JP2009196933A - オキサビシクロ[2.2.2]オクタンを有するモルヒナン誘導体およびその医薬用途 - Google Patents

オキサビシクロ[2.2.2]オクタンを有するモルヒナン誘導体およびその医薬用途 Download PDF

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Abstract

【課題】オピオイドκ受容体に関連する様々な疾患、症状の予防または治療に有用な新規なモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩、および該化合物を有効成分として含有する医薬を提供すること。
【解決手段】17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-3,6α-ジヒドロキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-ベンジル)カルボキサミド・塩酸塩のような、特定の構造を有するモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩及びそれを有効成分として含む疼痛治療剤のような医薬を提供した。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なモルヒナン誘導体、および医薬としてのその使用、特にオピオイドκ受容体に関連する疾患もしくは症状、具体的には疼痛の治療または予防剤に関する
鎮痛薬として古くから用いられてきたモルヒネなどが結合する膜タンパクとして、三種(μ、δ、κ)のタイプのオピオイド受容体が同定された。オピオイド受容体は鎮痛作用を含む様々な薬理作用に関与していることが報告されており、その受容体のリガンド(アゴニスト、アンタゴニスト)は、様々な疾患、症状に対する治療薬として利用しうる。また、オピオイド受容体の各タイプに選択的に結合するリガンドを用いれば、他のタイプの受容体に起因する副作用が軽減される可能性があり、より有用な医薬となりうる。中でもオピオイドκ受容体リガンドは、モルヒネなどのμ受容体アゴニストの有する副作用(例えば薬物依存性、呼吸抑制など)のない医薬として期待されている。
ところで、モルヒナン骨格の6位と14位がメチレンオキシドによって架橋されたオキサビシクロ[2.2.2]オクタンを有するモルヒナン誘導体としては、下記の化合物が知られている。
(1)合成ターゲットとして開示されたオキサビシクロ[2.2.2]オクタンを有するモルヒナン化合物(非特許文献1)。
Figure 2009196933
(2)合成中間体として開示されたオキサビシクロ[2.2.2]オクタンを有するモルヒナン化合物(非特許文献1)。
Figure 2009196933
(3) 合成中間体として開示されたオキサビシクロ[2.2.2]オクタンを有するモルヒナン化合物(非特許文献2)。
Figure 2009196933
非特許文献1には、本願化合物と構造的に近似する化合物の構造が単なる合成ターゲットして開示されているが、実際の合成は未達であり、したがって、その薬理作用も十分実証されているとはいえない。さらに、本願になる化合物についてはなんら開示されていない。非特許文献1、2には、オキサビシクロ[2.2.2]オクタンを有する合成中間体が開示されているが、本願の特徴であるアミド側鎖を有するものは開示されていない。
なお、非特許文献1、2に記載の化合物が鎮痛作用を有する可能性は示唆されてはいるが、これも十分に実証されているとはいえない。
H. Nagase et.al., Organic Letters, (2006), 8(3), 523-526. H. Nagase et.al., Tetrahedron Letters, (2007), 48(14), 2547-2553.
本発明は、オピオイドκ受容体に関連する様々な疾患、症状の予防または治療に有用な新規なモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩、および該化合物を有効成分として含有する医薬を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため鋭意検討した結果、オキサビシクロ[2.2.2]オクタンを有するモルヒナン化合物の特定の位置に特定の置換基を有する化合物が、オピオイドκ受容体への結合性を有し、非特許文献1に記載の合成ターゲットと比較しても、予想外に強力な鎮痛活性を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、一般式(I)
Figure 2009196933
(I)
[式中R1は、水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数4から9のシクロアルキルアルキル、炭素数6から9のシクロアルケニルアルキル、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、炭素数3から7のアルケニル、フラニル、フラニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、チエニル、チエニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、ピリジル、またはピリジルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)を表し;
R2は、水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数3から7のアルケニルオキシ、炭素数7から13のアラルキルオキシ、または炭素数1から5のアルカノイルオキシを表し;
R3は、水素、または炭素数1から5のアルキルを表し;
R4は、水素、または炭素数1から5のアルキルを表し;
R5は、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、フラニル、フラニルアルキルもしくはアルケニル(アルキル部の炭素数は1から5、アルケニル部の炭素数は2から5)、チエニル、チエニルアルキルもしくはアルケニル(アルキル部の炭素数は1から5、アルケニル部の炭素数は2から5)、ピリジル、またはピリジルアルキルもしくはアルケニル(アルキル部の炭素数は1から5、アルケニル部の炭素数は2から5)を表し;
上記R1、R2及びR5の少なくともいずれかがアリール部分、ヘテロアリール部分及び/又はシクロアルキル部分を含む場合には、該アリール部分、ヘテロアリール部分及び/又はシクロアルキル部分のそれぞれは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のチオアルコキシ、及び炭素数1から5のアルカノイルオキシから成る群より選ばれる1以上の置換基R6で置換されていてもよく;
但し、R1がシクロプロピルメチル、R2がヒドロキシ、R3が水素、R4が水素を同時に表す場合には、R5はフェネチルではない]
で表されるモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩、および医薬としてのその使用、特にオピオイドκ受容体に関連する疾患もしくは症状、具体的には疼痛の治療または予防剤を提供する。
本発明により新規化合物が提供された。本発明の新規化合物は、医薬、特にオピオイドκ受容体に関連する様々な疾患もしくは症状、具体的には疼痛の治療または予防に有用である。
上記の通り、本発明は、前記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩、および当該化合物を有効成分として含有する医薬を提供する。一般式(I)には、(+)体、(−)体及び(±)体が含まれる。
一般式(I)の中でも
R1としては、炭素数1から5のアルキル、炭素数4から9のシクロアルキルアルキル、または炭素数7から13のアラルキルが好ましく、中でも炭素数4から9のシクロアルキルアルキル、特にシクロプロピルメチルが好ましい。
R2としては、水素、ヒドロキシ、または炭素数1から5のアルコキシが好ましく、中でもヒドロキシが好ましい。
R3としては、水素、メチルが好ましく、中でも水素が好ましい。
R4としては、水素、メチルが好ましく、中でも水素が好ましい。
R5としては、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、フラニルアルキルもしくはアルケニル(アルキル部の炭素数は1から5、アルケニル部の炭素数は2から5)が好ましく、中でも炭素数6から12のアリール、特にベンジルが好ましい。
特に、一般式(I)においてR1が炭素数4から9のシクロアルキルアルキル、中でもシクロプロピルメチルを表し、R2がヒドロキシを表し、R3が水素を表し、R4が水素を表し、R5が炭素数6から12のアリール、中でもベンジルを表すものが好ましい。
なお、上記R1、R2及びR5の少なくともいずれかがアリール部分、ヘテロアリール部分及び/又はシクロアルキル部分を含む場合には、該アリール部分、ヘテロアリール部分及び/又はシクロアルキル部分のそれぞれは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のチオアルコキシ、及び炭素数1から5のアルカノイルオキシから成る群より選ばれる1以上の置換基R6で置換されていてもよい。また、R1がシクロプロピルメチル、R2がヒドロキシ、R3が水素、R4が水素を同時に表す場合には、R5はフェネチルではない。
薬理学的に許容される酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、グルタル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩等の有機カルボン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、カンファ−スルホン酸塩等の有機スルホン酸塩等があげられ、中でも、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、カンファ−スルホン酸塩等が好ましく用いられるが、これらに限られるものではない。
本発明になる一般式(I)の具体例を表1に示す。ただし、本具体例は本発明を限定するものではない。
Figure 2009196933
(I)
Figure 2009196933
Figure 2009196933
また一般式(I)のうち、R1がシクロプロピルメチル、R2がヒドロキシ、R3 、R4が水素、R5がベンジルを同時に表す下記の化合物を、
Figure 2009196933
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-3,6α-ジヒドロキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α−(N-ベンジル)カルボキサミドと命名する。
一般式(I)で、一般式(Ia)、(Ib)で表されるモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩は、具体的にはスキーム1の方法によって製造することができる。
Figure 2009196933
スキーム1
すなわち、以下の工程による:
(a) J.Org.Chem. 4, 220 (1939), J.Org.Chem. 15, 1103 (1950)等に記載の方法などによって得られる一般式(II)[ただし、R1, R2は上記した一般式(I)における定義に同じ]にカルベンを反応させる。
(b) 一般式(III)[ただし、R1, R2は上記した一般式(I)における定義に同じ]を一般式(IV) [ただし、R4, R5は上記した一般式(I)における定義に同じである]と縮合し、アミド化する。
(c) 一般式(V)[ただし、R1, R2, R4, R5は上記した一般式(I)における定義に同じ]を環化条件に付し、オキサビシクロ[2.2.2]オクタンを構築して、一般式(Ia)の化合物を得る。
(d) 一般式(Ia)[ただし、R1, R2, R4, R5は上記した一般式(I)における定義に同じ]で表されるヒドロキシ化合物を、一般式(VI) [ただし、R3'は炭素数1から5のアルキルを表し、Xはハロゲン、ヒドロキシ、アシロキシなどの脱離基である] で表されるアルキル化剤を反応させてアルキル化して、一般式(Ib)の化合物を得る。
それぞれの工程は具体的には以下の方法によって行うことができる。
(a)のカルベン付加工程には、塩基の存在下、ハロゲン化酢酸エチルまたはジアゾ酢酸エチルなどが好ましく用いられ、特にハロゲン化酢酸エチルが好ましい。ハロゲン化酢酸エチルまたはジアゾ酢酸エチルは、一般式(II)に対して1〜10当量用いるのが好ましく、特に1〜7当量とするのが好ましい。用いる塩基は、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属水素化物、ナトリウムエトキシド、カリウム t-ブトキシドなどの金属アルコキシド、メチルリチウム、ブチルリチウム、LDAなどの有機リチウム反応剤が好ましく、特に水素化ナトリウムが好ましい。塩基は、一般式(II)に対して、1〜30当量、好ましくは1〜10当量が用いられる。反応溶媒としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒が好ましく用いられるが、THFが好ましく用いられる。反応温度としては-78℃〜50℃で行うことができ、-78℃〜30℃がより好ましい。反応時間としては、0.5〜30時間で実施可能であり、1から20時間がより好ましい。一般式(II)の濃度は特に限定しないが、通常、1 mmol/L〜1 mol/Lで実施可能である。
(b)のアミド化工程は、一般式(III)と一般式(IV)を溶媒中または無溶媒で反応させて行うことができる。一般式(IV)は一般式(II)に対して1〜30当量用いるのが好ましい。溶媒を用いる場合には、DMF、ジメチルアセトアミド、DMSOなどの非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、THF、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒を用いることができるが、中でもDMF、THFが好ましく用いられる。反応温度で液体となるアミンを用い、無溶媒で反応させることもできる。用いる塩基は、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属水素化物、ナトリウムエトキシド、カリウム t-ブトキシドなどの金属アルコキシド、メチルリチウム、ブチルリチウム、LDAなどの有機リチウム反応剤が好ましく、中でも水素化ナトリウム、ブチルリチウムが好ましい。塩基は、一般式(III)に対して、1〜30当量、好ましくは1〜10当量が用いられる。反応温度としては0℃〜200℃で行うことができ、50℃〜150℃がより好ましい。反応時間としては、0.5時間〜6日間で実施可能である。一般式(III)の濃度は特に限定しないが、通常、1 mmol/L〜1 mol/Lで実施可能である。
(c)の環化工程は、一般式(V)に対し塩基の存在下、溶媒中で行うことができる。用いる塩基は、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属水素化物、ナトリウムエトキシド、カリウム t-ブトキシドなどの金属アルコキシド、メチルリチウム、ブチルリチウム、LDAなどの有機リチウム反応剤が好ましく、特に水素化ナトリウムが好ましい。塩基は、一般式(V)に対して、1〜30当量、好ましくは1〜10当量が用いられる。反応溶媒としては、DMSO、DMFなどの非プロトン性極性溶媒、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒が好ましく用いられるが、DMF 、THFが好ましく用いられる。反応温度としては20℃〜150℃で行うことができ、20℃〜80℃がより好ましい。反応時間としては、0.5〜30時間で実施可能であり、1から20時間がより好ましい。一般式(V)の濃度は特に限定しないが、通常、1 mmol/L〜1 mol/Lで実施可能である。
(d)のアルキル化工程は、一般式(Ia)に対し、塩基の共存下、アルキル化剤を反応させて行うことができる。アルキル化剤は一般式(Ia)に対して0.5〜50当量を用いることが可能であるが、1〜20当量を用いることが好ましく、中でも1〜10当量で良好な結果が得られる。塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属水素化物、ナトリウムエトキシド、カリウム t-ブトキシドなどの金属アルコキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、塩基は、一般式(Ia)に対して、1〜30当量、好ましくは1〜10当量が用いられる。溶媒としては、DMF、ジメチルアセトアミド、DMSOなどの非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、THF、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒を用いることができるが、中でもDMF、THFが好ましく用いられる。反応温度は通常-20〜200 ℃,好ましくは20〜100 ℃で満足すべき結果が得られる。反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常、30分〜100時間程度で満足すべき結果が得られる。また反応系中の一般式(Ia)の濃度は、特に限定されるものではないが、通常、1 mmol/L〜1 mol/Lが好ましい。
また、一般式(Ia)[ただし、R1, R2, R4, R5は上記した一般式(I)における定義に同じ]は、一般式(III)[ただし、R1, R2は上記した一般式(I)における定義に同じ]から一般式(V) [ただし、R1, R2, R4, R5は上記した一般式(I)における定義に同じ]で表されるエポキシアミド化合物を経由することなくスキーム2に示す方法により製造することもできる。
Figure 2009196933
スキーム2
具体的には、一般式(III)と一般式(IV)を溶媒中または無溶媒で反応させて行うことができる。一般式(IV)は一般式(III)に対して1〜30当量用いるのが好ましい。溶媒としては、DMF、ジメチルアセトアミド、DMSOなどの非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、THF、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒を用いることができるが、中でもDMF、THFが好ましく用いられる。用いる塩基は、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属水素化物、ナトリウムエトキシド、カリウム t-ブトキシドなどの金属アルコキシド、メチルリチウム、ブチルリチウム、LDAなどの有機リチウム反応剤が好ましく、中でも水素化ナトリウム、ブチルリチウムが好ましい。塩基は一般式(III)に対して、1〜30当量、好ましくは1〜10当量を用いることができる。反応温度としては-78℃〜200℃、好ましくは-78℃〜100℃で行うことができる。反応時間としては、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常、10分間〜6日間、好ましくは10分間〜3時間で実施可能である。一般式(III)の濃度は特に限定しないが、通常、1 mmol/L〜1 mol/Lで実施可能である。
一般式(I)のうちR2がヒドロキシである一般式(Id)[ただし、R1, R3, R4, R5は上記した一般式(I)における定義に同じ]を合成する際、フェノール部分を保護する目的でR2がメトキシである一般式(Ic) [ただし、R1, R3, R4, R5は上記した一般式(I)における定義に同じ]を経由することができる。その際の脱保護は、下記スキーム3に示すように、フェノール性メチルエーテルの一般的な脱メチル化反応、具体的には、(1)三臭化ホウ素を用いる方法、または(2)塩基性条件下アルキルチオールを用いる方法のいずれかで行うことができる。
Figure 2009196933
スキーム3
(1)の方法では、用いる三臭化ホウ素は一般式(Ic)に対して、1〜20当量が好ましく、好ましくは1〜9当量が用いられる。溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒を用いることができるが、中でもジクロロメタンが好ましく用いられる。反応温度としては-78℃〜50℃、好ましくは-78℃〜30℃で行うことができる。反応時間としては、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常、0.5時間〜24時間で実施可能である。一般式(Ic)の濃度は特に限定しないが、通常、1 mmol/L〜1 mol/Lで実施可能である。
(2)の方法で用いるアルキルチオールとしてはエタンチオール、プロパンチオール、ブタンチオールなどが好ましく、中でもプロパンチオールが好ましく用いられる。使用するアルキルチオールの量は一般式(Ic)に対して、1〜50当量が好ましく、好ましくは5〜30当量が用いられる。用いる塩基は、カリウム t-ブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどが好ましく、特に水素化ナトリウムが好ましい。使用する塩基の量は一般式(Ic)に対して、1〜50当量が好ましく、好ましくは5〜30当量が用いられる。溶媒としては、DMF、ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶媒、THF、DMEなどのエーテル系溶媒を用いることができるが、中でも非プロトン性極性溶媒であるDMFが好ましく用いられる。反応温度としては50〜200 ℃で行うことができ、80〜150 ℃がより好ましい。反応時間としては、1時間から48時間で実施可能であり、1から20時間がより好ましい。一般式(Ic)の濃度は特に限定しないが、通常、1 mmol/L〜1 mol/Lで実施可能である。
一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩がオピオイドκ受容体に結合し、オピオイドκ受容体に関連する疾患の治療または予防薬として有用なことは、例えば、実施例に記載したモルモット脳ホモジネートを用いた受容体結合アッセイ法によって、また、当該化合物が疼痛の治療に用いうることは、実施例に記載した酢酸ライジング試験によって確認することができる。
本発明になる医薬を臨床で使用する際には、薬剤はフリーの塩基またはその塩自体でもよく、また賦形剤、安定化剤、保存剤、緩衝剤、溶解補助剤、乳化剤、希釈剤、等張化剤などの添加剤が適宜混合されていてもよい。また、当該薬剤は、これらの薬剤用担体を適宜用いて通常の方法によって製造することができる。投与形態としては、錠剤・カプセル剤・顆粒剤・散剤・シロップ剤などによる経口剤、注射剤・座剤・液剤などによる非経口剤、あるいは軟膏剤・クリーム剤・貼付剤などによる局所投与等を挙げることができる。
本発明になる医薬は上記有効成分を0.00001〜90重量%、より好ましくは0.0001〜70重量%含有することが望ましい。その使用量は症状、年齢、体重、投与方法等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、成人に対する1日の有効成分量としては、注射剤の場合0.1μg〜1g、経口剤の場合1μg〜10gであり、それぞれ1回または数回に分けて投与することができる。
本発明になる医薬は、オピオイドκ受容体に関連する種々の疾患又は症状の予防又は治療に用いることができる。ここで、「オピオイドκ受容体に関連する疾患又は症状」とは、オピオイドκ受容体へのリガンドの結合が症状の発現に関与している疾患又は症状のことを言う。より具体的には、オピオイドκ受容体へのリガンドの結合により症状の発現が促進される疾患等、又は該結合により症状の発現が抑制される疾患等を言う。下記実施例に記載するとおり、本発明の化合物は、オピオイドκ受容体に対し選択的な結合性を有する。従って、例えば、オピオイドκ受容体へのリガンドの結合によって症状の発現が促進される疾患の場合、本発明の医薬を患者に投与すれば、患者体内で該リガンドと本発明の化合物とが競合することにより、本発明の化合物が受容体−リガンドの結合に拮抗的に作用することになるため、結果として疾患の症状を改善し得る。この場合には、本発明の化合物はアンタゴニストとして作用する。また、例えば、オピオイドκ受容体へのリガンドの結合により症状の発現が抑制される疾患の場合、本発明の医薬を患者に投与すれば、患者体内で本発明の化合物がオピオイドκ受容体に結合するので、それにより症状を緩和し得る。この場合、本発明の化合物はアゴニストとして作用する。そのようなオピオイドκ受容体に関連する疾患又は症状としては、特に限定されないが、例えば疼痛、咳嗽、掻痒、虚血性脳疾患、薬物依存などの他、WO 05/015242にオピオイドκ受容体に関連する疾患として記載されたものなど、すなわち、心血管系障害、消化器系疾患、肝疾患、血液系疾患、呼吸器系疾患、神経系障害、泌尿器系障害を挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。これらはあくまでも例示のためにあげたものであり、いかなる意味においても限定的に捉えられるべきものではない。
参考例1
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-14-ヒドロキシ-3-メトキシ-スピロ[モルヒナン-6,2'α-オキシラン]3'α-カルボン酸エチル(1)、17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ14-ヒドロキシ-3-メトキシ-スピロ[モルヒナン-6,2'α-オキシラン]3'β-カルボン酸エチル(2)の合成
Figure 2009196933
1 2
水素化ナトリウム (18.0 g) をTHF (200 mL) に懸濁し、-78 ℃に冷却した後、窒素気流下、クロロ酢酸エチル (60.0 mL)を加えた。ここにナルトレキソン3-メチルエーテル(40.4 g)のTHF (200 mL)溶液を加えた。アルゴン雰囲気下室温に戻して攪拌した。14時間後、反応液を氷水にあけ、2N塩酸を酸性になるまで加えた後、ジエチルエーテルで二回洗浄した。水層を12N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH=9とし,クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて飽和食塩水で1回洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、表題の化合物の粗生成物を橙色アモルファスとして得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アンモニア飽和クロロホルム/トルエン 60/1〜100/0)により精製し、ジアステレオマーを分離した後、メタノールを用いて再結晶し、表題化合物1(28.7 g, 57.1%)、2(21.0 g, 42.0%,)を透明針状結晶として得た。
化合物1
IR (neat): 3377, 1748 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.08-0.19 (2H, m), 0.48-0.58 (2H, m), 0.73-0.91 (1H, m), 1.27 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.47-1.72 (4H, m), 2.14 (1H, dt, J = 12.0, 3.5 Hz), 2.22-2.37 (4H, m), 2.58-2.68 (2H, m), 3.04 (1H, d, J = 19.0 Hz), 3.10 (1H, d, J = 6.0 Hz), 3.63 (1H, s), 3.85 (3H, s), 4.22 (2H, q, J = 7.0 Hz), 4.75 (1H, s), 5.13 (1H, br, s), 6.59 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.69 (1H, d, J = 8.0 Hz)
MS (FAB):m/z = 442 [M+H]
HRMS (FAB) Calcd for C25H32NO6 [M+H]+: 442.2224 ; Found 442.2212
mp 124-126 ℃
Anal. Calcd for C25H31NO6:C, 68.01;H, 7.08;N, 3.17 .;Found:C, 67.82;H, 7.04;N, 3.24 .
化合物2
IR (neat):3378, 1745 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.10-0.15 (2H, m), 0.50-0.56 (2H, m), 0.77-0.90 (1H, m), 1.36 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.49-1.72 (3H, m), 1.93-2.03 (2H, m), 2.17 (2H, d, J = 8.0 Hz) , 2.36 (2H, d, J = 6.5 Hz) , 2.57-2.65 (2H, m), 3.05 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.11 (1H, d, J = 6.0 Hz), 3.31 (1H, s), 3.87 (3H, s), 4.23-4.40 (2H, m), 4.75 (1H, s), 5.00 (1H, br, s), 6.59 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.72 (1H, d, J = 8.0 Hz)
MS (FAB) m/z = 442 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C25H32NO6 [M+H]+ : 442.2224 ; Found 442.2239
mp 123 ℃
Anal. Calcd for C25H31NO6 : C,68.01 ; H, 7.08 ; N, 3.17. Found: C,67.82 ; H, 6.92 ; N, 3.37.
参考例2
N-フェネチル-17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-14-ヒドロキシ-3-メトキシ-スピロ[モルヒナン-6,2'α-オキシラン]3'α-カルボキサミド (3)の合成
Figure 2009196933
3
参考例1で得られた化合物1(2.00 g, 4.56 mmol) をTHF(2.0 mL) に溶解し、フェネチルアミン(4.0 mL, 31.7 mmol) を加えて50 ℃に加熱し攪拌した。26時間後、70 ℃に昇温し攪拌した。21時間後、反応液を濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/3) により精製し、表題化合物3(1.68 g, 72%) を淡黄色アモルファスとして得た。
IR (neat) : 3410, 1666 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.06-0.22 (2H, m), 0.44-0.64 (2H, m), 0.85 (1H, m), 1.01 (1H, ddd, J = 3.0, 3.3, 14.7 Hz), 1.38-1.58 (3H, m), 2.04-2.43 (5H, m), 2.54-2.86 (4H, m), 3.04 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.15 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.44 (1H, m), 3.54-3.70 (2H, m), 3.85 (3H, s), 4.71 (1H, s), 6.05 (1H, m), 6.62 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.73 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.06-7.30 (5H, m), OH not observed
MS (FAB) m/z = 517 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C31H37N2O5 [M+H]+: 517.2697; Found 517.2680
実施例1
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-6α-ヒドロキシ-3-メトキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-フェネチル)カルボキサミド (4)の合成
Figure 2009196933
4
水素化ナトリウム(500 mg, 10.4 mmol) をdryヘキサンで洗浄し、DMF(10 mL) に懸濁して得られた反応液に、参考例2で得られた化合物3(1.18 g, 2.28 mmol) のDMF(20 mL) 溶液を加えて60 ℃に加熱して攪拌した。1時間後、反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ、ジエチルエーテルで3回抽出した。ジエチルエーテル層を合せて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/3) により精製し、その後メタノールから再結晶し、無色の結晶として表題化合物4(567 mg, 48%) を得た。
mp 181-183 ℃
IR (neat) : 3401, 1650 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.08-0.22 (2H, m), 0.46-0.71 (2H, m), 0.73-0.95 (2H, m), 1.06 (1H, m), 1.25 (1H, m), 1.65 (1H, m), 1.82 (1H, m), 2.09 (1H, dd, J = 8.4, 12.9 Hz), 2.19 (1H, dt, J = 5.4, 12.9 Hz), 2.27 (1H, dd, J = 6.9, 18.3 Hz), 2.39 (1H, dt, J = 3.6, 12.0 Hz), 2.68 (1H, dd, J = 4.8, 12.0 Hz), 2.73-2.96 (3H, m), 3.18 (1H, d, J = 18.3 Hz), 3.42 (1H, d, J = 6.9 Hz), 3.47 (1H, m), 3.78 (1H, m), 3.88 (3H, m), 4.16 (1H, d, J = 2.4 Hz), 4.48 (1H, d, J = 1.8 Hz), 5.43 (1H, s), 6.53 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.71 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.12-7.33 (6H, m)
MS (FAB) m/z = 517 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C31H37N2O5 [M+H]+: 517.2697; Found 517.2704
参考例3
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-3,6αジヒドロキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-フェネチル)カルボキサミド ・塩酸塩(5)の合成
Figure 2009196933
実施例1で得られた化合物4(120 mg, 0.232 mmol) をジクロロメタン(4.0 mL) に溶解し、氷冷下、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1.00 mol/L, 1.00 mL, 1.00 mmol) を加えて室温で40分間攪拌した。反応液を冷却し6%アンモニア水溶液(4.0 mL) を加え、室温にして激しく撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出し、クロロホルム層をあわせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/3) により精製し、無色のアモルファスとして表題化合物5のフリー塩基(114 mg, 99%) を得た。
得られたフリー塩基(100 mg, 0.199 mmol) を少量のメタノールに溶かし、塩酸-メタノールを加えて濃縮後、トルエン共沸した。残渣にジエチルエーテルを加えて得られた塩酸塩を濾取して加熱乾燥し、表題化合物 5(72.9 mg, 68%) を淡黄色粉末として得た。
IR (neat(フリー塩基)) : 3397, 1645 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3(フリー塩基)) : δ 0.10-0.22 (2H, m), 0.47-0.68 (2H, m), 0.72-0.96 (2H, m), 1.07 (1H, m), 1.25 (1H, m), 1.61 (1H, m), 1.84 (1H, m), 2.06-2.48 (4H, m), 2.66-2.96 (4H, m), 3.18 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.38-3.53 (2H, m), 3.79 (1H, dt, J = 6.9, 12.6 Hz), 4.16 (1H, d, J = 2.4 Hz), 4.51 (1H, d, J = 1.5 Hz), 5.30 (1H, s), 5.61 (1H, br, s), 6.51 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.73 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.13-7.38 (6H, m)
MS (FAB(フリー塩基)) m/z = 503 [M+H]+
HRMS (FAB(フリー塩基)) Calcd for C30H35N2O5 [M+H]+: 503.2540; Found 503.2541
mp 250-255 ℃ (dec(塩酸塩))
Anal. Calcd for C30H34N2O5・ HCl・ 0.33H2O : C, 66.11; H, 6.60; N, 5.14. Found: C, 66.07; H, 6.52; N, 5.16.
実施例2
17-(シクロプロピルメチル)-4,5αエポキシ-3,6α-ジメトキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-メチル-N-フェネチル)カルボキサミド (6)の合成
Figure 2009196933
6
実施例1で得られた化合物4(326 mg, 0.631 mmol) をDMF(3.0 mL) に溶解し、水素化ナトリウム(138 mg, 3.16 mmol)及びヨウ化メチル(100 μL, 1.62 mmol) を加えて、室温で攪拌した。6時間後、飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ2N 塩酸を加えて酸性とし酢酸エチルで3回洗浄した。塩酸層を4N 水酸化ナトリウム水溶液でpH=9とし、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層をあわせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/3)及び分取TLC(1.0 mm, アンモニア飽和クロロホルム) により精製し、表題化合物6(103 mg, 30%) を淡黄色オイルとして得た。
IR (neat) : 1650 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.02-0.15 (2H, m), 0.42-0.61 (2H, m), 0.80-0.98 (2H, m), 1.68-2.45 (8H, m), 2.60-3.34 (7H, m), 3.17 (1H, d, J = 18.3 Hz), 3.39 (2H, s), 3.42 (1H, s), 3.42-3.72 (3H, m), 3.88 (3H, s), 4.50 (0.3H, d, J = 1.8 Hz), 4.55 (0.7H, d, J = 1.8 Hz), 4.67 (0.3H, d, J = 0.6 Hz), 4.72 (0.7H, d, J = 0.6 Hz), 6.56 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.72 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.14-7.37 (5H, m)
MS (FAB) m/z = 545 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C33H41N2O5 [M+H]+: 545.3010; Found 545.3014
実施例3
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-3-ヒドロキシ-6α-メトキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-メチルN-フェネチル)カルボキサミド ・塩酸塩(7)の合成
Figure 2009196933
実施例2で得られた化合物6(103 mg, 0.190 mmol) をDMF(9.5 mL) に溶解し、カリウムtert-ブトキシド(275 mg, 2.27 mmol) を加えて懸濁し、1-プロパンチオール(0.40 mL, 4.4 mmol) を加えて150℃で15.5時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣に2M HCl水溶液、炭酸水素ナトリウムを加えてpH=9としてクロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層をあわせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣をトルエン共沸して得た粗生成物を分取TLC(0.5 mm, アンモニア飽和クロロホルム/メタノール 100/2) により精製し、褐色のオイルとして表題化合物7のフリー塩基(32.8 mg, 33%) を得た。
得られたフリー塩基(32.8 mg, 0.062 mmol) を少量のメタノールに溶かし、塩酸-メタノールを加えて濃縮後、トルエン共沸し、加熱乾燥して表題化合物7 (28.9 mg, 82%) を褐色粉末として得た。
IR (neat(フリー塩基)) : 1644 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3(フリー塩基)) : δ 0.01-0.13 (2H, m), 0.40-0.58 (2H, m), 0.82-0.96 (2H, m), 1.64-2.46 (8H, m), 2.58-3.23 (7H, m), 3.14 (1H, d, J = 18.6 Hz), 3.35 (2H, s), 3.37 (1H, s), 3.44-3.68 (3H, m), 4.49 (0.3H, d, J = 1.8 Hz), 4.54 (0.7H, d, J = 1.8 Hz), 4.63 (0.3H, d, J = 0.9 Hz), 4.69 (0.7H, d, J = 0.9 Hz), 6.49 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.74 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.13-7.38 (5H, m), OH not observed
MS (FAB(フリー塩基)) m/z = 531 [M+H]+
HRMS (FAB(フリー塩基)) Calcd for C32H39N2O5 [M+H]+: 531.2853; Found 531.2846
mp 185-185 ℃ (dec(塩酸塩))
Anal. Calcd for C32H38N2O5・ HCl・ 0.67H2O : C, 66.37; H, 7.02; N, 4.84. Found: C, 66.43; H, 6.90; N, 4.94.
実施例4
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-6α-ヒドロキシ-3-メトキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7β-(N-フェニル)カルボキサミド (8)の合成
Figure 2009196933
8
水素化ナトリウム(260 mg, 5.42 mmol) をTHF(3.5 mL) に懸濁し、アニリン(0.54 mL, 6.05 mmol) を加えて還流した。10分後、反応液に参考例1で得られた化合物2(700 mg, 1.59 mmol) のTHF(2.0 mL) 溶液を加えて加熱還流した。10分後反応液を2N 塩酸にあけ、ジエチルエーテルで3回洗浄した。塩酸層を4N 水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH=9としてクロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/3) により精製して、その後ジエチルエーテルから再結晶して、表題化合物8(623 mg, 80%) を無色の結晶として得た。
mp 95-97 ℃
IR (neat) : 3337, 1655 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.16-0.25 (2H, m), 0.53-0.65 (2H, m), 0.88-1.12 (2H, m), 1.48-1.88 (4H, m), 2.23 (1H, dt, J = 5.7, 12.6 Hz), 2.33-2.52 (4H, m), 2.79 (1H, dd, J = 5.4, 12.0 Hz), 3.22 (1H, d, J = 18.6 Hz), 3.38 (1H, d, J = 6.6 Hz), 3.88 (3H, s), 4.43 (1H, s), 4.56 (1H, d, J = 1.5 Hz), 5.57 (1H, s), 6.56 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.72 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.18 (1H, m), 7.33-7.43 (2H, m), 7.58-7.68 (2H, m), 9.77 (1H, br, s)
MS (FAB) m/z = 489 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C29H33N2O5 [M+H]+: 489.2384; Found 489.2382
Anal. Calcd for C29H32N2O5・ 0.3H2O : C, 70.51; H, 6.65; N, 5.67. Found: C, 70.39; H, 6.53; N, 5.81.
実施例5
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-3,6α-ジヒドロキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7β-(N-フェニル)カルボキサミド・塩酸塩(9)の合成
Figure 2009196933
実施例4で得られた化合物8(100 mg, 0.180 mmol)をジクロロメタン(2.0 mL) に溶解し、氷冷下、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1.00 mol/L, 0.25 mL, 0.25 mmol) を加えて0 ℃で1時間、室温で50分撹拌した。原料が残っていたので反応液に三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1.00 mol/L, 0.20 mL, 0.20 mmol) を追加し、室温で1時間攪拌した。さらに三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1.00 mol/L, 1.00 mL, 1.00 mmol) を追加して1時間室温で攪拌した。反応液を冷却し、6%アンモニア水溶液(2.0 mL)を加え、室温にして激しく撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出し、クロロホルム層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物を分取TLC(0.5 mm, アンモニア飽和クロロホルム/メタノール 100/3) により精製し、淡黄色固体として表題化合物9のフリー塩基(38 mg, 39%)を得た。
得られたフリー塩基(38 mg, 0.080 mmol) を少量のメタノールに溶かし、塩酸-メタノールを加えて濃縮後、トルエン共沸し、加熱乾燥して表題化合物9(33.7 mg, 82%) を褐色粉末として得た。
IR (neat(フリー塩基)) : 1656 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3(フリー塩基)) : δ 0.14-0.28 (2H, m), 0.52-0.66 (2H, m), 0.88-1.15 (2H, m), 1.46-1.85 (4H, m), 2.27 (1H, dt, J = 5.4, 12.6 Hz), 2.34-2.55 (4H, m), 2.87 (1H, dd, J = 4.5, 12.0 Hz), 3.22 (1H, d, J = 18.3 Hz), 3.43 (1H, d, J = 6.6 Hz), 4.44 (1H, s), 4.59 (1H, d, J = 0.6 Hz), 5.84 (1H, s), 6.53 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.72 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.19 (1H, m), 7.32-7.43 (2H, m), 7.58-7.68 (2H, m), 9.93 (1H, br, s), OH not observed
MS (FAB(フリー塩基)) m/z = 475 [M+H]+
HRMS (FAB(フリー塩基)) Calcd for C28H31N2O5 [M+H]+: 475.2227; Found 475.2222
mp 215-220 ℃ (dec(塩酸塩))
Anal. Calcd for C28H30N2O5・ HCl・ 1.25H2O : C, 63.03; H, 6.33; N, 5.25. Found: C, 63.09; H, 6.35; N, 5.20.
実施例6
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-6α-ヒドロキシ-3-メトキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-フェニル)カルボキサミド (10)の合成
Figure 2009196933
10
アニリン(650 mg, 7.26 mmol) をTHF(20 mL) に溶解し、-78℃に冷却した後、n-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(1.60 mol/L, 3.50 mL, 5.10 mmol) を加え、室温で攪拌した。30分後、反応液に参考例1で得られた化合物1(1.00 g, 2.26 mmol) のTHF(5.0 mL)溶液を加え、加熱還流した。10分後、反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/5) により精製して、表題化合物10(663 mg, 60%) を無色のアモルファスとして得た。
IR (KBr) : 3374, 1657 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.08-0.22 (2H, m), 0.48-0.72 (2H, m), 0.88-1.09 (2H, m), 1.42-1.61 (2H, m), 1.68-1.93 (2H, m), 2.18 (1H, dd, J = 8.1, 12.3Hz), 2.22-2.40 (2H, m), 2.45 (1H, dt, J = 3.6, 12.3 Hz), 2.68-2.85 (2H, m), 3.24 (1H, d, J = 18.3 Hz), 3.65 (1H, d, J = 6.9), 3.88 (3H, s), 4.33 (1H, d, J = 2.1 Hz), 4.56 (1H, d, J = 1.2 Hz), 5.31 (1H, br, s), 6.55 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.72 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.15 (1H, m), 7.28-7.38 (2H, m), 7.46-7.59 (2H, m), 8.99 (1H, br, s)
MS (FAB) m/z = 489 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C29H33N2O5 [M+H]+: 489.2389; Found 489.2379
実施例7
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-3,6α-ジヒドロキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-フェニルカルボキサミド・塩酸塩(11)の合成
Figure 2009196933
実施例6で得られた化合物10(279 mg, 0.570 mmol) をジクロロメタン(5.0 mL) に溶解し、氷冷下、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1.00 mol/L, 4.00 mL, 4.00 mmol) を加え、室温にした後撹拌した。2時間後、反応液を再び冷却し6%アンモニア水溶液(5.0 mL) を加え、室温にした後、激しく撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出し、クロロホルム層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アンモニア飽和クロロホルム) により精製し、表題化合物11のフリー塩基(194 mg, 72%) を無色固体として得た。
得られたフリー塩基11 (194 mg, 0.409 mmol) を少量のメタノールに溶かし、塩酸-メタノールを加えて濃縮後、トルエン共沸した。残渣にジエチルエーテルを加えて得られた塩酸塩を濾取して加熱乾燥し、表題化合物11 (29.4 mg, 77%) を白色粉末として得た。
IR (neat(フリー塩基)) : 3369, 1665 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3(フリー塩基)) : δ 0.08-0.23 (2H, m), 0.48-0.67 (2H, m), 0.78-1.07 (2H, m), 1.43-1.64 (2H, m), 1.66-1.92 (2H, m), 2.19-2.52 (4H, m), 2.67-2.89 (2H, m), 3.24 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.64 (1H, d, J = 6.3 Hz), 4.34 (1H, d, J = 2.4 Hz), 4.58 (1H, d, J = 1.0 Hz), 5.55 (1H, br, s), 6.53 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.74 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.17 (1H, m), 7.30-7.40 (2H, m), 7.46-7.59 (2H, m), 9.04 (1H, br, s), OH not observed
MS (FAB(フリー塩基)) m/z = 475 [M+H]+
HRMS (FAB(フリー塩基)) Calcd for C28H31N2O5 [M+H]+: 475.2227; Found 475.2229
mp 220-223 ℃ (dec(塩酸塩))
Anal. Calcd for C30H30N2O5・ HCl・ 0.25H2O : C, 65.24; H, 6.16; N, 5.43. Found: C, 65.10; H, 6.32; N, 5.28.
参考例4
N-フェネチル-3-アセトキシ-17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-14-ヒドロキシ-スピロ[モルヒナン-6,2'α-オキシラン]3'α-カルボキサミド (12)の合成
Figure 2009196933
12
参考例1で得られた化合物2(1.36 g, 3.08 mmol) をDMF(2.0 mL) に溶解し、フェネチルアミン(7.0 mL, 55.5 mmol) を加えて100 ℃に加熱して攪拌した。35時間後、反応液を0 ℃に冷却して無水酢酸(10 mL, 106mmol) を加え室温で攪拌した。2.5時間後、反応液に2N 塩酸を加えて酸性とし、ジエチルエーテルで3回洗浄した。ジエチルエーテル層を合せて2N 塩酸で抽出し、塩酸層を合せて12N 水酸化ナトリウム水溶液でpH=9としてクロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合せて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。フェネチルアミンが残存していたので、残渣に無水酢酸(40 mL, 424 mmol) 、ピリジン(15 mL, 185 mmol) を加えて室温で攪拌した。18.5時間後、反応液を濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加え2N 塩酸で3回抽出した。塩酸層を合せてジエチルエーテルで洗浄し、塩酸層を12N 水酸化ナトリウム水溶液でpH=9として、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を合せて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/5) により精製し、表題化合物12(910 mg, 53%) を黄色油状物として得た。
IR (neat) : 1730, 1673 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.01-0.13 (2H, m), 0.38-0.55 (2H, m), 0.76 (1H, m), 1.17 (1H, m), 1.38-1.57 (2H, m), 1.98-2.45 (8H, m), 2.46-2.60 (2H, m), 2.71 (1H, dd, J =4.2, 11.4 Hz), 2.84-2.97 (2H, m), 3.08 (1H, d, J = 18.3 Hz), 3.22 (1H, s), 3.45-3.73 (2H, m), 3.78 (3H, s), 4.45 (1H, d, J = 5.4 Hz), 4.64 (1H, s), 6.65 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.74 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.86 (1H, m), 7.14-7.33 (5H, m)
MS (FAB) m/z = 558 [M]+
HRMS (FAB) Calcd for C33H38N2O6 [M]+: 558.2730; Found 558.2735
実施例8
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-6α-ヒドロキシ-3-メトキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7β-(N-フェネチル)カルボキサミド(13)の合成
Figure 2009196933
13
参考例4で得られた化合物12(880 mg, 1.58 mmol) をDMF(10 mL) に溶解し、水素化ナトリウム(500 mg, 10.4 mmol) を加え室温で攪拌した。4.5時間後、飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合せて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。その後、真空ポンプでDMFを留去し、残渣をトルエン共沸した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/5)及び分取TLC(0.5 mm, アンモニア飽和クロロホルム/メタノール 100/1) により精製し、表題化合物13(293 mg, 36%) を無色のアモルファスとして得た。
IR (neat) : 1642 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.08-0.22 (2H, m), 0.45-0.65 (2H, m), 0.82 (1H, m), 1.01 (1H, m), 1.36-1.52 (2H, m), 1.53-1.80 (2H, m), 1.99 (1H, dt, J =5.7, 12.6 Hz), 2.13-2.41 (3H, m), 2.41-2.54 (2H, m), 2.84-3.01 (2H, m), 3.14 (1H, d, J = 18.3 Hz), 3.40 (1H, d, J = 6.6 Hz), 3.59 (1H, m), 3.74 (1H, m), 3.87 (3H, s), 4.26 (1H, s), 4.39 (1H, d, J = 1.5 Hz), 6.07 (1H, s), 6.52 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.70 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.15-7.34 (5H, m), 8.53 (1H, m)
MS (FAB) m/z = 517 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C31H37N2O5 [M+H]+: 517.2697; Found 517.2698
参考例5
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-3,6αジヒドロキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7β-(N-フェネチル)カルボキサミド・塩酸塩(14)の合成
Figure 2009196933
実施例6で得られた化合物13(92.8 mg, 0.180 mmol) をジクロロメタン(2.0 mL) に溶解し、氷冷下、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1.00 mol/L, 1.00 mL, 1.00 mmol) を加え、室温にした後撹拌した。1.5時間後、反応液を再び冷却し6%アンモニア水溶液(2.0 mL)を加え、室温にし、激しく撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出し、クロロホルム層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物を分取TLC(0.5 mm, アンモニア飽和クロロホルム/メタノール 100/3) 及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/3)により精製し、淡黄色固体として表題化合物14のフリー塩基(65.2 mg, 72%)を得た。
得られたフリー塩基(65.2 mg, 0.130 mmol) を少量のメタノールに溶かし、塩酸-メタノールを加えて濃縮後、トルエン共沸した。残渣にジエチルエーテルを加えて得られた塩酸塩を濾取して加熱乾燥し、表題化合物14 (48.6 mg, 69%) を白色粉末として得た。
IR (neat(フリー塩基)) : 1666m-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3(フリー塩基)) : δ 0.04-0.09 (2H, m), 0.43-0.61 (2H, m), 0.85 (1H, m), 1.03 (1H, m), 1.34-1.54 (2H, m), 1.54-1.76 (2H, m), 2.09 (1H, dt, J = 4.8, 12.9 Hz), 2.21-2.52 (4H, m), 2.73-2.98 (3H, m), 3.19 (1H, d, J = 18.3 Hz), 3.46-3.80 (3H, m), 4.25 (1H, s), 4.39 (1H, d, J = 0.6 Hz), 6.18 (1H, s), 6.52 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.72 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.13-7.32 (5H, m), 8.85 (1H, m), OH not observed
MS (FAB(フリー塩基)) m/z = 503 [M+H]+
HRMS (FAB(フリー塩基)) Calcd for C30H35N2O5 [M+H]+: 503.2540; Found 503.2558
mp 195-200 ℃ (dec(塩酸塩))
Anal. Calcd for C30H34N2O5・ HCl・ 0.5H2O : C, 65.74; H, 6.62; N, 5.11. Found: C, 65.71; H, 6.52; N, 5.18.
参考例6
N-ベンジル-17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-14-ヒドロキシ-3-メトキシ-スピロ[モルヒナン-6,2'α-オキシラン]3'α-カルボキサミド (15)の合成
Figure 2009196933
15
参考例1で得られた化合物1(0.865 g, 1.92 mmol) をベンジルアミン(5.0 mL, 46.7 mmol) に溶解し、50 ℃に加熱して攪拌した。6日後、反応液を室温に戻し、クロロホルム(10 ml)を加え、さらに無水安息香酸(15 g, 66.3 mmol) を加えて攪拌した。3時間後、反応液を濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加えて1N 塩酸で3回抽出した。塩酸層を合わせてジエチルエーテルで洗浄し、12N 水酸化ナトリウム水溶液でpH=9としてクロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/3)により精製し、表題化合物15 (965 mg, 100%) を無色のアモルファスとして得た。
IR (neat) : 3407, 1666 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.05-0.22 (2H, m), 0.43-0.62 (2H, m), 0.83 (1H, m), 1.26 (1H, m), 1.41-1.66 (3H, m), 2.12 (1H, dt, J = 3.6, 12.0 Hz), 2.20-2.43 (4H, m), 2.53-2.71 (2H, m), 3.04 (1H, d, J = 18.6 Hz), 3.10 (1H, d, J = 5.4 Hz), 3.68 (1H, s), 3.85 (3H, s), 4.31-4.46 (2H, m), 4.75 (1H, s), 5.15 (1H, br, s), 6.37 (1H, m), 6.61 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.72 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.12-7.34 (5H, m)
MS (FAB) m/z = 503 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C30H35N2O5 [M+H]+: 503.2540; Found 503.2558
実施例9
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-6α-ヒドロキシ-3-メトキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-ベンジル)カルボキサミド(16)の合成
Figure 2009196933
16
参考例6で得られた化合物15(400 mg, 0.796 mmol) をTHF(20 mL) に溶解し、水素化ナトリウム(400 mg, 8.33 mmol) を加え、加熱還流した。3時間後、反応液を飽和塩化アンモニウム溶液にあけ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/2により精製し、表題化合物16(277 mg, 69%) を無色アモルファスとして得た。
IR (neat) : 3408, 1650 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.05-0.18 (2H, m), 0.42-0.64 (2H, m), 0.79-1.06 (2H, m), 1.31-1.53 (2H, m), 1.66-1.91 (2H, m), 2.12 (1H, dd, J = 8.1, 12.6 Hz), 2.18-2.35 (2H, m), 2.41 (1H, dt, J = 3.6, 12.6 Hz), 2.66-2.82 (2H, m), 3.20 (1H, d, J = 18.3 Hz), 3.54 (1H, d, J = 6.6 Hz), 3.89 (3H, s), 4.28 (1H, d, J = 2.4 Hz), 4.46 (1H, dd, J = 5.7, 14.7 Hz), 4.54 (1H, d, J = 1.5 Hz), 4.59 (1H, dd, J = 6.6, 14.7 Hz), 5.49 (1H, br, s), 6.53 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.72 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.23-7.38 (5H, m), 7.64 (1H, m)
MS (FAB) m/z = 503 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C30H35N2O5 [M+H]+: 503.2540; Found 503.2557
実施例10
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-3,6α-ジヒドロキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-ベンジル)カルボキサミド・塩酸塩(17)の合成
Figure 2009196933
実施例9で得られた化合物16(67.6 mg, 0.135 mmol) をジクロロメタン(3.0 mL) に溶解し、氷冷下、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1.00 mol/L, 0.50 mL, 0.50 mmol) を加え、室温にした後、撹拌した。45分後、反応液を再び冷却し6%アンモニア水溶液(3.0 mL)を加え、室温にし、激しく撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出し、クロロホルム層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物を分取TLC(0.5 mm, アンモニア飽和クロロホルム/メタノール 100/3) により精製し、無色アモルファスとして表題化合物17のフリー塩基(57.5 mg, 88%)を得た。
得られたフリー塩基(54.3 mg, 0.112 mmol) を少量のメタノールに溶かし、塩酸-メタノールを加えて濃縮後、トルエン共沸した。残渣にジエチルエーテルを加えて得られた塩酸塩を濾取して加熱乾燥し、表題化合物17(38.2 mg, 62%) を白色粉末として得た。
IR (neat(フリー塩基)) : 3399, 1650 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3(フリー塩基)) : δ 0.05-0.16 (2H, m), 0.42-0.60 (2H, m), 0.80-1.00 (2H, m), 1.31-1.53 (2H, m), 1.61-1.88 (2H, m), 2.12-2.46 (4H, m), 2.68 (1H, dd, J = 5.1, 12.3 Hz), 2.76 (1H, dd, J = 3.9, 11.1 Hz), 3.18 (1H, d, J = 18.3 Hz), 3.53 (1H, d, J = 6.6 Hz), 4.27 (1H, d, J = 2.4 Hz), 4.44 (1H, dd, J = 6.0, 15.0 Hz), 4.53 (1H, d, J = 1.2 Hz), 4.57 (1H, dd, J = 6.6, 15.0 Hz), 5.68 (1H, br, s), 6.49 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.71 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.18-7.36 (5H, m), 7.70 (1H, m), OH not observed
MS (FAB(フリー塩基)) m/z = 489 [M+H]+
HRMS (FAB(フリー塩基)) Calcd for C29H33N2O5 [M+H]+: 489.2384; Found 489.2415
mp 205-208 ℃ (dec(塩酸塩))
Anal. Calcd for C29H32N2O5・ HCl・ 0.33H2O : C, 65.59; H, 6.39; N, 5.28. Found: C, 65.56; H, 6.54; N, 5.11.
参考例7
N-ベンジル-17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-14-ヒドロキシ-3-メトキシ-スピロ[モルヒナン-6,2'α-オキシラン]3'β-カルボキサミド (18)の合成
Figure 2009196933
18
参考例1で得られた化合物2(0.8 g, 1.81 mmol) をベンジルアミン(3.0 mL, 28.0 mmol) に溶解し、室温で攪拌した。142時間後、反応液にクロロホルム(10 mL) を加え、無水安息香酸(6.0 g, 26.5 mmol) を加えて放置した。3時間後、反応液にジエチルエーテルを加え、2N 塩酸で3回抽出した。塩酸層を合せて4N 水酸化ナトリウムでpH=9とし、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合せて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル 4/1〜1/1)により精製し、その後、酢酸エチルから再結晶して、表題化合物18(635 mg, 70%) を無色結晶として得た。
mp 170-172 ℃
IR (neat) : 3426, 1677 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.06-0.22 (2H, m), 0.44-0.60 (2H, m), 0.84 (1H, m), 1.14 (1H, dt, J = 3.6, 14.4 Hz), 1.44-1.62 (3H, m), 2.08-2.30 (2H, m), 2.30-2.42 (2H, m), 2.44-2.70 (3H, m), 3.04 (1H, d, J = 18.6 Hz), 3.09 (1H, d, J = 6.0 Hz), 3.28 (1H, s), 3.49 (3H, s), 4.24 (1H, dd, J = 4.2, 15.0 Hz), 4.75 (1H, s), 4.87 (1H, dd, J = 5.1, 15.0 Hz), 6.63 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.66 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.17 (1H, s), 7.22-7.41 (5H, m) OH not observed
MS (FAB) m/z = 503 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C30H35N2O5 [M+H]+: 503.2540; Found 503.2558
Anal. Calcd for C30H34N2O5 : C, 71.69; H, 6.82; N, 5.57. Found: C, 71.47; H, 6.74; N, 5.74.
実施例11
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-6α-ヒドロキシ-3-メトキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7β-(N-ベンジル)カルボキサミド (19)の合成
Figure 2009196933
19
参考例7で得られた化合物18(500 mg, 0.995 mmol) をTHF(20 mL) に溶解し、水素化ナトリウム(500 mg, 10.4 mmol) を加え、加熱還流した。15分後、反応液を飽和塩化アンモニウム溶液にあけ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を合せて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/10)により精製し、その後クロロホルムから再結晶して、表題化合物19 (394 mg, 79%) を無色結晶として得た。
mp 115-118 ℃
IR (neat) : 3294, 1649 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.01-0.18 (2H, m), 0.40-0.54 (2H, m), 0.78 (1H, m), 1.00 (1H, m), 1.36-1.80 (4H, m), 2.00 (1H, dt, J = 5.4, 12.9 Hz), 2.15-2.50 (5H, m), 3.12 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.34 (1H, d, J = 6.6 Hz), 3.85 (3H, s), 4.28 (1H, s), 4.42 (1H, d, J = 1.8 Hz), 4.43 (1H, dd, J = 5.4, 14.4 Hz), 4.58 (1H, dd, J = 6.3, 14.4 Hz), 5.94 (1H, s), 6.51 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.68 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.19-7.38 (5H, m), 8.77 (1H, m)
MS (FAB) m/z = 503 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C30H35N2O5 [M+H]+: 503.2540; Found 503.2545
実施例12
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-3,6α-ジヒドロキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7β-(N-ベンジル)カルボキサミド 塩酸塩(20)の合成
Figure 2009196933
実施例11で得られた化合物19(74.0 mg, 0.148 mmol) をジクロロメタン(3 mL) に溶解し、氷冷下、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1.00 mol/L, 0.50 mL, 0.50 mmol) を加えて室温にし、1.5時間撹拌した。反応液を再び冷却し6%アンモニア水溶液(3 mL) を加えて室温にし、激しく撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出し、クロロホルム層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物を分取TLC(0.5 mm, アンモニア飽和クロロホルム/メタノール 100/3) により精製し、無色アモルファスとして表題化合物20のフリー塩基(54.3 mg, 75%)を得た。
得られたフリー塩基(54.3 mg, 0.112 mmol) を少量のメタノールに溶かし、塩酸-メタノールを加えて濃縮後、トルエン共沸した。残渣にジエチルエーテルを加えて得られた塩酸塩を濾取して加熱乾燥し、表題化合物20(39.6 mg, 68%) を白色粉末として得た。
IR (neat(フリー塩基)) : 3272, 1643 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3(フリー塩基)) : δ 0.03-0.13 (2H, m), 0.41-0.54 (2H, m), 0.80 (1H, m), 1.03 (1H, m), 1.38-1.52 (2H, m), 1.57-1.78 (2H, m), 2.09 (1H, dt, J = 5.4, 12.9 Hz), 2.19-2.49 (4H, m), 2.73 (1H, dd, J = 4.5, 11.7 Hz), 3.17 (1H, d, J = 18.6 Hz), 3.47 (1H, d, J = 6.6 Hz), 4.32 (1H, s), 4.43 (1H, d, J = 1.2 Hz), 4.46 (1H, dd, J = 5.7, 14.1 Hz), 4.52 (1H, dd, J = 6.6, 14.1 Hz), 6.12 (1H, s), 6.45 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.63 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.18-7.37 (5H, m), 9.10 (1H, m)
MS (FAB(フリー塩基)) m/z = 489 [M+H]+
HRMS (FAB(フリー塩基)) Calcd for C29H33N2O5 [M+H]+: 489.2384; Found 489.2405
mp 260-265 ℃ (dec(塩酸塩))
Anal. Calcd for C29H32N2O5・ HCl・ 0.17H2O : C, 65.96; H, 6.36; N, 5.31. Found: C, 65.99; H, 6.35; N, 5.30.
参考例8
17-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル)-4,5α-エポキシ-6α-ヒドロキシ-3-メトキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-フェネチル)カルボキサミド(21)の合成
Figure 2009196933
21
実施例1で得られた化合物4(300 mg, 0.581 mmol) 及びプロトンスポンジ<商標>(373 mg, 1.74mmol)をクロロホルム(5.0 mL) に溶解し、塩化2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル(233 μL, 1.74 mmol) を加え、加熱還流した。20時間後、反応液を2M HClにあけジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテル層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/3) により精製し、表題化合物 21(302 mg, 81%) を無色アモルファスとして得た。
IR (neat) : 3408, 1716, 1655 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.73 (1H, m), 0.99-1.26 (2H, m), 1.66 (1H, m), 1.79 (1H, m), 2.12 (1H, dt, J = 5.7, 13.2 Hz), 2.75-2.98 (2H, m), 2.98-3.05 (2H, m), 3.16 (1H, m), 3.42 (1H, m), 3.81 (1H, m), 3.89 (1.5H,s), 3.90 (1.5H, s), 4.00 (1H, m), 4.12 (1H, m), 4.41-4.55 (2.5H, m), 4.79 (1H, m), 5.03 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 5.94 (0.5H, s), 5.50 (0.5H, s), 6.59 (1H, m), 6.75 (1H, m), 7.11-7.40 (6H, m)
MS (FAB) m/z = 637 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C30H32N2O7Cl3 [M+H]+: 637.1270; Found 637.1270
実施例13
4,5α-エポキシ-6α-ヒドロキシ-3-メトキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-フェネチル)カルボキサミド(22)の合成
Figure 2009196933
22
参考例8で得られた化合物21(200 mg, 0.314 mmol) を酢酸(5.0 mL) に溶解し、亜鉛(600 mg, 9.18 mmol) を加え、室温で攪拌した。9時間後、反応液をセライト濾過し、ろ液を濃縮した。残渣にアンモニア水を加え、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層をあわせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリクムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/10) により精製し、表題化合物22(147 mg, 100%) を無色アモルファスとして得た。
IR (neat) : 3322, 1645 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.70 (1H, m), 0.97 (1H, m), 1.21 (1H, m), 1.60-1.79 (2H, m), 1.95 (1H, dt, J = 5.4, 12.9 Hz), 2.73-3.15 (7H, m), 3.49 (1H, m), 3.76 (1H, m), 3.88 (3H, s), 4.09 (1H, d, J = 2.4 Hz), 4.42 (1H, d, J = 1.5 Hz), 6.57 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.73 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.15-7.33 (6H, m), OH, NH not observed
MS (FAB) m/z = 463 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C27H31N2O5 [M+H]+: 463.2227; Found 463.2228
実施例14
17-ベンジル-4,5α-エポキシ-6α-ヒドロキシ-3-メトキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-フェネチル)カルボキサミド(23)の合成
Figure 2009196933
23
実施例13で得られた化合物22(118 mg, 0.256 mmol)をDMF(2.0 mL) に溶解し、炭酸カリウム(138 m g, 1.00 mmol)を加え、臭化ベンジル(42.5 μL, 0.36 mol) を加え、遮光した後、室温で撹拌した。22時間後、反応液を精製水にあけジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテル層をあわせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/3) により精製し、表題化合物23(114 mg, 80%) を無色油状物として得た。
IR (neat) : 3398, 1651 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.57-0.83 (2H, m), 1.05-1.20 (2H, m), 1.59 (1H, m), 1.79 (1H, m), 2.17-2.33 (2H, m), 2.57 (1H, dt, J = 3.3, 12.0 Hz), 2.72-2.99 (3H, m), 3.32 (1H, d, J = 18.3 Hz), 3.46-3.83 (4H, m), 3.89 (3H, s), 4.14 (1H, d, J = 2.4 Hz), 4.48 (1H, d, J = 1.8 Hz), 5.35 (1H, s), 6.55 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.71 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.07-7.24 (6H, m), 7.28-7.46 (5H, m)
MS (FAB) m/z = 553 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C34H37N2O5 [M+H]+: 553.2697; Found 553.2700
実施例15
17-ベンジル-4,5α-エポキシ-3,6α-ジヒドロキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-フェネチル)カルボキサミド・塩酸塩(24)の合成
Figure 2009196933
実施例14で得られた化合物23(112 mg, 0.186 mmol) をジクロロメタン(7.0 mL) に溶解し、氷冷下、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1.00 mol/L, 1.00 mL, 1.00 mmol) を加えて室温にし、撹拌した。1.5時間後、反応液を再び冷却し6%アンモニア水溶液(7 mL) を加え、室温にし、激しく撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出し、クロロホルム層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物を分取TLC(0.5 mm, アンモニア飽和クロロホルム/メタノール 100/4) により精製し、表題化合物24のフリー塩基(85.3 mg, 76%) を無色アモルファスとして得た。
得られたフリー塩基(85.3 mg, 0.159 mmol) を少量のメタノールに溶かし、塩酸-メタノールを加えて濃縮後、トルエン共沸した。残渣にジエチルエーテルを加えて得られた塩酸塩を濾取して加熱乾燥し、表題化合物24(53.8 mg, 60%) を白色粉末として得た。
IR (neat(フリー塩基)) : 3389, 1649 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3(フリー塩基)) : δ 0.56-0.81 (2H, m), 1.13 (1H, m), 1.56 (1H, m), 1.81 (1H, m), 2.17-2.32 (2H, m), 2.57 (1H, dt, J = 3.3, 12.0 Hz), 2.65 (1H, dd, J = 5.7, 12.0 Hz), 2.73-2.99 (3H, m), 3.31 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.47-3.83 (4H, m), 4.14 (1H, d, J = 2.4 Hz), 4.51 (1H, d, J = 1.8 Hz), 5.51 (1H, s), 6.52 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.72 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.06-7.16 (5H, m), 7.20 (1H, m), 7.27-7.45 (5H, m), OH not observed
MS (FAB(フリー塩基)) m/z = 539 [M+H]+
HRMS (FAB(フリー塩基)) Calcd for C33H35N2O5 [M+H]+: 539.2540; Found 539.2528
mp 190-195 ℃ (dec(塩酸塩))
Anal. Calcd for C33H34N2O5・ 0.75HCl・ 0.75H2O : C, 70.03; H, 6.19; N, 4.95 Found: C, 70.13; H, 6.35; N, 5.04.
実施例16
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-3,6α-ジメトキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-メチル-N-フェニル)カルボキサミド(25)の合成
Figure 2009196933
25
水素化ナトリウム(228 mg, 4.75 mmol) をTHF(3.0 mL) に懸濁し、0 ℃に冷却して実施例6で得られた化合物10(380 mg, 0.778 mmol) のTHF(3.0 mL) 溶液を加え、ヨウ化メチル(242 μL) を加えて0 ℃で攪拌し、15分後室温にした。2時間攪拌後、反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ、2N 塩酸を加えて酸性にし、ジエチルエーテルで洗浄した。ジエチルエーテル層を2N塩酸で抽出し、塩酸層を合わせて4N水酸化ナトリウム水溶液でpH=9とし、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、粗生成物(399 mg)を褐色油状物として得た。粗生成物をそのまま次の反応に進めた。
実施例17
17-(シクロプロピルメチル)-4,5α-エポキシ-3,6α-ジヒドロキシ-8-オキサ-6,14-エンドエタノモルヒナン-7α-(N-メチルN-フェニル)カルボキサミド・塩酸塩(26)の合成
Figure 2009196933
実施例16で得られた化合物25(399 mg, 1.14 mmol) をジクロロメタン(10.0 mL) に溶解し、氷冷下、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1.00 mol/L, 6.00 mL, 6.00 mmol) を加えて室温にして撹拌した。4時間後、反応液を再び冷却し6%アンモニア水溶液(5.0 mL) を加えて室温にし、激しく撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出し、クロロホルム層を合わせ飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 100/0〜100/3) により精製し、表題化合物26のフリー塩基(192 mg, 50%, 2 steps) を無色アモルファスとして得た。
得られたフリー塩基(192 mg, 0.393 mmol) を少量のメタノールに溶かし、塩酸-メタノールを加えて濃縮後、トルエン共沸した。残渣にジエチルエーテルを加えて得られた塩酸塩を濾取して加熱乾燥し、表題化合物26(154 mg, 75%) を白色粉末として得た。
IR (neat(フリー塩基)) : 3351, 1650 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3(フリー塩基)) : δ 0.07-0.20 (2H, m), 0.43-0.59 (2H, m), 0.72-0.98 (2H, m), 1.45-1.63 (2H, m), 1.63-21.91 (2H, m), 2.08-2.46 (4H, m), 2.48-2.73 (2H, m), 3.13 (1H, d, J = 17.7 Hz), 3.31 (3H, s), 3.41 (1H, d, J = 5.4 Hz), 4.09 (0.8H, d, J = 0.6 Hz), 4.22 (0.8H, s), 4.54 (0.2H, s), 4.69 (0.2H, s), 6.42-6.55 (1H, m), 6.63-6.77 (1H, m), 7.18-7.47 (5H, m), 2-OH not observed
MS (FAB(フリー塩基)) m/z = 489 [M+H]+
HRMS (FAB(フリー塩基)) Calcd for C29H33N2O5 [M+H]+: 489.2384; Found 489.2622
mp 235-240 ℃ (dec(塩酸塩))
Anal. Calcd for C29H32N2O5・ 0.7HCl・ 0.4H2O : C, 66.85; H, 6.78; N, 5.37 Found: C, 66.85; H, 6.78; N, 5.21.
実施例18
モルモット脳ホモジネートを用いる受容体結合試験
モルモット前脳および小脳を氷冷バッファー(50 mM Tris-HCl、pH=7.4)にてホモジナイズした後、遠心分離(12,000 ×g、20分、4 ℃)し、上清を捨てた。この操作を3回繰り返し、得られた沈渣をバッファーにて再懸濁させ、膜標本とした。
ポリプロピレンチューブに膜標本(0.2-0.6 mg/チューブ)、放射性リガンド(μ受容体:0.5 nM [3H]-DAMGO、δ受容体:0.1 nM [3H]-NTI、κ受容体:0.5 nM [3H]-U69593)、被験化合物を添加し、25 ℃にて120分間インキュベートした。反応終了後、0.1%ポリエチレンイミンに少なくとも2時間浸したGF/Bフィルター(Whatman社製)を通して、迅速に吸引濾過し、氷冷バッファーにて洗浄した(3 mLを5回)。フィルターをバイアルに移し、シンチレーションカクテルを5 mLずつ添加し、バイアル中の放射活性(dpm)を液体シンチレーションカウンター(Packard社製)にて計測した。
特異的結合(SB)は、総結合(TB)から各受容体に対する過剰量の非放射性リガンド添加によって得られる非特異的結合(NSB)を差し引くこと(TB−NSB)により算出し、種々の被験化合物の存在下におけるSBを、対照SBの百分率で表した。放射性リガンドによる特異的結合を50%阻害する被験化合物の濃度(IC50)を表計算ソフトMicrosoft Excel(Microsoft社製)により算出した(50%を挟む2点の直線回帰)。
その結果、化合物17、20は、オピオイドκ受容体に対して公知化合物14と同等に強い結合性を有することが明らかとなり、オピオイドκ受容体に関連する疾患、症状の治療または予防剤として有用であることが示された。
Figure 2009196933
実施例19
マウス酢酸ライジング試験による鎮痛作用評価
ddY系雄性マウスを用い、投与溶媒または被験化合物を0.1 (mL/10 g体重) の投与容量で皮下投与した。その15分後に0.6% (v/v) 酢酸溶液を0.1 (mL/10 g体重) の投与容量で腹腔内に投与し、その10分後から10分間に生じたライジング反応(体を反らしたり、ひねったりする行動)の発現回数を測定し、この回数を痛みの指標にした。被験化合物の溶媒を投与した群におけるライジング反応の回数を50%にする被験化合物量をED50とし、その値にて鎮痛活性を評価した。なお被験化合物の投与溶媒として、生理食塩液あるいは10% DMSOを用いた。
表3に示すように、化合物9、17、20は酢酸ライジング抑制作用を有しており、予想外にも非特許文献1に記載の公知化合物14と比較して強い抑制作用を有することから、実施例18と合わせて、有用なオピオイドκ受容体作動性鎮痛薬として期待できることが分かった。
Figure 2009196933

Claims (6)

  1. 一般式(I)
    Figure 2009196933
    (I)
    [式中R1は、水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数4から9のシクロアルキルアルキル、炭素数6から9のシクロアルケニルアルキル、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、炭素数3から7のアルケニル、フラニル、フラニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、チエニル、チエニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、ピリジル、またはピリジルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)を表し;
    R2は、水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数3から7のアルケニルオキシ、炭素数7から13のアラルキルオキシ、または炭素数1から5のアルカノイルオキシを表し;
    R3は、水素、または炭素数1から5のアルキルを表し;
    R4は、水素、または炭素数1から5のアルキルを表し;
    R5は、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、フラニル、フラニルアルキルもしくはアルケニル(アルキル部の炭素数は1から5、アルケニル部の炭素数は2から5)、チエニル、チエニルアルキルもしくはアルケニル(アルキル部の炭素数は1から5、アルケニル部の炭素数は2から5)、ピリジル、またはピリジルアルキルもしくはアルケニル(アルキル部の炭素数は1から5、アルケニル部の炭素数は2から5)を表し;
    上記R1、R2及びR5の少なくともいずれかがアリール部分、ヘテロアリール部分及び/又はシクロアルキル部分を含む場合には、該アリール部分、ヘテロアリール部分及び/又はシクロアルキル部分のそれぞれは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のチオアルコキシ、及び炭素数1から5のアルカノイルオキシから成る群より選ばれる1以上の置換基R6で置換されていてもよく;
    但し、R1がシクロプロピルメチル、R2がヒドロキシ、R3が水素、R4が水素を同時に表す場合には、R5はフェネチルではない]
    で表されるモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
  2. 一般式(I)において、R1が、炭素数1から5のアルキル、炭素数4から9のシクロアルキルアルキル、または炭素数7から13のアラルキルを表し、R2が、水素、ヒドロキシ、または炭素数1から5のアルコキシを表し、R3が水素またはメチルを表し、R4が水素またはメチルを表し、R5が、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、またはフラニルアルキルもしくはアルケニル(アルキル部の炭素数は1から5、アルケニル部の炭素数は2から5)を表す請求項1記載のモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
  3. 一般式(I)において、R1が、シクロプロピルメチルを表し、R2が、ヒドロキシを表し、R3およびR4が、共に水素を表し、R5がベンジルを表す請求項2記載のモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有する医薬。
  5. オピオイドκ受容体に関連する疾患もしくは症状の治療または予防剤である請求項4記載の医薬。
  6. 請求項1から3のいずれか1項に記載のモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分とする疼痛治療剤。
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