JPH0717815Y2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JPH0717815Y2
JPH0717815Y2 JP1990008819U JP881990U JPH0717815Y2 JP H0717815 Y2 JPH0717815 Y2 JP H0717815Y2 JP 1990008819 U JP1990008819 U JP 1990008819U JP 881990 U JP881990 U JP 881990U JP H0717815 Y2 JPH0717815 Y2 JP H0717815Y2
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stator
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coil
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健児 福田
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P1/00Installations having electric ignition energy generated by magneto- or dynamo- electric generators without subsequent storage
    • F02P1/08Layout of circuits
    • F02P1/083Layout of circuits for generating sparks by opening or closing a coil circuit

Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、磁石発電機を電源とする電流遮断形の点火装
置に関するものである。
[従来の技術] 内燃機関用の点火装置として、内燃機関により駆動され
る磁石発電機内に設けられた点火コイルの1次電流を遮
断させることにより点火用の高電圧を発生させるように
した電流遮断形の点火装置が多く用いられている。
この種の点火装置で用いられる磁石発電機は、多くの場
合、磁性材料からなる回転体の外周に設けられた凹部内
の中央に永久磁石を取付けて該永久磁石の外周側の磁極
を第1の回転子磁極部とし、凹部の両側の回転体外周部
をそれぞれ第2及び第3の回転子磁極部とした3極の磁
石回転子と、磁石回転子の磁極に対向する対の固定子磁
極部を両端に有する固定子鉄心に点火コイルを巻装した
点火コイルとを備えている。
点火コイルの1次側には、該点火コイルの1次コイルに
対して並列に接続されたトランジスタスイッチと、該ト
ランジスタスイッチの両端の電圧または1次コイルの両
端の電圧を検出して検出した電圧が所定のレベルに達し
たときにトランジスタスイッチを遮断させる遮断制御回
路とが設けられ、点火コイルの2次コイルの出力が機関
の気筒に取付けられた点火プラグに印加される。
磁石回転子は通常機関の出力軸に取付けられる。機関が
回転すると、点火コイルの1次コイルに交流電圧が誘起
する。1次コイルに一方の半サイクルの電圧が誘起する
とトランジスタスイッチにベース電流が与えられて該ト
ランジスタスイッチが導通し、1次コイルからトランジ
スタスイッチを通して1次電流が流れる。この1次電流
が所定の大きさに達すると、該トランジスタスイッチの
両端の電圧または1次コイルの両端の電圧が所定のレベ
ルに達するため、遮断制御回路がトランジスタスイッチ
を遮断させ、1次電流を遮断させる。この電流の遮断に
より1次コイルに比較的高い電圧が誘起する。この電圧
は点火コイルにより更に昇圧されるため点火コイルの2
次側に点火用の高電圧が得られる。この高電圧により点
火プラグに火花が生じ、機関が点火される。
上記の点火装置においては、機関の回転速度が上昇する
と、点火コイルの1次コイルに誘起する電圧が高くなる
ため、1次コイルの両端及びトランジスタスイッチの両
端に現れる電圧が上昇する。したがってトランジスタス
イッチの両端の電圧または1次コイルの両端の電圧が所
定のレベルに達する位置(点火位置)が進んでいき、点
火位置が進角していく。
[考案が解決しようとする課題] 上記のような電流遮断形の点火装置においては、1次電
流が立上ってからピークに達するまでの角度幅が理論上
の最大進角幅となり、実際の進角幅はこの理論上の最大
進角幅よりもかなり狭くなる。進角幅を広くするために
は、1次電流が立上ってからピークに達するまでの角度
幅を広くする必要があるが、3極の磁石発電機を用いた
従来の点火装置では上記の角度幅を広くとることができ
ず、進角幅を広くとることができなかった。
進角幅が狭いと、高速時の点火位置を上死点から所定の
角度だけ進角した位置に設定した場合に低速時の点火位
置が相当に進角した位置になるため、機関の始動時及び
低速時の動作が不安定になる恐れがある。特に機関を手
動式または足踏み式のスタータにより始動させる場合に
は、低速時にスタータが押し戻される現象(いわゆるケ
ッチン現象)が生じて、運転者に危険を及ぼす恐れがあ
る。
本考案の目的は、3極の磁石発電機を用いて進角幅を広
くすることができるようにした内燃機関よう点火装置を
提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本考案は、磁性材料からなる回転体の外周に設けられた
凹部内に中央に永久磁石を取付けて該永久磁石の外周側
の磁極を第1の回転子磁極部とし凹部の両側の回転体外
周部をそれぞれ第2及び第3の回転子磁極部とした3極
の磁石回転子と、磁石回転子の磁極に対向する対の固定
子磁極部を両端に有する固定子鉄心に点火コイルを巻装
してなる点火コイルとを備えた磁石発電機と、点火コイ
ルの1次コイルに対して巻装してなる点火コイルとを備
えた磁石発電機と、点火コイルの1次コイルに対して並
列に接続されたトランジスタスイッチと、該トランジス
タスイッチの両端の電圧または1次コイルの両端の電圧
が所定のレベルに達したときにトランジスタスイッチを
遮断させる遮断制御回路とを備えた内燃機関用点火装置
において、進角幅を広くとることができるようにしたも
のである。
そのため、本考案においては、固定子鉄心の対の固定子
磁極部のそれぞれの極孤角γを互いに等しく設定して、
該対の固定子磁極部相互間の角度間隔αを、第1の回転
子磁極部と第2の回転子磁極部との間及び第1の回転子
磁極部と第3の回転子磁極部との間のそれぞれの角度間
隔β以下に設定した。また対の固定子磁極部のそれぞれ
の外側端部間の角度間隔δを第2及び第3の回転子磁極
部相互間の角度間隔εよりも大きく設定した。
[作用] 上記のように、対の固定子磁極部相互間の角度間隔α
を、第1の回転子磁極部と第2の回転子磁極部との間及
び第1の回転子磁極部と第3の回転子磁極部との間のそ
れぞれの角度間隔β以下に設定し、対の固定子磁極部の
それぞれの外側端部間の角度間隔δを第2及び第3の回
転子磁極部相互間の角度間隔εよりも大きく設定する
と、1次電流が立上ってからピークに達するまでの角度
幅が広くなり、進角幅を広くとることができることが実
験により確認された。これは回転子磁極部から固定子鉄
心を通して流れる磁束がピークを迎える状態になる前に
固定子磁極部が隣り合う2つの回転子磁極に跨って対向
して磁束の一部をバイパスする区間が相当に長く生じる
ため、固定子鉄心を流れる磁束の波形が歪んでその立上
りが遅れる傾向になることによるものと思われる。
また上記のように対の固定子磁極部のそれぞれの極孤角
γを等しく設定し、第1の回転子磁極部と第2の回転子
磁極部との間の角度間隔及び第1の回転子磁極部と第3
の回転子磁極部との間の角度間隔を共にβとすると、固
定子鉄心をいずれの向きに取付けても1次コイルに誘起
する電圧の波形は同一になる。従って内燃機関の回転方
向がいずれの方向であっても固定子鉄心は同一の向きに
取付ければ良いため、固定子鉄心を内燃機関に取付ける
際に固定子鉄心の取付け方向に気を使う必要がなく、取
付け作業を容易にすることができる。
更に、内燃機関の回転方向の如何に係わり無く、同じ固
定子鉄心を用いることができるため、固定子鉄心の標準
化を図ることができる。したがって固定子鉄心を構成す
る鋼板を打ち抜くための金型の費用を削減することがで
き、コストの低減を図ることができる。
[実施例] 以下添付図面を参照して本考案の実施例を説明する。
第1図は本考案の実施例で用いる磁石発電機の構成例を
示したもので、同図において1は固定子鉄心2に巻装さ
れた点火コイル、3は鉄製の円盤状回転体4の外周部に
設けられた凹部4a内の中央に1個の永久磁石5を取付け
て構成した磁石回転子である。
磁石回転子3の永久磁石5の外周側の磁極面には鉄板か
らなる磁極片16が当接され、該磁極片16と磁石5とを貫
通させて凹部4aの底部にねじ込まれた図示しないねじに
より磁極片16及び磁石5が凹部4aの底部に固定されてい
る。磁石5はその外周側が例えばN極になるように回転
子の径方向に着磁され、凹部4aの両側の回転体外周部に
S極が現れている。永久磁石5の外周側の磁極が第1の
回転子磁極部P1を構成し、凹部4aの両側の回転体外周部
がそれぞれ第2及び第3の回転子磁極部P21及びP22を構
成している。この磁石回転子3は図示しない内燃機関の
出力軸に取付けられ、図示の矢印U方向またはV方向に
機関と同期回転するように駆動される。
点火コイルを巻装した固定子鉄心2は、I字型のコイル
巻装部201と、該コイル巻装部の一端から直角に折れ曲
った脚部202とを一体に有するほぼL字型の第1の鉄心
構成体2Aと、一端にコの字型の凹部203を有して該凹部2
03に第1の鉄心構成体2Aのコイル巻装部201の他端を嵌
合させることによりコイル巻装部201と直角に配置され
た状態で鉄心構成体2Aに接合された第2の鉄心構成体2B
とからなっている。これらの鉄心構成体2A,2Bは共に鋼
板の積層体からなり、第2の鉄心構成体2Bの先端及び脚
部202の先端にそれぞれ回転子磁極部に対向する対の固
定子磁極部Q1及びQ2が構成されている。点火コイル1は
1次ボビンに巻回された1次コイルと該1次コイルの外
周に2次ボビンを介して同心的に巻回された2次コイル
とを樹脂モールド部100により被包した公知の構造のも
のである。モールド部100の端部には膨出部101が形成さ
れ、この膨出部101内に2次コイルの非接地側端子につ
ながる2次端子を内部に有する2次端子導出筒102の一
端が埋設固定されている。高圧コード6の一端が2次端
子導出筒102内に係入されて該高圧コードの芯線が導出
筒内の2次端子に接続されている。高圧コードの根本付
近と2次端子導出筒102とに跨ってゴムブッシング7が
嵌装され、このブッシングにより高圧コード6と2次端
子との接続部の防水が図られている。モールド部100の
2次端子導出筒102側の端面には1次コイルの非接地側
端子につながる1次端子103と1次コイル及び2次コイ
ルの接地側端子につながるアーム端子104とが導出され
ている。
上記点火コイル1は第1の鉄心構成体2Aのコイル巻装部
201に嵌装され、その後第1の鉄心構成体2Aのコイル巻
装部201の端部に第2の鉄心構成体2Bが取付けられて磁
石発電機の固定子が組み立てられる。点火コイルのアー
ム端子104は固定子鉄心2の脚部202の端部に当接されて
該鉄心2に電気的に接続されている。
上記の磁石発電機において、固定子磁極部Q1及びQ2の極
孤角γは共に等しく設定され、該固定子磁極部Q1及びQ2
の外側端部間の角度間隔δは第2及び第3の回転子磁極
部P21及びP22相互間の角度間隔εよりも大きく設定され
ている。またこの種の磁石発電機では、第1図に示した
ように点火コイル1の1次コイル及び2次コイルを軸線
方向に2等分する直線(点火コイルの中心線という。)
O−Oを永久磁石5の中央部に一致させた状態で、固定
子磁極部Q1及びQ2の内側端部付近が第1の回転子磁極部
P1(磁極片6)にオーバラップするように形成される。
従来の磁石発電機では、この固定子磁極部Q1,Q2と磁極
片6とのオーバラップ量がほぼ2mm程度に設定され、α
>βであった。これに対し、本考案においては、点火コ
イル1の中心線O−Oと固定子磁極部Q1,Q2の内側端部
とがなす角θ1が第1の回転子磁極部P1と第2の回転子
磁極部P21との間及び第1の回転子磁極部P1と第3の回
転子磁極部P22との間のそれぞれの角度間隔βの1/2以下
になる位置まで固定子磁極部Q1及びQ2の内側端部が延長
されている。これにより、固定子磁極部Q1,Q2相互間の
角度間隔αが回転子磁極部相互間の角度間隔β以下にな
るように設定されて、固定子磁極部と磁極片6とのオー
バラップ量の増大が図られている。
上記固定子鉄心2は第1の鉄心構成体2Aの脚部202及び
第2の鉄心構成体2Bにそれぞれ設けられた取付け孔204
及び205を貫通させた図示しないボルトを機関のケース
等に設けられた固定子取付け部に固定され、固定子磁極
部Q1及びQ2が所定のギャップを介して回転子磁極部に対
向させられる。
第2図は上記磁石発電機を電源とする電流遮断形の内燃
機関用点火装置を示したものである。点火コイル1は一
端が接地された1次コイル1a及び2次コイル1bを有し、
1次コイル1aには1次電流制御回路8が接続され、2次
コイル1bには機関の気筒に取付けられ点火プラグ9が高
圧コード6を介して接続されている。
1次電流制御回路8は、コレクタエミッタ間回路が1次
コイル1aに対して並列に接続されたダーリントン接続さ
れた複合トランジスタTr1からなるトランジスタスイッ
チを備え、このトランジスタスイッチには、抵抗R1及び
R2を通して1次コイル1aの他端(非接地側端子)側から
ベース電流が与えられている。
トランジスタTr1のベースエミッタ間にNPNトランジスタ
Tr2のコレクタエミッタ間回路が接続され、該トランジ
スタTr2のベースはダイオードD1及びD2のカソードの共
通接続点に接続されている。ダイオードD1のアノードは
接地され、ダイオードD2のアノードは抵抗R3を介して1
次コイル1aの他端に接続されている。ダイオードD2のア
ノードにはまたダイオードD3のアノードが接続され、該
ダイオードD3のカソードには抵抗R4を介してトランジス
タTr3のコレクタが接続されている。トランジスタTr3
エミッタは接地され、該トランジスタのベースはアノー
ドを接地したダイオードD4のカソードに接続されてい
る。またトランジスタTr3のベースにコンデンサC1の一
端が接続され、コンデンサC1の他端は抵抗R5を通して1
次コイル1aの他端に接続されている。またトランジスタ
Tr3のコレクタエミッタ間にはコンデンサC2が接続され
ている。この例では、トランジスタTr2及びTr3と、ダイ
オードD1ないしD4と、抵抗R3ないしR5と、コンデンサC1
とにより、トランジスタTr1からなるトランジスタスイ
ッチの両端の電圧または1次コイル1aの両端の電圧が所
定のレベルに達したときにトランジスタスイッチを遮断
させる遮断制御回路が構成されている。
上記の点火装置において、機関が回転すると点火コイル
の1次コイル1aに交流電圧が誘起する。1次コイル1aに
図示の破線矢印方向の半サイクルの電圧が誘起すると1
次コイル1aからダイオードD4を通してコンデンサC1が図
示の極性に充電される。1次コイル1aに図示の実線矢印
方向の半サイクルの電圧が誘起すると同時に、抵抗R5
コンデンサC1とを通してトランジスタTr3にベース電流
が流れるため、先ずトランジスタTr3が導通する。トラ
ンジスタTr3が導通すると1次コイル1aの両端の電圧が
抵抗R3及びR4により分圧されてトランジスタTr2のベー
スエミッタ間に加わるが、最初にこの電圧はトランジス
タTr2をトリガするレベルに達していないため、トラン
ジスタTr2は遮断している。従って1次コイル1aから抵
抗R2及びR1を通してトランジスタTr1にベース電流が供
給され、該トランジスタTr1が導通する。トランジスタT
r1が導通すると、1次コイル1aからトランジスタTr1
コレクタエミッタ間を通して大きな1次電流が流れる。
この1次電流がピークに達し、トランジスタTr1のコレ
クタエミッタ間の電圧がピークに達するとコンデンサC1
の充電が完了し、トランジスタTr3が遮断する。トラン
ジスタTr3が遮断すると、トランジスタTr1のコレクタエ
ミッタ間の電圧により抵抗R3とダイオードD3と抵抗R4
を通してコンデンサC2が充電される。コンデンサC2の端
子電圧が低い間はトランジスタTr2にほとんどベース電
流が流れないため、該トランジスタTr2は遮断状態に保
持されている。コンデンサC2の端子電圧が所定の大きさ
になるとトランジスタTr2に所定の大きさ以上のベース
電流が供給されるようになるため、該トランジスタTr2
が導通し、トランジスタTr1が遮断する。これにより1
次電流が遮断され、1次コイル1aに高い電圧が誘起す
る。この電圧は点火コイルにより更に昇圧されるため2
次コイル1bに点火用の高電圧が得られる。この電圧は点
火プラグ9に印加されるため、該点火プラグに火花が生
じ、機関が点火される。上記のようにして、機関の回転
速度が低い領域では、トランジスタTr1のコレクタエミ
ッタ間(トランジスタスイッチの両端)の電圧(1次コ
イル1aの両端の電圧)がピークを過ぎた後コンデンサC2
が所定の電圧まで充電された位置で点火が行われる。
機関の回転速度が上昇し、1次コイル1aの誘起電圧が上
昇していくと、コンデンサC1の充電が行われてトランジ
スタTr3が導通している間に抵抗R4の両端の電圧が所定
のレベル以上になってトランジスタTr2に所定の大きさ
のベース電流が流れるようになるため、トランジスタT
r2が導通する位置(点火位置)が進んでいく。従って回
転速度の上昇に伴って点火位置が進角していく。固定子
磁極部Q1,Q2相互間の角度間隔αを種々変えて1次電流
波形を観測し、進角幅を測定する実験を行ったところ、
上記のように、固定子磁極部Q1及びQ2の内側端部を延長
して各固定子磁極部と回転子磁極部P1とのオーバラップ
量を増大させると、1次電流が立上ってからピークを迎
えるまでの角度幅を広くとることができ、進角幅を広く
とることができることが確認された。これは、回転子磁
極部から固定子鉄心を通して流れる磁束がピークを迎え
る状態になる前に固定子磁極部が隣り合う2つの回転子
磁極部に跨って対向して磁束の一部をバイパスする区間
が相当長く生じるため、固定子鉄心を流れる磁束の波形
が歪んでその立上りが遅れる傾向になることによるもの
と考えられる。
第3図は上記実施例で用いている磁石発電機の点火コイ
ルに鎖交する磁束波形を示している。同図において破線
で示したφ′は上記オーバラップ量を2mm程度に設定し
た従来の磁石発電機における磁束波形を示し、実線で示
した磁束φは上記実施例において固定子磁極部の角度間
隔αを回転子磁極部の角度間隔βに等しく設定した場合
の磁束波形を示している。第3図から明らかなように、
本考案に係わる磁石発電機では磁束波形の立上りが遅
れ、波形が歪んでいる。このように磁束波形が歪むと、
1次電流が立上ってからピークに達するまでの角度幅が
広くなり、進角幅を広くとることができるようになる。
第4図は点火回路を接続しないで磁石発電機のみを低速
で回転させた場合の1次短絡電流波形を示したもので、
同図において破線で示した波形は従来の磁石発電機の1
次短絡電流I1s′の波形を示し、実線で示した波形は本
考案に係わる磁石発電機の1次短絡電流I1sの波形を示
している。これより、本考案に係わる磁石発電機を用い
た場合には、1次短絡電流の波形の立上りが遅れ、1次
電流がピークに達するのが大幅に遅れることが分かる。
第5図は点火コイルに第2図の1次電流制御回路を接続
した場合の低速時の1次電流波形を示したもので、同図
に破線で示した波形は従来の磁石発電機を用いた場合の
1次電流I1′の波形を示し、実線で示した波形は本考案
の実施例における1次電流I1の波形を示している。第5
図においてθ′及びθはそれぞれ従来の点火装置及
び本考案に係わる点火装置の低速時における点火位置を
示し、これらの点火位置で1次電流I1′及びI1がそれぞ
れ遮断されて点火動作が行われる。このように、本考案
によれば、低速時の点火位置を大幅に遅らせることがで
きるため、低速時に点火位置が進角するのを防ぐことが
でき、機関の始動時及び低速時の動作を安定にすること
ができる。
第6図に従来の点火装置により得られる点火特性(点火
位置θの回転速度Nに対する特性)aと、本実施例によ
り得られた点火特性bとを示した。第6図においてTDC
は機関の上死点を示し、各点火位置は上死点から下死点
側に測っている。
固定子磁極部相互間の角度間隔αを回転子磁極部相互間
の角度間隔β以下に設定することが必要であるが、αを
あまり小さくすると1次コイルの誘起電圧が低下する。
従って固定子磁極部相互間の角度間隔αは発電機の出力
の低下を点火動作に支障を来さない範囲に抑えて、しか
も所定の進角幅を得るようにα≦βの範囲で適当な値に
設定する。
上記実施例の磁石発電機において、固定子鉄心の固定子
磁極部はそれぞれの極孤角γが等しく設定され、第1の
回転子磁極部と第2の回転子磁極部との間の角度間隔及
び第1の回転子磁極部と第3の回転子磁極部との間の角
度間隔が共に等しく(=β)設定されているため、内燃
機関の回転方向がいずれの方向であっても、固定子鉄心
は同一の向きに取付ければ良い。従って固定子鉄心を内
燃機関に取付ける際に固定子鉄心の取付け方向に気を使
う必要がなく、取付け作業を容易にすることができる。
また内燃機関の回転方向の如何に係わり無く、同じ固定
子鉄心を用いることができるため、固定子鉄心の標準化
を図ることができ、鉄心を打ち抜くための金型の費用を
削減してコストの低減を図ることができる。
[考案の効果] 以上のように、本考案によれば、対の固定子磁極部相互
間の角度間隔αを、第1の回転子磁極部と第2の回転子
磁極部との間及び第1の回転子磁極部と第3の回転子磁
極部との間のそれぞれの角度間隔β以下に設定し、対の
固定子磁極部のそれぞれの外側端部間の角度間隔δを第
2及び第3の回転子磁極部相互間の角度間隔εよりも大
きく設定することにより固定子磁極部と回転子磁極部と
のオーバラップ量を増大させたので、回転子磁極部から
固定子鉄心を通して流れる磁束がピークを迎える状態に
なる前に固定子磁極部が隣り合う2つの回転子磁極部に
跨って対向して磁束の一部をバイパスする区間を相当に
長く生じるさせることができ、固定子鉄心を流れる磁束
の波形を歪ませてその立上りを遅らせることができる。
従って1次電流が立上ってからピークに達するまでの角
度幅を広くすることができ、進角幅を広くとることがで
きる利点がある。
また本考案によれば、対の固定子磁極部のそれぞれの極
孤角を等しく設定し、第1の回転子磁極部と第2の回転
子磁極部との間の角度間隔及び第1の回転子磁極部と第
3の回転子磁極部との間の角度間隔を等しく設定したの
で、固定子鉄心をいずれの向きに取付けても1次コイル
に同一波形の誘起電圧を得ることができる。従って内燃
機関の回転方向がいずれの方向であっても固定子鉄心は
同一の向きに取付ければ良いため、固定子鉄心を内燃機
関に取付ける際に固定子鉄心の取付け方向に気を使う必
要がなく、取付け作業を容易にすることができる利点が
ある。
更に、内燃機関の回転方向の如何に係わり無く、同じ固
定子鉄心を用いることができるため、固定子鉄心の標準
化を測ることができ、固定子鉄心を構成する鋼板を打ち
抜くための金型の費用を削減してコストの低減を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例で用いる磁石発電機の要部の構
成を一部断面して示した正面図、第2図は本考案の実施
例で用いる点火装置の回路構成を示す回路図、第3図は
本考案の実施例で用いる磁石発電機及び従来の点火装置
で用いられていた磁石発電機の磁束波形を回転角度に対
して示した波形図、第4図は本考案の実施例で用いる磁
石発電機及び従来の点火装置で用いられていた磁石発電
機の点火コイルに1次電流制御回路を接続しない状態で
1次コイルを短絡した場合に流れる1次短絡電流の波形
を示した波形図、第5図は本考案の実施例及び従来の点
火装置の1次電流の波形を示した波形図、第6図は従来
の点火装置及び本考案に係わる点火装置により得られる
点火特性を比較して示した線図である。 1……点火コイル、2……固定子鉄心、Q1,Q2……対の
固定子磁極部、3……磁石回転子、4……回転体、4a…
…凹部、5……永久磁石、16……磁極片、P1……第1の
回転子磁極部、P21……第2の回転子磁極部、P22……第
3の回転子磁極部、α……固定子磁極部Q1,Q2相互間の
角度間隔、β……回転子磁極部相互間の角度間隔、γ…
…固定子磁極部の極孤角、δ……対の固定子磁極部の外
側端部間の角度間隔、ε……第2及び第3の回転子磁極
部相互間の角度間隔。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性材料からなる回転体の外周に設けられ
    た凹部内の中央に永久磁石を取付けて該永久磁石の外周
    側の磁極を第1の回転子磁極部とし前記凹部の両側の回
    転体外周部をそれぞれ第2及び第3の回転子磁極部とし
    た3極の磁石回転子と、前記磁石回転子の磁極に対向す
    る対の固定子磁極部を両端に有する固定子鉄心に点火コ
    イルを巻装してなる点火コイルとを備えた磁石発電機
    と、前記点火コイルの1次コイルに対して並列に接続さ
    れたトランジスタスイッチと、該トランジスタスイッチ
    の両端の電圧または1次コイルの両端の電圧が所定のレ
    ベルに達したときに前記トランジスタスイッチを遮断さ
    せる遮断制御回路とを備えた内燃機関用点火装置におい
    て、 前記固定子鉄心の対の固定子磁極部のそれぞれの極孤角
    γが互いに等しく設定されていて該対の固定子磁極部相
    互間の角度間隔αが前記第1の回転子磁極部と第2の回
    転子磁極部との間及び第1の回転子磁極部と第3の回転
    子磁極部との間のそれぞれの角度間隔β以下に設定さ
    れ、 前記対の固定子磁極部のそれぞれの外側端部間の角度間
    隔δが前記第2及び第3の回転子磁極部相互間の角度間
    隔εよりも大きく設定されていることを特徴とする内燃
    機関用点火装置。
JP1990008819U 1990-01-31 1990-01-31 内燃機関用点火装置 Expired - Lifetime JPH0717815Y2 (ja)

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