JPH05170535A - 不定形炭素質耐火物の製造方法 - Google Patents

不定形炭素質耐火物の製造方法

Info

Publication number
JPH05170535A
JPH05170535A JP3345554A JP34555491A JPH05170535A JP H05170535 A JPH05170535 A JP H05170535A JP 3345554 A JP3345554 A JP 3345554A JP 34555491 A JP34555491 A JP 34555491A JP H05170535 A JPH05170535 A JP H05170535A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbonaceous
carbonaceous powder
powder
refractory
aggregate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3345554A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Hashiguchi
正一 橋口
Jinichi Miyasaka
仁一 宮坂
Junji Eguchi
順二 江口
Shojiro Sawada
庄次郎 澤田
Takeshi Osawa
剛 大沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Kasei Co Ltd
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Osaka Kasei Co Ltd
Mitsubishi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Kasei Co Ltd, Mitsubishi Kasei Corp filed Critical Osaka Kasei Co Ltd
Priority to JP3345554A priority Critical patent/JPH05170535A/ja
Publication of JPH05170535A publication Critical patent/JPH05170535A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高い炭化歩留りで、高特性の不定
形炭素質耐火物を製造しうる。 【構成】 無機物系骨材と炭素質骨材および熱硬化性樹
脂を混合して不定形炭素質耐火物を製造するに際して、
固定炭素、ロガ指数等が特定値を有する炭素質粉末を添
加することを特徴とする不定形炭素質耐火物の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高炉用出銑口、出鋼口の
閉塞材(マッド材)、高炉出銑樋材、流し込み材、高炉
樋の内張、その補修材、転炉、AOD炉、取り鍋等の各
種工業用炉の補修材、転炉の熱間吹き付け補修材、電気
炉、転炉等の炉壁等の補修するときに使用される目地
材、ラミング材、充填材に使用される不定形即ちペース
ト状の炭素質耐火物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来転炉等の出銑口閉塞材(マッド材)
等に使用される不定形炭素質耐火物はマグネシア、ドロ
マイト、粘土、シャモット、アルミナ、ろう石、コーク
ス、天然黒鉛あるいは炭化ケイ素等の耐火物原料にコー
ルタール系原料、あるいはフェノール樹脂等の熱硬化性
樹脂をバインダーとして混練した混合物が使用されてい
た。不定形炭素質耐火物は高炉、電炉等の銑鉄や合金の
溶融物を入れるための容器や溶けた銑鉄等を移動するた
めの樋等を補修したり、高炉から銑鉄を抜き出した出口
を塞ぐためのマッド材等として使用されている。
【0003】そのために該不定形炭素質耐火物は鉄の融
点以上、すなわち1500℃以上、1700℃付近の高
温で使用されるものであり、鉄等の高温物と接触するこ
とにより焼成されるものである。銑鉄等を出銑した後の
開口部は不定形炭素質耐火物を挿入し、埋め込んで塞が
れ、また目地等の亀裂等にも補修のために挿入される
が、これらの施工は高温状態のまま行なわれるので、作
業環境は悪く、工事時間は短いほうが良い。
【0004】そのために不定形炭素質耐火物は良好な施
工性、すなわち良好な可塑性、流動性を持ち、マッドガ
ン等で容易に挿入され、定形炭素質耐火物表面を簡単に
覆い、目地等に浸入するものであり、良好な充填性を持
つ必要がある。また、該不定形炭素質耐火物を挿入して
いる間は粘度の変化が少なく、挿入機等を閉塞すること
なく、容易に施工されるものである必要がある。しか
し、出銑口、目地等に施工されてからは短時間に焼結・
炭化し、強度の発現が早く、すぐに出銑口等を塞ぐ必要
があり、初期は溶けた鉄等が漏れ出さない位のある程度
以上の強度を持つ必要がある。また該不定形炭素質耐火
物は鉄の融点以上、すなわち1500℃以上、1700
℃付近の高温で使用されるものであるために、寿命の長
いものが要求されている。すなわち、目地等の補修工事
は高温状態で行なわれるために作業環境が悪いので、該
不定形炭素質耐火物は、寿命を長くして工事回数を少な
くする努力がなされている。
【0005】さらに、高炉等から溶けた銑鉄等を出銑す
るときは、開口部を開けるが、作業環境が悪いので出来
るだけ早く作業が終了することが望ましく、開口作業性
が良いことが必要であり、容易に孔が開けやすい方が良
い。該不定形炭素質耐火物は、高温で溶けた銑鉄等と接
触するものであるために高温下での結合強度が高く、耐
酸化性が高くかつ嵩密度が高いものが良く、銑鉄等と濡
れにくく、銑鉄等が気孔等に浸入しにくく、かつ耐食性
の高いものが望まれており、そのために濡れ性の悪い天
然黒鉛等の炭素質骨材を添加しているのが現状である。
また熱伝導率が良いほうが、熱の伝わり方が早く、短時
間に内部まで高温になるので早く炭化しやすい。さらに
温度分布がつきにくく、熱による歪が小さくなるよう
に、熱伝導性の良い炭素質骨材を添加している。
【0006】さらに、該不定形炭素質耐火物は炭化、焼
成後高温で使用され、また溶けた銑鉄等の通路にもな
る。したがって、常温付近の温度から鉄の融点以上の高
温に急激に上昇するので、耐熱衝撃性の強いものが要求
されており、そのために耐摩耗性が高く、熱膨張係数
(CTE)の低いものが要求されている。また該不定形
炭素質耐火物は定形炭素質耐火物と接触して使用される
ものであり、焼成後の熱膨張係数が定形炭素質耐火物と
同等であるものが好ましい。すなわち該不定形炭素質耐
火物の焼成体と定形炭素質耐火物の熱膨張係数が異なる
と高温での寸法変化に差が生じ、接触面に歪が発生し、
耐火物が割れ、また隙間に銑鉄が浸入して耐火物が割れ
る。接触面に隙間が発生し銑鉄が漏れる、等の問題が発
生する恐れがある。
【0007】それらを改良するために熱膨張係数の低い
天然黒鉛等の炭素質骨材を添加して、熱膨張係数を改良
しているのが現状である。また、該不定形炭素質耐火物
の焼成体の熱膨張係数を定形炭素質耐火物の熱膨張係数
と同じになるように努力されており、不定形炭素質耐火
物の組成を定形炭素質耐火物の組成と同じになるように
工夫されている。さらには従来のフェノール樹脂等の熱
硬化性樹脂にバインダーピッチを混合し、特性を向上す
る等の努力がなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来不定形炭
素質耐火物用バインダーとして使用されているフェノー
ル樹脂等の熱硬化性樹脂は、硬化時に凝縮水を発生し膨
張する、焼成時の炭化歩留りが低いために耐火物の嵩密
度、圧縮強度、曲げ強度、弾性率等の機械的特性が低下
する、さらにはこれらの熱硬化性樹脂は難黒鉛化性であ
るために、その炭化物は結晶性が悪く、熱伝導率が低
く、熱膨張率が高い、および耐スポーリング等の熱的特
性等が低下する、また耐酸化性が低いために耐火物中の
バインダー成分が選択的に消耗して、骨材等が脱落し強
度が低下する、等の問題があった。また耐酸化性が悪
く、高温下での消耗が大きいので、高温状態での強度低
下も大きい。またさらに一般に高温状態での強度、およ
び強度の低下はガス等と反応させた後の強度(反応後強
度)の大小で表わされるが、その反応後強度も低下す
る。
【0009】それらを改良するために熱膨張係数が低
く、結晶性の良い天然黒鉛等の炭素質骨材を添加して熱
膨張係数を改良しているのが現状であるが、これらはバ
インダーとの濡れ性が悪いので、耐火物の嵩密度が低く
なる傾向にあり、機械的強度、耐酸化性、耐食性が悪い
という問題があった。また一般に定形炭素質耐火物より
も不定形炭素質耐火物は高流動性を要求されているため
にバインダーであるフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の
配合割合は多くして使用されている。そのために難黒鉛
化性炭素であるフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の炭化
物の割合は多くなり、結晶性は定形炭素質耐火物よりも
悪いのが現状であり、熱的特性は低下する。また不定形
炭素質耐火物は高炉等の中で、溶けた銑鉄等の熱で硬
化、焼成されるために昇温速度が早く、フェノール樹脂
等の熱硬化性樹脂は発泡し、不定形炭素質耐火物の嵩密
度はますます軽くなり、機械的強度等が低下する恐れが
あった。
【0010】またバインダーピッチ等のコールタール系
原料は易黒鉛化性ではあるが、熱可塑性であり、400
℃以上の高温でないと固化しない、また短時間では50
0℃以上の温度でないと固化しないために、高炉等で使
用時にピッチが固化する時間が非常に長く、ピッチが固
化前に溶けた銑鉄等が流出する恐れがある。またピッチ
が固化する前に耐火物中から流出し、耐火物が劣化する
等の恐れがあり、さらには高炉で使用時に黒煙やヒュー
ムが発生する等の問題があった。
【0011】またさらにはバインダーピッチをフェノー
ル樹脂等の熱硬化性樹脂に混合し、炭化物の組織を制御
することにより、すなわちフェノール樹脂等の熱硬化性
樹脂のみでは炭化物は等方性組織になり、難黒鉛化性で
はあるがバインダーピッチを添加することによりモザイ
ク組織からファインモザイク組織に制御し、それにより
不定形炭素質耐火物の特性を改良する努力がなされてい
る。
【0012】しかし、高炉等で使用時に黒煙や異常発塵
が発生する等の環境問題があり、またフェノール樹脂等
の熱硬化性樹脂との混合物であるために結晶性はさほど
向上しないのが現状である。そのような状況のもと、も
っと安全で効率良く、高特性となる不定形炭素質耐火物
の製造方法の出現が望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は上記
課題を解決すべく、鋭意検討した結果、マグネシア、ド
ロマイト等の無機物系骨材、天然黒鉛等の炭素質骨材を
フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂をバインダーとして混
合し、高炉等で使用する不定形炭素質耐火物を製造する
にあたり、ある特性を有する炭素質粉末を添加すること
により、上記課題を解決することを見出し、本発明に到
達した。
【0014】すなわち本発明の要旨は、無機物系骨材、
炭素質骨材およびフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を混
合して、不定形炭素質耐火物を製造するに際して、下記
(1)〜(9)の少なくとも一つの特性を有する炭素質
粉末を添加することを特徴とする不定形炭素質耐火物の
製造方法にあり、従来の熱硬化性樹脂のみを使用した方
法と何ら変りない方法で、不定形炭素質耐火物が製造可
能であり、高特性となるものである。
【0015】(1)固定炭素が50%以上であり、かつ
単味でギーセラー流動度を測定したときの流動開始温度
が200〜500℃である炭素質粉末。 (2)固定炭素が50%以上であり、かつボタン指数が
1以上である炭素質粉末。 (3)固定炭素が50%以上であり、かつロガ指数が3
0以上である炭素質粉末。 (4)固定炭素が50%以上であり、かつ1トン/cm
2 の成形圧力で棒状に成形した成形体を1000℃まで
焼成した時の体積収縮率が3%以上である炭素質粉末。 (5)固定炭素が50%以上であり、かつ1トン/cm
2 の成形圧力で棒状に成形した成形体を1000℃まで
焼成した時の該成形体の曲げ強度が200kg/cm2
以上となる炭素質粉末。 (6)硬化、焼成時に該熱硬化性樹脂に溶けにくい炭素
質粉末であり、かつ無機物系骨材と炭素質粉末を1:1
で混合し、1000℃まで焼成したもののX線回折によ
る結晶性が熱硬化性樹脂の焼成品より良い炭素質粉末。 (7)硬化、焼成時に該熱硬化性樹脂に溶けにくい炭素
質粉末であり、かつ無機物系骨材と炭素質粉末を1:1
で混合し、1000℃まで焼成後、さらに2800℃ま
で黒鉛化したものの粉砕品のX線回折による(002)
面の面間隔C0 が7Å以下である炭素質粉末。 (8)硬化、焼成時に該熱硬化性樹脂に溶けにくい炭素
質粉末であり、かつ該炭素質粉末を1トン/cm2 の成
形圧力で棒状に成形した成形体を1000℃まで焼成
後、さらに2800℃まで黒鉛化した時の該成形体の室
温(25℃)から125℃までの熱膨張係数が10×1
-6/℃以下である炭素質粉末。 (9)フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の炭化品の酸化
消耗量が20%以上となる条件で、また黒鉛化品では1
0%以上となる条件で該炭素質粉末の炭化品および黒鉛
化品の酸化消耗量がそれぞれ20%以下、10%以下と
なる炭素質粉末。
【0016】以下本発明を詳細に説明する。まず、本発
明において不定形炭素質耐火物の製造時に使用される無
機物系骨材としては、マグネシア、ドロマイト、粘土、
シャモット、アルミナ、ろう石等があるが、それらを単
独で使用しても良く、数種類の骨材を混合して使用して
も良く、炭化ケイ素等の粉末を添加しても良い。
【0017】また、炭素質骨材としては、天然黒鉛、人
造黒鉛、仮焼コークス、等が挙げられるが、それらを単
独で使用しても良く、数種類の骨材を混合して使用して
も良いが、通常は天然黒鉛が骨材として使用されてい
る。またここで使用される熱硬化性樹脂としてはノボラ
ック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、変
性フェノール樹脂、フラン樹脂等があるが、通常は硬化
剤を含むノボラック型フェノール樹脂、硬化剤を含まな
いノボラック型フェノール樹脂で使用時に硬化剤を添加
して使用、さらにレゾール型フェノール樹脂等が使用さ
れる。それらの樹脂はエタノール等のアルコール類を溶
媒とした溶液状のものでも良く、粉末状態のものでも良
く、液体状態のものでも良く、さらにはそれらを混合し
たものでも良い。
【0018】上記の無機物系骨材、炭素質骨材及び熱硬
化性樹脂の使用量は、常法に従い適宜選定しうる。すな
わち、一般に、無機物系骨材と炭素質骨材は、60:4
0〜99:1(重量比)程度から選ばれ、一方、熱硬化
性樹脂は、骨材全量100に対し1〜20(重量)程度
から選ばれる。該炭素質粉末の硬化、焼成時の炭化歩留
りは従来使用されているフェノール樹脂等の熱硬化性樹
脂と同等以上であれば良く、好ましくは固定炭素は50
%以上であり、さらには55%以上が好ましく、最も好
ましくは60%以上である。
【0019】また該炭素質粉末は単味でギーセラー流動
度を測定したときに若干でも流動性が認められるもので
あれば良いが、好ましくは流動度が100DDPM以上
のものが好ましく、さらに好ましくは流動度が200D
DPM以上のものである。また流動開始温度としては5
00℃以下のものが望ましく、さらには450℃以下の
ものがよい。ここでギーセラー流動度はJIS M 8
801に準じて測定されたものであるが、測定粒度は骨
材等および熱硬化性樹脂等と混合するときの粒度におけ
るギーセラー流動性を表わすものである。
【0020】しかし流動性が高過ぎると炭化歩留りが低
くなり、ガス発生量が多くなるために流動性はある流動
度以下のものが好ましい。この上限の流動度について該
炭素質粉末単味でギーセラー流動度を測定したときは最
高の流動度60000DDPMを超えてしまうので、単
味のギーセラー流動度が300DDPM以下である石炭
9割と該炭素質粉末1割の混合物のギーセラー流動度が
3000DDPM以下である炭素質粉末が好ましく、さ
らにはギーセラー流動度が2000DDPM以下である
ものが好ましく、最も好ましくは1000DDPM以下
である。
【0021】また流動開始温度としては200℃以上の
ものが望ましくさらには250℃以上のものがよく、最
も好ましくは300℃以上である。ここで使用する石炭
としては弱粘炭、無煙炭等が利用できる。また該炭素質
粉末のボタン指数は1以上である炭素質粉末が好まし
い。ここでボタン指数はJIS M 8801に準じて
測定されたものであるが、測定粒度は骨材等および熱硬
化性樹脂等と混合するときの粒度におけるボタン指数を
表わすものである。
【0022】また炭素質粉末は適度の接着性を保持する
必要であり、ロガ指数が30以上である炭素質粉末が好
ましい。さらには35以上のものが好ましい。また該炭
素質粉末単味を成形圧力1トン/cm2 で成形体にして
1000℃で焼成したときに該成形体が型くずれしない
ものが望ましく、さらには該成形体の曲げ強度が高いも
のが耐火物の特性を向上する効果が大きく、曲げ強度が
200kg/cm2 以上のものが好ましく、さらには曲
げ強度が300kg/cm2 以上のものが好ましい。こ
のような炭素質粉末は加熱時に溶けそれにより骨材同志
を十分接着するものである。
【0023】また焼成時に収縮性の大きな炭素質粉末が
硬化、焼成時に発生した気孔、欠陥を収縮させ、気孔、
欠陥を減少させるに効果が大きく、本発明で添加するも
のとしては焼成時の収縮性の大きな炭素質粉末が良い。
特にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂は硬化、焼成初期
に低分子を大量に発生するので、低分子が発生する前、
発生するときに収縮しても効果が小さいので、低分子が
発生した後も収縮するものが好ましい。すなわちフェノ
ール樹脂等の熱硬化性樹脂は150℃付近から硬化を起
こし、低分子を発生するので、150℃以上から収縮を
開始するものが望ましく、さらには200℃付近で硬化
が激しいので200℃以上から収縮を開始するものが望
ましく、さらには250℃付近で硬化が終了するので、
250℃以上から収縮を開始するものが最も望ましい。
【0024】また使用する炭素質粉末としては若干でも
収縮するもので良いが、1トン/cm2 の成形圧力で棒
状に成形した成形体を1000℃まで焼成した時の体積
収縮率が3%以上であるものが好ましく、さらには5%
以上のものが好ましく、最も好ましくは8%以上であ
る。ここで該膨脹収縮量測定のための棒状成形体はJI
S M 8801に準じて調製されたものであるが、測
定粒度は骨材等および熱硬化性樹脂等と混合するときの
粒度における収縮量を表わすものである。また該成形体
の昇温速度は3℃/minである。
【0025】これらの炭素質粉末はフェノール樹脂等の
熱硬化性樹脂からの低分子の発生量が減少してから収縮
するものが望ましい。また該炭素質粉末が単独で収縮し
ても収縮した跡に欠陥が残存しては意味がなく、該炭素
質粉末はフェノール樹脂とともにバインダーとして働
き、無機物系骨材、炭素質骨材と接着した状態で収縮す
ることにより、気孔、欠陥を減少するものであり、これ
らの骨材と接着するものでなくてはならない。
【0026】また該炭素質粉末の硬化、焼成時の炭化歩
留りは高い方が気孔、欠陥が増えにくいので該炭素質粉
末の固定炭素は高い方が良い。また該炭素質粉末はこれ
らの熱硬化性樹脂と溶けにくく、炭化した時に相互作用
を起しにくいものが良く、それにより結晶性が低下しな
いものが良い。すなわち該炭素質粉末はこれらの熱硬化
性樹脂が溶融している間は溶融せず、固体状態で存在
し、これらの熱硬化性樹脂と溶け合わないものであり、
これらの熱硬化性樹脂が固化してから溶けるものであれ
ば良い。
【0027】一般に熱硬化性樹脂は150〜200℃付
近から硬化を開始し、硬化時間、硬化剤の種類、昇温速
度にもよるが250〜300℃付近で硬化が終了すると
いわれているので、該炭素質粉末の軟化点は250℃以
上のものが良く、さらには300℃以上のものが好まし
い。また該炭素質粉末が低分子であれば、熱硬化性樹脂
と溶け合い、相互作用を起こし、結晶性が悪くなるの
で、該炭素質粉末は熱硬化性樹脂に溶けないほどの高分
子量のものが良く、それにより該炭素質粉末と熱硬化性
樹脂の相互作用は少なくなり、該炭素質粉末特有の特性
が出現可能となる。
【0028】該炭素質粉末は熱硬化性樹脂に溶けにくい
ものであれば良いが、好ましくはトルエン不溶分は40
%以上でありさらには50%以上であり、最も好ましく
は60%以上である。該炭素質粉末の軟化点が200℃
以下であれば、耐火物を硬化、焼成時に熱硬化性樹脂が
完全に硬化する前に溶融し、相互作用を起こす。また該
炭素質粉末のトルエン不溶分が30%以下であれば、該
炭素質粉末は熱硬化性樹脂に溶けやすくなり、相互作用
を起こしやすく、硬化、焼成時に生成する炭化物の組織
はモザイク組織からファインモザイク組織になり、さら
には熱硬化性樹脂の混合割合が多いときには等方性組織
となり、結晶性が悪くなり、該炭素質粉末の添加効果が
小さくなるので、該炭素質粉末と熱硬化性樹脂を混合
後、炭化したときの炭素質粉末の組織が該炭素質粉末を
単味で炭化したときの組織と変わらないものが好まし
い。
【0029】また、該炭素質粉末は無機物系骨材、炭素
質骨材および熱硬化性樹脂とある程度なじみやすいもの
が良く、さらに、該炭素質粉末同志が加熱時に若干でも
接着するものが良い。また、該炭素質粉末はトルエンま
たはキノリン、タール系留出オイル等のピッチ等のれき
青物をよく溶かす溶媒に少しでも溶けるものが良く、キ
ノリン不溶分は100%未満が好ましく、さらには99
%以下が良く、最も好ましくは98%以下である。
【0030】また硬化、焼成時に生成する炭化物の結晶
性は良いほうが熱伝導率が良く、耐酸化性、耐スポーリ
ング性が良好となるので、該炭素質粉末は従来バインダ
ーとして使用されているフェノール樹脂等の熱硬化性樹
脂から得られる炭化物より結晶性が良くなるものであれ
ば良い。また該不定形炭素質耐火物は一般に定形炭素質
耐火物よりも流動性が良いが、そのためにバインダーで
あるフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の配合割合も多く
なっている。フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の炭化物
の結晶性は悪く、耐酸化性も定形炭素質耐火物より悪く
なる恐れがある。該不定形炭素質耐火物は一般に定形炭
素質耐火物に接した状態で使用されるので、不定形炭素
質耐火物の結晶性が悪いと不定形炭素質耐火物の方が早
く消耗する。すなわち選択的に不定形炭素質耐火物が消
耗されて、耐火物が脱落する等の問題も生じるので、該
不定形炭素質耐火物中のバインダー成分に由来する炭素
の結晶性は良いものが望ましく、さらには定形炭素質耐
火物中の炭素と同等の結晶性のものが望ましい。
【0031】すなわち該炭素質粉末はフェノール樹脂等
の熱硬化性樹脂から得られる炭化物より結晶性が良いも
のが望ましく、該炭素質粉末を単味で1000℃まで焼
成したもののうち、熱硬化性樹脂の焼成品よりX線回折
による結晶性が良い炭素質粉末が好ましい。さらには該
炭素質粉末と熱硬化性樹脂を混合後、炭化したときの炭
素質粉末のX線回折による結晶性が熱硬化性樹脂を単味
で炭化したときのX線回折による結晶性よりも良いもの
が好ましい。
【0032】また無機物系骨材は一般に結晶化阻害成分
として働くので、不定形炭素質耐火物を焼成する時に不
定形炭素質耐火物中のバインダーは無機物系骨材の影響
で結晶性が悪くなる恐れがあるので、該炭素質粉末と無
機物系骨材を混合して炭化した時にも結晶性が良くなる
炭素質粉末が望ましく、該炭素質粉末と無機物系骨材を
1:1で混合し、1000℃まで焼成後、さらに280
0℃まで黒鉛化したものの粉砕品のX線回折による(0
02)面の面間隔C0 が7.0Å以下となる炭素質粉末
が好ましく、さらには6.95Å以下のものが好まし
く、最も好ましくは6.90Å以下である。さらに該炭
素質粉末を単味で焼成、黒鉛化したものの面間隔C0
6.9Å以下のものが好ましく、さらには6.85Å以
下のものが好ましく、最も好ましくは6.80Å以下で
ある。
【0033】ここで無機物系骨材としてはマグネシア、
アルミナ等が使用できる。ここで該面間隔C0 は焼成、
黒鉛化時の昇温速度によっても変わるので焼成時の昇温
速度は3℃/min、黒鉛化時の昇温速度は20℃/m
inとする。ここでX線回折の測定はCuのKα線を使
用し、学振法により解析する。また該炭素質粉末の結晶
性はその粒度によっても変化する可能性があるので、こ
こでは該無機物系骨材等の粒度は200メッシュ以下の
ものを使用する。
【0034】またこれらの該炭素質粉末を1000℃ま
で焼成した炭化物、または黒鉛化品の耐酸化性は良好と
なるものが好ましい。すなわち該炭化物、黒鉛化品を空
気中で処理した時にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂か
らの炭化物、黒鉛化品より燃えにくいものであれば良
く、空気の存在下該炭化物、黒鉛化品が完全に燃焼しな
い条件で加熱処理した時に重量減少量が低いものが良
い。
【0035】これらの重量減少量は空気中での処理温
度、処理時間、炉の形式、空気中酸素の濃度、空気の流
動、補給状態等によっても変動するものである。例えば
空気中での処理温度が高く、処理時間が長くなれば該炭
化物、黒鉛化品の重量減少量が多くなり、1000℃以
上で長時間処理すると完全に燃焼してしまうので500
〜800℃で処理すると該炭化物、黒鉛化品は残存す
る。
【0036】処理時間を調整して重量減少量を適当な範
囲に入るようにするのが好ましい。例えば600℃では
10分間、550℃では30分間、500℃では60分
間処理等のようにして重量減少量を10〜80%前後と
なるように調整して評価することができる。本発明にお
ける炭素質粉末はフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の炭
化品の重量減少量が20%以上となる条件で、また黒鉛
化品では10%以上となる条件で該酸素質粉末の炭化
品、黒鉛化品の重量減少量がそれぞれ20%以下、10
%以下となる炭素質粉末が望ましく、さらに好ましくは
15%以下、8%以下である。
【0037】また耐酸化性は該炭素質粉末中の灰分によ
っても変わるものである。すなわち灰分が高いと酸化消
耗量が高いので該炭素質粉末中の灰分量は低いほが良く
好ましくは1%以下であり、さらに好ましくは0.5%
以下であり、最も好ましくは0.3%以下である。また
該酸化消耗はこれらの炭化物、黒鉛化品の粒度によって
も変化するので測定粒度は100〜200メッシュとす
る。
【0038】また熱膨張係数が低いほうが耐熱衝撃性が
高く、寸法変化が小さいので該炭素質粉末の炭化物、黒
鉛化品の熱膨張係数は従来バインダーとして使用されて
いるフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂から得られるもの
より低いものが好ましい。また該不定形炭素質耐火物は
定形炭素質耐火物よりもフェノール樹脂等の熱硬化性樹
脂の割合が多いので、定形炭素質耐火物よりも熱膨張係
数が高くなる恐れがある。該不定形炭素質耐火物は一般
に定形炭素質耐火物に接した状態で使用されるので、不
定形炭素質耐火物の熱膨張係数が高いと、高温での寸法
変化に差が生じ、不定形炭素質耐火物と定形炭素質耐火
物の接触面に大きな歪が発生する、隙間が開く、割れ
る、剥離する等の問題が起こる恐れがあるので、該不定
形炭素質耐火物の熱膨張係数は低い方が良く、さらには
定形炭素質耐火物と同等のものが好ましい。
【0039】該炭素質粉末はフェノール樹脂等の熱硬化
性樹脂からの焼成体の熱膨張係数より良いものであれば
良いが、該炭素質粉末を1トン/cm2 の成形圧力で棒
状に成形した成形体を1000℃で焼成後、さらに28
00℃まで黒鉛化した時の該成形体の室温(25℃)か
ら125℃までの熱膨張係数が10×10-6/℃以下で
ある炭素質粉末が好ましく、さらには8×10-6/℃以
下のものが好ましく、最も好ましは6×10-6/℃以下
である。また熱膨張係数は焼成、黒鉛化時の昇温速度に
よっても変わるのでそれぞれ3℃/min、20℃/m
inの昇温速度とする。また熱膨張係数は石英ガラスを
標準試料として補正する。また測定時の昇温速度によっ
ても変わるので20℃/minとする。
【0040】またこのような炭素質粉末はコールタール
の蒸留、熱処理により生成するコールタールピッチ、石
油系重質油、または灰分が高い時には灰分を低減したも
のの熱処理生成物、またそれらの水添処理生成物中の触
媒等の灰分を低減したもの、及びそれらの熱処理生成
物、及びナフタリン等の低分子化合物を重縮合して得た
ピッチ中の触媒等の灰分を低減したもの、またそれらの
熱処理生成物、及び石炭等のれき青物を水添して得られ
た石炭液化物の灰分を低減したもの、またそれらの熱処
理生成物、さらにはこれらを溶剤で処理して得られた重
質成分、それらの熱処理生成物が含まれ、灰分の低いピ
ッチ類、メソカーボン、バルクメソフェーズ等が含ま
れ、メソフェーズを含まなくても良いが、メソフェーズ
を含むものでも良い。さらにはそれらを熱処理して得た
コークス類でも良い。
【0041】さらには該ピッチ類、生コークス類を混合
したもの、またカーボンブラック、仮焼コークス等の灰
分の低い微粉末、活性炭等を該ピッチ類、生コークス類
に混合したものを熱処理したものでも良く、生成した炭
素質粉末の灰分が低いものであれば良い。該炭素質粉末
を製造するための原料は、灰分が低いものであればその
まま処理することが可能であるが、灰分が高い時には濾
過、遠心分離、沈降分離、溶剤処理、酸等による灰分除
去等の処理を行なった後に処理することができる。また
濾過、遠心分離、沈降分離は溶媒を添加して粘度を低下
し粒径を大きくする等の処理を施して灰分を沈降しやす
くして処理することもできる。
【0042】また該熱処理はディレードコーカー、オー
トクレープ等により行なわれるが、不活性雰囲気中で熱
処理してもよいが、自生雰囲気中でも良く、酸素存在下
で処理しても良い。また静置状態で熱処理しても良いが
流動状態、および攪拌状態で熱処理することもできる。
これらの炭素質粉末は一種を単独で使用することもでき
るが、二種以上の炭素質粉末を混合して該炭素質粉末の
特性を調整して使用することもできる。
【0043】さらにはカーボンブラック、活性炭等を該
炭素質粉末に添加して、該炭素質粉末の特性を調整して
使用することもできるが、これらの炭素質粉末は固定炭
素が高く、適度な流動性と適度な接着性および炭素質粉
末単味の収縮率が大きく、結晶性が良く、熱膨張係数が
低く、さらには灰分が低いものであれば十分である。こ
れらの炭素質粉末は、常法に従い無機物系骨材、炭素質
骨材をフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂をバインダーと
して混合される時に添加されるが、無機物系骨材、炭素
質骨材およびフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂と同時に
混合しても良いが、別々に混合することもできる。
【0044】すなわち無機物系骨材、炭素質骨材と粉の
状態で混合後にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂と混合
しても良く、無機物系骨材または炭素質骨材と混合後に
もう一方の骨材を混合してフェノール樹脂等の熱硬化性
樹脂と混合しても良く、無機物系骨材、炭素質骨材およ
び炭素質粉末の一種または二種をフェノール樹脂等の熱
硬化性樹脂と混合後に残りの粉末を添加しても良く、さ
らには無機物系骨材、炭素質骨材および炭素質粉末それ
ぞれを、または一種、二種をフェノール樹脂等の熱硬化
性樹脂と混合後、該混合物を混合しても良く、これらの
混合物にさらに無機物系骨材、炭素質骨材、炭素質粉末
およびフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を追加しても良
い。また二種以上の炭素質粉末を混合して特性を調整し
て使用する時は添加前に混合しても良いし、骨材と混合
時に同時に添加しても良いし、別々に添加してもよく、
該炭素質粉末の固定炭素、流動性、接着性、収縮率、結
晶性、熱膨張係数、酸化消耗等が目的の範囲に入るよう
に混合量を決めることができるものである。また二種以
上の炭素質粉末を骨材に添加前に混合するときは、加熱
溶融して混合することもできるし、粉の状態で混合する
こともできる。また均一に分散するために溶媒に分散
後、混合することもできる。
【0045】また該炭素質粉末を無機物系骨材、炭素質
骨材と混合するときは加熱溶融して混合することもでき
るし、粉の状態で混合することもできる。また均一に分
散するために溶媒に分散後、混合することもできるし、
無機物系骨材、炭素質骨材と混合時に溶媒を添加するこ
ともでき、溶媒は該炭素質粉末と同時に混合しても良い
が、該炭素質粉末混合前または後に別々に混合すること
もできる。さらには混合した後に、溶媒をさらに添加し
て、流動性を調整することもできる。
【0046】ここで使用する溶媒としてはトルエン、キ
シレン、およびコールタール等の重質油を蒸留して得ら
れる軽沸点留分等の芳香族系炭化水素、ヘキサン、灯油
等の脂肪族系炭化水素、シクロヘキサン等の環状脂肪族
炭化水素、エタノール、エチレングリコール、プロパノ
ール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、メ
チルエチルケトン等のケトン類等が使用でき、一種の溶
媒でもよいが数種類の溶媒を混合して使用してもよい。
また該溶媒はフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を溶かす
ものでも良いが、溶かさないものでも良く、該炭素質粉
末を少しでも溶かすものでも良いが、溶かさないもので
も良く、両方を溶かすものでも良く、また溶かさないも
のでも良く、溶かさないときには微粉にして分散するこ
とができる。また粉の状態で混合するときは均一に分散
するために粒度は細かい方が良く200μm以下が好ま
しく、さらには100μm以下が好ましい。該炭素質粉
末の粉砕は乾式粉砕でもよいが、溶媒中で液中粉砕後混
合することもできるし乾燥後混合することもできる。ま
たさらにはフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の液体状態
のものの中で粉砕することもできる。
【0047】また該不定形炭素質耐火物は流動状態で使
用するものであるので、粘度を調整して使用することが
できる。すなわち該不定形炭素質耐火物の粘度が高いと
きは適正の流動状態になるように溶媒を添加することが
できる。またフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の液体状
態のものを添加して調整することができる。該不定形炭
素質耐火物の粘度は高炉等に挿入されるために、可塑
性、流動性を持つものであれば良いが、好ましくは使用
される温度において流動性を持つ必要があり、その温度
で100ポイズ以下のものが好ましく、さらには80ポ
イズ以下が好ましく、最も好ましくは60ポイズ以下で
ある。またあまり粘度か低過ぎると該不定形炭素質耐火
物が流出してしまい、補修材、マッド材の効果がなくな
る、また溶媒の量が多く、炭化歩留りが低い、引火点が
低く、使用時に危険である、さらにはフェノール樹脂等
の熱硬化性樹脂の炭化歩留りが低くなる等の問題がある
ので、該不定形炭素質耐火物の粘度は1センチポイズ以
上が好ましく、さらに好ましくは10センチポイズ以上
が好ましく、最も好ましくは30センチポイズ以上であ
る。また溶媒の添加量は該不定形炭素質耐火物の粘度、
残炭分等に応じて、決めることができ、高炉等で使用で
きるような流動性に合せるように添加量を決めることが
できるものである。
【0048】常法では不定形炭素質耐火物は高炉等に挿
入した後に、溶けた銑鉄等の熱で硬化、焼成されるので
不定形炭素質耐火物が硬化、焼成した後に溶媒が揮発す
ると溶媒の抜けた跡が欠陥として残存し、特性が悪化す
る、また硬化中に溶媒が抜けると突沸等の現象により、
不定形炭素質耐火物が膨張し、特性が低下するので、溶
媒の沸点は硬化温度以下のものが好ましい。
【0049】一般にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の
硬化は250℃〜300℃で起こるので、混合する溶媒
の沸点、または50%留出温度(以下平均沸点とい
う。)は300℃以下が好ましく、さらには250℃以
下が好ましく、最も好ましくは200℃以下である。ま
た平均沸点が低過ぎると高炉等に挿入時に溶媒が揮発し
て、粘度が上昇し、操作できない等不定形炭素質耐火物
が変質する、また溶媒の引火点が低くなり、使用時に火
災、爆発の危険性がある等の問題があるので溶媒の平均
沸点は50℃以上が好ましく、さらに好ましくは80℃
以上であり、最も好ましくは100℃以上である。
【0050】また該炭素質粉末の流動性、接着性、収縮
率等は該炭素質粉末の粒度によっても変化するものであ
るが骨材等に混合するときの粒度における固定炭素、流
動性、接着性、収縮率等を示すものである。また骨材等
との混合は常法に従い、ニーダー、混合機等で室温下、
または必要に応じて加温下連続的にまたはバッチ式に行
なわれ、該炭素質粉末の添加量は製品である耐火物の特
性に応じて決定できる。
【0051】すなわち耐火物の特性が最大となるように
添加することができるものであるが、従来バインダーと
して使用されていたフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂よ
りもフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂と該炭素質粉末の
混合品の結晶性、熱膨張係数等の特性が良くなるように
添加量を決めることができるが、好ましくは従来バイン
ダーとして使用していたフェノール樹脂等の熱硬化性樹
脂の添加量に対して通常0.1〜10倍量、さらには
0.3〜5倍量が好ましい。また骨材類の100部に対
しては通常0.3〜100部、さらに好ましくは0.5
〜50部であり、最も好ましくは1〜30部である。
【0052】また該炭素質粉末の添加量に応じて該不定
形炭素質耐火物の粘度は変わるので、炭素質粉末を添加
後に溶媒または溶液、液体状のフェノール樹脂等の熱硬
化性樹脂を添加して粘度を調整することもできる。以上
の操作で得られた骨材とフェノール樹脂等の熱硬化性樹
脂、および炭素質粉末の混合物は従来のフェノール樹脂
等の熱硬化性樹脂のみをバインダーとして製造した時の
不定形炭素質耐火物と何ら使用方法を変えることなく、
高炉等で使用できるものである。すなわち該不定形炭素
質耐火物は常法に従い、マッドガン等の用具を用いて、
閉塞材(マッド材)、補修材、目地材、充填材等として
高炉、電炉、転炉等で使用される。
【0053】また該不定形炭素質耐火物は常法に従い、
高炉等の中の溶けた銑鉄等の熱で硬化、焼成するもので
あり、なんら従来の方法と異なるものではない。またこ
こで使用する炭素質粉末類の軽沸点留分は少ないほうが
良い。すなわち軽沸点留分が多いと焼成時に揮散して気
孔、欠陥として残存し特性が低下するので軽沸点留分は
低い方がよく、360℃以下留分は10%以下が好まし
く、さらには5%以下が好ましい。
【0054】また該炭素質粉末類の揮発分が多いと発泡
して組織が低下する恐れがあるので、揮発分は低いほう
が良く、揮発分量は50%以下が好ましく、さらには4
5%以下が好ましく、40%以下が最も好ましい。この
ようにして製造した不定形炭素質耐火物は従来の製品同
様に使用することが可能であり、なんら従来の使用法を
変える必要はなく、転炉、電炉、また高炉の補修材、マ
ッド材等として利用され、さらに嵩密度、圧縮強度等の
機械的特性、耐酸化性、耐スポーリング等の熱的特性、
さらには反応後強度等の特性も向上するものである。
【0055】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
るが、本発明は後述する実施例に何ら限定されるもので
はない。 (実施例−1)アルミナ85%(組成割合は粗粒(1〜
3mm);45%、中粒(<1mm);25%、細粒
(<200メッシュ);30%)、天然黒鉛15%を混
合した骨材100部に対してエタノールで希釈して粘度
が150センチポイズのレゾール型のフェノール樹脂1
5部を添加し、混合時にコールタールピッチを熱処理し
て得た生コークス(固定炭素;80%、単味のギーセラ
ー流動度;2000DDPM.流動開始温度;340
℃)5部を添加、混合して不定形炭素質耐火物を得た。
該不定形炭素質耐火物は適度な可塑性、粘着性を有して
おり、流動性も良好であった。また100℃、30分間
では該不定形炭素質耐火物の硬化は見られず、従来のフ
ェノール樹脂単味と同等の熱安定性を示した。また硬化
は300℃以上の温度で数分で達成され、従来使用され
ていたフェノール樹脂単味と同等の硬化性を示した。該
不定形炭素質耐火物を成型後、1000℃で焼成して成
形体を得た。該焼成体の圧縮強度は250kg/cm2
であった。。
【0056】(実施例−2)マグネシア85%(組成割
合は粗粒(1〜3mm);45%、中粒(<1mm);
25%、細粒(<200メッシュ);30%)、天然黒
鉛15%を混合した骨材100部に対して実施例−1と
同じレゾール型のフェノール樹脂15部を添加し、混合
時にコールタールピッチを熱処理して得た生コークス
(固定炭素;85%、ボタン指数;1.5)5部を添
加、混合して不定形炭素質耐火物を得た。該不定形炭素
質耐火物は適度な可塑性、粘着性を有しており、流動性
も良好であった。また100℃、30分間では該不定形
炭素質耐火物の硬化は見られず、従来のフェノール樹脂
単味と同等の熱安定性を示した。また硬化は300℃以
上の温度で数分で達成され、従来使用されていたフェノ
ール樹脂単味と同等の硬化性を示した。該不定形炭素質
耐火物を成型後、1000℃で焼成して成形体を得た。
該焼成体の圧縮強度は270kg/cm2 であった。。
【0057】(実施例−3)実施例−1と同様の骨材に
エチレングリコールで希釈して粘度が15ポイズのレゾ
ール型のフェノール樹脂17部を添加し、混合時にコー
ルタールピッチを熱処理して得た生コークス(固定炭
素;88%、単味の1トン/cm2 の成形圧力での成形
体の1000℃までの体積収縮率;12%、粒度;44
μm以下)5部を添加、混合して不定形炭素質耐火物を
得た。該不定形炭素質耐火物は適度な可塑性、粘着性を
有しており、流動性も良好であった。また100℃、3
0分間では該不定形炭素質耐火物の硬化は見られず、従
来のフェノール樹脂単味と同等の熱安定性を示した。ま
た硬化は300℃以上の温度で数分で達成され、従来使
用されていたフェノール樹脂単味と同等の硬化性を示し
た。該不定形炭素質耐火物を成型後、1000℃で焼成
して成形体を得た。該焼成体の圧縮強度は290kg/
cm2 であった。。
【0058】(実施例−4)実施例−2と同様の骨材お
よび実施例−3と同じレゾール型のフェノール樹脂を混
合時にコールタールピッチを熱処理して得た生コークス
(固定炭素;88%、1トン/cm2 の成形圧力で成形
し、1000℃まで焼成して得た成形体の曲げ強度;5
00kg/cm2 )5部を添加、混合して不定形炭素質
耐火物を得た。該不定形炭素質耐火物は適度な可塑性、
粘着性を有しており、流動性も良好であった。また10
0℃、30分間では該不定形炭素質耐火物の硬化は見ら
れず、従来のフェノール樹脂単味と同等の熱安定性を示
した。また硬化は300℃以上の温度で数分で達成さ
れ、従来使用されていたフェノール樹脂単味と同等の硬
化性を示した。該不定形炭素質耐火物を成型後、100
0℃で焼成して成形体を得た。該焼成体の圧縮強度は3
10kg/cm2 であった。。
【0059】(実施例−5)実施例−2と同様の骨材お
よびレゾール型のフェノール樹脂を混合時に灰分が0.
20%のコールタールピッチを熱処理して得た生コーク
ス(灰分0.35%、トルエン不溶分;75%でレゾー
ル型のフェノール樹脂には溶けず、マグネシア粉末(試
薬)と該炭素質粉末を1:1に混合後コークスブリーズ
中3℃/minで昇温し、1000℃まで焼成したもの
の粉砕品のX線回折による結晶性(偏光顕微鏡により観
察した組織;コースモザイク組織)はレゾール型のフェ
ノール樹脂の焼成品(等方性組織)より良好である。)
5部を添加、混合して不定形炭素質耐火物を得た。該不
定形炭素質耐火物は適度な可塑性、粘着性を有してお
り、流動性も良好であった。また100℃、30分間で
は該不定形炭素質耐火物の硬化は見られず、従来のフェ
ノール樹脂単味と同等の熱安定性を示した。
【0060】また硬化は300℃以上の温度で数分で達
成され、従来使用されていたフェノール樹脂単味と同等
の硬化性を示した。該不定形炭素質耐火物を成型後、1
000℃で焼成して成形体を得た。該焼成体の圧縮強度
は320kg/cm2 であった。。また該焼成体を空気
中550℃で10分間処理した時の重量減少量は1.8
%であり、該空気酸化処理品の圧縮強度は210kg/
cm2 であった。。
【0061】(実施例−6)実施例−2と同様の骨材お
よび実施例−3と同じレゾール型のフェノール樹脂を混
合時に灰分が0.17%のコールタールピッチを熱処理
して得た生コークス(灰分0.30%、トルエン不溶
分;77%でレゾール型のフェノール樹脂には溶けな
い、マグネシア粉末(試薬)と該炭素質粉末を1:1に
混合後コークスブリーズ中3℃/minで昇温し、10
00℃まで焼成後さらに2800℃まで黒鉛化したもの
の粉砕品のX線回折による黒鉛結晶の(002)面の面
間隔C0 ;6.79Å)5部を添加、混合して不定形炭
素質耐火物を得た。該不定形炭素質耐火物は適度な可塑
性、粘着性を有しており、流動性も良好であった。また
100℃、30分間では該不定形炭素質耐火物の硬化は
見られず、従来のフェノール樹脂単味と同等の熱安定性
を示した。また硬化は300℃以上の温度で数分で達成
され、従来使用されていたフェノール樹脂単味と同等の
硬化性を示した。該不定形炭素質耐火物を成型後、10
00℃で焼成して成形体を得た。該焼成体の圧縮強度は
315kg/cm2 であった。。また該焼成体を空気中
550℃で10分間処理した時の重量減少量は1.6%
であり、該空気酸化処理品の圧縮強度は215kg/c
2 であった。。
【0062】(実施例−7)実施例−1と同様の骨材お
よびレゾール型のフェノール樹脂を混合時に灰分が0.
18%のコールタールピッチを熱処理して得た生コーク
ス(灰分0.32%、トルエン不溶分;94%でレゾー
ル型のフェノール樹脂には溶けない、該炭素質粉末を1
トン/cm2 の成形圧力で棒状に成形した成形体を10
00℃まで焼成後さらに2800℃まで黒鉛化した時の
該成形体の室温(25℃)から125℃までの熱膨張係
数;4.5×10-6/℃)5部を添加、混合して不定形
炭素質耐火物を得た。該不定形炭素質耐火物は適度な可
塑性、粘着性を有しており、流動性も良好であった。ま
た100℃、30分間では該不定形炭素質耐火物の硬化
は見られず、従来のフェノール樹脂単味と同等の熱安定
性を示した。また硬化は300℃以上の温度で数分で達
成され、従来使用されていたフェノール樹脂単味と同等
の硬化性を示した。該不定形炭素質耐火物を成型後、1
000℃で焼成して成形体を得た。該焼成体の圧縮強度
は325kg/cm2 であった。。また該焼成体を空気
中550℃で10分間処理した時の重量減少量は1.7
%であり、該空気酸化処理品の圧縮強度は220kg/
cm2 であった。。
【0063】(実施例−8)実施例−1と同様の骨材お
よび実施例−3と同じレゾール型のフェノール樹脂を混
合時に灰分が0.15%のコールタールピッチを熱処理
して得た生コークス(灰分0.28%、トルエン不溶
分;93%でレゾール型のフェノール樹脂には溶けな
い、該炭素質粉末を1000℃まで焼成した炭化物を粉
砕して得た100〜200メッシュの粒度の空気の存在
下600℃で30分保持したときの重量減少量;5%)
5部を添加、混合して不定形炭素質耐火物を得た。該不
定形炭素質耐火物は適度な可塑性、粘着性を有してお
り、流動性も良好であった。また100℃、30分間で
は該不定形炭素質耐火物の硬化は見られず、従来のフェ
ノール樹脂単味と同等の熱安定性を示した。また硬化は
300℃以上の温度で数分で達成され、従来使用されて
いたフェノール樹脂単味と同等の硬化性を示した。該不
定形炭素質耐火物を成型後、1000℃で焼成して成形
体を得た。該焼成体の圧縮強度は310kg/cm2
あった。。また該焼成体を空気中550℃で10分間処
理した時の重量減少量は1.4%であり、該空気酸化処
理品の圧縮強度は220kg/cm2 であった。。
【0064】(比較例−1)実施例−1と同じ骨材及び
レゾール型のフェノール樹脂を用い、炭素質粉末を添加
することなく、実施例−1と同様の方法で不定形炭素質
耐火物を得た。該不定形炭素質耐火物は適度な可塑性、
粘着性を有しており、流動性も良好であった。また10
0℃、30分間では該不定形炭素質耐火物の硬化は見ら
れず、熱的には安定であった。また硬化は300℃以上
の温度で数分で達成された。該不定形炭素質耐火物を成
型後、1000℃で焼成して成形体を得た。該焼成体の
圧縮強度は175kg/cm2 であった。。
【0065】(比較例−2)実施例−2と同じ骨材及び
レゾール型のフェノール樹脂を用い、炭素質粉末を添加
することなく、実施例−1と同様の方法で不定形炭素質
耐火物を得た。該不定形炭素質耐火物は適度な可塑性、
粘着性を有しており、流動性も良好であった。また10
0℃、30分間では該不定形炭素質耐火物の硬化は見ら
れず、熱的には安定であった。また硬化は300℃以上
の温度で数分で達成された。該不定形炭素質耐火物を成
型後、1000℃で焼成して成形体を得た。該焼成体の
圧縮強度は170kg/cm2 であった。。
【0066】(比較例−3)実施例−3と同じ骨材及び
レゾール型のフェノール樹脂を用い、炭素質粉末を添加
することなく、実施例−1と同様の方法で不定形炭素質
耐火物を得た。該不定形炭素質耐火物は適度な可塑性、
粘着性を有しており、流動性も良好であった。また10
0℃、30分間では該不定形炭素質耐火物の硬化は見ら
れず、熱的には安定であった。また硬化は300℃以上
の温度で数分で達成された。該不定形炭素質耐火物を成
型後、1000℃で焼成して成形体を得た。該焼成体の
圧縮強度は180kg/cm2 であった。。
【0067】(比較例−4)実施例−4と同じ骨材及び
レゾール型のフェノール樹脂を用い、炭素質粉末を添加
することなく、実施例−1と同様の方法で不定形炭素質
耐火物を得た。該不定形炭素質耐火物は適度な可塑性、
粘着性を有しており、流動性も良好であった。また10
0℃、30分間では該不定形炭素質耐火物の硬化は見ら
れず、熱的には安定であった。また硬化は300℃以上
の温度で数分で達成された。該不定形炭素質耐火物を成
型後、1000℃で焼成して成形体を得た。該焼成体の
圧縮強度は170kg/cm2 であった。。
【0068】(比較例−5)実施例−1と同様の骨材お
よびレゾール型のフェノール樹脂を混合時にコールター
ルピッチを熱処理して得た生コークス(固定炭素;99
%、単味でギーセラー流動度を測定したときの回転せず
流動性が認められない)5部を添加混合後モールド成形
により生成形体を得実施例−1と同様の方法で焼成品を
得た。該焼成体の圧縮強度は165kg/cm2 であっ
た。。
【0069】(比較例−6)実施例−2と同様の骨材お
よびレゾール型のフェノール樹脂を混合時にコールター
ルピッチを熱処理して得た生コークス(固定炭素;98
%、単味の成形体の1000℃までの収縮率:2%以
下、粒度;44μm以下)5部を添加混合後モールド成
形により生成形体を得実施例−1と同様の方法で焼成品
を得た。該焼成品の圧縮強度は180kg/cm2 であ
った。。
【0070】(比較例−7)実施例−5と同様の骨材を
混合時に実施例−5と同様のレゾール型のフェノール樹
脂を添加し、混合後、モールド成形により生成形体を
得、実施例−1と同様の方法で焼成品を得た。該焼成体
の酸化消耗量は5.8%であった。また該空気酸化処理
品の圧縮強度は150kg/cm2 であった。。
【0071】(比較例−8)実施例−5と同様の骨材お
よびレゾール型のフェノール樹脂を混合時に灰分が0.
20%のコールタールピッチを熱処理して得たコールタ
ールピッチ(灰分;0.30%、トルエン不溶分;35
%でレゾール型のフェノール樹脂と高温で溶融し相互作
用をおこす、マグネシア粉末(試薬)と該炭素質粉末を
1:1に混合後コークスブリーズ中3℃/minで昇温
し、1000℃まで焼成したものの粉砕品のX線回折に
よる結晶性はレゾール型のフェノール樹脂の焼成品と同
等である)5部を添加、混合後、モールド成形により生
成形体を得実施例−1と同様の方法で焼成品を得た。該
焼成体の酸化消耗量は5.1%であった。また該空気酸
化処理品の圧縮強度は155kg/cm2 であった。。
【0072】(比較例−9)実施例−6と同様の骨材お
よびレゾール型のフェノール樹脂を混合時にフェノール
樹脂を熱処理して得た生コークス(灰分;Trace、
トルエン不溶分;100%、レゾール型のフェノール樹
脂には溶けない、マグネシア粉末(試薬)と該炭素質粉
末を1:1に混合後コークスブリーズ中3℃/minで
昇温し1000℃まで焼成後、さらに2800℃まで黒
鉛化したものの粉砕品のX線回折による黒鉛結晶の(0
02)面の面間隔C0 が7.05Å)5部を添加、混合
後、モールド成形により生成形体を得、実施例−1と同
様の方法で乾燥処理品、焼成品を得た。該焼成体の酸化
消耗量は5.5%であった。また該空気酸化処理品の圧
縮強度は145kg/cm2 であった。。
【0073】(比較例−10)実施例−7と同様の骨材
およびレゾール型のフェノール樹脂を混合時にフェノー
ル樹脂を熱処理して得た生コークス(灰分;Trac
e、トルエン不溶分;100%でレゾール型のフェノー
ル樹脂には溶けない、該炭素質粉末を1トン/cm2
成形圧力で棒状に成形した成形体を1000℃まで焼成
後さらに2800℃まで黒鉛化した時の該成形体の室温
(25℃)から125℃までの熱膨張係数;8.5×1
-6/℃)5部を添加、混合後、モールド成形により生
成形体を得実施例−1と同様の方法で乾燥処理品、焼成
品を得た。該焼成体の酸化消耗量は5.9%であった。
また該空気酸化処理品の圧縮強度は130kg/cm2
であった。。
【0074】(比較例−11)実施例−8と同様の骨材
およびレゾール型のフェノール樹脂を混合時に生コーク
ス(灰分;1.15%、トルエン不溶分;95%でレゾ
ール型のフェノール樹脂には溶けない、該炭素質粉末を
1000℃まで焼成した炭化物を粉砕して得た100〜
200メッシュの粒度の空気の存在下600℃で30分
保持したときの重量減少量;80%)5部を添加、混合
後、モールド成形により生成形体を得実施例−1と同様
の方法で乾燥処理品、焼成品を得た。該焼成体を空気中
600℃で30分間処理したときの重量減少量は9.5
%であった。また該空気酸化処理品の圧縮強度は110
kg/cm2 であった。。
【0075】(比較例−12)実施例−8と同様の骨材
およびレゾール型のフェノール樹脂を混合時にフェノー
ル樹脂を熱処理して得た生コークス(灰分;Trac
e、トルエン不溶分;100%でレゾール型のフェノー
ル樹脂には溶けない、該炭素質粉末を1000℃まで焼
成した炭化物を粉砕して得た100〜200メッシュの
粒度の空気の存在下600℃で30分保持したときの重
量減少量;22%)5部を添加、混合後、モールド成形
により生成形体を得、実施例−1と同様の方法で乾燥処
理品、焼成品を得た。該焼成体の酸化消耗量は5.9%
であった。また該空気酸化処理品の圧縮強度は140k
g/cm2 であった。。
【0076】
【発明の効果】本発明方法によれば、高い炭化歩留り
で、高性能の不定形炭素質耐火物を製造しうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江口 順二 香川県坂出市番の州町1番地 三菱化成株 式会社坂出工場内 (72)発明者 澤田 庄次郎 大阪府堺市若松台1丁4の18−308 (72)発明者 大沢 剛 兵庫県尼崎市元浜5丁目89番地

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機物系骨材と炭素質骨材および熱硬化
    性樹脂を混合して不定形炭素質耐火物を製造するに際し
    て、下記(1)〜(9)の少なくとも一つの特性を有す
    る炭素質粉末を添加することを特徴とする不定形炭素質
    耐火物の製造方法。 (1)固定炭素が50%以上であり、かつ単味でギーセ
    ラー流動度を測定したときの流動開始温度が200〜5
    00℃である炭素質粉末。 (2)固定炭素が50%以上であり、かつボタン指数が
    1以上である炭素質粉末。 (3)固定炭素が50%以上であり、かつロガ指数が3
    0以上である炭素質粉末。 (4)固定炭素が50%以上であり、かつ1トン/cm
    2 の成形圧力で棒状に成形した成形体を1000℃まで
    焼成した時の体積収縮率が3%以上である炭素質粉末。 (5)固定炭素が50%以上であり、かつ1トン/cm
    2 の成形圧力で棒状に成形した成形体を1000℃まで
    焼成した時の該成形体の曲げ強度が200kg/cm2
    以上となる炭素質粉末。 (6)硬化、焼成時に該熱硬化性樹脂に溶けにくい炭素
    質粉末であり、かつ無機物系骨材と炭素質粉末を1:1
    で混合し、1000℃まで焼成したもののX線回折によ
    る結晶性が熱硬化性樹脂の焼成品より良い炭素質粉末。 (7)硬化、焼成時に該熱硬化性樹脂に溶けにくい炭素
    質粉末であり、かつ無機物系骨材と炭素質粉末を1:1
    で混合し、1000℃まで焼成後、さらに2800℃ま
    で黒鉛化したものの粉砕品のX線回折による(002)
    面の面間隔C0 が7Å以下である炭素質粉末。 (8)硬化、焼成時に該熱硬化性樹脂に溶けにくい炭素
    質粉末であり、かつ該炭素質粉末を1トン/cm2 の成
    形圧力で棒状に成形した成形体を1000℃まで焼成
    後、さらに2800℃まで黒鉛化した時の該成形体の室
    温(25℃)から125℃までの熱膨張係数が10×1
    -6/℃以下である炭素質粉末。 (9)フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の炭化品の酸化
    消耗量が20%以上となる条件で、また黒鉛化品では1
    0%以上となる条件で該炭素質粉末の炭化品および黒鉛
    化品の酸化消耗量がそれぞれ20%以下、10%以下と
    なる炭素質粉末。
JP3345554A 1991-12-26 1991-12-26 不定形炭素質耐火物の製造方法 Pending JPH05170535A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3345554A JPH05170535A (ja) 1991-12-26 1991-12-26 不定形炭素質耐火物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3345554A JPH05170535A (ja) 1991-12-26 1991-12-26 不定形炭素質耐火物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05170535A true JPH05170535A (ja) 1993-07-09

Family

ID=18377384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3345554A Pending JPH05170535A (ja) 1991-12-26 1991-12-26 不定形炭素質耐火物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05170535A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100966960B1 (ko) 카본 함유 내화물 및 그 제조 방법 및 피치 함유 내화 원료
KR20070015119A (ko) 저온 혼합법을 이용한 환경친화적 탄소결합형 내화성생성물의 제조 방법
CA1196033A (en) Use of resorcinol polymer blend as a binder for carbon-containing refractory brick and shape
US4022739A (en) Composition for plugging blast-furnace tap-hole
CA1038514A (en) Method for cold molding pitch bonded refractory
JPH05170535A (ja) 不定形炭素質耐火物の製造方法
CN101423409A (zh) 脱硫铁水罐用铝碳衬砖及其生产工艺
JP3906500B2 (ja) カーボン含有耐火物用バインダーの製造方法
US4431744A (en) Carbon bonded refractory brick
JPH11349384A (ja) 閉塞材の製造方法および閉塞材用バインダー組成物
JPH05270892A (ja) 炭素質耐火物用バインダー及びそれを用いた炭素質耐火物の製造法
JPH07188565A (ja) 不定型炭素質耐火物用バインダーおよびこれを用いた不定型炭素質耐火物の製造方法
JP2802343B2 (ja) 酸化マグネシウムを基本成分とする炭素結合した耐火レンガの製造方法
JPH0146473B2 (ja)
JPS6215507B2 (ja)
US4017433A (en) Pitch water soluble resin and alkyd resin as binder composition for refractory particles
JPH111373A (ja) 出銑口用マッド材
JPS6045152B2 (ja) 含炭素不定形耐火物組成物
TWI496879B (zh) 一種淨化瀝青製作方法
JPH09132461A (ja) 耐火物用バインダー組成物
JPS6214512B2 (ja)
JPH02267172A (ja) 熱間補修材及び熱間補修方法
JP2574681B2 (ja) 高炉出銑口閉塞材
JPS5925752B2 (ja) 閉塞材
JPH0925172A (ja) 耐火物用バインダー