JPH0516088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、各面が正三角形を呈する正八面体で
あつて、偏平状に２つ折できるようにした使い勝
手の優れた紙箱に関するものである。

［従来技術とその問題点］ 外観が通常の四角い箱とは異なる特殊形状の紙
箱を形成するには、ブランク構造（展開図）が複
雑になり、ブランクを複数枚に分けて形成し組立
時に手作業で貼り合わせなければならない等の事
態が生じて製造コストが高くなると共に、組立作
業も繁雑になるといつた問題点があつた。

また、一旦紙箱を組み立てると折り畳みが不可
能になるので、嵩張つて輸送や保管に不都合であ
るといつた欠点もある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、このような従来の問題点を解決する
ためになされ、その解決手段として、底辺の中点
と頂点とを結ぶ折り線が形成された正三角形の前
面板と、この前面板の両側に前面板の斜辺を一辺
として連設された倒立正三角形の前方側面板と、
これらの前方側面板に続いてその前方側面板の斜
辺を一辺として連設された正三角形の後方側面板
と、これらの後方側面板に続いてその後方側面板
の斜辺を一辺として連設された倒立正三角形の半
分の大きさの後面板構成板と、この一方の後面板
構成板の側縁に形成され他方の後面板構成板の側
縁に貼着する糊代と、前記前面板と後方側面板の
下縁にそれぞれ連設されたオートロツク可能な底
板と、前記前方側面板及び後面板構成板の上縁に
連設された蓋板と、前記前方側面板の中央部にそ
れぞれ形成され前記蓋板を通つてこれらの蓋板に
連設された把手片の上縁までそれぞれ延長された
折り線とを備えて構成を要旨とするものである。

［作用］ 上記のような構成によれば、ブランク構造が簡
単であるから、製造コストの低減及び組立作業の
能率アツプが計れ、しかも底部がオートロツクで
あり折り線も形成されているので、平面状に折り
畳むことができる。

［実施例］ 以下、図示の実施例によつて本考案をさらに詳
しく説明する。

１は正三角形の前面板であり、その底辺の中点
と頂点とを結ぶ折り線Ｌが形成され、両側には斜
辺１ａを一辺とする倒立正三角形の前方側面板
２，３がそれぞれ連設されている。前方側面板
２，３の側縁にはそれら斜辺を一辺とする正三角
形の後方側面板４，５がそれぞれ連設され、さら
にその側縁にはそれらの斜辺を一辺とする倒立正
三角形の半分の大きさの後面板構成板６，７がそ
れぞれ連設され、後面板構成板６の側縁には糊代
６ａが設けられている。

前記前面板１の下縁（底辺）にはその下縁の長
さの1/2を斜辺とする直角三角形の底板８，９が
連設され、前記後方側面板４，５の下縁（底辺）
にはその下縁を斜辺とする直角三角形の底板１
０，１１が連設されると共に、前記底板１０，１
１の一部に折り線Ｐ、Ｑを境にして貼着部１０
ａ，１１ａが形成され、かつ底板１０の底辺側に
は底板１１に重ね合わせる張出部１０ｂが張り出
して設けられている。これらの底板８，９，１
０，１１はいわゆるオートロツクが可能となつて
いる。

前記前方側面板２，３の上縁にはこの上縁を斜
辺とする直角三角形の蓋板１２，１３がそれぞれ
連設され、これらの蓋板には把手片１４，１５が
それぞれ連設され、かつ把手片１４には略ム型
の、把手片１５には略ワ型の切り込み１４ａ，１
５ａがそれぞれ設けられている。前記後面板構成
板６，７の上縁には、この上縁を底辺とするほぼ
直角三角形の係止板１６，１７がそれぞれ連設さ
れ、かつ前記把手片１４，１５に係止する爪片１
６ａ，１７ａがそれぞれ形成されている。なお、
前記前方側面板２，３の中央部にも折り線Ｍ，Ｎ
が形成され、これらの折り線は前記把手片１４，
１５の上縁までそれぞれ延長されている。

上記の構成を有する本考案に係る紙箱を組み立
てるには、まず後面板構成板６の糊代６ａを他方
の後面構成板７の側縁に貼着すると共に、底板
８，９を底板１０，１１の貼着部１０ａ，１１ａ
の上に、底板８，９の斜辺が貼着部１０ａ，１１
ａの折り線Ｐ，Ｑにそれぞれ沿うようにして貼着
する。この貼着後に、前記折り線Ｐ，Ｑを内側に
折り（谷折り）ながら底板を内側に押し込み、同
時に前記前面板１の折り線Ｌも内側に折り、さら
に前記折り線Ｍ，Ｎを外側に折り（山折り）なが
ら外側に尖つてい前面板１の頂点部分を内側に押
し込むと、第２図に示すように全体を平面状態に
折り畳むことができる。この状態で保管又は運搬
をすれば、場所を多くとらず好都合である。

機械で自動貼りをする場合には、糊代６ａを後
面板構成板６の裏へ折り込み、底板８，９，１
０，１１を前面板１、後方側面板４，５の裏へ折
り込み、続いて折り線Ｐ，Ｑを折り、折り線Ｍを
折つて貼着部１０ａと底板８とを貼り、さらに折
り線Ｌを折り、折り線Ｎを折つて貼着部１１ａと
底板９及び前記糊代６ａと後面板構成板７とを貼
ればよい。

一方、物品を収納するときには、第２図に示す
平面状態から箱を開き、内側に折り込まれている
底板を外側に押し出すと、まずオートロツクによ
つて第３図に示すように正三角形の底部が形成さ
れる。このとき、前記底板１０の張出部１０ｂが
底板１１と重合するので底部の強度が強くなる。

この状態において、箱の内部に物品（図示せ
ず）を収納し、蓋板１２，１３は前方側面板２，
３との境界線を境にしてそれぞれ内側に水平に折
り曲げ、把手片１４，１５は立ち上げると共に切
り込み１４ａ部分を上に折り曲げると切起片１４
ｂが形成され、それにより開いた孔に把手片１５
の切り込み１５ａによつて生じた舌片１５ｂを通
せば把手片１４，１５を合掌状態に重ね合わせて
把手を形成することができる。

最後に、２つの後面板構成板６，７によつて形
成された後面板を平らにし、前記係止板１６，１
７を水平に折り曲げると共に、合掌状態に合わさ
れている把手の孔の端部に前記爪片１６ａ，１７
ａをそれぞれ引つ掛けて係止すれば、第４図に示
すように把手付きの正八面体の箱を完成させるこ
とができる。

収納物品を取り出すには、爪片１６ａ，１７ａ
を把手の孔から外して係止板１６，１７は外側に
折り曲げ、切起片１４ｂ及び舌片１５ｂを外して
把手片１４，１５は引き離しかつ蓋片１２，１３
を外側に折り曲げれば箱の上縁を正三角形に開孔
することができ、これにより物品の取り出しを容
易に行なうことができる。また、先の領域で蓋を
すれば再封も可能である。

前記実施例では、蓋は把手片付きの蓋板と爪片
付きの係止板とで構成したが、これに限定される
ことなく単に差し込み形式の蓋板で実施すること
も可能である。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、正八面
体の紙箱を一枚のブランクから組み立てることが
できかつ機械による自動貼りに適しているので、
製造コストの低減及び組立作業能率の向上を計る
ことができ、しかも平面状に折り畳めるので、保
管及び運搬等においてスペースを多くとらずに効
率的である等の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す展開図、第
２図は、平面状に折り畳んだ状態を示す平面図、
第３図は、箱を組み立てたときの底面図、第４図
は使用状態での箱の斜視図である。 １……前面板、１ａ……斜辺、２，３……前方
側面板、４，５……後方側面板、６，７……後面
板構成板、８，９……底板、１０，１１……底
板、１０ａ，１１ａ……貼着部、１０ｂ……張出
部、１２，１３……蓋板、１４，１５……把手
片、１４ａ，１５ａ……切り込み、１４ｂ……切
起片、１５ｂ……舌片、１６，１７……係止板、
１６ａ，１７ａ……爪片、Ｌ，Ｍ，Ｎ，Ｐ，Ｑ…
…折り線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底辺の中点と頂点とを結ぶ折り線が形成された
   正三角形の前面板と、この前面板の両側に前面板
   の斜辺を一辺として連設された倒立正三角形の前
   方側面板と、これらの前方側面板に続いてその前
   方側面板の斜辺を一辺として連設された正三角形
   の後方側面板と、これらの後方側面板に続いてそ
   の後方側面板の斜辺を一辺として連設された倒立
   正三角形の半分の大きさの後面板構成板と、この
   一方の後面板構成板の側縁に形成され他方の後面
   板構成板の側縁に貼着する糊代と、前記前面板と
   後方側面板の下縁にそれぞれ連設されたオートロ
   ツク可能な底板と、前記前方側面板及び後面板構
   成板の上縁に連設された蓋板と、前記前方側面板
   の中央部にそれぞれ形成され前記蓋板を通つてこ
   れらの蓋板に連設された把手片の上縁までそれぞ
   れ延長された折り線とを備えてなることを特徴と
   する折り畳み可能な正八面体箱。