基層
    との少なくとも2層で構成される発泡建材であって、該
    発泡層の表面が研削又は研磨されてなる発泡建材。
  2. 【請求項2】 粘土60〜10重量部、長石40〜90
    重量部及びガス発生成分2重量部以下を混合してなる発
    泡性原料と、非発泡性原料とを層状に積層成形した後焼
    成して発泡層と非発泡層を有した焼結体とし、次いで該
    焼結体の発泡層の表面を研削又は研磨することを特徴と
    する発泡建材の製造方法。
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