JPH051711U - 自動倉庫用棚設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は先入れ立体自動倉庫に関するもので
あり、その主な目的は格納される容器の格納効率を向上
させた自動倉庫用棚設備を提供するものである。 【構成】 本考案はクレーン通路に沿って多段に容器を
格納する格納棚を配置した自動倉庫用棚設備において、
上記クレーン通路に沿って複数の支柱を所定間隔を隔て
て立設すると共に、該各支柱に略逆Ｖ字状に形成された
カンチレバー式の棚粱をクレーン通路側に上下多段に設
けたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は商品の格納やピッキング作業をクレーンによって全自動で行う立体自 動倉庫に係り、特に、商品を収納した容器を上下多段に複数格納するための自動 倉庫用棚設備に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、市場の成熟化に伴い、商品の多様化が進み多品種少量生産の傾向は一層 強くなってきている。従って、物流は多品種少量に対応でき、しかも複雑化する 商品のピッキング作業及び商品管理を省力化できる設備が要求されており、その ため、最近ではこれらの要求を満たす立体自動倉庫が多く採用されてきている。 この立体自動倉庫は取り扱う商品によって構成が多少異なるが、その一例とし て商品を収納した箱体状の容器を取り扱うための自動倉庫がある。この自動倉庫 は図７に示すように、倉庫の天井に設けられた上部ガイドレールａとその真下の 床面にこれと平行に設けられた走行レールｂとに上下を支持されると共に、この 走行レールｂに沿って走行自在な枠体状のスタッカクレーンｃと、このスタッカ クレーンｃのクレーン通路ｄの両側に平行にかつ天井付近にまで形成され、上記 容器Ｂをそれぞれ格納する格納棚ｅが複数、形成された棚設備ｆとから主に構成 されている。

【０００３】 このスタッカクレーンｃには、これをクレーン通路ｄに沿って走行させる走行 装置ｇと、容器Ｂを載置すると共に容器Ｂを格納棚ｅに格納したり取り出したり する荷台ｈと、この荷台ｇを枠体内で昇降させる昇降装置ｉと、これらを任意に 操作する操作部ｊ等が備えられており、必要とする容器Ｂのピッキング及び格納 作業を自動的に行っている。

【０００４】 一方、この棚設備ｆは図８及び図９に示すように、クレーン通路ｄに沿って所 定間隔を隔てて複数立設された後部支柱ｋ₁ と、クレーン通路ｄ側に後部支柱ｋ ₁ と平行に複数立設された前部支柱ｋ₂ と、これらの各後部支柱ｋ₁ と前部支柱 ｋ₂ とを水平に架け渡すように設けられた枠体状に形成された複数の棚梁ｍとか ら主に構成されており、これら後部支柱ｋ₁ 、前部支柱ｋ₂ 、棚梁ｍとで複数に 区画形成された格納棚ｅの各間口にそれぞれ一つの容器Ｂが格納されるようにな っている。また、この棚梁ｍは図示するように、後部支柱ｋ₁ 及び前部支柱ｋ ₂ の幅よりやや幅広に形成されており、隣り合う棚梁ｍの側部によって箱体状の 容器Ｂの両下端部をそれぞれ載置して支持するようになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述したようにこの棚設備ｆは格納棚ｅの一つの間口に一つの容器 Ｂを格納するようになっているため、隣り合う各容器Ｂはある程度の間隔を隔て て格納されることになる。さらに、各間口は容器Ｂを搬送するスタッカクレーン ｃの停止精度や棚設備ｆの製作、据付精度等の理由による容器Ｂの格納誤差を許 容するために箱体状の容器Ｂよりやや大きく成形されている。従って、格納され た容器Ｂと各間口を区画形成する前部支柱ｋ₂ 間には必然的にある程度の隙間ｂ が形成されることになる。

【０００６】 例えば、図８に示すように、この棚設備ｆの各容器Ｂ間の幅は前部支柱ｋ₂ の 幅ａと上記格納誤差を許容するため容器Ｂの両側に形成される前部支柱ｋ₂ との 隙間ｂの合計であるａ＋２ｂの間隔となる。

【０００７】 従って、従来の棚設備ｆでは各容器Ｂ間の幅をある程度、大きく設定せざるを 得なかった。また、格納された各容器Ｂ間にはこれの動きを係止するものが無い ため、地震などによってその格納位置がずれてしまう可能性があった。 そこで 、本考案はこの問題点を有効に解決するために案出されたものであり、その目的 は構造を改良して物品の格納効率及び格納の安定性を向上させた自動倉庫用棚設 備を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために本考案は商品を収容した容器を搬送するクレーン通 路に沿って多段に上記容器を格納する格納棚を配置した自動倉庫用棚設備におい て、上記クレーン通路に沿って複数の支柱を所定間隔を隔てて立設すると共に、 該各支柱に略逆Ｖ字状に形成されたカンチレバー式の棚粱をクレーン通路側に上 下多段に設けたものである。

【０００９】

【作用】

本考案は上述したように構成したことにより、支柱の幅だけ隣り合う容器間の 間隔を短くすることが可能となり、格納棚の長さに対する容器の格納効率が上昇 する。また、棚粱断面略逆Ｖ字状に形成したことにより、容器の格納位置が多少 ずれても容器が棚粱の斜面を滑って定位置に格納されるため、容器の格納が確実 にしかも安定性が向上する。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。

【００１１】 図１は本考案の自動倉庫用棚設備を示したものである。この自動倉庫用棚設備 １は上述したスタッカクレーン（図示せず）によって搬送されてきた容器Ｂを多 段に格納するものであり、スタッカクレーンが走行するためのクレーン通路２の 両側に沿ってそれぞれ向き合うように設けられている。

【００１２】 この自動倉庫用棚設備１はクレーン通路２の両側に平行にかつ所定間隔を隔て て立設された複数の支柱３と、これら支柱３に設けられた複数の棚粱５とによっ て格納する格納棚４が形成されており、この格納棚４の各間口４ａにそれぞれ一 つの容器Ｂが格納されるようになっている。

【００１３】 この格納棚４は図示するように、クレーン通路２の両側に立設された各支柱３ に水平にかつそれぞれクレーン通路２側に向かい合うように上下多段に設けられ た複数の棚粱５によって形成されており、これら隣り合う棚粱５間に箱状に形成 された物品Ｂを架け渡すように載置することでこれを支持している。

【００１４】 この棚粱５は図１及び図２に示すように、容器Ｂの荷重に充分耐え得る程度の 強度を有するように、金属などによって断面略逆Ｖ字状に形成され、一端が各支 柱３にカンチレバー式に溶接されており、山型に形成された傾斜部５ａの下辺部 ５ｃからそれぞれ両側にかつ水平に屈曲した載置片５ｂ上に容器Ｂの一方の下端 を支持するようになっている。

【００１５】 また、図２に示すように、この載置片５ｂの幅ａ₁ は傾斜部５ａの頂部と載置 片５ｂの下辺部５ｃとの幅ａ₂ より大きく形成されている。また、格納棚４の各 間口４ａの高さは格納される容器Ｂの高さより棚粱５の高さｂ₁ だけやや高く形 成されており、また、その幅は隣り合う棚粱５の下辺部５ｃ間の距離は容器Ｂの 幅と同じ幅に形成されている。

【００１６】 次に、本考案の作用を説明する。

【００１７】 スタッカクレーン（図示せず）によってクレーン通路２を搬送されてきた容器 Ｂは図３及び図４に示すように、隣り合う棚粱５の各載置片５ｂ上に架け渡すよ うに載置されることで、格納棚４の各間口４ａのいずれかにそれぞれ一つづつ格 納されることになる。

【００１８】 この格納に際して、容器Ｂを搬送するスタッカクレーンの停止精度や棚設備１ の製作、据付精度等の理由によって容器Ｂの格納位置が多少ずれた場合には図５ に示すように、容器Ｂの下辺部Ｂ₁ が棚粱５の傾斜部５ａを下方に滑って棚粱５ の載置片５ｂ上に案内され、これに位置されることになる。また、定位置に格納 された各容器Ｂは棚粱５の傾斜部５ａによってその動きが規制されることになる 。

【００１９】 このように本考案では一つの棚粱５をカンチレバー式に一つの支柱に上下多段 に設け、その形状を断面略逆Ｖ字状に形成することにより、格納位置が多少ずれ ても容器Ｂが定位置に確実に格納される上に、棚粱５の傾斜部５ａが容器Ｂの動 きを規制するストッパの働きをするため、格納された容器Ｂの安定性が向上する 。さらに、収納誤差を許容する隙間を保持しつつ、各間口４ａの幅を容器Ｂの幅 とスタッカクレーンの停止精度及び棚設備ｆの製作、据付精度等による最少限、 必要とする隙間の和とするだけで従来、クレーン通路ｄ側に設けられていたの柱 の大きさの影響をなくすことができるため、従来の棚設備に比較して隣り合う容 器Ｂの間隔が小さくなり、容器Ｂの格納効率が向上することになる。

【００２０】 尚、他の変形実施例として図６に示すように、棚粱６を薄板等で逆Ｔ字状に形 成することにより、上述した実施例の棚粱５と略同様な効果を得ることが可能と なる。この場合、垂直となった部分６ａが容器Ｂのストッパの働きを成し、水平 となった部分６ｂが物品Ｂの載置片となる。

【００２１】

【考案の効果】

以上要するに本考案によれば、容器の格納効率が向上する上に、定位置への容 器の格納が安定にしかも確実となるといった優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】棚粱の接続付近を示す拡大斜視図である。

【図３】本考案の一実施例を示す正面図である。

【図４】本考案の一実施例を示す平面図である。

【図５】棚粱に容器を載置する状態を示す拡大正面図で
ある

【図６】棚粱の他の変形実施例を示す拡大斜視図

【図７】立体式自動倉庫を示す全体図である。

【図８】従来の自動倉庫用棚設備を示す正面図である。

【図９】従来の自動倉庫用棚設備を示す平面図である。

【符号の説明】

２ クレーン通路 ３ 支柱 ４ 格納棚 ５ 棚梁 Ｂ 容器

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 商品を収容した容器を搬送するクレーン
   通路に沿って多段に上記容器を格納する格納棚を配置し
   た自動倉庫用棚設備において、上記クレーン通路に沿っ
   て複数の支柱を所定間隔を隔てて立設すると共に、該各
   支柱に略逆Ｖ字状に形成されたカンチレバー式の棚粱を
   クレーン通路側に上下多段に設けたことを特徴とする自
   動倉庫用棚設備。