JPH05163545A - 耐食性に優れたZr基合金 - Google Patents

耐食性に優れたZr基合金

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JPH05163545A
JPH05163545A JP35079291A JP35079291A JPH05163545A JP H05163545 A JPH05163545 A JP H05163545A JP 35079291 A JP35079291 A JP 35079291A JP 35079291 A JP35079291 A JP 35079291A JP H05163545 A JPH05163545 A JP H05163545A
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JP
Japan
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corrosion
alloy
corrosion resistance
base alloy
present
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Withdrawn
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JP35079291A
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English (en)
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Takanari Okuda
隆成 奥田
Mitsuo Kanehara
光男 金原
Katsuhiro Abe
勝洋 安部
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のZr基合金よりも一層優れた耐一様腐
食特性を示すZr基合金を提供する。 【構成】 Zn:0.1 〜1.5 重量%を含有し、残部がZ
rおよび不可避不純物からなる。また必要により、更に
Sn:0.2 〜1.7 重量%を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】Zr基合金は高温高圧水環境の下
で長期間使用したときその表面に均一な酸化皮膜(Zr
2 皮膜)が形成されることがあり、これを一様腐食と
呼んでいる。本発明は、この様な一様腐食に対して優れ
た耐食性を示し、原子炉用燃料被覆管やその集合体を囲
むチャネルボックス等の素材として最適なZr基合金に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】Zr基合金は一般に高温高圧水や蒸気に
対する耐食性が良く、また中性子吸収断面積が小さいの
で、軽水型原子炉の燃料被覆管やチャネルボックス等の
素材として広く使用されている。代表的な上記Zr基合
金としては、ジルカロイ−2(JIS H4751 Zr
TN 802 D),ジルカロイ−4(JISH4751 Zr
TN 804 D),Zr−2.%Nb合金等が知られてい
る。
【0003】しかしながら上記の様なZr基合金であっ
ても、軽水型原子炉において300 ℃程度の高温水に長期
間浸漬されていると、Zr基合金表面に前記した様な一
様腐食が発生し、Zr基合金の耐用期間を決定する重要
な因子となっている。Zr基合金が腐食され始めると、
金属表面に形成された上記酸化皮膜による重量増加(腐
食増量)が認められるが、当初のうちはこの酸化速度は
時間とともに減少していくが、やがて増大に転じて酸化
皮膜の肉厚増加が顕著になる。この様な2段階の遷移現
象は、ブレイクアウエイと呼ばれ、酸化皮膜の厚さが臨
界値まで成長してミクロ割れが発生することに原因して
いる。
【0004】ところで近年では、原子力発電を更に経済
的に利用しようとするため、原子燃料の燃焼度を高めた
いとする要求が強くなっており、燃料被覆管およびチャ
ネルボックス等の炉心材料の使用時間が益々長くなる傾
向にある。これまでは前述したような一様腐食はこれま
であまり問題とされなかったのであるが、上記の様な傾
向のもとでは、沸騰水型原子炉(BWR)および加圧水
型原子炉(PWR)のいずれにおいても問題となり始め
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまで、ノジェラー
腐食と呼ばれる局部腐食の防止を目的とした対策は多く
提案されてきたが、上記の様な一様腐食を抑制すること
を目的とした提案はほとんどされていない。本発明はこ
の様な事情に着目してなされたものであって、その目的
は、従来のZr基合金よりも一層優れた耐一様腐食性を
示すZr基合金を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明方法とは、Zn:0.1 〜1.5 重量%を含有し、残部
がZrおよび不可避不純物からなる点に要旨を有するも
のである。また更にSn:0.2 〜1.7 重量%を含有させ
たものも優れた耐一様腐食性を示す。
【0007】
【作用】従来のジルカロイ合金は、耐ノジュラー腐食特
性向上という観点からFe,Cr,Ni等の元素が添加
されてきたのであるが、前述した様な一様腐食に対する
効果が小さい。そこで本発明者らは、一様腐食の抑制に
効果的な手段について様々な角度から検討した。その結
果、Zrに一定量のZnを添加することが、一様腐食の
抑制に極めて効果的であることを見いだし、本発明を完
成した。Znの添加によってこの様な効果が得られる理
由については、そのすべてを解明した訳ではないが、お
そらくZnの存在によって酸化皮膜(ZrO2 )が緻密
化され、酸化皮膜が厚くなっても皮膜中に欠陥が入りに
くくなり、前記したブレイクアウエイの発生時期を遅ら
せることができるからであろうと考えられる。本発明に
おける成分限定理由は下記の通りである。
【0008】Zn:0.1 〜1.5 重量% Znの添加は、少量で耐一様腐食性を著しく向上させ
る。この様な効果は、溶解して得られた素材を高温(例
えば750 ℃)で焼き入れると一層引き出される。またZ
nは一部ジルコニウム中に固溶し、残りはZnZr2
示される金属間化合物として析出する。上記効果を発揮
させるためには、0.1 重量%以上添加する必要がある
が、1.5 重量%を超えて添加すると、析出物が粗大化し
やすくなりかえって腐食速度が大きくなってしまう。
【0009】本発明のZr基合金は、Znを基本の添加
成分とし、残部Zrおよび不可避不純物からなるもので
あるが、必要によりSnを含有してもよい。Snを添加
するときの好適含有量は、下記の通りである。
【0010】Sn:0.2 〜1.7 重量% スポンジジルコニウム中に元々含有される不純物窒素
や、ジルコニウム合金製造中に溶解合金が大気等から吸
収する不純物窒素は腐食特性に悪影響を及ぼす。この影
響を解消するのが、Snの作用である。またSnはZr
中に固溶し、機械的特性(引っ張り強さ、耐力、硬さ)
の向上に有効であり、高い強度が要求される場合は、最
低0.2 重量%は必要である。しかしながら、過剰に添加
すると延性が低下し、微小割れが発生しやすくなりかえ
って腐食速度が大きくなるので、1.7 重量%以下とすべ
きである。
【0011】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0012】
【実施例】表1に示す様に、添加成分の含有量を変化さ
せた組成を有する合金インゴットを夫々溶製し、1050℃
で1時間の溶体化処理後、熱間加工および冷間加工によ
って板材に加工してから焼鈍し、引き続き一様腐食試験
を行い、添加成分の腐食特性への影響を調査した。尚イ
ンゴットの溶製は、アルゴンアーク溶解炉を用いて行
い、約500 gの小型インゴットを溶製した。また下記の
製造工程に従い板材に加工した後腐食試験片を採取し、
下記の条件によって腐食試験を行った。
【0013】(製造工程) 溶体化処理:1050℃で1時間(その後焼き入れ) 熱間加工:750 ℃で加熱 冷間加工:加工率60% 中間焼鈍:620 ℃で1時間 冷間加工:加工率 60 % 最終焼鈍:620 ℃で1時間
【0014】(腐食試験)最終焼鈍した板材から、2×
20×30(mm)の板状試験片を切り出し、表面を研磨後、
硝酸:フッ素:水=45:5:50溶液で酸洗し、煮沸・洗
浄して試験に供した。通常のオートクレーブを用いて、
温度;400 ℃、圧力;105 kg/cm2 、時間;〜5000hの
条件の水蒸気中腐食試験を実施した。一様腐食量は、腐
食試験前後の試験片重量変化(増加)を試験片の表面積
で割った値、即ち腐食増量で評価した。腐食試験の結果
を表1に併記する。尚表1には、比較のためジルカロイ
−2(JIS Zr TN 802 D相当)およびジルカ
ロイ−4(JIS Zr TN804 D相当)の試験片も
同様にして作製し、同様の腐食試験を行った結果につい
ても示した。
【0015】
【表1】
【0016】表1から明らかな様に、本発明合金はいず
れも比較合金や従来合金であるジルカロイ−2、ジルカ
ロイ−4に比べて腐食増量が小さく、耐食性に極めて優
れていることがわかる。本発明合金と従来合金の腐食速
度を比較した結果を、図1に示すが、従来のジルカロイ
−2、ジルカロイ−4では初期の腐食速度は経過時間の
1/3乗に比例し、経過時間の1乗に比例するいわゆる
腐食速度の遷移が起こるため、長時間側の腐食増量が大
きくなる。一方、本発明合金は短時間側の腐食増量は従
来合金と同等であるが、腐食速度の前記遷移現象(ブレ
イクアウエイ)が起こらないため、長時間側の腐食増量
に大きな差が生じる結果になる。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、本
発明にかかる合金は高温の水あるいは水蒸気に接する環
境中で、優れた一様腐食性を有することから、原子炉炉
心に用いられる燃料被覆管やチャネルボックスとして好
適な合金と考えられ、その経済的効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明合金と従来合金の腐食速度を比較した結
果を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Zn:0.1 〜1.5 重量%を含有し、残部
    がZrおよび不可避不純物からなることを特徴とする耐
    食性に優れたZr基合金。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のZr基合金において、
    更にSn:0.2 〜1.7 重量%を含有するZr基合金。
JP35079291A 1991-12-10 1991-12-10 耐食性に優れたZr基合金 Withdrawn JPH05163545A (ja)

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JPH05163545A true JPH05163545A (ja) 1993-06-29

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ID=18412904

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107675004A (zh) * 2017-09-18 2018-02-09 国核宝钛锆业股份公司 锆合金铸锭的制备方法和基于该方法制得的锆合金铸锭

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