JPH05155857A - 4a−アリールデカヒドロイソキノリン誘導体および鎮痛剤 - Google Patents

4a−アリールデカヒドロイソキノリン誘導体および鎮痛剤

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JPH05155857A
JPH05155857A JP3319110A JP31911091A JPH05155857A JP H05155857 A JPH05155857 A JP H05155857A JP 3319110 A JP3319110 A JP 3319110A JP 31911091 A JP31911091 A JP 31911091A JP H05155857 A JPH05155857 A JP H05155857A
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JP
Japan
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acid
decahydroisoquinoline
compound
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methoxyphenyl
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Pending
Application number
JP3319110A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nagase
長瀬  博
Toru Miyamoto
徹 宮本
Koji Kawai
孝治 河合
Yoshifumi Imamura
芳文 今村
Takashi Endo
孝 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 【目的】モルヒネ様の重篤な副作用を有さず、かつモル
ヒネ等と交差耐性を持たず、さらに強い鎮痛活性を持つ
新規な鎮痛剤を提供する。 【構成】一般式(I) 【化1】 [式中、R1 はシクロプロピルメチルまたはアリルを表
し、R2 は水素またはヒドロキシを表し、一般式(I)
は(+)体、(−)体、(±)体を含む]で表される4
a−アリールデカヒドロイソキノリン誘導体またはその
薬理学的に許容される酸付加塩、および一般式(I)で
表される誘導体またはその酸付加塩を有効成分とする鎮
痛剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4a−アリールデカヒ
ドロイソキノリン誘導体またはそれらの薬理学的に許容
される酸付加塩を有効成分とする鎮痛剤に関する。
【0002】
【従来の技術】Zimmermanらの報文(J. Med.
Chem. 31, 555, 1988 )には、6位にケトン基のない4
a−アリールデカヒドロイソキノリン誘導体の鎮痛活性
と、μおよびκ受容体への親和性が報告されている。し
かし、本発明は、彼らの化合物の6位にケトン基を導入
すると、著しくκ受容体選択性が向上することを見出し
たものであり、彼らの報文は本発明化合物の有用性、新
規性をなんら示唆するものではなかった。
【0003】その他のこれまでに知られている4a−ア
リールデカヒドロイソキノリン骨格を有する化合物の中
にもトランス縮環し、6位のケトンと3’位の水酸基を
同時に有する化合物はなく、したがって本発明化合物の
有用な薬理作用を予測させる報告はなされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】中枢で鎮痛作用に関与
する受容体としてオピオイド受容体の存在が明らかにさ
れ、さらにμ、δ、κの3タイプに分類できることが知
られている。この内、κ−受容体に親和性を有するアゴ
ニストが、強い鎮痛活性を示し、μ−受容体アゴニスト
であるモルヒネ等にみられる依存性形成作用、呼吸抑制
作用、平滑筋運動抑制作用などの臨床上問題となる重篤
な副作用を示さないとされている。またκ−アゴニスト
は、モルヒネ等のμ−アゴニストとは交差耐性を示さな
い。このような副作用のない鎮痛薬は術後疼痛患者の管
理ばかりでなく広く一般的な痛みにも適用可能であり有
用性が高い。また、交差耐性がないことはモルヒネ等の
鎮痛剤に耐性のできた患者にも有効であることを示す。
すなわち本発明の目的は、モルヒネ様の重篤な副作用を
有さず、かつモルヒネ等と交差耐性を持たず、さらに強
い鎮痛活性を持つκ−受容体アゴニストを提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、前記一般式(I)に
示される4a−アリールデカヒドロイソキノリン誘導体
が、上記のようなすぐれた特徴を有する鎮痛作用を表す
化合物であることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。
【0006】すなわち、本発明は一般式(I)
【化2】 [式中、R1 はシクロプロピルメチル、アリルを表し、
2は水素、ヒドロキシを表し、一般式(I)は(+)
体、(−)体、(±)体を含む。]で表される4a−ア
リ−ルデカヒドロイソキノリン誘導体およびその薬理学
的に許容される酸付加塩に関するものである。
【0007】薬理学的に好ましい酸としては、塩酸、硫
酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸等の無機酸、酢
酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸、グルタル酸、リンゴ
酸、酒石酸、フマル酸、マンデル酸、マレイン酸、安息
香酸、フタル酸等の有機カルボン酸、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸等の有機スルホン酸があげられ、中でも
塩酸、リン酸、酒石酸、メタンスルホン酸が好まれる
が、もちろんこれらに限られるものではない。
【0008】本発明の一般式(I)の化合物のうちR1
がシクロプロピルメチル、R2 が水素の化合物
【化3】 を、2−シクロプロピルメチル−4aα−(3−ヒドロ
キシフェニル)−6−オキソ−1,2,3,4,4a,
5,6,7,8,8aβ−デカヒドロイソキノリンと命
名する。この命名法に従うと、本発明の化合物は具体的
には、2−アリル−4aα−(3−ヒドロキシフェニ
ル)−6−オキソ−1,2,3,4,4a,5,6,
7,8,8aβ−デカヒドロイソキノリン、2−シクロ
プロピルメチル−4aα−(3−ヒドロキシフェニル)
−6−オキソ−8aβ−ヒドロキシ−1,2,3,4,
4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロイソキノリ
ン、2−アリル−4aα−(3−ヒドロキシフェニル)
−6−オキソ−8aβ−ヒドロキシ−1,2,3,4,
4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロイソキノリン
となる。なお、本発明の一般式(I)に示される化合物
は(+)体、(−)体、(±)体を包含する。
【0009】本発明の一般式(I)の化合物は、具体的
にはチャート1、2に示すような以下の方法によって得
ることができる。
【0010】
【化4】
【化5】 一般式(I)の化合物のうち、一般式(Ia)で示され
るR2 が水素である化合物は以下の方法によって得るこ
とができる(チャート1)。
【0011】第1工程は、Zimmerman らの方法(J.Org.
Chem., 54, 1442 (1989))に従って合成できるN−メチ
ルケトン体のケトン基をアセタールで保護し、一般式
(II)で示される化合物に変換する工程である。ここで
3 、R3'は、同一もしくは異なって、メチル、エチル
等の鎖状アルキル基を示すかまたはR3 、R3'が互いに
結合してエチレン、トリメチレンを示す。アセタール保
護基としてはジメチルアセタール、ジエチルアセタール
などの非環状アセタール、あるいはエチレンアセター
ル、トリメチレンアセタールなどの環状アセタールのい
ずれでもよいが、なかでもエチレンアセタール、トリメ
チレンアセタールなどの環状アセタールが好ましく、特
にエチレンアセタールが望ましい。具体的には、メタノ
ール、エタノール、エチレングリコール、トリメチレン
グリコールなどのアルコールと共に、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒に溶解後、酸
触媒を加え、生じる水を共沸留去しながら加熱攪拌する
ことで得られる。非環状アセタールの場合には、酸触媒
存在下、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶
媒中、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢
酸メチル、オルト酢酸エチルなどのオルトエステルを用
いて加熱攪拌しても得ることができる。これらの場合に
用いる酸触媒としては通常、塩酸、硫酸、リン酸などの
無機酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸などの有機
酸が用いられるが、なかでも塩酸、p−トルエンスルホ
ン酸が好ましく、特にp−トルエンスルホン酸が望まし
い。反応温度としては20〜150℃の範囲が考えられ
るが、なかでも60〜130℃で満足すべき結果が得ら
れる。
【0012】第2工程は、窒素上のメチル基を置換し、
クロロギ酸エステルを用いて塩基の共存下で、一般式
(III )で示されるカルバマート体に変換する工程であ
る。塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエ
チルアミン、プロトンスポンジなどの3級アミン類やピ
リジン、イミダゾール等が用いられ、特に酸塩化物と反
応しないような立体障害の大きな3級アミンであるプロ
トンスポンジ、ジイソプロピルエチルアミンの様なもの
が好ましく用いられる。溶媒は、塩化メチレン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンの様なハ
ロゲン系の溶媒や、THF、DME、ジオキサン等のエ
ーテル系溶媒が考えられ、通常はハロゲン系溶媒、特に
1,2−ジクロロエタンが好ましく用いられる。反応温
度は、−80〜100℃で実行でき、通常は0℃〜室温
付近で満足すべき結果が得られる。
【0013】第3工程は、カルバマート体( III)の窒
素保護基を除去し、一般式(IV)で示される2級アミン
に変換する工程である。この工程は酸触媒存在下、亜鉛
で還元的に行うことができる。酸としては、塩酸、硫
酸、硝酸、リン酸等の無機酸類や酢酸、プロピオン酸、
シュウ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ト
ルエンスルホン酸等の有機酸類が考えられる。用いる溶
媒としては、メタノールエタノール等のアルコール系溶
媒、エーテル、THF、DME等のエーテル系溶媒、D
MSO、DMF等の非プロトン性双極性溶媒、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸等の溶媒として利用できる有機酸が挙
げられるが、通常は酢酸を酸触媒兼溶媒として用いると
好ましい結果が得られる。反応温度は−20℃〜150
℃が考えられるが、0℃〜50℃が特に好ましい。
【0014】第4工程は、二級アミン(IV)を塩基存在
下、一般式(V)で示される酸塩化物または酸無水物と
反応させ、一般式(VI)で示されるアミド体を得る工程
である。ここでR4 はシクロプロピル、ビニルを表す。
塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチ
ルアミン、プロトンスポンジ等の三級アミン類やピリジ
ン、ジメチルアミノピリジン、イミダゾール等が用いら
れるが、酸塩化物の場合はトリエチルアミン、プロトン
スポンジで十分満足すべき結果が得られる。溶媒として
は、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2
−ジクロロエタンの様なハロゲン系の溶媒、エーテル、
THF、DME等のエーテル系溶媒、ピリジン等が考え
られるが、中でも酸塩化物を用いる場合はハロゲン系溶
媒が好ましく用いられ、塩化メチレンが特に好ましく用
いられる。酸無水物を用いる場合は、ピリジンが塩基兼
溶媒として好ましく用いられる。反応は−80℃〜10
0℃の範囲で実行でき、中でも0℃〜室温付近で好まし
い結果が得られる。
【0015】第5工程は、アミド体( VI )を一般式
(VII a)で示されるアミン体に還元する工程である。
用いる還元剤としては通常用いられる水素化金属類はす
べて用いられるが、水素化アルミニウムリチウム、水素
化ジイソブチルアルミニウム、水素化アルミニウム、水
素化ホウ素リチウム、ジボラン等の強力な還元力を有す
る水素化金属化合物が挙げられ、中でも水素化アルミニ
ウムリチウムが好ましく用いられる。溶媒としては、水
素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム、ジ
ボラン等を用いるときはエーテル、THF、DME、ジ
オキサン等のエーテル系溶媒が好ましく用いられ、中で
もTHFが好ましい。また、水素化ジイソブチルアルミ
ニウム、水素化アルミニウムを用いるときはベンゼン、
トルエン等の芳香族系炭化水素が好ましく用いられる。
反応は、−40℃〜100℃の範囲で実行でき、なかで
も0℃〜室温付近が好ましい。
【0016】第6工程は、化合物(VII a)のフェノー
ル性水酸基のメチルエーテル保護基を脱保護し、一般式
(VIIIa)で示される化合物に変換する工程である。
(VIIa)で示される化合物を溶媒に溶かし、メルカプ
タンの存在下、塩基と反応させるか、3価のホウ素化合
物と反応させることにより行われる。3価のホウ素を用
いれば、続く第七工程を省略することができる。溶媒
は、メルカプタンと塩基を用いる時には、DMF、DM
SO、HMPA等の非プロトン性双極性溶媒が好ましく
用いられ、中でもDMFが好ましい。3価のホウ素化合
物を使用する時には塩化メチレン、クロロホルム、四塩
化炭素等のハロゲン系溶媒が好ましく、特に塩化メチレ
ンが好ましい。メルカプタンとしては、C1−C10の
鎖状の側鎖を有するものが挙げられ、通常はプロピルメ
ルカプタンが好ましく用いられる。塩基としては、カリ
ウム−t−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウ
ム−t−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウ
ムメトキシド等のアルコール類のアルカリ金属塩、水素
化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化物類、ナトリ
ウムアミド等のアンモニアの金属塩が用いられるが、通
常の実行にはカリウム−t−ブトキシドを用いて十分満
足すべき結果が得られる。3価のホウ素化合物としては
三臭価ホウ素、三塩化ホウ素等が挙げられ、特に三臭化
ホウ素が好ましい。反応温度はメルカプタンを用いると
きは0〜300℃の範囲が考えられ、中でも50〜20
0℃が好ましく、特に100〜160℃が好ましい。3
価のホウ素を使用する時には、−80〜50℃が好まし
く、特に0〜30℃が好ましい。
【0017】第7工程は、(VIIIa)で示される化合物
を酸触媒と共に溶媒に溶解後、攪拌し、アセタール保護
基を脱保護して、一般式(Ia)で示される化合物に変
換するする工程である。酸触媒としては、塩酸、硫酸、
リン酸などの無機酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン
酸などの有機スルホン酸、酢酸、プロピオン酸などの有
機カルボン酸などが挙げられるが、通常は塩酸で十分満
足すべき結果が得られる。溶媒としては、エーテル、T
HF、DME、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ジク
ロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジク
ロロエタンなどのハロゲン系溶媒などと水との混合溶媒
系が用いられるが,通常はTHF−水、ジオキサン−水
の混合溶媒系で十分満足すべき結果が得られる。反応温
度は、−50〜100℃の範囲で実行可能であるが、通
常は0〜50℃の範囲で満足すべき結果が得られる。
【0018】また、一般式(I)の化合物のうち、一般
式(Ib)で示されるR2 がヒドロキシの化合物は以下
の方法によって得ることができる(チャート2)。
【0019】第1工程は、Zimmerman らの方法(J.Org.
Chem. ,54, 1442 (1989))に従って合成できるエナミン
の窒素上のメチル基を塩基の共存下、クロルギ酸エ
ステルを用いてカルバマート体に変換する工程であ
る。本工程は、チャート1の第2工程と同様の方法で実
行できる。
【0020】第2工程は、カルバマート体をエポキシ
に変換する工程である。用いるエポキシ化剤として
は、通常のエポキシ化に使用される反応剤はすべて考え
られるが、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、過酢
酸、トリフルオロ過酢酸などの過酸や過酸過水素が好ま
しく用いられ、特にm−クロロ過安息香酸が好ましく用
いられる。溶媒は、塩化メチレン、クロロホルム、四塩
化炭素の様なハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン等の
芳香族炭化水素系溶媒等が用いられるが、通常はハロゲ
ン系溶媒、特に塩化メチレンが好ましく用いられる。反
応温度は、−80〜50℃で実行でき、通常は0℃〜室
温付近で満足すべき結果が得られる。
【0021】第3工程は、エポキシ体を還元的に開環
し、橋頭位ヒドロキシ体とする工程である。還元剤と
してはエポキシ基の還元に通常用いられる還元剤はすべ
て用いられるが、カルバマート部、アセタート部に対し
て不活性でエポキシ基のみを選択的に還元するような還
元剤、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホ
ウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛の様な水素化金属化
合物が好ましく用いられる。この際、溶液を酸性に調整
しておくと好ましい結果が得られ、用いる酸としては塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類や酢酸、プロピオ
ン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類が用いられる。溶
媒としては、THF、エーテル、DME、ジオキサン等
のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハ
ロゲン系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール
系溶媒、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の溶媒として利用
できる有機酸等が用いられるが、特に酢酸を溶媒および
酸触媒兼用で用い、水素化ホウ素ナトリウムで還元する
と好ましい結果が得られる。反応温度は、−80℃〜5
0℃で実行可能であるが、なかでも0℃から室温付近で
満足すべき結果が得られる。
【0022】第4工程は、4a−ヒドロキシカルバマー
ト体の窒素保護基を除去し、2級アミンに変換する
工程である。この工程はチャート1の第3工程と同様の
方法で行うことができる。
【0023】第5工程は、二級アミンを塩基存在下、
一般式(V)で示される酸塩化物または酸無水物と反応
させ、一般式(IX)で示されるアミド体を得る工程であ
る。ここでR4 は前記定義と同じである。この工程はチ
ャート1の第4工程と同様の方法で行うことができる。
【0024】第6工程は、アミドアセタート体(IX)
を、一般式(X)で示されるジヒドロキシアミン体に還
元する工程である。この工程はチャート1の第5工程と
同様の方法で行なうことができる。
【0025】第7工程は、ジヒドロキシアミン体(X)
の2級水酸基を酸化して、一般式(XI )で示されるヒ
ドロキシケトン体とする工程である。酸化剤としては通
常2級水酸基の酸化に用いられるものはすべて用いられ
るが、中でもクロム酸系酸化剤、過マンガン酸系酸化
剤、DMSO−DCC系酸化剤、DMSO−塩化オキサ
リル系酸化剤等があげられ、特にDMSO−塩化オキサ
リル系酸化剤が好ましく用いられる。溶媒としては、ジ
クロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、エー
テル、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶
媒、DMSO、DMF等の非プロトン性双極性溶媒等が
用いられるが、ハロゲン系溶媒、特にジクロロメタンが
好ましい。反応は、−100℃〜50℃の範囲で実行で
き、DMSO−塩化オキサリル系酸化剤の場合は特に−
80℃〜−50℃が好ましい。
【0026】第8工程は、ヒドロキシケトン体(XI )
のケトン基をアセタールとして保護して、一般式(VII
b)で示される化合物に変換する工程である。ここで、
3 、R3'はチャート1の第1工程と同様に定義され、
また本工程はその工程と同様の方法で行なうことができ
る。
【0027】第9工程は、化合物(VII b)のフェノー
ル性水酸基のメチルエーテル保護基を脱保護し、一般式
(VIIIb)で示される化合物に変換する工程である。こ
の工程はチャート1の第6工程と同様の方法で行なうこ
とができる。
【0028】第10工程は、一般式(VIIIb)で示され
る化合物を酸触媒と共に溶媒に溶解後、攪拌し、アセタ
ール保護基を脱保護して、一般式(Ib)で示される化
合物に変換する工程である。この工程はチャート1の第
7工程と同様の方法で行なうことができる。
【0029】一般式(I)で表される本発明の化合物
は、in vitro、in vivo における鎮痛活性試験の結果κ
−アゴニストとして強い鎮痛活性を有し、有用な鎮痛剤
として期待できることが明かとなった。本発明の鎮痛剤
を臨床に使用する際には、フリーの塩基またはその塩自
体でもよく、また安定剤、緩衝剤、希釈剤、等張剤、防
腐剤などの賦形剤を適宜混合してもよい。投与形態とし
て例えば注射剤;錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シ
ロップ剤などによる経口剤;座剤による経腸投与;ある
いは軟膏剤、クリーム剤、貼付剤などによる局所投与等
を挙げることができる。本発明の鎮痛剤は、上記有効成
分を1〜90重量%、より好ましくは30〜70重量%
含有することが望ましい。その使用量は症状、年齢、体
重、投与方法等に応じて適宜選択されるが、成人に対し
て、注射剤の場合、有効成分量として1日0.005m
g〜100mgであり、経口剤の場合、0.1mg〜1
gであり、それぞれ一回または数回に分けて投与するこ
とができる。
【0030】
【実施例】以下、参考例、実施例を挙げて本発明の化合
物の製造法、および薬理作用を具体的に説明するが、本
発明の製造法はこれに限られるものではない。
【0031】参考例16,6−エチレンジオキシ−4aα−(3−メトキシフ
ェニル)−2−メチル−1,2,3,4,4a,5,
6,7,8,8aβ−デカヒドロイソキノリン
【化6】 4aα−(3−メトキシフェニル)−2−メチル−6−
オキソ−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a
β−デカヒドロイソキノリン 986 mg (3.61mmol) を
ベンゼン 30 ml に溶解し、エチレングリコール 0.30
ml (5.4 mmol) 、p−トルエンスルホン酸一水和物 762
mg (4.01 mmol) を加え、生じる水を共沸留去しながら
3.3 時間還流した。室温に放冷後、1.0 Nアンモニア
水 30ml を加えて分液し、水層をクロロホルム 2×20
ml で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、濃縮すると、標題化合物 1.14 g (収率 100
%)が粗結晶として得られた。酢酸エチルより再結晶す
ると、板状晶 757 mg (収率66%)が得られた。
【0032】mp 126.0 〜128.0 ℃(酢酸エチル) NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.54 (1H, d, J=13.4 Hz), 1.62-1.82 (5H, m), 1.
97-2.03 (2H, m),2.25 (3H, s), 2.29 (1H, ddd, J=26.
2, 13.2, 4.6 Hz), 2.39 (1H, dd, J=13.4, 2.5 Hz),
2.47-2.51 (1H, m), 2.73 (1H, br dd, J=11.0, 3.7 H
z),2.80 (1H, dd, J=11.9 Hz), 3.36 (1H, ddd, J=7.6,
7.3, 7.1 Hz), 3.57(1H, ddd, J=7.6, 7.3, 4.9 Hz),
3.74, (1H, ddd, J=7.3, 7.3, 7.3 Hz),3.80 (3H, s),
3.82 (1H, ddd, J=7.3, 7.1, 4.9 Hz), 6.67 (1H, dd,J
=7.9, 2.4 Hz), 6.97 (1H, dd, J=2.4, 1.8 Hz), 7.02
(1H, br d, J=7.9Hz), 7.19 (1H, dd, 7.9, 7.9 Hz) IR(KBr ) ν 1603, 1591, 1462, 1238, 1085, 911, 793, 717 cm
-1 Mass (EI) m/z 317 (M+ ) 元素分析値 C19271 3 ・0.1 H2 Oとして 計算値 C,71.49; H,8.59; N,4.39 実測値 C,71.47; H,8.45; N,4.40
【0033】参考例26,6−エチレンジオキシ−4aα−(3−メトキシフ
ェニル)−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカル
ボニル)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8
aβ−デカヒドロイソキノリン
【化7】 アルゴン気流下、参考例1で得られた6,6−エチレン
ジオキシ−4aα−(3−メトキシフェニル)−2−メ
チル−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8aβ
−デカヒドロイソキノリン 1.10 g (3.47 mmol) 、プ
ロトンスポンジ1.12 g (5.23 mmol) を無水1,2−ジ
クロロエタン 20 ml に溶解し、クロロギ酸2,2,2
−トリクロロエチル 0.57 ml (4.1 mmol) を加え、室温
で 1.5時間攪拌した。1N塩酸 20 ml を加えて分液
し、水層をジクロロエタン 2×15ml で抽出した。有機
層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する
と、標題化合物 1.87 g (収率 >100%)が粗油状物と
して得られた。この粗油状物は、精製を行うことなく、
次の反応に供した。
【0034】NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.53 (1H, d, J=13.7 Hz), 1.56-1.64 (2H, m), 1.
68-1.78 (2H, m),1.78-1.90 (2H, m), 2.06 (1H, br d,
J=12.7 Hz), 2.24-2.37 (1H, m),2.39 (1H, br d, J=1
3.7 Hz), 2.48-2.63 (1H, m), 3.38 (1H, ddd, J=7.5,
7.5, 7.5 Hz), 3.57 -3.87 (3H, m), 3.80 (3H, s),3.8
8-3.97 (1H, m),4.06-4.12 (1H, m), 4.67-4.79 (2H,
m), 6.70 (1H, dd, J=8.1, 2.2 Hz),6.96 (1H, br s),
7.00 (1H, br d, J=8.1 Hz), 7.22 (1H, dd, J=8.1, 8.
1Hz) IR(液膜) ν 1717, 1435, 1241, 1129, 1069, 783, 716 cm-1 Mass (EI) m/z 477 (M+
【0035】参考例32−シクロプロピルカルボニル−6,6−エチレンジオ
キシ−4aα−(3−メトキシフェニル)−1,2,
3,4,4a,5,6,7,8,8aβ−デカヒドロイ
ソキノリン 10
【化8】 前反応で得られた粗6,6−エチレンジオキシ−4aα
−(3−メトキシフェニル)−2−(2,2,2−トリ
クロロエトキシカルボニル)−1,2,3,4,4a,
5,6,7,8,8aβ−デカヒドロイソキノリン
1.87 g を酢酸 35 mlに溶解し、活性亜鉛末 1.27 g (1
9.4 mmol) を加え、室温で 3.8 時間激しく攪拌した。
反応混合物をハイフロスーパーセルを用いて濾過し、残
査をクロロホルム−メタノール(3:1) 混合液で洗浄し
た。濾液、洗液を合わせて濃縮し、得られた残渣に3N
アンモニア水 20 ml を加えてクロロホルム−エタノー
ル(3:1)混合液 3×20 ml で抽出し、有機層を合わせて
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
【0036】こうして得られた粗二級アミン 1.23 g
を、アルゴン気流下、無水ジクロロメタン 25 ml に溶
解し、トリエチルアミン 0.85 ml (6.1 mmol) を加えた
後、氷冷下、塩化シクロプロパンカルボニル 0.44 ml
(4.9 mmol) を加え、室温で 1時間攪拌した。1N塩酸
20 ml を加えて分液し、水層をジクロロメタン 2×20m
l で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、濃縮した。得られた粗油状物 1.73 gをカラムク
ロマトグラフィー[シリカゲル 50 g ; ベンゼン−酢酸
エチル(2:1 →3:2 →2:3)]で分離精製すると、標題化
合物 1.13 g (収率 87%、3 段階)が得られた。
【0037】NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.65-0.80 (2H, m), 0.89-1.00 (2H, m), 1.48-1.9
1 (7H, m), 1.53 (1H,d, J=13.4 Hz), 2.02-2.12 (1H,
m), 2.22-2.37 (1H, m), 2.40 (1H, br d,J=13.7 Hz),
2.80 (0.6H, br dd, J=12.8,12.8 Hz), 3.34-3.42 (1.4
H,m), 3.56-3.63 (1H, m), 3.73-3.97 (2.6H, m), 3.81
(3H, s), 4.03-4.10(0.4H, m), 4.35 (0.4H, br d, J=
13.7 Hz), 4.48-4.53 (0.6H, m), 6.71 (1H, br d, J=
7.9 Hz), 6.96-7.06 (2H, m), 7.23 (1H,dd, J=7.9, 7.
9 Hz) IR(液膜) ν 1721, 1634, 1582, 1456, 1238, 1125, 1069, 752,
716 cm-1 Mass (EI) m/z 371 (M+
【0038】2−アクリロイル−6,6−エチレンジオ
キシ−4aα−(3−メトキシフェニル)−1,2,
3,4,4a,5,6,7,8,8aβ−デカヒドロイ
ソキノリン 10´ 同様にして塩化シクロプロパンカルボニルのかわりに塩
化アクリロイルを用い、2−アクリロイル−6,6−エ
チレンジオキシ−4aα−(3−メトキシフェニル)−
1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8aβ−デカ
ヒドロイソキノリン10´が得られた。
【0039】Mass (EI) m/z 357 (M+
【0040】参考例42−シクロプロピルメチル−6,6−エチレンジオキシ
−4aα−(3−メトキシフェニル)−1,2,3,
4,4aα,5,6,7,8,8aβ−デカヒドロイソ
キノリン 11
【化9】 アルゴン気流下、水素化アルミニウムリチウム 344 mg
(9.06 mmol) を無水THF 30 ml に懸濁させ、氷冷
下、参考例3で得られた2−シクロプロピルカルボニル
−6,6−エチレンジオキシ−4aα−(3−メトキシ
フェニル)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,
8aβ−デカヒドロイソキノリン10 1.08 g (2.90 mm
ol) の無水THF 10 ml 溶液を滴下し、室温で 1.3時
間攪拌した。フッ化ナトリウム 3.8 g (91 mmol) を加
え、氷冷下、THF−水(10:1)混合液 17.8 ml をゆ
っくりと滴下した後、室温で約1時間攪拌した。反応混
合物をハイフロスーパーセルを用いて濾過し、残査を酢
酸エチルで洗浄し、濾液、洗液を合わせて濃縮した。得
られた油状物 985 mg をカラムクロマトグラフィー[シ
リカゲル 25 g ; 酢酸エチル−メタノール−アンモニア
水(100:5:1 → 60:5:1)]で精製すると、標題化合物 9
39 mg (収率 91%)が得られた。
【0041】NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.02-0.11 (2H, m), 0.43-0.52 (2H, m), 0.78-0.8
8 (1H, m), 1.56 (1H,d, J=13.7 Hz), 1.63-1.73 (1H,
m), 1.73-1.83 (4H, m), 1.98-2.08 (2H,m), 2.17 (1H,
dd, J=12.5, 6.6 Hz), 2.23-2.36 (2H, m), 2.39 (1H,
dd,J=13.5, 2.2 Hz), 2.71-2.76 (1H, m), 2.79 (1H,
dd, J=12.0, 12.0 Hz),2.95 (1H, br dd, J=11.2, 3.4
Hz), 3.36 (1H, ddd, J=7.8, 7.3, 7.3Hz), 3.57 (1H,
ddd, J=7.8, 6.8, 5.4 Hz), 3.75 (1H, ddd, J=7.3, 7.
3,6.8 Hz), 3.80 (3H, s), 3.82 (1H, ddd, J=7.3, 7.
3, 5.4 Hz), 6.66 (1H,dd,J=8.1, 2.2 Hz), 6.97 (1H,
br s), 7.02 (1H, br d, J=8.1 Hz), 7.19(1H, dd, J=
8.1, 8.1 Hz) IR(液膜) ν 1609, 1582, 1489, 1448, 1238, 1094, 909, 754,
716 cm-1 Mass (EI) m/z 357 (M+
【0042】2−アリル−6,6−エチレンジオキシ−
4aα−(3−メトキシフェニル)−1,2,3,4,
4a,5,6,7,8,8aβ−デカヒドロイソキノリ
ン11´ 同様にして2−シクロプロピルカルボニル−6,6−エ
チレンジオキシ−4aα−(3−メトキシフェニル)−
1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8aβ−デカ
ヒドロイソキノリン10のかわりに2−アクリロイル−
6,6−エチレンジオキシ−4aα−(3−メトキシフ
ェニル)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8
aβ−デカヒドロイソキノリン10´を用い、2−アリ
ル−6,6−エチレンジオキシ−4aα−(3−メトキ
シフェニル)−1,2,3,4,4a,5,6,7,
8,8aβ−デカヒドロイソキノリン11´が得られ
た。
【0043】Mass (EI) m/z 343 (M+
【0044】参考例52−シクロプロピルメチル−6,6−エチレンジオキシ
−4aα−(3−ヒドロキシフェニル)−1,2,3,
4,4a,5,6,7,8,8aβ−デカヒドロイソキ
ノリン 12
【化10】 アルゴン気流下、参考例4で得られた2−シクロプロピ
ルメチル−6,6−エチレンジオキシ−4aα−(3−
メトキシフェニル)−1,2,3,4,4a,5,6,
7,8,8aβ−デカヒドロイソキノリン11 916 mg
(2.56 mmol) を無水DMF 20 ml に溶解し、1−プロ
パンチオール 1.16 ml (12.8 mmol)、カリウムt−ブト
キシド 865 mg (7.71 mmol) を加えて、150 ℃で 7.0
時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下、溶媒を
留去した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 25 ml を加
えてクロロホルム−エタノール(3:1) 混合液 3×25
mlで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃
縮すると、標題化合物792 mg (収率 90%)が粗結晶
として得られた。メタノールより再結晶を行うと、針状
晶 547 mg (収率62%)が得られた。
【0045】mp 197.5 〜199.0 ℃(メタノール) NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.02-0.11 (2H, m), 0.43-0.51 (2H, m), 0.81-0.8
9 (1H, m), 1.55 (1H,d, J=13.4 Hz), 1.6-1.9 (1H, br
s, OH), 1.63-1.68 (1H, m), 1.68-1.83(4H, m), 1.97
-2.08 (2H, m), 2.20 (1H, dd, J=12.5, 6.7 Hz), 2.24
-2.34(2H, m), 2.35 (1H, dd, J=13.6, 2.3 Hz), 2.73-
2.77 (1H, m), 2.81 (1H,dd, J=11.9, 11.9 Hz), 2.97
(1H, br dd, J=11.3, 3.3 Hz), 3.38 (1H,ddd, J=7.6,
7.3, 7.0 Hz), 3.58 (1H, ddd, J=7.6, 7.0, 5.2 Hz),
3.75(1H, ddd, J=7.0, 7.0, 7.0 Hz), 3.81 (1H, ddd,
J=7.3,7.0, 5.2 Hz),6.57 (1H,dd,J=7.9, 2.1 Hz), 6.8
8 (1H, br s), 6.94 (1H, brd, J=7.9Hz), 7.12 (1H, d
d, J=7.9, 7.9 Hz) IR(KBr ) ν 3400, 3082, 1620, 1580, 1499, 1367, 1274, 108
9, 913, 777, 717 cm-1 Mass (EI) m/z 343 (M+ ) 元素分析値 C21291 3 として 計算値 C,73.44; H,8.51; N,4.08 実測値 C,73.26; H,8.44; N,4.13
【0046】2−アリル−6,6−エチレンジオキシ−
4aα−(3−ヒドロキシフェニル)−1,2,3,
4,4a,5,6,7,8,8aβ−デカヒドロイソキ
ノリン12´ 同様にして2−シクロプロピルメチル−6,6−エチレ
ンジオキシ−4aα−(3−メトキシフェニル)−1,
2,3,4,4a,5,6,7,8,8aβ−デカヒド
ロイソキノリン11のかわりに2−アリル−6,6−エ
チレンジオキシ−4aα−(3−メトキシフェニル)−
1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8aβ−デカ
ヒドロイソキノリン11´を用い、2−アリル−6,6
−エチレンジオキシ−4aα−(3−ヒドロキシフェニ
ル)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8aβ
−デカヒドロイソキノリン12´が得られた。
【0047】Mass (EI) m/z 329 (M+
【0048】実施例12−シクロプロピルメチル−4aα−(3−ヒドロキシ
フェニル)−6−オキソ−1,2,3,4,4a,5,
6,7,8,8aβ−デカヒドロイソキノリン1
【化11】 参考例5で得られた2−シクロプロピルメチル−6,6
−エチレンジオキシ−4aα−(3−ヒドロキシフェニ
ル)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8aβ
−デカヒドロイソキノリン12 508 mg (1.48 mmol) を
1,4−ジオキサン 7.5 ml に溶解し、3N塩酸 2.5 m
l を加え、室温で 40 分間攪拌した。飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液 30 ml を加えてクロロホルム−エタノー
ル(3:1)混合液 3×30 ml で抽出し、有機層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗結晶 495
mg をメタノール−酢酸エチルより2回再結晶を行う
と、標題化合物 346 mg (収率 78%)が針状晶として
得られた。
【0049】mp 201.5 〜204.0 ℃(メタノール−酢酸
エチル) NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.07-0.14 (2H, m), 0.47-0.55 (2H, m), 0.83-0.9
3 (1H, m), 1.92-2.08(4H, m), 2.27-2.59 (7H, m), 2.
72 (1H, dd, J=11.7, 11.7 Hz), 2.85-2.93 (2H, m),
3.07 (1H, br dd, J=11.7, 3.9 Hz), 3.2-4.5 (1H, br
s,OH), 6.61 (1H,dd,J=7.8, 2.0 Hz), 6.88 (1H, brs),
6.95 (1H, br d, J=7.8 Hz), 7.12 (1H, dd, J=7.8,
7.8 Hz) IR(KBr ) ν 3400, 3082, 1711, 1584, 1491, 1354, 1232, 121
4, 1056, 874, 791,731cm-1 Mass (EI) m/z 299 (M+ ) 元素分析値 C19251 2 ・0.1 H2 Oとして 計算値 C,75.76; H,8.48; N,4.65 実測値 C,75.67; H,8.38; N,4.68 C19251 2 ・HCl・0.4 H2 Oとして 計算値 C,66.52; H,7.87; N,4.08; Cl,10.33 実測値 C,66.30; H,7.80; N,4.06; Cl,10.07
【0050】同様にして2−シクロプロピルメチル−
6,6−エチレンジオキシ−4aα−(3−ヒドロキシ
フェニル)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,
8aβ−デカヒドロイソキノリン12のかわりに2−ア
リル−6,6−エチレンジオキシ−4aα−(3−ヒド
ロキシフェニル)−1,2,3,4,4a,5,6,
7,8,8aβ−デカヒドロイソキノリン12´を用
い、2−アリル−6−オキソ−4aα−(3−ヒドロキ
シフェニル)−1,2,3,4,4a,5,6,7,
8,8aβ−デカヒドロイソキノリン1´が得られた。
【0051】Mass (EI) m/z 285 (M+ ) 元素分析値 C18231 2 ・HCl・0.8 H2 Oとして 計算値 C,64.29; H,7.67; N,4.16; Cl 10.54 実測値 C,64.01; H,7.65; N,4.21; Cl 10.36
【0052】参考例62−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル)−
4a−(3−メトキシフェニル)−6−アセトキシ−
2,3,4,4a,5,6,7,8−オクタヒドロイソ
キノリン
【化12】 アルゴン雰囲気下、Zimmerman らの方法により得られる
2−メチル−4a−(3−メトキシフェニル)−6−ア
セトキシ−2,3,4,4a,5,6,7,8−オクタ
ヒドロイソキノリン(19.5g)を1,2−ジクロ
ロエタン(100ml)に溶かしたところへ、プロトン
スポンジ(6.6g)を加えた。0℃で、クロロギ酸
2,2,2−トリクロロエチル(12.8ml)を滴下
し、得られたサスペンジョンを室温に昇温して15時間
撹拌した。溶媒を減圧留去した後、エ−テル(400m
l)を加え、1N塩酸(150ml×2)、飽和食塩水
(100ml)で洗浄した。乾燥後、シリカゲルカラム
クロマト(シクロヘキサン/酢酸エチル=10:1→
5:1)で精製して標題化合物(6位アセトキシ混合
物)21.2g(72%)を得た。 一部分離された6
位アセトキシ異性体それぞれについてスペクトルを測定
した。
【0053】高極性成分(6αアセトキシ体) IR(液膜法)cm-1:3024,1717,1415,1255,1216,758 NMR(400MHz,CDCl3) δ 1.31(3H,d,J=4.8Hz),1.57-1.65(2H,m),1.75-1.86(2
H,m),1.98-2.06(1H,m),2.14-2.23(1H,m)2.63-2.74(1H,
m),2.77- 2.88(1H,m),3.08(1H,d,J=15.1Hz),3.80(3H,
s),3.82-3.89 (1H,m),4.67-4.85(2H,m),4,98(1H,s),6.7
0(1H,dd,J=6.3, 2.0Hz),6.80(1H,dd,J=2.5,1.9Hz),6.85
(1H,d,J=7.8Hz),7.01(1H,d,J=7.8Hz),7.22(1H,t,J=7.8H
z) Mass(EI):475(M+) 高分解能マススペクトル:C21245 NCl3 として
の 計算値 475.0720 実測値 475.0716 低極性成分(6βアセトキシ体) IR(液膜法)cm-1:2954,1725,1410,1251,1141,1046,754 NMR(CDCl3,400MHz) δ 1.39-1.53(2H,m),1.83-2.09(3H,m),2.02(3H,s),2.2
5-2.3 (2H,m),2.83-3.07(2H,m),3.82(3H,s),3.85-3.95
(1H,m), 4.54-4.61(1H,m),4.70-4.88(2H,m),6.77(1H,d
d,J=7.8,2.4Hz),6.91-6.95(2H,m),6.98(1H,d,J=9.3Hz),
7.27(1H,t,J= 7.8Hz) Mass(EI):475(M+) 高分解能マススペクトル:C21245 NCl3 として
の 計算値 475.0720 実測値 475.0718
【0054】参考例72−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル)−
4aα−(3−メトキシフェニル)−6−アセトキシ−
8aβ−ヒドロキシ−1,2,3,4,4a,5,6,
7,8,8a−デカヒドロイソキノリン
【化13】 アルゴン雰囲気下、参考例6で得られた2−(2,2,
2−トリクロロエトキシカルボニル)−4a−(3−メ
トキシフェニル)−6−アセトキシ−2,3,4,4
a,5,6,7,8−オクタヒドロイソキノリン(1
6.5g)を塩化メチレン(200ml)に溶かし0℃
に冷却した。m−クロロ過安息香酸(8.6g)を加
え、1.5時間反応させた。溶媒を留去し、得られた固
形物をそのまま次の反応に供した。
【0055】上記粗生成物を酢酸(150ml)に溶か
し、0℃に冷却したところに水素化ホウ素ナトリウムを
少しずつ加えた。室温に昇温し15分反応させた。酢酸
を減圧下留去し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30
0ml)を加え、酢酸エチル(200ml×3)で抽出
した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去しシリカゲ
ルカラムクロマト(クロロホルム)で精製して標題化合
物(6位アセトキシ混合物)10.8g(63%)を得
た。一部分離された低極性成分でスペクトルを測定し
た。
【0056】IR(液膜法)cm-1:3462,2958,1715,1605,1
582,1437,1249,1033,758 NMR(CDCl3,90MHz) δ 1.55-1.65(2H,m),1.65-1.85(2H,m),1.92(3H,s),1.9
7-2.18 (2H,m),2.20-2.57(3H,m),3.50(1H,t,J=7.8Hz),
3.79(3H,s), 3.80-3.95(2H,m),4.78(2H,d,J=6.5Hz),6.6
8-6.84(2H,m),6.92-7.25(2H,m) Mass(EI):493(M+)
【0057】参考例84aα−(3−メトキシフェニル)−6−アセトキシ−
8aβ−ヒドロキシ−1,2,3,4,4a,5,6,
7,8,8a−デカヒドロイソキノリン
【化14】 アルゴン雰囲気下、参考例7で得られた2−(2,2,
2−トリクロロエトキシカルボニル)−4aα−(3−
メトキシフェニル)−6−アセトキシ−8aβ−ヒドロ
キシ−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−
デカヒドロイソキノリン(2.04g)を酢酸(50
ml)に溶かし、亜鉛粉末(2.70g)を加えた。こ
の懸濁液を室温で4時間撹拌した後、セライトを通じて
濾過して亜鉛由来の不溶物を除いた。酢酸でよく洗いこ
み濾液とあわせて酢酸を減圧留去した。飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液(50ml)を加え、クロロホルム(5
0ml×3)で抽出、飽和食塩水(50ml)で洗浄し
た。乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマト(クロ
ロホルム→5%メタノ−ル/アンモニア飽和クロロホル
ム)で精製し、標題化合物(6位アセトキシ混合物)
0.95g(72%)を得た。
【0058】IR(液膜法)cm-1:3360,2936,1712,1607,1
582,1455,1248,1053,888,713 Mass(EI):319(M+)
【0059】参考例92−シクロプロピルカルボニル−4aα−(3−メトキ
シフェニル)−6−アセトキシ−8aβ−ヒドロキシ−
1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒ
ドロイソキノリン 13
【化15】 アルゴン雰囲気下、参考例8で得られた4aα−(3−
メトキシフェニル)−6−アセトキシ−8aβ−ヒドロ
キシ−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−
デカヒドロイソキノリン(0.68g)を無水1,2
−ジクロロエタン(15ml)に溶かし、プロトンスポ
ンジ(0.46g)、塩化シクロプロパンカルボニル
(0.29ml)を加えた。溶媒を減圧留去し、エ−テ
ル(20ml)を加え、1N塩酸(20ml)、飽和食
塩水(10ml)で洗浄した。乾燥後、濃縮し得られた
油状の標題化合物をそのまま次反応に供した(粗収量9
1%)。
【0060】IR(液膜法)cm-1:3430,2944,1702,1605,1
582,1453,1240,1029,750 Mass(EI):387(M+)
【0061】2−アクリロイル−4aα−(3−メトキ
シフェニル)−6−アセトキシ−8aβ−ヒドロキシ−
1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒ
ドロイソキノリン 13´ 同様にして塩化シクロプロパンカルボニルの代わりに塩
化アクリロイルを用い、2−アクリロイル−4aα−
(3−メトキシフェニル)−6−アセトキシ−8aβ−
ヒドロキシ−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,
8a−デカヒドロイソキノリン13´が得られた。
【0062】Mass(EI):373(M+)
【0063】参考例102−シクロプロピルメチル−4aα−(3−メトキシフ
ェニル)−6,8aβ−ジヒドロキシ−1,2,3,
4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロイソキノ
リン 14
【化16】 アルゴン雰囲気下、参考例9で得られた2−シクロプロ
ピルカルボニル−4aα−(3−メトキシフェニル)−
6−アセトキシ−8aβ−ヒドロキシ−1,2,3,
4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロイソキノ
リン13を、無水THF(20ml)に溶かし0℃で水
素化アルミニウムリチウム(0.24g)を加えた。0
℃で2時間、室温で1時間反応させた後、飽和ロッセル
塩水溶液(5ml)をゆっくりと加えた。クロロホルム
(50ml)を加え、セライトを通じて濾過しクロロホ
ルムで洗浄した。濃縮して得られた油状の標題化合物を
そのまま次反応に供した(粗収量85%)。
【0064】IR(液膜法)cm-1:3425,2940,1607,1582,1
444,1292,1091,880,753 Mass(EI):331(M+)
【0065】2−アリル−4aα−(3−メトキシフェ
ニル)−6,8aβ−ジヒドロキシ−1,2,3,4,
4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロイソキノリン
14´ 同様にして2−シクロプロピルカルボニル−4aα−
(3−メトキシフェニル)−6−アセトキシ−8aβ−
ヒドロキシ−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,
8a−デカヒドロイソキノリン13の代わりに、2−ア
クリロイル−4aα−(3−メトキシフェニル)−6−
アセトキシ−8aβ−ヒドロキシ−1,2,3,4,4
a,5,6,7,8,8a−デカヒドロイソキノリン
3´を用い、2−アリル−4aα−(3−メトキシフェ
ニル)−6,8aβ−ジヒドロキシ−1,2,3,4,
4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロイソキノリン
14´が得られた。
【0066】Mass(EI):317(M+)
【0067】参考例112−シクロプロピルメチル−4aα−(3−メトキシフ
ェニル)−6−オキソ−8aβ−ヒドロキシ−1,2,
3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロイソ
キノリン 15
【化17】 アルゴン雰囲気下、塩化オキサリル(0.15ml)を
無水塩化メチレン(10ml)に溶かし、−55℃に冷
却した。DMSO(0.24ml)を無水塩化メチレン
(1ml)に溶かした物をゆっくりと滴下し、−55℃
で2分反応させた。そこに参考例10で得られた2−シ
クロプロピルメチル−4aα−(3−メトキシフェニ
ル)−6,8aβ−ジヒドロキシ−1,2,3,4,4
a,5,6,7,8,8a−デカヒドロイソキノリン
を無水塩化メチレン(2ml)に溶かした物を加え、
洗液(2ml)も加えた。−55℃で30分反応させた
後、トリエチルアミン(1.09ml)を加え、室温に
昇温した。蒸留水(15ml)を加えて分液し、水層を
塩化メチレン(10ml)でさらに抽出した。集めた有
機層を、飽和食塩水(10ml)で洗浄後、乾燥、濃縮
しシリカゲルカラムクロマト(クロロホルム→2%メタ
ノ−ル/クロロホルム)で精製して標題化合物0.48
g(3段階68%)を得た。
【0068】IR(液膜法)cm-1:3404,2940,1711,1605,1
582,1493,1429,1241,1038,897,756 NMR(CDCl3,400MHz) δ 0.11(2H,d,J=5.9Hz),0.50-0.55(2H,m),0.81-0.89(1
H,m),1.86-1.90(2H,m),2.25-2.28(2H,m),2.32-2.37(3H,
m),2.39-2.46(1H,m),2.53(1H,d,J=14.3Hz),2.75-2.87(4
H,m),3.14(1H,d,J=14.3Hz),3.77(3H,s),6.70-6.72(1H,
m),6.97-6.98(2H,m),7.20(1H,t,J=8.8Hz) Mass(EI):329(M+) 高分解能マススペクトル:C21273 Nとしての 計算値 329.1991 実測値 329.1955
【0069】2−アリル−4aα−(3−メトキシフェ
ニル)−6−オキソ−8aβ−ヒドロキシ−1,2,
3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロイソ
キノリン14´ 同様にして2−シクロプロピルメチル−4aα−(3−
メトキシフェニル)−6,8aβ−ジヒドロキシ−1,
2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ
イソキノリン13の代わりに2−アリル−4aα−(3
−メトキシフェニル)−6,8aβ−ジヒドロキシ−
1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒ
ドロイソキノリン13´を用い、2−アリル−4aα−
(3−メトキシフェニル)−6−オキソ−8aβ−ヒド
ロキシ−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a
−デカヒドロイソキノリン15´が得られた。
【0070】Mass(EI):315(M+)
【0071】参考例122−シクロプロピルメチル−4aα−(3−メトキシフ
ェニル)−6,6−エチレンジオキシ−8aβ−ヒドロ
キシ−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−
デカヒドロイソキノリン 16
【化18】 アルゴン雰囲気下、参考例11で得られた2−シクロプ
ロピルメチル−4aα−(3−メトキシフェニル)−6
−オキソ−8aβ−ヒドロキシ−1,2,3,4,4
a,5,6,7,8,8a−デカヒドロイソキノリン
(0.27g)をベンゼン(8ml)に溶かし、エチ
レングリコ−ル(0.23ml)とp−トルエンスルホ
ン酸一水和物(0.19g)を加え、水を共沸分離しな
がら30分間加熱還流した。放冷後、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液(25ml)を加え、クロロホルム(20
ml×2)で抽出し、飽和食塩水(20ml)で洗浄し
た。乾燥、濃縮後、シリカゲルカラムクロマト(クロロ
ホルム→5%メタノ−ル/クロロホルム)で精製して標
題化合物0.23g(80%)を得た。
【0072】IR(液膜法)cm-1:3398,2938,1607,1582,1
491,1247,1091,1042,752 NMR(CDCl3,500MHz) δ 0.03-0.09(2H,m),0.43-0.52(2H,m),0.76-0.84(1H,
m)1.57-1.62(1H,m),1.65-1.71(1H,m),1.74-1.85(2H,m),
2.01(1H,dd,J=2.4,13.4Hz),2.19(1H,dd,J=4.3,12.8Hz),
2.24-2.28 3H,m),2.31(1H,dt,J=4.9,12.8Hz),2.52(1H,d
t,J=4.3,13.4Hz),2.62(1H,d,J=11.0Hz),2.76(1H,d,J=1
1.0Hz),3.11(1H,d,J=11Hz),3.31(1H,q,J=7.9Hz),3.52-
3.56(1H,m),3.73(1Hq,J=7.3Hz),3.78-3.82(1H,m),3.80
(3H,s),6.67(1H,dd,J= 2.4,7.9Hz),6.98(1H,t,J=2.4H
z),7.02(1H,d,J=7.9Hz), 7.18(1H,t,J=7.9Hz) Mass(EI):373(M+)
【0073】2−アリル−4aα−(3−メトキシフェ
ニル)−6,6−エチレンジオキシ−8aβ−ヒドロキ
シ−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デ
カヒドロイソキノリン 16´ 同様にして2−シクロプロピルメチル−4aα−(3−
メトキシフェニル)−6−オキソ−8aβ−ヒドロキシ
−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカ
ヒドロイソキノリン15のかわりに、2−アリル−4a
α−(3−メトキシフェニル)−6−オキソ−8aβ−
ヒドロキシ−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,
8a−デカヒドロイソキノリン15´を用い、2−アリ
ル−4aα−(3−メトキシフェニル)−6,6−エチ
レンジオキシ−8aβ−ヒドロキシ−1,2,3,4,
4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロイソキノリン
16´が得られた。
【0074】Mass(EI):359(M+)
【0075】参考例132−シクロプロピルメチル−4aα−(3−ヒドロキシ
フェニル)−6,6−エチレンジオキシ−8aβ−ヒド
ロキシ−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a
−デカヒドロイソキノリン 17
【化19】 アルゴン雰囲気下、無水DMF(5ml)にプロパンチ
オ−ル(0.28ml)をいれ、カリウムt−ブトキシ
ド(0.35g)を加えた。参考例12で得られた2−
シクロプロピルメチル−4aα−(3−メトキシフェニ
ル)−6,6−エチレンジオキシ−8aβ−ヒドロキシ
−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカ
ヒドロイソキノリン16(0.23g)を無水DMF
(2ml)に溶かして加え、150℃で8時間反応させ
た。その間2時間毎にはじめと同量の試薬を追加した。
放冷後、DMFを減圧除去し、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液(12ml)を加え、クロロホルム/エタノ−ル
(3/1,10ml×3)で抽出し、飽和食塩水(10
ml)で洗浄した。乾燥、濃縮後、シリカゲルカラムク
ロマト(アンモニア飽和クロロホルム)で精製して標題
化合物0.15g(70%)を得た。
【0076】IR(液膜法)cm-1:3334,2942,1586,1493,1
093,756 NMR(CDCl3,500MHz) δ 0.03-0.09(2H,m),0.43-0.52(2H,m),0.76-0.84(1H,
m)1.57-1.62(1H,m),1.65-1.71(1H,m),1.74-1.85(2H,m),
1.99(1H,dd,J=2.4,13.7Hz),2.18(1H,dd,J=3.9,12.2Hz),
2.22-2.29 3H,m),2.31(1H,dt,J=4.9,13.2Hz),2.51(1H,d
t,J=4.9,13.7Hz),2.60-2.65(1H,m),2.74(1H,d,J=11.2H
z),3.08(1H,d,J=11.2Hz),3.33(1H,q,J=6.8Hz),3.52-3.5
8(1H,m),3.74(1H, q,J=6.8Hz),3.82(1H,dt,J=4.9,7.3H
z),6.58(1H,dd,J=2.0,7.8Hz),6.91(1H,t,J=2.0Hz),6.99
(1H,d,J=7.8Hz),7.11(1Ht,J=7.8Hz) Mass(EI):359(M+)
【0077】2−アリル−4aα−(3−ヒドロキシフ
ェニル)−6,6−エチレンジオキシ−8aβ−ヒドロ
キシ−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−
デカヒドロイソキノリン 17´ 同様にして2−シクロプロピルメチル−4aα−(3−
メトキシフェニル)−6,6−エチレンジオキシ−8a
β−ヒドロキシ−1,2,3,4,4a,5,6,7,
8,8a−デカヒドロイソキノリン16のかわりに、2
−アリル−4aα−(3−メトキシフェニル)−6,6
−エチレンジオキシ−8aβ−ヒドロキシ−1,2,
3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロイソ
キノリン16´を用い、2−アリル−4aα−(3−ヒ
ドロキシフェニル)−6,6−エチレンジオキシ−8a
β−ヒドロキシ−1,2,3,4,4a,5,6,7,
8,8a−デカヒドロイソキノリン17´が得られた。
【0078】Mass(EI):359(M+)
【0079】実施例22−シクロプロピルメチル−4aα−(3−ヒドロキシ
フェニル)−6−オキソ−8aβ−ヒドロキシ−1,
2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−テトラヒド
ロイソキノリン 18
【化20】 アルゴン雰囲気下、参考例13で得られた2−シクロプ
ロピルメチル−4aα−(3−ヒドロキシフェニル)−
6,6−エチレンジオキシ−8aβ−ヒドロキシ−1,
2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ
イソキノリン17(126.2mg)をジオキサン
(1.5ml)に溶かし、1N塩酸(1.0ml)を加
えて室温で6時間反応させた。3N水酸化ナトリウム
(0.5ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(6m
l)を加え、クロロホルム/エタノ−ル(3/1,8m
l×2)で抽出した。乾燥、濃縮後、シリカゲルカラム
クロマト(酢酸エチル/メタノ−ル5/1)で精製して
標題化合物93.8mg(85%)を得た。酢酸エチル
に溶かし、塩化水素/酢酸エチルを加えて塩酸塩を得
た。
【0080】IR(液膜法)cm-1:3450,2938,1700,1586,1
448,1243,1042,899,708 NMR(CDCl3,500MHz) δ:0.06-0.14(2H,m),0.50-0.55(2H,
m),0.81-0.90(1H,m)1.82-1.93(2H,m),2.22-2.30(2H,m),
2.31-2.43(4H,m),2.53(1H,dd,J=1.5,14.2Hz),2.75-2.91
(4H,m),3.15(1H,d,J=14.7Hz)6.64(1H,dd,J=2.4,7.3Hz),
6.88(1H,t,J=2.4Hz),6.98(1H, dd,J=1.5,8.3Hz),7.13(1
H,t,J=8.3Hz) Mass(EI):315(M+) 塩酸塩:m.p. 165-168 ℃ 元素分析:C1925NO3 ・HCl・0.6 H2 Oとして 計算値 C,62.92 H,7.56 N, 3.86 Cl,9.78 実測値 C,63.17 H,7.53 N, 3.78 Cl,9.42
【0081】2−アリル−4aα−(3−ヒドロキシフ
ェニル)−6−オキソ−8aβ−ヒドロキシ−1,2,
3,4,4a,5,6,7,8,8a−テトラヒドロイ
ソキノリン 18´ 同様にして、2−シクロプロピルメチル−4aα−(3
−ヒドロキシフェニル)−6,6−エチレンジオキシ−
8aβ−ヒドロキシ−1,2,3,4,4a,5,6,
7,8,8a−デカヒドロイソキノリン17のかわり
に、2−アリル−4aα−(3−ヒドロキシフェニル)
−6,6−エチレンジオキシ−8aβ−ヒドロキシ−
1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒ
ドロイソキノリン17´を用い、2−アリル−4aα−
(3−ヒドロキシフェニル)−6−オキソ−8aβ−ヒ
ドロキシ−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8
a−テトラヒドロイソキノリン18´が得られた。
【0082】Mass(EI):301(M+) 元素分析:C1823NO3 ・HCl・1.0 H2 Oとして 計算値 C,60.75 H,7.37 N, 3.93 Cl,9.96 実測値 C,60.62 H,7.23 N, 3.92 Cl,9.62
【0083】実施例3モルモット回腸摘出標本を用いるオピオイド活性試験 Hartley系の雄性モルモットを使用した。モルモ
ットを撲殺後、回腸を摘出し、栄養液で管空内を洗浄
し、縦走筋のみを剥離した。この縦走筋を37℃に保温
したKrebes−Henseleit溶液(NaCl 13
4.6mM; KCl 4.76mM; CaCl2 2.5mM; KH2PO4 1.18mM; NaH
CO3 8.33mM; MgSO4 2.49mM;Glucose 11.1mM ) を満た
し、5%二酸化炭素、95%酸素を通気したマグヌス管
に懸垂した。電気刺激はDPS−007型装置(ダイヤ
メディカルシステム(株))を用い、上下の輪型の白金
電極を介して、0.1Hz、5.0msで行なった。組
織収縮はIsomeric tranceducer
(FDピックアップTB−E12T型装置,日本光電工
業(株))を用いてポリグラフ(ミニポリグラフRM−
6100型装置,日本光電工業(株))上に記録した。
【0084】はじめに、電気刺激による標本の収縮を5
0%抑制する濃度まで被験薬を累積的に添加し、IC50
値を算出した。その後栄養液で十分に洗浄し、収縮反応
が安定した後に、μ拮抗薬であるナロキソンまたはκ拮
抗薬であるnorBNIを添加し、約20分後にもう一
度被験化合物を累積的に添加した。両者の効力差からK
e値を以下の計算式で算出した。
【0085】 Ke=[添加した拮抗薬濃度]/(IC50比−1) IC50比=拮抗薬存在時のIC50/拮抗薬非存在時のI
50 この結果、本発明の化合物はいずれもナルトレキソン使
用前後のIC50値には大きな差がなく、μ受容体を介す
るアゴニスト活性は非常に弱いことがわかった。すなわ
ち本発明化合物は、κ受容体に選択的なアゴニストであ
るといえる。
【0086】
【表1】 実施例4酢酸ライジング法による鎮痛活性試験 5週齢のddY系マウスを実験に用いた。0.6%の酢
酸水溶液を0.1ml/10g体重で腹腔内投与し、投
与後10分後から10分間に起きたライジング反応の回
数を指標に評価した。被験薬は酢酸投与の15分前に背
部皮下に投与した。この試験で、化合物はED50
1.9mg/Kgと強い鎮痛活性を示した。
【0087】
【発明の効果】本発明の化合物はモルヒネ様の重篤な副
作用を有さず、かつモルヒネ等と交差耐性を持たず、さ
らに強い鎮痛活性を持つκ−受容体アゴニストであり、
鎮痛薬として用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今村 芳文 神奈川県鎌倉市手広1111番地 東レ株式会 社基礎研究所内 (72)発明者 遠藤 孝 神奈川県鎌倉市手広1111番地 東レ株式会 社基礎研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [式中、R1 はシクロプロピルメチルまたはアリルを表
    し、R2 は水素またはヒドロキシを表し、一般式(I)
    は(+)体、(−)体、(±)体を含む]で表される4
    a−アリールデカヒドロイソキノリン誘導体またはその
    薬理学的に許容される酸付加塩。
  2. 【請求項2】請求項1記載の4a−アリールデカヒドロ
    イソキノリン誘導体またはその薬理学的に許容される酸
    付加塩を有効成分とする鎮痛剤。
JP3319110A 1991-12-03 1991-12-03 4a−アリールデカヒドロイソキノリン誘導体および鎮痛剤 Pending JPH05155857A (ja)

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JP3319110A JPH05155857A (ja) 1991-12-03 1991-12-03 4a−アリールデカヒドロイソキノリン誘導体および鎮痛剤

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