JPH05169872A - 直描型平版印刷用版材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、静電転写方式の複写機で製版した
場合、トナーの転移効率が高く、また、熱転写方式のプ
リンターで製版した場合、非画像部へのインクリボンか
らのインク転移が少なく、印刷汚れが少なく、かつ耐刷
性の良好な直描型平版印刷用版材を提供する。 【構成】 耐水性支持体上に、バインダーと、顔料とし
て炭酸亜鉛を含有する画像受容層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、直描型平版印刷用版材
に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明
は、ゼログラフィー方式のコピー機やレーザープリンタ
ー等の静電転写方式、あるいは、熱転写プリンターのよ
うな熱転写方式で製版可能であり、かつ汚れが少なく、
耐刷性が良好な直描型平版印刷用版材に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】最近の事務機器の発達とＯＡ化の進展に
伴ない、軽印刷分野においては、静電転写方式のコピー
機やレーザープリンターや熱転写プリンター等で、簡単
に製版できる直描型平版印刷用版材を利用する印刷方式
が急速に普及している。

【０００３】従来の直描型平版印刷版材は、紙、プラス
チックフィルムなどからなる支持体上に、顔料、水溶性
バインダー及び耐水化剤を主成分とする画像受容層を設
けたものである。このような直描型平版印刷版において
は、親油性インキを用いて、画像受容層上に、タイプラ
イター又は手書きにより、親油性画像を形成するか、又
は電子写真感光体上に形成したトナー画像を平版印刷版
の画像受容層に転写し、熱定着することによって親油性
画像を形成する。或は、熱転写プリンターでインクリボ
ンから熱溶融転写して親油性画像を形成することができ
る。このような印刷版を用いて印刷するには、エッチン
グ液で非画像部を不感脂化処理し、印刷マスターとして
平版印刷に供される。

【０００４】耐水性支持体上に無機顔料、水溶性バイン
ダー及び耐水化剤等からなる画像受容層を設けた直描型
平版印刷版材としては、例えば特公昭40-23581号、特開
昭48- 9802号、特開昭57- 205196号、特開昭60- 2309
号、特開昭57- 1791号、特開昭57-15998号、特開昭57-9
6900号、特開昭57- 205196号、特開昭63- 166590号、特
開昭63- 166591号、特開昭63- 256493号、特開昭63- 31
7388号、および特開平1-114488号などに開示されてい
る。

【０００５】このような従来の直描型平版印刷版材は、
光導電性酸化亜鉛と油溶性バインダーを主成分とする電
子写真方式のオフセットマスターに比べると、印刷汚れ
が生じやすく、耐刷性が低いという欠点があった。すな
わち、従来の直描型平版印刷版材では、メラミンホルム
アルデヒド樹脂などの硬化剤を用いてその耐水性を向上
させ、それによって満足できる耐水性を有するものが得
られるが、しかし、その不感脂化性が不十分で、印刷汚
れが生じ易いという欠点があった。

【０００６】一方、カルボシキメチルセルロースなどの
親水性の強いバインダーだけを用いて得られる印刷版は
耐刷性が悪いため、バインダーの硬化剤として、多価金
属塩が用いられているが、この場合、画像受容層の電気
抵抗が低くなるため、静電転写方式の製版においてトナ
ーの転写効率が悪くなるという欠点を有していた。

【０００７】従来の直描型平版印刷版材において、静電
転写方式の製版時、トナー画像転写においてトナーの飛
散が起こり、カブリとなって、これが印刷時においても
汚れとなって現われるという欠点を有している。

【０００８】従来の直描型平版印刷版材において、一般
に画像受容層に用いられる顔料としては、クレー、タル
ク、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アル
ミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バ
リウム、硫酸バリウムなどがあげられる。これらの顔料
は、親水性を付与するためと、インキやトナーの付着を
よくするために使用されている。しかし、酸化亜鉛以外
の顔料は、不感脂化を十分に行うことができず、また汚
れやすく、そのため、これらの顔料を用いる場合には不
感脂化が容易な酸化亜鉛を併用することにより、汚れを
少なくすることが行なわれている。

【０００９】我々の研究結果では、フランス法による酸
化亜鉛を使用すると、光により酸化亜鉛が導電性となる
ためトナーの転写効率が悪くなるという欠点を有してい
ることが判明した。また、湿式法による酸化亜鉛を用い
ると、非画像部の親水化が十分にできず、印刷時に汚れ
てしまうという欠点を有していることも判明した。

【００１０】また、一般の酸化亜鉛マスターで静電転写
方式の製版をして、シアン系のエッチ液で不感脂化した
もので印刷をした場合、印刷汚れ防止性に関しては非常
に良好であったが、光により酸化亜鉛が導電性となって
いるため、製版時のトナーの転写効率が低く、トナーの
付着量が少なくなるという欠点があった。

【００１１】一方、従来の直描型平版印刷版材におい
て、熱転写プリンターでインクリボンからを熱溶融転写
して親油性の画像を作る製版方式では、インクリボンの
インクが、感熱ヘッドの余熱により、非画像部にも転写
され、印刷の際に印刷汚れとなるという欠点が見られ
た。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、印刷汚れが
少なく、耐刷性に優れ、静電転写方式の製版において
は、トナーの転写効率が良好であり、また、熱転写方式
の製版においては、非画像部へのインク転移が少ない直
描型平版印刷用版材を提供しようとするものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明等は、静電転写方
式および熱転写方式の製版に好適な直描型平版印刷用版
材について鋭意研究した結果、画像受容層に含まれる顔
料として炭酸亜鉛を用いることにより、上記課題を解決
した直描型平板印刷用版材が得られることを見出し、本
発明を完成させたものである。

【００１４】すなわち、本発明の直描型平板印刷用版材
は、耐水性支持体と、前記耐水性支持体上に形成され、
顔料およびバインダー樹脂を含む画像受容層とを有し、
かつ前記画像受容層に含まれる前記顔料が炭酸亜鉛であ
ることを特徴とするものである。

【００１５】

【作用】本発明の直描型平版印刷版材において、その画
像受容層に含まれる顔料は、炭酸亜鉛であり、この炭酸
亜鉛としては、正炭酸亜鉛（ＺｎＣＯ₃ ）、および塩基
性炭酸亜鉛（代表的な組成：２ＺｎＣＯ₃ ・３Ｚｎ（Ｏ
Ｈ）₂ ・Ｈ₂ Ｏ）のいづれを用いてもよい。画像受容層
中の炭酸亜鉛の含有量は、全画像受容層重量の２０重量
％以上である。炭酸亜鉛の含有量が２０重量％未満であ
ると、非画像部の不感脂化が不十分となり、印刷汚れを
生じる。また、画像受容層中には、炭酸亜鉛以外の顔料
として、クレイ、シリカ、酸化チタンなどを含有しても
よいが、これらの顔料は、全顔料中２０重量％以下の含
有量で用いられる。

【００１６】本発明の直描型平版印刷用版材の画像受容
層の乾燥重量は、５〜１５ｇ／ｍ² が好ましい。これが
５ｇ／ｍ² 未満では得られる印刷版材の不感脂化能力が
不十分となり、印刷汚れが生じやすくなる。また、それ
が１５ｇ／ｍ² を越える場合には静電転写方式の製版に
おいてトナーの転移効率が低下する。

【００１７】本発明の平版印刷版材中の画像受容層に用
いられるバインダー樹脂としては、澱粉、澱粉誘導体、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロ
ースのごときセルロース誘導体、ポリビニルアルコー
ル、変性ポリビニルアルコール、カゼイン、およびアク
リル酸アンモニウム等の水溶性樹脂、並びに、アクリル
樹脂、ＳＢＲ、ＮＢＲ、および酢酸ビニル−エチレン共
重合体のごとき水不溶かつ水分散性のエマルジョン型樹
脂が使用可能であり、これらの樹脂を単独または２種以
上を併用することができる。水溶性樹脂単独の場合に
は、耐刷性を向上させるため、これに耐水化剤を適量併
用することが好ましい。

【００１８】更に、画像受容層に用いられるバインダー
として、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリカーボネート樹脂、およびブチラール樹脂等の
溶剤可溶性（水不溶性）樹脂を用いることができる。こ
の場合には、画像受容層形成用塗布液は、トルエン等の
溶剤を用いて調製することができる。

【００１９】画像受容層中のバンイダーの含有量は、画
像受容層の全重量に対して３０％以下である。それが３
０％より多い場合は、得られる印刷版の非画像部の不感
脂化が不十分となり、印刷において汚れを生じ易くな
る。

【００２０】本発明において、耐水性支持体としては、
耐水化処理を施した紙、またはプラスチックフィルムな
どを用いることができる。紙を基材とした支持体の場合
は、画像受容層を設ける面に、耐刷性の向上のために耐
水性層を設け、全体として耐水性支持体とする。

【００２１】また、支持体の裏面にカール防止のために
バックコート層を設けてもよい。また、耐水性層と画像
受容層の間に、耐溶剤層を設けることにより、アクリル
樹脂等の溶剤可溶性樹脂を用いて画像受容層を設けるこ
とが可能となる。

【００２２】前記耐水層およびバックコート層は、アク
リル樹脂、ＳＢＲ、ＮＢＲのようなエマルジョン型樹脂
を用いて形成される。これらの樹脂は単独で使用しても
よく、又は２種以上のものを併用してもよい。また、こ
れらの層中に顔料を適量含有させてもよい。前記耐水性
層およびバックコート層の塗布量は、それぞれ、乾燥重
量で５〜１０ｇ／ｍ² 、および５〜２０ｇ／ｍ² である
ことが好ましい。それぞれ、５ｇ／ｍ² 未満では、十分
な耐水性およびカール防止の効果が得られないことがあ
る。

【００２３】前記耐溶剤層は、一般に耐溶剤性を有す
る、澱粉、セルロース誘導体、カゼイン、ポリビニルア
ルコール等の水溶性樹脂と、耐水性を有するアクリル樹
脂、ＳＢＲ、ＮＢＲ等のエマルジョン型樹脂と、耐水化
剤と、顔料で形成されれるもので、それの塗布量は、５
〜１０ｇ／ｍ² であることが好ましい。それが５ｇ／ｍ
² 未満では、耐溶剤性が不十分である。

【００２４】直描型平版印刷用版材に要求される実用上
十分な耐刷性とは、通し印刷枚数が少なくとも５００枚
であることが目安となっている。

【００２５】

【実施例】本発明を実施例により、更に詳しく説明す
る。しかし、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。なお、実施例中の「部」および「％」は、特に指
定しない限り、それぞれ「重量部」、および「重量％」
を表わす。

【００２６】実施例１ 湿潤強化および内添サイズを施した紙からなる基体の表
面上に、下記の組成の塗布液を、乾燥重量が１０ｇ／ｍ
² になるように塗工し乾燥して、画像受容層側の耐水層
を形成した。

【００２７】画像受容層側耐水性層形成用塗布液の組成 成 分 重 量 クレイ分散液（固形分５０％） ３０部 エマルジョン型アクリル樹脂（固形分４０％、 ５０部 商標：アロンA-104 、東亜合成化学工業製） ＳＢＲ（固形分５０％、商標：Nipol LX-415、 ４０部 日本ゼオン製） 水 ５０部

【００２８】この耐水性層のコブサイズ度を、ＪＩＳ
Ｐ−８１４０に従って測定したところ、０．５ｇ／ｍ²
であった。

【００２９】次に、紙基体の裏面上に、下記の組成の塗
布液を、乾燥重量が１０ｇ／ｍ² になるように塗工し乾
燥して、バックコート層を形成した。

【００３０】バックコート層形成用塗布液の組成 成 分 重 量 クレイ分散液（固形分５０％） ６０部 エマルジョン型アクリル樹脂（固形分４５％、 ４５部 商標：ボンロンS-482 、三井東圧化学製） 水 ５０部

【００３１】次に、上記耐水性層の上に、下記組成の塗
布液を乾燥重量が１０ｇ／ｍ² になるように塗工し、乾
燥して画像受容層を形成した。画像受容層形成用塗布液の組成 成 分 重 量 炭酸亜鉛分散液（固形分３５％、 ８０部 商標：透明性亜鉛白、堺化学工業製） エマルジョン型アクリル樹脂（固形分４０％、 １７．５部 商標：アロンA-104 、東亜合成化学工業製） 水 １９部

【００３２】このようにして作成した平版印刷版材の画
像受容層上に、コピー機（商標：XJ-D10、富士ゼロック
ス製）を用いて、画像を転写し、５ｃｍ×５ｃｍのベタ
画像部のトナー付着量を、マクベス反射濃度計を用いて
画像濃度を測定したところ、ＯＤ＝１．３４であって、
トナーの転移効率は良好であった。また、熱転写プリン
ター（商標：ルポ95G 、東芝製）による製版においても
非画像部へのインクリボンからのインク転移に起因する
印刷汚れが少なかった。この版をエッチ液（Ｉｔｅｋ社
製）で不感脂化処理した後、オフセット印刷機を用いて
印刷したところ、印刷汚れもなく、耐刷力は１０００枚
以上であった。

【００３３】実施例２ 実施例１と同じ操作を行った。但し、耐水層とバックコ
ート層を設けた支持体に、下記の配合の塗布液を作成
し、乾燥重量８ｇ／ｍ² の厚さで塗工し、５０℃で２４
時間キュアを行ない、画像受容層とした。

【００３４】画像受容層形成用塗布液の組成 成 分 重 量 炭酸亜鉛分散液（固形分３５％、商標：透明性亜鉛白、 ８０部 堺化学工業製） ポリビニルアルコール（１０％水溶液、商標：117 、 ７０部 ケン化度９８以上、重合度１７００、クラレ製） アジリジン（商標：TAZM、相互薬化社製） １部 水 ２４部

【００３５】得られた平版印刷版を、実施例１と同様に
コピー機で製版したところ、トナー画像の濃度は、ＯＤ
＝１．３２であって、トナーの転移効率は良好であっ
た。また、熱転写プリンターによる製版においても非画
像部へのインクリボンからのインク転移に起因する印刷
汚れが少なかった。更にエッチング後、印刷したとこ
ろ、印刷汚れもなく、耐刷力も８００枚であった。

【００３６】実施例３ 実施例１と同じ操作を行った。但し、耐水層とバックコ
ート層を設けた支持体を用い、耐水層の上に、下記の配
合の耐溶剤層用塗布液を、乾燥重量７ｇ／ｍ² の厚さに
塗工し、これを５０℃で７２時間キュアして、耐溶剤層
を作成した。

【００３７】耐溶剤層形成用塗布液の組成 成 分 重 量 クレイ分散液（固形分５０％） ２０部 カゼイン（１０％水溶液） １００部 エマルジョン型アクリル樹脂（固形分４０％、 ２５部 商標：アロンA-104 、東亜合成化学工業製） グリオキザール ５部 水 ２５部

【００３８】次に、下記組成を有する組成物をサンドグ
ラインダーで分散し、溶剤分散型の画像容層形成用塗布
液を作成し、これを前記耐溶剤層上に乾燥重量１０ｇ／
ｍ² の塗布量で塗工して、画像受層を作成した。

【００３９】 画像受容層形成用塗布液の組成 成 分 重 量 炭酸亜鉛 ８５部 （商標：透明性亜鉛白、堺化学工業製） アクリル樹脂（固形分５０％、 ３０部 商標：アクリデイツクA-405 、大日本インキ化学工業社製） トルエン １３５部

【００４０】得られた平版印刷版を、実施例１と同様に
コピー機で製版したところ、トナー画像の濃度は、ＯＤ
＝１．３３であって、トナーの転移効率は良好であっ
た。また、熱転写プリンターによる製版においても非画
像部へのインクリボンからのインク転移による印刷汚れ
が少なかった。更にエッチング後、印刷したところ、印
刷汚れもなく、耐刷力も１０００枚以上であった。

【００４１】実施例４ 実施例１と同じ操作を行った。但し、耐水層とバックコ
ート層を設けた支持体の耐水層上に、下記の組成の塗布
液を乾燥重量で９ｇ／ｍ² になるように塗工し、乾燥し
て画像受容層を形成した。

【００４２】画像受容層形成用塗布液の組成 成 分 重 量 炭酸亜鉛分散液（固形分３５％、商標：透明性亜鉛白、 ７２部 堺化学工業製） 酸化亜鉛分散液（固形分５０％、商標：SAZEX#2000、 ５．６部 堺化学工業製） エマルジョン型アクリル樹脂（固形分４０％、 １７．５部 商標：アロンA-104 、東亜合成化学工業製） 水 ２１部

【００４３】得られた平板印刷版を、実施例１と同様に
コピー機で製版したところ、トナー画像の濃度は、ＯＤ
＝１．２８であって、トナーの転移効率は良好であっ
た。また、エッチング後印刷したところ、印刷汚れもな
く、耐刷力も１０００枚以上であった。更に熱転写プリ
ンターによる製版においても非画像部へのインクリボン
からのインク転移に起因する印刷汚れが少なかった。

【００４４】比較例１ 実施例１と同じ操作を行った。但し、画像受容層形成用
塗布液の組成を、下記のように、すなわち画像受容層中
の顔料を酸化亜鉛に変更した。得られた画像受容層形成
用の塗布液を、乾燥塗布重量が１０ｇ／ｍ² になるよう
に塗工した。

【００４５】画像受容層形成用塗布液の組成 成 分 重 量 酸化亜鉛分散液（固形分５０％、商標：sazex #2000 、 ５６部 堺化学工業製） エマルジョン型アクリル樹脂（固形分４０％、 １７．５部 商標：アロンA-104 、東亜合成化学工業製） 水 ４３部

【００４６】得られた平版印刷版を、実施例１と同様に
コピー機で製版したところ、トナー画像の濃度は、ＯＤ
＝０．９１であってトナーの転移効率は不十分であっ
た。特に５ｃｍ×５ｃｍベタ部の中央部のトナー付着量
が少なく、エッジ部分に比べ濃度が薄くなる付着ムラが
認められた。これを印刷に供したところ、耐刷力は６０
０枚であったが、ベタ部に中抜けが現われ、実用上不満
足なものであった。但し、印刷汚れはなかった。また、
熱転写プリンター（商標：ルホ゜95G 、東芝製）による製
版においては、非画像部へのインクリボンからのインク
転移に起因する印刷汚れが見られた。

【００４７】比較例２ 実施例１と同じ操作を行った。但し画像受容層形成用塗
布液の組成を下記のように変更した。この画像受容層形
成用塗布液を、乾燥塗布重量が８ｇ／ｍ² になるように
塗工した。

【００４８】画像受容層形成用塗布液の組成 成 分 重 量 炭酸亜鉛分散液（固形分３５％、商標：透明性亜鉛白、 １０部 堺化学工業製） シリカ（湿式ゲル法合成シリカ、 ２８．５部 吸油度２００ｍｌ／１００ｇ） エマルジョン型アクリル樹脂（固形分４０％、 ２０部 商標：アロンA-104 、東亜合成化学工業製） 水 ４１．５部

【００４９】得られた平版印刷版を、実施例１と同様に
コピー機で製版したところ、トナー画像の濃度は、ＯＤ
＝１．３４であって、そのトナー転移効率は良好であっ
たが、エッチング後印刷したところ不感脂化が十分でな
く、印刷汚れが生じた。

【００５０】比較例３ 実施例３と同じ操作を行った。但し、画像受容層形成用
塗布液の組成を下記のように変更した。この画像受容層
形成用塗布液を、乾燥塗布重量が１０ｇ／ｍ² になるよ
うに塗工した。

【００５１】画像受容層形成用塗布液の組成 成 分 重 量 炭酸亜鉛 １０部 （商標：透明性亜鉛白、堺化学工業製） 酸化亜鉛 ７０部 （商標：SAZEX#2000、堺化学工業製） アクリル樹脂（固形分５０％、 ２０部 商標：アクリデイツクA-405 、大日本インキ化学工業社製） トルエン １５０部

【００５２】得られた平版印刷版を、実施例１と同様に
コピー機で製版したところ、トナー画像の濃度は、ＯＤ
＝１．０８であってトナーの転移効率が不十分であっ
た。但し、耐刷力は１０００枚以上であって、印刷汚れ
もなかった。また、熱転写プリンター（商標：ルホ゜95G
、東芝製）による製版においては、非画像部へのイン
クリボンからのインク転移に起因する印刷汚れが見られ
た。

【００５３】

【発明の効果】本発明の直描型平版印刷用版材は、静電
転写方式のコピー機で製版するときに、従来の直描型平
版印刷用版材に比べ、トナーの転写効率が格段に優れて
おり、かつ印刷時における汚れが非常に少なく、耐刷性
も優れている。一方、これを熱転写プリンターで製版す
るときには、インクリボンからの非画像部へのインク転
移に起因する印刷汚れも少なく、かつ、コピー機や熱転
写プリンター等で製版が簡単にできるなどの利点を有
し、従って、本発明の直描型平版印刷用版材は、事務用
印刷や軽印刷分野においてきわめて有用なものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 耐水性支持体と、前記耐水性支持体上に
   形成され、顔料およびバインダー樹脂を含む画像受容層
   とを有し、かつ前記画像受容層に含まれる前記顔料が炭
   酸亜鉛であることを特徴とする直描型平版印刷用版材。