JPH05162291A - 印刷機における用紙のテンション調整方法及び装置 - Google Patents

印刷機における用紙のテンション調整方法及び装置

Info

Publication number
JPH05162291A
JPH05162291A JP3333052A JP33305291A JPH05162291A JP H05162291 A JPH05162291 A JP H05162291A JP 3333052 A JP3333052 A JP 3333052A JP 33305291 A JP33305291 A JP 33305291A JP H05162291 A JPH05162291 A JP H05162291A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
paper
roller
take
tension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3333052A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Kawamura
敏幸 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Steel Co Ltd
Taiyo Ltd
Original Assignee
Taiyo Steel Co Ltd
Taiyo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Steel Co Ltd, Taiyo Ltd filed Critical Taiyo Steel Co Ltd
Priority to JP3333052A priority Critical patent/JPH05162291A/ja
Publication of JPH05162291A publication Critical patent/JPH05162291A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)
  • Controlling Rewinding, Feeding, Winding, Or Abnormalities Of Webs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】用紙を紙厚が異なるものに段取り替えした場合
にも用紙のテンション調整及び天地見当合わせが容易に
行える。 【構成】用紙の走行速度Vを検出するための速度検出器
14と、演算の基準となる低速側の速度V1を設定する
ための第1の設定器15と、引取ローラの回転速度の比
率を可変するための係数K1を設定するための第2の設
定器16と、低速側の速度V1を超える速度域で係数K
1を修正するための係数K2を設定するための第3の設
定器17と、走行速度V、並びに低速側の速度V1、係
数K1、及び係数K2とから制御量Sを算出する演算部
18と、制御量Sに応じて引取ローラの回転速度を制御
するための駆動制御部20とを有し、演算部18は、S
=K1・〔V1+K2・(V−V1)〕によって制御量
Sを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、巻き取り紙などの帯状
の用紙を用いるビジネスフォーム印刷機などの各種印刷
機において、用紙を特に紙厚が異なるものに段取り替え
した場合にも用紙のテンション調整が容易に行えるよう
にしたテンション調整方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ビジネスフォーム印刷機(以下「印刷
機」と言う)は、ロール状の巻き取り紙から巻き出した
帯状の用紙を送出ローラから引取ローラへ向けて走行さ
せ、この走行途中の用紙に対して各種の印刷や加工(ミ
シン目やパンチ孔の形成)などを施し、最終的に用紙を
ジグザグ折りした状態又はロール状に巻き取った状態と
して排紙できるようにしてなる一連の装置群である(例
えば特公平3−44910号公報)。
【0003】この種の印刷機では、定常運転を開始する
のに先立ち、用紙の紙質、幅サイズ、紙厚、温湿度、又
は走行速度などに応じて、各種印刷部又は加工部の設定
位置を用紙の走行方向に関して調整する、いわゆる天地
調整(天地見当合わせ)が必要である。
【0004】この天地見当は、用紙のテンションに応じ
て変化する。つまり、用紙のテンションが変化すると、
用紙の伸び率が変化し、その結果、印刷後又は加工後に
おける用紙の長さの収縮量に変化が生じるので、天地見
当が狂ってくる。
【0005】用紙のテンションは、送出ローラ、引取ロ
ーラ、又はこれらの中間の版胴又はその他の種々のロー
ラの回転速度の相違によって用紙に加わるものであり、
特に引取ローラの回転速度に依存するところが多い。
【0006】ところで、天地調整が合った状態で定常運
転を行っている場合であっても、用紙を取り替えた場合
には、再度天地調整を行う必要が生じる。例えば、紙厚
の異なる用紙に取り替えた場合には、引取ローラの回転
速度が同一であっても用紙の紙厚の中心位置の周速が変
化するため、用紙の走行速度が変化する。また、用紙の
幅サイズ、紙質などが異なった場合にも、用紙と引取ロ
ーラとの間のスリップ状態に変化が生じ、これらの結
果、用紙のテンションが変化して天地調整が狂う。
【0007】一般に、天地調整は、試し印刷にともなう
用紙の無駄を少しでも抑えるため、用紙の走行速度を3
0m/min程度の低速度に設定して行うのが通常であ
る。しかし、天地調整を行った後に用紙の走行速度を2
00m/min程度の定常運転速度に上げた場合には、
引取ローラと用紙との間のスリップの状態が変化するた
め、用紙のテンションが変化し、再度天地調整を行わな
ければならない。
【0008】従来においては、用紙の取り替えを行った
後の天地調整を行う手順が標準化されていないため、送
出ローラ及び引取ローラの回転速度を始めとして、主駆
動モータの回転速度、印刷部及び加工部の設定位置な
ど、あらゆる部分の速度及び位置を調整して天地調整を
行っており、その作業に極めて多大の時間と労力を要し
ていた。これにともなって、天地調整のために試し印刷
される用紙が多量に発生していた。
【0009】例えば上述した公報に記載の印刷機では、
引取ローラと用紙との間のスリップを低減するために引
取ローラのローラ表面で用紙を暫時的に真空吸着できる
ように構成するとともに、引取ローラとこれに回転力を
伝える駆動軸との間にパウダークラッチと呼称される電
気制御式クラッチ(スリップ装置)を介在させ、引取ロ
ーラを調整されたトルクで回転させるようになってお
り、これによって天地調整を比較的容易に行えるように
なっている。しかし、天地調整の方法又は手順はオペレ
ータによってまちまちであり、オペレータの経験やカン
などによって行われている。また、用紙のスリップを低
減するために真空吸着装置や電気制御式クラッチなどを
必要とするため、製造コストの上昇や装置の大型化とい
う問題もある。
【0010】本発明は、上述の問題に鑑み、用紙の段取
り替えによってその紙厚などが異なるようになった場合
であっても、天地見当合わせを容易に行うことができる
テンション調整方法及び装置を提供することを目的とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る方
法は、上述の課題を解決するため、帯状の用紙を送出ロ
ーラから引取ローラへ向けて走行させ、当該引取ローラ
の回転速度を調整することによって前記用紙のテンショ
ンを調整可能とする印刷機において、前記用紙を低速側
の速度V1に設定して走行させた状態で、前記引取ロー
ラの回転速度を調整して印刷又は加工の天地見当が合う
ように1回目のテンション調整を行い、前記用紙を高速
側の速度V2に設定して走行させた状態で、前記引取ロ
ーラの回転速度を調整して印刷又は加工の天地見当が合
うように2回目のテンション調整を行い、前記低速側の
速度V1及び前記高速側の速度V2のときの前記引取ロ
ーラの各回転速度をそれぞれN1、N2としたとき、前
記用紙における低速側の速度V1を超える速度域の任意
の走行速度Vに対して、前記引取ローラの回転速度N
を、 N=N1+(N2−N1)(V−V1)/(V2−V
1) によって算出される値に設定する。
【0012】請求項2の発明に係る装置は、前記用紙の
走行速度Vを検出するための速度検出器と、前記用紙の
走行速度Vに関して、演算の基準となる低速側の速度V
1を設定するための第1の設定器と、前記用紙の走行速
度Vに対する前記引取ローラの回転速度の比率を可変す
るための係数K1を設定するための第2の設定器と、前
記用紙における低速側の速度V1を超える速度域での走
行速度Vに対して、前記第2の設定器により設定された
係数K1を修正するための係数K2を設定するための第
3の設定器と、前記速度検出器により検出された走行速
度V、並びに前記第1の設定器、第2の設定器、及び第
3の設定器によりそれぞれ設定された低速側の速度V
1、係数K1、及び係数K2とから制御量Sを算出する
演算部と、前記制御量Sに応じて前記引取ローラの回転
速度を制御するための駆動制御部とを有して構成され
る。
【0013】請求項3の発明に係る装置では、前記演算
部は、次式、 S=K1・〔V1+K2・(V−V1)〕 によって制御量Sを算出するよう構成される。
【0014】請求項4の発明に係る装置では、前記走行
速度Vは、前記速度検出器からの出力信号を前記駆動制
御部による補正量を加算して得るよう構成される。
【0015】
【作用】第1の設定器により、用紙の走行速度Vに関し
て、演算部18における演算の基準となる低速側の速度
V1が設定される。第2の設定器により、用紙の紙厚に
応じた係数K1が設定され、第3の設定器により、用紙
の走行速度の相違によるスリップ状態の変化を補正する
ための係数K2が設定される。
【0016】これらのより設定された値及び速度検出器
により検出された走行速度に基づいて、演算部による演
算が行われ、演算結果に応じた引取ローラの回転速度制
御が行われる。
【0017】
【実施例】図3は本発明に係る印刷機1の概略の構成を
模式的に示す図である。印刷機1は、ロール状の巻き取
り紙2から巻き出した帯状の用紙3を送出ローラ4から
引取ローラ5へ向けて走行させ、この走行途中の用紙3
に対して、印刷部6による印刷及び加工部7によるミシ
ン目やパンチ孔の形成が行われ、最後に折り部8によっ
てジグザグ折りするようになっている。
【0018】なお、送出ローラ4、印刷部6、加工部
7、及び引取ローラ5は、それぞれの設置位置を通過す
るよう印刷機1のほぼ全長にわたって設けられた主駆動
軸11から、それぞれウオームギヤ及び伝動軸12など
を介して回転駆動力が伝えられるようになっている。し
たがって、用紙3の走行速度Vは、基本的にはこの主駆
動軸11の回転速度Nmに依存しており、主駆動軸11
の回転速度Nmを制御することによって用紙3の走行速
度Vが調整される。
【0019】各伝動軸12には、主駆動軸11から伝達
される回転速度を増減調整するためのハーモニックドラ
イブ10が設けられている。特に、引取ローラ5に対し
て設けられたハーモニックドライブ10は、後述するサ
ーボモータ13及びサーボコントローラ19とともに本
発明に係るテンション調整装置TAの一部を構成してい
る。
【0020】印刷機1は、オペレータによる操作盤9の
操作に基づいて、図示しない制御盤により制御されるよ
うになっている。特に、巻き取り紙2の取り替え時にお
いては、操作盤9に設けられた種々の設定器を調整する
ことによって、引取ローラ5の回転速度を制御して用紙
のテンション調整を行い、印刷及び加工の天地見当合わ
せを容易に行えるようになっている。
【0021】図1は本発明に係るテンション調整装置1
Aを示すブロック図、図2は用紙の走行速度Vと引取ロ
ーラの回転速度Nとの関係を示すグラフである。テンシ
ョン調整装置1Aは、駆動制御部20、引取制御部2
1、及び速度検出器14から構成されている。
【0022】駆動制御部20は、引取制御部21から出
力される制御信号S5に応じて引取ローラ5の回転速度
Nを制御するものであり、引取ローラ5の伝動軸12に
設けられたハーモニックドライブ10、ハーモニックド
ライブ10の調整駆動入力として連結されたサーボモー
タ13、サーボモータ13の回転速度を制御するサーボ
コントローラ19からなる。
【0023】ハーモニックドライブ10は、2つの入力
軸の正方向の回転速度を加算した値が出力軸の回転速度
となるものであり、主駆動軸11の回転速度Nm、及び
サーボモータ13の回転速度Nsに対して、出力軸の回
転速度、つまり引取ローラ5の回転速度Nは、 N=Nm+Ns ……(1) となる。なお、実際にはハーモニックドライブ10の入
力軸及び出力軸と主駆動軸11、サーボモータ13、引
取ローラ5の回転軸との間には種々の伝動機構が介在し
ているが、それらによる変速率などをも含めて回転速度
に換算されているものとする。
【0024】一般に、サーボモータ13の回転速度Ns
は主駆動軸11の回転速度Nmのプラスマイナス10パ
ーセント程度であり、したがってハーモニックドライブ
10によって、主駆動軸11の回転速度Nmをサーボモ
ータ13の回転速度Nsによってプラスマイナス10パ
ーセント程度増減調整することとなる。
【0025】速度検出器14は、用紙3の走行速度Vを
検出するためのものであり、主駆動軸11に連結されて
回転するロータリーエンコーダからなる。したがって、
速度検出器14からは、主駆動軸11の回転速度Nmに
対応したパルス信号S6が出力されるので、これにサー
ボモータ13の回転速度Nsに対応したパルス信号S7
を加算することによって検出速度補正部22で補正し、
この補正された信号S8を用紙の走行速度Vとして用い
ている。
【0026】引取制御部21は、第1〜第3の設定器1
5,16,17、及び演算部18からなっている。これ
ら第1〜第3の設定器15,16,17は可変抵抗器よ
りなり、それぞれの軸に取り付けられたツマミを回して
それぞれの目盛りの適当位置に合わせることにより、そ
の回転角度位置に応じた電圧信号S1〜3を出力する。
それぞれの電圧信号S1〜3は、演算部18内に設けら
れたAD変換器によってディジタル信号に変換される。
【0027】ここで、図2を参照してテンション調整装
置1Aによるテンション調整方法を説明する。図2にお
いて、線分L1は、用紙3の走行速度Vに対する引取ロ
ーラ5の基準回転速度との関係を示すものである。
【0028】引取ローラ5の基準回転速度とは、サーボ
モータ13の回転速度Nsが「0」のとき、すなわちサ
ーボモータ13による回転速度の補正が無く、主駆動軸
11の回転速度Nmと等しい状態における引取ローラ5
の回転速度Nである。
【0029】基準回転速度においては、引取ローラ5の
表面の周速と、最も紙厚の大きい用紙3の走行速度Vと
が等しくなるか又は引取ローラ5の周速の方が僅かに遅
くなる。つまり、基準回転速度では、引取ローラ5は用
紙3にテンションを与えることができない。したがっ
て、実際には基準回転速度で運転されることはない。し
かしこの基準回転速度はそれ以外に設定することも可能
である。なお、図2において、線分L1の傾きはaであ
る。
【0030】線分L2は、用紙3を低速側の速度V1に
設定して走行させた状態で、引取ローラ5の回転速度N
が一次調整回転速度N1となるように調整したときの調
整点P1と原点とを結ぶ線分である。
【0031】一次調整回転速度N1とは、サーボモータ
13を適当な回転速度Nsで回転させ、上述の基準回転
速度に対して用紙3の紙厚を考慮した上でプラス方向に
適当な補正を行い、当該用紙3に適当なテンションがか
かるように調整された状態における引取ローラ5の回転
速度Nである。
【0032】一次調整回転速度N1においては、引取ロ
ーラ5の表面の周速が用紙3の走行速度Vよりも若干速
くなり、引取ローラ5の回転により用紙3を引っ張るこ
ととなって用紙3に適当なテンションが与えられる。引
取ローラ5の回転速度Nが一次調整回転速度N1となる
ように調整することを「バイアス調整」と言うことがあ
る。
【0033】なお、図2において、線分L2の傾きはK
1×aであり、バイアス調整とは係数K1を調整するこ
とに相当する。線分L3は、速度V1よりも大きい速度
V2に設定して用紙3を走行させた状態で、引取ローラ
5の回転速度Nが二次調整回転速度N2となるように調
整したときの調整点P2と上述の調整点P1とを結ぶ線
分である。
【0034】二次調整回転速度N2においては、用紙3
と引取ローラ5との間のスリップ状態が一次調整回転速
度N1の場合とは異なるにもかかわらず、速度V1にお
いて用紙3に与えられるテンションと同一のテンション
を与えることができる。しかも、これは、二次調整回転
速度N2のみならず、速度V1よりも大きい走行速度V
に対して線分L3の関係を有する回転速度Nについて当
てはまるのである。速度V2における引取ローラ5の回
転速度Nが二次調整回転速度N2となるように調整する
ことを「スリップ調整」と言うことがある。また、用紙
3の走行速度Vを速度V1に設定すること、又はそのよ
うな速度V1に対応するように調整点P1を設定するこ
とを、「スリップベース調整」ということがある。
【0035】なお、図2において、線分L3は、速度V
1よりも速い走行速度Vに対してその傾きをK2×K1
×aとしたものであり、スリップ調整とは係数K2を調
整することに相当する。
【0036】さて、図1に戻って、第1の設定器15
は、用紙3の走行速度Vに関して、演算部18における
演算の基準となる低速側の速度V1、換言すれば調整点
P1を設定するためのものである。
【0037】第1の設定器15によって設定された速度
V1は、これによって用紙3の実際の走行速度Vが速度
V1に設定されるのではなく、単に演算部18における
演算に用いられるものに過ぎない。つまり、用紙3の実
際の走行速度Vは、操作盤9又は図示しない制御盤に設
けられた別の設定器によって設定され、第1の設定器1
5はそれと等価な値となるように設定されるのである。
【0038】しかし、第1の設定器15は、引取ローラ
5の実際の回転速度Nの決定に用いられる速度V1を設
定するものであり、したがってスリップベース調整を行
うためのものである。この点から、第1の設定器15の
ことを「スリップベース設定器」ということがある。
【0039】第2の設定器16は、係数K1を設定する
ためのものであり、したがってバイアス調整を行うため
のものである。この点から第2の設定器16のことを
「バイアス設定器」ということがある。
【0040】第3の設定器17は、係数K2を設定する
ためのものであり、したがってスリップ調整を行うため
のものである。この点から第3の設定器17のことを
「スリップ設定器」ということがある。
【0041】演算部18は、上述のように設定されたパ
ラメータ及び速度検出器14により検出された走行速度
Vから、次の(2)式にしたがって演算を行う。 SC=K1・〔V1+K2・(V−V1)〕 ……(2) 演算の結果である制御量SCは、制御信号S5として演
算部18からサーボコントローラ19へ出力され、サー
ボコントローラ19によってサーボモータ13が回転速
度Nsで回転駆動され、ハーモニックドライブ10の出
力軸の回転によって引取ローラ5が回転速度Nで回転駆
動される。
【0042】その結果、引取ローラ5の回転速度Nは、
次の(3)式にしたがって制御される。 N=N1+(N2−N1)(V−V1)/(V2−V1) ……(3) (3)式で示される回転速度Nは、用紙3の走行速度V
に対して図2の線分L3に示す関係を有しており、した
がって先に説明したように、速度V1を越える用紙3の
任意の走行速度Vに対して、用紙3と引取ローラ5との
間のスリップ状態が異なるにも係わらず、速度V1にお
いて用紙3に与えられるテンションと同一のテンション
を与えることができる。
【0043】そのため、用紙3の取り替えを行った後
に、第1〜第3の設定器15,16,17を上述のよう
に調整し、調整点P1と調整点P2においてそれぞれ天
地見当を合わせておくことによって、その後に用紙3の
走行速度Vを可変し任意に設定しても天地見当が合うこ
ととなり、走行速度Vを変える度に天地調整を行う必要
がない。
【0044】なお、第1〜第3の設定器15,16,1
7の調整は、まず用紙3を低速側の速度V1に設定して
走行させた状態で天地見当が合うように1回目のテンシ
ョン調整を行い、次に用紙3を高速側の速度V2に設定
して走行させた状態で天地見当が合うように2回目のテ
ンション調整を行う。
【0045】低速側の速度V1としては、上述したよう
に30m/min程度に設定するが、この値は、試し印
刷にともなう用紙3の無駄を少しでも抑えるため、ま
た、用紙3への印刷及び加工状態を目視により確認可能
とするため、できる限り低速であることが好ましい。実
際には、サーボコントローラ19の制御可能範囲及びサ
ーボモータ13の安定回転領域などによって低い方に限
界がある。
【0046】高速側の速度V2としては、速度V1より
も大きい値、例えば、100m/min程度に設定する
が、この値も、上述と同様の理由で低速であることが好
ましい。但し、印刷機1における定常運転速度V3(例
えば150〜200m/min)よりも低すぎると、定
常運転速度とした場合に再度調整を行う必要が生じる場
合がある。したがって、調整に慣れてくれば、速度V2
を定常運転速度V3としてもよい。
【0047】上述の実施例において、第1〜第3の設定
器15,16,17として、テンキー又はデジスイッチ
などのデジタル的入力機器を用いてもよい。演算部18
は、ハード回路により、又はROMなどに格納されたプ
ログラムをCPUで実行することにより、上述の演算を
行うようにすればよい。また、演算部18は、印刷機1
の全体を制御するCPUの一部を用いることによって実
現してもよい。
【0048】上述の実施例において、第1〜第3の設定
器15,16,17の電圧信号S1〜3、速度検出器1
4からの走行速度V、及び演算部18からの制御信号S
5の信号波形、波高値、大きさ、又は信号状態などは、
演算部18などの構成又は演算の方法などに応じて、種
々変更することができる。したがって、演算部18によ
り演算される各パラメータの単位は任意に選択すること
ができ、各パラメータに任意の係数を乗じ又は加算した
ものを用いることも可能である。それらは実質的に上式
と同一の演算であるというべきである。
【0049】上述の実施例において、第1〜第3の設定
器15,16,17のツマミの設定位置を分かり易くす
るための適当な目盛りを設けてもよい。例えば、第1の
設定器15においては走行速度値を、第2の設定器16
においては「厚紙」「薄紙」の文字又は用紙の単位面積
当たりの重量値を、第3の設定器17においては、線分
L3の傾きが可変されるパーセント値を、それぞれ表示
するようにしてもよい。
【0050】上述の実施例においては、調整点P1を設
定するための第1の設定器15を、用紙3の実際の走行
速度Vを設定する設定器とは別個に設けたので、これら
の間にずれが生じることがある。そのような少々のずれ
は差し支えない。しかしこれらを別個に設けずに共通の
ものとし、例えば実際の走行速度Vを速度V1に設定す
ると、その値が演算に用いられるように自動的に入力さ
れるようにしてもよい。
【0051】上述の実施例において、引取ローラ5を2
箇所以上に設け、それぞれ上述したような制御を行うよ
うにしてもよい。さらに、送出ローラ4に対しても、上
述と逆の方向に引っ張り又は弛めるような制御を行い、
これら全体で引取ローラ5のテンション調整を行うよう
にしてもよい。
【0052】上述の実施例においては、引取ローラ5の
回転速度Nの調整にハーモニックドライブ10を用いた
が、パウダークラッチなどの他の装置を用いてもよい。
その他、印刷機1の各部の構成を上述以外の種々のもの
とすることが可能である。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、用紙の段取り替えによ
ってその紙厚などが異なるようになった場合であって
も、天地見当合わせを容易に行うことができる。
【0054】したがって、試し印刷に用いる用紙を可及
的に少なく抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテンション調整装置を示すブロッ
ク図である。
【図2】用紙の走行速度と引取ローラの回転速度との関
係を示すグラフである。
【図3】本発明に係る印刷機の概略の構成を模式的に示
す図である。
【符号の説明】
1 印刷機 1A テンション調整装置 3 用紙 4 送出ローラ 5 引取ローラ 6 印刷部 7 加工部 14 速度検出器 15 第1の設定器 16 第2の設定器 17 第3の設定器 18 演算部 20 駆動制御部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状の用紙を送出ローラから引取ローラへ
    向けて走行させ、当該引取ローラの回転速度を調整する
    ことによって前記用紙のテンションを調整可能とする印
    刷機において、 前記用紙を低速側の速度V1に設定して走行させた状態
    で、前記引取ローラの回転速度を調整して印刷又は加工
    の天地見当が合うように1回目のテンション調整を行
    い、 前記用紙を高速側の速度V2に設定して走行させた状態
    で、前記引取ローラの回転速度を調整して印刷又は加工
    の天地見当が合うように2回目のテンション調整を行
    い、 前記低速側の速度V1及び前記高速側の速度V2のとき
    の前記引取ローラの各回転速度をそれぞれN1、N2と
    したとき、 前記用紙における低速側の速度V1を超える速度域の任
    意の走行速度Vに対して、前記引取ローラの回転速度N
    を、 N=N1+(N2−N1)(V−V1)/(V2−V
    1) によって算出される値に設定することを特徴とする印刷
    機における用紙のテンション調整方法。
  2. 【請求項2】帯状の用紙を送出ローラから引取ローラへ
    向けて走行させ、当該引取ローラの回転速度を調整する
    ことによって前記用紙のテンションを調整可能とする印
    刷機において、 前記用紙の走行速度Vを検出するための速度検出器と、 前記用紙の走行速度Vに関して、演算の基準となる低速
    側の速度V1を設定するための第1の設定器と、 前記用紙の走行速度Vに対する前記引取ローラの回転速
    度の比率を可変するための係数K1を設定するための第
    2の設定器と、 前記用紙における低速側の速度V1を超える速度域での
    走行速度Vに対して、前記第2の設定器により設定され
    た係数K1を修正するための係数K2を設定するための
    第3の設定器と、 前記速度検出器により検出された走行速度V、並びに前
    記第1の設定器、第2の設定器、及び第3の設定器によ
    りそれぞれ設定された低速側の速度V1、係数K1、及
    び係数K2とから制御量Sを算出する演算部と、 前記制御量Sに応じて前記引取ローラの回転速度を制御
    するための駆動制御部とを有してなることを特徴とする
    印刷機における用紙のテンション調整装置。
  3. 【請求項3】前記演算部は、次式、 S=K1・〔V1+K2・(V−V1)〕 によって制御量Sを算出することを特徴とする請求項2
    記載の印刷機における用紙のテンション調整装置。
  4. 【請求項4】前記走行速度Vは、前記速度検出器からの
    出力信号を前記駆動制御部による補正量を加算して得る
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の印刷機に
    おける用紙のテンション調整装置。
JP3333052A 1991-12-17 1991-12-17 印刷機における用紙のテンション調整方法及び装置 Withdrawn JPH05162291A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3333052A JPH05162291A (ja) 1991-12-17 1991-12-17 印刷機における用紙のテンション調整方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3333052A JPH05162291A (ja) 1991-12-17 1991-12-17 印刷機における用紙のテンション調整方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05162291A true JPH05162291A (ja) 1993-06-29

Family

ID=18261732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3333052A Withdrawn JPH05162291A (ja) 1991-12-17 1991-12-17 印刷機における用紙のテンション調整方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05162291A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002040733A (ja) * 2000-05-17 2002-02-06 Nexpress Solutions Llc 多色印刷機で見当合わせを調節するための方法及び装置
WO2008010496A1 (en) * 2006-07-18 2008-01-24 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Rotary press and its operation method

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002040733A (ja) * 2000-05-17 2002-02-06 Nexpress Solutions Llc 多色印刷機で見当合わせを調節するための方法及び装置
WO2008010496A1 (en) * 2006-07-18 2008-01-24 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Rotary press and its operation method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3180291B2 (ja) フォーム印刷機における用紙テンション制御装置
JPH06211392A (ja) 輪転印刷機の横裁ち装置における断裁見当調節装置
US5452632A (en) Method for setting the cutting register on a cross-cutting device disposed downline of a web-fed printing press
EP2703160A1 (en) Strain controlled infeed
EP2386511A1 (de) Regelung der Bahnspannung einer Warenbahn
US6298779B1 (en) Rotary press
JPH0286445A (ja) フレキソ印刷機
JPH05162291A (ja) 印刷機における用紙のテンション調整方法及び装置
US7963225B2 (en) Method for controlling and/or adjusting a register in a printing machine and a device for controlling and/or adjusting a circumferential register
US20100181360A1 (en) Tension Control System for Deformable Nip Rollers
JP4446293B2 (ja) 輪転印刷機のインフィード装置
JPH0712883B2 (ja) 長尺材巻取機の張力制御装置
JPH01314170A (ja) 巻取り紙輪転印刷機
JP2582359B2 (ja) 枚葉印刷機の紙サイズプリセツト制御装置
JP2961453B2 (ja) 印刷機械の最適張力演算装置
JP2009096202A (ja) 複数の駆動モータを備えている枚葉紙輪転印刷機を制御する装置
JP2011201131A (ja) グラビア印刷機およびその制御方法
US6820554B2 (en) Methods and devices for operating a pressure unit
JPH02172745A (ja) ウエブ印刷における見当合わせ方法
JP2002210922A (ja) 輪転印刷機の制御方法及び装置
JPH028902B2 (ja)
JP2011201138A (ja) グラビア印刷機およびその制御方法
JP3116158B2 (ja) フォーム印刷機における用紙テンション制御装置
JP6152671B2 (ja) グラビア印刷機およびその制御方法
JPS5890497A (ja) 輪転印刷機におけるスポツトミシン目孔加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990311