JPH05162436A - 被記録材 - Google Patents

被記録材

Info

Publication number
JPH05162436A
JPH05162436A JP3332314A JP33231491A JPH05162436A JP H05162436 A JPH05162436 A JP H05162436A JP 3332314 A JP3332314 A JP 3332314A JP 33231491 A JP33231491 A JP 33231491A JP H05162436 A JPH05162436 A JP H05162436A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
ink
ink receiving
recording material
hydroxyethyl cellulose
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3332314A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Hosoki
明 細木
Hiroyuki Suda
洋之 須田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ICI Japan Ltd
Original Assignee
ICI Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ICI Japan Ltd filed Critical ICI Japan Ltd
Priority to JP3332314A priority Critical patent/JPH05162436A/ja
Publication of JPH05162436A publication Critical patent/JPH05162436A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 基材上の少なくとも片面にインク受容層を設
けた被記録材において、該受容層が少なくとも2層から
なり、その最表層(第1層)が、酸化エチレンの平均付
加モル数が1.8乃至2.5の範囲にある架橋されたヒ
ドロキシエチルセルロースを主成分とし、該第1層と隣
接して該第1層と基材との中間に位置する第2層が疎水
基による非共有性の結合による三次元構造を持つヒドロ
キシエチルセルロースを主成分とすることを特徴とする
被記録材。 【効果】 上記被記録材は、その少なくとも片面に二層
構造被覆層からなるインク受容層を持ち、該インク受容
層は、特定の酸化エチレンの平均付加モル数を有するヒ
ドロキシエチルセルロースの特定の架橋体を用いて形成
されているので、優れたインク受容性、インク吸収性、
インク乾燥性、耐ブロッキング性、耐光性、記録画像の
安定性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを用いて記録す
る記録材であって、インクジェット記録方法に特に好適
に用いられる被記録材用被覆組成物並びに該組成物で表
面を処理した被記録材に関し、インク受容性、インク吸
収性、インク乾燥性、耐ブロッキング性及び耐光性にお
いて優れた被覆層を有し、特に被記録材の単位面積当た
り多量のインクを付与する記録に際しても、通常の記録
と同様に、これらの特性に優れ、かつ記録画像が安定で
ある透明または不透明の被記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、種々の記録
液(以下インクという)吐出方法によりインクの小滴を
発生、飛翔させ、それらの一部若しくは全部を紙等の被
記録材に付着させて記録を行うものであるが、騒音が少
ないこと、カラー化が容易であること、高速記録が可能
であること等の理由から、プリンター、ファクシミリ等
への応用がなされている。
【0003】インクジェット記録用のインクとしては、
安全性、記録特性の見地から、水を主成分とするものが
主に使用され、ノズルの目づまり防止及び吐出安定性の
向上のため多価アルコール等が添加されている場合が多
い。
【0004】このインクジェット記録方法に使用される
被記録材料としては、従来、通常の紙や多孔質のインク
受容層を設けてなる被記録材が使用されてきたが、イン
クジェット記録装置の性能の向上や普及に伴い、表面画
像観察用以外の、すなわち記録画像の透過光を利用す
る、例えば、スライドやオーバーヘッドプロジェクター
(OHP)等の光学機器により記録画像をスクリーン等
に投影して画像を観察するもの、あるいはカラー印刷の
ポジ版を作製する際の色分解版等の用途に適した被記録
材が要求されつつある。
【0005】すなわち、高解像度、高品質の記録画像を
得るためのインクジェット記録用の被記録材としては、
第一に透光性に優れていること、あるいは白色度の高い
こと、第二にインクの吸収性に優れ、必要以上にインク
ドット径が大きくならないこと、第三にインクの受容容
量が十分に大きいこと、第四にインクの乾燥が十分早い
こと、第五に耐ブロッキング性に優れていること、第六
に高湿度下でもインクの吸収性の劣化が少ないこと、第
七に高湿度下で記録画像が安定で、ニジミ等の起こらな
いこと、第八に記録画像の耐光性に優れていること等の
基本的要求特性を同時に満たすことが必要である。
【0006】従来、上述の特性を満足すべく諸々の検討
がなされ、ある程度の成果をあげているが、これら全て
の要求特性を満たした被記録材はまだ知られていない。
【0007】例えば、特開昭60−132785号公
報、あるいは特開昭61−188181号公報では、主
にポリビニルピロリドンを用い、インク吸収性の優れた
被記録材を提供している。しかしながら、かかる被記録
材は、水性インク中に含まれるグリコールあるいはアル
コール類によって影響を受けやすく、例えば、高湿度下
での印字された部分の耐ブロッキング性に欠ける等の問
題がある。また、ポリビニルピロリドンのような塩基性
ポリマーを用いた場合、耐光性に大きな問題を生じる。
【0008】更に、特開平2−270589号公報にお
いては、可塑剤を含む各種セルロース類と親水性樹脂と
の混合物を用いた被記録材が開示されているが、かかる
被記録材は、高湿度下で記録画像が不安定であり、ニジ
ミが生じ、また単位面積当たりに多量のインクを付与す
ると、インクの吸収性に問題が生じる。
【0009】一方、これらの諸問題を解決するために、
多層構造の被記録材が提案されている。例えば、特開昭
61−148091号公報では、耐水性のポリウレタン
樹脂からなるインク透過層をインク保持層上に設けた2
層構造の被記録材が開示されている。この被記録材で
は、耐ブロッキング性は良好であるが、単位面積当たり
に多量のインクを付与する場合に、インクがあふれる問
題がある。また、インク透過層が多孔質であり、印字後
の熱処理によって透明化するものが特開昭62−170
382号公報及び特開昭62−196175号公報で開
示されている。しかし、このような被記録材において
は、熱処理後、カールの問題が生じるばかりでなく、熱
処理工程を必要とする煩雑さがある。一方、特開昭62
−152779号公報では、インク受容層が多層構造か
らなり、隣接する各被覆層の上層のインク吸収速度を、
その隣接する下層のそれよりも大きくする被記録材が開
示されているが、このような被記録材では、上層でほと
んどのインクを保持することとなり、耐ブロッキング性
が不十分である。
【0010】このように、従来の技術においては、イン
ク受容性、インク吸収性、インク乾燥性、耐ブロッキン
グ性、耐光性、記録画像の安定性を同時に満足させるこ
とが不可能であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高解像度、
高品質の記録画像を得るためのインクジェット記録用の
被記録材としての基本的諸要求特性の全てを同時に満足
し、単位面積当たりに多量のインクを付与されても優れ
た特性を持ち、高湿度下でも良好なインク乾燥性を示す
被記録材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、基材上の少なくとも片面にインク受容
層を設けた被記録材において、該受容層が少なくとも2
層からなり、その最表層(第1層)が、酸化エチレンの
平均付加モル数が1.8乃至2.5の範囲にある架橋さ
れたヒドロキシエチルセルロースが主成分であり、該第
1層と隣接して該第1層と基材との中間に位置する第2
層は、疎水基による非共有性の結合による三次元構造を
持つヒドロキシエチルセルロースが主成分であるものと
する被記録材である。
【0013】また本発明は、前記第1層のヒドロキシエ
チルセルロースが、その2重量%水溶液の25℃におけ
る粘度を2000cps 乃至30000cps の範囲にある
ものとする被記録材である。
【0014】特定の酸化エチレンの平均付加モル数を有
するヒドロキシエチルセルロースの特定の架橋体を用い
てインク受容層を形成させることにより、単位面積当た
りに多量のインクが付与されても、優れたインク受容
性、インク吸収性、インク乾燥性、耐ブロッキング性、
耐光性、記録画像の安定性を有する被記録材を提供する
ことができる。
【0015】以下に、好ましい実施態様をあげて本発明
を更に詳しく説明する。
【0016】本発明の被記録材は、一般に支持体として
の基材と、その表面に設けた記録面、すなわちインク受
容層からなるものであり、特に好ましい態様として、
(1)基材及びインク受容層の双方とも透光性であり、
被記録材全体として透光性である態様、(2)基材が不
透明(基材は着色されていてもかまわない)で、インク
受容層が不透明あるいは透明であり、被記録材全体とし
て不透明である態様、等が挙げられる。
【0017】本発明においては、インク受容層はヒドロ
キシエチルセルロースを主成分として構成されるが、一
般にヒドロキシエチルセルロースは、セルロースに付加
した酸化エチレンの付加したモル数及び分子量等により
その性状が異なる。
【0018】本発明のインク受容層は、少なくとも2層
から構成されるが、その最表層(第1層)は、直接プリ
ンターや使用環境雰囲気にさらされるため、インクの吸
湿性等のみだけでなく、高被膜強度、低粘着性等の特性
をも兼ね備えなければならない。したがって、本発明の
第1層に用いられるヒドロキシエチルセルロースは、セ
ルロース中の各グリコース単位に付加した酸化エチレン
の平均付加モル数が1.8乃至2.5の範囲のものであ
る。
【0019】ヒドロキシエチルセルロースに付加した酸
化エチレンの平均付加モル数が上記の範囲内にあれば、
好適に使用されうるが、その2重量%水溶液の25℃に
おける粘度が、2000cps 乃至30000cps の範囲
にあるものが、より好ましい。該粘度が、5000cps
乃至25000cps の範囲にあるものは、更により好ま
しい。 更に、第1層に十分な被膜強度を付与するため
に、第1層で用いるヒドロキシエチルセルロースは、架
橋されたものである。架橋は、ポリメチロール化合物あ
るいはポリイミンで好適に行なうことができる。
【0020】架橋に用いるポリメチロール化合物として
は、ポリメチロールメラミン、アルキル化グリコールウ
リル、メチロール化ベンゾグアナミン、メチロール化ア
セトグアナミン、メチロール化フェノール等が挙げられ
る。
【0021】ポリイミンとしては、例えば、ドイツBA
SF社より市販されているポリミンPを挙げることがで
きる。
【0022】これらの架橋剤が、本発明において好適に
用いられる量は、ヒドロキシエチルセルロースの総重量
に対して重量%で3%乃至9%、好ましくは3%乃至5
%である。更に、必要であれば、上記の架橋剤とポリマ
ー中の水酸基との架橋反応に一般に有用であることが知
られている反応触媒、例えば、パラトルエンスルホン酸
あるいはそのアミンアダクト類、アルキルリン酸類、ハ
ロゲン化金属類等を用いることもできる。
【0023】架橋剤の使用量が上記の範囲からはずれ、
多すぎると印字品質が劣化し、ブロンジング、印字部の
白化等の問題が生じる。一方、使用量が少なすぎると、
インク吸収が速くなりすぎ、十分な印字濃度が得られな
かったり、あるいはピンホール等の問題が生じ、耐ブロ
ッキング性も極端に劣化する。
【0024】更に、この第1層には、例えば、インク受
容層のインク吸収性を高めるために、及び/またはイン
ク受容層の被膜強度を上げるために、またプリンターで
の被記録材の搬送性を向上させるために、各種の充填剤
を併用して使用することもできる。
【0025】充填剤としては、例えば、シリカ、クレ
ー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、合成ゼオラ
イト、ジルコニア、アルミナ、酸化亜鉛、チタンホワイ
ト等の無機充填剤;ポリシロキサン三次元架橋物の微粉
末、アセチル化セルロースの微粉末、スターチ類の微粉
末、ポリメタクリル酸樹脂の微粉末等の有機充填剤が挙
げられる。
【0026】これらの充填剤は、単独、あるいは2種以
上のものを適宜選択して用いることができる。
【0027】本発明において、特に好適な充填剤は、例
えばコーンスターチ等のスターチ類、及びポリシロキサ
ン三次元架橋物の微粉末である。
【0028】充填剤の使用量は、本発明の被記録材が、
通常の表面画像観察用の用途に供される場合には、イン
ク受容層の表面が平滑性を保持できる限り、インク受容
層が不透明になるまで使用して良いが、本発明の被記録
材が透過光を利用するものである場合には、使用量は、
第1層に用いる樹脂の総重量に対して5重量%乃至40
重量%、好ましくは5重量%乃至25重量%である。
【0029】本発明の第1層には、本発明で用いるヒド
ロキシエチルセルロースに加えて、他の親水性樹脂を併
用することができる。この親水性樹脂は、インクを受容
する樹脂であれば特に制限はないが、少なくとも親水性
の官能基を持つものでなければならない。この親水性の
官能基としては、例えば、水酸基、アミノ基、アミド
基、アセテート基、エーテル基、カルボン酸基、カルボ
キシエステル基、スルホン基、あるいはピロリドン基等
がある。
【0030】これらの親水性の官能基を持つ樹脂の中で
も、本発明に用いられる好ましい親水性樹脂としては、
例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、メ
チルセルロース、エチルセルロース、エチルメチルセル
ロース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロー
ス、並びにアルキル変性ヒドロキシセルロース等の水溶
性セルロース類;ポリビニールアルコール等のアルコー
ル類;酢酸ビニルと他の共重合体との完全または部分ケ
ン化物;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不
飽和カルボン酸のホモポリマー、またはこれらのエステ
ル化物との共重合体あるいは他のモノマーとの共重合
体;ビニルスルホン酸、スルホン化スチレン等のスルホ
ン化ビニルモノマーのホモポリマーまたは他のビニルモ
ノマーとの共重合体;アクリルアミド、メタクリルアミ
ドのホモポリマーまたは他のビニルモノマーとの共重合
体;N−ビニルピロリドンのホモポリマーまたは他のビ
ニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。これらは、
単独で、あるいは2種以上混合して用いることができ
る。
【0031】本発明において上記の親水性樹脂を併用し
て用いる場合には、その使用量は、本発明のヒドロキシ
エチルセルロースの総重量に対して、50重量%以下、
好ましくは20重量%以下である。
【0032】インク受容層を構成する第2層は、最表層
である第1層に隣接するもので、ここで用いられるヒド
ロキシエチルセルロースは、疎水基による非共有性の三
次元構造を有するものである。本発明において、疎水基
による非共有性の三次元構造とは、疎水基の会合による
分子内、分子間、あるいはこれらの両者の非共有性の架
橋を意味する。
【0033】この疎水基による非共有性の三次元構造を
有するヒドロキシセルロースとして、本発明で好適に使
用されるものは、疎水基として炭素数2〜25のアルキ
ル鎖、好ましくは5〜18、更に好ましくは9〜15の
アルキル鎖をその分子中に持つ会合性ヒドロキシエチル
セルロースである。この会合性ヒドロキシエチルセルロ
ースは、単独でも用い得るが、例えば、上記の親水性樹
脂と混合して使用することが好ましい。上記の親水性樹
脂であれば、いずれも併用することができるが、特に本
発明において好適に併用され得るものは、ヒドロキシエ
チルセルロースである。
【0034】この併用できるヒドロキシエチルセルロー
スとは、セルロース中の各グルコール単位に付加した酸
化エチレンの平均付加モル数が1.8以上のものであれ
ば何れも使用できるが、混合液の塗布性等を考慮すれ
ば、その2重量%水溶液の25℃における粘度が、10
cps 乃至500cps の範囲のもの、好ましくは10cps
乃至200cps の範囲のものが好適である。
【0035】また、単独、あるいは2種以上の混合物で
も、上記会合性ヒドロキシエチルセルロースと混合して
用いることができる。会合性ヒドロキシエチルセルロー
スと他の併用できるヒドロキシエチルセルロースとの混
合割合としては、ヒドロキシエチルセルロース全体の中
で、会合性ヒドロキシエチルセルロースの占める割合は
40乃至70重量%、好ましくは55乃至65重量%で
ある。
【0036】このようなインク受容層を形成する方法と
しては、上記のものからなる水溶液あるいは水分散液
を、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーテ
ィング法、スプレーコーティング法、ビードコーティン
グ法、グラビアコーティング法、エアナイフコーティン
グ法等の公知の方法により基材上に塗布し、その後速や
かに乾燥させることによって、基材の片面あるいは両面
上に被覆層を形成させる方法等が使用できる。
【0037】本発明で用いられる基材としては、透明
性、不透明性等の従来公知の基材は何れも使用でき、透
明性基材として好適な例としては、例えば、ポリエステ
ル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セロハ
ン、セルロイド等のフィルムもしくは板及びガラス板等
が挙げられる。また、不透明基材として好ましいものと
しては、例えば、一般の紙、布、木材、金属板、合成紙
等の他、上記の透明性基材を公知の手段により不透明化
処理したものが挙げられる。
【0038】以上の如して本発明の被記録材が形成され
るが、本発明の被記録材が、透過光を利用する用途に用
いられる場合には、前記の被記録材として好ましい態様
(1)の被記録材全体として透光性である形態である場
合は、基材上に形成するインク受容層の厚さは、第1層
は、0.1μm乃至5μm、好ましくは0.1μm乃至
2μmの範囲である。また、第2層は、5μm乃至20
μm、好ましくは5μm乃至15μmの範囲である。
【0039】一方、本発明の被記録材が、不透明基材上
にインク受容層を形成してなるような前記(2)の態様
の場合、インク受容層は、不透明性でも透明性でも良い
が、より良好な表面光沢性並びに画像の鮮明性を得るに
は、透明性であることが好ましい。
【0040】インク受容層の形成に使用する材料及び方
法等は、前記(1)の態様と同様であるが、必要に応じ
て、前述の塗布方法に加えて、ディップコーティング
法、キャストコーティング法等を用いたり、光沢ロール
により光沢出しをしても良い。前記(2)の態様の場
合、基材上に形成するインク受容層の厚さは、第1層
は、0.1μm乃至50μm、好ましくは0.1μm乃
至30μmの範囲である。また、第2層は、2μm乃至
150μm、好ましくは2μm乃至70μmの範囲であ
る。
【0041】なお、インク受容層には、分散剤、蛍光塗
料、pH調節剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤
等の公知の各種添加剤を包含させることができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、更に詳細
に本発明を説明するが、本発明はこれらによって限定さ
れるものではない。なお、文中、部または%とあるのは
特に断りのない限り重量基準である。
【0043】(実施例1)ヒドロキシエチルセルロース
(ナトロゾル、ハーキュレス社製)6.5%水溶液40
部と、会合性ヒドロキシエチルセルロース(ナトロゾル
・プラス,ハーキュレス社製)6.5%水溶液60部と
を混合し、第2層用の塗布液を調整した。透光性基材と
して厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(ICI社製)を使用し、このフィルム上に上記の
第2層用塗布液を、乾燥後の膜厚が6μmになるように
ロッドバーコーティング法により塗布し、130℃で1
0分間乾燥後、ヒドロキシエチルセルロース(SP−8
00,ダイセル化学社製)1.5%水溶液100部、メ
チロール化メラミン(サイメル370,アメリカンサイ
ナミド社製)5%メタノール溶液0.9部、酸触媒(カ
タリスト296−9,アメリカンサイナミド社製)0.
5%イソプロパノール溶液1.6部及び充填剤(コーン
スターチ,和光純薬社製)0.18部とからなる第1層
用塗布液を、乾燥後の膜厚が0.5μmとなるようにロ
ッドバーコーティング法により塗布し、130℃で10
分間乾燥して、本発明の透光性被記録材を得た。
【0044】得られた被記録材は、無色かつ濁度が7.
8%のものであった。
【0045】(実施例2)実施例1で用いた第2層用の
塗布液中のヒドロキシエチルセルロースをSP−400
(フジケミカル社製)に変え、更に会合性ヒドロキシエ
チルセルロースとの混合割合を、40部/60部から5
5部/45部に変えた他は、実施例1と同様にして、本
発明の透光性被記録材を得た。
【0046】得られた被記録材は、無色かつ濁度が6.
7%のものであった。
【0047】(実施例3)実施例1で用いた透光性基材
に変えて、プライマー処理した厚さ100μmの白色ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(ICI社製)を使
用し、かつ実施例1で用いた第1層用塗布液に変えて、
ヒドロキシエチルセルロース(ナトロゾル250MR,
ハーキュレス社製)1.5%水溶液80部、アクリル変
性ポリビニルアルコール(スミカゲルL−5H,住友化
学社製)1.5%水溶液20部、メチロール化メラミン
(サイメル370,アメリカンサイナミド社製)5%メ
タノール溶液0.5部、酸触媒(カタリスト296−
9,アメリカンサイナミド社製)0.5%イソプロパノ
ール溶液1.8部及び充填剤(コーンスターチ,和光純
薬社製)0.2部とからなる第1層用塗布液を用い、乾
燥後の膜厚が1.2μmとなるようにした以外は、実施
例1と同様にして本発明の不透明性被記録材を得た。
【0048】(比較例1)実施例1で用いた第1層用塗
布液中のヒドロキシエチルセルロースをAV15F(フ
ジケミカル社製)に変えた他は、実施例1と同様にし
て、比較用の透光性被記録材を得た。
【0049】(比較例2)実施例1で用いた第2層用塗
布液に変えて、ポリビニルピロリドン(PVPK−9
0,GAF社製)6.5%メタノール溶液を用いた他
は、実施例1と同様にして、比較用の透光性被記録材を
得た。
【0050】(比較例3)実施例1で用いた第2層用塗
布液のみを用いて、インク受容層の乾燥後膜厚が12μ
mとなるように、実施例1と同様に塗布、乾燥し、比較
用の透光性被記録材を得た。
【0051】これらの実施例及び比較例で得られた被記
録材を、インクジェットプリンターにより画像を印字、
記録して評価した。
【0052】評価は、下記の項目について行い、その評
価方法は、下記の方法に従った。
【0053】(1)インク乾燥時間 インク乾燥時間は、記録実施後、被記録材を所定条件下
(35℃/90%RH、及び20℃/60℃RH(RH
は相対湿度))に放置し、記録画像に指触した時にイン
クが乾燥して指に付着しなくなる時間を測定した。
【0054】(2)OHP適性 OHP適性は、光学機器の代表例として測定したもの
で、記録画像をOHPによりスクリーンに投影し、目視
により観察して判定した。無記録部が明るく、記録画像
のオプティカルデンシティ(OD)が高く、コントラス
トの高い鮮明で見やすい投影画像が得られるものを○
印、無記録部がやや暗く、記録画像のコントラストがや
や劣るものを△印、無記録部がかなり暗く、記録画像の
ODがかなり低いものを×印で表した。
【0055】(3)印字品質 印字品質を目視により観察して判定した。インクの流れ
出し、プリンター内のローラーによる画像のインクの取
られ、無記録部へのインクの引きずり、あるいはピンホ
ール等の画像品質に問題のあるものを×印、OHPによ
りスクリーンに投影した時にローラー等の痕跡のほとん
ど認められないものを○印、全くそうでないものを◎印
で示した。
【0056】(4)搬送性 搬送性は、35℃、90%RHの条件下で被記録材をプ
リンターに装着した際に、インク受容層表面のべたつき
のため、プリンターの送りローラで搬送できず、記録で
きないものを×印、そうでないものを○印で示した。
【0057】(5)タック タックは、被記録材を30℃、80%RHの条件下に2
4時間放置後のインク受容層の粘着性を指触により判定
した。○印は粘着性に問題がないもの、×印は問題があ
るものである。
【0058】(6)耐ブロッキング性 耐ブロッキング性は、被記録材を30℃、80%RHの
条件下で印字し、印字終了5分後に、印字部を上質紙及
びポリプロピレンフィルムで覆い、47kg/m2 の荷重
を1分間かけた後、上記条件下で14時間放置し、放置
後上質紙をはがした時の状態を目視により観察して判定
した。印字部から紙をはがす際に、紙が接着してはがせ
ないものを×印、紙をはがすことはできるが、紙の繊維
が印字部に残るものを△印、インクが紙に転移している
が、紙を完全にはがすことができるものを○印で示し
た。
【0059】(7)耐光性 耐光性は、室温条件下で380ドット/インチの黒色ベ
タ(5cm×6cm)を印字後、室内光暴露耐光試験機(ア
トラス−HPUV)を用いて室内光条件下で60時間光
照射後、色差ΔEを測ることにより判定した。ΔEが2
未満のものを○印、2以上10以下のものを△印、10
を越すものを×印で示した。
【0060】(8)総合評価 総合評価は、上記評価項目(1)から(7)までのもの
のうち、×印が1個でもあるものを×印、全くないもの
を○印とした。
【0061】評価結果は表1に示しているが、本発明の
被記録材は、インク乾燥時間、印字品質、搬送性、タッ
ク、耐ブロッキング性及び耐光性に優れ、透光性の被記
録材は、OHP適性においても良い結果を示した。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の被記録材
は、その少なくとも片面に二層構造被覆層からなるイン
ク受容層を持ち、該インク受容層は、特定の酸化エチレ
ンの平均付加モル数を有するヒドロキシエチルセルロー
スの特定の架橋体を用いて形成されているので、優れた
インク受容性、インク吸収性、インク乾燥性、耐ブロッ
キング性、耐光性、記録画像の安定性を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上の少なくとも片面にインク受容層
    を設けた被記録材において、該受容層が少なくとも2層
    からなり、その最表層(第1層)が、酸化エチレンの平
    均付加モル数が1.8乃至2.5の範囲にある架橋され
    たヒドロキシエチルセルロースを主成分とし、該第1層
    と隣接して該第1層と基材との中間に位置する第2層が
    疎水基による非共有性の結合による三次元構造を持つヒ
    ドロキシエチルセルロースを主成分とすることを特徴と
    する被記録材。
  2. 【請求項2】 第1層のヒドロキシエチルセルロース
    が、その2重量%水溶液の25℃における粘度が、20
    00cps 乃至30000cps の範囲にあるものであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の被記録材。
JP3332314A 1991-12-16 1991-12-16 被記録材 Pending JPH05162436A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3332314A JPH05162436A (ja) 1991-12-16 1991-12-16 被記録材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3332314A JPH05162436A (ja) 1991-12-16 1991-12-16 被記録材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05162436A true JPH05162436A (ja) 1993-06-29

Family

ID=18253579

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3332314A Pending JPH05162436A (ja) 1991-12-16 1991-12-16 被記録材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05162436A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100523239B1 (ko) 잉크젯 기록재, 그것의 제조 방법 및 그것을 사용한 잉크젯 기록 방법
US5707722A (en) Ink jet recording sheet
ITSV990026A1 (it) Foglio recettore per stampa a getto di inchiostro comprendente una combinazione di tensioattivi.
JPH0641226B2 (ja) カラーインクジェット記録方法
JPH10181195A (ja) インクジェットインク画像用記録要素
US6015624A (en) Ink-receptive sheet
JPH07137431A (ja) インクジェット記録シート
JPH1148600A (ja) インクジェット記録用フィルム
JPH09169159A (ja) 記録媒体、これを用いた画像形成方法及び印字物
JPH09175010A (ja) インクジェット記録シート
JPH11502476A (ja) インク受容吸収性コーティング
US6040060A (en) High uniform gloss ink-jet receivers
JPH05124330A (ja) 被記録材
EP1391313B1 (en) Ink jet recording sheet and a prepartion method thereof
JP4973499B2 (ja) インクジェット用記録媒体
JPS63162272A (ja) インクジエツト用記録シ−ト
JPH05162436A (ja) 被記録材
JPH03281383A (ja) 記録用シート
GB2380695A (en) Recording material
JPS62264988A (ja) 被記録材およびそれを用いた記録方法
JP2007130776A (ja) インクジェット被記録材料
JPH10315614A (ja) 記録用シート
JP2794630B2 (ja) 記録シート
JPH11277882A (ja) バックリット用インクジェット記録シート及びその製造方法
JPH09109544A (ja) インクジェット用記録シート