JPH05169802A - 多色感熱記録材料 - Google Patents

多色感熱記録材料

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JPH05169802A
JPH05169802A JP3354768A JP35476891A JPH05169802A JP H05169802 A JPH05169802 A JP H05169802A JP 3354768 A JP3354768 A JP 3354768A JP 35476891 A JP35476891 A JP 35476891A JP H05169802 A JPH05169802 A JP H05169802A
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JP
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color
heat
thermal recording
layer
color forming
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JP3354768A
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Inventor
Akira Igarashi
明 五十嵐
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱分画に優れ、各発色層の色分離性に優れた
多色感熱記録材料を提供すること。 【構成】 夫々異なった色相に発色する少なくとも2層
の感熱記録層を支持体上に順次積層してなる多色感熱記
録材料であって、発色層と発色層の間に、発色層に含有
される発色成分の発色性を阻害しない熱可融性物質を含
有する中間層を少なくとも1層設けたことを特徴とする
多色感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2層以上の感熱層を有す
る多色感熱記録材料に関し、特に各発色層の色分離性に
優れた多色感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来多色画像を得る最も一般的な方法と
しては、高感度、高画質、豊かな階調再現性などの観点
から、銀塩写真法が広く実用化されている。しかしなが
ら銀塩写真法は、画像露光後現像液で処理し、次いで残
存するハロゲン化銀を水に可溶な銀錯塩または光に安定
な銀塩に変換している為工程が煩雑になるという欠点を
有している。
【0003】これに対し、簡便な感熱記録方式を用いた
ものとしては、例えば、従来法の一つとして、特公昭5
1−19989号、同52−11231号、特開昭54
−88135号、同55−133991号、同55−1
33992号等に記載の如く、異なった色相に発色する
感熱記録層を支持体上に積層し、複数の発色単位が印加
熱エネルギーが増すにつれて単に順次追加され、混色し
て色相が濁りながら変化していくもの、或いは特公昭5
0−17868号、同51−5791号、同57−14
318号、同57−14319号、特開昭55−161
688号に示される如く、熱応答温度のより高い発色単
位が発色するとき同時に消色剤が作用して、低温で発色
する発色単位を消色するという消色機構を取り入れたも
のがある。
【0004】しかしながら、それらはいずれも実現でき
る発色色相の数が少ないのみならず、にじみや混色によ
る濁りの為に、カラーハードコピーとして十分な機能を
持つものとは言い難い。特にカラーハードコピーとして
は、原理的に発色色相の数が少ないことが致命的な欠点
であった。従来この欠点を克服することができなかった
大きな理由として次の点を挙げることができる。即ち、
上述した複数の発色単位を印加エネルギー順に発色させ
ていく方式では、印加エネルギーの増加に伴い発色色相
が順次混色していくため、複数の発色単位個々の発色色
相の画像を得る事ができない。
【0005】一方、消色剤含有タイプでは高温発色時に
低温発色像の消色が生じるため、混色した画像が得られ
ない欠点があり、いずれも色再現性の点では不十分なも
のであった。即ち、上記の如く、重層に記録層を設けて
多色記録のメカニズムを持たせた場合には、各発色層を
できるだけ独立に発色させることが、画像再現性を良好
なものとする上で必要である。このことは、銀塩写真感
光材料の場合には十分に達成されているが、感熱記録材
料の場合には不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の欠点は、例えば
特開昭63−45084号に記載された如く、光分解性
ジアゾ化合物とカプラーの組み合わせを発色成分として
使用し、熱記録し終わった層から順次光定着することに
よって解決することができる。しかしながら、ジアゾ化
合物とカプラーの組合せを発色成分として使用した感熱
記録層を積層してなる多色感熱記録材料も、各感熱記録
層の熱分画が不十分であると、上部の層の熱発色時に、
その層の直下の感熱層も影響を受け、わずかではあって
も発色するという欠点があった。
【0007】本発明者等は上記の欠点を解決すべく鋭意
検討した結果、発色層と発色層との間に、熱可融性物質
を含有する中間層を設けることによって熱分画性を大幅
に改善することができることを見出し本発明に到達し
た。従って本発明の目的は、熱分画性に優れ、各発色層
の色分離性に優れた多色感熱記録材料を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は、夫々異なった色相に発色する少なくとも2層の感熱
記録層を支持体上に順次積層してなる多色感熱記録材料
であって、感熱記録層と感熱記録層の間に、感熱記録層
に含有される発色成分の発色性を阻害しない熱可融性物
質を含有する中間層を少なくとも一層設けたことを特徴
とする多色感熱記録材料によって達成された。本発明で
使用する発色成分とは物質の接触に基づく発色反応を生
ずる成分であり、具体的には光分解性ジアゾ化合物とカ
プラーの組み合わせ又は電子供与性染料前駆体と電子受
容性物質の組み合わせが好ましい。
【0009】本発明で使用する光分解性ジアゾ化合物と
は、後述するカプラーと呼ばれる顕色剤と反応して所望
の色相に発色する発色剤であって、反応前に特定の波長
の光を受けると分解し、もはやカプラーが作用しても発
色能力を持たなくなるジアゾ化合物である。この発色系
における色相は、ジアゾ化合物とカプラーが反応して生
成したジアゾ色素により主に決定される。従って、良く
知られているように、ジアゾ化合物の化学構造を変える
か、カプラーの化学構造を変えれば容易に発色色相を変
えることができ、組み合わせ次第で略任意の発色色相を
得ることができる。
【0010】本発明における光分解性のジアゾ化合物と
は主に芳香族ジアゾ化合物を指し、更に具体的には、芳
香族ジアゾニウム塩、ジアゾスルホネート化合物、ジア
ゾアミノ化合物等の化合物を指す。ジアゾニウム塩は、
一般式ArN2 + - で示される化合物である(式中、
Arは置換された、或いは無置換の芳香族部分を表し、
2 + はジアゾニウム基を表し、X- は酸アニオンを表
わす。)。
【0011】普通、ジアゾニウム塩の光分解波長はその
吸収極大波長であるといわれている。又ジアゾニウム塩
の吸収極大波長は、その化学構造に応じて200nm位
から700nm位迄変化することが知られている(「感
光性ジアゾニウム塩の光分解と化学構造」角田隆弘、山
岡亜夫著 日本写真学会誌29(4)197〜205頁
(1965))。即ち、ジアゾニウム塩を光分解性化合
物として用いると、その化学構造に応じた特定の波長の
光で分解し、又、ジアゾニウム塩の化学構造を変えれ
ば、同じカプラーとカップリング反応した時の色素の色
相も変化する。
【0012】本発明で用いることのできるジアゾスルホ
ネート化合物は多数のものが知られており、各々のジア
ゾニウム塩を亜硫酸塩で処理することにより得られる。
又、本発明で用いることのできるジアゾアミノ化合物
は、ジアゾ基をジシアンジアミド、サルコシン、メチル
タウリン、N−エチルアントラニックアシッド−5−ス
ルホニックアシッド、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、グアニジン等でカップリングさせた化合物
である。これらのジアゾ化合物の詳細は、例えば特開平
2−136286号に記載されている。
【0013】ジアゾ化合物の光分解用の光源としては、
希望する波長の光を発する種々の光源を用いることがで
き、例えば種々の螢光灯、キセノンランプ、キセノンフ
ラッシュランプ、各種圧力の水銀灯、写真用フラッシ
ュ、ストロボ等種々の光源を用いることができる。又、
光定着ゾーンをコンパクトにするため、光源部と露光部
とを光ファイバーを用いて分離してもよい。更に、これ
らの光源と、特定の波長の光のみを透過する光学フィル
ターを組合わせることにより、よりシャープな分光特性
を有する光源が得られ、目的のジアゾ化合物のみを光分
解させることが容易となる。
【0014】本発明に用いられるジアゾ化合物とカップ
リングして色素を形成するカップリング成分は、例え
ば、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリドの他、レ
ゾルシンを初めとし特開昭62−146678号に記載
されているものを挙げることができる。更にこれらのカ
ップリング成分を2種以上併用することによって任意の
色調の画像を得ることができる。
【0015】これらのジアゾ化合物とカップリング成分
とのカップリング反応は塩基性雰囲気下で起こり易い
為、感熱層内に塩基性物質を添加することが好ましい。
塩基性物質としては、水難溶性又は水不溶性の塩基性物
質や、加熱によりアルカリを発生する物質が用いられ
る。それらの例としては無機及び有機アンモニウム塩、
有機アミン、アミド、尿素やチオ尿素及びその誘導体、
チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、ピペラジン
類、グアニジン類、、インドール類、イミダゾール類、
イミダゾリン類、トリアゾール類、モルホリン類、ピペ
リジン類、アミジン類、フォルムアジン類、ピリジン類
等の含窒素化合物が挙げられる。これらの具体例は、例
えば、特開昭61−291183号に記載されている。
塩基性物質は2種以上併用してもよい。
【0016】本発明で使用する電子供与性染料前駆体は
特に限定されるものではないが、エレクトロンを供与し
て、或いは酸等のプロトンを受容して発色する性質を有
する発色剤であって、通常略無色で、ラクトン、ラクタ
ム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部
分骨格を有し、顕色剤と接触してこれらの部分骨格が開
環若しくは開裂する化合物が用いられる。具体的には、
クリスタルバイオレットラクトン、ベンゾイルロイコメ
チレンブルー、マラカイトグリーンラクトン、ローダミ
ンBラクタム、1,3,3−トリメチル−6’−エチル
−8’−ブトキシインドリノベンゾスピロピラン等があ
る。
【0017】これらの発色剤に対する顕色剤としては、
フェノール化合物、有機酸若しくはその金属塩、オキシ
安息香酸エステル等の酸性物質が用いられ、その具体例
は、例えば特開昭61−291183号に記載されてい
る。本発明において使用する発色成分は、感熱層の透明
性向上の観点、常温で発色成分の接触を防止するといっ
た生保存性の観点(カブリ防止)、及び希望の熱エネル
ギーで発色させるというような発色感度の制御の観点等
から、発色剤及び/又は顕色剤を各々異なるマイクロカ
プセルに内包せしめて用いることが好ましい。
【0018】この場合、マイクロカプルの壁材料及び製
造方法を選択することにより、マイクロカプセル壁のガ
ラス転位温度を変化させ、感熱記録材料としての発色開
始温度あるいは記録感度を制御することができる。マイ
クロカプセルの壁材料としては、ポリウレタン、ポリウ
レア、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルム
アルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレ
ンメタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共
重合体、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
アルコール等が挙げられる。本発明においてはこれらの
高分子物質を2種以上併用することもできる。本発明に
おいては、上記の高分子物質のうちポリウレタン、ポリ
ウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート
等が好ましく、特にポリウレタン及びポリウレアが好ま
しい。
【0019】本発明で使用するマイクロカプセルは、発
色剤等の反応性物質を含有した芯物質を乳化した後、そ
の油滴の周囲に高分子物質の壁を形成してマイクロカプ
セル化することが好ましく、この場合高分子物質を形成
するリアクタントを油滴の内部及び/又は油滴の外部に
添加する。マイクロカプセルの好ましい製造方法等、本
発明で好ましく使用することのできるマイクロカプセル
についての詳細は、例えば特開昭59−222716号
に記載されている。ここで、油滴を形成するための有機
溶剤としては、一般に感圧オイルとして用いられるもの
の中から適宜選択することができる。
【0020】上記の如く製造される好ましいマイクロカ
プセルは、従来の記録材料に用いられるような熱や圧力
によって破壊するものではなく、マイクロカプセル壁が
ガラス転位点以上に加熱されることにより、該壁の透過
性が増大し、マイクロカプセルの芯及び外に含有されて
いる反応性物質がマイクロカプセル壁を透過して反応す
ると推定される。
【0021】本発明においては、マイクロカプセルの壁
材を選択し、必要によりガラス転移点調整剤(例えば、
特開昭61−277490号に記載の可塑剤)を添加す
ることによって、得られる感熱記録層の熱感度を制御す
ることができる。更に、各感熱記録層に色相の異なる発
色剤(あるいはジアゾ化合物)とその顕色剤(あるいは
カプラー)の組み合わせを選択することにより、中間調
再現も可能な多色感熱記録材料を実現することができ
る。従って、本発明は2色或いは多色の感熱紙及び階調
性の有る画像記録に適した感熱紙に応用することができ
る。又、必要に応じて、例えば特開昭61−28358
9号、同61−283590号、同61−283591
号に記載された光退色防止剤を適宜加えることができ
る。
【0022】本発明においては、マイクロカプセル壁の
ガラス転位温度を低下させるような化合物を添加して熱
感度を増大させることもできる。上述した添加剤は増感
剤と呼ばれ、マイクロカプセル壁として用いるポリマー
の可塑剤と言われるものを選択して用いることができ
る。
【0023】例えば、壁材がポリウレア、ポリウレタン
から成る場合には、カルバミン酸エステル化合物、芳香
族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪
族アミド化合物、アリールアミド化合物、フェノール化
合物、アルコール性化合物等があり、具体例としては、
p−tert−オクチルフェノール、p−ベンジルオキシフ
ェノール、p−オキシ安息香酸フェニル、カルバニル酸
ベンジル、カルバニル酸フェネチル、ハイドロキノンジ
ヒドロキシエチルエーテル、キシリレンジオール、N−
ヒドロキシエチル−メタンスルホン酸アミド、N−フェ
ニル−メタンスルホン酸アミド等の化合物を挙げること
ができる。これらは、芯物質中に含有させても良いし、
乳化分散物としてマイクロカプセル外に添加してもよ
い。
【0024】本発明においては、発色成分の一方のみを
マイクロカプセル化する場合には、ジアゾ化合物又は電
子供与性染料前駆体をマイクロカプセル化することが好
ましい。この場合、カプラー等の顕色剤等は、固体分散
させて使用することも、それらを水に難溶性又は不溶性
の有機溶剤に溶解せしめた後、これを界面活性剤を含有
した水溶性高分子を保護コロイドとして有する水相と混
合し、乳化分散した分散物の形で使用することもでき
る。後者の場合には、感熱層を透明にすることができ
る。
【0025】上記乳化分散物を調製する際に使用される
有機溶剤は、高沸点オイルの中から適宜選択することが
できる。中でも好ましいオイルとしては、エステル類の
他、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソ
プロピルナフタレン、ジメチルビフェニル、ジエチルビ
フェニル、ジイソプロピルビフェニル、ジイソブチルビ
フェニル、1−メチル−1−ジメチルフェニル−1−フ
ェニルメタン、1−エチル−1−ジメチルフェニル−1
−フェニルメタン、1−プロピル−1−ジメチルフェニ
ル−1−フェニルメタン、トリアリルメタン(例えば、
トリトルイルメタン、トルイルジフェニルメタン)、タ
ーフェニル化合物(例えば、ターフェニル)、アルキル
化合物(例えば、ターフェニル)、アルキル化ジフェニ
ルエーテル(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、
水添ターフェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェニ
ル)、ジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0026】これらの中でも特にエステル類を使用する
ことが乳化分散物の乳化安定性の観点から好ましい。エ
ステル類としては、燐酸エステル類(例えば、燐酸トリ
フェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ブチル、燐酸オクチ
ル、燐酸クレジルジフェニル)、フタル酸エステル(フ
タル酸ジブチル、フタル酸―2―エチルヘキシル、フタ
ル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル酸ブチルベンジ
ル)、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、安息香酸エス
テル(安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブ
チル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ベンジル)、ア
ビエチン酸エステル(アビエチン酸エチル、アビエチン
酸ベンジル)、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデ
シル、アゼライン酸ジオクチル、シュウ酸エステル(シ
ュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル)、マロン酸ジエ
チル、マレイン酸エステル(マレイン酸ジメチル、マレ
イン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル)、クエン酸トリ
ブチル、ソルビン酸エステル(ソルビン酸メチル、ソル
ビン酸エチル、ソルビン酸ブチル)、セバシン酸エステ
ル(セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル)、エ
チレングリコールエステル類(ギ酸モノエステル及びジ
エステル、酪酸モノエステル及びジエステル、ラウリン
酸モノエステル及びジエステル、パルミチン酸モノエス
テル及びジエステル、ステアリン酸モノエステル及びジ
エステル、オレイン酸モノエステル及びジエステル)、
トリアセチン、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸エ
チレン、炭酸プロピレン、ホウ酸エステル(ホウ酸トリ
ブチル、ホウ酸トリペンチル)等が挙げられる。
【0027】これらの中でも、燐酸トリクレジルを単独
又は混合して使用した場合には顕色剤の乳化分散安定性
が特に良好であり好ましい。上記のオイル同志、又は他
のオイルとの併用も可能である。本発明においては、上
記の有機溶剤に、更に低沸点の溶解助剤として補助溶剤
を加えることもできる。このような補助溶剤として、例
えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル及びメ
チレンクロライド等を特に好ましいものとして挙げるこ
とができる。
【0028】これ等の成分を含有する油相と混合する水
相に、保護コロイドとして含有せしめる水溶性高分子
は、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子及び両
性高分子の中から適宜選択することができるが、ポリビ
ニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体等が好ま
しい。
【0029】又水相に含有せしめる界面活性剤は、アニ
オン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記保護
コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜
選択して使用することができる。好ましい界面活性剤と
しては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル
硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム
塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることができ
る。
【0030】本発明における乳化分散物は、上記成分を
含有した油相と保護コロイド及び界面活性剤を含有する
水相を、高速撹拌、超音波分散等、通常の微粒子乳化に
用いられる手段を使用して混合分散せしめ容易に得るこ
とができる。又、油相の水相に対する比(油相重量/水
相重量)は、0.02〜0.6が好ましく、特に0.1
〜0.4であることが好ましい。0.02以下では水相
が多すぎて希薄となり、十分な発色性が得られない。
又、0.6以上では逆に液の粘度が高くなり、取り扱い
の不便さや塗液安定性の低下をもたらす。
【0031】ジアゾ化合物とカプラーを発色成分として
なる感熱記録層を形成する場合、その好ましい混合比は
ジアゾ化合物1に対しカプラーが1〜5モルである。電
子供与性染料前駆体と顕色剤を発色成分としてなる感熱
記録層を形成する場合、その好ましい混合比は電子供与
性染料前駆体1に対し、顕色剤が2〜30モル、好まし
くは3〜20モルである。
【0032】感熱層には、必要に応じて、顔料、ワック
ス、硬膜剤等を添加しても良い。上記のようにして調製
した感熱層液を支持体上に塗布するに際しては、ブレー
ド塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロール
コーティング塗布法、スプレー塗布法、デイップ塗布
法、バー塗布法等の公知の水系又は有機溶剤系の塗液を
用いる塗布手段が用いられる。
【0033】特に、本発明のように複数の感熱記録層を
積層して塗布する場合には、一度に複数の塗布層の塗布
が可能であれば、エクストルージョン塗布法が最も好ま
しい。これらについては、米国特許第2,681,29
4号、同第2,761,791号、同第3,508,9
47号、同第2,941,898号、同第3,526,
528号明細書、原崎勇次著「コーティング光学」25
3頁(1973年朝倉書店発行)等に記載されている。
【0034】この場合、感熱層液を安全且つ均一に塗布
すると共に塗膜の強度を保持するために、本発明におい
ては、バインダーとして、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デ
ンプン類、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキ
シ変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポ
リスチレン及びその共重合体、ポリエステル及びその共
重合体、ポリエチレン及びその共重合体、エポキシ樹
脂、アクリレート及びメタアクリレート系樹脂及びその
共重合体、ポリウレタン樹脂並びにポリアミド樹脂等を
塗液中に添加して塗工することもできる。
【0035】感熱層は、ジアゾ化合物あるいは電子供与
性染料前駆体の塗布量が0.1〜1.0g/m2 になる
ように塗布されること、及び該層の厚みが1〜10μm
となるように塗布されることが望ましい。本発明におい
ては、多色記録における熱分画を改善するために発色層
と発色層の間に、各発色層の発色性を阻害することのな
い熱可融性物質を含有する中間層を設ける。即ち、記録
に必要な熱以外の余分な熱量を、上記熱可融性物質の融
解エネルギーとして吸収させることにより、各発色層の
記録時における他の発色層への影響を無くすことができ
るので、これによって熱分画を改善することができる。
【0036】本発明で使用する熱可融性物質は、熱印字
の加熱によって融解する公知のものの中から、感熱層に
使用されている発色成分の発色を阻害したり、発色色素
を消色することのない物質を適宜選択すれば良い。熱可
融性物質の融点は50〜200℃の範囲が好ましく、特
に80〜150℃の範囲が好ましい。
【0037】熱可融性物質の例としては、p−ベンジル
オキシ安息香酸ベンジル、β−ナフチル−ベンジルエー
テル、ステアリン酸アミド、ステアリル尿素、p−ベン
ジルビフェニル、ジ(2−メチルフェノキシ)エタン、
ジ(2−メトキシ・フェノキシ)エタン、β−ナフトー
ル−(p−メチルベンジル)エーテル、α−ナフチルベ
ンジルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−メチル
フェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−イソ
プロピルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−
p−tert−オクチルフェニルエーテル、2−フェノ
キシ−1−p−tri−オキシ−エン、1−フェノキシ
−2−(4−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキ
シ−2−(4−クロロフェノキシ)エタン、1,4−ブ
タンジオールフェニルエーテル、ジエチレングリコール
−ビス−(4−メトキシフェニル)エーテル、パラフィ
ンワックス、カルナウバロウワックス、マイクロクリス
タリンワックス、ライスワックス、ポリエチレンワック
ス及び高級脂肪酸アミド等が挙げられる。これらの中で
も、特にパラフィンワックス、カルナウバロウワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、ライスワックス、
ポリエチレンワックス及び高級脂肪酸アミド等のワック
ス類が好ましい。前記熱可融性物質は単独、或いは混合
して用いることができる。
【0038】これらの熱可融性物質は、予めボールミ
ル、サンドミル、アトライタ等の分散設備で微分散する
か、一旦、加熱融解して水中に乳化分散して用いる。こ
れらの分散物は中間層のバインダーとなる水溶性高分子
あるいはラテックス類と共に、バインダーの固形分に対
して熱可融性物質が5〜100重量%、好ましくは20
〜50重量%となるように混合され塗布される。
【0039】熱可融性物質により熱分画性を改善するた
めの熱可融性物質の塗布量は、0.2g/m2 〜3.0
g/m2 、好ましくは0.5g/m2 〜2.0g/m2
である。0.2g/m2 未満であると熱分画性改善の効
果が小さく、3.0g/m2 を超えると、この熱可融性
物質による熱吸収が大きくなりすぎ、熱感度が大幅に低
下する。さらに、中間層には通常知られている顔料、架
橋剤等も添加することができる。
【0040】本発明においては、感熱層の上に保護層を
設けることも行われる。保護層成分としてはポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミ
ド、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水
溶性高分子、及び、必要に応じて顔料、金属石鹸、ワッ
クス、架橋剤等が用いられる。
【0041】顔料には酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、酸化チタン、リトポン、タルク、蝋石、カオ
リン、水酸化アルミニウム、非晶質シリカ等があり、そ
れらの添加量は、ポリマーの総重量の0.05〜1倍、
特に好ましくは0.1〜0.5倍の量である。金属石鹸
にはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸アルミニウム等の高級脂肪酸金属塩のエマルジ
ョン等がある。
【0042】更に、感熱記録材料の帯電を防止するため
の界面活性剤、高分子電解質等を添加しても良い。保護
層の固形分塗布量は通常0.2〜5g/m2 が好まし
く、更に好ましくは1〜3g/m2 である。保護層に関
する詳細については紙パルプ技術タイムスNo.8(1
985)に詳述されている。
【0043】更に、支持体と感熱記録層の接着性を高め
たり、平滑性を向上させたり、或いは断熱性を与える目
的で下塗層を設ける事もできる。下塗層の素材として
は、ゼラチン等の水溶性高分子や合成高分子ラテック
ス、ニトロセルロース等が用いられる。更に、上述した
顔料をこれらのバインダー中に分散したものも用いられ
る。下塗層の塗布量は0.1〜10.0g/m2 の範囲
にあることが好ましく、特に0.2〜7.0g/m2
範囲が好ましい。
【0044】本発明に用いる支持体としては、紙、合成
紙、ポリマーフィルム等を挙げることができる。本発明
において、支持体に用いられる紙としては、アルキルケ
テンダイマー等の中性サイズ剤によりサイジングされ
た、熱抽出pHが6〜9の中性紙(特開昭55−142
81号記載のもの)を用いると、経時保存性の点で有利
である。紙への塗液の浸透を防ぐためには、特開昭57
−116687号に記載の、ステキヒトサイズ度/(メ
ートル坪量)2 ≧3×10-3、且つ、ベック平滑度90
秒以上の紙が有利である。
【0045】支持体への塗液の浸透を防止し、且つ塗布
面の平滑性を同時に付与できるものとして、ラミネート
紙は好ましい支持体の一つである。ラミネート紙は、紙
支持体の少なくとも片面にポリエチレン、ポリエステル
等の樹脂フィルムを積層したもので、樹脂中に酸化チタ
ン等の白色顔料を添加することにより白色度も向上させ
ることができる。
【0046】又、特開昭58−136492号に記載の
光学的表面粗さが8μm以下、且つ厚みが40〜75μ
mの紙、特開昭58−69097号記載の密度0.9g
/cm3 以下で且つ光学的接触率が15%以上の紙、特
開昭58−69097号に記載のカナダ標準濾水度(J
IS P8121)で400cc以上に叩解処理したパ
ルプより抄造し塗布液のしみ込みを防止した紙、特開昭
58−65695号に記載の、ヤンキーマシンにより抄
造された原紙の光沢面を塗布面とし、発色濃度及び解像
力を改良するもの、特開昭59−35985号に記載さ
れている、原紙にコロナ放電処理を施して塗布適正を改
良した紙等も本発明に用いられ、良好な結果を与える。
これらの他通常の感熱記録紙の分野で用いられる支持体
はいずれも本発明の支持体として使用することができ
る。
【0047】合成紙としてはポリエステル、ポリプロピ
レン等のポリマーフィルムを基体として、基体中に気泡
を形成させたり、白色顔料を塗布して白色度を保持す
る。本発明において、カール矯正、帯電防止、滑り性改
善を目的として支持体の裏面にバック層を設けても良
い。バック層の構成成分としては、保護層のものと同様
の成分を用いるのが好ましい。
【0048】本発明で用いられる支持体のうちポリマー
フィルムとしてはポリエチレンテレフタレートやポリブ
チレンテレフタレート等のポリエステルのフィルム、三
酢酸セルロースフィルム等のセルロール誘導体のフィル
ム、ポリスチレンフィルム、ポイプロピレンフィルム、
ポリエチレン等のポリオレフィンのフィルムがあり、こ
れらの単体で或いは貼り合わせて用いることができる。
【0049】支持体の厚みとしては20〜300μmの
ものが用いられ、特に50〜200μmのものが好まし
い。本発明に用いる塗液に、顔料分散剤、増粘剤、流動
変性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、着色剤、界面活性剤
等を必要に応じて適宜配合することは、特性を損なわぬ
限り何らさしつかえない。
【0050】本発明を実施するに際しては発色層は2層
に限られるわけではなく、その上にさらに複数の層を設
ける事もできる。この場合、通常は発色色相の異なる発
色層が設けられる。又、支持体の両面に発色層を設ける
事も可能である。
【0051】本発明の多色感熱記録材料は、コンピュー
ター等に接続されるカラープリンター、カラープロッ
タ、カラーファクシミリ等に用いることができる。記録
装置は、少なくとも1つの熱記録素子(サーマルヘッド
あるいは熱ペン等)を有し、記録する熱エネルギーを変
えることにより多色感画像を得る。
【0052】また感熱記録成分としてジアゾ化合物とカ
プラーを用いた記録層を有する場合には、このジアゾ化
合物を分解することのできる光源を装着している必要が
ある。さらに、ジアゾ化合物とカプラーを用いた記録層
を複数有する場合には、これらのジアゾ化合物を各々単
独に分解することのできる、異なった波長の光源を装着
している必要がある。また異なった波長の光源を、1つ
の光源と複数の光学フィルターで形成することも可能で
ある。
【0053】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の多色感熱記
録材料は、記録する感熱層の下の感熱記録層へ余分の熱
が到達することを防止する中間層を有するので、熱分画
性が改善され、色分離に優れた多色画像を再現すること
ができる。
【0054】
【実施例】以下本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、以下の記載における「部」は「重量部」を表す。
【0055】実施例1〜4、比較例1 (1)第一感熱記録層(シアン発色)液の調製 〔電子供与性染料前駆体を内包するカプセル液の調製〕
電子供与性染料前駆体として3−(o−メチル−p−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(1’−エチル−2’−
メチルインドリル−3−イル)フタリド3.0部を酢酸
エチル20部に溶解し、更に、高沸点溶媒である1−フ
ェニル−2−(m−イソプロピルフェニル)エタンを2
0部添加し、加熱して均一に混合した。
【0056】カプセル壁剤として、キシリレンジイソシ
アナート/トリメチロールプロパンの3/1付加物75
重量%の酢酸エチル溶液20部を得られた上記の溶液に
更に添加し、均一に攪拌した。別途、ポリビニルアルコ
ール(重合度1700、鹸化度88%)の6重量%水溶
液54部を用意し、先の電子供与性染料前駆体溶液を添
加した後、ホモジナイザーにて10分間乳化分散した。
得られた乳化液に水68部を加え均一化した後、攪拌し
ながら50℃に昇温し、3時間カプセル化反応を行わせ
て目的のカプセル液を得た。カプセルの平均粒子径は
0.5μmであった。
【0057】〔電子受容性化合物の乳化液の調製〕電子
受容性化合物として1,1−(p−ヒドロキシフェニ
ル)−2−エチルヘキサンを5部用い、これをトリクレ
ジルホスフェート0.3部及びマレイン酸ジエチル0.
1部と共に酢酸エチル10部中に溶解した。次に、6重
量%のポリビニルアルコール溶液50gと2重量%のド
デシルスルホン酸ナトリウム溶液2gを混合した水溶液
中に、得られた前記溶解液を投入し、ホモジナイザーで
10分間乳化して目的の乳化液を得た。
【0058】〔塗液の調製〕上記の電子供与性染料前駆
体を内包するカプセル液及び電子受容性化合物乳化液
を、電子供与性染料前駆体/電子受容性化合物の比率が
重量で1/4となるように混合し、目的の塗布液を調製
した。
【0059】(2)第二感熱記録層(マゼンタ発色)液
の調製 〔ジアゾ化合物を内包するカプセル液の調製〕ジアゾ化
合物2−ヘキシルオキシ−4−N,N−ジヘキシルアミ
ノベンゼンジアゾニウムヘキサンフルオロフォスフェー
ト2.0部を酢酸エチル20部に溶解し、さらに高沸点
溶媒である1−フェニル−2−(m−イソプロピルフェ
ニル)エタンを20部添加し、加熱して均一に混合し
た。
【0060】カプセル壁剤として、キシリレンジイソシ
アナート/トリメチロールプロパンの3/1付加物75
重量%の酢酸エチル溶液15部をこの溶液に更に添加
し、均一に攪拌した。別途、ポリビニルアルコール(重
合度1700、鹸化度88%)の6重量%水溶液54部
を用意して先のジアゾ化合物溶液を添加し、ホモジナイ
ザーにて10分間乳化分散した。得られた乳化液に水6
8部を加え均一化した後、攪拌しながら40℃に昇温
し、3時間カプセル化反応を行わせて目的のカプセル液
を得た。カプセルの平均粒径は0.7μmであった。
【0061】〔カプラー分散液の調製〕カプラーとして
1−(o−ドデシルオキシ)−2−メトキシカルボニル
シクロヘキサン−3,5−ジオン2部を用い、1,2,
3−トリフェニルグアニジン2部、トリクレジルホスフ
ェート0.3部及びマレイン酸ジエチル0.1部と共に
酢酸エチル10部中に溶解した。次に6重量%のポリビ
ニルアルコール溶液50g及び2重量%のドデシルスル
ホン酸ナトリウム溶液2gを混合した水溶液中に、得ら
れた前記溶解液を投入し、ホモジナイザーで10分間乳
化して目的の乳化液を得た。
【0062】〔塗液の調製〕上記のジアゾ化合物を内包
するカプセル液及びカプラー乳化液を、ジアゾ化合物/
カプラーの比率が重量で2/3となるように混合し、目
的の塗布液を調製した。
【0063】(3)第三感熱記録層(イエロー発色)液
の調製 〔ジアゾ化合物を内包するカプセル液の調製〕ジアゾ化
合物として2,5−ジブトキシ−4−トリルチオベンゼ
ンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェートを3.0
部用い、これを酢酸エチル20部に溶解した後、更に高
沸点溶媒である1−フェニル−2−(m−イソプロピル
フェニル)エタンを20部添加し、加熱して均一に混合
した。この溶液に、カプセル壁剤としてキシリレンジイ
ソシアナート/トリメチロールプロパンの3/1付加物
75重量%酢酸エチル溶液15部を更に添加し、均一に
攪拌した。
【0064】別途、ポリビニルアルコール(重合度17
00、鹸化度88%)の6重量%水溶液54部を用意
し、先のジアゾ化合物の溶液を添加した後、ホモジナイ
ザーを用いて10分間乳化分散した。得られた乳化液に
水68部を加えて均一化した後、攪拌しながら40℃に
昇温し、3時間カプセル化反応を行わせて目的のカプセ
ル液を得た。カプセルの平均粒径は0.5μmであっ
た。
【0065】〔カプラー分散液の調製〕カプラーとして
2,5−ジブトキシ−4−クロロピバロイルアセトアセ
トアニリド2部を、1,2,3−トリフェニルグアニジ
ン1部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマレイ
ン酸ジエチル0.1部と共に酢酸エチル10部中に溶解
した。次いで、6重量%のポリビニルアルコール溶液5
0g及び2重量%のドデシルスルホン酸ナトリウム溶液
2gを混合した水溶液中に得られた溶解液を投入し、ホ
モジナイザーで10分間乳化して目的の乳化液を得た。
【0066】〔塗液の調製〕上記のジアゾ化合物を内包
したカプセル液及びカプラー乳化液を、ジアゾ化合物/
カプラーの比率が重量で2/3となるように混合し、目
的の塗布液を調製した。
【0067】(5)中間層液の調製 5重量%のポリビニルアルコール(重合度1700、鹸
化度88%)水溶液30部中に、パラフィンワックスの
微粒子分散物(中京油脂ハイドリンD−337:中京油
脂株式会社製の商品名、融点約60℃)30重量%溶液
を、各々2部(ワックス含有量29重量%)及び5部
(ワックス含有量50重量%)加えた液と共に、比較用
として上記ワックスを全く加えない液も作製した。
【0068】(6)塗布 厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
にメイヤーバーで第一感熱層、中間層−1、第二感熱
層、中間層−2、第三感熱層の順に順次塗布、乾燥を行
い表1に示した比較例1及び実施例1〜4の試料を得
た。各層の塗布量は固形分換算で夫々、6.1g/
2 、3.0g/m2 、7.8g/m2 、3.0g/m
2 及び7.2g/m2 であり、中間層のワックス含有量
は表1に示した通りである。
【0069】
【表1】
【0070】(7)熱記録 京セラ株式会社製のサーマルヘッドKST型を用い、単
位面積あたりの記録エネルギーをサーマルヘッドに対す
る印加パルス幅を変えることにより変化させ、加熱エネ
ルギーに対する印字濃度の関係(発色特性)を求めた。
印字画像は低エネルギー領域では黄色であり、印字濃度
は、マクベス濃度計RD−918型にブルーフィルター
を装着して測定した。
【0071】次に、記録材料を、発光中心波長420n
m、出力40Wの紫外線ランプ下に10秒間さらした
後、同様に発色させて発色特性を求めた。印字画像は、
マゼンタ色であり、高エネルギー部では紫であった。印
字濃度の測定は、グリーンフィルターを装着して行っ
た。
【0072】更に、上記記録材料を発光中心波長365
nm、出力40Wの紫外線ランプ下に15秒間さらした
後、同様に発色させて、発色特性を求めた。印字画像は
シアン色であり、印字濃度はレッドフィルターを装着し
て行った。このようにして得られた、各々の発色特性を
図1及び図2に示した。
【0073】図1は、比較例の試料においては20mJ
/mm2 からイエローの発色画像が得られ、50mJ/
mm2 でイエロー画像の濃度が飽和(約2.0)に達す
ること、及びマゼンタ画像は、印字エネルギーが30m
J/mm2 から発色するために、イエロー画像が飽和濃
度となる50mJ/mm2 の印字エネルギー領域ではマ
ゼンタ濃度が0.60にも達し、混色を生じることを示
している。
【0074】一方、実施例1では、イエローの発色特性
は比較例の場合と同じであり、マゼンタの発色特性のみ
が高エネルギー側にシフトするため、50mJ/mm2
でのマゼンタ濃度は、0.30に押さえられ、混色が抑
制されることが示されている。即ち、実施例1の場合に
は、イエロー感熱層(第三感熱層)とマゼンタ感熱層
(第二感熱層)の熱分画性が向上し、より良い色分離が
実現されることがわかる。
【0075】実施例2では、実施例1で得られた効果が
より強く表れている。図2は、比較例に対し、第一感熱
層(シアン発色)と第二感熱層(マゼンタ発色)の間の
中間層にワックスを添加する効果が示されている。即
ち、第二感熱層(マゼンタ発色)と第三感熱層(イエロ
ー発色)の特性をほとんど変えずに、第一感熱記録層
(シアン発色)の特性のみを高エネルギー側にシフトさ
せることができる。これにより、マゼンタとシアンの色
分離が向上することが理解される。
【0076】実施例5 実施例1の場合の中間層−1及び中間層−2にワックス
を各々29%含有させて本実施例の多色感熱記録材料を
作製した。その発色特性は図3に示した通りである。図
3から明らかな如く、本実施例においては比較例に比
し、イエロー/マゼンタ間及びマゼンタ/シアン間の熱
分画性が向上したことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1、実施例1及び実施例2に対応する発
色特性を表すグラフである。図中の実線は比較例1、破
線は実施例1及び1点鎖線は実施例2を表す。
【図2】比較例1、実施例3及び実施例4に対応する発
色特性を表すグラフである。図中の実線は比較例1、破
線は実施例3及び1点鎖線は実施例4を表す。
【図3】比較例1及び実施例5に対応する発色特性を表
すグラフである。図中の実線は比較例1、破線は実施例
5を表す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 夫々異なった色相に発色する少なくとも
    2層の感熱記録層を支持体上に順次積層してなる多色感
    熱記録材料であって、感熱記録層と感熱記録層の間に、
    感熱記録層に含有される発色成分の発色性を阻害しない
    熱可融性物質を含有する中間層を少なくとも1層設けた
    ことを特徴とする多色感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 支持体に最も近い感熱記録層の発色成分
    が、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組み合
    わせであると共に、他の感熱記録層の発色成分がジアゾ
    化合物とカプラーの組合せである請求項1に記載の多色
    感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 熱可融性物質がワックス類である請求項
    1又は2に記載の多色感熱記録材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009528936A (ja) * 2006-03-07 2009-08-13 エヌ・シー・アール・コーポレイション マルチカラー両面感熱印刷

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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