JPH0515583Y2 - - Google Patents

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JPH0515583Y2
JPH0515583Y2 JP1986135267U JP13526786U JPH0515583Y2 JP H0515583 Y2 JPH0515583 Y2 JP H0515583Y2 JP 1986135267 U JP1986135267 U JP 1986135267U JP 13526786 U JP13526786 U JP 13526786U JP H0515583 Y2 JPH0515583 Y2 JP H0515583Y2
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【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、点火コイルの1次電流を遮断するこ
とにより点火用の高電圧を得る電流遮断形の内燃
機関用点火装置に関するものである。
[従来の技術] 内燃機関用点火装置として、点火コイルの1次
コイルに流しておいた電流を点火時期に遮断する
ことにより点火コイルの2次コイルに高電圧を誘
起させて点火動作を行わせるようにした、いわゆ
る電流遮断形の点火装置が広く用いられている。
電流遮断形の点火装置としては種々の回路構成を
有するものが提案されているが、その1つとし
て、例えば実公昭58−27093号に見られるように、
内燃機関により駆動される磁石発電機内に配置さ
れた点火コイルの1次コイルに対して並列に接続
された1次電流制御用トランジスタスイツチと、
トランジスタスイツチの両端の電圧または1次コ
イルの両端の電圧から点火コイルの1次電流を検
出して該1次電流が所定値に達した時にトランジ
スタスイツチを遮断させる遮断制御回路とを備え
た装置が知られている。この様な点火装置では、
機関の回転数の上昇に伴つて1次電流が増大して
該1次電流が所定値に達する位相が進むため、点
火位置は機関の回転数の上昇に伴つて進角するこ
とになる。
また点火コイルを内蔵する磁石発電機において
は、鉄製の回転体の外周に設けた凹部内に1個の
永久磁石を取付けて該磁石の外周側の磁極と凹部
の両側の回転体外周部に形成される磁極とにより
3極の回転子磁極を構成する磁石回転子が多く用
いられ、点火コイルは該磁石回転子の磁極に対向
する対の固定子磁極部を両端に有する固定子鉄心
に巻装される。
[考案が解決しようとする課題] 周知のように、上記のような電流遮断形の内燃
機関用点火装置においては、1次電流が立上つて
からピークに達するまでの角度幅が理屈の上での
最大進角幅となり、実際の進角幅はこの最大進角
幅よりもかなり狭くなる。従つて進角幅を広くと
るためには、1次電流が立上つてからピークに達
するまでの角度幅をできるだけ広くしておく必要
があるが、従来の3極の磁石発電機を用いた場合
には、この角度幅を余り広くとることができず、
進角幅を広くすることができなかつた。
進角幅が狭いと高速時の点火位置を所定量進角
した位置に設定した場合に低速時の点火位置も相
当に進角した位置になるため、機関の始動時に上
死点より前の位置で爆発が生じて機関始動用ペダ
ルが押し戻される、いわゆるケツチン現象が発生
し、運転者に危険を及ぼすという問題があつた。
本考案の目的は3極の磁石回転子を用いてしか
も進角幅を従来より広くとることができるように
した内燃機関用点火装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本考案は、磁性材料からなる回転体4の外周に
設けられた凹部4a内に永久磁石5を取付けて該
永久磁石の外周側磁極と凹部の両側の回転体外周
部とにより3極の回転子磁極P1,P21,P22を構成
した磁石回転子3と、該磁石回転子磁極に対向す
る対の固定子磁極部Q1,Q2を両端に有する固定
子鉄心2に巻装された点火コイル1とを備えて、
各固定子磁極部Q1,Q2が隣合う異極性の回転子
磁極P1,P21またはP1,P22に跨つて対向し得る大
きさの極弧角を有するように形成されている磁石
発電機と、点火コイルの1次コイル1aに対して
並列に設けられて該1次コイルの一方の極性の半
サイクルの出力でベース電流が与えられて導通す
る1次電流制御用トランジスタスイツチTSと、
点火コイルの1次電流を検出して該1次電流が所
定の値に達した時に前記トランジスタスイツチを
遮断させる遮断制御回路BCとを具備した内燃機
関用点火装置において、進角幅を広くとることが
できるようにしたものである。
そのため本考案においては、固定子鉄心の対の
固定子磁極部の内、磁石回転子の回転方向の後方
側に位置する一方の固定子磁極部を他方の固定子
磁極部側に延長して該一方の固定子磁極部の極弧
角が他方の固定子磁極の極弧角よりも大きく設定
し、対の固定子磁極部相互間の角度間隔αが回転
子磁極相互間の角度間隔βに略等しく設定する。
[作用] 上記のように構成すると、延長された一方の固
定子磁極部が隣り合う2つの回転子磁極に跨つて
対向して固定子鉄心に流れる磁束(1次コイルに
鎖交する磁束)の一部をバイパスする期間を、他
方の固定子磁極部が隣り合う2つの回転子磁極に
跨つて対向して固定子鉄心に流れる磁束の一部を
バイパスする期間よりも長くすることが出来るた
め、固定子鉄心の磁束波形を非対称な形状に歪ま
せることができ、1次電流がピークに達する位置
を遅らせることができる。従つて1次電流が立上
つてからピークに達するまでの角度幅を広くし
て、進角幅を広くとることができるようになる。
また上記のように構成すると、期間の逆転時に
流れる1次電流の波高値を低くして、機関の逆転
時に低い回転数から点火動作が行われるのを防ぐ
ことができるため、2サイクル機関に適用した場
合に、機関の逆転を防止することができる。
[実施例] 以下添附図面を参照して本考案の実施例を説明
する。
第1図は本考案で用いる磁石発電機の構成例を
示したもので、同図において1は固定子鉄心2に
巻装された点火コイル、3は鉄製の円盤状回転体
4の外周に設けられた凹部4a内に1個の永久磁
石5を取付けた磁石回転子である。磁石回転子3
の永久磁石5の外周側の磁極面には鉄板からなる
磁極片6が配置され、該磁極片6と磁石5とを貫
通させて凹部4aの底部に螺入された図示しない
ネジにより磁極片6及び磁石5が凹部4aに底面
の中央部に固定されている。磁石5はその外周側
が例えばN極になるように回転子の径方向に着磁
され、凹部4aの両側の回転体外周部にS極が現
れている。磁石5の外周側の磁極と凹部4aの両
側の磁極とにより3極の回転子磁極P1,P21及び
P22が構成されている。この磁石回転子3は、図
示しない内燃機関に取付けられて、図示の矢印U
方向に機関と同期回転するように駆動される。
点火コイルを巻装した固定子鉄心2はI字形の
コイル巻装部201と該コイル巻装部の一端から
直角に折れ曲つた脚部202とを一体に有するほ
ぼL字形の第1の鉄心構成体2Aと、一端にコの
字形の凹部203を有して該凹部203に第1の
鉄心構成体2Aのコイル巻装部201の他端を嵌
合させることによりコイル巻装部201と直角に
配置された状態で鉄心構成体2Aに接合された第
2の鉄心構成体2Bとからなつている。これらの
鉄心構成体は共に鋼板の積層体からなり、第2の
鉄心構成体2Bの先端及び脚部201の先端にそ
れぞれ回転子磁極に対向する対の固定子磁極部
Q1及びQ2が構成されている。
点火コイル1は1次ボビンに巻回された1次コ
イルと該1次コイルの外周に2次ボビンを介して
同心的に巻回された2次コイルとを樹脂モールド
部100により被包した公知の構造のものであ
る。モールド部100の端部には膨出部101が
形成されてこの膨出101内に2次コイルの非接
地側端子につながる2次端子を内部に有する2次
端子導出筒102の一端が埋設固定され、高圧コ
ード6の一端が2次端子導出筒102内に係入さ
れて該高圧コードの芯線が導出筒内の2次端子に
接続されている。高圧コードの根元付近と2次端
子導出筒102とに跨がつてゴムブツシング7が
嵌着され、このブツシングにより高圧コード6と
2次端子との接続部の防水が図られている。モー
ルド部100の2次端子導出筒102側の端面に
は、1次コイルの非接地側端子につながる1次端
子103と1次コイル及び2次コイルの接地側端
子につながるアース端子104とが導出されてい
る。
上記点火コイル1は、第1の鉄心構成体2Aの
コイル巻装部201に嵌装され、その後第1の鉄
心構成体2Aのコイル巻装部201の端部に第2
の鉄心構成体2Bが取付けられて、磁石発電機の
固定子が組立てられる。点火コイルのアース端子
104は固定子鉄心2の脚部202の端部に当接
されて該鉄心2に電気的に接続されている。
従来の磁石発電機では、対の固定子磁極部Q1
及びQ2の内、回転子の回転方向の後方側に位置
する一方の固定子磁極Q1の極弧角が他方の固定
子磁極Q2の極弧角θ2に等しく設定されていた。
尚該極弧角θ2は、短い区間ではあるが、固定子
磁極部Q1,Q2を、隣合う異極性の回転子磁極P1
P21またはP1,P22に跨つて対向させ得る大きさに
設定されていた。
これに対し本考案では、図示のように回転子の
回転方向の後方側に位置する一方の固定子磁極
Q1の一端を他方の固定子磁極Q2側に、ほぼ点火
コイルの中間位置(点火コイル1の1次コイル及
び2次コイルを軸線方向に2分する位置)に相応
する位置まで延長して、固定子磁極Q1の極弧角
θ1を固定子磁極Q2の極弧角θ2よりも大きくし、対
の固定子磁極部Q1,Q2相互間の角度間隔αを回
転子磁極相互間の角度間隔βに略等しく設定して
いる。上記固定子鉄心2は該鉄心に設けられた取
付け孔204,205を貫通させた図示しないボ
ルトにより機関のケース等に設けられた固定子取
付け部に固定され、固定子磁極Q1及びQ2が所定
のギヤツプを介して回転子磁極に対向させられ
る。
尚極弧角θ2が、短い区間固定子磁極部Q2を隣
合う異極性の回転子磁極P2,P21またはP1,P22
跨つて対向させ得る大きさに設定されているのは
従来と同様である。
次に上記磁石発電機とともに用いられる電流遮
断形の点火装置に構成例を第3図に参照して説明
する。第3図において点火コイル1は1次コイル
1a及び2次コイル1bからなつていて、両コイ
ルの一端は接地され、2次コイル1bの非接地側
端子(2次端子)は機関の気筒に取付けられた点
火プラグ2の非接地側端子に高圧コード6を介し
て接続されている。1次コイル1aの非接地側端
子にはNPNトランジスタTr1のコレクタが接続さ
れ、該トランジスタTr1のエミツタは接地されて
いる。この例ではトランジスタTr1としてダーリ
ントン接続された複合トランジスタが用いられて
いる。トランジスタTr1のベースには抵抗R1の一
端が接続され、該抵抗R1の他端は抵抗R2を通し
て1次コイル1aの非接地側端子に接続されてい
る。
抵抗R1及びR2の接続点にエミツタを接地した
NPNトランジスタTr2のコレクタが接続され、ト
ランジスタTr2のベースはダイオードD1及びD2
カソードに接続されている。ダイオードD1のア
ノードは接地され、ダイオードD2のアノードは
抵抗R3を通して1次コイル1aの非接地側端子
に接続されている。ダイオードD2のアノードに
はまたダイオードD3のアノードが接続され、ダ
イオードD3のカソードは抵抗R4を通してエミツ
タが接地されたNPNトランジスタTr3のコレクタ
に接続されている。トランジスタTR3のベースに
はアノードを接地したダイオードD4のカソード
とコンデンサC1の一端とが接続され、コンデン
サC1の他端は抵抗R5を通して1次コイル1aの
非接地側端子に接続されている。
この例では、トランジスタTr1と抵抗R1及びR2
とにより1次電流制御用トランジスタスイツチ回
路TSが構成され、トランジスタTr2及びTr3とダ
イオードD1ないしD4と抵抗R3ないしR5とコンデ
ンサC1とにより遮断制御回路BCが構成されてい
る。
上記の点火装置において、機関が回転すると、
点火コイルが配置された磁石発電機の磁石回転子
が回転するため、点火コイルの1次コイル1aに
電圧が誘起する。1次コイル1aが図示の破線矢
印方向の電圧を誘起すると、1次コイル1aから
ダイオードD1とトランジスタTr2のベースコレク
タ間のダイオード接合と抵抗R1とトランジスタ
Tr1のベースコレクタ間のダイオード接合とを通
して電流が流れる。この電流は遮断されることが
ないため、この電流によつては点火コイルに高電
圧が誘起することはない。また1次コイル1aに
図示の破線矢印方向の電圧が誘起している半サイ
クルにおいてダイオードD4及び抵抗R5を通して
コンデンサC1が図示の極性に充電される。
次に1次コイル1aが図示の実線矢印方向の極
性の半サイクルの電圧を誘起すると、コンデンサ
C1が該電圧により抵抗R5を通して図示の極性と
反対側の極性に充電され、このコンデンサC1
充電電流がトランジスタTr3のベースエミツタ間
を通して流れる。これによりトランジスタTr3
導通するため、1次コイル側から抵抗R3及びR4
とトランジスタTr3のコレクタエミツタ間とを通
して電流が流れる。これによりダイオードD2
アノードと接地間に電圧(トランジスタTr1のコ
レクタエミツタ間の電圧を抵抗R3及びR4により
分圧した電圧)が生じるが、機関の低速時には1
次コイル1aの誘起電圧が低いため、ダイオード
D2のアノードと接地間の電圧はトランジスタTr2
に充分なベース電流を流す程には高くならない。
従つて機関の低速時にダイオードD2のアノード
と接地間の電圧によりトランジスタTr2に所定の
ベース電流が流れて該トランジスタTr2が導通す
ることはない。
1次コイル1aに図示の実線矢印方向の電圧が
誘起すると、抵抗R1及びR2を通してトランジス
タTr1にベース電流が流れて該トランジスタが導
通し、1次コイル1aからトランジスタTr1のコ
レクタエミツタ間を通して1次電流が流れる。こ
の1次電流は1次コイル1aの出力の上昇に伴つ
て増大していき、トランジスタTr1のコレクタエ
ミツタ間の電圧(トランジスタスイツチの両端の
電圧)及び1次コイル1aの両端電圧は該1次電
流の増大に略比例して増大していく。このトラン
ジスタTr1のコレクタエミツタ間電圧がピークに
達すると、コンデンサC1の充電が終了し、トラ
ンジスタTr3へのベース電流の供給が停止される
ため、該トランジスタTr3が遮断状態になり、1
次コイル1aから抵抗R3及びダイオードD2を通
してトランジスタTr2にベース電流が供給され
る。これによりトランジスタTr2が導通し、トラ
ンジスタTr1を遮断状態にする。このトランジス
タTr1の遮断により点火コイルの1次電流が遮断
されるため、該点火コイルの1次コイル1aに高
い電圧が誘起し、この電圧が更に昇圧されて2次
コイル1bに点火用の高電圧が誘起する。この高
電圧は点火プラグPに印加されるため、該点火プ
ラグPに火花が生じ、機関が点火される。このよ
うに、機関の低速時には1次コイル1aからトラ
ンジスタTr1を通して流れる1次電流が最大にな
つた時にトランジスタTr1が遮断して点火動作が
行われる。このように低速時の点火動作を点火コ
イルの1次電流が最大になる位置で行わせるの
は、機関の低速時の電流遮断値を高くして点火性
能を高めるためである。
機関の回転数[rpm]が設定値以上になつて、
1次コイル1aの出力が高くなると、1次電流が
増大してトランジスタTr1のコレクタエミツタ間
電圧が高くなるため、トランジスタTr3が導通し
た後コンデンサC1の充電が完了して該トランジ
スタTr3が遮断する以前にダイオードD2のアノー
ドと接地間の電圧がトランジスタTr2に充分なベ
ース電流を流し得るレベルに達するようになり、
この電圧がトランジスタTr2に充分なベース電流
を流し得るレベルに達した時に該トランジスタ
Tr2が導通してトランジスタTr1を遮断させる。
従つて機関の回転数が設定値以上になると、1次
電流が最大になる位置よりも位相が進んだ位置で
点火動作が行われるようになり、点火時期は進角
していく。
第1図の磁石発電機において固定子磁極Q1
極弧角を固定子磁極Q2の極弧角θ2に等しくした
場合の磁束φ′の波形は第4図Aに破線で示したよ
うに正弦波に近い波形になる。これに対し、第1
図に示したように固定子磁極Q1の極弧角をQ2
極弧角よりも大きくした場合には、固定子鉄心2
に流れる磁束φが第4図Aに実線で示したように
歪んだ波形になり、そのピーク位置の位相が遅れ
る。
第2A図ないし第2H図は、磁石回転子3の磁
極P21,P1,P22が固定子磁極の位置を通過する際
の磁束変化を説明する図である。第2A図に示す
ように、回転子磁極P1が固定子磁極Q1に対向し
ていない状態では、固定子磁極部Q1,Q2間は共
に回転体4の外周部に対向しており、鉄心2には
磁束が流れない。第2B図に示すように回転子磁
極P1が固定子磁極Q1に対向し始めると、回転子
磁極P1から鉄心2を通して回転子磁極P22側に磁
束φが流れるが、この時固定子磁極Q1が回転子
磁極P1とP22との双方に対向するため、磁束の一
部が固定子磁極Q1により側路されて磁束φrが流
れる。従つて回転子磁極P1が固定子磁極Q1に対
向し始めた後しばらくの間、鉄心2に流れる磁束
φは小さい値に制限される。次に回転子が更に回
転して第2C図及び第2D図を示した状態になる
と、固定子磁極Q1による磁束の側路がなくなり、
鉄心2に流れる磁束が増大していく。次いで第2
E図に示すように回転子磁極P1の中心が固定子
磁極Q1,Q2間の中心位置に一致すると、従来の
発電機では中立位置となつて鉄心に流れる磁束が
零になるが、本考案の発電機では固定子磁極Q1
及びQ2と回転子磁極P1との対向面積の差により
鉄心2に僅かに磁束が流れる。次に第2F図に示
すように、固定子磁極Q1と回転子磁極P1との対
向面積より固定子磁極Q2と回転子磁極P1との対
向面積が大きくなると、磁束の流れる方向が反転
し、第2G図のように回転子磁極P1及びP21がそ
れぞれ固定子磁束Q2及びQ1に対向する状態にな
ると、反転した磁束が正常に流れるようになる。
第2H図の状態になると固定子磁極Q2が回転子
磁極P1とP21との双方に対向するため、鉄心2に
流れる磁束は減少していく。上記の磁束φの変化
を回転角に対して図示すると第4図Aに実線で示
したようになる。
上記磁束φの変化により、点火コイルの1次コ
イル1aに図示の破線矢印方向及び実線矢印方向
の電圧が交互に誘起し、破線矢印方向の電圧によ
り第3図のダイオードD1及びトランジスタTr2
ベースコレクタ間及び抵抗R2を通して1次電流
が流れるとともに、ダイオードD4及び抵抗R5
通してコンデンサC1の充電電流が流れる。また
1次コイル1aの図示の実線矢印方向の誘起電圧
によりトランジスタTr1が導通して1次電流I1
流れる。1次コイル1aに流れる電流I1の波形を
磁束φの波形に対応させて示すと第4図Bに示す
通りであり、同図においてn0〜n3はそれぞれ、機
関の回転数N[rpm]がn0,n1,n2及びn3(n0<n1
<n2<n3)の時の1次電流波形を示している。ト
ランジスタTr1が導通及び遮断して機関の点火動
作が行われるのは第4図Bの下側に示されている
半サイクルであり、機関の回転数が同図に示した
波形n0のように低い場合には、前述のようにこの
半サイクルにおいて1次電流I1がピークに達する
位置でトランジスタTr3が遮断するとともにトラ
ンジスタTr2が導通してトランジスタTr1が遮断
し、点火動作が行われる。機関の回転速度がある
程度上昇すると、第4図Bに示す波形n1のよう
に、1次電流I1がピークに達するより前に所定の
トリガレベルItに達するため、該トリガレベルIt
に達した時点でトランジスタTr2に所定のベース
電流が流れてトランジスタTr2が導通状態にな
り、トランジスタTr1が遮断して点火動作が行わ
れる。機関の回転数Nがn1→n2→n3と上昇してい
くと1次電流がトリガレベルItに達する位相が進
むため、点火位置は機関の回転数の上昇に伴つて
進角していく。本考案においては、点火動作が行
われる半サイクルにおいて従来よりも遅れた位置
で1次電流がピークに達するため、進角幅を広く
とることができる。第5図は第3図の回路構成を
有する点火装置に従来の磁石発電機を用いた場合
と本考案に係わる磁石発電機を用いた場合とにつ
いて点火位置θiの回転数Nに対する特性を示した
もので、曲線aは従来の磁石発電機を用いた場
合、曲線bは本考案に係わる磁石発電機を用いた
場合をそれぞれ示している。これらの曲線から、
本考案によれば、進角幅を広くとることができる
ため、中高速時の点火位置を進角した位置に設定
した場合に低速時の点火位置を従来より遅れた位
置に設定することができることが分る。
また第1図の磁石発電機を逆転させた場合を考
えると、固定子鉄心2を流れる磁束の波形は第4
図Cに示すようになり、磁束φの変化により1次
コイル1aに誘起する電圧により流れる1次電流
I1は第4図Cに示すように正転時よりも波高値が
低い波形となる。このように発電機の逆転時には
1次電流の波高値が低くなるため、該1次電流が
トリガレベルI1に達する回転数(機関の点火動作
が開始される回転数)を高くすることができる。
従つて本考案によれば、機関の逆転時に低い回転
数から点火動作が行われるのを防止することがで
き、2サイクル内燃機関に適用した場合に機関の
逆転を防止する効果を得ることができる。
[考案の効果] 本考案によれば、固定子鉄心の対の固定子磁極
部の内、磁石回転子の回転方向の後方側に位置す
る一方の固定子磁極部を他方の固定子磁極部側に
延長して、一方の固定子磁極部の極弧角を他方の
固定子磁極部の極弧角よりも大きくし、対の固定
子磁極部相互間の角度間隔αを回転子磁極相互間
の角度間隔βに略等しく設定したので、延長され
た一方の固定子磁極部が隣り合う2つの回転子磁
極に跨つて対向して固定子鉄心に流れる磁束の一
部をバイパスする期間を、他方の固定子磁極部が
隣り合う2つの回転子磁極に跨つて対向して固定
子鉄心に流れる磁束の一部をバイパスする期間よ
りも長くして、固定子鉄心の磁束波形を非対称な
形状に歪ませることができ、1次電流がピークに
達する位置を遅らせることができる。従つて1次
電流が立上つてからピークに達するまでの角度幅
を広くして、進角幅を広くとることができる利点
がある。
また本考案によれば、機関の逆転時に流れる1
次電流の波高値を低くして、機関の逆転時に低い
回転数から点火動作が行われるのを防ぐことがで
きるため、2サイクル機関に適用した場合に、機
関の逆転を防止できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例で用いる磁石発電機の
構成を示す要部断面図、第2A図ないし第2H図
はそれぞれ第1図の磁石発電機における磁束の流
れを説明するため回転子の位置を少しずつ異なら
せた状態を示す動作説明図、第3図は本実施例で
用いる点火回路の構成例を示す回路図、第4図は
第1図の磁石発電機の磁束波形及び点火コイルの
1次電流波形を示す線図、第5図は本考案により
得られる点火特性を従来の点火装置により得られ
る点火特性と共に示した線図である。 1……点火コイル、1a……1次コイル、1b
……2次コイル、2……鉄心、3……磁石回転
子、4……回転体、4a……凹部、5……永久磁
石、P1,P21,P22……回転子磁極、Q1,Q2……
固定子磁極、TS……1次電流制御用トランジス
タスイツチ、BC……遮断制御回路。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 磁性材料からなる回転体4の外周に設けられた
    凹部4a内に永久磁石5を取付けて該永久磁石の
    外周側磁極と凹部の両側の回転体外周部とにより
    3極の回転子磁極P1,P21,P22を構成した磁石回
    転子3と、該磁石回転子磁極に対向する対の回転
    子磁極部Q1,Q2を両端に有する固定子鉄心2に
    巻装された点火コイル1とを備えて、各固定子磁
    極部Q1,Q2が隣合う異極性の回転子磁極P1,P21
    またはP1,P22に跨つて対向し得る大きさの極弧
    角を有するように形成されている磁石発電機と、 前記点火コイルの1次コイル1aに対して並列
    に設けられて該1次コイルの一方の極性の半サイ
    クルの出力でベース電流が与えられて導通する1
    次電流制御用トランジスタスイツチTSと、 前記点火コイルの1次電流を検出して該1次電
    流が所定の値に達した時に前記トランジスタスイ
    ツチを遮断させる遮断制御回路BCとを具備した
    内燃機関用点火装置において、 前記固定子鉄心の対の固定子磁極部の内、前記
    磁石回転子の回転方向の後方側に位置する一方の
    固定子磁極部が他方の固定子磁極部側に延長され
    て該一方の固定子磁極部の極弧角が他方の固定子
    磁極の極弧角よりも大きく設定され、 前記対の固定子磁極部相互間の角度間隔αが前
    記回転子磁極相互間の角度間隔βに略等しく設定
    されていることを特徴とする内燃機関用点火装
    置。
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