JPH05170658A - 抗光酸化性皮膚外用剤 - Google Patents

抗光酸化性皮膚外用剤

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JPH05170658A
JPH05170658A JP3240496A JP24049691A JPH05170658A JP H05170658 A JPH05170658 A JP H05170658A JP 3240496 A JP3240496 A JP 3240496A JP 24049691 A JP24049691 A JP 24049691A JP H05170658 A JPH05170658 A JP H05170658A
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JP
Japan
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skin
cells
culture
external preparation
sesame
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JP3240496A
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English (en)
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Okihiko Sakamoto
興彦 阪本
Yoshiyuki Kono
善行 河野
Kiyotaka Kojima
清隆 小島
Morio Mimura
精男 三村
Keiichi Takebayashi
恵一 竹林
Yoshimasa Takahara
義昌 高原
Toshihiko Osawa
俊彦 大澤
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Kobe Steel Ltd
Shiseido Co Ltd
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Kobe Steel Ltd
Shiseido Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ゴマ(Sesamun indicum L)の植物成体から誘
導した増殖性細胞を培地に培養し、その培養物の80%
アルコール粗溶出物を含むことを特徴とする抗光酸化性
皮膚外用剤。 【効果】 安全性及び使用性に優れ、しかも顕著な皮膚
劣化防止作用を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚外用剤、特に光酸化
による皮膚への影響を防止する抗光酸化性皮膚外用剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年皮膚の光、特に紫外線による劣化促
進が問題となっており、各種紫外線吸収剤等が配合され
た皮膚外用剤が開発されている。ところが、これらの紫
外線吸収剤は紫外線が皮膚に到達する以前を問題として
おり、むろん完全な紫外線遮蔽は極めて困難であるた
め、皮膚自体の光劣化防止方法の模索が行なわれてい
る。光による皮膚の劣化については、最近の研究によ
り、光により酸化が促進されることがその大きな原因の
一つと考えられている。そこで、皮膚外用剤に関しても
酸化防止剤を添加することが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】むろん、従来より各種
抗酸化剤が化粧料等の皮膚外用剤に配合されているが、
これらは通常その皮膚外用剤自体に含まれる成分の酸化
防止を目的としたものである。そして、本発明者らが検
討を進めたところ、皮膚外用剤自体の酸化防止には極め
て効果のある酸化防止剤であっても、皮膚の光酸化に関
しては必ずしも充分な効果が得られないことが明かとさ
れた。
【0004】すなわち、BHA,BHT等の合成抗酸化
剤は一般的な抗酸化能には優れているものの、安全性の
点から使用目的、使用量に著しく制限が加えられ、特に
皮膚劣化防止作用を充分に得るほどの添加は好ましくな
い。一方、安全性の点では問題の少ないα−トコフェロ
ール等の抗酸化剤は、一般的な抗酸化能はある程度期待
できるものの、抗光酸化能については極めて低いのであ
る。本発明は前記従来技術の問題に鑑みなされたもので
あり、その目的は皮膚の光酸化を直接的に防止すること
のできる抗光酸化性皮膚外用剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者らが鋭意検討した結果、ゴマ細胞培養物の中
に優れた抗光酸化性があることを見出し、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明にかかる抗光酸化性皮
膚外用剤は、ゴマ(Sesamun indicum L)の植物性体から
誘導した増殖性細胞を培地に培養し、その培養物の80
%アルコール粗溶出物を含むことを特徴とする。
【0006】また、本発明にかかる抗光酸化性皮膚外用
剤は、前記アルコール粗溶出物を0.02重量%以上含
むことが好適である。また、本発明にかかる外用剤を非
油性とした場合、前記アルコール粗溶出物を0.02〜
0.2重量%含むことが好適である。また、本発明にか
かる外用剤を油性とした場合、前記アルコール粗溶出物
を1.0〜2.0重量%含むことが好適である。以下、
本発明の構成をさらに詳細に説明する。本発明における
有効成分は、ゴマ(Sesamun indicumL)の植物性体から誘
導した増殖性細胞を培地に培養し、その培養物からの8
0%アルコール粗溶出物である。
【0007】この有用な成分を含むゴマの増殖性細胞を
育種するために、ゴマの種子から無菌的に発芽させたゴ
マ芽生えを素材として、ゴマ細胞のカルスを誘導し、安
定に継代培養が可能な高温度培養細胞を取得した。ま
ず、ゴマとしては、芽、根、または種子を用いる。そし
て、無菌条件下で芽生えを調製し、芽、茎、葉及び/ま
たは根の切片を固体及び/または液体の培地で培養して
カルス細胞を誘導する。得られた増殖性カルスは、継代
培養することにより大きなカルスに成長させる。次いで
これを固体及び/または液体培養で、静置及び/または
攪拌培養してカルス細胞を増殖させる。培地としては、
各種培地を使用することができる。そして、その培養物
より80%アルコール溶出を行うことにより、抗光酸化
性物質を得ることができる。
【0008】また、本発明にかかる外用剤を非油性とし
た場合、前記80%アルコール粗溶出物が0.02重量
%未満であると抗光酸化性を充分に発揮することができ
ず、また0.2重量%を越えて配合しても効果の増強は
あまり認められない。なお、ここで非油性皮膚外用剤と
は、油性成分が5重量%以下のものをいう。一方、本発
明にかかる外用剤を油性とした場合、前記メチルアルコ
ール溶出物が1.0重量%未満であると抗光酸化性を充
分に発揮させることができない。また、2.0重量%を
越えて配合しても効果の増強は認められない。
【0009】なお、本発明の皮膚外用剤は、前記有効成
分に加えて必要に応じ本発明の効果を損わない範囲で皮
膚外用剤に一般に用いられる各種成分、すなわち、水性
成分、粉末成分、油分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、
防腐剤、酸化防止剤、香料、色素等を配合することがで
きる。また、本発明の皮膚外用剤の剤形は任意であり、
例えば化粧水等の可溶化系、乳液、クリーム等の乳化系
あるいはファンデーション、分散液等の剤形をとること
ができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の構成を実施例に基づきさらに
詳細に説明する。なお、実施例により本発明が限定され
るものではない。また、配合量は原則として重量%で表
示している。
【0011】抗光酸化性物質の溶出 前述したように、ゴマとしては芽、根、又は種子を用い
る。そして、無菌条件下で芽生えを調製し、芽、茎、葉
及び/又は根の切片を固体及び/又は液体の培地で誘導
する。増殖性細胞の培地としては、各種培地を使用する
ことができる。炭素源としては、グルコース、フラクト
ース等の単糖類、マルトース、シュークロース等の二糖
類の他、オリゴ等やデンプン等の多糖類も使用すること
ができる。
【0012】窒素源としては、硝安、硝酸カリウム等の
硝酸態窒素、硫安、酒石酸アンモニウム等のアンモニア
態窒素の他、カザミノ酸、アミノ酸、ペプトン、コーン
スティープリカー、酵母菌体、イーストエキストラク
ト、麦芽エキストラクト等が使用できる。そのほか、ニ
コチン酸、ニコチン酸アミド、サイアミン、葉酸、ビオ
チン等のビタミン類、イノシトール、アデニル酸、グア
ニル酸、シチジル酸、チミジル酸、サイクリックAMP
等の核酸関連物質、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、ヨウ
素、カリウム、コバルト、マグネシウム、モリブデン、
リン、銅等のミネラルも使用可能である。基本培地を次
に示す。
【0013】基本培地にはオーキシン、サイトカイニン
を添加するのが好ましく、オーキシンとしてはインドー
ル酢酸、ナフタレン酢酸、2,4ジクロロフェノキシ酢
酸等が適宜利用される。また、サイトカイニンとして
は、ベンジルアデニン、カイネチン等が使用できる。こ
れらの植物ホルモンやサイトカイニンは単独でも使用で
きるが、組合せて用いることが好適である。増殖性のカ
ルスの培養には、前記培地でも良いが、さらに増殖性を
改善するためには、ココナツミルク、カゼイン加水分解
物、ジャガイモ抽出液、コーンスティープリカー、イー
ストエキストラクト、麦芽抽出液等の天然有機栄養源を
添加することが好適である。
【0014】培養温度は28〜37℃で培養操作できる
が、好ましくは33〜36℃である。培養液のpHは弱
酸性(pH5.6〜6.0)が増殖に好適である。この
ようにして得たゴマのカルス細胞から高温度で安定に増
殖できる細胞を育成するには、ジェランガムまたは寒天
による固体平板培地に細胞の小塊を移植し、これを後述
する増殖条件で1〜2週間培養を行なう。このときの培
養温度は33〜36℃に維持することが好ましい。さら
に、多数の高密度培養細胞の培養系統の中より、増殖性
の高い培養系統を選択し、その細胞集団からさらに細胞
の小塊を多数取り出し、これらを新しい培地に移植する
ことによって、さらに多数の培養系統を作る。こうした
細胞の培養系統の継代培養を5〜10回、33〜36℃
の高温で繰り返すことによって、高温度で安定に増殖で
きるゴマ培養細胞を育成する。
【0015】培養して得た増殖性細胞から抗光酸化性物
質を溶出するには、セルラーゼやリゾチームを用いる生
物学的処理、化学的処理、機械的ないし超音波等の処
理、またはこれを組合せたりして細胞を破壊し、80%
エタノールで溶出する。次により具体的な製造例につい
て説明する。
【0016】無菌的に生育したゴマ芽生えの調製 ゴマ種子をよく水洗した後、75%エタノール水溶液に
数秒間浸漬する。これを別に用意した殺菌水で洗浄し、
次いで0.1%ベンザルコニウムクロライド(市販殺菌
剤)液に2〜5分間浸漬して種子に付着している微生物
を殺菌する。この種子を再び殺菌水でよく洗浄した後、
1%次亜塩素酸ナトリウム(和光純薬製)(0.1%の
界面活性剤ツィーン20を含む)の殺菌剤液によって、
30分間処理してゴマ種子を完全に殺菌する。
【0017】一方、殺菌したふた付き広口容器を用意す
る。これに前記組成の基本培地(ただし蔗糖は添加せ
ず、固化剤として寒天の場合0.8〜1.5%、ジュラ
ンガムの場合0.2〜0.3%を添加した)を別途オー
トクレーブ殺菌したものを、前記広口容器に注いで固化
させ播種用の固形培地とする。また、殺菌水と殺菌した
ガーゼを広口容器に無菌的に入れて、播種用の床として
もよい。このような播種用の培地または床に、殺菌処理
をしたゴマ種子を無菌操作によって播種する。28〜3
0℃の恒温室で蛍光灯の光のもとで保温すると、殺菌処
理したゴマ種子は死滅することなしに発芽し、10日間
程度で長さ3〜5cmのゴマ芽生えが調製できる。このゴ
マ芽生えは、完全に無菌状態であり、増殖性細胞の育種
に利用される。
【0018】ゴマ由来の増殖性細胞塊の誘導培養 前記組成の基本培地に、オーキシンとしてナフタレン酢
酸(10-8〜10-5M)、あるいは2,4ジクロロフェ
ノキシ酢酸(10-8〜10-5M)、サイトカイニンとし
てベンジルアデニン(10-6〜10-4M)、あるいはカ
イネチン(10-6〜10-4M)を組合せて添加した各種
組成の培地を調合する。これに固化剤としてジェランガ
ム0.2%または寒天0.8%を加えてpHを5.7に
調製した後、微生物培養に常用されるペトリディッシュ
に分注して固化する。これに、先に述べたように無菌的
に調製したゴマの芽生えの断片を移植し、温度28〜3
0℃の恒温室または恒温箱の中で暗所で培養を行なう
と、培養2〜3週間後にはゴマ芽生えの切断片の切り口
より細胞が増殖し、塊となってカルスを形成する。この
増殖性のカルスを、同一組成の培地に継代培養すること
によって、大きなカルスを育てることができる。カルス
の人工的な誘導に用いる基本培地は、前記培地組成(ム
ラシゲ−スクーグの培地)を用いたが、植物の細胞培養
に通常用いられている培地ならいずれも使用できる(植
物細胞培養マニュアル、講談社1984)。
【0019】カルス細胞の増殖培養細胞の育成 ゴマの芽生えより誘導した増殖性細胞塊(カルス)は、
前記組成の培地、ナフタレン酢酸(1〜5×10
-5M)、ベンジルアデニン(1〜5×10-5M)等のオ
ーキシンやサイトカイニンを添加したものに、さらに固
化剤としてジュランガム0.2%または寒天0.8%を
加えて滅菌、固化した培地を用いて、安定に増殖する細
胞を育成する。ゴマ細胞は暗所でもよく増殖するが、明
所の方がさらに増殖が活発である。すなわち、3,00
0〜30,000ルクス、好ましくは8,000〜1
5,000ルクスの明所においてよく増殖することが観
察される。温度は、30〜37℃が好適であり、好まし
くは33〜36℃で培養する。ゴマカルスの高温度で安
定に増殖できる細胞を育成するには、ジュランガムまた
は寒天による固体平板培地に細胞の小塊を移植し、これ
を前記の増殖条件で1〜2週間培養を行なう。このとき
の培養温度はカルス細胞の誘導培養に用いた温度よりも
高温度にする。すなわち培養温度を33〜36℃に維持
して、旺盛に増殖する細胞を濃縮することができる。
【0020】このようにして得た多数の培養系統の中よ
り、増殖性の旺盛な培養系統を選択し、その細胞集団か
らさらに細胞の小塊を多数とりだし、これらを新しい培
地に移植することによって、再び多数の培養系統を調製
する。こうした細胞の培養系統の継代培養を5〜10回
繰り返すことによって、33〜36℃の高温で安定に増
殖できるゴマ細胞を育成する。
【0021】増殖性細胞の培養 安定に継代培養が可能なゴマ細胞の増殖培養には、前記
組成の培地が用いられるが、植物細胞の培養に通常よく
用いられている組成の培地も利用できる。このような基
本培地にオーキシンとしてナフタレン酢酸(1〜5×1
-5M)、サイトカイニンとして、ベンジルアデニン
(1〜5×10-5M)を加えたものを調合する。液体培
養の場合にはそのまま増殖培養に使用できるが、固体培
地での培養のときには、これにジュランガム0.2%ま
たは寒天0.8%を加えて、滅菌、固化させて使用す
る。細胞の増殖には光を照射するのが好適である。通常
3,000〜30,000ルクス、好ましくは8,00
0〜15,000ルクスの照射であればよい。温度は2
8〜37℃で増殖するが、好ましくは33〜36℃であ
る。液体培養は、通常の微生物の培養に用いられる振盪
培養法や通気培養法が適用可能であるが、微生物の培養
に比較して、穏やかな条件で操作するのが好ましい。微
生物の培養に比較して、酸素の必要量は著しく少なくて
よいから、僅かに空気を通気しつつ、細胞が培養液の底
に沈殿しない程度の攪拌を行なうことが増殖に好まし
い。
【0022】増殖培養をさらに効果的に行なうために
は、培養液のpHを5.6〜5.8に維持することが好
適である。通常の増殖培養では、1〜2週間で培養が終
了するから培養液から細胞を遠心分離法等の常法でで回
収することが可能である。また、固体培養の場合には、
増殖した細胞塊は容易に回収できる。 このように工業
的な規模で生産が可能なゴマ細胞の育成を行ない、これ
を多量に増殖培養することができる。なお、植物細胞を
通常培養することに用いられている25〜28℃の温度
における増殖量に比べて、35〜36℃では約2倍以上
の増殖量を示しており増殖速度も早くなることから工業
的な植物細胞の培養において、有効に利用できるもので
ある。
【0023】溶出 液体培養法によって増殖した細胞は、重力分離法や遠心
分離法によって容易に回収することができる。得られた
細胞を最終濃度が80%になるようにエチルアルコール
を添加し、機械攪拌ホモジナイザーによって抽出する。
遠心分離して抽出液を回収した残りの細胞について再び
80%エチルアルコールで抽出する。得られた抽出液を
減圧下で濃縮して乾固すればアメ状、黄褐色の抗光酸化
性物質の粗抽出物が得られる。
【0024】抗光酸化性試験 まず、具体的な皮膚外用剤の実施例の説明に先立ち、そ
の抗光酸化性の試験方法について説明する。本発明にお
いては、皮膚の光酸化防止を目的としているため、一般
的な脂質の酸化実験等により抗光酸化性を検討すること
は妥当でない。そこで、本発明者らは次の様な方法を用
いた。まず、1.8mM ホスファチジルコリン/0.1M NaClの
リポソームサスペンションを調製し、これに適当量の被
験物質を添加する。そして、Xeフェードメータ(長波
長紫外線 UV−A)により25℃10時間の光酸化を
行なわせる。
【0025】このサンペンションを1g精秤し、5ml
の0.12%TBA(チオバルビツール酸)及び0.5
%のTEA(トリエチルアミン)/酢酸溶液を添加し、
100℃で1時間反応させる。そして、そのサスペンシ
ョンを532nmで吸光度測定を行なった。図1にはコ
ントロール(被験物質無添加)に対するTBA比を劣化
度として示している。同図より明らかなように、皮膚外
用剤等に添加される抗酸化剤として最も一般的なα−ト
コフェロール添加区に比較し、同一濃度であれば80%
エタノール粗溶出物添加区は約60%程度の劣化しか示
しておらず、極めて優れた抗光酸化効果を有しているこ
とが理解される。
【0026】実使用試験 皮膚劣化に基づく現象として、こじわ、がさつき、し
み、色素異常等が挙げられる。そこで、前記抗光酸化物
質ないし一般的な抗酸化剤であるα−トコフェロールを
配合した皮膚外用剤を製造し、光の強い夏期期間中の1
ヵ月間、前述したような皮膚劣化現象の見られるパネル
に実使用を行ない皮膚劣化現象の改善をみた。なお、評
価は次の通り行なった。 +5…顕著な改善効果がみられる。 +3…改善効果がみられる。 +0…特に変化なし。 −5…悪化した。 各試験区5名で、それぞれの評価点の平均を求めた。な
お、非油性皮膚外用剤として次の配合の化粧水を用い
た。
【0027】化粧水基本組成 アルコール相 重量% 95%エチルアルコール 25.0 紫根エキス 0.5 ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油エーテル 2.0 香料 適 量 水相 グリセロールリン酸2ナトリウム 0.05 グリセリン 5.0 ヘキサメタリン酸ナトリウム 適 量 紫外線吸収剤 適 量 イオン交換水 残 余 <製法>水相、アルコール相を調製後可溶化する。な
お、本発明にかかる抗光酸化性物質ないしα−トコフェ
ロールは表1に示す濃度となるようにアルコール相に所
定量添加した。そして、表2に実使用試験の結果を示
す。
【表1】 ──────────────────────────── 試験区 80%エタノール粗抽出物 トコフェロール ──────────────────────────── 1 0.002% 2 0.02 3 0.1 4 0.2 5 0.4 ──────────────────────────── 6 0.001% 7 0.01 8 0.05 9 0.1 10 0.2 ────────────────────────────
【表2】 ──────────────────────────── 試験区 80%エタノール粗抽出物 トコフェロール ──────────────────────────── 1 0.6 2 2.4 3 3.4 4 3.8 5 3.8 ──────────────────────────── 6 0.6 7 0.2 8 1.2 9 0.0 10 0.6 ──────────────────────────── 以上の結果より明らかなように、α−トコフェロールは
化粧品自体の保存性向上には効果があるものの、抗光酸
化性に関しては殆ど効果がないことが明かとなった、
【0028】一方、抗光酸化性物質を配合した場合、
0.02%未満では明確な皮膚劣化防止作用は認められ
ないが、0.02〜0.2%で優れた皮膚劣化防止作用
が認められた。なお、0.2%を越えて配合しても効果
に大きな相違は認められなかった。次に油性皮膚外用剤
として下記の配合の乳液を製造した。 ステアリン酸 2.5 セチルアルコール 1.5 ワセリン 7.0 流動パラフィン 15.0 ポリオキシエチレン(10モル)モノオレイン酸エステル 2.0 ポリエチレングリコール1500 3.0 トリエタノールアミン 1.0 アスコルビン酸 5.0 グリセロ−3−ホスホコリン 0.1 香料 適 量 イオン交換水 残 余
【0029】<製法>イオン交換水にポリエチレングリ
コール1500とトリエタノールアミン及びアスコルビ
ン酸、グリセロホスホコリンを加え加熱溶解して70℃
に保つ(水相)。一方、他の成分を混合し加熱溶解して
70℃に保つ。水相に油相を加え、予備乳化を行ないな
がらホモミキサーで均一に乳化し、乳化後よくかき混ぜ
ながら30℃まで冷却する。なお、抗光酸化性物質ない
しα−トコフェロールは、表3に示す濃度となるよう
に、水相に所定量添加した。そして、表4に前記同様の
実使用試験の結果を示す。
【表3】 ──────────────────────────── 試験区 80%エタノール粗抽出物 トコフェロール ──────────────────────────── 16 0.1 17 0.5 18 1.0 19 2.0 20 3.0 ──────────────────────────── 21 0.1 22 0.5 23 1.0 24 2.0 25 3.0 ────────────────────────────
【表4】 ──────────────────────────── 試験区 80%エタノール粗抽出物 トコフェロール ──────────────────────────── 16 1.2 17 2.2 18 3.8 19 3.4 20 3.4 ──────────────────────────── 21 1.2 22 1.8 23 1.8 24 2.2 25 1.8 ──────────────────────────── 以上の結果より明らかなように、前記水性化粧料と同様
にα−トコフェロールは抗光酸化性に関しては効果が小
さいことが明かとなった。
【0030】一方、抗光酸化性物質を配合した場合、
1.0%未満では明確な皮膚劣化防止作用の向上は認め
られないが、1.0〜2.0%で優れた皮膚劣化防止作
用が認められた。なお、2.0%を越えて配合しても効
果に大きな相違は認められなかった。なお、このように
油性成分を多く含むか否かにより抗光酸化性物質の最適
添加量が異なるのは、当該抗光酸化性物質に化粧品基剤
である油分の酸化防止作用もあるため、当該化粧品自体
の抗酸化に消費されることによると考えられる。以上の
結果を総合すると、油性成分を5%以下程度しか含まな
い非油性皮膚外用剤の場合には、本発明にかかる抗光酸
化性物質を0.02〜0.2%含有させることが好適で
ある。また、油性成分を5%を越えて配合するような油
性皮膚外用剤の場合には、抗光酸化性物質の最適添加量
は1.0〜2.0%であることが理解される。なお、本
発明で用いられる抗光酸化性物質は、溶解性も良好で非
油性、油性の皮膚外用剤に完全に溶解された。次に本発
明にかかる抗光酸化性皮膚外用剤の具体的な実施例につ
いて説明する。なお、各実施例にかかる皮膚外用剤とも
優れた皮膚劣化防止作用を有する。
【0031】実施例1 栄養乳液 油 相 ビースワックス 1.0 ワセリン 2.0 脱臭ラノリン 1.5 月見草油 6.0 セチルイソオクタノエート 4.0 ポリオキシエチレン(2モル)オレイルエーテル 2.0 エチルパラベン 0.2 ブチルパラベン 0.1 香料 0.3 水 相 カルボキシビニルポリマー 0.2 グリセロールリン酸 0.1 ジプロピレングリコール 2.0 L−アルギニン 0.2 精製水 残 余 80%エタノール粗溶出物 1.5 <製法>油相部と水相部をそれぞれ別個に加熱し攪拌溶
解する。油相部を水相部中に添加し、乳化、冷却して栄
養乳液を得る。
【0032】実施例2 ファンデーション 油 相 デカメチルシクロペンタシロキサン 21.6 ジメチルポリシロキサン(n=5〜20) 5.0 トリメチルシロキシシリケート 5.0 スクワラン 5.0 香料 0.2 ポリオキシアルキレン変性 オルガノポリシロキサン 4.0 デキストリン脂肪酸エステル処理粉末 35.0 水 相 イオン交換水 残 部 エチルアルコール 10.0 ポリエチレングリコール 3.0 L−グルタミン酸ナトリウム 1.2 クエン酸ナトリウム 0.1 コンドロイチン硫酸ナトリウム 0.1 80%エタノール粗溶出物 2.0
【0033】<製法>油相を攪拌混合し、また水相も混
合溶解する。そして、両者を混合し、ファンデーション
を得た。実施例3 化粧水 クエン酸 0.1 スルホ石炭酸亜鉛 0.2 グリセリン 5.0 ポリオキシエチレン(20モル) オレイルアルコールエーテル 1.0 エチルアルコール 20.0 精製水 残 余 香料 0.2 80%エタノール粗溶出物 0.07
【0034】<製法>精製水にクエン酸、スルホ石炭酸
亜鉛、グリセリンを溶解する(水相)。エチルアルコー
ルにポリオキシエチレンオレイルアルコールエーテル、
香料、80%エタノール粗溶出物を溶解する(アルコー
ル相)。水相にアルコール相を加えて可溶化し、濾過す
る。実施例4 ヘアトニック アルコール相 95%エチルアルコール 10.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.0 プロピレングリコール 4.0 オレイルアルコール 0.1 L−メントール 0.5 80%エタノール粗溶出物 0.15 水 相 イオン交換水 残 余 紫外線吸収剤 適 量 グリセリン 5.0
【0035】<製法>水相、アルコール相をそれぞれ調
製後、可溶化する。なお、本実施例にかかるヘアトニッ
クによれば、頭皮の劣化に起因する脱毛、白髪化が抑制
される。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる抗
光酸化性皮膚外用剤は、有効成分としてゴマ細胞培養で
得られた抗光酸化性物質を用いているので、安全性及び
使用性に優れ、しかも顕著な皮膚劣化防止作用を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明にかかる皮膚外用剤に用いられる
有効成分の抗光酸化性の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/48 9051−4C (72)発明者 小島 清隆 東京都中央区銀座7−5−5 株式会社資 生堂内 (72)発明者 三村 精男 静岡県富士市宮下453−7 (72)発明者 竹林 恵一 茨城県筑波市春日2−18−5 (72)発明者 高原 義昌 千葉県習志野市谷津5−29−8 (72)発明者 大澤 俊彦 愛知県春日井市押沢台7−9−8

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴマ(Sesamun indicum L)の植物成体か
    ら誘導した増殖性細胞を培地に培養し、その培養物の8
    0%アルコール粗溶出物を含むことを特徴とする抗光酸
    化性皮膚外用剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルコール粗溶出物を
    0.02重量%以上含むことを特徴とする抗光酸化性皮
    膚外用剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のアルコール粗溶出物を
    0.02〜0.2重量%含むことを特徴とする非油性抗
    光酸化性皮膚外用剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のアルコール粗溶出物を
    1.0〜2.0重量%含むことを特徴とする油性抗光酸
    化性皮膚外用剤。
JP3240496A 1991-08-27 1991-08-27 抗光酸化性皮膚外用剤 Withdrawn JPH05170658A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITMI20121262A1 (it) * 2012-07-19 2014-01-20 Vitalab S R L "composizioni cosmetiche a base di estratti idrosolubili derivati da cellule di dolichos in coltura liquida"

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ITMI20121262A1 (it) * 2012-07-19 2014-01-20 Vitalab S R L "composizioni cosmetiche a base di estratti idrosolubili derivati da cellule di dolichos in coltura liquida"

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