JPH05170512A - 圧電素子の製造方法 - Google Patents

圧電素子の製造方法

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JPH05170512A
JPH05170512A JP34287891A JP34287891A JPH05170512A JP H05170512 A JPH05170512 A JP H05170512A JP 34287891 A JP34287891 A JP 34287891A JP 34287891 A JP34287891 A JP 34287891A JP H05170512 A JPH05170512 A JP H05170512A
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JP
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piezoelectric element
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piezoelectric
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JP34287891A
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English (en)
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Junji Sugie
順次 杉江
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】圧電素子の機械的強度を高く維持するととも
に、後加工工程における欠損の発生を防止する。 【構成】原料粉末から形成された成形体を焼結して一次
焼結体とし、一次焼結体を熱間静水圧プレスして二次焼
結体とし、さらに後加工を行う圧電素子の製造方法にお
いて、一次焼結体の平均粒径を4〜8μmに制御し、そ
の後二次焼結工程を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層型圧電アクチュエ
ータなどに用いられる圧電素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁力を利用したアクチュエータ
に代わって、例えば特開昭62−291187号公報、
実開昭64−30865号公報などに開示されているよ
うに、圧電効果を利用した圧電アクチュエータが開発さ
れている。この圧電アクチュエータは発熱が少なく、ま
た小型で高速駆動が可能なため、各種の機械的駆動素子
として極めて有望である。ただ圧電効果による機械的変
位は本質的に極めて小さいので、大きな変位量を得るた
めに圧電板と電極板とを交互に多重に積層し絶縁保護層
で被覆された構造の圧電積層体として提供されている。
【0003】上記圧電板の材質としては、チタン酸ジル
コン酸鉛(PZT)が代表的である。このようなセラミ
ックス材料から所定形状の部材を形成するには、原料粉
末から公知の方法で成形体を形成し、焼結した後、研磨
加工などにより整形する方法が一般的である。しかし大
気中で自然に焼結するだけでは、大きな結晶粒子が存在
し研磨加工時に脱落して欠損が生じたり、内部に形成さ
れた空孔による欠陥が生じる。
【0004】そこで、圧電板を製造する場合には、特公
昭60−9352号公報などに開示されているように、
ホットプレス法、熱間静水圧プレス法(以下HIP処理
という)を利用することが好ましい。特にHIP処理に
よれば、ダイスやパンチを用いる必要がないため、それ
らの材質による各種制限が回避されるとともに、不純物
の混入が防止される。そして上記公報によれば、粉末成
形体を先ず所定条件で理想密度より低い密度となるよう
に一次焼結し、その後HIP処理することにより、高密
度の二次焼結体となり高い機械的強度が得られることが
明らかとなっている。また高密度とするためには、一次
焼結体の粒子径は1μm以下が望ましいとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、積層型圧電
アクチュエータを例えば自動車のエンジン制御部品など
に応用する場合、高荷重での高速作動に耐える必要があ
り、アクチュエータを構成するそれぞれの圧電板には圧
電特性に加えて高い機械的強度が要求される。上記した
ように、圧電磁器を一次焼結後HIP処理することは、
機械的強度の向上に極めて有効である。そして本発明者
らの研究によれば、一次焼結体の粒径が小さい程強度の
向上が大きく、例えば平均粒径を1μmとすれば3点曲
げ強度試験で140MPaもの高い強度が得られること
が明らかとなっている。
【0006】一方、積層型圧電アクチュエータ用の圧電
板には、板厚、表裏両面の平行度、外形寸法などに高い
形状精度が要求される。しかし熱処理後の圧電板には変
形が生じているため、高い形状精度を得るためには、熱
処理後に研磨加工などの後加工工程を行う必要がある。
ところが上記HIP処理後の圧電板を機械加工すると、
特に周縁部の角部に欠損が生じ易いことが明らかとなっ
た。このように圧電板に欠損が生じると、圧電アクチュ
エータとして作動中にその欠損からクラックが進行した
り、高電圧で作動するために短絡が生じたりする恐れが
ある。したがって後加工工程後に欠損の有無の綿密な検
査が必要となり、工数が多大となっている。
【0007】そこで本発明者は、後加工時の欠損の発生
の原因について鋭意研究したところ、HIP処理前の一
次焼結体の粒径が欠損の発生率に大きく影響しているこ
とを発見し、本発明を想起したものである。すなわち本
発明は、圧電素子の機械的強度を高く維持するととも
に、後加工工程における欠損の発生を防止することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電素子の製造
方法は、原料粉末から成形体を形成する成形工程と、成
形体を焼結して一次焼結体とする一次焼結工程と、一次
焼結体を熱間静水圧プレスして二次焼結体とする二次焼
結工程と、二次焼結体を後加工する後加工工程と、から
なる圧電素子の製造方法において、一次焼結体の平均粒
径を4〜8μmに制御し、その後二次焼結工程を行うこ
とを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の圧電素子の製造方法では、先ず原料粉
末から成形体が形成される。圧電板を形成する場合は円
板状の成形体が形成される。そして成形体は、理想密度
より低い密度となるように大気中で焼結され一次焼結体
となる。このとき一次焼結体の平均粒径が4〜8μmと
なるように制御する。この制御は焼結条件で制御しても
よいし、原料粉末の組成で制御することもできる。そし
てこの一次焼結体は次に二次焼結工程でHIP処理さ
れ、焼結が完了して二次焼結体となる。この二次焼結体
は、研磨加工などの後加工により整形されて所定形状の
圧電素子とされ、積層型圧電アクチュエータなどに利用
される。
【0010】ここで、二次焼結工程でHIP処理される
一次焼結体の平均粒径が4〜8μmとされていることに
より、得られる圧電素子の機械的強度の向上と後加工時
の欠損の発生の低下の両立を図ることができる。一次焼
結体の平均粒径が4μmより小さくなると、後加工時の
欠損が発生し易くなる。また平均粒径が8μmを超える
と、圧電素子の機械的強度が低下する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を含む試験例
により、本発明を具体的に説明する。 (試験例1) <原料調製工程>PbO:60重量部、ZrO2 :22
重量部、TiO2 :12重量部に、焼結助剤としてのS
rCO3 :5重量部を加え、さらにNb2 5 を1〜5
mol%の範囲で変化させて添加して5種類の原料粉末
を調製した。これらの原料粉末を、それぞれ混粉装置中
に水35リットルと合わせて投入し、4時間粉砕した。
その後120℃で真空乾燥してそれぞれの圧電体原料粉
末を得た。 <成形工程>上記それぞれの圧電体原料粉末90重量部
に対して、それぞれ10重量部のポリビニルアルコール
水溶液(濃度2重量%)を加えて混合した。これを乾燥
させ、篩いに通した後造粒を行った。得られた造粒粉を
それぞれ4×5×50mmのキャビティをもつ金型に投
入し、1ton/cm2 の圧力でプレスしてそれぞれの
成形体を得た。 <一次焼結工程>これらの成形体をるつぼに入れ、昇温
速度300℃/hで1200℃まで加熱し、1200℃
で4時間保持して焼結してそれぞれの一次焼結体を得
た。
【0012】得られたそれぞれの一次焼結体の平均粒径
と、その原料粉末中のNb2 5 添加量との関係を図3
に示す。図3からわかるように、Nb2 5 の添加量が
多くなるにつれて平均粒径が小さくなっている。なお、
一次焼結体の焼結密度は、理想密度の約96%となって
いる。 <二次焼結工程>これらの焼結体を、酸素雰囲気中、1
00MPaの圧力下1200℃で1時間加熱してHIP
処理を施し、二次焼結体を得た。 <試験>それぞれの一次焼結体及び二次焼結体につい
て、研磨して3×4×40mmの試験片を形成し、3点
曲げ強度を測定した。結果を図1に示す。
【0013】図1より、一次焼結体の平均粒径が小さく
なるにつれて3点曲げ強度が向上することがわかる。そ
してHIP処理を行うことにより、3点曲げ強度が大き
く向上していることが明らかであり、さらにHIP処理
による強度増大の効果は一次焼結体の平均粒径が小さい
ほど顕著であることも明らかである。特に平均粒径が8
μmより小さい場合に、3点曲げ強度が100MPa以
上と大きな値を示している。 (試験例2)試験例1と同一の原料粉末を用い、同様に
して直径30mm、厚さ1.5mmの円板状の成形体を
形成した。そして同様に一次焼結工程及び二次焼結工程
を行い、Nb2 5 添加量の水準に対応する複数種類の
二次焼結体を得た。 <後加工工程>これらの二次焼結体の外周を#1000
の砥石で研削し、直径20mmの円板状の圧電素子とし
た。そしてNb2 5 添加量の水準に対応するそれぞれ
の圧電素子について、100個ずつ外周部の欠損の有無
を目視で観察して良品と不良品とに選別し、それぞれの
圧電素子における良品率を算出した。その結果を図2に
示す。
【0014】図2より、一次焼結体の平均粒径が4μm
以上であれば良品率が100%を示し、後加工時に欠損
が生じていないことがわかる。すなわち図1及び図2よ
り、一次焼結体の平均粒径が4〜8μmの範囲にあれ
ば、HIP処理後の圧電素子は充分な3点曲げ強度を示
し、かつ後加工時の欠損も防止されることが明らかであ
る。
【0015】
【発明の効果】すなわち本発明の圧電素子の製造方法に
よれば、機械的強度に優れ、かつ後加工時の欠損も生じ
にくい圧電素子を、容易にかつ安定して製造することが
できる。したがって良品率がほぼ100%となり、製造
時の検査工数が低減されるとともに歩留りが大幅に向上
する。そして得られた圧電素子は、欠損がないので圧電
アクチュエータとして使用時のクラックや短絡が防止さ
れ、耐久性が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一次焼結体の平均粒径と3点曲げ強度との関係
を示すグラフである。
【図2】一次焼結体の平均粒径と欠損の良品率との関係
を示すグラフである。
【図3】酸化ニオブ添加量と一次焼結体の平均粒径との
関係を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料粉末から成形体を形成する成形工程
    と、該成形体を焼結して一次焼結体とする一次焼結工程
    と、該一次焼結体を熱間静水圧プレスして二次焼結体と
    する二次焼結工程と、該二次焼結体を後加工する後加工
    工程と、からなる圧電素子の製造方法において、 該一次焼結体の平均粒径を4〜8μmに制御し、その後
    該二次焼結工程を行うことを特徴とする圧電素子の製造
    方法。
JP34287891A 1991-12-25 1991-12-25 圧電素子の製造方法 Pending JPH05170512A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997029521A1 (fr) * 1996-02-08 1997-08-14 Tokin Corporation Transformateur piezo-electrique
DE4220153B4 (de) * 1991-06-18 2004-12-30 Hitachi, Ltd. Wirbelstromgebläse
JP2011176343A (ja) * 2011-04-12 2011-09-08 Kyocera Corp 積層型圧電素子およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE4220153B4 (de) * 1991-06-18 2004-12-30 Hitachi, Ltd. Wirbelstromgebläse
WO1997029521A1 (fr) * 1996-02-08 1997-08-14 Tokin Corporation Transformateur piezo-electrique
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