JPH0515792U - 食品用解凍装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高周波を用いた連続式の移動可熱方式で、被
解凍物を解凍の初期、中期、後期の各解凍工程において
所定の解凍温度に保持する。 【構成】 ベルトコンベア１の両端のベルト車３，３間
の環状ベルト２内に、ベルトコンベア１の走行方向Ａの
始終端部１ａ，１ｂを除いて下部電極板４を設け、ベル
トコンベア上方の下部電極板４と相対峙する、走行方向
Ａに対して順次環状ベルト上面との間隔を狭くした複数
の上部電極板５を設け、下部および各上部電極板を高周
波発振器６に結線し、ベルトコンベアの始終端部に被解
凍物１３の搬入出口１０，１１を開口した金属製ケーシ
ング９でコンベアベルトと全上部電極板を囲繞する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は食品を高周波を用いた誘電加熱により連続的に解凍する食品用解凍装 置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、特公昭５１−１５１００号公報のようにベルトコンベアを使用した連続 式解凍装置も、また特公昭６０−９７８４号公報のように高圧電極と接地電極間 の距離を変更することにより、高周波電界の強度を変化させて解凍を行う解凍装 置も公知であるが、連続式であり、かつ高圧電極と接地電極間の距離を順次狭く なるよう設定して高周波電界の強度を段階的に変化させて解凍を行う解凍装置は 存在しなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のベルトコンベアを使用した連続式解凍装置では、高圧電極と接地電極間 の距離が一定であるため、電解強度が常に一定となり、解凍時間はベルトコンベ アの搬送速度によって左右されることになるが、ベルトコンベアの搬送速度は一 定であり、被解凍物を解凍の初期、中期、後期の各解凍工程において所定の解凍 温度に保持できず、被解凍物の適正な解凍ができないという欠点があった。

【０００４】 また、高圧電極と接地電極間距離を変更するものでは、バッチ式の固定加熱方 式となるため、解凍方式が移動可熱方式には適さないという欠点があった。

【０００５】 本案は解凍方式が高周波を用いた連続式の移動可熱方式で、各高圧電極と接地 電極間距離がベルトコンベアの走行方向に対して順次狭く設定され、被解凍物を 解凍の初期、中期、後期の各解凍工程において所定の解凍温度に保持できる食品 用解凍装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、本案においては、両端のベルト車間に幅広の環状 ベルトを循環させるベルトコンベアにおいて、両端のベルト車間の環状ベルト内 に、ベルトコンベア走行方向始終端部を除いて接地電極としての下部電極板を設 け、該ベルトコンベア上方に下部電極板と相対峙する位置にベルトコンベアの走 行方向に対して順次環状ベルト上面（即ち下部電極板）との間隔を狭くした複数 の高圧電極としての上部電極板を設け、該上部電極板と下部電極板とに導線によ り高周波発振器を結線して設ける。

【０００７】 また、ベルトコンベアの走行方向始端部に被解凍物搬入口、該走行方向終端部 に被解凍物搬出口をそれぞれ開口し、ベルトコンベアの下部から複数の上部電極 を囲繞し、下部電極板と共に接地した金属製ケーシングを設けたものである。

【０００８】

【作用】

ベルトコンベア１の両端のベルト車３，３間の環状ベルト２内にベルトコンベ ア１の始終端部１ａ，１ｂを除いて接地電極としての下部電極板４を設け、該ベ ルトコンベア１の上方に該下部電極板４と相対峙してベルトコンベア１の走行方 向Ａに対して順次環状ベルト２上面（下部電極板４）との間隔を狭くして複数の 高圧電極としての上部電極板５を設け、高周波発振器６と導線７，８を介して結 線したから、それぞれの上部電極板５と下部電極板４とに個別に高周波電圧を印 加することになり、該電極５の面積は高周波出力に対して縮小され、電界強度が 均一化する。

【０００９】 また、各上部電極５は下部電極４との間の距離をベルトコンベア１の走行方向 Ａに対して順次狭くして設けたため、解凍進行に伴う被解凍物の誘電率（ε）お よび誘電力率（ｔａｎδ）の変化に追従して電界強度を大きくすることができる 。

【００１０】 さらに、金属製ケーシング９で、ベルトコンベア１の走行方向Ａの始端部１ａ に被解凍物搬入口１０と同終端部１ｂに被解凍物搬出口１１を除いて、ベルトコ ンベア１下方から複数の上部電極板５を囲繞して覆ったから、外部への高周波の 漏洩を防止することができる。

【００１１】

【実施例】

本案実施に使用する食品用解凍装置の一例を示した添付図面について詳細に説 明する。 図１は本案の食品用解凍装置の概略を示す説明図である。

【００１２】 １は公知のベルトコンベアで、両端のベルト車３，３の間に環状ベルト２を架 設し、該ベルト２を電動機等（図示せず）により走行方向Ａに回転させるもので ある。

【００１３】 ４は接地電極としての下部電極板で、両端のベルト車３，３間のベルトコンベ ア１の走行方向Ａのそれぞれ始終端部１ａ，１ｂを除く中央部の環状ベルト２内 に該ベルト２と平行に設備したものである。

【００１４】 ５は高圧電極としての上部電極板で、該下部電極板４と相対峙するベルトコン ベア１上方に該ベルトコンベア１の走行方向Ａに対して環状ベルト２上面との間 隔をそれぞれｌ，ｍ，ｎ，ｎとして平行に四枚設けたもので、各上部電極板５と 環状ベルト２上面との高さをｌ＞ｍ＞ｎとし、ベルトコンベア１の送行方向Ａに 対して順次該高さを小さくしたものである。

【００１５】 ６は高周波発振器で、高圧側に導線７を介して四枚の各上部電極板５と結線し 、接地側を下部電極板４に導線８を介して結線したもので、各上部電極板５と下 部電極板４間に１３．５６ＭＨｚの高周波電圧を印加するものである。

【００１６】 ９は金属製ケーシングで、外部への高周波の漏洩を防止するもので、ベルトコ ンベア１の走行方向Ａの始終部１ａと終端部１ｂとの前記両電極板４，５の存し ない上面にそれぞれ被解凍物搬入口１０および被解凍物搬出口１１を開口し、ベ ルトコンベア１の下部から両端部、前後両側部および全上部電極５を囲繞して覆 うものである。

【００１７】 １２は上方の環状ベルト２下面に適宜間隔で回動自在に軸支したキャリアロー ラで、ベルトコンベア１上面に被解凍物１３を載置して搬送する際に、該ベルト コンベア１上面の環状ベルト２が下方に弛緩することを防止するものである。

【００１８】 これを使用するに当たっては、解凍する被解凍物１３に合せてベルトコンベア １の走行方向Ａに対しての環状ベルト２上面と各上部電極５との高さｌ，ｍ，ｎ ，ｎを解凍の初期、中期および後期の各解凍工程における所定の解凍温度を保持 するように設定し、被解凍物１３を金属製ケーシング９の被解凍物搬入口１０よ り供給し、被解凍物搬出口１１から解凍の終了した被解凍物１３を取出すもので ある。

【００１９】

【考案の効果】

本案は以上のような構成で、ベルトコンベア１の両端のベルト車３，３間に架 設した環状ベルト２内の下部電極板４と相対峙するベルトコンベア１上方に、該 ベルトコンベア１の走行方向Ａに対して順次下部電極板４との間隔を狭くして複 数の上部電極板５を設け、両電極板４，５間に高周波発振器６よりの高周波電圧 を印加するようにしたから、解凍進行に伴う被解凍物の誘電率（ε）および誘電 力率（ｔａｎδ）の変化に対応して追従して電界強度を大きくすることができる から、高周波を用いた連続式の移動可熱方式であっても、被解凍物１３の解凍の 初期、中期、後期の各解凍工程における所定の解凍温度に保持でき、被解凍物１ ３に適した解凍が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案の食品用解凍装置の概略を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１ ベルトコンベア １ａ 始端部 １ｂ 終端部 ２ 環状ベルト ３ ベルト車 ４ 下部電極板 ５ 上部電極板 ６ 高周波発振器 ７、８ 導線 ９ 金属製ケーシング １０ 被解凍物搬入口 １１ 被解凍物搬出口 １２ キャリアローラ Ａ 走行方向

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ａ２３Ｂ 7/045

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項】 両端のベルト車３，３の間に幅広の環状ベ
   ルト２を循環させるベルトコンベア１において、該ベル
   トコンベア１両端のベルト車３，３間の環状ベルト２内
   にベルトコンベア１の走行方向始終端部１ａ，１ｂを除
   いて接地電極としての下部電極板４を設け、該下部電極
   板４と相対峙するベルトコンベア１上方に該ベルトコン
   ベア１の走行方向に対して順次間隔を狭くして複数の高
   圧電極としての上部電極板５を設け、両電極板４，５に
   それぞれ導線７，８を介して結線した高周波発振器６を
   設け、ベルトコンベア１の走行方向始終端部１ａ，１ｂ
   にそれぞれ被解凍物搬入出口１０，１１を開口し、ベル
   トコンベア１と複数の上部電極板５を囲繞し、下部電極
   板４と共に接地した金属製ケーシング９を設けたことを
   特徴とする食品用解凍装置。