JPH0516676Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は例えば光学式DAD（デジタルオーデ
イオデイスク）システムに好適する光学式デイス
クレコード再生装置の改良に関する。

（従来の技術） 近時、音響機器の分野では、可及的に高忠実度
化を計るためPCM（パルスコートモジユーレーシ
ヨン）技術を利用したデジタル記録再生方式が出
現し普及しつつある。つまり、これはデジタルオ
ーデイオ化と称されているもので、オーデイオ特
性が記録媒体の特性に依存することなく、在来の
アナログ式によるものに比して格段にすぐれたも
のとすることが原理的に確立されているからであ
る。この場合、記録媒体として、デイスク（円
盤）を対象とするものは、DADシステムと称さ
れており、その再生方式としても光学式、静電式
及び機械式といつたものが知られている。そし
て、これらのいずれの再生方式を採用する場合で
あつてもそれを具現する再生装置としてはやはり
在来のそれにみられない種々の高度な機能や性能
を満足し得るものであることが要求される。

それは、例えば光学式再生方式のうちでCD（コ
ンパクトデイスク）方式による光学式デイスクレ
コード再生装置においては透明樹脂円盤に対しデ
ジタル（PCM）化データに対応したピツト（反
射率の異なる凹凸）を形成する金属薄膜を被着し
てなる直径12cm、厚さ1.2mmの光学式デイスクを
CLV（線速度一定）方式により約200〜500r.p.m
の可変回転速度で駆動させてなるものである。こ
の場合、上記デイスクはトラツクのピツチが
1.6μmであつて約１時間のステレオ再生をなし得
る膨大な情報量が記録されているといつたことか
らして種々の高度な機能や性能を備えていること
が容易にうなずけることである。

そして、上記光学式デイスクレコード再生装置
において、次に要請されることは、機能及び性能
をさらに向上させるための各種要件に応じて付加
機能を各機構部に対し有機的に簡易な構成で結合
させて該各種要件を満足させるようにすることで
ある。

（発明が解決しようとする問題点） ところで、このように要請される付加機能の具
体的な対象として、上記直径12cmのデイスクに対
し情報記録量の異つた異径（例えば小径）の光学
式デイスクが出現した場合が上げられる。つま
り、このように異径の複数のデイスクを対象とす
る装置は単にデイスクをそのターンテーブルに対
し着脱し得れば良いというものでなく、デイスク
駆動機構及びローデイング機構等の関連で在来の
各機構部を複雑化することなく光学式デイスクレ
コード再生装置全体としての種々な要請に対応し
得るものでなければならない。

この考案は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、簡易な構成で、且つ異径の光学式デイスクの
各位置規制を容易に行ない得るようにした極めて
良好な光学式デイスクレコード再生装置を提供す
ることを目的とする。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） この考案は上記の目的を達成するために、水平
式ローデイング用のトレイ本体のデイスク収容部
に、大径及び小径の光学式デイスクのそれぞれの
中心孔よりも大きく開口されてターンテーブルが
挿通される挿通孔と、大径の光学式デイスクの径
に対応して該大径の光学式デイスクの載置位置を
規制する第１の位置決め部と、この第１の位置決
め部の内側に段差を有して形成され中心が第１の
位置決め部の中心と略一致し小径の光学式デイス
クの径に対応して該小径の光学式デイスクの載置
位置を規制する第２の位置決め部とを形成したも
のである。

（作用） 上記手段を有するこの考案の光学式デイスクレ
コード再生装置によれば、トレイ本体に大径及び
小径の光学式デイスクのいずれを左位置する場合
でも、両デイスクの中心が略一致するように、大
径の光学式デイスクであれば第１の位置決め部に
よつ規制され、小径の光学式デイスクであれば第
２の位置決め部によつて規制される。このため、
デイスク駆動機構やローデイング機構等を複雑化
することなく異径の光学式デイスクに対応するこ
とができる。

（実施例） 以下、この考案の一実施例について図面を参照
して詳細に説明する。

第１図はこの考案に係るCD式の光学式デイス
クレコード再生装置を示すものである。すなわ
ち、図中１１は各種内部機器（図示せず）を収容
してなるキヤビネツトで、このキヤビネツト１１
の全面パネルには例えば12cm及び８cmよりなる大
径及び小径の光学式デイスク１２，１３をそれぞ
れ水平状に収容することのできる略矩形状のトレ
イ本体１４が出入自在に配設される。そして、こ
のトレイ本体１４はイジエクト（EJECT）キー
１５の操作に連動して図示しないデイスクローデ
イング機構によつて上記全面パネルに対し矢印
Ａ，Ｂ方向に水平式に出入自在にローデイングさ
れるように構成されている。

ここで、上記トレイ本体１４にはその上面部に
上記大径のデイスク１２に対応した略円形状の第
１の位置決め部１６が該トレイ本体１４の上面部
に対し段差を有して設けられる。そして、この第
１の位置決め部１６にはその内側に上記小径のデ
イスク１３に対応した略円形状の第２の位置決め
部１７が第１の位置決め１６の上面部に対し段差
を有して設けられる。

また、上記第２の位置決め部１７にはその略中
央にターンテーブル挿入用の挿入孔１８が図示し
ないデイスク再生機構部を構成するターンデーブ
ル１９（第２図参照）に対応して形成されると共
に、この挿入孔１８から奥行方向に上記第１の位
置決め部１６に亘つてレーザ光透過用の案内孔２
０が上記デイスク再生機構部の図示しないピツク
アツプ送り機構を構成する光学式ピツクアツプに
対応して形成される。そして、上記トレイ本体１
４及び第１の位置決め部１６にはユーザーが大径
のデイスク１２を着脱しやすいように一対の凹部
２１，２２がローデイング方向に対して略直交す
る両端部にそれぞれ形成されている。

なお、第１図中２３は上記イジエクトキー１５
の操作に先立つて操作されるパワー（POWER）
キーであり、以下、上記トレイ本体１４の右側上
段には表示部２４、プレイ操作のプレイ
（PLAY）キー２５及びストツプ（STOP）キー
２６が配置され、その下段にはリピートキー及び
ポーズキー等の各種操作キーが設置される操作部
２７が配置されている。

すなわち、上記のような構成において、トレイ
本体１４は第１図に示すような出状態で、その第
１の位置決め部１６あるいは第２の位置決め部１
７に対して大径又は小径のデイスク１２，１３を
それぞれ対応させて略水平状に載置し、上述した
ようにイジエクトキー１５が操作されると、上記
デイスクローデイング機構によつて矢印Ｂ方向に
ローデイングされる。そして、上記トレイ本体１
４は第２図に示すようにその第２の位置決め部１
７の挿入孔１８がターンテーブル１９の突出部１
９１に対向する位置までローデイングされると、
図示しない上下動駆動機構により第１及び第２の
位置決め部１６，１７が一体となつてターンテー
ブル方向に下降されるか、あるいはターンテーブ
ル１９が上昇してデイスク装着状態となる。この
際、上記大径のデイスク１２はその外周部が上記
第１の位置決め部１６に規制されていることで、
その中心孔２８に対し上記ターンテーブル１９の
突出部１９１が挿入され、ここに図示しないデイ
スククランプ機構によつて、上記ターンテーブル
１９に対し再生可能にクランプされる。

一方、上記小径のデイスク１３を装着する場合
は上記第２の位置決め部１７によつて小径のデイ
スク１３の外周部が規制されていることで、中心
孔２８に対して上記ターンテーブル１９の突出部
１９１が正確に挿入され、ここに上記デイスクク
ランプ機構によつて、上記ターンテーブル１９に
対し再生可能にクランプされる。

そして、このようにターンテーブル１９に対し
て再生可能状態に装着された上記大径あるいは小
径のデイスク１２，１３はプレイキー２５の操作
に連動して、上記デイスク再生機構部によつてそ
れぞれデイスク再生がなされるものである。

このように、上記光学式デイスクレコード再生
装置においてはキヤビネツト１１に対し略水平方
向に出入するトレイ本体１４の第１の位置決め部
１６に小径のデイスク１３に対応した第２の位置
決め部１７を若干の段差を有して形成し、大径及
び小径のデイスク１２，１３に対しどちらを載置
した場合でもそれぞれ位置規制できるように構成
した。これは、簡易な構成で、小径のデイスク１
３のローデイング時にもターンテーブル１９に確
実に装着することを実現化したものである。

また、この考案は上記実施例に限ることなく例
えば第３図あるいは第４図に示すように構成して
も同様に有効である。

まず、第３図はトレイ本体１４の第１の位置決
め部１６の内側に第２の位置決め部１７を形成す
るための位置規制部１６ａを、小径のデイスク１
３の径に対応して円周状にあるいはそれに沿つて
適当な間隔をもつて凸状に設けたものである。

次に第４図はトレイ本体１４の第１の位置決め
部１６に相当する位置に小径のデイスク１３に対
応した内周と大径のデイスク１２に対応した外周
を有する位置規制部材１６ｂを例えば接着させて
設けるように構成したもので、この実質的に第１
の位置決め部となる位置規制部材１６ｂによつて
第２の位置決め部１７が作用するための機能上支
障のない程度の段差が形成される。このようにす
れば、前の実施例と同様に簡単な構成で大径及び
小径のデイスク１２，１３のいずれに対しても十
分な位置規制機能をなすと共に、在来のデイスク
レコード再生装置に対しても容易に実現化が可能
である。

よつて、この考案によればこの考案の要旨を逸
脱しない範囲で種々の変形を実施して得ることは
言う迄もないことである。

〔考案の効果〕

以上述べたように、この考案によれば簡易な構
成で、かつ異径の光学式デイスクの各位置規制を
容易に行ない得るようにした極めて良好な光学式
デイスクレコード再生装置を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係る光学式デイ
スクレコード再生装置を示す分解斜視図、第２図
は第１図の動作状態を示す断面図、第３図及び第
４図はそれぞれこの考案の他の実施例に係る光学
式デイスクレコード再生装置を示す断面図及び分
解斜視図である。 １１……キヤビネツト、１２……大径のデイス
ク、１３……小径のデイスク、１４……トレイ本
体、１６……第１の位置決め部、１７……第２の
位置決め部、１８……挿入孔、１９……ターンテ
ーブル、１９１……突出部、２０……案内孔、２
１，２２……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 光学式デイスクを載置可能なデイスク収容部が
   形成され、キヤビネツトに対し出入自在に設けら
   れたトレイ本体を有し、該トレイ本体の入状態で
   前記デイスク収容部に載置された前記光学式デイ
   スクがターンテーブルに装着される光学式デイス
   クレコード再生装置において、前記トレイ本体の
   デイスク収容部に、大径及び小径の光学式デイス
   クのそれぞれの中心孔よりも大きく開口されて前
   記ターンテーブルが挿通される挿通孔と、前記大
   径の光学式デイスクの径に対応して該大径の光学
   式デイスクの載置位置を規制する第１の位置決め
   部と、この第１の位置決め部の内側に段差を有し
   て形成され中心が前記第１の位置決め部の中心と
   略一致し前記小径の光学式デイスクの径に対応し
   て該小径の光学式デイスクの載置位置を規制する
   第２の位置決め部とを設けてなることを特徴とす
   る光学式デイスクレコード再生装置。