JPH0516142U - ばり取り工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的精密直径寸法の丸穴を有する合成樹脂
射出成形品の多量生産時に、前記成形丸穴に“ばり”を
生じたとき、これを後加工により除去するための効果的
なばり取り工具を提供する。 【構成】 このため、一対の対向にぎりアーム１，２を
有するプライヤ形手工具の前記一アーム１先端工具部に
前記成形品丸穴貫通用のピン部材３を内向きに突設し、
相手アーム２の先端工具部には、このピン部３に嵌合す
る丸穴６を穿設するよう構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ばり取り工具、特に、合成樹脂射出成形品の成形穴部のばり取り 用手工具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、比較的精密な直径寸法の丸穴を有する合成樹脂射出成形品の大量生産時 に、成形金型のセット精度の誤差やピンの摩耗等により成形品の前記穴部に“ば り”を生ずることがある。 これらの穴は、相手部品のピン部の嵌合等に必要な寸法精度を確保するため、 この“ばり”を後加工により除去する必要があり、従来は穴寸法に適合するプラ グ（栓）ゲージ等を手に押込んで“ばり”を除去していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この種の射出成形品は、一般に多量生産されるため、比較的力 を要する圧入作業を連続して行うことは極めて労働強度が大きく、女性の作業員 では無理であった。このため、後加工のコストや製品納期等の問題が付随した。

【０００４】 この考案は、以上のようなこの種の後加工作業の問題点にかんがみてなされた もので、成形穴のばり取り作業を安全かつ容易に行うことのできる手工具の提供 を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案においては、この種のばり取り工具を、一対の対向にぎりア ームを有するプライヤ形手工具の前記一アーム先端工具部に成形品穴貫通用のピ ン部材を内向きに突設し、相手アーム先端工具部には、このピン部に嵌合する穴 を穿設するよう構成することにより、前記目的を達成しようとするものである。

【０００６】

【作用】

以上のような手工具を使用して前記ピン部材を成形品穴に差込み、一対のアー ムを片手で握ることにより、極めて容易に、大きな力を要することなく、ばり取 りを行うことができるため、後加工作業コスト及び所要時間を大幅に低減するこ とができる。

【０００７】

【実施例】

以下に本考案を実施例に基づいて説明する。図１に本考案に係るばり取り工具 の一実施例の一部断面側面図とそのＡ−Ａ線矢視図を示す。 この工具は一例として成形品の１５Ｈ₇ 寸法穴部にばり取りを対象としたプラ イヤ形の手工具で、一対の対向するにぎりアーム１，２を有し、枢軸３を中心と して枢動し、アーム１の先端工具部には内向きに１５ｈ₇ 寸法直径を有する硬鋼 製のピン部４をスナップリング５を用いて内向きに突設させ、一方、相手アーム ２の先端工具部には、このピン４が挿通する１６φ穴を穿設したものである。な お、７は、例えば、成形品の１５Ｈ₇ 穴の近くにリブ等を有するとき、これとの 干渉を避けるために、穴６の枢軸３部寄りに穿設したみぞ部の一例を示す。

【０００８】 （他の実施例） なお、上記実施例は、成形製品に１５Ｈ₇ の丸穴を有する事例について説明し たが、この考案はこれのみに限定されものでなく、手持ち工具に適した他の直径 寸法の穴であっても差支えなく、また、丸穴以外の楕円穴その他の変形穴にも適 用し得る。 また、手工具本体は、既存のプライヤ等を改造／利用しても差支えないことは もちろんである。

【０００９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、この種のばり取り作業をプライヤ形の 手持ち工具で行えるようにしたため、労力を要することなくこれらの後加工コス トや時間を節減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 ばり取り工具の一実施例の側面図とそのＡ−
Ａ線矢視図

【符号の説明】

１，２ 一対のアーム ４ ピン部材 ６ 穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対の対向にぎりアームを有するプライ
   ヤ形手工具の前記一アーム先端工具部に成形品穴貫通用
   のピン部材を内向きに突設し、相手アーム先端工具部に
   は、このピン部に嵌合する穴を穿設したことを特徴とす
   るばり取り工具。