JPH05171390A - 珪素含有鋼板を母材とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

珪素含有鋼板を母材とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JPH05171390A
JPH05171390A JP33187791A JP33187791A JPH05171390A JP H05171390 A JPH05171390 A JP H05171390A JP 33187791 A JP33187791 A JP 33187791A JP 33187791 A JP33187791 A JP 33187791A JP H05171390 A JPH05171390 A JP H05171390A
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Masahiko Hori
雅彦 堀
Toshio Nakamori
俊夫 中森
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】Siを 0.2重量%以上含有する鋼板の表面に無定
型炭素あるいは石墨などの炭素粉を付着させた後、非酸
化性雰囲気中で 600〜900 ℃の温度域で焼鈍し、その後
有効Alを0.03重量%以上含有する溶融亜鉛浴に浸漬して
溶融めっきする。さらに、溶融めっきに続いて合金化処
理行ってもよい。 【効果】不めっきのない、表面品質に優れた溶融亜鉛め
っき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するこ
とができる。溶融亜鉛めっき後の合金化処理も既存の連
続溶融亜鉛めっき設備を用いて行うことができるので、
能率がよく、経済性の面でも優れた方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、珪素含有鋼板を母材と
する溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に係わり、特に、Si
を 0.2重量%以上含有する鋼板を母材としても、不めっ
きのない表面品質に優れた溶融亜鉛めっき鋼板および合
金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られる溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家電、建材、および自動車等の産
業分野においては溶融亜鉛めっき鋼板が大量に使用され
ているが、とりわけ経済性とその防錆機能および塗装後
の性能に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板が広く用いら
れている。
【0003】溶融亜鉛めっき鋼板は、通常、適当な脱脂
洗浄工程を経た後、もしくは脱脂洗浄を行うことなく、
鋼板を弱酸化性雰囲気中もしくは還元性雰囲気中で予熱
した後、水素+窒素の還元性雰囲気中で焼鈍し、次い
で、めっきに適した温度まで冷却した後、溶融亜鉛に浸
漬することにより製造される。焼鈍の前工程の予熱時に
は鋼板表面に80nm程度の厚さの酸化膜が形成される方が
溶融亜鉛との濡れ性の点から望ましいとされており、そ
れ以上の厚さの酸化膜の形成はむしろドロスの発生、溶
融めっきの密着性に悪影響を及ぼすと考えられている。
亜鉛浴は後述の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造の範囲
も含めると0.08〜0.18重量%のAlを含むものが用いられ
ている。
【0004】合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、前記のよう
にして連続的に溶融亜鉛めっきを施した鋼板を熱処理炉
で 500〜600 ℃の材料温度に3〜30秒加熱し、亜鉛層と
鋼板素地との間でFeとZnの相互拡散を行わせ、めっき層
をFe−Zn合金とすることにより製造される。従って、合
金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層はFe−Znの金属間化
合物からなり、一般にその平均Fe濃度は8〜12重量%に
なるように調整されている。
【0005】合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき付着量
は片面当たり25〜70g/m2であり、25g/m2を下回るものは
通常の手段で製造することが難しく、70g/m2を上回るも
のはめっき層の耐パウダリング性を確保することが困難
であることから一般には供給されていない。また、めっ
き皮膜中には0.12〜0.2 重量%前後のAlが含有されてい
ることが多い。これは合金化溶融亜鉛めっき鋼板と同一
設備で製造される溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層と鋼の
界面における合金層の生成を抑制し、めっき皮膜の加工
性を保持するためにめっき浴に添加されるAlが不可避的
にめっき皮膜中に混入することもあるが、合金化溶融亜
鉛めっき皮膜の耐パウダリング性を確保し、かつ製造時
のドロスの発生を抑制するうえから、めっき浴中に0.08
〜0.11重量%程度のAlを混入させることがむしろ適当で
あると考えられている。めっき浴中のAlはめっき層中に
富化する傾向があるため、0.08〜0.11重量%程度のAlを
含むめっき浴でめっきを行うと、めっき皮膜中のAl濃度
は0.12〜0.2 重量%の範囲となる。
【0006】ところで、従来、溶融亜鉛めっき鋼板およ
び合金化溶融亜鉛めっき鋼板の母材には、主として低炭
素Alキルド鋼板、極低炭素Ti添加鋼板等が用いられてい
たが、近年、自動車材料の高強度化が要求されることも
あり、Siを 0.2重量%以上含有する珪素含有鋼板が用い
られようとしている。Siは鋼の延性を損なわずに強度を
向上させる利点があり、その意味では珪素含有鋼板は自
動車用の溶融亜鉛めっき高強度材料として有望である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、珪素含
有鋼板を母材とする溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶
融亜鉛めっき鋼板は以下に述べるように品質面および生
産面で問題がある。
【0008】珪素含有鋼板を前述の通常のプロセスで溶
融亜鉛めっきすると、めっき前の焼鈍過程でその雰囲気
中の極微量の水分と鋼板中のSiが反応し、Si−Oxide を
鋼板表面に形成するため、鋼中のSi濃度の増加とともに
溶融亜鉛との濡れ性が急激に低下する。特に、鋼板の成
形性を向上させるためにTiを添加した極低炭素鋼をベー
スとして、これにSiを添加した鋼板の場合は、再結晶化
のための焼鈍温度が 800℃以上と高温になるため、鋼板
表面へのSi−Oxide の析出が一層顕著になり、濡れ性の
確保がさらに困難となる。その結果、不めっきが多発す
る。
【0009】このような問題に対して、予め酸化雰囲気
中で鋼板を加熱し、その表面に酸化鉄を形成させること
により濡れ性が改善されることが知られている。しか
し、Si含有量が 0.2重量%以上の鋼板の場合には、通常
の溶融亜鉛めっきプロセスにおける酸化雰囲気、例えば
無酸化炉の空燃比を1〜1.35とする酸化雰囲気での予熱
では濡れ性が改善されるまでの十分な酸化鉄が形成され
ないばかりか、めっき後に合金化処理する場合の合金化
速度が著しく遅く、生産能率が大きく阻害されるという
欠点がある。
【0010】また、溶融亜鉛との濡れ性を改善する別の
方法として、溶融めっきに先だって鋼板の表面にNi、Fe
等の金属を下地めっきする方法も知られているが、この
方法はコストの上昇を招くほか、Si含有量の高い鋼板で
は十分な効果が得られず、さらに、Si含有量の高い鋼板
の場合には均一な合金化処理が非常に難しいという問題
点がある。
【0011】このようなことから、自動車用高強度材料
として魅力のある珪素含有鋼板も、これを溶融亜鉛めっ
きないしは合金化処理する実際的な手段を欠いているの
が実情である。
【0012】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、合金鋼、特にSi含有量が 0.2重量%以
上の鋼板を母材とする不めっきのない、表面品質に優れ
た溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板
を、能率よく、かつ既存の連続溶融亜鉛めっき設備を用
いて経済的に製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、珪素含有
鋼板の溶融亜鉛めっきにおける鋼板と溶融亜鉛との濡れ
性に関して検討した結果、焼鈍前の予熱段階で鋼板表面
に酸化鉄を形成させることが、還元焼鈍後の鋼板の溶融
亜鉛との濡れ性の改善に有効であることを確認した。し
かしながら、鋼中のSi含有量の増加に伴い鋼板表面にお
ける酸化速度が大きく低下するため、従来技術による酸
化手段のみでは到底酸化が進まず、酸化鉄の形成に限界
がある。即ち、珪素含有鋼板では鋼板の予熱過程での望
ましい酸化鉄量が、酸化鉄に含まれるFeの量に換算して
0.5g/m2 (以下、酸化鉄量はFeの量に換算した値で表
す)であるにもかかわらず、従来の技術では0.05〜0.25
g/m2程度の酸化鉄量しか得られない。従って、何らかの
方法で鋼板表面の酸化鉄量を0.5g/m2以上にするか、あ
るいは酸化鉄量の影響を受けない別の方法で鋼板と溶融
亜鉛との濡れ性を確保する手段を採らなければならな
い。
【0014】この問題について検討を加えた結果、珪素
含有鋼板においては、鋼板の表面に炭素を付着させ、予
熱した後還元焼鈍することにより溶融亜鉛との濡れ性を
確保することが可能であることを見出した。なお、炭素
とは、例えば無定型炭素あるいは石墨などの炭素粉(一
般に、平均粒径は0.10μm以下である)や蒸着により付
着させた炭素である。
【0015】さらに本発明者らは、前述のような濡れ性
の確保しにくい珪素含有鋼板のめっき後の合金化処理に
ついても詳細な検討を行った。従来、このような濡れ性
の確保しにくい鋼板は、前処理やめっき条件を変化させ
ることによりめっきすることができたとしても、合金化
処理速度は通常の鋼板に比べて極めて遅く、通常の連続
合金化溶融めっき設備では合金化は不可能であった。し
かし、鋼板の表面に炭素を付着させることにより、上記
のように濡れ性を改善することができるとともに、Si含
有量が少ない鋼板を母材とする通常の溶融亜鉛めっき鋼
板に対する合金化処理と同程度の時間で合金化すること
ができ、既存の連続合金化溶融めっき設備により合金化
処理を行うことが可能であることを見出した。
【0016】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たもので、その要旨は、「Siを 0.2重量%以上含有する
鋼板の表面に炭素を付着させた後、 600〜900 ℃の温度
域で焼鈍を行い、その後有効Alを0.03重量%以上含有す
る溶融亜鉛浴に浸漬して溶融めっきする珪素含有鋼板を
母材とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法、あるいは溶
融めっきに続いて合金化処理する珪素含有鋼板を母材と
する溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法」にある。
【0017】
【作用】以下、本発明方法を処理工程順に詳細に説明す
る。
【0018】先ず、本発明が対象とする鋼板は、Siを
0.2重量%以上含有する鋼板である。
【0019】これは、Si含有量が 0.2重量%未満の鋼板
では、前述した通常の溶融亜鉛めっき方法、即ち、鋼板
を弱酸化性雰囲気焼鈍炉中もしくは還元性雰囲気焼鈍炉
中で予熱した後、水素+窒素の還元性雰囲気中で焼鈍
し、めっきに適した温度まで冷却した後、溶融亜鉛浴に
浸漬して溶融亜鉛めっきする方法でも不めっきのない製
品が得られるが、Siの含有量が 0.2重量%以上の鋼板の
場合は、この溶融亜鉛めっき方法では不めっきが発生
し、品質の優れた製品を得ることができないからであ
る。
【0020】鋼板表面に炭素を付着させる前に表面を脱
脂するが、これは、従来法におけると同様に、例えば60
〜95℃の2〜10%NaOH水溶液中で10秒〜数分間処理すれ
ばよい。
【0021】次いで、鋼板表面に炭素を付着させるので
あるが、その方法としては、無定型炭素あるいは石墨な
どの炭素粉を有機溶剤などに分散させて鋼板表面に吹き
付け、あるいは塗布し、乾燥する方法、ブロック状の炭
素を鋼板表面へ直接押しつけて炭素粉を付着させる方
法、真空中で鋼板表面に炭素を蒸着させる方法などが適
用できる。いずれにしても、鋼板表面に炭素粉を物理的
に付着させればよい。炭素粉は、前記のような平均粒径
で0.10μm 以下のものを用いるのがよい。
【0022】炭素の付着量は、付着させる方法によって
多少異なるが、およそ0.01g/m2以上であれば十分効果が
ある。炭素の付着状態は必ずしも均一である必要はな
い。むしろ、炭素をある程度不均一に付着させることに
より鋼板表面のFe素地を露出させ、めっき反応性を保つ
方がよい。もちろん、露出部分が大きくなりすぎると予
熱時にその部分にSiなどの酸化物層が形成され、鋼板の
濡れ性は悪くなる。一方、鋼板表面に付着させる炭素粉
が多すぎるとめっき時に炭素の層が溶融亜鉛と鋼板の間
に存在し、かえってめっき反応を阻害することになる。
従って、炭素の付着量の上限は3.0g/m2 とするのがよ
い。
【0023】鋼板表面に炭素を付着させることにより溶
融亜鉛との濡れ性を高めることができる理由は次のよう
に推定される。即ち、通常の溶融亜鉛めっきでは、鋼板
中にSiなど鋼板(Fe)より酸素との親和性の大きい合金
元素が存在すると、鋼板の予熱および焼鈍過程でこれら
の元素が優先的に酸化され、酸化物層内で濃化し、鋼板
表面に非常に還元されにくい酸化物層が形成される。こ
のような鋼板をめっきしようとしても、この酸化物層が
存在するために溶融亜鉛との濡れ性が悪く、めっき反応
が起こりにくくなる。しかし、鋼板表面に炭素が存在す
ると、このような酸化物層が形成されにくいので、鋼板
(Fe)と溶融亜鉛が直接反応することになり、濡れ性が向
上する。
【0024】表面に炭素を付着させた鋼板は、めっきの
前に予備加熱(予熱)と焼鈍の工程に付される。この予
備加熱と焼鈍の雰囲気は、通常用いられている雰囲気で
よい。例えば、予備加熱は弱酸化性もしくは非酸化性雰
囲気とし、焼鈍はH2含有雰囲気のような還元性雰囲気と
する。本発明方法では、表面に炭素を付着させた鋼板
を、酸素が15体積%以下の窒素雰囲気中もしくは還元性
雰囲気中で予熱した後、水素を含む還元性雰囲気中 600
〜900 ℃で焼鈍する。この場合、鋼板表面には炭素が付
着しているので、Si等の酸化物は生成しにくい。焼鈍温
度を 600℃以上とすれば、母材鋼板の再結晶化が容易に
進行し、鋼板表面の酸化鉄の還元も可能である。しか
し、 900℃を超えると鋼板の変形など操業上の問題が生
じる。
【0025】めっき処理も従来の方法に準じて行う。溶
融亜鉛めっきのみで製品とする場合は、浴温 460±10℃
程度、有効Al濃度が0.03重量%以上、好ましくは0.08〜
6重量%のめっき浴を用い、めっき後合金化処理するも
のについては、浴温 460±10℃程度、有効Al濃度が0.03
重量%以上、好ましくは0.08〜0.12重量%のめっき浴を
用いる。有効Al濃度が0.03重量%未満のめっき浴中で
は、Znと鋼板(Fe)との反応性が高くなり過ぎ、めっき
時にZnとFeが反応して生じるFe−Zn系ドロスが多くな
り、操業上問題となるだけでなく、めっき皮膜の目付量
の制御が困難になる等の弊害が起こるからである。な
お、有効Al濃度とは、めっき浴の全Al濃度から全Fe濃度
を差し引いた濃度である。
【0026】上述のように、Siを0.2 重量%以上含有す
る鋼板に対して溶融亜鉛めっき処理を行うに際し、前処
理として鋼板の表面に炭素を付着させる本発明方法を適
用すれば、溶融亜鉛との濡れ性を確保することができる
とともに合金化処理の際の合金化速度の低下を防ぐこと
ができ、通常の連続溶融亜鉛めっきラインで合金化溶融
亜鉛めっき鋼板を製造することが可能となる。
【0027】
【実施例1】表1に示す5種類の極低炭素鋼の冷間圧延
鋼板 (未焼鈍材、板厚0.8mm )を 250×100mm に裁断し
て供試材とし、これらの供試材の表面に後述する方法で
炭素を付着させた後、竪型溶融めっき装置を用いて溶融
めっきを行った。このめっき装置は、供試材を所定の雰
囲気で熱処理することができ、かつ、還元雰囲気中から
直接溶融めっき浴中に装入することができる。めっきに
際しては、供試材に対して予め10%NaOH溶液で脱脂した
後、前記のめっき装置内で酸素5ppm 〜15体積%を含有
する窒素雰囲気 (絶対圧で1atm)中で 550℃×30秒の予
備加熱を行い、次いで、酸素濃度2ppm のN2+20%H2
合ガス(露点が−30℃)中で 850℃×30秒の焼鈍処理を
行い、 460℃まで冷却した後、Al濃度が0.08〜0.20重量
%の溶融亜鉛浴に浸漬してめっきを施した。めっき時間
は1秒であり、ガスワイパーによりZn付着量を約50g/m2
(片面当り)に調整した。
【0028】
【表1】
【0029】めっき後、不めっきの発生状況を調査し
た。また、予熱後の供試材表面の酸化鉄をインヒビター
を添加した10%HCl 溶液中で溶解し、化学分析により酸
化鉄量を測定した。不めっきがなく、良好にめっきする
ことができた供試材で、Al濃度が0.08〜0.12重量%のめ
っき浴でめっきしたものについては、 500℃の塩浴中で
合金化処理を行い、合金化が表層まで進行したところで
合金化完了として、それに要する時間を測定した。
【0030】供試材の表面へ炭素を付着させる方法とし
ては次の方法を用い、付着させた後電子顕微鏡によりそ
の断面の厚さを測定した。
【0031】〔処理A〕平均粒径0.10μm の炭素を有機
溶剤 (シンナー) に溶解して十分攪拌した後、鋼板の表
面に噴霧器により薄く吹き付け、常温で数分間放置して
有機溶剤を乾燥させた後、鋼板表面の余分な炭素を乾燥
した紙で拭き取る。
【0032】〔処理B〕市販の炭素棒を鋼板にこすりつ
け、全面が黒色になったところで、鋼板表面の余分な炭
素を乾燥した紙で拭き取る。
【0033】表2に炭素の付着処理方法と付着した炭素
の厚さを示す。
【0034】
【表2】
【0035】調査結果を表3に示す。なお、同表には、
予熱および還元焼鈍条件、めっき条件も併せて示した。
この表から明らかなように、前処理として鋼板の表面に
炭素を付着させると不めっきの発生がなく、表面品質に
優れた溶融亜鉛めっき鋼板が得られた。また、合金化も
容易であった。
【0036】
【表3(1)】
【0037】
【表3(2)】
【0038】
【実施例2】実施例1と同じ供試材を用い、同じ前処理
(炭素付着処理および脱脂)を行った後、酸素濃度2pp
m の窒素+20%H2混合ガス(露点が−30℃)中で、 500
℃×30秒の予備加熱と 850℃×30秒の焼鈍処理を行い、
460℃まで冷却した後、Al濃度が0.10重量%の溶融亜鉛
浴(460℃) に1秒間浸漬してめっきを施した。Zn付着量
はガスワイパーにより約50g/m2(片面当り)に調整し
た。
【0039】めっき後、実施例1の場合と同様に合金化
処理を行い、不めっきの発生状況を調査し、合金化完了
時間を測定した。
【0040】結果を表4に示す。この表から、予備加熱
を還元性雰囲気中で行っても不めっきの発生がなく、合
金化も容易であることがわかる。
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、Si含有量が 0.2重
量%以上の鋼板に対して本発明方法を適用すれば、不め
っきのない、表面品質に優れた溶融亜鉛めっき鋼板およ
び合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造することができる。
溶融亜鉛めっき後の合金化処理も既存の連続溶融亜鉛め
っき設備を用いて行うことができるので、能率がよく、
経済性の面でも優れた方法である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Siを 0.2重量%以上含有する鋼板の表面に
    炭素を付着させた後、 600〜900 ℃の温度域で焼鈍を行
    い、その後有効Alを0.03重量%以上含有する溶融亜鉛浴
    に浸漬して溶融めっきすることを特徴とする珪素含有鋼
    板を母材とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1の溶融めっきに続いて合金化処理
    することを特徴とする珪素含有鋼板を母材とする溶融亜
    鉛めっき鋼板の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011117063A (ja) * 2009-11-02 2011-06-16 Kobe Steel Ltd 溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011117063A (ja) * 2009-11-02 2011-06-16 Kobe Steel Ltd 溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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