JPH0517236A - 窒化アルミニウム焼結体及びそれを用いた接合体 - Google Patents
窒化アルミニウム焼結体及びそれを用いた接合体Info
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Abstract
ル用基板等の回路基板の製造が可能となる窒化アルミニ
ウム焼結体の提供。 【構成】 窒化アルミニウムとアルミン酸イットリウム
とを特定割合で含有してなる窒化アルミニウム焼結体及
びそれと銅板との接合体。
Description
ジュール用基板として銅板等の厚い金属板を接合する際
に使用される窒化アルミニウム焼結体及びそれを用いた
接合体に関する。
力・高能率インバーター等パワーモジュールの変遷が進
んでおり、半導体素子から発生する熱も増加の一途をた
どっている。特に、近年、熱伝導性・電気絶縁性に優
れ、しかも熱膨張係数がシリコンのそれに近い窒化アル
ミニウム基板の出現により、基板上に金属板特に銅板を
接合し回路を形成後、そのまま銅板上に半導体素子を搭
載する構造も採用されつつある。
するには、銅板と窒化アルミニウム基板とを直接接合す
る、いわゆるDBC 法、及び銅板と窒化アルミニウム基板
との間にTi、Zr等の活性金属を含むろう材を介在させて
接合する、いわゆる活性金属ろう付け法がある。このう
ち、活性金属ろう付け法は、延性をもつ接合層が銅板と
窒化アルミニウム基板間に存在するため、両者の熱膨張
係数の差に起因する応力を緩和しやすく、ヒートサイク
ル・ヒートショック等の信頼性を低下させる原因となる
基板のクラックの発生が起こりにくいので広く利用され
ているが、最近の電子部品の高性能に伴い、さらに高い
信頼性が求められている。
導性を発現させるため、従来から酸化イットリウムなど
のイットリウム化合物を添加することが行われている。
しかし、窒化アルミニウムを基板として使用するには、
その表面状態も重要なポイントとなるが、一般に市販さ
れている窒化アルミニウム粉の酸素量は、通常1.0重量
%以上であるため、高熱伝導性を発現させるには、多量
のイットリウム化合物を必要とする。そのため、生成す
る液相量が多くなり、緻密化に際し多量の液相が表面に
押し出され、結果的に表面酸化物量が多くなると共にそ
の存在状態も不規則なため、良好な表面状態が得にくい
という問題があった。
基板を、とくにパワーモジュールに使用した場合、弱い
酸化物相からクラックが発生するという考えから、でき
るだけ表面酸化物の少ない基板が一般に使用され、本来
の窒化アルミニウム基板のもつ優れた熱伝導性を充分に
発揮できていないのが現状である。
ム粉にイットリウム化合物の添加量を順次増加していく
と、熱伝導率は向上し、酸化物相は、順次、3Y2O3・5
Al2O3 、(3Y2O3・5Al2O3 +Y2O3・Al2O3 )、Y2O3・
Al2O3 、(Y2O3・Al2O3 +2Y2O3・Al2O3 )と変化して
いき、その量も増加する。そのため、とくに信頼性を低
下させるクラックの発生要因として従来考えられてきた
表面酸化物量も増加することとなり、それを抑えるため
には、添加量を少なくして3Y2O3・5Al2O3 の構成相が
生成している基板を使用し、熱伝導率をある程度犠牲に
するか、もしくは基板の内部を表面に比べて酸化物量が
少ないという性質を利用し、厚み方向に基板をかなりの
量まで除去したものを使用して経済性を犠牲にするしか
なかった。
化物量を抑える方法としては、低酸素含有量の窒化アル
ミニウム粉を使用する方法もあるが、現状の技術レベル
を考慮した場合、入手が困難であり、仮に入手できたと
しても、はなはだ高価であるため、経済性に劣るという
問題があった。
み、本発明者らは、主にパワーモジュール用基板として
耐ヒートサイクル性・耐ヒートショック性を従来よりも
さらに向上させた窒化アルミニウム基板を開発すること
を目的として鋭意検討を重ねた結果、熱伝導性向上効果
のあるイットリウム化合物を添加して製造された窒化ア
ルミニウム焼結体であって、ある特定構成相からなるも
のは上記目的を達成できることを見い出し、本発明を完
成したものである。
化アルミニウム焼結体及びそれを用いた接合体である。 (請求項1) 窒化アルミニウムとアルミン酸イットリ
ウムを構成相としてなり、次の(1)〜(3)の関係を
有してなることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体。 (1)アルミン酸イットリウムが3Y2O3・5Al2O3 とY2
O3・Al2O3 からなること。 (2)焼結体の厚み方向に5μmまでの範囲で除去した
表面を粉末X線回折法にて測定した際、窒化アルミニウ
ムの101 反射の強度I101 、3Y2O3・5Al2O3 の400 反
射の強度I400 、及びY2O3・Al2O3 の121 反射の強度I
121 の間に以下の関係があること。 0.02≦I400 /I101 ≦0.18 及び 0.01 ≦I121 /I
101 ≦0.45 (3)焼結体の粉砕物の粉末X線回折法により測定した
結果が以下の関係にあること。 0.01≦I400 /I101 ≦0.06 、 0.02 ≦I121 /I
101 ≦0.20 及び 0.07≦(I400 /I101 )+(I121/I101 )≦0.21 (請求項2) 請求項1記載の窒化アルミニウム焼結体
と銅板とを一体化してなることを特徴とする接合体。
る。
ならびに内部に存在する酸化物相、具体的には、3Y2O3
・5Al2O3 と3Y2O3・5Al2O3 及びY2O3・Al2O3 を有す
る窒化アルミニウム基板を種々作製し、銅板を活性金属
ろう付け法にて接合し回路を形成後、信頼性試験を実施
し基板のクラック発生状況を検討したところ、従来考え
られてきた表面酸化物が多い程、クラックが発生しやす
いということが必ずしも正しくないことを見い出した。
共存する窒化アルミニウム基板は、3Y2O3・5Al2O3 の
みを含む基板に比べて熱伝導性は優れるが表面酸化物量
が多くなるため、パワーモジュール用基板には向かない
ものと考えられてきた。しかし、本発明者らは、たとえ
酸化物量が多くなったとしても、3Y2O3・5Al2O3 とY2
O3・Al2O3 がある一定量の範囲にあると、逆に耐ヒート
サイクル性・耐ヒートショック性が優れ、高い信頼性を
有するパワーモジュール用基板が得られることを見い出
したのである。
とは、窒化アルミニウム粉が含有する酸素とイットリウ
ム化合物が反応してなるイットリウムとアルミニウムと
酸素を構成元素とした化合物である。通常、窒化アルミ
ニウム粉は少量の金属不純物を含み、さらに焼成工程で
も不純物が加わるが、これらの不純物がアルミン酸イッ
トリウムに固溶等により取り込まれた場合も、本発明に
おいてはすべてアルミン酸イットリウムとみなす。
トリウムを3Y2O3・5Al2O3 とY2O3・Al2O3 に限定して
いるが、これらY2O3−Al2O3 系の反応では、一部反応が
不均一なため2Y2O3・Al2O3 相の生成も起こり得るが、
本発明においては、X線回折法にて2Y2O3・Al2O3 の存
在を確認できない量の範囲においては、その存在を何ら
制限するものではない。
に含まれる3Y2O3・5Al2O3 とY2O3・Al2O3 の含有量を
規定しているが、その方法は以下のとおりである。ま
ず、窒化アルミニウム焼結体の表面を粉末X線回折法に
て測定する。その方法は通常行われている方法でよく、
その一例を示せば、X線源としてCuを使い、測定条件は
以下のとおりである。 電圧 電流:40KV 30mA SLITS :DS 1°、RS 0.15mm 、SS 1° 走査速度:2deg /分
行う。窒化アルミニウムの101 反射のピーク高さ又はピ
ークの積分強度値をI101 、3Y2O3・5Al2O3 の400 反
射又はピークの積分強度値をI400 、Y2O3・Al2O3 の12
1 反射又はピークの積分強度値をI121 としたとき、3
Y2O3・5Al2O3 量をI400 /I101 、Y2O3・Al2O3 量を
I121 /I101 として数値化する。ただし、ピーク高さ
を用いる場合は、すべての相についてそのようにしなけ
ればならないし、ピークの積分強度値を用いる場合は、
すべてをそれに統一しなければならない。
して銅板を接合し、回路形成後、ヒートサイクル試験や
ヒートショック試験等の信頼性試験において、優れた信
頼性を示す領域は、焼成後に焼結体の表面を研削・研磨
等の手段により厚み方向に5μmまでの範囲内で除去し
たいずれかの表面を粉末X線回折法にて測定した際に、
0.02≦I400 /I101 ≦0.18 及び 0.01≦I121 /I
101 ≦0.45の関係を有し、しかも窒化アルミニウム焼結
体の粉砕後の粉末について粉末X線回折法により測定し
た結果が、以下の関係にある場合である。 0.01≦I400 /I101 ≦0.06 、 0.02 ≦I121 /I
101 ≦0.20 及び 0.07≦(I400 /I101 )+(I121/I101 )≦0.21
焼結体の5μmまでの表面及び粉砕後の粉末について行
っているのは、前者では焼結体表面及びその近傍の酸化
物量を、後者では全体の酸化物量をつかむためである。
本発明では、焼結体表面と粉末の酸化物量を測定した場
合、とくに表面酸化物量の最大値が粉末の最大値よりも
大きいという特徴、すなわち表面の酸化物の存在量が内
部よりも多いという特徴がある。
化物相により構成され、しかも酸化物量が上記の範囲に
あることが何故、信頼性を向上させるかは未だ明かでは
なく、本発明者らは、これらの相と窒化アルミニウム粒
子との高温時における濡れ性の点や、酸化物相とろう材
中に含まれているTi、Zrなどの活性金属との反応性の点
から検討を進めている。
を接合して製造された基板、とくにパワーモジュール用
基板として用いられる接合体について説明する。
の酸化物量を有する窒化アルミニウム焼結体を得るに
は、成形体の焼成条件を充分検討しなければならない
が、基本的には、原料混合段階での窒化アルミニウム粉
とイットリウム化合物の混合比に大きく左右される。窒
化アルミニウム粉は、広範囲の酸素含有量を有するもの
が市販されており、3Y2O3・5Al2O3 とY2O3・Al2O3 を
生成させるには、原料の酸素量に応じてイットリウム化
合物を添加すればよいが、酸化物相を所定量生成させる
には、窒化アルミニウム粉の酸素量に応じてイットリウ
ム化合物の添加量を調節する。
窒化アルミニウム粉を使用することが好ましい。なぜな
ら、酸素量が1.5 重量%を越える原料粉を使用すると、
上記酸化物相を生成させるには、多量のイットリウム化
合物を添加せねばならず、これにより得られる焼結体
は、本発明の酸化物量の上限を越え、クラックが発生し
やすくなると共に、銅板等の金属板を接合した際、金属
板との接合強度が低くなりやすいからである。一方、酸
素量が0.8 重量%未満の原料粉を使用した場合、イット
リウム化合物を少なくすることで上記2相を生成するこ
とができるが、酸化物量は本発明の範囲外となり、パワ
ーモジュール用基板とし使用した場合、クラックが発生
しやすくなる。
合物とは、具体的にはイットリウムの酸化物、フッ化
物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩等があげられるが、とくに
酸化イットリウムが好適である。ここで、酸化イットリ
ウムを例にとり、その添加量を具体的に説明すると、酸
素量が0.8 重量%の窒化アルミニウム粉に対しては、窒
化アルミニウム粉と酸化イットリウム粉の総量中、酸化
イットリウム粉が3.0 〜4.0 重量%となるように、一
方、酸素量が1.2 重量%の原料粉に対しては4.0 〜5.0
重量%となるように、また酸素量が1.5 重量%の原料粉
に対しては5.0 〜6.0 重量%となるように添加する。
るが、成形方法たとえばプレス成形法とシート成形法で
は添加する有機成分が異なる。本発明は成形法には限定
されるものではないが、とくに経済性を考慮した場合に
はシート成形法が好ましい。
いて説明すると、窒化アルミニウム粉と酸化イットリウ
ム粉との合計100 重量部に対し、有機結合剤、可塑剤、
分散剤、溶剤を加える。有機結合剤としては、通常アル
ミナ基板の製造に用いられているポリビニルブチラー
ル、ポバール、アクリルポリマーなどが使用できる。そ
の添加量をポリビニルブチラールの例で示すと4〜12重
量部である。また、可塑剤としてはジブチルフタレート
やジオクチルフタレート、分散剤としては、脂肪族エス
テルが使用され、その量はそれぞれ2〜10重量部、1〜
3重量部程度である。さらに溶剤としては、塩素系、ケ
トン系、芳香族系、アルコール系及びパラフィン系が使
用できる。具体例を示すと、トルエン30〜40重量部、イ
ソプロパノール10〜20重量部などである。これらをボー
ルミルポットに投入し、さらにセラミックボールを加
え、充分混合しスラリーを調整する。
方法に限定されるものではないが、シート成形法がより
好ましく、そのなかでもドクターブレード法が最適であ
る。成形にあたっては、前工程として脱泡を行い、粘度
等のスラリー調整を行うことが好ましい。
ス装置にて所定形状に打ち抜かれ、脱脂、焼成される。
脱脂条件は、使用した有機結合剤により異なるが、通常
は窒素又は空気中もしくは窒素と空気の混合ガス中で行
うのがよく、温度も900 ℃を越えない温度、とくに空気
を含む雰囲気を使用する場合は600 ℃を越えない温度で
行うのが望ましい。空気を含む雰囲気中、600 ℃を越え
る温度で脱脂を行うと窒化アルミニウムが酸化されやす
く、熱伝導率の低下を招くと共に酸素量が増加するた
め、本発明の窒化アルミニウム焼結体が得られにくくな
る。
の際、焼成条件は本発明の窒化アルミニウム焼結体を得
るうえで大きく影響を与えるので注意を要する。本発明
で使用される窒化アルミニウム粉の製造方法としては、
任意の方法で製造されたもの、例えば金属アルミニウム
の直接窒化法、アルミナの還元窒化法、気相合成法等が
可能であり、また製造方法により窒化アルミニウムの緻
密化温度自体も異なるが、とくに安価に入手できること
及び粉の性状が安定していることなどから直接窒化粉又
はアルミナ還元窒化粉が好ましい。本発明の窒化アルミ
ニウム焼結体の表面ならびに内部での酸化物量を所定の
範囲におさめるためには、焼成温度、保持時間さらには
冷却速度の制御が必要である。
しい。また、この温度範囲にあっても保持時間によって
は表面及び内部での酸化物量は変化するので、本発明の
窒化アルミニウム焼結体を得るためには各温度において
焼成時間を設定することが望ましい。たとえば、1900℃
で焼成する場合は30分保持、1850℃で焼成する場合は1.
5 時間保持などである。仮に、1800℃を越えない温度で
焼成した場合、緻密化しにくくなると共にたとえ緻密化
できたとしても、所定の表面酸化物量を有する窒化アル
ミニウム焼結体は得られにくくなる。また、1950℃を越
える温度で焼成した場合、たとえ焼成時間が短くても粒
成長が活発化し、焼成時に存在する液相の表面への移動
量が多くなる結果、得られる焼結体の表面酸化物量が過
剰になってしまう。なお、焼成時の雰囲気としては非酸
化性雰囲気下とくに窒素中で行うのが望ましい。
めには、焼成後の冷却速度の制御がとくに重要である。
通常の冷却速度は、焼結体の割れ防止の点から炉冷する
ので5℃/分以上となる。これに対し、本発明では、温
度1700℃までの冷却速度を3℃/分以下好ましくは2℃
/分以下とする。3℃/分を越える冷却速度では、本発
明の窒化アルミニウム焼結体は得られにくい。
は、従来、過剰な酸化物がその後の物性に悪影響を及ぼ
すと考えられてきたため、この酸化物を除去することを
目的に、また表面粗さを小さくすることを目的に、研削
・研磨等の加工が行われ、コスト的にもあわない工程で
あったが、本発明の窒化アルミニウム基板では、所定量
の表面酸化物の存在は、とくにその後のパワーモジュー
ル用基板の信頼性試験ではよい結果をもたらすことか
ら、従来の加工は必要でなくなる。従って、研削量はわ
ずかでよく、例えばセラミックス砥粒などを吹きつける
ホーニング処理で充分であり、ブラスト処理や研磨をす
るにしてもバレル研磨処理でよく、通常、表面から5μ
mまでの範囲内の研削で充分である。
銅板を接合し回路を形成する方法について説明すると、
まず、窒化アルミニウム焼結体上にペースト状もしくは
箔状の接合材を所定の位置に配置し、さらにそのうえに
銅板を搭載する。配置の形態は、その後の回路形成方法
によって異なるが、通常、回路を銅板接合後そのまま形
成してしまうには、接合材と銅板の両方とも回路状に配
置する。また、エッチングにより形成する場合は、接合
材は回路状に配置し、銅板は窒化アルミニウム焼結体と
同形状のものを搭載する。なお、この接合材には様々な
種類があるが、とくに本発明で使用される接合材の組成
は、AgとCuもしくはCuを主成分としていることが望まし
く、さらにTi、Zrなどの活性金属成分を含有するものが
最適である。
発明の接合体となる。この際、雰囲気は不活性雰囲気で
なければならないが、とくに真空が望ましい。
板が接合された接合体に回路を形成するために、まず回
路形状にレジストを塗布後、エッチング液で不要銅板部
を除去する。
ニウム焼結体を使用した回路基板の問題点である耐ヒー
トサイクル性・耐ヒートショック性等の信頼性試験時に
発生するクラックによる絶縁不良を窒化アルミニウム焼
結体の改良により防止したことが本発明の特徴である。
以下のとおりである。 (i) ヒートサイクル試験 −40℃、30分保持後、室温にて10分保持、さらに125 ℃
にて30分保持する。その後、室温にて10分保持後、再
度、−40℃にて30分保持する。これを繰り返す。なお、
−40℃及び125 ℃はフロリナート中で実施する。 (ii)ヒートショック試験 −40℃にて5分保持後、約2秒にて150 ℃に移す。その
温度で5分保持後、再度、約2秒後−40℃にもどす。こ
の操作を繰り返す。
的に本発明を説明する。
化イットリウム粉5重量部、ポリビニルブチラールを8
重量部、ジブチルフタレートを4重量部、グリセリント
リオレートを1重量部、さらにはトルエンを35重量部、
イソプロパノールを15重量部秤量し、これらを内張りが
ジルコニア製であるボールミルポットに投入し充分混合
した。ただし、ボールもジルコニア製のものを使用し
た。上記スラリーを脱泡槽にかけ、粘度を15000CPSとし
た後ドクターブレード装置により、厚みが0.75mmのシー
ト状に成形した。
形状に打ち抜き後、各成形体の表面にBN粉を塗布したも
のを5枚重ね、脱脂炉に投入した。脱脂条件は500 ℃、
5時間保持であり、初めの2時間は窒素中で、残りの3
時間は空気中で行った。
mm×34mmの焼結体を得た。焼成条件は1850℃で45分保
持、窒素常圧下で行い、焼成後1700℃までの冷却速度を
1.5 ℃/分とした。得られた窒化アルミニウム焼結体の
表面をホーニング処理で2μm除去した。この焼結体に
ついて、表面酸化物量ならびに焼結体全体での酸化物量
を粉末X線回折装置にて測定した。
して理学電機社製「ガイガーフレックスRAD-IIB 」を使
用した。 X線源 :Cu 電圧 電流:40KV 30mA 走査速度 :2deg /分 スリット :DS 1°、RS 0.15mm 、SS 1°
ラッシュ法熱伝導率測定装置にて熱伝導率を測定した。
を接合して接合体を得た後、回路を以下の方法により形
成した。窒化アルミニウム焼結体の片方の表面には、回
路パターン状に、またもう一方の表面にはほぼ全面にろ
う材ペーストをスクリーン印刷した。なお、片面にほぼ
全面に印刷するのは、この面に後の組立工程でヒートシ
ンク材を半田付けするためである。
銀72重量部、銅28重量部、チタン20重量部であり、ペー
ストの単位面積当りの塗布量は6.5mg/cm2 とした。
化アルミニウム焼結体と同形状の無酸素銅板を搭載した
後、860 ℃、30分、真空中にて接合処理を行った。次い
で、この接合体に回路を形成するため、まず銅板にレジ
ストを回路形状に印刷し、さらに塩化第2鉄液でレジス
ト塗布域以外の銅板部分を除去した。
回路とするパワーモジュール用基板であり、その基板に
ついて、ヒートサイクル試験とヒートショック試験を上
記に従い実施した。
4重量部とし、成形体の焼成温度を1900℃、冷却速度を
2.5 ℃/分、ホーニング処理による表面除去厚みを3μ
m、ろう材の金属成分としてチタンのかわりにジルコニ
ウムを使用し、その量を30重量部、さらには接合処理温
度を920 ℃としたこと以外は実施例1と同じ方法でパワ
ーモジュール用基板を作製した。
酸化イットリウム粉を3.5 重量部、有機結合剤としてポ
バールを7重量部とし、成形体の焼成温度を1950℃、保
持時間を20分、冷却速度を3.0 ℃/分、バレル研磨によ
る表面除去厚みを0.5 μm、さらにはろう材中のチタン
量を5重量部としたこと以外は実施例1と同様な方法に
てパワーモジュール用基板を作製した。なお、窒化アル
ミニウム基板の形状は、68.5mm×34.5mmであった。
ットリウム粉を4重量部、成形体の焼成条件を1920℃で
30分、ホーニング処理による表面除去厚みを2μmとし
たこと以外は実施例3と同様な方法にてパワーモジュー
ル用基板を作製した。
酸化イットリウム粉を6重量部、成形体の焼成条件を18
30℃で45分、冷却速度を1.0 ℃/分とし、さらに得られ
た焼結体の表面を5μm除去したこと以外は実施例1と
同様な方法にてパワーモジュール用基板を作製した。
リウム粉を4重量部、成形体の焼成条件を1800℃で1時
間、冷却速度を0.8 ℃/分としたこと以外は実施例2と
同様な方法にてパワーモジュール用基板を作製した。
酸化イットリウム粉を2重量部、冷却速度を8.0 ℃/分
としたこと以外は実施例1と同様な方法にてパワーモジ
ュール用基板を作製した。
酸化イットリウム粉を3重量部、冷却速度を7.0 ℃/分
としたこと以外は実施例2と同様な方法にてパワーモジ
ュール用基板を作製した。
部、酸化イットリウム粉を1.5 重量部、冷却速度を5.0
℃/分としたこと以外は実施例3と同様な方法にてパワ
ーモジュール用基板を作製した。
酸化イットリウム粉を1重量部、冷却速度を5.0 ℃/分
としたこと以外は実施例4と同様な方法にてパワーモジ
ュール用基板を作製した。
部、酸化イットリウム粉を3.5 重量部、冷却速度を10.0
℃/分としたこと以外は実施例5と同様な方法にてパワ
ーモジュール用基板を作製した。
酸化イットリウム粉を2重量部、冷却速度を8.0 ℃/分
としたこと以外は実施例6と同様な方法にてパワーモジ
ュール用基板を作製した。
6の結果を表2に示す。なお、信頼性試験結果の評価は
次のとおりである。 A:微小クラックがわずかに発生。 B:微小クラックがAより多めに発生。 C:耐圧不良。
として用いることにより、従来に比べて信頼性に優れた
パワーモジュール用基板等の回路基板の製造が可能とな
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 窒化アルミニウムとアルミン酸イットリ
ウムを構成相としてなり、次の(1)〜(3)の関係を
有してなることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体。 (1)アルミン酸イットリウムが3Y2O3・5Al2O3 とY2
O3・Al2O3 からなること。 (2)焼結体の厚み方向に5μmまでの範囲で除去した
表面を粉末X線回折法にて測定した際、窒化アルミニウ
ムの101 反射の強度I101 、3Y2O3・5Al2O3 の400 反
射の強度I400 、及びY2O3・Al2O3 の121 反射の強度I
121 の間に以下の関係があること。 0.02≦I400 /I101 ≦0.18 及び 0.01 ≦I121 /I
101 ≦0.45 (3)焼結体の粉砕物の粉末X線回折法により測定した
結果が以下の関係にあること。 0.01≦I400 /I101 ≦0.06 、 0.02 ≦I121 /I
101 ≦0.20 及び 0.07≦(I400 /I101 )+(I121/I101 )≦0.21 - 【請求項2】 請求項1記載の窒化アルミニウム焼結体
と銅板とを一体化してなることを特徴とする接合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3185849A JPH0672058B2 (ja) | 1991-07-01 | 1991-07-01 | 窒化アルミニウム焼結体及びそれを用いた接合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3185849A JPH0672058B2 (ja) | 1991-07-01 | 1991-07-01 | 窒化アルミニウム焼結体及びそれを用いた接合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0517236A true JPH0517236A (ja) | 1993-01-26 |
JPH0672058B2 JPH0672058B2 (ja) | 1994-09-14 |
Family
ID=16177958
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3185849A Expired - Lifetime JPH0672058B2 (ja) | 1991-07-01 | 1991-07-01 | 窒化アルミニウム焼結体及びそれを用いた接合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0672058B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2022210517A1 (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-06 |
-
1991
- 1991-07-01 JP JP3185849A patent/JPH0672058B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2022210517A1 (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-06 | ||
WO2022210517A1 (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-06 | デンカ株式会社 | 窒化アルミニウム焼結体、及びその製造方法、回路基板、並びに、積層基板 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0672058B2 (ja) | 1994-09-14 |
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