JP2015147697A - カーボン含有耐火物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、鉄鋼製造プロセスに使用されるカーボン含有耐火物、例えば転炉、取鍋スラグラインなどに適用されるMgO−C質耐火物の耐食性、耐スポーリング性などを向上させ、それによって炉の使用回数延長など耐用性の向上を図ることができるカーボン含有耐火物を提供することにある。【解決手段】本発明のカーボン含有耐火物は、耐火材料、カーボン材料及びバインダーから構成されるカーボン含有耐火物において、バインダーとしてベンゾ[a]ピレン含有量が0.05質量%以下の液状ピッチと、液状フェノール樹脂とを合計量で、耐火材料及びカーボン材料の合計量100質量%に対し、外掛けで0.5〜5質量%配合することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、耐食性や耐熱スポール性に優れたカーボン含有耐火物に関する。
代表的なカーボン含有耐火物として、MgO−C質耐火物が挙げられ、このMgO−C質耐火物は、特に製鋼スラグに対する耐食性と温度変化に対する耐スポーリング性に優れた耐火物であり、転炉や取鍋スラグライン部、更には、RH脱ガス槽内張りなどの精錬容器内張として幅広く使用されている。
転炉などに使用されるMgO−C質耐火物は、MgO骨材、黒鉛、金属粉、バインダーとしてのフェノール樹脂を使用するのが一般的であるが、鋼の高級化に伴い操業条件もより厳しくなった環境下においては、従来のMgO−C質耐火物では十分な耐用性が得られなくなり、耐食性と耐スポーリング特性のより優れた耐火物の開発が望まれていた。
MgO−C質耐火物の損傷形態としては、稼動時の繰り返し加熱冷却に伴う煉瓦マトリックス部の組織脆化による溶損、磨耗、並びに熱膨張や組織脆化部位と健全部位との間に発生する物性差になどによる亀裂・剥離が損傷の主体となっている。MgO−C質耐火物の損傷を低減するために、バインダーが注目され、フェノール樹脂とコールタールピッチ(以下、ピッチ)を混合したバインダーを使用した例がある。ピッチは、低温での強度が出にくいことから、フェノール樹脂と混合して、MgO−C質耐火物の強度向上を図る試みがなされた。
例えば、特許文献1には、炭素材料1〜100重量%と耐火材料0〜99重量%によって構築した骨材に対して、結合材としてベンゾール不溶解分30%以上である樹脂状ピッチ0.3〜15重量%と熱硬化性樹脂1〜25重量%とを配合してなる炭素結合煉瓦が開示されている。この炭素結合煉瓦では、樹脂状ピッチと熱硬化性樹脂を併用することで、煉瓦の熱間強度を向上して炉寿命の向上を図っている。
また、特許文献2には、耐火性酸化物、窒化物、硼化物及び炭化物の1種または2種以上の混合物の80〜95重量%と炭素原料5〜20重量%を骨材とし、結合剤として100〜300℃の硬化温度を有し、固定炭素量が40%以上のレゾール型フェノール−ホルムアルデヒド液状熱硬化性樹脂及び該熱硬化性樹脂の硬化温度以上の軟化点を有する固定炭素量50%以上の高軟化点ピッチとの混合物を3〜15重量%配合してなることを特徴とする熱硬化性樹脂結合含炭素耐火煉瓦が開示されている。この含炭素耐火煉瓦では、固定炭素量が40%以上のレゾール型フェノール−ホルムアルデヒド液状熱硬化性樹脂と、固定炭素量が50%以上の高軟化点ピッチとを併用することにより、含炭素耐火煉瓦の強度低下が見られる200〜500℃付近の中間温度域強度の向上を図り、煉瓦耐用性の向上を図っている。
それに対し、耐火物の結合組織中に形成されるカーボン組織の異方性について注目して耐火物の耐用性の向上を試みた例がある。例えば、特許文献3には、炭素結合剤として、ピッチと熱可塑性のノボラック型フェノール樹脂を併用し、800℃以上の温度で焼成することにより、耐火物の結合組織中の粗粒モザイク構造の炭素結合組織を30%以上形成させたことを特徴とする耐火物が開示されている。ここで、一般的には、耐火物中で、フェノール樹脂が分解して残留するカーボンの組織は等方的組織となるが、コールタールピッチから生成するカーボンの組織は異方性組織となるとされている。これは、フェノール樹脂と、ピッチの分子構造の違いに由来し、例えば、フェノール樹脂では、ベンゼン環が「−C−」の結合によって繋がっているため、ベンゼン環の面方向が一定になり難く、そのため等方的になる。一方、ピッチでは、黒鉛の結晶構造により近いベンゼン環が平面的に連なった構造の分子を多く含むため、黒鉛のような異方性組織が発達し易いためだとされている。特許文献3は、フェノール樹脂とピッチを混合することにより、両者の利点と欠点を補完しようとするものである。即ち、炭素結合剤としてピッチとフェノール樹脂を併用し、800℃以上の温度で熱処理して、耐火物の結合組織中に粗粒モザイク構造の炭素結合組織を形成させることで、熱間強度の向上などを図ることができたとしている。
また、特許文献4には、ノボラック型またはレゾール型が40%以下のノボラック型とレゾール型の混合物であり、25℃における粘度が100ポイズ以下のフェノール樹脂に、軟化点が90℃以上350℃以下で、数平均粒度が100μm以下のピッチ粒子を、フェノール樹脂に対し内枠で50重量%以下5重量%以上の割合で加えて均一に分散させることを特徴とするカーボン含有耐火物用バインダーの製造方法が開示されている。特許文献4では、特定の種類のフェノール樹脂とピッチ粒子を併用することで、異方性組織と等方性組織が均一に混ざり合ったマトリックスが形成され、耐火物特性を向上できるとしている。
また、特許文献5には、炭素結合した耐火性生成物を、耐火性粒状物及び有機結合剤から製造する方法であって、ベンゾ[a]ピレン含有量500mg/kg未満、及びDIN51905によるコークス化値少なくとも約80重量%を有するグラファイト化可能な粉末状のコールタールピッチと、DIN51905によるコークス化値少なくとも約15重量%、及び、ベンゾ[a]ピレン含有量500mg/kg未満を有する室温で液体のグラファイト化可能な結合剤とを、有機結合剤として使用し、残りの成分と混合し、成形体に変えて、そして、次に、150〜約400℃の温度で熱処理することを特徴とする方法が開示されている。特許文献5では、ベンゾ[a]ピレン含有量を500mg/kg未満の粉末状コールタールピッチと、室温で液体のグラファイト化可能な結合剤とをバインダーとして適用し、異方性組織を強化し、耐食性や耐熱スポール性の改善を図ろうとするものである。
特開昭53−128611号公報 特公昭57−27867号公報 特開平5−97503号公報 特許第3906500号 特表2007−517757号公報
上記特許文献1〜4では、炭素結合煉瓦のバインダーとして、ピッチ類と、フェノール樹脂が併用されているが、従来のピッチ類は、ベンゾ[a]ピレン含有量が通常0.5質量%程度であり、このようなピッチ類とフェノール樹脂を併用しても、耐食性や耐スポール性の向上効果が満足のいくものではないという問題点があった。
更に、特許文献5では、炭素結合耐火物のバインダーとして、ベンゾ[a]ピレン含有量が500mg/kg未満の粉末状コールタールピッチと、室温で液体のグラファイト化可能な結合剤(特許文献5の実施例では、粉末状コールタールピッチをアントラセン油に溶解したものが例示されている)が併用されているが、どちらも粉末状コールタールピッチを使用するものであり、粉末状コールタールピッチの総量が多くなり、その結果、耐食性が著しく劣るようになり、また、MgO−C質耐火物などに用いた場合には、組織劣化を引き起こすなどの問題点があった。これは、耐火物の成形には最小限の液体状バインダーを必要とするが、必要以上の粉末状コールタールピッチを含むことは、それを原因とした組織劣化を引き起こすこととなるためと考えられる。
従って、本発明の目的は、鉄鋼製造プロセスに使用されるカーボン含有耐火物、例えば転炉、取鍋スラグラインなどに適用されるMgO−C質耐火物の耐食性、耐スポーリング性などを向上させ、それによって炉の使用回数延長など耐用性の向上を図ることができるカーボン含有耐火物を提供することにある。
即ち、本発明は、耐火材料、カーボン材料及びバインダーから構成されるカーボン含有耐火物において、バインダーとしてベンゾ[a]ピレン含有量が0.05質量%以下の液状ピッチと、液状フェノール樹脂とを合計量で、耐火材料及びカーボン材料の合計量100質量%に対し、外掛けで0.5〜5質量%配合することを特徴とするカーボン含有耐火物を提供することにある。
また、本発明のカーボン含有耐火物は、液状ピッチと液状フェノール樹脂の比率が、液状ピッチ20〜80質量%及び液状フェノール樹脂20〜80質量%であることを特徴とする。
更に、本発明のカーボン含有耐火物は、金属粉を含有してなることを特徴とする。
本発明によれば、カーボン含有耐火物のバインダーとしてベンゾ[a]ピレン含有量が0.05質量%以下の液状ピッチと、液状フェノール樹脂とを併用することにより、カーボン含有耐火物の損耗が低減され、炉寿命を延長でき、炉体耐火物コストの低減が可能となる。
本発明のカーボン含有耐火物の特徴は、バインダーにベンゾ[a]ピレン含有量が0.05質量%以下の液状ピッチと液状フェノール樹脂を併用することにあり、これらはそれぞれを別個に配合しても、混合物として配合しても良い。バインダーとして液状ピッチと液状フェノール樹脂とを併用することにより、加熱後の炭化構造において比較的結晶構造が発達した強固な組織を得つつ、また、製造上の課題を克服させることができる。また、弾性率の向上を抑制しつつ熱間強度が向上することが可能となり、耐熱スポーリング性の向上を図れることができる。更には、熱間強度の向上は、煉瓦の結合組織の強化された効果であり、煉瓦組織の強化は耐食性の向上も併せて図ることがきる。
本発明のカーボン含有耐火物にバインダーとして用いられる液状ピッチは、ベンゾ[a]ピレン含有量が0.05質量%以下のものである。ここで、液状ピッチのベンゾ[a]ピレン含有量が0.05質量%を超えると、カーボン含有耐火物の耐食性及び耐スポーリング性の向上効果が発現し難くなるために好ましくない。このような液状ピッチとしては、例えば、RUTGERS社製のCARBORES T-60、T-10などを使用することができる。
上記ピッチと併用され液状フェノール樹脂は、一般的な耐火物製造に使用されるものが適用可能であり、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが適用可能であり、例えば液状ノボラック型フェノール樹脂、液状レゾール型フェノール樹脂を挙げることができる。
上記液状ピッチと液状フェノール樹脂との比率は、液状ピッチ20〜80質量%、液状フェノール樹脂80〜20質量%の範囲内であり、好ましくは液状ピッチ30〜60質量%、液状フェノール樹脂40〜70質量%の範囲内である。液状ピッチの比率が20質量%未満、即ち、液状フェノール樹脂の混合比率が80質量%を超えると、液状ピッチ添加効果が小さく、熱間強度の向上など特性向上効果が得られないことがあるために好ましくない。一方、液状ピッチの比率が80質量%を超える、即ち、液状フェノール樹脂の混合比率が20質量%未満となると、バインダーとする液状フェノール樹脂が過少となるため、カーボン含有耐火物の強度が発現し難くなり、十分な結合組織が得らないことがあるために好ましくない。
上記バインダーの添加量、即ち、液状ピッチと液状フェノール樹脂の合計量は、耐火材料とカーボン材料の合計量100質量%に対して、外掛け0.5〜5質量%の範囲内であり、好ましくは1〜3質量%の範囲内である。バインダーの添加量が0.5質量%未満では、バインダー添加量が過少となり、成形後の締りが悪くなり、脆弱な組織となり、耐食性、耐熱スポーリング性の向上効果が得られないことがあるために好ましくない。また、バインダーの添加量が5質量%を超えると、バインダーの添加量が過多となり、バインダー内の溶剤分などの揮発の影響により気孔率が上昇するため、耐食性が低下することがあるために好ましくない。
次に、本発明のカーボン含有耐火物に使用される耐火材料としては、通常のカーボン含有耐火物を構成する一般的な耐火原料を適用可能であり、例えば、マグネシア、アルミナ、カルシア、ジルコニア、シリカ、炭化珪素などを使用することができる。耐火材料の配合量は、30〜95質量%の範囲内、好ましくは50〜92質量%の範囲内である。耐火材料の配合量が30質量%未満では、耐食性に劣るために好ましくなく、また、95質量%を超えると、耐熱スポーリング性に劣るようになるために好ましくない。
更に、本発明のカーボン含有耐火物に使用されるカーボン材料としては、人造黒鉛、天然黒鉛のようなカーボン含有耐火物に通常適用されているものを使用することができる。カーボン材料の配合量は、3〜70質量%の範囲内、好ましくは8〜50質量%の範囲内である。カーボン材料の配合量が3質量%未満では、耐熱スポーリング性に劣るために好ましくなく、また、70質量%を超えると、耐食性に劣るようになるため好ましくない。
カーボン含有耐火物に、上述の液状ピッチと液状フェノール樹脂を用いることにより得られる効果のメカニズムの詳細は、必ずしも明確でないが以下のように考えられる:
液状フェノール樹脂をバインダーとして単独で用いた場合、還元雰囲気下で加熱、熱分解後に形成されるコークス構造は、等方性で結晶化し難く、硬質で脆弱なものであり、酸化の影響も受け易い。これは、フェノール樹脂の分子構造に起因し、ベンゼン環の結合がランダムになりやすく、そのため、黒鉛のようにベンゼン環が平面的に連なる構造になりにくいためとされる。そのため、カーボン含有耐火物の組織も比較的脆く、耐熱スポール性に劣る。
また、液状ピッチをバインダーとして用いた場合、フェノール樹脂と比べ分子構造はベンゼン環が平面的に連なった構造をしており、より黒鉛の結晶構造に似た異方性組織となり易いという特徴がある。しかし、一般的な液状ピッチには、アントラセンやピレン、ベンゾピレンなど分子量の低いものが含まれており、それらの低分子化合物がコークス化の際に、ランダムに配向して異方性構造の発達を妨げるため、異方性構造の発達は十分ではない。そのため、組織構造がフェノール樹脂起因の組織と比べて異方性となり易いものの、不十分であり、耐熱スポール性、耐食性向上効果が小さい。
これに対して、本発明のカーボン含有耐火物に用いられるベンゾ[a]ピレン含有量が0.05質量%以下の液状ピッチは、コールタールの蒸留に際して減圧蒸留などにより低沸点物で、ベンゾ[a]ピレンを積極的に除外したものである。減圧蒸留などの操作では、ベンゾ[a]ピレンより低分子量で、沸点が低いアントラセンやピレンも同時に除外され、また、ベンゾ[a]ピレンと同程度の沸点を持つフリーフェノールなどの化合物も同時に除去される。そのため、上記ピッチには分子量の低いアントラセン、ピレン、ベンゾピレンなどが殆ど含有されておらず、一般的なピッチよりも異方性のある組織構造となり易く、より軟質で、より剛性のあるカーボン結合が形成され易い。そのため、耐熱スポール性に優れ、且つ緻密な耐食性に優れた煉瓦組織が得られ易いと推定される。
更に、ベンゾ[a]ピレン含有量が0.05質量%の液状ピッチと、液状フェノール樹脂とを併用することによって、液状ピッチが核となり周囲のフェノール樹脂起因のカーボンを異方性に変えることで、より耐熱スポール性に優れ、且つ緻密な耐食性に優れたカーボン含有耐火物組織が得られるものと考えられる。
なお、本発明のカーボン含有耐火物には、カーボン含有耐火物に一般的に用いられている金属粉を添加することもできる。このような金属粉としては、例えば、金属Al粉、金属Si粉、Al−Mg合金粉などを使用することができる。
また、本発明のカーボン含有耐火物の製造方法は特に限定されるものではなく、一般的なカーボン含有耐火物の製造方法にて製造することができ、混練工程では、例えばコナーミキサーや高速攪拌羽が付いた加圧式のハイスピードミキサー、アイリッヒミキサーなどが適用できる。成形工程においては、油圧式プレス、フリクションプレスなど一般的な煉瓦成形プレスが使用できる。また、得られた成形体の乾燥は、乾燥温度180℃〜350℃、保持時間5〜30時間程度とすることができる。
以下、本発明のカーボン含有耐火物について、実施例及び比較例を挙げて更に説明する。
実施例
以下の表1、2及び3に示す配合割合にて混練物を作成し、1.5t/cmの成形圧力にて成形体を製造し、得られた成形体を200℃で24時間にわたり乾燥処理したものを供試サンプルとし、以下の特性試験を実施した。得られた試験結果を表中に併記する。なお、ピッチAは、RUTGERS社製のCARBORES T-60(液状;ベンゾ[a]ピレン含有量が0.05質量%以下)であり、ピッチBは、べンゾ[a]ピレン含有量が0.48質量%の液状ピッチであり、ピッチCは、RUTGERS社製のCARBORES P(粉末状;ベンゾ[a]ピレン含有量が0.05質量%以下)であった。
また、表1、2及び3に記載の各物性値は以下のように測定したものである:
曲げ強さは、JIS R2213に基づき測定したものである。なお、曲げ強さは、10MPa未満を不可、10〜11MPaを良、12MPa超を優として評価した;
耐食性評価は、各供試サンプルとも高周波内張り法にて試験を行ったものである。ここで、表1に示すMgO−C質耐火物については、試験温度を1700℃に保持し、CaO/SiO比が2.8の合成スラグ400gを1時間毎に入れ替えながら合計6時間試験を実施した。試験終了後の供試サンプルから溶損量を測定し、比較品1の溶損量を100として溶損比を算出した。
また、表2に示すAl−MgO−C質耐火物では、試験温度を1700℃に保持し、CaO/SiO比が3.3の合成スラグ400gを1時間毎に入れ替えながら合計6時間試験を実施した。Al−MgO−C質耐火物の溶損量は、MgO−C質耐火物と比較して耐食性が著しく劣るため、比較品1を基準にするのではなく、同材質系でバインダーのみが異なる比較品例8の溶損量を100として溶損比を算出したものである。 更に、表3に示すAl−SiC−C質耐火物については、試験温度を1550℃に保持し、CaO/SiO比が1.4の合成スラグ400gを1時間毎に入れ替えながら合計6時間試験を実施した。溶損量は、比較品10の溶損量を100として溶損比を算出したものである。
なお、溶損指数は、85以上を不可、78〜84を良、77以下を優として評価した;
耐熱スポール性評価は、40×40×160mmに切り出し、これを1000℃の還元雰囲気にて焼成した供試サンプルにて実施した。供試サンプルを1680℃に加熱した溶銑内に1分浸漬し、その後15秒冷水中に浸漬し急冷し、これを2回繰り返した。試験前後での試験片の長手方向(160mm長さ方向)での超音波伝播速度を求め、音速法によって弾性率を求めた。耐熱スポール性は弾性率の変化率によって評価し、変化率が小さいほど、亀裂発生が少なく耐スポール性が高いとした。なお、弾性率低下率は、41以上を不可、37〜40を良、36以下を優として評価した。
Figure 2015147697
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表1に示すMgO−C質耐火物において、本発明品では、黒鉛添加量(本発明品10、11)や金属粉の添加(本発明品11)、粒度配合の相違(本発明品12)に関係なく、一定以上の強度を確保し、耐食性向上効果や耐熱スポール性向上効果が認められた。
これに対し、比較品1は、バインダーとしてノボラック型フェノール樹脂(液体)のみを用いたものであるが、弾性率低下率が大きく、耐スポール性に劣るものであった。
比較品2は、ピッチAを単独で使用したものであるが、強度が弱く、耐食性に劣るものであった。
比較品3は、ピッチA(液体)とピッチC(粉末)を併用したものであるが、強度が弱く、耐食性に劣るものであった。
比較品4は、ノボラック型フェノール樹脂と、べンゾ[a]ピレン含有量が0.48質量%のピッチBとを併用したものであるが、耐食性がやや劣り、耐スポール性の向上も小さいものであった。
比較品5は、バインダー添加量が0.3質量%のものであり、混練後、成形するみとができなかった。表中では、未測定であることを示す「nd」と示した。
比較品6は、バインダー添加量が0.6質量%のものであり、耐食性が劣る結果となった。
比較品7は、ノボラック型フェノール樹脂(液体)のみをバインダーとして用いて金属粉を添加したものであるが、耐食性と耐熱スポーリング性に劣るものであった。
比較品8は、ピッチAのみをバインダーに用いて金属粉を添加したものであり、強度が低く、耐食性に劣る結果となった。
表2に示す比較品9及び10は、それぞれAl−MgO−C質耐火物において、バインダーとしてノボラック型フェノール樹脂(液体)を単独、またはピッチAを単独で用いたものであるが、MgO−C質耐火物と同様の結果となった。
表3に示す比較品11及び12は、それぞれAl−SiC−C質耐火物において、ノボラック型フェノール樹脂を単独、またはピッチAを単独で用いたものであるが、MgO−C質耐火物と同様の結果となった。

Claims (3)

  1. 耐火材料、カーボン材料及びバインダーから構成されるカーボン含有耐火物において、バインダーとしてベンゾ[a]ピレン含有量が0.05質量%以下の液状ピッチと、液状フェノール樹脂とを合計量で、耐火材料及びカーボン材料の合計量100質量%に対し、外掛けで0.5〜5質量%配合することを特徴とするカーボン含有耐火物。
  2. 液状ピッチと液状フェノール樹脂の比率が、液状ピッチ20〜80質量%及び液状フェノール樹脂20〜80質量%である、請求項1記載のカーボン含有耐火物。
  3. 更に、金属粉を含有してなる、請求項1または2記載のカーボン含有耐火物。
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