JPH0515647U - 電動機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動機の固定子鉄心取付構造に関し、ステー
タコアのガタツキ、回動を防止し、作業性のよい固定子
鉄心取付構造を提供しようとすることを目的とする。 【構成】 ステータコアの外周に軸方向に伸びる凹溝
を、ステータコアを圧入するブラケットの内側インロー
部に軸方向に伸びる凹溝を形成し、ブラケットにステー
タコアを圧入する際に、双方の凹溝を合わせて圧入し、
該凹溝に溝径に相当するテーパーピンを圧入し固定する
ようにしてなることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電動機に関し、詳しくはステータコアの回り止め構造に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の電動機には電動機の冷却効果を上げるために、ブラケットをア ルミ合金のダイカストにより形成する例が多く、ブラケットの外周に冷却用フィ ンを一体で形成したものが用いられている。 この場合、中に圧入されるステータコアが鉄製であり、圧入の強度にも限界が あり、またアルミ合金と鉄との線膨張係数の差も大きく、電動機の運転によって 温度上昇し、ブラケットとステータコアの間にガタを生じるために、図３に示す ようにステータコアの圧入後にブラケットの外周から止めネジ10によりステータ コアを固定する方法が取られているが、ブラケットにネジ加工すること、アルミ 合金のブラケットのため止めネジの締付けトルクに制限があること等の問題によ り、作業上の障害となっている。 また、図４に示すようにステータコアの外周に軸方向に伸びる凹溝を設け、ス テータコアを圧入するブラケットの内側インロー部に上記凹溝に嵌合する軸方向 に伸びる凸部11を設け、ステータコアの圧入の際にステータコアの凹溝をブラケ ットの凸部11に合わせて圧入する方法も取られているが、ブラケットのダイカス ト成形後の変形によっては、ステータコアを圧入することができず、内側インロ ー部の凸部11により機械加工により修正することもできず、ブラケットの歩留り を悪くする等の問題を生じている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、ブラケットにネジ加工し たり、止めネジの締付けに注意する等の作業上の障害を避け、かつブラケットの 歩留りの良いステータコアの回り止め構造を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、ステータコアの外周に軸方向に伸びる凹溝を形成 する一方、上記一方のブラケットの内側に、軸方向に伸びる凹溝を形成し、同ブ ラケットにステータコアを圧入する時に、ステータコアの凹溝をブラケットの凹 溝に合わせて圧入し、両凹溝にテーパーピンを圧入し固定した。

【０００５】

【作用】

上記の構成によれば、ステータコアを圧入する一方のブラケットのインロー部 内側と、ステータコアの外周に軸方向に伸びる凹溝を形成し、圧入の際に両凹溝 を合わせて圧入し、圧入後に両凹溝の寸法に適合するテーパーピンを圧入するこ とにより、ステータコアを確実に固定することができる。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。 図１は本考案の電動機の一部省略断面図で、ステータコア１の内側にステータ 巻線２を巻装し、ロータ３の回転軸４を支える軸受５を中心に保持した一方のブ ラケツト６にステータコア１を圧入し、ロータ３をステータコア１に挿入し、ス テータコア１の他側端に軸受５を中心に保持した他方のブラケツト７を冠着圧入 することにより電動機を構成している。 ステータコア１の外周には、軸方向に伸びる凹溝８が自動積層時に形成され、 対向する一方のブラケツト６および他方のブラケツト７の内側に所定の長さの同 様な凹溝８を形成している。 図２はＡ−Ａ矢視断面図で、一方のブラケツト６に凹溝８を合わせてステータ コア１を圧入し、凹溝８に凹溝径に適合したテーパーピン９を圧入することによ り、一方のブラケツト６にステータコア１を確実に固定し、電動機の運転により 高温になり、ステータコア１のガタツキを生じても、ステータコア１の回動を防 止することができる。 また、ステータコア１の凹溝８を形成するに際しては、金型による自動積層に より、特別な作業を要せず凹溝８の長さを揃えることができ、加工上および組立 上の改善を図ることができた。

【０００７】

【考案の効果】

以上のように本考案においては、ブラケツトにステータコアを圧入後、ブラケ ツトとステータコアに形成した凹溝にテーパーピンを圧入することにより、ステ ータコアのガタツキと回動を防止することができ、後工程においてブラケツトに ネジ加工したりネジ止めの必要がなくなり、また、ダイカスト時のブラケツトの 歩留りを向上させ、作業工数の削減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の電動機の一部省略断面図である。

【図２】同一部省略Ａ−Ａ矢視断面図である。

【図３】従来の実施例を示す一部省略Ａ−Ａ矢視断面図
である。

【図４】従来の他の実施例を示す一部省略Ａ−Ａ矢視断
面図である。

【符号の説明】

１ ステータコア ２ ステータ巻線 ３ ロータ ４ 回転軸 ５ 軸受 ６ 一方のブラケツト ７ 他方のブラケツト ８ 凹溝 ９ テーパーピン 10 止めネジ 11 凸部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方のブラケットの内側中央にロータの
   回転軸を軸支する軸受を具え、ブラケットの開口側から
   巻線を巻装したステータコアを圧入保持し、同ステータ
   コアにロータを挿通し、内側中央にロータの回転軸の軸
   受を具えたブラケットを被せステータコアを圧入してな
   る電動機において、上記ステータコアの外周に軸方向に
   伸びる凹溝を形成する一方、上記一方のブラケットの内
   側に、軸方向に伸びる凹溝を形成し、同ブラケットにス
   テータコアを圧入する時に、ステータコアの凹溝をブラ
   ケットの凹溝に合わせて圧入し、両凹溝にテーパーピン
   を圧入し固定してなることを特徴とする電動機。