JPH051545Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、足場枠等の縦パイプを結合するた
めの接続装置に関するものである。

〔従来の技術と問題点〕

足場枠や単管足場の縦パイプを連結して仮設足
場を構築する接合装置には、突起嵌合方式アーム
ロツク結合方式の二種類がある。

前者の突起嵌合方式は、第１図乃至第４図に示
すように、中央に支持段部１を設けたジヨイント
２の下端部に円周方向の長孔３を設け、下位足場
枠Ａの縦パイプａ内に下半部を挿入した前記ジヨ
イント２と縦パイプａを、長孔３を貫通するピン
４によつて回動自在に結合すると共に、ジヨイン
ト２の上端部に軸方向に沿う直線部５と円周方向
の屈曲部６からなるＬ形溝７を設け、ジヨイント
２の上半部に外嵌する上位足場枠Ｂの縦パイプｂ
にＬ形溝７の屈曲部６に掛合する内向きの突起８
を設けて構成されている。

上下の縦パイプａとｂを結合するには、下位縦
パイプａにジヨイント２を嵌挿してピン４で回動
可能に結合し、Ｌ形溝７の直線部５に突起８が嵌
り合うように上位足場枠Ｂの縦パイプｂをジヨイ
ント２の上半部に嵌挿し、この後ジヨイント２を
回動させ、屈曲部６を突起８に嵌合させれば、第
４図に示したように、上下縦パイプａとｂを軸方
向に結合することができる。

なお、縦パイプｂに設ける突起８は、プレス成
形により円形軸状に形成してもよいが、第２図乃
至第４図に示すように、一対の切起片８ａ，８ａ
を縦パイプｂの内側に折曲げて形成してもよく、
このようにすると、屈曲部６に対する突起８の掛
合面が縦パイプｂの軸線に対して直角となり、耐
引張強度が向上するという利点がある。

次に後者のアームロツク結合方式は、第５図に
示すように、中央に支持段部１１を設けたジヨイ
ント１２の下半部と下位足場枠Ｄにおける縦パイ
プｄとをピン１３によつて結合すると共に、ジヨ
イント１２の上半部に上位足場枠Ｅの縦パイプｅ
を嵌挿し、上下両縦パイプｄ，ｅの外面に突設し
たブレースピン１４，１４に第１図に一点鎖線で
示したアームロツク１５を嵌合することにより、
上下縦パイプｄとｅを結合するようになつてい
る。

ところで、仮設足場の構築において、突起嵌合
方式の足場枠とアームロツク結合方式の足場枠及
び各足場枠用のジヨイントとが混用される場合が
ある。

従来の突起嵌合方式に用いるジヨイント２と、
アームロツク結合方式に用いるジヨイント１２
は、第４図と第５図のように、上半部の長さ寸法
Ｌが略等しい長さに形成されていた。

このため、突起嵌合方式の足場枠Ｂに設ける突
起８の位置は、第４図のように、縦パイプの下端
からの距離がジヨイント２における上半部の長
さ寸法Ｌよりも短かくなるのが当然である。

足場枠及びジヨイントの混用において、突起嵌
合方式のジヨイント２に対してその上半部にアー
ムロツク結合方式の足場枠Ｅを結合したときは、
干渉部分がなく、縦パイプｅの下端が支持段部１
上に載るため、特に問題はない。

これに対して、アームロツク結合方式のジヨイ
ント１２に突起嵌合方式の足場枠Ｂを接続しよう
とすると、第６図で示すように、ジヨイント１２
の上端に突起８が当り、縦パイプｂの下端は支持
段部１１から浮上ることになり、所定の荷重支持
強度が得られないと共に、上下ブレースピン１
４，１４のピッチも大きくなり、アームロツク１
５による結合も行なえないため、アームロツク結
合方式のジヨイント１２に対する突起嵌合方式の
足場枠Ｂを接続使用することは不可能である。

〔考案の目的〕

この考案は、上記のような点にかんがみてなさ
れたものであり、突起嵌合方式とアームロツク方
式の混用が支障なく行なえる足場枠等の接続装置
を提供することが目的である。

〔目的を達成するための手段〕

上記のような目的を達成するため、この考案
は、ジヨイントの上半部の長さをアームロツク結
合方式のジヨイントの上半部の長さよりも長く形
成し、このジヨイントの上半部に設けるＬ形溝と
このＬ形溝に掛合するよう上位縦パイプに設ける
突起の位置をアームロツク結合方式のジヨイント
の上半部の上端よりも上部に位置するよう設定し
た構成を採用したものである。

〔作用〕

突起嵌合方式のジヨイントにおける上半部がア
ームロツク結合方式のジヨイントの上半部よりも
長く形成され、突起とＬ形溝とが、アームロツク
結合方式のジヨイント上端よりも上部の位置に設
定されているため、アームロツク結合方式のジヨ
イントに対して突起嵌合方式の縦パイプを嵌挿し
ても、突起はジヨイントの上端に干渉することが
なく、混合使用が支障なく行なえる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面の第７図と
第８図に基づいて説明する、なお、第１図乃至第
６図と同一部分は同一符号を付すことによつて説
明に代える。

第７図のように、突起嵌合方式におけるジヨイ
ント２ａの上半部の長さL₁を、第５図に示した
アームロツク結合方式に用いるジヨイント１２の
上半部の長さＬよりも長く形成し、支持段部１か
らＬ形溝７の屈曲部６までの長さ₁はアームロ
ツク結合方式のジヨイント１２の上端よりも上に
位置するように設定されている。

また、突起嵌合方式の足場枠における縦パイプ
ｂには、下端が支持段部１に当接した状態で、屈
曲部６に掛合する位置に突起８が設けられてい
る。

この考案の接続装置は上記のような構成であ
り、第８図に示すように、アームロツク結合方式
のジヨイント１２に対して突起嵌合方式の足場枠
Ｂを接続した場合、突起８はジヨイント２ａの上
端よりも上部に位置して干渉することがなく、上
下の縦パイプａ，ｂをブレースピン１４，１４に
わたつて嵌挿したアームロツク１５によつて結合
することができる。

また、突起嵌合方式のジヨイント１２に対して
アームロツク結合方式の足場枠を接続する場合
は、従来と同様問題はない。

〔効果〕

以上のように、この考案によると、突起嵌合方
式とアームロツク結合方式の足場枠が混用される
場合、アームロツク結合用ジヨイントに対して突
起嵌合方式の足場枠を接続することができ、接続
方式の異なる足場枠や単管足場の構築が支障なく
行なえるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る接続装置を使用する
足場枠の分解斜視図、第２図は同上における突起
嵌合方式の接続装置を示す分解斜視図、第３図は
同上の横断面図、第４図は同縦断面図、第５図は
アームロツク結合方式の縦断面図、第６図はアー
ムロツク結合方式のジヨイントと突起嵌合方式の
足場枠とを混用した状態の縦断面図、第７図はこ
の考案に係る接続装置の縦断面図、第８図は同上
において、アームロツク結合方式のジヨイントに
突起嵌合方式の足場枠を混用した縦断面図であ
る。 １……支持段部、２ａ……ジヨイント、５……
直線部、６……屈曲部、７……Ｌ形溝、８……突
起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下半部を下位縦パイプに挿入して回動可能に結
   合するジヨイントの上部に、軸方向に沿う直線部
   と円周方向の屈曲部を連ねたＬ形溝を設け、この
   ジヨイントの上半部に嵌挿する上位縦パイプにＬ
   形溝の屈曲部に掛合する突起を設けた突起嵌合方
   式の足場枠等の接続装置において、ジヨイントの
   上半部の長さをアームロツク結合方式のジヨイン
   トの上半部の長さよりも長く形成し、このジヨイ
   ントの上半部に設けるＬ形溝とこのＬ形溝に掛合
   するよう上位縦パイプに設ける突起の位置をアー
   ムロツク結合方式のジヨイントの上半部の上端よ
   りも上部に位置するよう設定したことを特徴とす
   る足場枠等の接続装置。