JPH05170353A

JPH05170353A - 紙葉類計数機

Info

Publication number: JPH05170353A
Application number: JP30804591A
Authority: JP
Inventors: Yuji Takarada; 勇司財田; Takao Akioka; 隆雄秋岡; Hiroyuki Ikeda; 裕之池田; Akio Funato; 昭夫船戸; Shigeru Yonetani; 盛米谷
Original assignee: Laurel Bank Machine Co Ltd
Current assignee: Laurel Bank Machine Co Ltd
Priority date: 1991-11-22
Filing date: 1991-11-22
Publication date: 1993-07-09
Anticipated expiration: 2014-03-24
Also published as: JP2875078B2

Abstract

(57)【要約】【目的】繰り出された紙葉類Ｓのジャム等の発生およ
び分散を防止することを目的とする。【構成】分離繰出手段３により繰り出そうとする紙葉
類Ｓの大きさを検出し紙葉類検出信号Ｃ３を出力する紙
葉類検出手段１０１と、集積部４のスライド位置を検出
しスライド位置検出信号Ｃ５を出力するスライド位置検
出手段１０２ａ〜ｃとを有しており、制御部Ｃが、紙葉
類検出信号Ｃ３とスライド位置検出信号Ｃ５とから紙葉
類Ｓの大きさと集積部４のスライド位置とを比較し、紙
葉類Ｓの大きさと集積部４のスライド位置とが対応して
いない場合に分離繰出手段３の作動を停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、任意の場所での紙葉類
の計数が可能であり、コンパクトで軽く、持ち運びに便
利な紙葉類計数機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の紙葉類計数機としては、特公昭５
５−６９７５号公報に開示されているもの等があげられ
る。この紙葉類計数機は、紙葉類が投入される紙葉類投
入部と、この紙葉類投入部に投入された紙葉類を一枚ず
つ分離しながら繰り出してその枚数を計数する分離繰出
手段と、この分離繰出手段により繰り出された紙葉類を
集積する集積部と、分離繰出手段の作動開始等の操作を
行う操作部と、繰り出された紙葉類の計数値等を表示す
る表示部とを有するものであり、前記集積部は紙葉類計
数機本体に固定されて設けられていた。

【０００３】この紙葉類計数機は、集積部が固定式であ
るため、持ち運びが不便であるという問題があった。す
なわち、集積部が紙葉類計数機本体から外部に突出する
形状をなしているためこの集積部を持ち運び時にぶつけ
て破損したりする可能性があった。

【０００４】このため、本出願人は、集積部を紙葉類計
数機本体に対して開閉自在に支持する構成を有する紙葉
類計数機について先の出願を行なっている（特願平３−
２４９８７５号）。これは、持ち運び時に集積部を紙葉
類計数機本体に対して閉じ計数時には開くことにより、
集積部を持ち運び時にぶつけて破損するのを防止するも
のであり、加えて、その集積部は、開時に紙葉類の大き
さに応じて集積面の面積を変更すべくスライド自在に設
けられている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の紙葉類計数機においては、集積部のスライド位置が
紙葉類の大きさと対応していない状態において、分離繰
出手段を作動させると、計数後集積部に繰り出された紙
葉類にジャムを生じたり（集積部の集積面積が紙葉類の
大きさに対応する量より小さい場合）、あるいは繰り出
された紙葉類が分散してしまったり（集積部の集積面積
が紙葉類の大きさに対応する量より大きい場合）する可
能性があり、この点でさらなる改善の余地があった。

【０００６】したがって、本発明の目的は、集積部を紙
葉類計数機本体に対して開閉自在に支持し、しかもその
集積部が開時に紙葉類の大きさに応じて集積面の面積を
変更すべくスライド自在に設けられている構成を有する
ものにおいて、繰り出された紙葉類のジャム等の発生お
よび分散を防止することができる紙葉類計数機を提供す
ることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１記載の紙葉類計数機は、紙葉類が
投入される紙葉類投入部と、該紙葉類投入部に投入され
た紙葉類を一枚ずつ分離しながら繰り出してその枚数を
計数する分離繰出手段と、該分離繰出手段により繰り出
された紙葉類を集積する集積部と、前記分離繰出手段の
作動開始等の操作が入力される操作部と、前記分離繰出
手段により繰り出された紙葉類の計数値等を表示する表
示部と、前記分離繰出手段の作動を制御する制御部とを
有するものであって、前記集積部が、紙葉類計数機本体
に対して開閉自在に支持され、かつ開時に集積する紙葉
類の大きさに応じて集積面の面積を変更すべくスライド
自在に設けられており、前記分離繰出手段により繰り出
そうとする紙葉類の大きさを検出し該紙葉類の大きさに
応じた紙葉類検出信号を出力する紙葉類検出手段と、前
記集積部のスライド位置を検出し該集積部のスライド位
置に応じたスライド位置検出信号を出力するスライド位
置検出手段とを有し、前記制御部は、前記紙葉類検出信
号と前記スライド位置検出信号とを受け、該紙葉類検出
信号とスライド位置検出信号とから紙葉類の大きさと前
記集積部のスライド位置とを比較し、紙葉類の大きさと
前記集積部のスライド位置とが対応していない場合に前
記分離繰出手段の作動を停止させることを特徴としてい
る。

【０００８】また、本発明の請求項２記載の紙葉類計数
機は、上記請求項１記載のものに加えて、前記制御部
が、前記紙葉類検出信号と前記スライド位置検出信号と
を受けて行なう紙葉類の大きさと前記集積部のスライド
位置との比較および前記分離繰出手段の作動の停止を、
紙葉類が前記紙葉類検出手段を通過しかつ前記集積部に
繰り出される前に行なうことを特徴としている。

【０００９】さらに、本発明の請求項３記載の紙葉類計
数機は、上記請求項１または２記載のものに加えて、前
記制御部が、前記紙葉類検出信号と前記スライド位置検
出信号とを受けて比較した紙葉類の大きさと前記集積部
のスライド位置とが対応していない場合に、アラーム信
号を出力し、該アラーム信号を受けてアラーム表示およ
びアラーム音発生の少なくともいずれか一方を行なうア
ラーム手段を有することを特徴としている。

【００１０】さらに、本発明の請求項４記載の紙葉類計
数機は、上記請求項１乃至３のいずれかに記載のものに
加えて、前記制御部が、前記紙葉類検出信号と前記スラ
イド位置検出信号とを受けて比較した紙葉類の大きさと
前記集積部のスライド位置とが対応していない場合に、
紙葉類の大きさに対応した前記集積部のスライド位置を
表す適正スライド位置信号を前記表示部に出力し、該適
正スライド位置信号を受けて該表示部は、前記集積部の
適正なスライド位置を表示することを特徴としている。

【００１１】さらに、本発明の請求項５記載の紙葉類計
数機は、上記請求項１乃至４のいずれかに記載のものに
加えて、前記制御部が、前記紙葉類検出信号と前記スラ
イド位置検出信号とを受けて比較した紙葉類の大きさと
前記集積部のスライド位置とが対応していない場合に停
止させた前記分離繰出手段の作動を、その後前記紙葉類
検出信号と前記スライド位置検出信号とを受けて比較し
た紙葉類の大きさと前記集積部のスライド位置とが対応
した場合に、自動的に再開させることを特徴としてい
る。

【００１２】

【作用】本発明の請求項１記載の紙葉類計数機によれ
ば、制御部が、紙葉類検出手段から出力される、繰り出
される紙葉類の大きさに応じた紙葉類検出信号と、スラ
イド位置検出手段から出力される、集積部のスライド位
置に応じたスライド位置検出信号とを受け、該紙葉類検
出信号とスライド位置検出信号とから紙葉類の大きさと
集積部のスライド位置とを比較し、紙葉類の大きさと前
記集積部のスライド位置とが対応していない場合に分離
繰出手段の作動を停止させることになる。したがって、
繰り出された紙葉類にジャムを生じたり分散してしまっ
たりすることがない。

【００１３】また、本発明の請求項２記載の紙葉類計数
機によれば、上記請求項１記載のものの作用に加えて、
制御部が、紙葉類検出信号とスライド位置検出信号とを
受けて行なう紙葉類の大きさと集積部のスライド位置と
の比較および分離繰出手段の作動の停止を、紙葉類が紙
葉類検出手段を通過しかつ集積部に繰り出される前に行
なうことになる。したがって、紙葉類の大きさと集積部
のスライド位置が対応していない場合に集積部に繰り出
される紙葉類が一枚もない。

【００１４】さらに、本発明の請求項３記載の紙葉類計
数機によれば、上記請求項１または２記載のものの作用
に加えて、制御部が、紙葉類検出信号とスライド位置検
出信号とを受けて比較した紙葉類の大きさと集積部のス
ライド位置とが対応していない場合にアラーム信号を出
力し、アラーム手段が、このアラーム信号を受けてアラ
ーム表示およびアラーム音発生の少なくともいずれか一
方を行なうことになる。したがって、繰り出そうとする
紙葉類の大きさと集積部のスライド位置とが対応してい
ないことを使用者に即座に知らせることができる。

【００１５】さらに、本発明の請求項４記載の紙葉類計
数機によれば、上記請求項１乃至３のいずれかに記載の
ものの作用に加えて、制御部が、紙葉類検出信号とスラ
イド位置検出信号とを受けて比較した紙葉類の大きさと
集積部のスライド位置とが対応していない場合に、紙葉
類の大きさに対応した集積部のスライド位置を表す適正
スライド位置信号を表示部に出力し、表示部は、この適
正スライド位置信号を受けて、集積部の適正なスライド
位置を表示することになる。したがって、使用者は、紙
葉類の大きさと集積部のスライド位置との対応等を考慮
することなく、この表示されたスライド位置に集積部の
スライド位置を一致させるのみで分離繰出手段の作動を
即座に再開できることになる。

【００１６】さらに、本発明の請求項５記載の紙葉類計
数機によれば、上記請求項１乃至４のいずれかに記載の
ものの作用に加えて、制御部が、紙葉類検出信号とスラ
イド位置検出信号とを受けて比較した紙葉類の大きさと
集積部のスライド位置とが対応していない場合に停止さ
せた分離繰出手段の作動を、その後、紙葉類検出信号と
スライド位置検出信号とを受けて比較した紙葉類の大き
さと集積部のスライド位置とが対応した場合に、自動的
に再開させることになる。したがって、操作部に操作再
開の入力等を行なう必要がなく、分離繰出手段の作動を
さらに即座に再開できることになる。

【００１７】

【実施例】本発明の一実施例による紙葉類計数機につい
て、図１〜図１５を参照して以下に説明する。なお、以
下の説明で使用する左右上下の方向は図面におけるもの
を便宜的に用いるものである。

【００１８】図中、符号１は紙葉類計数機の本体、符号
２は紙葉類Ｓが投入される紙葉類投入部、符号３は紙葉
類投入部２に投入された紙葉類Ｓを一枚ずつ分離しなが
ら繰り出してその枚数を計数する分離繰出手段、符号４
は分離繰出手段３により繰り出された紙葉類Ｓを集積す
る集積部、符号５は分離繰出手段３の作動開始等の操作
を行う操作部５ａと繰り出された紙葉類Ｓの計数値等を
表示する表示部５ｂとを一体に構成した表示操作部、符
号６は紙葉類計数機本体１に着脱自在に設けられる駆動
源である電池部をそれぞれ示している。また、図１にお
ける符号Ｃは分離繰出手段３の作動を制御する制御部を
示しており、同図中、実線矢印は信号の流れ、一点鎖線
矢印は紙葉類Ｓの流れ、破線矢印はその作動に関連があ
ることをそれぞれ示している。

【００１９】図２および図３等に示すように紙葉類計数
機本体１は、角が除去された直方体形状をほぼなしてお
り、例えば所定の肉厚の板部材を適宜加工変形させ接合
させる等して構成されている。そして、その上部中央に
は、上記分離繰出手段３が設けられている。この分離繰
出手段３は、例えば、紙面を貫く方向に軸を有する複数
のローラおよびベルトからなるローラ群７等によって構
成され、紙葉類投入部２に投入された紙葉類Ｓを、図２
における左側に設けられた引込口８から一枚ずつ引き込
み、これを紙葉類計数機本体１の底面部９とほぼ平行を
なす状態で計数し図２における右側の繰出口１０から一
枚ずつ繰り出すようになっている。ここで、上記引込口
８の一部を構成するベルト１１の上面は紙葉類Ｓを引き
込みやすくするため内側に向うほど下方に位置するよう
若干斜めに設けられており、繰出口１０の一部を構成す
るベルト１２の上面は外側へ向うほど上方に位置するよ
う若干斜めに設けられている。なお、この分離繰出手段
３は制御部Ｃと電気的に接続しており、この分離繰出手
段３の作動は、操作部５ａから出力される操作信号Ｃ１
を制御部Ｃにおいて適宜変換する等して出力される制御
信号Ｃ２により制御され（図１参照）、また、分離繰出
手段３には、図２等に二点鎖線で示すように該分離繰出
手段３の紙葉類Ｓ繰出方向のほぼ中間位置に紙葉類長さ
検出用の光センサ１００が所定角度傾斜した状態でそれ
ぞれの素子を対向させて設けられており、ローラ群７の
ローラ７ａの軸には図示せぬエンコーダセンサが設けら
れている。そして、光センサ１００では紙葉類Ｓが通過
する際の遮光時間および遮光回数を検出し、またこのと
きのローラ７ａの回転速度をエンコーダセンサで検出し
て、それぞれの紙葉類検出信号Ｃ３を制御部Ｃに出力す
ることになる（これら光センサ１００およびエンコーダ
センサが紙葉類検出手段１０１を構成している）。する
と、制御部Ｃでは、上記遮光時間、遮光回数およびロー
ラ７ａの回転速度の紙葉類検出信号Ｃ３を受けて、これ
らから繰り出そうとする紙葉類Ｓの大きさを演算する。
また繰り出される紙葉類Ｓの枚数をカウントして、この
計数値を例えばコード化する等適宜変更して表示信号Ｃ
４として出力することになる。

【００２０】また、上記繰出口１０付近には繰り出され
た紙葉類Ｓを下方に叩き落とすための、ゴム等弾性部材
からなる羽根車１３が設けられている。この羽根車１３
は、ローラ群７の回転により該羽根車１３と同軸上に固
定されたプーリ１４がベルト１２により駆動されて所定
の方向に回転するものである。なお、以上に述べた分離
繰出手段３としては、通常使用されている種々の構成の
ものを適用することができるが、当然のことながら紙葉
類Ｓの二重送り等の計数不良を防止するための機構等は
組み込まれることになる。

【００２１】この分離繰出手段３の図２における左側に
は、上記紙葉類投入部２が設けられている。この紙葉類
投入部２は、外部から紙葉類Ｓを投入できるよう紙葉類
計数機本体１の、図２における分離繰出手段３の左側の
上部から左側面部１６にかけて開口する形状をなしてい
る。そして、紙葉類投入部２の底面部１７は紙葉類計数
機本体１の左側面部１６より所定量内側の位置から分離
繰出手段３方向に延在しさらにその繰出口１０にかけて
延在している。ここで、紙葉類Ｓは、通常重ねられた状
態で底面部１７とほぼ平行をなすよう搭載されるように
なっている。

【００２２】ここで、この紙葉類投入部２は、具体的に
は、分離繰出手段３の図２における左側面部１８、底面
部１７、電池部６の上面部１９（後述する）、本体１の
図２における紙面手前側の側面部（図２には現れず）お
よび本体１の図２における紙面奥側の側面部２０で主に
構成されるものである。なお、当然のことながらこの紙
葉類投入部２の図２における紙面を貫く方向の幅は、投
入される紙葉類Ｓの最大のものの幅より若干大きく設定
されるものである。

【００２３】また、紙葉類計数機本体１の図２における
左側部２１の、紙葉類投入部２の下側には電池部６を取
り付けるためのホルダー２２が設けられている。このホ
ルダー２２は、紙葉類計数機本体１の底面部９とほぼ平
行をなすように該本体１の左側面部１６から所定量内側
に延在する下面部２３と該下面部２３の内端から上方に
向けて所定量延在する中間部２４と該中間部２４の上端
から本体１の左側面部１６方向に若干延在する上面部２
５とを有している。ここで、このホルダー２２の上面部
２５は上記紙葉類投入部２の底面部１７とほぼ同じ高さ
になるよう設けられている。

【００２４】そして、紙葉類計数機本体１の図２におけ
る右側部２６には、該本体１の底面部９より所定量上方
位置から該本体１のほぼ上面部２７まで開口する形状を
なし分離繰出手段３から繰り出された紙葉類Ｓを外部に
放出するための開口部２８が設けられている。この開口
部２８は繰り出された紙葉類Ｓが滞りなく放出されるよ
うに構成されており、例えば図２における紙面を貫く方
向の幅が繰り出される紙葉類Ｓの最大のものの幅より若
干大きく設定されている。

【００２５】加えて、紙葉類計数機本体１の分離繰出手
段３より上部には、表示操作部５を回転自在に支持する
ための支持部材２９が設けられている。この支持部材２
９は、紙葉類計数機本体１の図２における紙面手前側の
側面部（図２には現れず）および図２における紙面奥側
の側面部２０にそれぞれ設けられるもので、可撓性を有
する樹脂等により図４〜図６に示す形状をなすよう作製
されている。

【００２６】すなわち、支持部材２９は、図４における
横方向に延在する形状の横長部３０と、この横長部３０
の図４における左端に設けられた円形状の円形部３１と
が一体成形された構成で、横長部３０の右端には、紙葉
類計数機本体１の両側面部２０，３２に固定するための
ネジ等が挿通する挿通穴３３が設けられており、該挿通
穴３３より若干左側には、上下に延在するよう横長部３
０から突出し本体１の両側面部２０，３２に設けられた
同形状の穴部３４に嵌合してこの支持部材２９の回転を
規制する回転規制部３５が設けられている。そして、こ
の支持部材２９の、回転規制部３５より円形部３１側の
部分は、図５に示すように挿通穴３３側の部分より所定
量薄く成形されており、紙葉類計数機本体１に取り付け
た状態で該本体１の各側面部２０，３２とそれぞれ所定
量離間するようになっている（図５においては側面部３
２側の構成のみ示している）。そして、これにより、支
持部材２９は円形部３１側が対応する側面部２０，３２
側に所定量撓むことができるのである。

【００２７】また、図４に示すように、円形部３１の中
心には表示操作部５を回転自在に支持するための支持軸
３６が反回転規制部３５側に突出するよう設けられてお
り、この支持軸３６の周囲には、支持部材２９の中心軸
線上に３φ程度の閉凹部３７が一つ設けられ、支持軸３
６を中心として該閉凹部３７と１２０゜なすようにそれ
ぞれ両側に一つずつ３φ程度の開凹部３８が設けられて
いる。そして、閉凹部３７と各開凹部３８との間には図
６に示すように、各開凹部３８側に向うにしたがって深
くなる円弧状の溝部４０が設けられており、これによ
り、表示操作部５を閉じるときの力は低減されるように
なっている（後述する）。

【００２８】ここで、上記表示操作部５は、閉じられた
とき（後述する）に表面に出る部分が紙葉類計数機本体
１の外面と一致するようにその外形が形成されるもの
で、図７における下側に表示操作面４１が設けられるも
のであり、右端には上記支持部材２９の円形部３１とほ
ぼ同一径をなす円形取付部４２が設けられている。そし
て、この円形取付部４２の中心には上記支持部材２９の
支持軸３６を嵌合させる支持穴４３が図７における紙面
手前と奥の両側に設けられており（手前側のみ現れてい
る）、この支持穴４３の図７における左側には、上記支
持部材２９の閉凹部３７および開凹部３８に嵌合する３
φ程度凸部４４が図７における紙面手前と奥の両側にそ
れぞれ一つずつ突出して設けられている（手前側のみ現
れている）。なお、この表示操作部５に設けられた操作
部５ａは、図１に示すように制御部Ｃと電気的に接続し
ているとともに、スタートボタンＢ等（図８参照）を有
しており、これらのボタンからの入力に応じて操作信号
Ｃ１を制御部Ｃに出力するようになっている。また、表
示操作部に設けられた表示部５ｂも、図１に示すように
制御部Ｃと電気的に接続しているとともに、枚数等を表
示する表示板Ｍ等（図８参照）を有しており、制御部Ｃ
から出力される表示信号Ｃ４にしたがって、紙葉類Ｓの
計数値等を表示板Ｍ等に表示するようになっている。

【００２９】そして、表示操作部５の両支持穴４３に上
述した支持部材２９の支持軸３６を嵌合させた状態で、
紙葉類計数機本体１の所定の位置に支持部材２９を取り
付ける。このとき表示操作部５の凸部４４が支持部材２
９の閉凹部３７に嵌合した状態にあれば、図３に示すよ
うに表示操作部５は閉状態（収納状態）となっている。
この閉状態から表示操作部５に開く方向の力を加える
と、該表示操作部５は、その凸部４４が支持部材２９を
外側に変形させつつ閉凹部３７から抜け出し、支持軸３
６を中心に揺動する。すると、凸部４４が支持部材２９
の開凹部３８のうちの開方向側にあるものに嵌合し、図
２および図８に示すように開状態（計数可能な状態）と
なり、表示操作面４１が表示および操作に対応すべく表
面に出てくる。そして、これにより、上述した紙葉類投
入部２も紙葉類Ｓを投入可能な状態に開口することにな
る。なお、両側の支持部材２９を同じもので共用するた
めに開凹部３８は上記二ケ所に設けられており、この開
凹部３８は支持部材２９の取付方向によっていずれか一
方（上記開方向側となるもの）のみが使用されることに
なる。

【００３０】一方、上記開状態から表示操作部５に閉じ
る方向の力を加えると、該表示操作部５は、その凸部４
４が支持部材２９を外側に変形させつつ開凹部３８から
抜け出し、支持軸３６を中心に揺動して、その後凸部４
４が支持部材２９の閉凹部３７に嵌合し、図３に示すよ
うに、表示操作面４１が表面に出ない状態で紙葉類投入
部２内に収容され閉状態となる。そして、これにより、
上述した紙葉類投入部２もゴミ・ホコリ等が入らないよ
うに閉塞されることになる。ここで、開凹部３８と閉凹
部３７との間には上記円弧状の溝部４０が形成されてい
るため、凸部４４が開凹部３８を抜け出すために支持部
材２９を変形させる量が少なくてすみ、表示操作部５を
閉じるときの力が低減されることになる。なお、上記開
凹部３８の数は適宜増加させることができ、表示操作部
５の開状態を段階的に選択可能とすることも勿論でき
る。

【００３１】上述したように、表示操作部５は表示操作
面４１が表面に出ない状態で紙葉類投入部２内に収容さ
れるようになっている。したがって、閉じた状態で持ち
運びすることにより、操作スイッチや表示パネル等が表
面に出ないためぶつけても破損することがなく、しか
も、表示操作部５は紙葉類投入部２に収容されることに
なるため、該表示操作部５を収容するスペースを独自に
設ける必要がなくなる。また、閉状態の表示操作部５の
表面に出る部分（外面）は前記紙葉類計数機本体１の外
面と一致するように形成されているため、ぶつけやすい
突出する部分がなくなり、外観上も有利となる。なお、
この場合の外面の一致とは、閉じた状態の表示操作部５
の表面に出る部分が、特にぶつけやすい形状に突出した
りすることのないように紙葉類計数機本体１の外面に対
して設けることを意味するのであって、完全に同一平面
をなすことを意味するのではない（以下同）。

【００３２】また、紙葉類計数機本体１の図２における
右側部２６には集積部４およびこれを開閉させるヒンジ
部４５が設けられている。ヒンジ部４５は、紙葉類計数
機本体１の図２における紙面手前側の側面部（図２には
現れず）および図２における紙面奥側の側面部２０のそ
れぞれに設けられるもので、各側面部の内側に上下斜め
の所定位置に設けられる上ピン４７および下ピン４８
と、上ピン４７を挿通させる上ガイド穴４９および下ピ
ン４８を挿通させる下ガイド穴５０とを有する両ヒンジ
板５１とをそれぞれ具備するものである。そして、下ピ
ン４８を挿通させる下ガイド穴５０は、所定長さの長穴
形状をなしており、上ピン４７を挿通させる上ガイド穴
４９は、上記下ガイド穴５０と平行をなす所定長さの長
穴とその内側の所定長さの円弧状穴とを組み合せた形状
をなしている。このような形状とすることにより、集積
部４を開閉することができる（後述する）。なお、ヒン
ジ部４５等に、集積部４の開閉状態を検出するセンサを
設けることも可能であり、このセンサからの出力に応じ
て分離繰出手段３の作動を制御する（例えば開状態にな
いときには作動させず開状態であれば作動可能とする
等）ことも勿論可能である。

【００３３】集積部４は、図２に示すように、開かれた
状態のとき紙葉類Ｓの繰出方向とほぼ平行をなすように
ヒンジ部４５の両ヒンジ板５１の図２における下側の側
面に固定される集積カバー５２と、集積カバー５２にそ
の延在方向に沿ってスライド自在に設けられる集積板５
３とを有している。

【００３４】上記集積カバー５２は、両ヒンジ板５１の
図２における下側の側面に固定されるトレー部５４と該
トレー部５４と所定量離間して図２における下側に平行
に設けられるカバー部５５とを有している。ここで、集
積部４の構成は中央から両側がほぼ対称の構成となって
いるため、以下はその片側について図９を参照して説明
する。上記トレー部５４およびカバー部５５は図９に示
すように二本の平行なビーム５６を介在させて接合され
ている（図９においてはトレー部５４を二点鎖線（想像
線）で示している）。また、カバー部５５の両ビーム５
６より内側にはこれらと平行をなす二本のガイドレール
５７がこれらと所定量離間して固定されており、これら
ガイドレール５７上にはスライド５８が該ガイドレール
５７に沿って移動可能に支持されている。

【００３５】そして、上記ビーム５６には、それぞれ対
向する面部５９にほぼ等間隔で所定の位置に半円状に切
り欠いた、最も内側の切欠部６０ａ、中間の切欠部６０
ｂおよび最も外側の切欠部６０ｃがそれぞれに設けられ
ており、スライド５８には切欠部６０ａ〜ｃに嵌合可能
な半円状の凸部６１が両側部に設けられている。ここ
で、スライド５８の凸部６１はスライド５８の図９にお
ける右側の端部から分離し外側に山型をなす可撓性を有
する付勢部６２の最外部に設けられており、これにより
スライド５８は、各ビーム５６の切欠部６０ａ〜ｃのい
ずれかに凸部６１を嵌合させた状態からスライド５８を
移動させようと外部から力が加わると、各凸部６１が嵌
合している切欠部６０ａ〜ｃから抜け出すように各付勢
部６２を内側に変形させ、各凸部６１が嵌合している切
欠部６０ａ〜ｃより抜け出すと、スライドして次の切欠
部６０ａ〜ｃに凸部６１を付勢部６２の復元力で嵌合さ
せるようになっている。

【００３６】また、上記スライド５８のカバー部５５側
の図示せぬ下面には、上記集積板５３が設けられてい
る。この集積板５３は両ガイドレール５７に干渉しない
ようにスライド５８の図示せぬ下面に固定される、集積
カバー５２にほぼ平行をなす底板部６４と、この底板部
６４の反ヒンジ部４５側の端部から若干斜めに延在した
後垂直方向に延在するストッパ部６５とから主に構成さ
れている。

【００３７】次に、上記構成の集積部４の開閉等につい
て順に説明する。まず図３に示すように閉じられた状態
の集積部４を開くために、ヒンジ部４５において、上ガ
イド穴４９の長穴状の部分および長穴状の下ガイド穴５
０を、紙葉類計数機本体１に設けられた上ピン４７およ
び下ピン４８に沿わせてヒンジ板５１を上方に移動させ
る（この状態のストッパ部６５を図３において二点鎖線
で示す）。そして、上ガイド穴４９の長穴状の部分の下
端部分および下ガイド穴５０の下端部分が上ピン４７お
よび下ピン４８に至ったら、当接状態となる下ピン４８
と下ガイド穴５０とをこの当接状態を保ちながら集積部
４を開くべく揺動させる（このとき上ピン４７に沿わせ
て上ガイド穴４９の円弧状の部分が移動する）。する
と、図２に示すように、上ガイド穴４９および下ガイド
穴５０がともに上ピン４７および下ピン４８に当接する
ことになり、これとともに集積カバー５２のカバー部５
５の一部が開口部２８の下端を構成する紙葉類計数機本
体１の一部６６に当接し、これによって、集積部４は開
かれた状態になる。

【００３８】上記のように開かれた状態においては、集
積部４の集積カバー５２が紙葉類Ｓの繰出方向にほぼ沿
って延在し、しかも集積板５３のストッパ部６５が紙葉
類Ｓの繰出方向に対してほぼ直立しているため、繰り出
す紙葉類Ｓの飛散をこのストッパ部６５が止め、この状
態で分離繰出手段３の羽根車１３で下方に叩き落とされ
た紙葉類Ｓを集積カバー５２で該集積カバー５２と平行
をなす状態で順次集積することになるのである。

【００３９】ここで、集積部４は、繰り出される紙葉類
Ｓの大きさに応じて集積板５３を集積カバー５２の延在
方向に沿ってその集積面の面積を変更すべくスライドさ
せることになる。すなわち、集積板５３は、図９に示す
ように、スライド５８に設けられた凸部６１が複数設け
られた切欠部６０ａ〜ｃのいずれかに嵌合することによ
り、ストッパ部６５と繰出口１０との距離が、図１０に
示すL₁（凸部６１が最も内側（図９に示す左側）の切欠
部６０ａに嵌合する位置）となる場合、図１０に示すL₂
（凸部６１が中間の切欠部６０ｂに嵌合する位置）とな
る場合および図１０に示すL₃（凸部６１が最も外側（図
９に示す右側）の切欠部６０ｃに嵌合する位置）となる
場合の３通りに変更可能となるのである。なお、この切
欠部６０ａ〜ｃの数および位置等は適宜設定することが
できる。そして、本実施例において、一方のビーム５６
の反切欠部６０ａ〜ｃ側の面には、集積部４のスライド
位置を検出する位置検出センサ（スライド位置検出手
段）１０２ａ〜ｃが設けられている。ここで、各位置検
出センサ１０２ａ〜ｃは制御部Ｃに電気的に接続してお
り、位置検出センサ１０２ａはスライド５８の凸部６１
が切欠部６０ａに嵌合したときにこれを検出して位置検
出信号（スライド位置検出信号）Ｃ５を制御部Ｃに出力
し、位置検出センサ１０２ｂはスライド５８の凸部６１
が切欠部６０ｂに嵌合したときにこれを検出して位置検
出信号Ｃ５を制御部Ｃに出力し、位置検出センサ１０２
ｃはスライド５８の凸部６１が切欠部６０ｃに嵌合した
ときにこれを検出して位置検出信号Ｃ５を制御部Ｃに出
力するものである。

【００４０】そして、紙葉類Ｓの計数が終わった後に
は、集積板５３を一番内側の位置までスライドさせ（こ
のとき凸部６１は最も内側の切欠部６０に嵌合する）、
この状態で、上記開く場合と逆の工程を行うことによ
り、集積部４は閉じられることになる。なお、集積部４
が閉じられたとき、ストッパ部６５が紙葉類計数機本体
１の外面から突出しないように、図３に示すように該本
体１の上部には、該ストッパ部６５を収容する一段凹ん
だ段部６８が設けられている。そして、上記のようにし
て閉じられた集積部４の表面に出る部分（外面）は、紙
葉類計数機本体１の外面と一致するように形成されてい
るため、ぶつけやすい突出する部分がなくなり、外観上
も有利となる。

【００４１】次に、紙葉類計数機本体１の図２における
左側のホルダー２２に取り付けられる電池部６は、図１
１および図１２に示すようにバッテリー６９（図１１お
よび図１２においては二点鎖線で示す）と該バッテリー
６９が収納されるバッテリーカバー７０とから主に構成
されている。ここで、バッテリーカバー７０は、図２に
示すようにホルダー２２に嵌合する形状の嵌合部７１を
有しており、この嵌合部７１と逆側の、取付時に表面に
出る外面が紙葉類計数機本体１の外面と一致するように
形成されている。このバッテリーカバー７０の図２にお
ける上部の左側端部には、紙葉類Ｓの後端側（反分離繰
出手段３側）を支持するための補助板７２が、ピン等
で、紙面を貫く方向に並列して開閉自在に設けられてお
り、該補助板７２は開いたときに紙葉類Ｓを分離繰出手
段３に引き込みやすいように内側に向うほど下方に位置
するよう所定の角度をなすようになっている。また、図
３に示すように、これらの補助板７２は約１７０゜程回
転させて閉じたときには、表面に出る部分が紙葉類計数
機本体１の外面と一致するようにバッテリーカバー７０
の上面部１９に設けられた溝部７０ａに収容されるよう
になっている（図１２および図１３参照）。したがっ
て、この補助板７２は突出しないため、これをぶつける
ことがなく、外観上も有利である。そして、これら補助
板７２の存在により、投入される紙葉類Ｓの後端部側が
支持される、すなわち紙葉類Ｓがより長い長さで支持さ
れ安定することになる。なお、バッテリーカバー７０の
上面部１９は、上記紙葉類投入部２の一部を構成するよ
うになっている。

【００４２】ここで、バッテリーカバー７０の内側面７
３には図１１および図１３に示すように通電用の四角い
通電穴７４が二ケ所設けられており、この通電穴７４の
内側には収納されたバッテリー６９に電気接続する電極
７５が設けられている。また、バッテリーカバー７０の
図１１に示す側面部７６および側面部７７には、ホルダ
ーの後述する着脱機構７８および係止部７９に係合する
ための係止溝８０および係止溝８１がそれぞれ設けられ
ている。なお、補助板７２が閉じられた状態で紙葉類計
数機本体１に取り付けられた電池部６は、表示操作部５
の開閉と干渉しないようになっている。

【００４３】ホルダー２２は、上述したように下面部２
３と中間部２４と上面部２５とを有しており、図１４に
示すように、その他にこれらの両側を閉じるように各側
部８２，８３が設けられている。そして、中間部２４に
は、取り付けられた電池部６のバッテリーカバー７０の
通電穴７４に入り込んで該バッテリー６９側の電極７５
と電気的に接続する接触子８４が設けられており、ホル
ダー２２の図１４における左側部８２には、着脱機構７
８が、右側部８３にはホルダー２２内側に突出する形状
の係止部７９がそれぞれ設けられている。

【００４４】上記着脱機構７８は、図１４に示すよう
に、紙葉類計数機本体１の外面側に操作片８５が位置す
る（図８参照）レバー８６とこのレバー８６を紙葉類計
数機本体１の内部側で揺動自在に支持する支持部８７と
を有しており、このレバー８６には、ホルダー２２の内
側に突出する着脱部８８が設けられている。またレバー
８６には着脱部８８をホルダー２２内に突出した状態に
維持するネジリバネ８９が設けられており、レバー８６
の操作片８５をホルダー２２外側に向けて（図１４に示
す矢印方向）押圧すると、前記ネジリバネ８９の付勢力
に抗して着脱部８８がホルダー２２の外部側に移動し、
これにより該着脱部８８はホルダー２２の内側に存在し
なくなる。電池部６が装着された状態で上記にようにレ
バー８６の操作片８５を動かすと、電池部６の係止溝８
０に係合していた着脱部８８がその係合を解除し、よっ
て電池部６は取り外し可能となる。

【００４５】一方このホルダー２２に電池部６を取り付
ける場合、係止部７９を電池部６の係止溝８１に嵌合し
た後、着脱機構７８の着脱部８８に乗り上げつつ電池部
６をホルダー２２内側に挿入し（図１５参照）、電池部
６が中間部２４にほぼ当接する位置に達すると着脱部８
８がネジリバネ８９の付勢力で電池部６の係止溝８０に
嵌合する。これにより、電池部６は、ガタ付くこと等な
く紙葉類計数機本体１に取り付けられることになり、こ
のとき、その接触子８４が電池部６の電極７５と接触し
てこれらの間を通電状態に至らしめることになる。な
お、着脱部８８の先端には、電池部６の取り付けを容易
にするためホルダー２２の中間部２４側に向うほど突出
が大きくなる傾斜面９０が設けられている。また、当然
のことながらこの電池部６から供給される電力によって
表示操作部５および分離繰出手段３等の作動がなされる
ようになっている。また、紙葉類計数機本体１の図１５
における下側の側面部３２にはこの紙葉類計数機を持ち
運びするためのハンドル９１が設けられている。

【００４６】上記のように紙葉類計数機をバッテリーに
よる駆動とすることにより、外部電源がない場所での作
動も可能となり、持ち運びの範囲をさらに広げることが
できる。また、電池部６は紙葉類計数機本体１に対して
着脱自在であり、取り付けたときにその表面に出る外面
が本体１の外面と一致することになるため、この部分が
本体１に対して突出すること等がなく、持ち運び時にぶ
つけにくい構成である。さらに、電池部６の上面部１９
が紙葉類投入部２の一部を構成するため、その分、紙葉
類投入部２を構成する部品を減らすことができ、構成が
簡素化されることになる。また、電池部６の上面部１９
に補助板７２を設ける構成としたため、紙葉類本体１の
構成を簡素化できる。

【００４７】そして、本実施例においては、制御部Ｃと
電気的に接続するとともに、制御部Ｃから出力されるア
ラーム信号Ｃ６（後述する）を受けてアラーム表示およ
びアラーム音の発生を行なうアラーム手段１０３（図１
参照）が設けられている。

【００４８】以上の構成の紙葉類計数機の制御部Ｃの本
発明に係わる制御内容等について以下に説明する。ま
ず、表示操作部５および集積部４を開状態とし、使用者
が紙葉類Ｓの大きさに応じて集積面積を変更すべく集積
部４をスライドさせる。そして、紙葉類投入部２に紙葉
類Ｓが投入され、分離繰出手段３を作動させるべく操作
部５ａに入力を行なうと、操作部５ａから操作信号Ｃ１
が制御部Ｃに出力され、これに応じて制御部Ｃからは分
離繰出手段３に該分離繰出手段３を作動させるべく制御
信号Ｃ２が出力されることになる。これを受けて分離繰
出手段３は紙葉類投入部２に投入された紙葉類Ｓを順次
分離・計数・繰出することになる。ここで、制御部Ｃに
は、位置検出センサ１０２ａ〜ｃのいずれかから位置検
出信号Ｃ５が入力されており、上記分離繰出手段３によ
り繰り出そうとする紙葉類Ｓの一番最初のものの大きさ
を紙葉類検出手段１０１からの紙葉類検出信号Ｃ３から
演算し、例えばこの演算結果から割り出される集積部４
の適正な位置データと上記位置検出信号Ｃ５に基づいて
判定される集積部４のスライド位置とが一致しているか
いないかを判定することになる（判定方法は後述す
る）。そして、これらが一致していれば、分離繰出手段
３への作動の制御信号Ｃ２の出力を引き続き行なってそ
の作動を継続させることになる。

【００４９】一方、使用者が、集積部４を適正な位置に
スライドさせるのを忘れたり、あるいはスライドさせた
がその位置が適正でなかったりした場合には、集積部４
のスライド位置と前記紙葉類Ｓの大きさとが対応してお
らず、よって、制御部Ｃは、この結果から紙葉類Ｓが紙
葉類検出手段１０１を通過しかつ集積部４に繰り出され
る前に分離繰出手段３への作動の制御信号Ｃ２の出力を
やめて（あるいは作動停止の制御信号Ｃ２を出力する）
その作動を停止させ、次の紙葉類Ｓの計数をやめること
になる。したがって、紙葉類Ｓの大きさと集積部４のス
ライド位置とが対応していない場合に紙葉類Ｓを一枚も
繰り出すことなく分離繰出手段３の作動を停止させるこ
とができるので、一枚の紙葉類Ｓにも変形等を生じさせ
ることがない。

【００５０】その一方で、制御部Ｃは、アラーム信号Ｃ
６を出力する。すると、このアラーム信号Ｃ６を受けて
アラーム手段１０３が、アラーム表示およびアラーム音
発生を行なうことになる。したがって、繰り出そうとす
る紙葉類Ｓの大きさと集積部４のスライド位置とが対応
していないことを使用者に即座に知らせることができ
る。

【００５１】さらに、その一方で、制御部Ｃは、紙葉類
検出信号Ｃ３から演算した紙葉類Ｓの大きさのデータか
ら割り出される集積部４の適正なスライド位置を表す表
示信号（適正スライド位置信号）Ｃ４を表示部５ｂに出
力し、表示部は、この表示信号Ｃ４を受けて、集積部４
の適正なスライド位置を表示板Ｍ等に表示することにな
る。したがって、使用者は、紙葉類Ｓの大きさと集積部
４のスライド位置との対応等を考慮することなく、この
表示されたスライド位置に集積部４のスライド位置を一
致させるのみで分離繰出手段３の作動を即座に再開でき
ることになる。

【００５２】そして、使用者が上記表示部５ｂに表示さ
れたデータを元に集積部４を適正なスライド位置にスラ
イドさせると、位置検出センサ１０２ａ〜ｃのいずれか
対応するものから位置検出信号Ｃ５が出力され、この位
置検出信号Ｃ５を受けて制御部Ｃは、紙葉類Ｓの大きさ
と集積部４のスライド位置とが対応したことを確認する
と、停止させていた分離繰出手段３の作動を自動的に再
開させるべく制御信号Ｃ２を再出力することになる。し
たがって、操作部５ａに操作再開の入力を行なう必要が
なく、分離繰出手段３の作動をさらに即座に再開できる
ことになる。

【００５３】次に、制御部Ｃによる、集積部４のスライ
ド位置と繰り出そうとする紙葉類Ｓの大きさとの対応の
判定方法について主に図９および図１０を参照して説明
する。ここで、上述したように、集積部４のストッパ部
６５と分離繰出手段３の繰出口１０との距離を、スライ
ド５８の凸部６１がビーム５６の切欠部６０ａに嵌合す
る際の距離Ｌ₁（この位置にあるとき位置検出センサ１
０２ａが位置検出信号Ｃ５を出力する）、スライド５８
の凸部６１がビーム５６の切欠部６０ｂに嵌合する際の
距離Ｌ₂（この位置にあるとき位置検出センサ１０２ｂ
が位置検出信号Ｃ５を出力する）およびスライド５８の
凸部６１がビーム５６の切欠部６０ｃに嵌合する際の距
離Ｌ₃（この位置にあるとき位置検出センサ１０２ｃが
位置検出信号Ｃ５を出力する）とし、また、紙葉類検出
手段１０１により検出される紙葉類Ｓの大きさ（長さ）
をＬ₀とする。

【００５４】まず、紙葉類Ｓの大きさＬ₀がＬ₀＜Ｌ₁で
ある場合には、集積部４がＬ₁の位置にある、すなわち
位置検出センサ１０２ａが位置検出信号Ｃ５を出力しか
つ他の位置検出センサ１０２ｂ、１０２ｃが位置検出信
号Ｃ５を出力していない場合のみ、分離繰出手段３への
作動の制御信号Ｃ２の出力を継続し、それ以外の場合に
は制御信号Ｃ２の出力を停止する（または、分離繰出手
段３へ作動停止の制御信号Ｃ２を出力する）。

【００５５】次に、紙葉類Ｓの大きさＬ₀がＬ₁≦Ｌ₀＜
Ｌ₂である場合には、集積部４がＬ₂の位置にある、すな
わち位置検出センサ１０２ｂが位置検出信号Ｃ５を出力
しかつ他の位置検出センサ１０２ａ、１０２ｃが位置検
出信号Ｃ５を出力していない場合のみ、分離繰出手段３
への制御信号Ｃ２の出力を継続し、それ以外の場合には
制御信号Ｃ２の出力を停止する（または、分離繰出手段
３へ作動停止の制御信号Ｃ２を出力する）。

【００５６】そして、紙葉類Ｓの大きさＬ₀がＬ₂≦Ｌ₀
＜Ｌ₃である場合には、集積部４がＬ3の位置にある、す
なわち位置検出センサ１０２ｃが位置検出信号Ｃ５を出
力しかつ他の位置検出センサ１０２ａ、１０２ｂが位置
検出信号Ｃ５を出力していない場合のみ、分離繰出手段
３への制御信号Ｃ２の出力を継続し、それ以外の場合に
は制御信号Ｃ２の出力を停止する（または、分離繰出手
段３へ作動停止の制御信号Ｃ２を出力する）。

【００５７】ここで、集積板４が上記以外の中途半端な
位置にあるとき、すなわちいずれの位置検出センサ１０
２ａ〜ｃからも位置検出信号Ｃ５が出力されない場合に
は、制御部Ｃは、分離繰出手段３の作動を最初から行な
わないようになっている。

【００５８】なお、上述したように、ビーム５６の切欠
部の数は適宜増減することができ、これに応じて位置検
出センサの数も変更することができる。

【００５９】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項１
記載の紙葉類計数機によれば、制御部が、紙葉類検出手
段から出力される、繰り出される紙葉類の大きさに応じ
た紙葉類検出信号と、スライド位置検出手段から出力さ
れる、集積部のスライド位置に応じたスライド位置検出
信号とを受け、該紙葉類検出信号とスライド位置検出信
号とから紙葉類の大きさと集積部のスライド位置とを比
較し、紙葉類の大きさと前記集積部のスライド位置とが
対応していない場合に分離繰出手段の作動を停止させる
ことになる。したがって、繰り出された紙葉類にジャム
等を生じたり分散してしまったりすることがなく、きれ
いに紙葉類を集積することができる。

【００６０】また、本発明の請求項２記載の紙葉類計数
機によれば、上記請求項１記載のものの効果に加えて、
制御部が、紙葉類検出信号とスライド位置検出信号とを
受けて行なう紙葉類の大きさと集積部のスライド位置と
の比較およぶ分離繰出手段の作動の停止を、紙葉類が紙
葉類検出手段を通過しかつ集積部に繰り出される前に行
なうことになる。したがって、紙葉類の大きさと集積部
のスライド位置が対応していない場合に集積部に繰り出
される紙葉類が一枚もなく当然ジャム等を生じてしまう
紙葉類が一枚もないことになる。

【００６１】さらに、本発明の請求項３記載の紙葉類計
数機によれば、上記請求項１または２記載のものの効果
に加えて、制御部が、紙葉類検出信号とスライド位置検
出信号とを受けて比較した紙葉類の大きさと集積部のス
ライド位置とが対応していない場合にアラーム信号を出
力し、アラーム手段が、このアラーム信号を受けてアラ
ーム表示およびアラーム音発生の少なくともいずれか一
方を行なうことになる。したがって、繰り出そうとする
紙葉類の大きさと集積部のスライド位置とが対応してい
ないことを使用者に即座に知らせることができる。

【００６２】さらに、本発明の請求項４記載の紙葉類計
数機によれば、上記請求項１乃至３のいずれかに記載の
ものの効果に加えて、制御部が、紙葉類検出信号とスラ
イド位置検出信号とを受けて比較した紙葉類の大きさと
集積部のスライド位置とが対応していない場合に、紙葉
類の大きさに対応した集積部のスライド位置を表す適正
スライド位置信号を表示部に出力し、表示部は、この適
正スライド位置信号を受けて、集積部の適正なスライド
位置を表示することになる。したがって、使用者は、紙
葉類の大きさと集積部のスライド位置との対応等を考慮
することなく、この表示されたスライド位置に集積部の
スライド位置を一致させるのみで分離繰出手段の作動を
即座に再開できることになる。

【００６３】さらに、本発明の請求項５記載の紙葉類計
数機によれば、上記請求項１乃至４のいずれかに記載の
ものの効果に加えて、制御部が、紙葉類検出信号とスラ
イド位置検出信号とを受けて比較した紙葉類の大きさと
集積部のスライド位置とが対応していない場合に停止さ
せた分離繰出手段の作動を、その後、紙葉類検出信号と
スライド位置検出信号とを受けて比較した紙葉類の大き
さと集積部のスライド位置とが対応した場合に、自動的
に再開させることになる。したがって、操作部に操作再
開の入力を行なう必要がなく、分離繰出手段の作動をさ
らに即座に再開できることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による紙葉類計数機を示すブ
ロック図である。

【図２】本発明の一実施例による紙葉類計数機の断面図
であり、表示操作部、集積部および補助板を開いた状態
を示すものである。

【図３】本発明の一実施例による紙葉類計数機の断面図
であり、表示操作部、集積部および補助板を閉じた状態
を示すものである。

【図４】本発明の一実施例による紙葉類計数機の支持部
材を示す正面図である。

【図５】本発明の一実施例による紙葉類計数機の本体、
支持部材および表示操作部の関係を概略的に示す平面図
である。

【図６】本発明の一実施例による紙葉類計数機の支持部
材の図４に示すＸ−Ｘ線に沿う部分断面図である。

【図７】本発明の一実施例による紙葉類計数機の表示操
作部を示す側面図である。

【図８】本発明の一実施例による紙葉類計数機の図２に
おける左側から見た図である。

【図９】本発明の一実施例による紙葉類計数機の集積部
の図１０に示すＹ方向から見た図である。

【図１０】本発明の一実施例による紙葉類計数機の断面
図であり、集積部のスライド状態を示すものである。

【図１１】本発明の一実施例による紙葉類計数機の電池
部を図２における上側から見た断面図である。

【図１２】本発明の一実施例による紙葉類計数機の電池
部の図１１における左側から見た側断面図である。

【図１３】本発明の一実施例による紙葉類計数機の電池
部の図１１における下側から見た図である。

【図１４】本発明の一実施例による紙葉類計数機のホル
ダーの図２における上側からみた断面図である。

【図１５】本発明の一実施例による紙葉類計数機の平面
図であり、電池部の取付状況を概略的に示すものであ
る。

【符号の説明】

１紙葉類計数機本体２紙葉類投入部３分離繰出手段４集積部５ａ操作部５ｂ表示部１０１紙葉類検出手段１０２ａ〜ｃ位置検出センサ（スライド位置検出手
段）１０３アラーム手段Ｃ制御部Ｃ３紙葉類検出信号Ｃ４表示信号（適正スライド位置信号）Ｃ５位置検出信号（スライド位置検出信号）Ｃ６アラーム信号Ｓ紙葉類

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者船戸昭夫大阪府大阪市北区大淀中１丁目８番12号ローレル機械株式会社大阪研究所内 (72)発明者米谷盛大阪府大阪市北区大淀中１丁目８番12号ローレル機械株式会社大阪研究所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】紙葉類が投入される紙葉類投入部と、該紙葉類投入部に投入された紙葉類を一枚ずつ分離しな
がら繰り出してその枚数を計数する分離繰出手段と、該分離繰出手段により繰り出された紙葉類を集積する集
積部と、前記分離繰出手段の作動開始等の操作が入力される操作
部と、前記分離繰出手段により繰り出された紙葉類の計数値等
を表示する表示部と、前記分離繰出手段の作動を制御する制御部とを有する紙
葉類計数機において、前記集積部は、紙葉類計数機本体に対して開閉自在に支
持され、かつ開時に集積する紙葉類の大きさに応じて集
積面の面積を変更すべくスライド自在に設けられてお
り、前記分離繰出手段により繰り出そうとする紙葉類の大き
さを検出し該紙葉類の大きさに応じた紙葉類検出信号を
出力する紙葉類検出手段と、前記集積部のスライド位置を検出し該集積部のスライド
位置に応じたスライド位置検出信号を出力するスライド
位置検出手段とを有し、前記制御部は、前記紙葉類検出信号と前記スライド位置
検出信号とを受け、該紙葉類検出信号とスライド位置検
出信号とから紙葉類の大きさと前記集積部のスライド位
置とを比較し、紙葉類の大きさと前記集積部のスライド
位置とが対応していない場合に前記分離繰出手段の作動
を停止させることを特徴とする紙葉類計数機。
【請求項２】前記制御部は、前記紙葉類検出信号と前
記スライド位置検出信号とを受けて行なう紙葉類の大き
さと前記集積部のスライド位置との比較および前記分離
繰出手段の作動の停止を、紙葉類が前記紙葉類検出手段
を通過しかつ前記集積部に繰り出される前に行なうこと
を特徴とする請求項１記載の紙葉類計数機。
【請求項３】前記制御部は、前記紙葉類検出信号と前
記スライド位置検出信号とを受けて比較した紙葉類の大
きさと前記集積部のスライド位置とが対応していない場
合に、アラーム信号を出力し、該アラーム信号を受けてアラーム表示およびアラーム音
発生の少なくともいずれか一方を行なうアラーム手段を
有することを特徴とする請求項１または２記載の紙葉類
計数機。
【請求項４】前記制御部は、前記紙葉類検出信号と前
記スライド位置検出信号とを受けて比較した紙葉類の大
きさと前記集積部のスライド位置とが対応していない場
合に、紙葉類の大きさに対応した前記集積部のスライド
位置を表す適正スライド位置信号を前記表示部に出力
し、該適正スライド位置信号を受けて該表示部は、前記集積
部の適正なスライド位置を表示することを特徴とする請
求項１乃至３のいずれかに記載の紙葉類計数機。
【請求項５】前記制御部は、前記紙葉類検出信号と前
記スライド位置検出信号とを受けて比較した紙葉類の大
きさと前記集積部のスライド位置とが対応していない場
合に停止させた前記分離繰出手段の作動を、その後前記
紙葉類検出信号と前記スライド位置検出信号とを受けて
比較した紙葉類の大きさと前記集積部のスライド位置と
が対応した場合に、自動的に再開させることを特徴とす
る請求項１乃至４のいずれかに記載の紙葉類計数機。