JPH05156087A - シール用液状組成物 - Google Patents

シール用液状組成物

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JPH05156087A
JPH05156087A JP3350918A JP35091891A JPH05156087A JP H05156087 A JPH05156087 A JP H05156087A JP 3350918 A JP3350918 A JP 3350918A JP 35091891 A JP35091891 A JP 35091891A JP H05156087 A JPH05156087 A JP H05156087A
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elastomer
sealing
liquid composition
nbr
composition
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Nobuo Nakabayashi
延郎 中林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアゾール製品の缶体の継ぎ目等に塗布し乾
燥して使用するためのシール用液状組成物において、缶
体を構成する金属を腐食させることがなく、また塗布が
容易で、乾燥後において良好なシール性と優れた強度を
保持し、噴霧剤としてフロンガス以外のLPGを使用し
た際にもシール性能が低下しない。 【構成】 エラストマーとして低不飽和型NBRまたは
カルボキシル化NBRを使用し、添加剤として上記エラ
ストマーの体積低下を補う程度の膨潤性を与える膨潤調
整剤を加え、かつエラストマーの配合量を、エラストマ
ーと添加剤の合計重量に対して10〜30%に、また膨
潤調整剤の配合量を、エラストマーの5〜50%にそれ
ぞれ設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エアゾール製品の缶
体の継ぎ目等に塗布し、乾燥してゴム質の固形シール材
を形成させ、缶体の密封に使用するためのシール用液状
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エアゾール製品の缶体の継ぎ目等に塗布
するためのシール用液状組成物として、クロロプレンエ
ラストマー(CR)に加硫剤、加硫促進剤、充填剤、可
塑剤および老化防止剤等の各種の添加剤を配合し、溶媒
に溶解したものが知られている。このシール用液状組成
物は、CRが結晶性であるため物理的強度が高く、かつ
シャッ解により粘度を低下させて組成物の粘度を調節す
ることが比較的容易であるため、これまで広く使用され
ていた。
【0003】しかし、上記の液状組成物は、CRの遊離
塩素が缶体の構成金属、特にアルミニウムを腐食させ、
またエアゾール製品の噴霧剤として使用されていたフロ
ンガスの使用が規制され、代わりにLPGが使用される
ようになると、CRを含むシール材がLPGに触れた際
に過大に収縮して使用できなくなるという問題があっ
た。そこで、最近では、エラストマーとして上記のCR
に代わってアクリロニトリルブタジエンエラストマー
(NBR)を使用するようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、NBR
を使用した場合は、粘度をシャッ解により低下すること
ができないため、その配合量を少なくして粘度を低下さ
せ、これによって塗布を容易にしているが、この場合は
乾燥して得られるシール材の強度が低くなるという問題
があった。また、液状のシール用組成物を缶体に形成し
た溝に流し込んで乾燥させる場合は、乾燥後の体積が上
記の溝に対する充填量(容積)の35〜50%のとき、
すなわち固形分率が35〜50容量%のときに好ましい
シール性が得られるのに対し、NBRを含む組成物は、
乾燥による体積低下が大きくてシール性が不良であっ
た。そして、前記のようにフロンガスの代わりにLPG
が使用されると、NBRを含むシール材がLPGに触れ
た際、シール材の配合成分の一部がLPGに抽出されて
厚みを失い、シール性能が一層低下するという問題があ
った。
【0005】この発明は、缶体を構成する金属を腐食さ
せることがなく、また塗布が容易であり、乾燥後におい
て良好なシール性と優れた強度を保持すると共に、噴霧
剤としてフロンガス以外のLPGを使用した際にもシー
ル性が低下しないシール用液状組成物を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明のシール用液状
組成物は、エラストマーとして低不飽和型アクリロニト
リルブタジエンエラストマーまたはカルボキシル化アク
リロニトリルブタジエンエラストマーを使用し、添加剤
として上記エラストマーの体積低下を補う程度の膨潤性
を与える膨潤調整剤を加えたものである。そして、上記
エラストマーの配合量は、エラストマーと添加剤の合計
重量に対して10〜30%であり、上記膨潤調整剤の配
合量は、上記エラストマーの5〜50%に設定される。
なお、上記アクリロニトリルブタジエンエラストマー
は、工業的に製造される範囲のものであれば、低ニトリ
ルから極高ニトリルまでのいずれでもよい。
【0007】膨潤調整剤は、エラストマーに相溶するも
の、または相溶しなくても相分離を生じることがなく、
かつLPGに対して非溶解性を示すものであり、ポリブ
テン、ポリオレフィン系エラストマー、1,2ポリブタ
ジエン、エチレンプロピレンタ−ポリマ−、エポキシ化
天然エラストマー、SBRおよびBR等が例示される。
ただし、エラストマーが低不飽和型アクリロニトリルブ
タジエンエラストマーである場合は、ポリブテン、ポリ
オレフィン系エラストマー、1,2ポリブタジエンまた
はエチレンプロピレンタ−ポリマ−が好ましい。また、
エラストマーがカルボキシル化アクリロニトリルブタジ
エンエラストマーである場合は、エポキシ化天然エラス
トマーが好ましく、このエポキシ化天然エラストマーを
使用した場合はポリブテンや1,2ポリブタジエンを補
助的に加えることができる。
【0008】溶媒としては、SP値が8.0〜13.0
のもの、例えばトルエン、メチルアルコール、シクロヘ
キサンおよびメチルイソブチルケトン等の使用が好まし
く、これらは、いずれか一種を単独で、または2種以上
を混合して使用することができる。また、上記の溶媒と
相溶する非溶媒を使用することができる。そして、上記
の組成物における固形分率は35〜50容量%が好まし
い。
【0009】
【作用】エラストマーとして、通常のNBRよりも強度
の高い低不飽和型NBRまたはカルボシキル化NBRを
使用し、かつNBR使用時の容積低下を補うことが可能
な膨潤調整剤を加えるので、溶解時の粘度が30℃にお
いて3000〜10000CPになって塗布が容易にな
り、かつ塗布し、乾燥することにより、強度およびシー
ル性に優れたシール材が形成される。そして、上記のカ
ルボシキル化NBRおよび低不飽和型NBRは、噴霧剤
にLPGが使用された場合にもシール性能が低下しな
い。
【0010】ただし、上記エラストマーの配合量がエラ
ストマーおよび添加剤の合計重量に対して10%未満で
は強度が不足し、反対に30%超では組成物の粘度が高
過ぎて、塗布および溝に対する流し込みが困難になる。
また、膨潤調整剤の配合量がエラストマーに対して5%
未満では、調整が不十分になり、LPGに触れた際に厚
みが減少してシール性が低下し、反対に50%超ではシ
ール材の強度が不足し、いずれの場合も使用することが
できない。そして、溶媒の使用量を50〜65容量%
(固形分率35〜50容量%)にすることにより、シー
ル性能が特に良好になり、固形分率35%未満ではシー
ル性能が低下して不十分になり、50%超では組成物の
粘度が高過ぎて塗布が困難になる。
【0011】
【実施例】
実施例1 エラストマーとして低不飽和型NBR(日本ゼオン株式
会社製、商品名「Zポール1020」、ニトリル量45
重量%、不飽和度(沃素化)25)を、また膨潤調整剤
としてポリブテン(日本ソーダ株式会社製、商品名「H
V−300」)をそれぞれ使用し、下記配合のゴム組成
物を製造した。
【0012】 低不飽和型NBR 100.0重量部 酸化亜鉛 5.0 〃 ステアリン酸 1.0 〃 2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩(MBZ) 2.5 〃 置換ジフェニルアミン(445) 0.5 〃 MTブラック 200.0 〃 FEFブラック 60.0 〃 トリクレジルホスフェート(TCP) 140.0 〃 ジ−(ブトキシエトキシエチル)アジペート (チオコールTP95) 10.0 〃 ポリブテン 35.0 〃 モルホリンジスルフイド 2.0 〃 N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド 0.3 〃 加硫促進剤 TMTD 2.0 〃 加硫促進剤 MBTS 1.0 〃
【0013】次いで、溶媒にメチルイソブチルケトンを
使用し、上記のゴム組成物を溶解して実施例1のシール
用液状組成物を製造した。ただし、ゴム組成物および溶
媒の配合比を容量比で40/60に設定した。得られた
シール用液状組成物は、固形分率が43.2容量%、粘
度が30℃において4100cp、比重が1.028で
あった。
【0014】上記実施例1のシール用液状組成物をガラ
ス板上に流し込み、25℃で72時間自然乾燥し、しか
るのちオーブンに入れ、70℃で30分、90℃で30
分の加熱、120℃で20分、160℃で30分および
180℃で70分の加熱を順に施した。得られた加硫シ
ートは、引張り強さが65kgf/cm2 、伸びが380%、
ゴム硬度(JIS−A)が47度であり、シール材とし
て使用可能な強度と厚みを備えていた。また、上記の加
硫シートを40℃のLPGに72時間曝したところ、厚
みの変化率は+2.6%、重量変化率は−6.1%であ
り、LPGに対する充分な耐性を備えていた。
【0015】比較例 市販のCR組成物をトルエンに実施例1と同じ配合比で
溶解した。得られた比較例のシール用液状組成物は、固
形分率が40.0容量%、30℃における粘度が660
0cpであった。また、上記の組成物を実施例1と同様
にガラス板上に流し込み、72時間自然乾燥したのち、
オーブンに入れ、60℃で50分、90℃で50分、1
10℃で50分、130℃で50分および160℃で5
0分の加熱を順に施した。得られた加硫シートは、引張
り強さが88kgf/cm2、伸びが810%、ゴム硬度(J
IS−A)が43度であった。また、上記の加硫シート
を実施例1と同様にLPGに曝したところ、厚みの変化
率は−14%であり、過大に収縮した。
【0016】実施例2 エラストマーとしてカルボキシル化NBR(日本ゼオン
株式会社製、商品名「ニポール1072J」、アクリロ
ニトリル量27重量%、カルボン酸量0.07重量%)
を使用し、また膨潤調整剤としてエポキシ化天然エラス
トマーおよび実施例1のポリブテンを混用し、下記配合
のゴム組成物を製造した。
【0017】 カルボキシル化NBR 85.0重量部 エポキシ化天然エラストマー 15.0 〃 酸化亜鉛 5.0 〃 ステアリン酸 1.0 〃 MTブラック 175.0 〃 FEFブラック 85.0 〃 ジ−(ブトキシエトキシエチル)アジペート 25.0 〃 トリクレジルフォスフェート(TCP) 130.0 〃 ポリブテンHV−300 40.0 〃 イオウ 0.5 〃 加硫促進剤 TMTD 1.5 〃 加硫促進剤 CBS 1.5 〃
【0018】次いで、上記のゴム組成物を実施例1と同
様にメチルイソブチルケトンに溶解して実施例2のシー
ル用液状組成物を製造した。得られたシール用液状組成
物は、固形分率が41容量%、粘度が30℃において5
100cpであった。また、上記のシール用液状組成物
をガラス板上に流し込み、25℃で48時間自然乾燥し
たのちオーブンに入れ、80℃で45分および180℃
で135分の加熱を順に施した。得られた加硫シート
は、引張り強さが63kgf/cm2 、伸びが350%、ゴム
硬度(JIS−A)が45度であり、シール材として使
用可能な強度と厚みを備えていた。また、上記の加硫シ
ートを40℃のLPGに72時間曝したところ、厚みの
変化率は+3.3%であり、LPGに対する充分な耐性
を備えていた。
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明のシー
ル用液状組成物は、エラストマーとして、通常のNBR
よりも強度の高い低不飽和型NBRまたはカルボシキル
化NBRを使用し、かつNBR使用時の容積低下を補う
ことが可能な膨潤調整剤を加え、上記NBRの配合量を
NBRと添加剤の合計重量に対して10〜30%、上記
膨潤調整剤の配合量を上記NBRの5〜50%に設定し
たものであるから、液状のシール用組成物として適度な
粘度が得られて塗布が容易になり、かつ塗布し、乾燥す
ることにより、強度およびシール性に優れた固形シール
材が形成され、噴霧剤にLPGが使用された場合にもシ
ール性が低下することは無く、しかも遊離塩素を有しな
いので、缶体を腐食させることがない。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エラストマーに加硫剤その他の添加剤を
    分散し、溶媒に溶解してなるシール用液状組成物におい
    て、上記のエラストマーが低不飽和型アクリロニトリル
    ブタジエンエラストマーまたはカルボキシル化アクリロ
    ニトリルブタジエンエラストマーであり、添加剤として
    上記エラストマーの体積低下を補う程度の膨潤調整剤が
    加えられており、上記エラストマーの配合量がエラスト
    マーと添加剤の合計重量に対して10〜30%、上記膨
    潤調整剤の配合量が上記エラストマーの5〜50重量%
    であることを特徴とするシール用液状組成物。
  2. 【請求項2】 エラストマーが低不飽和型アクリロニト
    リルブタジエンエラストマーであり、膨潤調整剤がポリ
    ブテン、ポリオレフィン系エラストマーまたは1,2ポ
    リブタジエン、エチレンプロピレンタ−ポリマ−のいず
    れかである請求項1に記載のシール用液状組成物。
  3. 【請求項3】 エラストマーがカルボキシル化アクリロ
    ニトリルブタジエンエラストマーであり、膨潤調整剤が
    エポキシ化天然エラストマーである請求項1に記載のシ
    ール用液状組成物。
  4. 【請求項4】 固形分率が35〜50容積%である請求
    項1〜3のいずれかに記載のシール用液状組成物。
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