JPH1087667A - モルフィナンヒドロキサム酸化合物 - Google Patents

モルフィナンヒドロキサム酸化合物

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JPH1087667A
JPH1087667A JP9262963A JP26296397A JPH1087667A JP H1087667 A JPH1087667 A JP H1087667A JP 9262963 A JP9262963 A JP 9262963A JP 26296397 A JP26296397 A JP 26296397A JP H1087667 A JPH1087667 A JP H1087667A
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hydroxy
epoxy
cyclopropylmethyl
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JP9262963A
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Fumitaka Ito
文隆 伊藤
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Pfizer Japan Inc
Pfizer Pharmaceuticals LLC
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Pfizer Pharmaceuticals KK
Pfizer Pharmaceuticals LLC
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Publication date
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    • C07D489/06Heterocyclic compounds containing 4aH-8, 9 c- Iminoethano-phenanthro [4, 5-b, c, d] furan ring systems, e.g. derivatives of [4, 5-epoxy]-morphinan of the formula: with a hetero atom directly attached in position 14
    • C07D489/08Oxygen atom
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オピオイドレセプターに対するアゴニスト活
性が必要な医学的状態にある哺乳類の治療に用いること
ができる新規なモルフィナンヒドロキサム酸化合物を提
供する。 【解決手段】 式 【化1】 で表される化合物[例えば、17−シクロプロピルメチ
ル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−
6α−(N−ヒドロキシ−3,4−ジクロロフェニルア
セトアミド)モルフィナン]。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なモルフィナ
ンヒドロキサム酸化合物及び薬剤学的に許容することの
できるその塩、並びに前記化合物を含む医薬組成物に関
する。これらの化合物及び組成物は、対象哺乳類、特に
ヒト治療用の、鎮痛剤、抗炎症剤、利尿剤、麻酔剤、神
経保護剤、発作治療剤又は機能性腸疾病(functi
onalbowel disease)(例えば、腹
痛)治療剤として有用である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】オピオ
イド鎮痛剤、例えば、モルフィンは、治療用に有用であ
るが、それらの使用はそれらの副作用(例えば、薬剤依
存症)のために厳密に制限されている。従って、利便性
が高く、薬剤依存性を起こす傾向が少ない鎮痛剤が要求
されている。オピオイドペプチド及びオピオイドレセプ
ターを発見するために、かなりの薬理学的及び生化学的
な研究が行われてきた。そして、ヒトを含む様々な種の
末梢及び中枢神経における、オピオイドレセプターのサ
ブタイプ、例えば、μ、δ、及びκの発見は、新しい鎮
痛剤を創るきっかけとなった。
【0003】最近、オピオイドレセプター様(OR
1 )レセプターが単離及び同定された(Jean−C
laude Meunierら.,Nature,Vo
l.377,1995,pp532−535)。このレ
セプターは、新規なG−タンパク質結合レセプターであ
り、そのアミノ酸配列は、オピオイドレセプターのアミ
ノ酸配列に最も密接に関連している。このレセプター
は、安定な組換えCHO(ORL1 )細胞系において、
オピエートエトルフィン(etorphine)による
cAMPのフォルスコリン誘発性蓄積の阻害を媒介す
る。この効果は、内因性オピオイドペプチド(β−エン
ドルフィン、エンケファリン及びダイノルフィン)、又
は選択的μ−、δ−若しくはκ−オピオイドアゴニスト
いずれかによって発揮されるものではない。従って、O
RL1レセプターに対するアンタゴニスト活性、並びに
μレセプター、δレセプター、及び/又はκレセプター
(特にκレセプター)に対するアゴニスト活性を有する
化合物が、良好な鎮痛活性を示す化合物として期待され
ている。国際公開番号WO93/15081及びWO9
5/01178の明細書には、多様なモルフィナンアミ
ド化合物が、鎮痛剤、利尿剤、又は鎮咳剤として開示さ
れている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の式
(I):
【化2】 [式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又
はO−保護基であり;Bは、直接結合、炭素数1〜5の
アルキレン基又は炭素数2〜5のアルケニレン基であ
り;R1は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5
のアルケニル基又は(炭素数3〜7のシクロアルキル)
−炭素数1〜3のアルキル基であり;R2は、ヒドロキ
シ基又は炭素数1〜5のアルコキシ基であり;R3は、
水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜5のアルコキシ
基であり;そしてR4は、水素原子若しくはフェニル基
であるか、又はフリル基、チエニル基及びピロリル基か
らなる群から選択したヘテロアリール基であり、ここ
で、前記のフェニル基及びヘテロアリール基は、場合に
より、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のア
ルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基及び炭素数2〜
5のアルケニル基からなる群から選択した置換基1〜5
個で置換されていることがあるものとする]で表される
化合物、及び薬剤学的に許容することのできるその塩又
は薬剤学的に許容することのできるその溶媒和化合物を
提供する。
【0005】本発明のヒドロキサム酸化合物は、オピオ
イドレセプターに対する有意なアゴニスト活性、及びO
RL1レセプターに対する良好な結合親和性を示す。従
って、本発明の化合物は、哺乳類、特にヒトにおける、
鎮痛剤として、特に有用である。また、本発明の化合物
は、対象哺乳類、特にヒトにおける、抗炎症剤、利尿
剤、麻酔剤、神経保護剤、発作治療剤又は機能性腸疾病
(例えば、腹痛)治療剤として有用である。従って、本
発明は、対象哺乳類、特にヒトにおける、鎮痛剤、抗炎
症剤、利尿剤、麻酔剤、神経保護剤、発作治療剤又は機
能性腸疾病(例えば、腹痛)治療剤として有用な式
(I)で表されるヒドロキサム酸化合物又はその薬剤学
的に許容することのできる塩を、治療有効量で、薬剤学
的に許容することのできる担体と一緒に含む医薬組成物
も提供する。
【0006】更に、本発明は、オピオイドレセプター及
びORL1レセプターに対するアゴニスト活性が必要な
医学的状態にある対象哺乳類治療用の、式(I)で表さ
れる化合物又はその薬剤学的に許容することのできる塩
を、薬剤学的不活性担体と一緒に含む医薬組成物も提供
する。また、本発明は、式(I)で表される化合物又は
その薬剤学的に許容することのできる塩を、オピオイド
レセプター及びORL1レセプターに対するアゴニスト
活性が必要な医学的状態にある対象哺乳類に、治療有効
量で投与することを含む、前記哺乳類の治療方法に用い
ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本明細書において「O−保護基」
とは、合成工程における望ましくない反応からヒドロキ
シ基を保護するためのヒドロキシ保護基を意味し、以下
のものに限定されるものではないが、例えば、ベンジル
基、トリフェニルメチル基、テトラヒドロピラニル基、
メトキシメチル基、及びR’R”R’”Si基(R’、
R”及びR’”は、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基
又はフェニル基である)を挙げることができる。
【0008】本発明の好ましい化合物は、Rが、水素原
子又は炭素数1〜5のアルキル基であり;Bが、直接結
合、炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数2〜4のア
ルケニレン基であり;R1が、炭素数2〜5のアルケニ
ル基又は(炭素数3〜7のシクロアルキル)−炭素数1
〜3のアルキル基であり;R2が、ヒドロキシ基又は炭
素数1〜3のアルコキシ基であり;R3が、水素原子、
ヒドロキシ基又は炭素数1〜3のアルコキシ基であり;
そしてR4が、場合により、ハロゲン原子、ヒドロキシ
基及び炭素数1〜3のアルキル基からなる群から選択し
た置換基1〜3個で置換されていることがある、フェニ
ル基又はヘテロアリール基である、式(I)で表される
化合物である。
【0009】本発明のより好ましい化合物は、Rが、水
素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり;Bが、直
接結合、炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数2〜3
のアルケニレン基であり;R1が、炭素数2〜3のアル
ケニル基又は(炭素数3〜5のシクロアルキル)−メチ
ル基であり;R2及びR3が、それぞれ独立して、ヒドロ
キシ基又は炭素数1〜3のアルコキシ基であり;そして
4が、場合により、ハロゲン原子、ヒドロキシ基及び
炭素数1〜3のアルキル基からなる群から選択した置換
基1〜3個で置換されていることがある、フェニル基、
フリル基、チエニル基又はピロリル基である、式(I)
で表される化合物である。
【0010】本発明のより好ましい化合物は、Rが、水
素原子、メチル基又はエチル基であり;Bがメチレン
基、エチレン基又はエテニレン基であり;R1が、アリ
ル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基
又はシクロペンチルメチル基であり;R2及びR3が、そ
れぞれ独立して、ヒドロキシ基、メトキシ基又はエトキ
シ基であり;そしてR4が、場合により、フッ素原子及
び塩素原子からなる群から選択した置換基1〜3個で置
換されていることがある、フェニル基又はフリル基であ
る、式(I)で表される化合物である。
【0011】本発明の特に好ましい化合物は、Rが、水
素原子又はメチル基であり;Bがメチレン基又はエテニ
レン基であり;R1が、アリル基又はシクロプロピルメ
チル基であり;R2が、ヒドロキシ基又はメトキシ基で
あり;R3が、ヒドロキシ基であり;そしてR4が、3,
4−ジクロロフェニル基又はフリル基である、式(I)
で表される化合物である。
【0012】好ましい本発明の具体的な化合物は:17
−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−
4,5α−エポキシ−6α−(N−ヒドロキシ−3,4
−ジクロロフェニルアセトアミド)モルフィナン又はそ
の塩;17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒ
ドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−(N−ヒドロキ
シ−3,4−ジクロロフェニルアセトアミド)モルフィ
ナン又はその塩;17−シクロプロピルメチル−3,1
4β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α−(N
−メトキシ−3,4−ジクロロフェニルアセトアミド)
モルフィナン又はその塩;17−シクロプロピルメチル
−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6
β−(N−メトキシ−3,4−ジクロロフェニルアセト
アミド)モルフィナン又はその塩;17−シクロプロピ
ルメチル−4,5α−エポキシ−14β−ヒドロキシ−
3−メトキシ−6α−(N−メトキシ−3,4−ジクロ
ロフェニルアセトアミド)モルフィナン又はその塩;1
7−アリル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エ
ポキシ−6α−(N−メトキシ−3,4−ジクロロ−フ
ェニルアセトアミド)モルフィナン又はその塩;17−
シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−
4,5α−エポキシ−6α−(N−メトキシ−3,4−
ジクロロベンズアミド)モルフィナン又はその塩;17
−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−
4,5α−エポキシ−6α−(N−メトキシ−3,4−
ジクロロシンナミド)モルフィナン又はその塩;及び1
7−アリル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エ
ポキシ−6β−(N−メトキシ−3−フラナクリル−ア
ミド)モルフィナン又はその塩である。
【0013】特に好ましい本発明の具体的な化合物は、
17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキ
シ−4,5α−エポキシ−6α−(N−ヒドロキシ−
3,4−ジクロロフェニルアセトアミド)モルフィナン
又はその塩;及び17−シクロプロピルメチル−3,1
4β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α−(N
−メトキシ−3,4−ジクロロフェニルアセトアミド)
モルフィナン又はその塩である。
【0014】一般合成 本発明の式(I)で表される化合物は、以下に記載した
製造方法で調製することができる。特に断らない限り、
以下の反応工程式におけるR、B、R1、R2、R3、及
びR4は、前記と同じ意味である。
【0015】製造方法A
【化3】 前記反応工程式中、R5は、水素原子、炭素数1〜5の
アルキル基又はO−保護基、例えば、t−ブチルジメチ
ルシリル(TBDMS)基である。
【0016】製造方法Aでは、当業者に公知の標準的ア
シル化技法を用いて、式(II)[R5は特には水素原子
である]で表される化合物をアシル化することにより、
本発明の式(Ia)で表されるモルフィナンヒドロキサ
ム酸化合物と、式(Ib)で表されるモルフィナンヒド
ロキサム酸化合物との混合物を得ることができる。例え
ば、式(II)で表される化合物を、適当な反応不活性溶
媒中で、カップリング剤の存在下で、式(III)(R4
B−COOH)で表されるカルボン酸化合物と反応させ
ることができる。適当なカップリング剤としては、例え
ば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、水溶
性カルボジイミド(WSC)、2−エトキシ−N−エト
キシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、Bop剤
[ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメ
チルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェー
ト]、ジエチルアゾジカルボキシレートトリフェニルホ
スフィン、ジエチルシアノホスホネート、カルボニルジ
イミダゾール、及びジフェニル−ホスホリルアジド〕を
挙げることができ、水溶性カルボジイミドが好ましい。
【0017】適当な反応不活性溶媒としては、例えば、
芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン及びキシ
レン);エーテル(例えば、エチルエーテル、ジオキサ
ン及びテトラヒドロフラン);ハロゲン化炭化水素(例
えば、クロロホルム、ジクロロメタン及びジクロロエタ
ン);アミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミ
ド);並びにニトリル(例えば、アセトニトリル)を挙
げることができる。この反応は、−30℃〜100℃、
通常は0℃〜30℃の温度で実施することができる。こ
の反応には、約30分〜24時間、通常は室温で30分
〜3時間の時間がかかる。得られた生成物は、標準的技
法によって単離及び精製することができる。
【0018】−NR5 OR基が−NHOMe基であり;
そしてR2 がヒドロキシ基である式(II)で表される化
合物を用いると、Rがメチル基であり;そしてR2 がヒ
ドロキシ基である、式(Ia)で表される化合物及び式
(Ib)で表される化合物を得ることができる。R2
が−O−TBDMS基であり;そしてR及びR5 がいず
れもTBDMS基である式(II)で表される化合物を用
いると、RがTBDMS基であり;そしてR2 が−O−
TBDMS基である、式(Ia)で表される化合物及び
式(Ib)で表される化合物を得ることができる。これ
らのTBDMS基は、通常の方法、例えば、式(Ia)
で表される化合物及び式(Ib)で表される化合物をテ
トラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)で処
理する方法によって除去して、R及びR2 がヒドロキシ
基である、式(Ia)で表される化合物及び式(Ib)
で表される化合物を得ることができる。
【0019】あるいは、前記のアシル化は、式(II)で
表される化合物を他のアシル化剤、例えば、(1)ハロ
ゲン化アシル(例えば、R4 −B−COCl);(2)
塩基存在下の無水物[例えば、(R4−B−CO)
2O)]又は混合無水物;(3)場合により塩基存在下
での、カルボン酸エステル[例えば、R4 −B−COO
R””(R””は、低級アルキル基)]と反応させるこ
とによっても実施することができる。前記のアシル化方
法に用いる条件は、当業者が適当に選択することができ
る。更に、式(I)で表される化合物においてR2 がヒ
ドロキシ基である場合には、当業者に公知のO−アルキ
ル化技法によって、R2 をアルコキシ基に変換すること
ができる。
【0020】式(III)で表される中間体化合物は、公
知であるか、又は公知の方法によって調製することがで
きる。式(IIa)で表される中間体化合物[−NR5
R基が−NHOMe基であり;そしてR2 がヒドロキシ
基である式(II)で表される化合物]は、以下に記載の
製造方法B−1のとおりに調製することができる。
【0021】製造方法B−1
【化4】 製造方法B−1中に示すように、最初に、式(IV)で表
されるナルトレクソン(naltrexone)塩酸塩
(IV)とO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(NH2
OMe−HCl)とを、適当な溶媒(例えば、エタノー
ル)中で反応させて、式(Va)で表される化合物を得
ることができる。ナルトレクソン塩酸塩は、公知化合物
であり、市販されている。この反応は、0℃〜150℃
の温度で、30分〜24時間で実施することができる。
この反応は、好ましくは、使用する溶媒の還流温度で、
1〜5時間で実施することができる。次に、式(Va)
で表される化合物を、適当な溶媒(例えば、メタノー
ル)中で、水素化物剤、例えば、ナトリウムシアノボロ
ハイドライド(NaBH3 CN)によって水素化物還元
することができる。前記の還元は、0℃〜40℃の温度
で、30分〜48時間で実施することができ、好ましく
は、室温で、4〜24時間で実施することができる。
【0022】式(IIb)で表される中間体化合物[すな
わち、R及びR5 がt−ブチルジメチルシリル(TBD
MS)基であり、R2 が−O−TBDMS基である式
(II)で表される化合物]は、以下に記載の製造方法B
−2のとおりに調製することができる。
【0023】製造方法B−2
【化5】 前記反応工程式中、R6は、TBDMSである。
【0024】前記製造方法B−2中では、式(IIb)で
表される化合物は、式(IV)で表されるナルトレクソン
塩酸塩とヒドロキシルアミン塩酸塩(NH2OH−HC
l)とを、適当な溶媒(例えば、エタノール)中で反応
させて、式(Vb)で表される化合物を得て;そして更
にその式(Vb)で表される化合物を、適当な溶媒(例
えば、メタノール)中で水素化物剤(例えば、NaBH
3CN)によって水素化物還元し、続いて、適当な溶媒
(例えば、DMF)中でt−ブチルジメチルシリルクロ
ライドと反応させて調製することができる。これらの反
応条件は、当業者に公知である(参考文献:E.J.C
oreyand A.Venkateswarlu,
J.Am.Chem.Soc.,1972,94,61
90;D.W.Hansen,Jr.及びD.Pili
pauskas,J.Org.Chem.,1985,
50,945;並びにJ.F.Keana,G.S.H
eo,及びG.T.Gaughan,J.Org.Ch
em.,1985,50,2346)。
【0025】本発明の式(I)で表される化合物は、通
常塩基性であり、したがってそれらは酸付加塩を形成す
るであろう。それら全ての塩は、本発明の範囲内に含ま
れる。しかし、哺乳類への投与用には、薬剤学的に許容
することのできる酸付加塩を用いなければならない。前
記の酸付加塩は、標準的方法、例えば、前記の塩基性及
び酸性化合物を実質的当量の比率で、水又は有機溶媒
(例えば、メタノール又はエタノール)、又はそれらの
混合物の中で接触させる方法により調製することができ
る。前記の塩は、その溶媒を蒸発させることによって単
離することができる。形成することのできる典型的な塩
は、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酢
酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、マ
レイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、糖酸塩、安息
香酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸
塩、シュウ酸塩、及びパモ酸塩[すなわち、1,1’−
メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸)
の塩]である。
【0026】本発明のRが水素原子である式(I)で表
される化合物は、酸性であり、これらは塩基塩を形成す
るであろう。それら全ての塩は、本発明の範囲内に含ま
れる。しかし、哺乳類への投与用には、薬剤学的に許容
することのできる塩基塩を用いなければならない。前記
の塩基塩は、標準的方法、例えば、前記の塩基性及び酸
性化合物を実質的当量の比率で、水又は有機溶媒(例え
ば、メタノール又はエタノール)、又はそれらの混合物
の中で接触させる方法により調製することができる。前
記の塩は、その溶媒を蒸発させることによって単離する
ことができる。形成することのできる典型的な塩基塩
は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、及びマ
グネシウム塩、並びにアンモニア塩及びアミン塩(例え
ば、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルア
ミン塩、シクロヘキシルアミン塩、ピペリジン塩、及び
モルホリン塩)である。
【0027】また、式(I)で表される化合物の生体前
駆体(bioprecursor)(プロドラッグとも
称する)も、本発明の範囲内に含まれる。式(I)で表
される化合物の生体前駆体は、その化学的誘導体であ
り、生物学的系において、容易に変換して式(I)で表
される元の化合物に戻る。特に、式(I)で表される化
合物の生体前駆体は、その生体前駆体が対象哺乳類、例
えば、ヒトに投与されて吸収された後に、式(I)で表
されるその元の化合物に戻る変換が行われる。例えば、
2がヒドロキシ基である式(I)で表される本発明の
化合物の生体前駆体は、ヒドロキシ基をエステル化する
ことにより製造することができる。典型的なエステル
は、単純なアルカン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、
及び酪酸)のエステルである。更に、R2がヒドロキシ
基である場合には、ハロゲン化アシルオキシメチル(例
えば、塩化ピバロイルオキシメチル)との反応によっ
て、そのヒドロキシ基をアシルオキシメチル誘導体(例
えば、ピバロイルオキシメチル誘導体)に変換すること
によって、生体前駆体を製造することができる。本発明
の式(I)で表される化合物が溶媒和化合物、例えば水
和物を形成する場合には、その溶媒和化合物も、本発明
の範囲内に含まれる。
【0028】本発明の式(I)で表される化合物は、オ
ピオイドレセプターに対する有意なアゴニスト活性、及
びORL1 レセプターに対する良好なアンタゴニスト活
性を示し、従って、鎮痛剤、抗炎症剤、利尿剤、麻酔
剤、神経保護剤、発作治療剤又は機能性腸疾病(例え
ば、腹痛)治療剤として、哺乳類、特にヒト治療に有用
である。
【0029】本発明の式(I)で表される化合物の活性
は、オピオイドレセプター及びオピオイド様レセプター
の結合活性によって示される。前記の活性は、モルモッ
トの全脳からのホモジェネートにおいて、Regin
a,Aらによって「J.Receptor Res.1
2:171−180,1992」に記載されたとおり
に、決定することができる。簡単に説明すると、標識し
たリガンド及び供試化合物の存在下で、25℃で、30
分間、組織ホモジェネートをインキュベートする。μ−
部位を(3H)−[D−Ala2,MePhe4,Gl
y−ol5]エンケファリン(DAMGO)(1nM)
で標識し、δ−部位を(3H)−[D−Pen2,5]
エンケファリン(DPDPE)(1nM)で標識し、κ
−部位を(3H)−CI977(0.5nM)で標識
し、そしてORL1部位を(3H)−ノシセプチン
(1.27nM)で標識する。非特異的結合は、CI9
77(κ)(1μM)、DAMGO(μ)(1μM)、
DPDPE(δ)(1μM)、及びノシセプチン(OR
1)(100nM)を用いて測定する。データはCh
eng及びPrusoffの式を用いた非直線適合プロ
グラムによって得られるIC50値として表示する。実施
例で調製したいくつかの化合物は、50nMよりも低い
IC50値を示した。
【0030】前記化合物の鎮痛活性は、Wheeler
−Aceto,Hらによって「Psychopharm
acology 104:35−44,1991」に記
載されたとおりに、ホルマリン試験によっても示すこと
もできる。この試験では、雄性SDラット(80〜10
0g)に、0.1%メチルセルロース塩水液(sali
ne)中に溶解した供試化合物又はビヒクルを皮下注射
する。30分後に、2%ホルマリン50mlを後足に注
射する。ホルマリン注射後の15〜30分間の観察時間
当たりに、注射した足をなめる回数を測定し、それぞれ
のビヒクルグループと比較して%阻害として表示する。
【0031】前記化合物の鎮静活性は、Hayes,
A.Gらによって「Br.J.Pharmacol.7
9:731−736,1983」に記載されたロタロッ
ド(Rotarod)試験によっても示すことができ
る。この試験では、雄性SDラット(100〜120
g)を、回転する棒(直径=9cm;回転速度=5r.
p.m.)の上でのバランスをとる能力によって、6〜
10匹のグループに選択する。次に、選択したラット
に、0.1%メチルセルロース塩水液中に溶解した供試
化合物を皮下注射する。処置から30分後に、前記の動
物たちを再び試験する;150秒の間に2回より多く棒
から落下したラットは運動能力の低下を示しているもの
とみなし、その動物のパフォーマンス(すなわち、ロタ
ロッド上の時間)を記録する。ED50値(すなわち、パ
フォーマンス時間を半減させるその薬剤の投与量として
定義される)を、コントロールグループにおいて観察す
る。
【0032】式(I)で表される本発明の化合物は、経
口、非経口、又は局所のいずれの経路によっても哺乳類
に投与することができる。一般的に、これらの化合物
は、1日当たり0.01mg〜50mgの範囲の投与量
でヒトに投与することが最も好ましいが、当然のことな
がら治療される対象者の体重及び体調、治療する疾病の
状態、並びに選択した個々の投与経路によって変化させ
ることになるであろう。しかし、1日当たり0.01m
g〜1mg/kg(体重)の範囲内の投与レベルで、単
独又は分割した投与量で、手術後の患者における痛み治
療用にヒトに用いるのが最も望ましい。
【0033】本発明の化合物は、単独で、又は薬剤学的
に許容することのできる担体若しくは希釈剤と組み合わ
せて、前記投与経路のいずれによっても投与することが
でき、そして前記の投与は、単回又は複数回の投与で行
うことができる。また特に、本発明の新規治療剤は、広
範で多様な種々の投与形態で投与することができる。す
なわち、種々の薬剤学的に許容することのできる不活性
担体と組み合わせて、錠剤、カプセル、ロゼンジ、トロ
ーチ、硬質キャンディー、粉剤、噴霧剤、クリーム、軟
膏(salves)、坐薬、ゼリー、ジェル、ペース
ト、ローション、軟膏(ointmrnt)、水性懸濁
液、注射溶液、エリキシル、シロップなどの形態にする
ことができる。前記の担体には、固体希釈剤又は充填
剤、滅菌水性媒体、及び各種の非毒性有機溶媒等が含ま
れる。更に、経口投与用の医薬組成物に、適当に甘味及
び/又は香味を付与することができる。本発明の治療有
効化合物は、一般的に、濃度レベルが5重量%〜70重
量%、好ましくは10重量%〜50重量%の範囲で、前
記の投与形態中に存在させる。
【0034】経口投与用として、種々の賦形剤、例え
ば、微晶性セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カル
シウム、リン酸二カルシウム、及びグリシンを含んだ錠
剤は、種々の崩壊剤、例えば、でんぷん(好ましくは、
コーン、ポテト、又はタピオカのでんぷん)、アルギン
酸、及び或る種のコンプレックスシリケート(comp
lex silicate)、並びに顆粒バインダー、
例えば、ポリビニルピロリドン、蔗糖、ゼラチン、及び
アラビアゴムと共に用いることができる。更に、潤滑
剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸
ナトリウム、及びタルクが、錠剤化の目的に、しばしば
非常に有用である。また、同様のタイプの固体組成物
は、ゼラチンカプセル中の充填剤として用いることもで
きる;また、これに関連する好ましい材料には、ラクト
ース(又は乳糖)及び高分子ポリエチレングリコールを
挙げることができる。経口投与用に水性懸濁液及び/又
はエリキシルが望ましい場合には、種々の甘味剤又は香
味剤、着色剤又は染料、並びに所望により、乳化剤及び
/又は懸濁剤と、希釈剤、例えば、水、エタノール、プ
ロピレングリコール、グリセリン、及び種々のそれらの
組合せと活性成分とを組み合わせることができる。
【0035】非経口投与用に、ゴマ油若しくはピーナッ
ツ油又は水性プロピレングリコール中の、本発明化合物
の溶液を用いることができる。前記の水溶液は、必要に
応じて適当に緩衝化(好ましくはpH>8)した方がよ
く、そして液体希釈剤は最初に等張にする。これらの水
溶液は、静脈注射の目的に適している。前記の油性溶液
は、関節内、筋肉内及び皮下注射の目的に適している。
滅菌条件下におけるこれら全ての溶液の調製は、当業者
に周知の標準的製剤技術によって容易に行うことができ
る。更に、皮膚の炎症状態の治療の場合には本発明の化
合物を局所的に投与することもでき、標準的製剤慣行に
従ってクリーム、ゼリー、ジェル、ペースト、軟膏(o
intments)等によって行うことが好ましい。
【0036】
【実施例及び製造例】以下、実施例及び製造例によって
本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を
限定するものではない。融点は、Buchiマイクロ融
点装置で測定し、修正していない。赤外線吸収スペクト
ル(IR)は、Shimazu赤外分光計(IR−47
0)によって測定した。特に断らない限り、 1H及び13
Cの核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、CDCl3
で、JEOL NMR分光計(JNM−GX270,2
70MHz)によって測定し、ピークの位置は、ppm
(parts per million)(テトラメチ
ルシランからダウンフィールド)で表す。ピークの鋭さ
は、以下のように示す。s=一重線;d=二重線;t=
三重線;m=多重線;br=広幅(broad)。
【0037】製造例1:ナルトレクソンオキシム エタノール(10ml)中の、ナルトレクソン塩酸塩
(856mg,2.265mmol)及びヒドロキシル
アミン塩酸塩(236mg,3.4mmol)の混合懸
濁液を攪拌しながら4時間還流した。エタノールを蒸発
した後に、得られた白色固体残さを飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液中に溶解し、そしてジクロロメタン(20m
l×3)で抽出した。一緒にした抽出物を乾燥(硫酸ナ
トリウム)し、ろ過し、そして濃縮して、白色非結晶固
体832mg(88.1%)を得た。これは、ほとんど
純粋であり、精製せずに次の反応に用いた。1H NM
R(270MHz,CDCl3)δ6.71(1H,
d,J=8.1Hz),6.58(1H,d,J=8.
1Hz),5.02(1H,s),3.20−3.00
(3H,m;3.04ppmにおいて1H,d,J=1
8.7Hzを含む),2.72−2.64(1H,
m),2.55(1H,dd,J=6.2,8.7H
z),2.48−2.15(5H,m;2H,d,J=
6.2Hzを含む),1.75−1.62(1H,
m),1.56(1H,d,J=11.4Hz),1.
40(1H,td,J=4.0,13.6Hz),0.
92−0.80(1H,m),0.60−0.50(2
H,m),0.17−0.10(2H,m)。
【0038】製造例2:17−シクロプロピルメチル−
4,5α−エポキシ−3,14β−ジヒドロキシ−6α
−ヒドロキシアミノモルフィナン及び17−シクロプロ
ピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14β−ジヒド
ロキシ−6β−ヒドロキシアミノモルフィナン メタノール(20ml)中のナルトレクソンオキシム
(832mg,2.3mmol)、ナトリウムシアノボ
ロハイドライド(289mg,4.6mmol)及びブ
ロモクレゾールグリーン1片の溶液に、HClガス溶解
メタノールを、その反応混合物が黄色を継続的に示すま
で加えた。その反応混合物を室温で1.5時間攪拌した
後に、ナトリウムシアノボロハイドライド(289m
g,4.6mmol)を加え、続いて、HClガス溶解
メタノールを、その反応混合物が黄色を継続的に示すま
で加えた。室温で2.5時間攪拌した後に、メタノール
を蒸発させた。得られた残さを飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液で塩基性化し、そしてジクロロメタン(20ml
×3)で抽出した。一緒にした抽出物を乾燥(硫酸ナト
リウム)し、ろ過し、そして濃縮して、白色非結晶固体
760mg(92.2%)を得た。これは、C6不整中
心に関する立体異性体混合物(α:β=7:3)であ
る。この混合物は、精製せずに次の反応で用いた。1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.30−
5.50(3H,ほとんど平坦br.s),6.70
(0.7H,d,J=8.1Hz),6.68(0.3
H,d,J=8.1Hz),6.55(0.3H,d,
J=8.1Hz),6.52(0.7H,d,J=8.
1Hz),4.99(0.7H,d,J=3.3H
z),4.76(0.3H,d,J=7.3Hz),
3.70−3.60(0.7H,m),3.15−2.
75(2.3H,m),2.70−2.50(2H,
m),2.45−1.35(9H,m),0.90−
0.75(2H,m),0.60−0.50(2H,
m),0.20−0.10(2H,m)。
【0039】製造例3:3−t−ブチルジメチルシリル
オキシ−6α−N,O−ビス(t−ブチルジメチルシリ
ル)ヒドロキシルアミノ−17−シクロプロピルメチル
−4,5α−エポキシ−14β−ヒドロキシモルフィナ
ン及び3−t−ブチルジメチルシリルオキシ−6β−
N,O−ビス(t−ブチルジメチルシリル)ヒドロキシ
ルアミノ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エ
ポキシ−14β−ヒドロキシモルフィナン DMF(10ml)中のヒドロキシルアミン誘導体
(0.59g,1.65mmol)及びイミダゾール
(1.12g,16.5mmol)の溶液に、室温に
て、t−ブチルクロロジメチルシラン(1.24g,
8.25mmol)を加えた。15分間攪拌した後に、
その反応混合物を水(30ml)中に注ぎ、そしてエー
テル(20ml×3)で抽出した。一緒にした抽出物を
乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、そして濃縮して、
無色粘性油状体1.74gを得た。これをカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル:200g,溶離液としてジ
クロロメタン/MeOH:50/1)処理によって精製
して、6α異性体(極性の小さい方)として無色粘性油
状体165mg、及び6α−6β異性体混合物885m
gを得た。この混合物は分離せずに次の反応で用いた。 6α異性体:1H NMR(270MHz,CDCl3
δ6.62(1H,d,J=8.1Hz),6.47
(1H,d,J=8.4Hz),4.86(1H,b
r.s),3.45−3.30(1H,m),3.20
−3.00(1H,m),3.03(1H,d,J=1
8.7Hz),2.70−2.50(2H,m),2.
40−2.20(4H,m),1.80−1.35(5
H,m),0.99(9H,s),0.92(9H,
s),0.92(9H,s),0.90−0.85(1
H,m),0.60−0.50(2H,m),0.20
(3H,s),0.17(3H,s),0.15−0.
10(2H,m),0.10(12H,s)。
【0040】製造例4:3−t−ブチルジメチルシリル
オキシ−6α−(N−t−ブチルジメチルシリルオキシ
−3,4−ジクロロフェニルアセトアミド)−17−シ
クロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14β−ヒ
ドロキシモルフィナン及び3−t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ−6β−(N−t−ブチルジメチルシリルオキ
シ−3,4−ジクロロフェニルアセトアミド)−17−
シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14β−
ヒドロキシモルフィナン ジクロロメタン(20ml)中の、製造例3の6α−6
β異性体混合物(885mg,1.26mmol)及び
3,4−ジクロロフェニル酢酸(267mg,1.3m
mol)の攪拌した溶液に、室温にて、WSC(268
mg,1.4mmol)を加えた。1時間攪拌した後
に、その反応混合物に3,4−ジクロロフェニル酢酸
(103mg,0.5mmol)及びWSC(110m
g,0.57mmol)を加えた。その反応混合物を、
室温で2時間攪拌した。その反応混合物をジクロロメタ
ン(30ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、そしてろ過し
た。ろ液を濃縮して、無色粘性油状体1.48gを得
た。この油状体をカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル:200g,溶離液としてヘキサン/酢酸エチル:8
/1から4/1)処理によって精製して、6β異性体
0.30g、6α−6β異性体混合物0.11g、及び
6α異性体0.32gを得た。 6α異性体:1H NMR(270MHz,CDCl3
δ7.37(1H,d,J=2.2Hz),7.36
(1H,d,J=8.1Hz),7.13(1H,d
d,J=2.2,8.1Hz),6.63(1H,d,
J=8.1Hz),6.48(1H,d,J=8.1H
z),4.88(1H,d,J=2.9Hz),4.4
5−4.35(1H,m),3.79(1H,d,J=
16.9Hz),3.70(1H,d,J=16.5H
z),3.08(1H,d,J=6.6Hz),3.0
2(1H,d,J=19.1Hz),2.70−2.5
5(2H,m),2.40−2.15(4H,m),
1.90−1.45(5H,m),0.97(9H,
s),0.95(9H,s),0.90−0.80(1
H,m),0.60−0.50(2H,m),0.25
(3H,s),0.25(3H,s),0.20−0.
10(2H,m),0.18(3H,s),0.12
(3H,s)。 IR(film):3400,1670cm-1。 6β異性体:この1H NMRスペクトルは、アミド結
合ロタマー(rotamer)によって非常に複雑にな
っていた。帰属決定が可能なピークは、以下に示すもの
だけであった。1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.24
(1H,d,J=8.1Hz),6.93(1H,b
r.s),6.85(1H,br.d,J=8.1H
z),6.75(0.5H,d,J=8.1Hz),
6.64(0.5H,d,J=8.1Hz),6.62
(0.5H,d,J=8.1Hz),6.47(0.5
H,d,J=8.1Hz),4.86(1H,d,J=
7.7Hz),3.62(2H,br.s),1.02
(4.5H,s),0.99(4.5H,s),0.9
8(4.5H,s),0.92(4.5H,s),0.
60−0.50(2H,m),0.30(1.5H,
s),0.29(1.5H,s),0.21(1.5
H,s),0.20(1.5H,s),0.17(1.
5H,s),0.16(1.5H,s),0.10(3
H,s)。 IR(film):3400,1660cm-1
【0041】実施例1:17−シクロプロピルメチル−
3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α
−(N−ヒドロキシ−3,4−ジクロロフェニルアセト
アミド)モルフィナン THF(1ml)中の、製造例4の6α異性体(0.3
2g,0.41mmol)の溶液に、室温にて、THF
(1ml,1mmol)中の1Mテトラブチルアンモニ
ウムフルオライド溶液を加えた。0.5時間攪拌した後
に、反応溶液を飽和NH4Cl水溶液(20ml)中に
注ぎ、そして酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。
乾燥(硫酸ナトリウム)及びろ過した後に、ろ液を濃縮
して、黄色固体392mgを得た。これを分取薄層クロ
マトグラフィー(TLC)(1mm厚板,ジクロロメタ
ン/MeOH:10/1で2回展開)処理によって精製
して、黄色非結晶固体162mg(72%)を得た。1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.40−
7.25(2H,m),7.12(1H,br.d,J
=8.1Hz),6.68(1H,br.d,J=7.
7Hz),6.58−6.45(1H,m),5.10
−4.95(1H,m),4.80−4.70(1H,
m),3.91(1H,br.d,J=15.8H
z),3.88−3.70(1H,m),3.25−
2.88(2H,m),2.75−2.55(2H,
m),2.45−2.15(3H,m),1.90−
1.40(7H,m),0.90−0.75(1H,
m),0.60−0.50(2H,m),0.20−
0.10(2H,m)。 IR(film):3500,1640cm-1。 MS m/z:544(M+,13),527(7),
340(65),161(100)。
【0042】この遊離アミン162mgを、室温にて、
HClガス溶解メタノール(0.5ml)で処理した。
次に、その溶媒を蒸発させ、そしてその残さをエーテル
からスクラッチングによって凝固させて、淡黄色粉末1
55mgを得た。 C2830Cl225・HCl・H2Oに対する 元素分析計算値:C,56.06;H,5.54;N,4.67。 実測値 :C,56.24;H,5.63;N,4.51。
【0043】実施例2:17−シクロプロピルメチル−
3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β
−(N−ヒドロキシ−3,4−ジクロロフェニルアセト
アミド)モルフィナン THF(1ml)中の、製造例4の6β異性体(0.3
0g,0.39mmol)の溶液に、室温にて、THF
(1ml,1mmol)中の1Mテトラブチルアンモニ
ウムフルオライド溶液を加えた。0.5時間攪拌した後
に、反応溶液を飽和NH4Cl水溶液(20ml)中に
注ぎ、そして酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。
乾燥(硫酸ナトリウム)及びろ過した後に、ろ液を濃縮
して、黄色非結晶固体279mgを得た。これを分取T
LC(1mm厚板,ジクロロメタン/MeOH:10/
1で展開)処理によって精製して、白色非結晶固体17
0mg(79.8%)を得た。1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.36
(0.5H,br.d,J=1.8Hz),7.28
(0.5H,d,J=8.1Hz),7.27(0.5
H,d,J=8.1Hz),7.02(0.5H,d,
J=1.8Hz),6.90(0.5H,dd,J=
1.8,7.3Hz),6.87(0.5H,d,J=
7.3Hz),6.70(0.5H,d,J=8.1H
z),6.69(0.5H,d,J=8.4Hz),
6.53(0.5H,d,J=8.1Hz),4.98
(0.5H,d,J=6.6Hz),4.92(0.5
H,d,J=7.7Hz),4.25−4.10(0.
5H,m),3.93(0.5H,d,J=15.8H
z),3.79(0.5H,d,J=15.8Hz),
3.69(0.5H,d,J=15.8Hz),3.6
7−3.55(0.5H,m),3.48(0.5H,
d,J=15.8Hz),3.30−2.90(4H,
m),2.75−2.20(4H,m),1.80−
1.05(6H,m),0.90−0.80(1H,
m),0.60−0.50(2H,m),0.20−
0.10(2H,m)。 IR(film):3400,3200,1640,1
630cm-1。 MS m/z.:544(M+,25.8),528
(1.7),367(6.4),327(28),16
1(100)。
【0044】この遊離アミン170mgを、室温にて、
HClガス溶解メタノール(2ml)で処理した。次
に、その溶媒を蒸発させ、そしてその残さをエーテル/
メタノールからスクラッチングによって凝固させて、白
色粉末119mgを得た。 融点:235−236℃。 C2830Cl225・HCl・H2Oに対する 元素分析計算値:C,56.06;H,5.54;N,4.67。 実測値 :C,56.41;H,5.24;N,4.66。
【0045】製造例5:6−メトキシイミノナルトレク
ソン エタノール(40ml)中のナルトレクソン塩酸塩
(4.133g,10.9mmol)及びO−メチルヒ
ドロキシルアミン塩酸塩(1.25g,15mmol)
の混合懸濁液を、攪拌しながら3時間還流させた。エタ
ノールを蒸発させた後に、得られた白色固体残さを、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液中に溶解し、そしてジクロ
ロメタン(100ml×3)で抽出した。一緒にした抽
出物を乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、そして濃縮
して、白色非結晶固体3.984g(98.6%)を得
た。これは、ほとんど純粋であるので、精製せずに次の
反応に用いた。1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ6.73
(1H,d,J=8.4Hz),6.57(1H,d,
J=8.1Hz),5.30(1H,s),4.98
(1H,s),3.89(3H,s),3.12(1
H,d,J=6.2Hz),3.05(1H,d,J=
18.7Hz),2.85−2.20(9H,m),
1,65−1.55(2H,m),1.40−1.25
(1H,m),0.95−0.80(1H,m),0.
60−0.50(2H,m),0.20−0.10(2
H,m)。 IR(Nujol):3200,1640,1615c
-1。 MS m/z:371(M++1,100),370
(M+,100),339(50),329(66),
315(52),273(41),243(38),1
10(80)。
【0046】製造例6:17−シクロプロピルメチル−
3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α
−メトキシアミノモルフィナン及び17−シクロプロピ
ルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポ
キシ−6β−メトキシアミノモルフィナン メタノール(40ml)中の6−メトキシイミノナルト
レクソン(3.97g,10.7mmol)、ナトリウ
ムシアノボロハイドライド(1.57g,25mmo
l)及びブロモクレゾールグリーン1片の溶液に、HC
lガス溶解メタノールを、その反応混合物が黄色を継続
的に示すまで加えた。その反応混合物を室温で0.5時
間攪拌した後に、ナトリウムシアノボロハイドライド
(1.40g,22mmol)を加え、続いて、HCl
ガス溶解メタノールを、その反応混合物が黄色を継続的
に示すまで加えた。室温で8時間攪拌した後に、メタノ
ールを蒸発させた。得られた残さを飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液で塩基性化し、そしてジクロロメタン(30
ml×3)で抽出した。一緒にした抽出物を乾燥(硫酸
ナトリウム)し、ろ過し、そして濃縮して、白色非結晶
固体3.962gを得た。これをカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル:100g,溶離液としてジクロロメ
タン/MeOH:30/1)処理によって精製して、極
性が小さい方の主要生成物(6α異性体)(白色非結晶
固体)1.141g、6α−6β異性体混合物(白色非
結晶固体)1.733g、及び極性が大きい方の生成物
(6β異性体)(白色非結晶固体)0.650gを得
た。6α−6β異性体混合物1.733gを、カラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル:100g,溶離液とし
てジクロロメタン/MeOH:30/1)処理によって
再度精製して、6α異性体0.536g、6α−6β異
性体混合物0.610g、及び6β異性体0.739g
を得た。6α異性体の合計収量は、42.1%であり、
そして6β異性体の合計収量は、34.9%であった。 6α異性体:1H NMR(270MHz,CDCl3
δ6.70(1H,d,J=8.1Hz),6.51
(1H,d,J=8.1Hz),4.85(1H,d,
J=3.3Hz),3.72−3.60(1H,m),
3.62(3H,s),3.10(1H,d,J=7.
0Hz),3.04(1H,d,J=18.7Hz),
2.70−2.60(1H,m),2.57(1H,d
d,J=6.6,8.7Hz),2.43−2.20
(4H,m),1.80−1.35(4H,m),0.
90−0.70(2H,m),0.60−0.50(2
H,m),0.20−0.10(2H,m)。 IR(Nujol):3350,3250cm-1。 MS m/z:372(M+,100),341(10
0),323(37),256(54),129(5
2),98(52),73(95)。 6β異性体:1H NMR(270MHz,CDCl3
δ6.68(1H,d,J=8.4Hz),6.56
(1H,d,J=8.1Hz),4.69(1H,d,
J=7.3Hz),3.64(3H,s),3.07
(1H,d,J=5.5Hz),3.01(1H,d,
J=18.3Hz),2.75−2.60(2H,
m),2.58(1H,dd,J=5.9,8.7H
z),2.37(2H,d,J=6.6Hz),2.3
5−2.02(3H,m),1.80−1.60(2
H,m),1.55−1.33(2H,m),0.90
−0.80(1H,m),0.60−0.50(2H,
m),0.20−0.10(2H,m)。 IR(Nujol):3350,3250cm-1。 MS m/z:372(M+,84),357(5),
341(8),327(9),323(13),226
(38),84(88),55(100)。
【0047】実施例3:17−シクロプロピルメチル−
3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α
−(N−メトキシ−3,4−ジクロロフェニルアセトア
ミド)モルフィナン ジクロロメタン(5ml)中の、17−シクロプロピル
メチル−4,5α−エポキシ−3,14β−ジヒドロキ
シ−6α−メトキシアミノモルフィナン(240mg,
0.64mmol)及び3,4−ジクロロフェニル酢酸
(267mg,1.3mmol)の攪拌した溶液に、室
温にて、WSC(249mg,1.3mmol)を加え
た。1時間攪拌した後に、反応溶液をジクロロメタン
(20ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、そしてろ過し
た。そのろ液を濃縮して、白色非結晶固体521mgを
得た。これを、混合溶媒(ジクロロメタン/MeOH:
1/4)5ml中に溶解した。この溶液にK2CO3(1
38mg,1mmol)を室温で加えた。1時間攪拌し
た後に、MeOHを蒸発させ、そして得られた残さを水
中に溶解して、そしてジクロロメタン(20ml×2)
で抽出した。乾燥(硫酸ナトリウム)及びろ過した後
に、ろ液を濃縮して無色粘性油状体521mgを得た。
これを、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:60
g,溶離液としてジクロロメタン/メタノール:20/
1)処理によって精製して、白色非結晶固体275mg
(76.8%)を得た。1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.44
(1H,d,J=2.2Hz),7.39(1H,d,
J=8.4Hz),7.17(1H,dd,J=2.
2,8.1Hz),6.70(1H,d,J=8.1H
z),6.53(1H,d,J=8.1Hz),4.8
5−4.75(1H,m),4.77(1H,d,J=
3.7Hz),3.82(1H,d,J=15.4H
z),3.78(3H,s),3.73(1H,d,J
=15.4Hz),3.10(1H,d,J=7.0H
z),3.03(1H,d,J=18.7Hz),2.
67−2.55(2H,m),2.42−2.17(4
H,m),1.85−1.30(5H,m),0.90
−0.77(1H,m),0.57−0.49(2H,
m),0.15−0.08(2H,m)。 IR(Nujol):3350,1630cm-1
【0048】この遊離アミン275mgを、室温にて、
HClガス溶解メタノール(2ml)で処理した。次
に、その溶媒を蒸発させ、そしてその残さをエーテルか
らスクラッチングによって凝固させて、白色粉末235
mgを得た。 C2932Cl225・HCl・H2Oに対する 元素分析計算値:C,56.73;H,5.75;N,4.56。 実測値 :C,56.51;H,5.79;N,4.47。
【0049】実施例4:17−シクロプロピルメチル−
3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β
−(N−メトキシ−3,4−ジクロロフェニルアセトア
ミド)モルフィナン 標記化合物を、実施例3に記載の手順と同様の手順に従
って、17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキ
シ−3,14β−ジヒドロキシ−6β−メトキシアミノ
モルフィナンから、76.7%の収量で調製した。1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.41
(1H,br.s),7.39(1H,br.d,J=
9.5Hz),7.16(1H,br.d,J=7.7
Hz),6.71(1H,br.d,J=7.3H
z),6.57(1H,br.d,J=8.1Hz),
4.90(1H,d,J=8.1Hz),4.20−
4.05(1H,m),3.90−3.68(5H,
m;3.83ppmにおいて3H,br.sを含む),
3.15−3.06(1H,m),3.03(1H,
d,J=18.3Hz),2.75−2.55(2H,
m),2.39(2H,d,J=6.2Hz),2.3
8−2.10(3H,m),1.70−1.25(4
H,m),0.90−0.80(1H,m),0.60
−0.50(2H,m),0.20−0.10(2H,
m)。 IR(Nujol):3300,3250,166Oc
-1。 MS m/z:562(M++4,4),560(M+
2,20),558(M+ ,29),543(6),5
27(4),412(8),326(10),256
(10),210(26),159(40),55(1
00)。
【0050】この遊離アミン115mgを、室温にて、
HClガス溶解メタノール(1ml)で処理した。次
に、その溶媒を蒸発させ、そしてその残さをエーテルか
らスクラッチングによって凝固させ、メタノール/エー
テルから再結晶化処理して、白色粉末107mg(融点
=238〜243℃)を得た。 C2932Cl225・HCl・H2Oに対する 元素分析計算値:C,56.73;H,5.75;N,4.56。 実測値 :C,56.36;H,5.76;N,4.54。
【0051】実施例5:17−シクロプロピルメチル−
4,5α−エポキシ−14β−ヒドロキシ−3−メトキ
シ−6α−(N−メトキシ−3,4−ジクロロフェニル
アセトアミド)モルフィナン 17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキ
シ−4,5α−エポキシ−6α−(N−メトキシ−3,
4−ジクロロフェニルアセトアミド)モルフィナン(1
97mg,0.35mmol)、トリメチルシリルジア
ゾメタン(ジクロロメタン中10%溶液,0.57g,
0.5mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(65
mg,0.5mmol)、メタノール(0.2ml)、
及びアセトニトリル(2ml)の混合物を、室温で13
時間攪拌した。溶媒を蒸発した後に、残った油状体を、
分取薄層クロマトグラフィー(1mm厚板,ジクロロメ
タン/MeOH:10/1)処理によって精製して、非
結晶固体47mgを得た。これを分取薄層クロマトグラ
フィー(1mm厚板,ジクロロメタン/MeOH:10
/1)処理によって再度精製して、非結晶固体として所
望の生成物25mgを得た。1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.41
(1H,d,J=2.2Hz),7.38(1H,d,
J=8.1Hz),7.16(1H,dd,J=1.
8,8.1Hz),6.75(1H,d,J=8.4H
z),6.59(1H,d,J=8.1Hz),4.9
0(1H,td,J=3.7,13.2Hz),4.7
8(1H,d,J=4Hz),3.84(3H,s),
3.83(1H,d,J=15.4Hz),3.82
(3H,s),3.70(1H,d,J=15.8H
z),3.17(1H,d,J=6.6Hz),3.0
6(1H,d,J=18.7Hz),2.75−2.2
0(6H,m),1.88−1.25(5H,m),
0.95−0.80(2H,m),0.60−0.50
(2H,m),0.20−0.10(2H,m)。 IR(film):3400,1600cm-1。 MS m/z:576(M++4,7),574(M+
2,36),572(M+ ,50),545(M++4
−OMe,8),543(M++2−OMe,34),
541(M+−OMe,43)。
【0052】製造例7:6−メトキシイミノナロクソン 標記化合物を、製造例5に記載の手順と同様の手順に従
って、ナロクソン(naloxone)塩酸塩及びO−
メチルヒドロキシルアミンから、95.7%の収量で調
製した。1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ6.73
(1H,d,J=8.4Hz),6.59(1H,d,
J=8.1Hz),5.88−5.72(1H,m),
5.27−5.14(2H,m),4.97(1H,
s),3.89(3H,s),3.14(1H,d,J
=3.7Hz),3.10(1H,d,J=17.2H
z),2.93(1H,d,J=6.2Hz),2.8
4−2.74(1H,m),2.65−2.15(5
H,m),1.65−1.50(2H,m),1.40
−1.23(1H,m)。
【0053】製造例8:17−アリル−3,14β−ジ
ヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α−メトキシアミ
ノモルフィナン及び17−アリル−3,14β−ジヒド
ロキシ−4,5α−エポキシ−6β−メトキシアミノモ
ルフィナン 標記化合物を、製造例6に記載の手順と同様の手順に従
って、6−メトキシイミノナロクソンから、100%の
収量(粗製)で調製した。これをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶離液としてジクロロメタン/MeO
H:30/1)処理によって精製して、極性が小さい方
の主要異性体として17−アリル−3,14β−ジヒド
ロキシ−4,5α−エポキシ−6α−メトキシアミノモ
ルフィナンを48.6%の収量で、極性大きい方の少量
の異性体として17−アリル−3,14β−ジヒドロキ
シ−4,5α−エポキシ−6β−メトキシアミノモルフ
ィナンを17.3%の収量で、そしてそれぞれの異性体
の混合物を17.5%の収量で得た。 6α異性体:1H NMR(270MHz,CDCl3
δ6.70(1H,d,J=8.1Hz),6.52
(1H,d,J=8.1Hz),5.81(1H,td
d,J=6.6,10.3,16.9Hz),5.25
−5.13(2H,m),4.84(1H,d,J=
3.7Hz),3.65(1H,td,J=3.7,1
3.2Hz),3.62(3H,s),3.10(1
H,d,J=5.9Hz),3.08(1H,d,J=
18.7Hz),2.92(1H,d,J=6.6H
z),2.63−2.49(2H,m),2.34−
2.15(2H,m),1.80−1.35(4H,
m),0.85−0.70(1H,m)。 6β異性体:1H NMR(270MHz,CDCl3
δ6.67(1H,d,J=8.1Hz),6.57
(1H,d,J=8.1Hz),5.79(1H,td
d,J=6.2,10.3,17.2Hz),5.25
−5.13(2H,m),4.70(1H,d,J=
7.3Hz),3.64(3H,s),3.12(2
H,d,J=6.6Hz),3.05(1H,d,J=
18.3Hz),2.89(1H,d,J=5.5H
z),2.73−2.49(3H,m),2.28−
2.02(3H,m),1.78−1.57(2H,
m),1.49−1.25(2H,m)。
【0054】実施例6:17−アリル−3,14β−ジ
ヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α−(N−メトキ
シ−3,4−ジクロロ−フェニルアセトアミド)モルフ
ィナン 標記化合物を、実施例3に記載の手順と同様の手順に従
って、6α−メトキシアミノナロクソン及び3,4−ジ
クロロフェニル酢酸から、67%の収量で調製した。1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.44
(1H,d,J=2.2Hz),7.39(1H,d,
J=8.1Hz),7.16(1H,dd,J=2.
2,8.1Hz),6.71(1H,d,J=8.1H
z),6.55(1H,d,J=8.1Hz),5.7
9(1H,tdd,J=6.6,10.6,17.2H
z),5.25−5.15(2H,m),4.85−
4.75(2H,m),3.82(1H,d,J=1
5.4Hz),3.77(3H,s),3.73(1
H,d,J=15.4Hz),3.15−3.05(3
H,m),2.92(1H,d,J=6.6Hz),
2.66−2.50(2H,m),2.30−2.15
(2H,m),1.85−1.35(5H,m)。 IR(Nujol):3350,1640cm-1。 MS m/z:548(M++4,5),546(M+
2,23),544(M+,33),517(M++4−
OMe,6),515(M++2−OMe,24),5
13(M+−OMe,30)。
【0055】この遊離アミン110mgを、室温にて、
HClガス溶解メタノール(2ml)で処理した。次
に、その溶媒を蒸発させ、そしてその残さをエタノール
/エーテルからスクラッチングによって凝固させて、白
色粉末100mgを得た。 C2830Cl222・HCl・2.5H2Oに対する 元素分析計算値:C,53.64;H,5.79;N,4.47。 実測値 :C,53.50;H,5.58;N,4.37。
【0056】実施例7:17−シクロプロピルメチル−
3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α
−(N−メトキシ−3,4−ジクロロベンズアミド)モ
ルフィナン ジクロロメタン(5ml)中の17−シクロプロピルメ
チル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ
−6α−メトキシ−アミノモルフィナン(74mg,
0.2mmol)及びトリエチルアミン(0.07m
l,0.5mmol)の溶液に、室温にて、3,4−ジ
クロロベンゾイルクロライド(105mg,0.5mm
ol)を加えた。0.5時間攪拌した後に、その溶液
を、ジクロロメタン(10ml)で希釈し、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)
し、ろ過し、そして濃縮して、白色固体302mgを得
た。メタノール/ジクロロメタン(4ml/4ml)中
の前記固体の溶液に、K2CO3(28mg,0.2mm
ol)を室温で加えた。1時間攪拌した後に、溶媒を蒸
発させた。この残さに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を
加え、そしてジクロロメタン(10ml×2)で抽出し
た。その抽出物を乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、
そして濃縮して、明黄色粘性油状体201mgを得た。
これを、分取TLC(1mm厚板×2,ジクロロメタン
/メタノール:10/1)処理によって精製して、淡黄
色粘性油状体89mg(81.7%)を得た。1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.86
(1H,d,J=1.8Hz),7.60(1H,d
d,J=1.8,8.4Hz),7.49(1H,d,
J=8.4Hz),6.72(1H,d,J=8.1H
z),6.56(1H,d,J=8,4Hz),5.0
0−4.88(2H,m),3.51(3H,s),
3.13(1H,d,J=6.6Hz),3.06(1
H,d,J=18.7Hz),2.70−2.57(2
H,m),2.44−2.20(4H,m),1.90
−1.45(5H,m),0.95−0.80(1H,
m),0.60−0.50(2H,m),0.16−
0.10(2H,m)。 IR(film):3350,1630cm-1。 MS m/z:548(M++4,1),546(M+
2,6),544(M+,8),517(M++4−OM
e,1),515(M++2−OMe,6),513
(M+−OMe,8),346(6),303(1
9),173(29),55(100)。
【0057】実施例8:17−シクロプロピルメチル−
3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α
−(N−メトキシ−3,4−ジクロロシンナミド)モル
フィナン 標記化合物を、実施例3に記載の手順と同様の手順に従
って、17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキ
シ−3,14β−ジヒドロキシ−6α−メトキシアミノ
モルフィナンから、21%の収量で調製した。1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.65
(1H,d,J=15.8Hz),7.65(1H,
d,J=2.2Hz),7.46(1H,d,J=8.
4Hz),7.38(1H,dd,J=1.8,8.4
Hz),7.00(1H,d,J=15.8Hz),
6.74(1H,d,J=8.1Hz),6.56(1
H,d,J=8.4Hz),5.00−4.88(2
H,m),3.82(3H,s),3.25−3.15
(1H,m),3.06(1H,d,J=18.3H
z),2.80−2.20(6H,m),1.90−
1.40(5H,m),0.95−0.82(1H,
m),0.60−0.52(2H,m),0.20−
0.14(2H,m)。 IR(Nujol):3300,3250,1640c
-1。 MS m/z:574(M+,0.3),572(M+
2,1.5),570(M+,1.9),543(M+
4−OMe,0.6),541(M++2−OMe,
2.4),539(M+−OMe,3.2),370
(13),339(16),310(10),256
(5),199(12),55(100)。
【0058】実施例9:17−アリル−3,14β−ジ
ヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−(N−メトキ
シ−3−フラナクリル−アミド)モルフィナン 標記化合物を、実施例3に記載の手順と同様の手順に従
って、6β−メトキシアミノナロクソン及び3−フラナ
クリル酸から、10.5%の収量で調製した。1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.67
(1H,br.s),7.64(1H,d,J=15.
0Hz),7.44(1H,br.s),6.75(1
H,d,J=8.1Hz),6.66−6.58(3
H,m,6.61ppmにおいて1H,d,J=8.1
Hzを含む),5.80−5.60(1H,m),5.
26−5.13(2H,m),4.91(1H,d,J
=8.1Hz),4.40−4.20(1H,m),
3.87(3H,s),3.14(2H,d,J=6.
2Hz),3.08(1H,d,J=18.3Hz),
2.91(1H,d,J=5.9Hz),2.70−
2.52(2H,m),2.40−2.10(3H,
m),1.75−1.40(4H,m)。 IR(film):3400,3250,1650,1
610cm-1。 MS m/z:478(M+,5),447(M+−OM
e,18),357(3),309(3),242
(6),212(15),149(8),121(10
0)。
【0059】実施例1〜9で製造した化合物の化学構造
を、以下の表にまとめた。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/485 ACJ A61K 31/485 ACJ ACX ACX AED AED

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又
    はO−保護基であり;Bは、直接結合、炭素数1〜5の
    アルキレン基又は炭素数2〜5のアルケニレン基であ
    り;R1は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5
    のアルケニル基又は(炭素数3〜7のシクロアルキル)
    −炭素数1〜3のアルキル基であり;R2は、ヒドロキ
    シ基又は炭素数1〜5のアルコキシ基であり;R3は、
    水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜5のアルコキシ
    基であり;そしてR4は、水素原子若しくはフェニル基
    であるか、又はフリル基、チエニル基及びピロリル基か
    らなる群から選択したヘテロアリール基であり、ここ
    で、前記のフェニル基及びヘテロアリール基は、場合に
    より、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のア
    ルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基及び炭素数2〜
    5のアルケニル基からなる群から選択した置換基1〜5
    個で置換されていることがあるものとする]で表される
    化合物、又は薬剤学的に許容することのできるその塩若
    しくは薬剤学的に許容することのできるその溶媒和化合
    物。
  2. 【請求項2】 Rが、水素原子又は炭素数1〜5のアル
    キル基であり;Bが、直接結合、炭素数1〜4のアルキ
    レン基又は炭素数2〜4のアルケニレン基であり;R1
    が、炭素数2〜5のアルケニル基又は(炭素数3〜7の
    シクロアルキル)−炭素数1〜3のアルキル基であり;
    2が、ヒドロキシ基又は炭素数1〜3のアルコキシ基
    であり;R3が、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1
    〜3のアルコキシ基であり;そしてR4が、場合によ
    り、ハロゲン原子、ヒドロキシ基及び炭素数1〜3のア
    ルキル基からなる群から選択した置換基1〜3個で置換
    されていることがある、フェニル基又はヘテロアリール
    基である、請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 Rが、水素原子又は炭素数1〜3のアル
    キル基であり;Bが、直接結合、炭素数1〜3のアルキ
    レン基又は炭素数2〜3のアルケニレン基であり;R1
    が、炭素数2〜3のアルケニル基又は(炭素数3〜5の
    シクロアルキル)−メチル基であり;R2及びR3が、そ
    れぞれ独立して、ヒドロキシ基又は炭素数1〜3のアル
    コキシ基であり;そしてR4が、場合により、ハロゲン
    原子、ヒドロキシ基及び炭素数1〜3のアルキル基から
    なる群から選択した置換基1〜3個で置換されているこ
    とがある、フェニル基、フリル基、チエニル基又はピロ
    リル基である、請求項2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Rが、水素原子、メチル基又はエチル基
    であり;Bがメチレン基、エチレン基又はエテニレン基
    であり;R1が、アリル基、シクロプロピルメチル基、
    シクロブチルメチル基又はシクロペンチルメチル基であ
    り;R2及びR3が、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、
    メトキシ基又はエトキシ基であり;そしてR4が、場合
    により、フッ素原子及び塩素原子からなる群から選択し
    た置換基1〜3個で置換されていることがある、フェニ
    ル基又はフリル基である、請求項3に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 Rが、水素原子又はメチル基であり;B
    がメチレン基又はエテニレン基であり;R1が、アリル
    基又はシクロプロピルメチル基であり;R2が、ヒドロ
    キシ基又はメトキシ基であり;R3が、ヒドロキシ基で
    あり;そしてR4が、3,4−ジクロロフェニル基又は
    フリル基である、請求項4に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 17−シクロプロピルメチル−3,14
    β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α−(N−
    ヒドロキシ−3,4−ジクロロフェニルアセトアミド)
    モルフィナン又はその塩;17−シクロプロピルメチル
    −3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6
    β−(N−ヒドロキシ−3,4−ジクロロフェニルアセ
    トアミド)モルフィナン又はその塩;17−シクロプロ
    ピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エ
    ポキシ−6α−(N−メトキシ−3,4−ジクロロフェ
    ニルアセトアミド)モルフィナン又はその塩;17−シ
    クロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,
    5α−エポキシ−6β−(N−メトキシ−3,4−ジク
    ロロフェニルアセトアミド)モルフィナン又はその塩;
    17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−1
    4β−ヒドロキシ−3−メトキシ−6α−(N−メトキ
    シ−3,4−ジクロロフェニルアセトアミド)モルフィ
    ナン又はその塩;17−アリル−3,14β−ジヒドロ
    キシ−4,5α−エポキシ−6α−(N−メトキシ−
    3,4−ジクロロ−フェニルアセトアミド)モルフィナ
    ン又はその塩;17−シクロプロピルメチル−3,14
    β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α−(N−
    メトキシ−3,4−ジクロロベンズアミド)モルフィナ
    ン又はその塩;17−シクロプロピルメチル−3,14
    β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α−(N−
    メトキシ−3,4−ジクロロシンナミド)モルフィナン
    又はその塩;及び17−アリル−3,14β−ジヒドロ
    キシ−4,5α−エポキシ−6β−(N−メトキシ−3
    −フラナクリル−アミド)モルフィナン又はその塩から
    選択した請求項1に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 17−シクロプロピルメチル−3,14
    β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α−(N−
    ヒドロキシ−3,4−ジクロロフェニルアセトアミド)
    モルフィナン又はその塩;及び17−シクロプロピルメ
    チル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ
    −6α−(N−メトキシ−3,4−ジクロロフェニルア
    セトアミド)モルフィナン又はその塩から選択した請求
    項6に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 鎮痛剤、抗炎症剤、利尿剤、麻酔剤、神
    経保護剤、発作治療剤又は機能性腸疾病治療剤として有
    用な、請求項1に記載の化合物及び薬剤学的不活性担体
    を含む医薬組成物。
  9. 【請求項9】 オピオイドレセプターに対するアゴニス
    ト活性及びORL1レセプターに対するアンタゴニスト
    活性が必要な医学的状態にある対象哺乳類治療用の、請
    求項1に記載の化合物及び薬剤学的不活性担体を含む医
    薬組成物。
JP9262963A 1996-09-16 1997-09-11 モルフィナンヒドロキサム酸化合物 Pending JPH1087667A (ja)

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