JPH07188565A - 不定型炭素質耐火物用バインダーおよびこれを用いた不定型炭素質耐火物の製造方法 - Google Patents

不定型炭素質耐火物用バインダーおよびこれを用いた不定型炭素質耐火物の製造方法

Info

Publication number
JPH07188565A
JPH07188565A JP5333227A JP33322793A JPH07188565A JP H07188565 A JPH07188565 A JP H07188565A JP 5333227 A JP5333227 A JP 5333227A JP 33322793 A JP33322793 A JP 33322793A JP H07188565 A JPH07188565 A JP H07188565A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbonaceous
refractory
carbonaceous refractory
binder
amorphous carbonaceous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5333227A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Hashiguchi
正一 橋口
Noritoshi Takao
憲利 高尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP5333227A priority Critical patent/JPH07188565A/ja
Publication of JPH07188565A publication Critical patent/JPH07188565A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼成時の炭化歩留りが高く、特性の優れた不
定型炭素質耐火物用バインダーを提供する。 【構成】 軟化点が300℃以下、トルエン不溶分が3
0%以下、キノリン不溶分が10%以下であり、かつ不
定型炭素質耐火物の製造に使用される無機化合物を混合
し、熱処理した際に150℃〜350℃の温度域で高分
子化するピッチ類からなることを特徴とする不定型炭素
質耐火物用バインダーならびにこれを用いた不定型炭素
質耐火物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高炉用出銑口、出鋼口の
閉塞材(マッド材)、高炉出銑樋材、流し込み材、高炉
樋の内張、その補修材、転炉、取り鍋等の各種工業用炉
の補修材、転炉の熱間吹き付け補修材、電気炉、転炉等
の炉壁等を補修する時に使用される目地材、充填材に使
用される不定型炭素質耐火物用バインダーならびにそれ
を使用した不定型炭素質耐火物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来転炉等の出銑口の閉塞材(マッド
材)等に使用される不定型炭素質耐火物はマグネシア、
ドロマイト、粘土、シャモット、アルミナ、ろう石、シ
リカ、コークス、天然黒鉛、或いは炭化珪素等の耐火物
用原料にコールタール計原料或いはフェノール樹脂等の
熱硬化性樹脂をバインダーとして混練した混合物が使用
されていた。不定型炭素質耐火物は高炉、電炉等の銑鉄
や合金の溶融物を入れるための容器や溶けた銑鉄等を移
動するための樋等を補修したり、高炉から銑鉄を抜き出
した出口を塞ぐためのマッド材等として使用されてい
る。
【0003】そのために該不定型炭素質耐火物は鉄の融
点以上、すなわち1500℃以上、1700℃付近の温
度で使用されるものであり、鉄等の高温物と接触するこ
とにより焼成されるものである。銑鉄等を出銑した後の
開口部は不定型炭素質耐火物を挿入し、埋め込んで塞が
れ、また目地等の亀裂等にも補修のために挿入される
が、これらの施工は高温状態のまま行われるので、作業
環境は悪く、工事時間は短い方が良い。
【0004】そのために不定型炭素質耐火物は良好な施
工性、すなわち良好な可塑性、流動性を持ち、マッドガ
ン等で容易に挿入され、定型炭素質耐火物表面を簡単に
覆い、目地等に浸入するものであり、良好な充填性を持
つ必要がある。また、該不定型炭素質耐火物を挿入して
いる間は粘度の変化が少なく、挿入機等を閉塞すること
なく、容易に施工されるものである必要がある。しか
し、出銑口、目地等に施工されてからは短時間に焼結、
炭化し、強度の発言が早く、すぐに出銑口等を防ぐ必要
があり、初期は溶けた鉄等が漏れ出さない位のある程度
以上の強度を持つ必要がある。また該不定型炭素質耐火
物は鉄の融点以上、すなわち1500℃以上、1700
℃付近の高温で使用されるものであるために、寿命の長
いものが要求されている。すなわち、目地等の補修工事
は高温状態で行われるために作業環境が悪いので、該不
定型炭素質耐火物は、寿命を長くして工事、作業回数を
少なくする努力がなされている。
【0005】さらに、高炉等から溶けた銑鉄等を出銑す
るときは、開口部を開けるが、作業環境が悪いので出来
るだけ早く作業が終了することが望ましく、開口作業性
が良いことが必要であり、容易に孔が開け易い方が良
い。該不定型炭素質耐火物は、高温で溶けた銑鉄等と接
触するものであるために高温下での結合強度が高く、耐
酸化性が高くかつ嵩密度が高いものが良く、銑鉄等と濡
れにくく、銑鉄等が気孔等に浸入しにくく、かつ耐蝕性
の高いものが望まれており、そのために濡れ性の悪い天
然黒鉛等の炭素質骨材を添加しているのが現状である。
また熱伝導率が良い方が、熱の伝わり方が早く、短時間
に内部まで高温になるので早く炭化しやすい。さらに温
度分布がつきにくく、熱による歪みが小さくなるよう
に、熱伝導率の良い炭素質骨材を添加している。
【0006】さらに、該不定型炭素質耐火物は炭化、焼
成後高温で使用され、また溶けた銑鉄等の通路にもな
る。したがって、常温付近の温度から鉄の融点以上の高
温に急激に上昇するので、耐熱衝撃性の強いものが要求
されており、そのために耐磨耗性が高く、熱膨張係数
(CTE)の低いものが要求されている。また該不定型
炭素質耐火物は定型炭素質耐火物と接触して使用される
ものであり、焼成後の熱膨張係数が定型炭素質耐火物と
同等であるものが好ましい。すなわち該不定型炭素質耐
火物の焼成体と定型炭素質耐火物の熱膨張係数が異なる
と高温での寸法変化に差が生じ、接触面に歪みが発生
し、耐火物が割れ、また隙間に銑鉄が浸入して耐火物が
割れる。接触面に隙間が発生し銑鉄が漏れる、等の問題
が発生する恐れがある。
【0007】それらを改良するために熱膨張係数の低い
天然黒鉛等の炭素質骨材を添加して、熱膨張係数を改良
しているのが現状である。また、該不定型炭素質耐火物
の焼成体の熱膨張係数を定型炭素質耐火物の熱膨張係数
と同じになるように努力されており、不定型炭素質耐火
物の組成を定型炭素質耐火物の組成と同じになるように
工夫されている。さらには従来のフェノール樹脂等の熱
硬化性樹脂にバインダーピッチを混合し、特性を向上す
る等の努力がなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来不定型炭
素質耐火物用バインダーとして使用されているフェノー
ル樹脂等の熱硬化性樹脂は、硬化時に凝縮水を発生し膨
張する、焼成時の炭化歩留りが低いために不定型炭素質
耐火物の嵩密度、圧縮強度、曲げ強度、弾性率等の機械
的特性が低下する等の問題がある。
【0009】すなわち、一般にフェノール樹脂等の熱硬
化性樹脂は構造的に酸素等の異原子分子が多い、メチレ
ン結合のように弱い結合で単環等の低分子の単位が結合
しているため分解して揮散し易い。そのためにフェノー
ル樹脂等の熱硬化性樹脂の炭化歩留りは低く、1000
℃以上、特に不定型炭素質耐火物を使用する鉄の融点以
上の温度では酸素等の異分子が分解して揮散するために
炭化歩留りは低く、耐火物の硬化時、さらには焼成時に
水、フェノール、ホルマリン等の低分子やガスを発生す
る。そのために耐火物において低分子やガスが発生した
跡は気孔として残存し欠陥となり耐火物特性低下の原因
になる。
【0010】またさらにはこれらのフェノール樹脂等の
熱硬化性樹脂は難黒鉛化性であるために、その炭化物は
結晶性が悪く、熱伝導率が低い、熱膨張係数が高い、お
よび耐スポーリング等の熱的特性が低下する、また耐酸
化性が低いために耐火物不運バインダー成分が選択的に
消耗して、骨材等が脱落し強度が低下するとうの問題が
あった。また耐酸化性が悪く、高温下での消耗が大きい
ので高温状態での強度低下も大きい。
【0011】その耐火物の欠陥を補う方法として結晶性
が良く、熱膨張係数の低い天然黒鉛等の炭素質骨材を添
加する、無機物骨材の組成を調整する等により、耐火物
特性を改良しているのが現状であるがこれらはバインダ
ーとの接着性が悪く耐火物の嵩密度が低くなる、弾性率
が高くなり脆くなる等の問題があった。また一般に定型
炭素質耐火物よりも不定型炭素質耐火物は高流動性を要
求されているためにバインダーであるフェノール樹脂等
の熱硬化性樹脂の配合割合は多く使用されている。その
ために難黒鉛化性炭素であるフェノール樹脂等の熱硬化
性樹脂の炭化物の割合は多くなり、結晶性は定型炭素質
耐火物より悪いのが現状であり、熱的特性は低下する。
また不定型炭素質耐火物は高炉等の中で、溶けた銑鉄等
の熱で硬化、焼成されるために昇温速度が早く、フェノ
ール樹脂等の熱硬化性樹脂は発泡し、不定型炭素質耐火
物の嵩密度はますます軽くなり、機械的強度が低下する
恐れがあった。
【0012】そのため焼成時の炭化歩留りが高く、耐火
物の特性が高くなる熱硬化性のバインダーおよびそれを
用いた炭素質耐火物の製造方法の出現が望まれていた。
本発明は従来のフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を使用
した時と遜色ない特性と作業性を合わせ持つ不定型炭素
質耐火物用バインダーおよびそれを用いた不定型炭素質
耐火物の製造方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
課題を解決すべく、鋭意検討した結果ある特性を有する
不定型炭素質耐火物用バインダーを使用することによ
り、上記課題を解決することを見出し、本発明に到達し
た。すなわち本発明の要旨は、軟化点が300℃以下、
トルエン不溶分が30%以下、キノリン不溶分が10%
以下であり、かつ不定型炭素質耐火物の製造に使用され
る無機化合物を混合し、熱処理した際に150〜350
℃の温度域で高分子化するピッチ類からなることを特徴
とする不定型炭素質耐火物用バインダーならびにこれを
用いた不定型炭素質耐火物に関する。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
バインダーは、無機物系および/または炭素質の骨材と
混合して不定型炭素質耐火物の製造に使用される。これ
らの骨材のうち、無機物系骨材としては、例えばアルミ
ナ、ジルコニア、ドロマイト、マグネシア、酸化クロ
ム、炭化珪素等が使用される。
【0015】また、炭素質骨材としては、例えば、天然
黒鉛、人造黒鉛、仮焼コークス等があるが、通常は天然
黒鉛が骨材として使用される。これらの骨材中の炭素質
骨材の使用量は好適には5〜30%程度である。一般に
ピッチ類等のタール系原料は熱可塑性樹脂と言われてお
り、400℃付近から熱重合反応が開始し、400℃以
上で高分子化し、それ以上の温度で炭素化が進むと言わ
れているが、本発明のバインダー中のピッチ類は無機物
中で容易に高分子化するものであり、不定型炭素質耐火
物中で容易に硬化するものである。
【0016】すなわち、本発明において使用される無機
化合物は通常不定型炭素質耐火物の製造に使用されてい
るものであり、マグネシア、アルミナ等が骨材として好
適に使用されているのでこれらの無機化合物中で150
〜350℃の温度域で容易に高分子化するものであり、
さらには酸素と反応して不融化するものである。一般に
フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化温度は150℃
以上であるが本発明におけるピッチ類も150℃以上で
高分子化するものであり、好ましくは180℃以上で高
分子化するものであり、さらには200℃以上が好まし
く、最も好ましくは230℃以上であり、不定型炭素質
耐火物が従来同様に硬化、固化処理出来る。
【0017】上記の150〜350℃の熱処理において
は、本発明のピッチ類は、酸素が存在する場合には不融
化して高分子化するものであるので、若干でも酸素が存
在した方が好ましく、コークスブリーズ中、空気中、酸
素中で処理することができ、酸素濃度をコントロールし
て処理することもできる。本発明のピッチ類中の酸素量
が多いと炭化歩留りが低くなるので該ピッチ類の酸素量
は10%以下が好ましく、さらには5%以下が好まし
く、最も好ましくは3%以下である。
【0018】一般に酸素等の異原子分子は高温では分解
して揮散するが800℃付近ではまだ残存しており、炭
化歩留りが高いので異原子分子が分解、揮散する800
℃以上の温度で炭化歩留りが高いものが好ましく、特に
1000℃以上で炭化歩留りが高いものが好ましい。特
に成形体中での炭化歩留りが高いものが好ましく、10
00℃以上での炭化歩留りが30%以上のものが良く、
さらには40%以上のものが好ましく、最も好ましくは
50%以上のものである。
【0019】さらには、該ピッチ類中の炭素原子と水素
原子の比が低いと炭化歩留りが低いので、炭素原子と水
素原子の比が高い方が良く、通常炭素原子と水素原子の
比が1.0以上、好ましくは1.2以上、最も好ましく
は1.5以上のものである。さらには該ピッチ類の芳香
族指数が0.8以上のものが炭化歩留りが高いので好ま
しく、最も好ましくは0.85以上である。
【0020】また、ピッチ類の構成分子の骨格が2環以
上の縮合環からなるものが炭化歩留りが高いので好まし
く、最も好ましくは3環以上のものである。これらのピ
ッチ類としては、コールタールの蒸留、熱処理により生
成するコールタールピッチ、石油系重質油、及びその熱
処理生成物、またそれらの水添処理生成物、それらの熱
処理物、及びナフタリン等の低分子化合物を重縮合して
得たピッチ、またそれらの熱処理生成物、及びそれらを
溶剤で処理して得たピッチ、さらにはこれらを熱処理し
て得た生成物等から適宜生成分別することにより得られ
る。
【0021】これらのピッチ類の軟化点は、300℃以
下である必要がある。下限は、特に制限されないが軟化
点が低いと夏場等の保存時に溶ける等の問題があるの
で、70℃以上が好ましく、さらには85℃以上であ
り、最も好ましくは100℃以上である。逆に軟化点が
高いとフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が硬化する温度
以上の軟化点のものではフェノール樹脂等の熱硬化性樹
脂が硬化する温度域で固体であり、添加効果が小さいの
で軟化点は300℃以下が必要であり、さらには250
℃以下であり、最も好ましくは200℃以下である。
【0022】また該ピッチ類の灰分が高いと雰囲気中の
酸素、二酸化炭素と生成炭素が触媒酸化で反応しやす
く、選択消耗をおこしやすいので、灰分は低い方が良
く、好ましくは0.5%以下であり、さらに好ましくは
0.3%以下であり、最も好ましくは0.1%以下であ
り、実質的に灰分を含有しないものが好ましい。また該
ピッチ類中のキノリン不溶分(QI)、トルエン不溶分
(TI)の量が特定の値を有することが必要である。
【0023】すなわちQI,TIは高分子であるために
溶融せず、バインダー成分としては働かないためにQ
I,TI量は少ない方が好ましく、特にQIは大分子で
あるためにQI量としては10%以下であることが必要
であり、好ましくは5%以下であり、実質的にQIを含
まないものが最適である。TIについては30%以下で
あることが必要であり、好ましくは20%以下である。
【0024】本発明においてさらに、ピッチ類に混合す
る有機質液体としては耐火物中に気孔、欠陥を残存させ
ないものが望ましく炭化反応又は固化前に揮発して炭化
反応中、固化後は存在しないものが好ましい。一般にピ
ッチ類は300℃以上で分解重縮合反応が始まり、40
0℃付近から反応が激しくなるといわれているので、沸
点又は50%留出温度(「平均沸点」)は350℃以下
のものが用いられ、さらには300℃以下のものが好ま
しく、最も好ましくは280℃以下のものである。
【0025】また、不定型炭素質耐火物は溶鉄の温度付
近で使用されるので引火点が低いと火災、爆発の危険も
大きいので引火点は高い方が良く、通常30℃以上好ま
しくは40℃以上であり、さらには50℃以上が好まし
く、最も好ましくは60℃以上のものである。ここで使
用する有機質液体の種類としてはブチルベンゼン、ナフ
タレン、コールタール等の重質油を蒸留して得られる軽
沸点留分等の芳香族軽炭化水素、軽油、重油等の脂肪族
系炭化水素、ビシクロヘキサル等の環状脂肪族系炭化水
素、グリコール、プロピレングリコール等のアルコール
類、酢酸エチルブチル、酢酸エチルヘキシル等のエステ
ル類、ヘプタノン、ジイソブチケトン等のケトン類等が
使用でき、一種の有機質液体を使用してもよいが、数種
類を混合して使用しても良い。又使用する有機質液体は
該ピッチ類を全て溶かすものでも、部分的にしか溶かさ
ないものでも良く、全く溶かさないもので良く、骨材と
混合時に均一に分散できるものであれば特に制限は無
い。該ピッチ類を溶かすものが均一に分散できるので好
ましいが、該ピッチ類を溶かさない有機質液体でも該ピ
ッチ類を粉砕後、有機質液体中に均一に分散して使用す
ることもできる。
【0026】また該不定型炭素質耐火物は流動状態で使
用するものであるので、目的に応じて粘度を調整する必
要がある。すなわち該不定型炭素質耐火物は高炉等に挿
入、流し込む等のために可塑性、流動性を持つ必要があ
り、該不定型炭素質耐火物は使用される温度において流
動性を持つ必要があり、好ましくはその温度で100ポ
イズ以下であり、さらには80ポイズ以下が好ましく、
最も好ましくは60ポイズ以下である。
【0027】またあまり粘度が低すぎると該不定型炭素
質耐火物が流出してしまい、補修材、マッド材としての
効果がなくなる、またバインダーの量が多く、炭化歩留
りが低くなるために耐火物の特性が低下する、等の問題
がある。したがって、該不定型炭素質耐火物の粘度は使
用される温度において1センチポイズ以上が好ましく、
さらには10センチポイズ以上が好ましく、最も好まし
くは30センチポイズ以上である。
【0028】該有機質液体の混合量は条件によって異な
るが、一般にピッチ類に対して重量比で0.01〜10
倍量が好ましく、さらには0.1〜5倍量が好ましく、
最も好ましくは0.3〜3倍量である。本発明において
は、上記の(i)ピッチ類または(ii)ピッチ類に有機
質液体を配合したものに、さらに以下の〜の少なく
とも一つの特性を示す炭素質粉末を配合することによっ
て目的とするバインダーを得ることができる。
【0029】 固定炭素が50%以上であり、かつ単
味でギーセラー流動度を測定したときの流動開始温度が
200〜500℃である炭素質粉末。 固定炭素が50%以上であり、かつボタン指数が1
以上である炭素質粉末。 固定炭素が50%以上であり、かつロガ指数が30
以上である炭素質粉末。
【0030】 固定炭素が50%以上であり、かつ1
トン/cm2 の成形圧力で棒状に成形した成形体を10
00℃まで焼成した時の体積収縮率が3%以上である炭
素質粉末。 固定炭素が50%以上であり、かつ1トン/cm2
の成形圧力で棒状に成形した成形体を1000℃まで焼
成した時の該成形体の曲げ強度が200kg/cm2
上となる炭素質粉末。
【0031】本発明における炭素質粉末は固定炭素が高
く、かつ無機物系骨材、炭素質骨材との濡れ性を改良す
るとともに該炭素質粉末同志の接着性も向上し、耐火物
の特性を改良するものである。すなわち該炭素質粉末は
ある固定炭素以上であり、適度の濡れ性および接着性を
保持し、適度の流動性をもつものが好ましい。またさら
にはガス等の発生により生じた気孔、欠陥を減少させる
ためには焼成時に収縮の大きな炭素質粉末が好適であ
る。
【0032】該炭素質粉末の固定炭素は従来使用されて
いるフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂と同等以上であれ
ば良く、固定炭素は50%一般であり、さらには55%
以上が好ましく、最も好ましくは60%以上である。又
特にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂は1000℃以上
での炭化歩留りが低いので1000℃以上の高温での炭
化歩留りが高いものが好ましく、1000℃で40%以
上の炭化歩留りのものが良く、さらには45%以上が好
ましく、最も好ましくは50%以上である。
【0033】以上の観点から、本発明における炭素質粉
末は下記の少なくとも1つの特性を有するものが用いら
れる。 (1)固定炭素が50%以上であり、かつ単味でギーセ
ラー流動度を測定したときの流動開始温度が200〜5
00℃である炭素質粉末。ギーセラー流動度はJIS
M 8801に準じて測定されたものであるが測定粒度
は骨材等と混合するときの粒度におけるギーセラー流動
度を表すものである。 (2)固定炭素が50%以上であり、かつボタン指数が
1以上である炭素質粉末。ここでボタン指数はJIS
M 8801に準じて測定されたものであるが測定粒度
は骨材等と混合するときの粒度におけるボタン流動度を
表すものである。
【0034】(3)固定炭素が50%以上であり、かつ
ロガ指数が30以上である炭素質粉末。炭素質粉末は適
度の接着性を保持するのが好適であり、ロガ指数(JI
S M8801)が30以上であるものが好ましく、さ
らには35以上のものが好ましい。
【0035】(4)固定炭素が50%以上であり、かつ
1トン/cm2 の成形圧力で棒状に成形した成形体を1
000℃まで焼成した時の体積収縮率が3%以上である
炭素質粉末。焼成時に収縮性の大きな炭素質粉末が焼成
時に発生した気孔、欠陥を減少させるに効果が大きく、
本発明で添加するものとしては焼成時の収縮性の大きな
ものが好ましく、1トン/cm2 の成形圧力で棒状に成
形した成形体を1000℃まで焼成した時の体積収縮率
が3%以上であるものが好ましく、さらには5%以上の
ものが好ましく、最も好ましくは8%以上である。ここ
で該膨張収縮量測定のための棒状成形体はJIS M
8801に準じて調整されたものであるが、測定粒度は
骨材等と混合するときの粒度における収縮量を表すもの
である。また該成形体の昇温速度は3℃/minであ
る。
【0036】(5)固定炭素が50%以上であり、かつ
1トン/cm2 の成形圧力で棒状に成形した成形体を1
000℃まで焼成した時の該成形体の曲げ強度が200
kg/cm2 以上となる炭素質粉末。該炭素質粉末単味
を成形圧力1トン/cm2 で成形体(JIS M 88
01)にして1000℃で焼成した時に該成形体が型く
ずれしないものが望ましく、さらには該成形体の曲げ強
度が強いものが耐火物の特性を向上する効果が大きく、
曲げ強度が200kg/cm2 以上のものが好ましく、
さらには曲げ強度が300kg/cm2 以上のものが好
ましい。
【0037】又該炭素質粉末は上記ピッチ類と相溶する
ものが接着性が良好となり好ましく、該炭素質粉末の表
面が少しでも溶けるものが好ましい。本発明において用
いられる炭素質粉末はコールタールの蒸留、熱処理によ
り生成するコールタールピッチ、石油系重質油、及びそ
の熱処理生成物、またそれらの水添処理生成物、それら
の熱処理物、及びナフタリン等の低分子化合物を重縮合
して得たピッチ、またそれらの熱処理生成物、及びそれ
らを溶剤で処理して得たピッチ、さらにはこれらを熱処
理して得た生成物等が含まれ、メソフェーズを含まなく
ても良いがメソフェーズを含むものでも良い。さらには
それらを熱処理して得た生コークスでも良い。
【0038】さらには該ピッチ類、生コークス類を混合
して、さらにカーボンブラック、仮焼コークス等の微粉
末、活性炭等に混合し、熱処理したものでも良い。該熱
処理はディレードコーカー、オートクレーブ等により行
われるが不活性雰囲気中で熱処理しても良いが、自生雰
囲気中でも良く、酸素存在下で処理しても良い。また静
置状態で熱処理しても良いが流動状態、および攪拌状態
で熱処理することもできる。
【0039】これらの炭素質粉末は上記の5つの特性の
一以上の特性を有する一種を単独で使用することもでき
るが、二種以上の炭素質粉末を混合して該炭素質粉末の
特性を調整して使用することもできる。さらにはカーボ
ンブラック、活性炭を炭素質粉末に添加して該炭素質粉
末の特性を調整して使用することもできるが、これらの
炭素質粉末は固定炭素が高く適当な流動性と適度な接着
性および炭素質粉末単味の収縮率が大きなものであれば
十分である。
【0040】該炭素質粉末は上記ピッチ類と粉末で混合
しても良く、上記ピッチ類を溶融して混合しても良く、
上記有機質液体にに溶解、分散して混合して使用しても
良く、炭素質粉末と上記ピッチ類が十分分散するように
混合することができるものである。該炭素質粉末は微粉
の方が分散がしやすく有利であり、100μm以下が好
ましく、さらには50μm以下が好ましい。
【0041】又さらには不定型炭素質耐火物を製造時に
骨材と混合時に上記ピッチ類、炭素質粉末を添加、混合
しても良い。又該ピッチ類は骨材等と混合して不定型炭
素質耐火物の製造に使用されるものであるが、粉末で使
用しても良く、溶媒に溶解、分散して混合して使用して
も良く、従来の方法で使用できるものである。固体で混
合する場合は微粉の方が分散がしやすく有利であり、1
00μm以下が好ましく、さらには50μm以下が好ま
しい。
【0042】また本発明のバインダーは単独で又は2種
以上を混合後骨材と混合使用することもできるが、フェ
ノール樹脂等の熱硬化性樹脂と混合使用することも可能
であり、不定型炭素質耐火物の特性が最大になるように
調整することが可能である。骨材とバインダーの混合割
合はバインダーの粘度、骨材の種類、粒度配合によって
も変わるものであるが、一般に骨材と対してバインダー
の混合割合(重量比)は99/1〜70/30が好まし
く、さらには95/5〜75/25が好ましく、最も好
ましくは90/10〜80/20が好ましく、それによ
り該不定型炭素質耐火物の粘度を調整するものである。
【0043】本発明によるバインダーの粘度はピッチ類
の粘度、軟化点、有機質液体の粘度、有機質液体の混合
量、炭素質粉末の種類、粒度、添加量等によって調整で
きるものである。すなわち混合後のバインダーがアルミ
ナ、マグネシア等の無機物系骨材、また必要に応じて天
然黒鉛等の炭素質骨材と室温、または加熱下でねつ合で
きるように有機質液体の添加量等を決めることができる
ものであり、ピッチ類の粘度、軟化点、炭素質粉末の粒
度が細かい、添加量が高い時は添加量を多くする必要が
ある。
【0044】以上の特性を持つ本発明のバインダーは何
ら従来の不定型炭素質耐火物の製造方法を変えることな
く、高特性となる不定型炭素質耐火物が得られるもので
ある。すなわち常法に従い、マグネシア、アルミナ等の
無機物系骨材、必要に応じて天然黒鉛等の炭素質骨材と
ねつ合後不定型炭素質耐火物が製造可能である。
【0045】ねつ合、または混合は常法に従いニーダ
ー、混合機等で室温、又は必要に応じて加温下行われ
る。また該混合物は常法により流し込み、補修等ができ
るものである。また乾燥、焼成は常法により高炉、転炉
等の自熱でできるものである。このようにして製造した
不定型炭素質耐火物は従来の製品同様転炉、電炉等で使
用することが可能であり、なんら従来の使用方法を変え
る必要はなく、特性も向上するものである。
【0046】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
るが、本発明は後述する実施例に何ら限定されるもので
はない。 実施例1 粒度配合したマグネシア粉末85部、天然黒鉛15部、
及びコールタールを蒸留して得られピッチ(平均粒度:
18μm、軟化点:125℃、キノリン不溶分:1%以
下、トルエン不溶分:15%、マグネシアと1:1で混
合後熱処理した際に200℃で不融化開始する)5部と
レゾール系フェノール樹脂15部を混合して不定型炭素
質耐火物を得た。
【0047】該不定型炭素質耐火物は適度な可塑性、粘
着性を有しており、流動性も良好であった。又100
℃、30分間では該不定型炭素質耐火物の硬化は認めら
れなかった。又該不定型炭素質耐火物の硬化は300℃
以上の温度で数分で達成され、従来使用されているフェ
ノール樹脂と同等の硬化性を示し、得られた不定型炭素
質耐火物も発泡することなく、緻密であった。該不定型
炭素質耐火物を成形後、1000℃で焼成して成形体を
得た。該焼成体の圧縮強度は250kg/cm2であっ
た。
【0048】実施例2 粒度配合したマグネシア粉末85部、天然黒鉛15部、
及びコールタールを蒸留して得られ、ピッチ(平均粒
度:18μm、軟化点:125℃、キノリン不溶分:1
%以下、トルエン不溶分:15%、マグネシアと1:1
で混合後熱処理した際に200℃で不融化開始する)と
コールタールピッチを熱処理して得た生コークス(固定
炭素:81%、平均粒径:20μm、単味のギーセラー
流動度:2000DDPM、流動開始温度:340℃)
の混合物15部を混合して不定型炭素質耐火物を得た。
【0049】該不定型炭素質耐火物は適度な可塑性、粘
着性を有しており、流動性も良好であった。又100
℃、30分間では該不定型炭素質耐火物の硬化は認めら
れなかった。又該不定型炭素質耐火物の硬化は300℃
以上の温度で数分で達成され、従来使用されているフェ
ノール樹脂と同等の硬化性を示し、得られた不定型炭素
質耐火物も発泡することなく、緻密であった。該不定型
炭素質耐火物を成形後、1000℃で焼成して成形体を
得た。該焼成体の圧縮強度は290kg/cm2であっ
た。
【0050】実施例3 粒度配合したマグネシア粉末85部、天然黒鉛15部、
及びコールタールを蒸留して得られるピッチ(平均粒
度:17μm、酸素量:1.5%、キノリン不溶分:1
%以下、トルエン不溶分:13%、マグネシアと1:1
で混合後熱処理した際に200℃で不融化開始する)5
部とレゾール系フェノール樹脂15部を混合して不定型
炭素質耐火物を得た。
【0051】該不定型炭素質耐火物は適度な可塑性、粘
着性を有しており、流動性も良好であった。又100
℃、30分間では該不定型炭素質耐火物の硬化は認めら
れなかった。又該不定型炭素質耐火物の硬化は300℃
以上の温度で数分で達成され、従来使用されているフェ
ノール樹脂と同等の硬化性を示し、得られた不定型炭素
質耐火物も発泡することなく、緻密であった。該不定型
炭素質耐火物を成形後、1000℃で焼成して成形体を
得た。該焼成体の圧縮強度は240kg/cm2であっ
た。
【0052】実施例4 粒度配合したマグネシア粉末85部、天然黒鉛15部、
及びコールタールを蒸留して得られるピッチ(平均粒
度:17μm、酸素量:1.5%、キノリン不溶分:1
%以下、トルエン不溶分:13%、マグネシアと1:1
で混合後熱処理した際に200℃で不融化開始する)と
コールタールピッチを熱処理して得た生コークス(固定
炭素:84%、平均粒径:18μm、ボタン指数1.
5)の混合物15部を混合して不定型炭素質耐火物を得
た。
【0053】該不定型炭素質耐火物は適度な可塑性、粘
着性を有しており、流動性も良好であった。又100
℃、30分間では該不定型炭素質耐火物の硬化は認めら
れなかった。又該不定型炭素質耐火物の硬化は300℃
以上の温度で数分で達成され、従来使用されているフェ
ノール樹脂と同等の硬化性を示し、得られた不定型炭素
質耐火物も発泡することなく、緻密であった。該不定型
炭素質耐火物を成形後、1000℃で焼成して成形体を
得た。該焼成体の圧縮強度は285kg/cm2であっ
た。
【0054】実施例5 粒度配合したマグネシア粉末85部、天然黒鉛15部、
及びコールタールを蒸留して得られるピッチ(平均粒
度:17μm、芳香族性指数:0.92、キノリン不溶
分:1%以下、トルエン不溶分:14%、マグネシアと
1:1で混合後熱処理した際に250℃で不融化開始す
る)5部とレゾール系フェノール樹脂15部を混合して
不定型炭素質耐火物を得た。
【0055】該不定型炭素質耐火物は適度な可塑性、粘
着性を有しており、流動性も良好であった。又100
℃、30分間では該不定型炭素質耐火物の硬化は認めら
れなかった。又該不定型炭素質耐火物の硬化は300℃
以上の温度で数分で達成され、従来使用されているフェ
ノール樹脂と同等の硬化性を示し、得られた不定型炭素
質耐火物も発泡することなく、緻密であった。該不定型
炭素質耐火物を成形後、1000℃で焼成して成形体を
得た。該焼成体の圧縮強度は230kg/cm2であっ
た。
【0056】実施例6 粒度配合したマグネシア粉末85部、天然黒鉛15部、
及びコールタールを蒸留して得られるピッチ(平均粒
度:17μm、芳香族性指数:0.92、キノリン不溶
分:1%以下、トルエン不溶分:14%、マグネシアと
1:1で混合後熱処理した際に250℃で不融化開始す
る)とコールタールピッチを熱処理して得た生コークス
(固定炭素:88%、平均粒径:16μm、単味の1ト
ン/cm2の成形圧力で成形し、1000℃まで焼成し
て得た成形体の曲げ強度:800kg/cm2 )の混合
物15部を混合して不定型炭素質耐火物を得た。
【0057】該不定型炭素質耐火物は適度な可塑性、粘
着性を有しており、流動性も良好であった。又100
℃、30分間では該不定型炭素質耐火物の硬化は認めら
れなかった。又該不定型炭素質耐火物の硬化は300℃
以上の温度で数分で達成され、従来使用されているフェ
ノール樹脂と同等の硬化性を示し、得られた不定型炭素
質耐火物も発泡することなく、緻密であった。該不定型
炭素質耐火物を成形後、1000℃で焼成して成形体を
得た。該焼成体の圧縮強度は270kg/cm2であっ
た。
【0058】実施例7 粒度配合したマグネシア粉末85部、天然黒鉛15部、
及びコールタールを蒸留して得られるピッチ(平均粒
度:17μm、芳香族性指数:0.92、キノリン不溶
分:1%以下、トルエン不溶分:14%、マグネシアと
1:1で混合後熱処理した際に250℃で不融化開始す
る)とコールタールピッチを熱処理して得た生コークス
(固定炭素:87%、平均粒径:17μm、該生コーク
スと炭化珪素を70/30で混合後、1トン/cm2
成形圧力で成形し、1000℃まで焼成して得た成形体
の曲げ強度:900kg/cm2 )の混合物15部を混
合して不定型炭素質耐火物を得た。
【0059】該不定型炭素質耐火物は適度な可塑性、粘
着性を有しており、流動性も良好であった。又100
℃、30分間では該不定型炭素質耐火物の硬化は認めら
れなかった。又該不定型炭素質耐火物の硬化は300℃
以上の温度で数分で達成され、従来使用されているフェ
ノール樹脂と同等の硬化性を示し、得られた不定型炭素
質耐火物も発泡することなく、緻密であった。該不定型
炭素質耐火物を成形後、1000℃で焼成して成形体を
得た。該焼成体の圧縮強度は270kg/cm2であっ
た。
【0060】比較例1 粒度配合したマグネシア粉末85部、天然黒鉛15部、
レゾール系フェノール樹脂15部を炭素質粉末の添加無
しに混合して不定型炭素質耐火物を得た。該不定型炭素
質耐火物は適度な可塑性、粘着性を有しており、流動性
も良好であった。又100℃、30分間では該不定型炭
素質耐火物の硬化は認められなかった。又該不定型炭素
質耐火物の硬化は300℃以上の温度で数分で達成され
たが、得られた不定型炭素質耐火物は発泡がみられ、組
織は粗かった。該不定型炭素質耐火物を成形後、100
0℃で焼成して成形体を得た。該焼成体の圧縮強度は1
20kg/cm2 であった。
【0061】実施例8 粒度配合したマグネシア粉末85部、天然黒鉛15部、
実施例1のピッチ4.5部にコールタールを蒸留して得
られる50%留出温度が230℃の留出オイル(引火
点:65℃)10.5部を添加混合して不定型炭素質耐
火物を得た。該不定型炭素質耐火物は適度な可塑性、粘
着性を有しており、流動性も良好であった。又100
℃、30分間では該不定型炭素質耐火物の硬化は認めら
れなかった。又該不定型炭素質耐火物の硬化は300℃
以上の温度で数分で達成され、従来使用されているフェ
ノール樹脂と同等の硬化性を示し、得られた不定型炭素
質耐火物も発泡することなく、緻密であった。該不定型
炭素質耐火物を成形後、1000℃で焼成して成形体を
得た。該焼成体の圧縮強度は260kg/cm2であっ
た。
【0062】実施例9 粒度配合したマグネシア粉末85部、天然黒鉛15部、
実施例1のピッチ及びコールタールを蒸留して得られる
50%留出温度が230℃の留出オイル(引火点:65
℃)とコールタールピッチを熱処理して得た生コークス
(固定炭素:82%、平均粒径:20μ、単味のギーセ
ラー流動度:2000DDPM、流動開始温度:345
℃)15部を添加混合して不定型炭素質耐火物を得た。
【0063】該不定型炭素質耐火物は適度な可塑性、粘
着性を有しており、流動性も良好であった。又100
℃、30分間では該不定型炭素質耐火物の硬化は認めら
れなかった。又該不定型炭素質耐火物の硬化は300℃
以上の温度で数分で達成され、従来使用されているフェ
ノール樹脂と同等の硬化性を示し、得られた不定型炭素
質耐火物も発泡することなく、緻密であった。該不定型
炭素質耐火物を成形後、1000℃で焼成して成形体を
得た。該焼成体の圧縮強度は290kg/cm2であっ
た。
【0064】実施例10 粒度配合したマグネシア粉末85部、天然黒鉛15部、
実施例1のピッチ及びコールタールを蒸留して得られる
50%留出温度が230℃の留出オイル(引火点:65
℃)とコールタールピッチを熱処理して得た生コークス
(固定炭素:85%、平均粒径:18μ、ボタン指数:
1.5)15部を添加混合して不定型炭素質耐火物を得
た。
【0065】該不定型炭素質耐火物は適度な可塑性、粘
着性を有しており、流動性も良好であった。又100
℃、30分間では該不定型炭素質耐火物の硬化は認めら
れなかった。又該不定型炭素質耐火物の硬化は300℃
以上の温度で数分で達成され、従来使用されているフェ
ノール樹脂と同等の硬化性を示し、得られた不定型炭素
質耐火物も発泡することなく、緻密であった。該不定型
炭素質耐火物を成形後、1000℃で焼成して成形体を
得た。該焼成体の圧縮強度は280kg/cm2であっ
た。
【0066】実施例11 粒度配合したマグネシア粉末85部、天然黒鉛15部、
実施例1のピッチ及びコールタールを蒸留して得られる
50%留出温度が230℃の留出オイル(引火点:65
℃)とコールタールピッチを熱処理して得た生コークス
(固定炭素:88%、平均粒径:16μ、単味の1トン
/cm2 の成形圧力で成形し、1000℃まで焼成して
得た成形体の曲げ強度:800kg/cm2 )15部を
添加混合して不定型炭素質耐火物を得た。
【0067】該不定型炭素質耐火物は適度な可塑性、粘
着性を有しており、流動性も良好であった。又100
℃、30分間では該不定型炭素質耐火物の硬化は認めら
れなかった。又該不定型炭素質耐火物の硬化は300℃
以上の温度で数分で達成され、従来使用されているフェ
ノール樹脂と同等の硬化性を示し、得られた不定型炭素
質耐火物も発泡することなく、緻密であった。該不定型
炭素質耐火物を成形後、1000℃で焼成して成形体を
得た。該焼成体の圧縮強度は300kg/cm2であっ
た。
【0068】実施例12 粒度配合したマグネシア粉末85部、天然黒鉛15部、
実施例1のピッチ及びコールタールを蒸留して得られる
50%留出温度が230℃の留出オイル(引火点:65
℃)とコールタールピッチを熱処理して得た生コークス
(固定炭素:87%、平均粒径:17μ、該生コークス
と炭化珪素を70/30で混合後、1トン/cm2 の成
形圧力で成形し、1000℃まで焼成して得た成形体の
曲げ強度:900kg/cm2 )15部を添加混合して
不定型炭素質耐火物を得た。
【0069】該不定型炭素質耐火物は適度な可塑性、粘
着性を有しており、流動性も良好であった。又100
℃、30分間では該不定型炭素質耐火物の硬化は認めら
れなかった。又該不定型炭素質耐火物の硬化は300℃
以上の温度で数分で達成され、従来使用されているフェ
ノール樹脂と同等の硬化性を示し、得られた不定型炭素
質耐火物も発泡することなく、緻密であった。該不定型
炭素質耐火物を成形後、1000℃で焼成して成形体を
得た。該焼成体の圧縮強度は295kg/cm2であっ
た。
【0070】
【発明の効果】本発明のバインダーを用いれば、特性の
すぐれた炭素質耐火物を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟化点が300℃以下、トルエン不溶分
    が30%以下、キノリン不溶分が10%以下であり、か
    つ不定型炭素質耐火物の製造に使用される無機化合物を
    混合し、熱処理した際に150℃〜350℃の温度域で
    高分子化するピッチ類からなることを特徴とする不定型
    炭素質耐火物用バインダー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のピッチ類と沸点又は50
    %留出温度が350℃以下である有機質液体からなるこ
    とを特徴とする不定型炭素質耐火物用バインダー。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のバインダーにお
    いて、下記〜の少なくとも一つの特性を示す炭素質
    粉末を配合してなることを特徴とする不定型炭素質耐火
    物用バインダー。 固定炭素が50%以上であり、かつ単味でギーセラ
    ー流動度を測定したときの流動開始温度が200〜50
    0℃である炭素質粉末。 固定炭素が50%以上であり、かつボタン指数が1
    以上である炭素質粉末。 固定炭素が50%以上であり、かつロガ指数が30
    以上である炭素質粉末。 固定炭素が50%以上であり、かつ1トン/cm2
    の成形圧力で棒状に成形した成形体を1000℃まで焼
    成した時の体積収縮率が3%以上である炭素質粉末。 固定炭素が50%以上であり、かつ1トン/cm2
    の成形圧力で棒状に成形した成形体を1000℃まで焼
    成した時の該成形体の曲げ強度が200kg/cm2
    上となる炭素質粉末。
  4. 【請求項4】 無機物系骨材および/または炭素質骨材
    を使用して不定型炭素質耐火物を製造するに際して、請
    求項1〜3のいずれかに記載の不定型炭素質耐火物用バ
    インダーを使用することを特徴とする不定型炭素質耐火
    物の製造方法。
JP5333227A 1993-12-27 1993-12-27 不定型炭素質耐火物用バインダーおよびこれを用いた不定型炭素質耐火物の製造方法 Pending JPH07188565A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5333227A JPH07188565A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 不定型炭素質耐火物用バインダーおよびこれを用いた不定型炭素質耐火物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5333227A JPH07188565A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 不定型炭素質耐火物用バインダーおよびこれを用いた不定型炭素質耐火物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07188565A true JPH07188565A (ja) 1995-07-25

Family

ID=18263747

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5333227A Pending JPH07188565A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 不定型炭素質耐火物用バインダーおよびこれを用いた不定型炭素質耐火物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07188565A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007011038A1 (ja) * 2005-07-22 2007-01-25 Krosaki Harima Corporation カーボン含有耐火物及びその製造方法並びにピッチ含有耐火原料

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007011038A1 (ja) * 2005-07-22 2007-01-25 Krosaki Harima Corporation カーボン含有耐火物及びその製造方法並びにピッチ含有耐火原料
KR100966960B1 (ko) * 2005-07-22 2010-06-30 구로사키 하리마 코포레이션 카본 함유 내화물 및 그 제조 방법 및 피치 함유 내화 원료
US8182599B2 (en) 2005-07-22 2012-05-22 Krosaki Harima Corporation Carbon-containing refractory, production method thereof, and pitch-containing refractory raw material

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4387173A (en) Use of resorcinal polymer blend as a binder for carbon-containing refractory brick and shape
JPS6050751B2 (ja) 閉塞材組成物
CN109678529B (zh) 用于炼钢连铸三大件及镁碳砖生产的结合剂
WO1996027568A1 (fr) Materiaux refractaires non façonnes et materiaux refractaires projetables prepares a partir de ceux-ci
US4521357A (en) Carbon bonded refractories
KR0144771B1 (ko) 열간 보수용 부정형 내화 조성물
JPH07188565A (ja) 不定型炭素質耐火物用バインダーおよびこれを用いた不定型炭素質耐火物の製造方法
US4431744A (en) Carbon bonded refractory brick
JPH11322405A (ja) 低カーボン質炭素含有耐火物及びその製造方法
JP3906500B2 (ja) カーボン含有耐火物用バインダーの製造方法
JPH11349384A (ja) 閉塞材の製造方法および閉塞材用バインダー組成物
JPS6215507B2 (ja)
JP3287905B2 (ja) マッド材
JP2802343B2 (ja) 酸化マグネシウムを基本成分とする炭素結合した耐火レンガの製造方法
JP3740543B2 (ja) 耐火物用バインダー
JP2574681B2 (ja) 高炉出銑口閉塞材
JPH05170535A (ja) 不定形炭素質耐火物の製造方法
JPH111373A (ja) 出銑口用マッド材
KR101203630B1 (ko) 캐스타블 내화물용 피치의 내산화성 개선방법
JPH07188566A (ja) 定型炭素質耐火物用バインダー及びこれを用いた定型炭素質耐火物の製造方法
JPS60246256A (ja) 耐火レンガ用バインダ−組成物
JP2015147697A (ja) カーボン含有耐火物
JPS60235772A (ja) 加熱軟化性不定形耐火物
JP3025511B2 (ja) 高耐スポーリング性炭素含有耐火物
JPH09295859A (ja) 耐スポーリング性に優れた炭素結合れんが